の主なものとして、 早く治療して退散させることが肝要である。これがために 姙娠前半期に出血する流産、抱状鬼胎 ( ぶどう児 ) は身心の安静と食事療法とが何より肝要であるから、人院 及び子宮外姙娠中絶 しないと完全な治療を行い難く、この際医薬は二のつぎで 姙娠後半期に出血する前置胎盤と正常位胎盤早剥 どんな有効な薬でも安静と食事療法に手ぬかりがあれば殆 上 ) よいこ レ。 / 冫 んど効がないのである。子を発し、また正常位胎盤早期 姙娠各月を通じて随時出血するものに子宮癌、子宮 離に至ったものは直ちに人院の要があるのはいう迄もな 筋腫等の合併がある。 く、この二者と後記する前置胎盤との三病は姙娠、分娩を通 いすれも医師によって発見、診断されるもので、直ちに じての母体の三大危険症で、充分な設備と人手のある病、 産医院でないと手当し難い病気であること、これらのため医療を要することはいうまでもない。 母体の死を招くことも・禾たに稀でないことを知って欲しい 3 腹部の異常膨大 ものである。 正常姙娠に比べて腹部が並はすれて膨大するのに多胎姙 2 性器出血 三つーーか羊水過多症があり 姙娠初期には月経に似た軽い出血をみることがあり、こ早産することが多く、なお羊水過多症の時は奇形児 , ー・か たわ児ーーーが少くないのである。また姙娠前半期で既に著 れを月経様姙娠出血と称して、生理的出血と見做されてい るが、その多くは月経と誤られ、後に医師の診察によってしく膨大しておれば胞状奇胎か、さもなくば正常姙嫉に合 はじめてそれと知るのを常とする。このはかの出血はすべ併した卵巣隴腫の疑いがある。 このほか再三の分娩で腹壁が弛むと姙娠子宮が著しく前 て病気の徴であって母子に危険を招くことも多いのである から、僘かでも局部出血があったら猶予なく専門医の詳し方に突き出るため腹部が大ぎすぎるように見えるもので、 い検査を受けねばならない。姙娠中の性器出血を招く病気かくの如きを懸垂蝮といい難産を招くおそれがある。 異常姙娠の予防と早期発見
場等から子供に淋病、梅毒がうつることがある。手拭は出結婚前の人に身体検査 ( 血液検査を含む ) を定期的に行っ 来るだけ専用にすること、また風呂場で浴の縁にまたがて性病にかかっていることを知らない人や不完全な治療の ったり、洗い場にべたりと外陰部をつけて坐ることは特にままで放ってある人を治療する。病院、医院その他の医療 幼女の場合危険である。坐る前に洗い場をよく流して坐ら施設の他に各保健所に性病診療所を設けて正しい診断と治 せるこ・と。また眼とか幼女の外陰部は常に気をつけて異常療をうけられるようにしてある。 を早く発見することも大切である。乳母に育児をたのむと性病思者を診療した医師は保健所に届出ると、保健所で はその患者と接触した人に、性病があるかどうかを検査す きは性病がないことを身体検査でたしかめる必要がある。 る。これで性病が発見されれば治療を行う。このようなこ とは全く個人の秘密であるから、保健所でも絶対秘密をま 十、佃人的予防方法 もり誰れにも知らさす行っている。こうして患者をはやく 伝染の危険の多い性的ふしだらをしないことが一番安全発見して早く正しい治療をするような制度がとられ、性病 である。サック、各種予防薬、事後の洗滌その他ペニシリ予防法という法律でこれを行っている。病気になったら恥 ソ等の予防的使用も正しく行えばある程度の予防効果があかしがらす自分の病気をはやく治すと共に家族にうっさぬ る。 ようまた他人にも同じ苦しみをかけないようにするのが健 康の保持、増進に最も大切なことだからである。 ( 宮入正人 ) 十一、現在国として行っている予防 方法の原則 異常を発見した人が自発的に出来るだけはやく医師に診 て貰うように衛生知識を普及する。一方学校、工場、姙婦 結婚・姙娠・出産・育児と性病個人的予防方法現在国として行っている予防方法三八一
浣腸を行う。中毒症状が現れたら、急いで医師の手当を求それを三 ~ 四回くり返す。医師は重曹剤を注射する。 める。 その他、特異質と称して、或る薬に対して皮膚にさまざ ふぐの中毒は不完全な料理をした肉を摂取したものに起まな発疹ができることがある。この薬は一〇数種以上もあ る。先す、食事後一乃至二時間後、ロびるがしびれるようる。一度その経験をしたら、他の病気で医師に診療をうけ な感しがある。それにつヾいてそのしびれ ( 筋肉の麻ひ ) るときにもその特異質のあることをその医師に告げておか が全身にひろがり、呼吸、筋肉の停止で死亡する。これもねばならない。 その初期に気がついたら、嘔吐させること。胃洗滌、ヒマ シ油の内服、浣腸を行う。筋肉の麻ひが始まったものは、 十一、しやっくりの手当 その毒が既に全身血流に人ったものであるから医師は対症 療法を行うのみである。 しやっくりはある病気の症状として来る ( 横隔膜神経の メチルアルコール中毒。これは誤用により或は故意に飲圧迫、或は剌激 ) 。しかし日嘗のしやっくりは、これという ・用して中毒することが現在でもたまにある。その始めの症原因もなくよくおこる。医師の行う手当の外に、家庭で行う 状は数時間後に現われる。症状は胃部の激痛、嘔吐、視力手当としては、呼吸を吸気のま & しばらく止めること。 障害、めまい、呼吸因難があり、脈早く、チアノーゼ ( ロ鼻を刺激してくしやみを出すこと。冷い飲料を少々づっ びるや爪の色がうすく紫色になること ) を起し遂に死ぬ。幸 くりかえしてのなこと。甲状軟骨 ( 頸の前面のどぼとけの 、に治っても盲目になる。手当は気がついたら直ちに胃洗軟骨 ) の上部をかるく続けて圧迫すること。頸の後面に冷 滌を行う。数日を経た後でもこれは行わねばならぬ。次でヒをあてること、びつくりさせることなどであるが、これら マシ油三〇グラムのませる。胃洗滌の代りに温水を沢山のは効くこともあるという程度のものである。頑固なものは ませて吐かせる。それを数回くり返し行う。重曹があった医師の手当を要する。のどの奥をめん棒で強く剌激し、こ ら三 ~ 四グラムを温水にて三 ~ 四時間おきに内服させる。ずかせると止まることがよくある。 窒息の手当中毒の手当しやっくりの手当 四三七
ために、ショックという状態になることがある。このとき故に乾いた木、竹、布は電気を通さないが、しめったもの には心臓が弱くうち脈摶も弱くその数が一分間一五〇以上はよく通す。これは家庭で電気をいぢくるときに知ってお くべきことである。 をうち、顔面蒼白で軽いチアノーゼ ( ロ唇や爪がやや紫色 になること ) を呈する。また四肢冷く、冷汗がある。これ は危険なこともあるが、手当によって回復する。印ち強心 七、意識を失った人の手当 剤を与え、保温の処置をし、医療設備のある所なら輸血な 意識を失うことを普通人事不省というが、その原因は沢、 電気の体に人った部分、印ち電線に触れた部分と電流の山あるので手当も一様ではない。原因を挙げると、脳浴血 出た部分とに火傷を生じる。これは最強、黒こげ印ち炭化脳貧血、大出血、子癇、ヒステリー、癇、脳震盪、ガス中 から、紅斑の程度迄あるが、これは周囲の健康部から判然毒、溺水、モルヒネ等の睡眠を催す或は麻酢をきたす薬の中 と区別せられ、その中央部に孔のあることもある。この火毒、こごえじに、喝病 ( 日射病、熱射病 ) 外傷性ショック等 がある。各々の場合の症状と手当とを次に述べる。 傷の手当は普通の火傷の手当と同様である。すべて電気が 体を通過するときは何時も体全部を通過するものでない。 脳血 ( または脳出血 ) 四五歳以上の人に多い。脳浴血 電流の人った部分と出た部分の間に心臓の如き重要臓器をで倒れた人は、顔は赤く 、脈は大抵大きくしつかり打って 含まないときには軽い傷害ですむ。 いる。手当は頭を心もち高くして仰臥させ、頭に氷枕、水 電線に触れて、倒れている人を助けるには、そのはたかをあてる。医師をすぐ呼ぶこと。医師のくる迄は動かさ の電線をはねのけるのに自分が直接にその電線に触れては ない方がよい。 - しーにユ / し 、絶縁体印ち電気を通さない物を手に持って、電脳貧血、これは過敏な人が、急激な精神の衝動を受けた 線をのける。乾いた木や竹の棒が最もよい。天然ゴムもよとき、また、貧血の人或は長く病臥していた人が急におき ろしい。空気は電気を通さない。水分は電気をよく通す。上った時に起る。その発作の前に、あくびをする。そして、 感電の手当意識を失った人の手当 四三三
性病の予防 すぐ治療をうけ、治るまでは他の人と接触しなければ性病 をこの世からなくしてしまうことも出来る筈である。だか 七、姙娠と性病 ら第一に必要なことは自分の体に異常をみつけたらすぐ医 師に診てもらって完全な治療をうけること。第二あなたに 男女の一方或は双方が性病のために不姙になる場合もあ その病気をうっした人、また自分がその病気をうっしたか る。また性病に姙娠前にかかる場合も姙娠後にかかる場合 も知れない人もすぐ医師に診てもらい、治してもらうよう もあるが、いすれにせよ少くとも姙娠したとき、姙娠五カ にすること。第三に自分が病気をもっている時は医師がよ 月目以後毎月一度は医師にみて貰い、病気があれば早く治 いというまで人に接触しないこと。第四に最も大切で一番 し母体を健康に保つこと。また万一梅毒にかかっている場 安全なのは性的にふしだらな行為をしないことである。 合は一日も早く治療をはじめること、分娩直前まで治療す ることでたとえ母親の病気がなおりきらなくとも先天性梅 六、結婚と性病 毒を最少限度に防ぐことが出来る。 結婚前にお互いの健康状態について充分理解をもっこと 八、出産と性病 は極めて大切なことである。中でも性病にかかっているか どうかは本人達の健康に直接関係があるし、また梅毒の場出産直後新生児の眼に一 ~ 二 % 硝酸銀水一滴或はペ = ゾ 合子供にも危険を及ぼすので充分な検査が大切である。こ リン剤を点眼して産道でうける淋菌感染を予防する。 れで発見された時はすぐ治療をはじめ医師がよろしいとい うまでは結婚は待たねばならない。 九、育児と性病 患者の手指、思者のつかった手拭その他の物、また風呂 三八〇
伝染病 いては、もしこのような病気に罹った患者をそのまま放置生上の立場から見ると、これらの病気もまた多くの人をお しておくと、次から次へと多数の人にこの病気が伝染してかす危険性は少くないので、それに対する警戒は常に怠ら 行き、恐ろしい流行が起って公衆衛生上容易ならぬ事態をないようにしなければならない訳である。そこでその対策 招くおそれがあるので、伝染病予防法という法律によってとして、これらの思者を医師から届け出てもらうことによ ってこのような病気の発生状況を知り、その不時の流行に この病気に罹った患者や保菌者等に対する取扱いや取締の 方針が規定されている。そこでこのような病気のことを一対し予め備えを固くしようとするものである。たとえばイ ノフルエンザや麻疹などもその届出状況によって流行の消 般に法定伝染病と称えており、その数は前表に示すように 十一種類に及んでいる。医師はこのような伝染病思者を診長がはっきり擱めることとなる。 断したり、またその死体を検案したりした場合には、その次に届出伝染病の取扱要領を表示しよう。 旨直ちに保健所長に届出なければならないし、またそのよ 届出伝染病取扱要領 うな慰者の発生した患家でも届出る義務がある。今その関 届出届間 係を判り易く表に示せば前頁の表のとおりである。 名 届出先一措置 ( 時間一方法 ~ 届出伝染病前に述べた伝染病予防法の一部が昭和二十 法規上一 九年六月一日に改正され、同法によって新に次表に示すよ 二十所定思者を診断し特別な一 うに十一種類の伝染病の慰者を医師が診断したときにに届 の届た医師が思者定めは一 四時 け出なければならないように規定された。これらの伝染病 一出票所在地の管轄 一医師及 のことを一般に届出伝染剏と呼んでいる。これは前述の法 間以によ保健所長に届 び吏員 定伝染病に比べれば、比較的軽症で伝染性も弱く、従って減 内る出る。 の指示一 0 一 多に激しい流行を来すこともないので、前者のように厳重 、しかし広く公衆南 な取締りや取扱いをする必要はないが 1 「イソフルエソザ」 2 狂犬病 4 伝染性下痢症 5 百日咳 6 麻疹 7 急性火白髄炎 8 破傷風 9 「マラリア」 川恙虫病 Ⅱ「フィラリア」病
子供の病気 が馬の血清であるため、人間にとって異種の動物の蛋白で浣腸をし、又びまし油をのませる。 ( 一〇 ~ 一五瓦位を あるために起る特殊な反応である。ヂフテリア血清をした いお茶にうかせてのませる。お茶は強心剤の働きがあるし、 ことのある人はよくこれを憶えていて、次にデフテリア血好都合である。 ) 足は湯たんぼで温める。腹痛があれば懐 清をする様な時は必す医師にその旨を伝えることが必要で炉かお湯で温湿布してやる。出た便は保存しておいて ( 蠅 ある。 がとまらぬ様にしてとっておく ) 医師に見せること。疫莉 の場合、浣腸して出した第一回目の便はあまり悪くないこ 7 えきリ ( 疫痢 ) とがあるから、それで油断してはならぬ。疫痢と定ったら 疫痢というのは二年から六年位迄の小児に起る。その原人院しなければならぬ。人院した方が父充分の手当をうけ 因は主として赤痢菌である。昔程ではないにしても今も疫られるし子供の為にもよい。静脉注射、或は点滴注人その他 痢は夏の小児の大敵である。なんとなく元気がなく、食欲の処置がなされる。心臓が強いか否かが生命に大いに関係 がない。生あくびをしたり、ごろ / 、とねころんでいるかする。痙攣が止り、脉がよくなって来れば命が助かるしるし と思うとお腹が痛いという様になったり、或は熱が出て来であると思ってよい。食欲が出たらなるべく早くかゆとか る。うわごとをいったり、或は興奮している中に顔色が蒼牛乳等栄養のあるものを与えないといけない。お腹の病気 白になり、ひきつけを起して来る。脉が細くて殆んど触れだからと云って、いつまでも減食していたのでは栄養失調 なくなる。何回もひきつけが起っている中に心臓弱で死症になる。殊にビメミン < の欠乏などで失明したりするこ 亡するというのである。病気が始ってからこれまですゝむとにもなる。内服薬としてストレプトマイシンの他クロい のに半日から一日位でる。赤痢菌がついている食物を食マイセチン、オーレオマイシソ、テラマイシゾ等の抗生物質 てから、二日 ~ 三日の後に起って来る。 も使用されるが、疫痢症状そのものにはあまり効果はない。 ( 治療 ) 出来るたけ早く発見して医師の手当をうける。 【予防】二年から六年位迄の子供では夏季赤痢菌の多い 医師の手当を受けるまでに時間がか & る様な時は家庭では時には食物はいつも熱を加えたものにする。外食をさせな
はしもとびろとし 橋本寛敏博士略歴 明治ニ十三年仙台に生れた。 二高三部を経て東京大学医学部を大正三年卒業。 歴 引続き東大医学部附属病院三浦内科で枅究。 大正十一年学位を受く。 大正十二年ロックアエラ 1 財団研究員としてメ 1 ョ 1 クリ = ック及びホプキンス大学にて内科を研 究。大正十四年聖路加国際病院内科医長となる。 昭和十六年院長となリ、今日に至る。 旧この間昭和二十四年にアメリカ合衆国の医学育 機関を視察。 公職としては、東京都公安委員、厚生省医療審議 偐会委員を始め、各種役員を「とめている。 さいと ) キよし 齋藤 潔博士略歴 明治二十七年山梨県に生れた。 東京大學医学部を卒業後ロックフェラー財団研究 員としてハ ート大学で小見衞生と公衆衛生を 研究。 昭和十年ロックフェラー財団の手で東京・築地に〕 保健舘設立されるや舘長となる。 昭和十三年国立公衆衛生院設立とともに厚生技賞 として転任、公衆衛生院大長として現在に至る。 この間昭和三十年五月に、メキシコシティーで開 かれた第八回世界保健機構総会に日不 代表として出席。
四二六 救急手当 チソキは非常によい殺菌剤であるが、これは痛みが強い故、止血の最もよい法である。頭、顔面の傷は割合に出血が多 くて、残酷にみえるので恐怖心を起さしめるが、頭、顔は むしろ痛みの少いマーキュロクローム ( 一プロセントの液、 俗に赤チンと称して薬局で売っている ) を塗布する。それ下に骨があって圧迫による止血が甚だ有効である。大切な がなかったら、普通アルコール ( これもよい殺菌剤であことは出血をみてあわてないことである。 る ) をぬる。そしてその上に消毒したガーゼをおいて、ばん 大きな傷の場合は、直ちに外科医のもとに思者を送るか そう膏或は包帯で固定する。人浴したり、水につけたりしまたは医師にきて貰うのが唯一の方法であるが、出血があ て傷の中に水が浸みこむと菌が新しく人って膿を作る故、 まりに烈しい時、殊に大きな動脈性出血 ( これは赤い線を ヌラらさぬよう注意する。傷からの出血は、大出胤でない 引いて噴出する出血である ) の場合は医師が間にあわぬこ 限り決して恐れてはいけない。成人で一合や一合半位の出とがある。医師の来る迄の急場の手当はその場にい合せた 前では死ぬものではない。、 4 さい傷の出血は右の如く包帯人がすると一命を助けることができる。それには有り合せ しておけば必ず止まる。この傷の手当は受傷直後が最も有のハンケチでも手拭でもその傷の中に押し込んで、その上 効であるゆえ、早く手当ができるように、家庭にヨウドチ から強く押えつけておいて、医師のくるのを待つ。出血ま完 ソキ或はマーキュロクローム、アルコール、消毒ガーゼ包全には止まらないか第知れぬが少くも出血量を非常に減少 帯を平素備えておくことが早ましい。 することができる。大出血の傷は、止血第一、消毒第二と考 右の消毒薬塗布、消毒包帯が傷の手当の基本である。 えて差支えない。大出血が四肢 ( 肩から指迄を上肢、腰か 【止血の方法】俗間に、衣類の纎維からのごみ ( たもとら足迄を下肢、両方合せて四肢という ) にあり、殊に動脉 くそ ) をつけることが行われているが、これは悪い法であ性出血であるときは、大の方法がよい。印ち上肢ならば肩 る血は小さい傷の場合は自然に止まるが、早く止めるのに から肘迄の間 ( 上膊に ) おいて、ド肢ならば腰から膝迄の間 はプーゼを置いて、その上から強く押えるのが最もよい に於て肢を強くしばる。その強さは、出血が止まる迄強くし キして数分の後、やや強くその上から包帯する。傷部圧迫は ばらねばならぬ。 ( これを緊迫帯という ) これをかけたら速
ルモンは不姙症、習慣性流産、月経不順に用いる。 が錠剤、散剤、水剤、注射薬としてある。またパンビタゾ 、ビメマリンなどは鉱物質を含む綜合ビメミゾ剤であ【卵胞ホルモン】オバホルモン、べラニン、ポントニン・ るつ ミスモン、メノホルモン、エスチモン、エストローゲな どがある。 9 ホルモン薬 【黄体ホルモゾ〕黄体ホルモンルテウム、プロゲニンが 【下垂体前葉ホルモン】このうち普通に用いられるものある。 【副腎 ( 腎上体 ) 皮質ホルモン】コルチソンがこれに属す は女子における性器の発育不良や月経異常などである。プ べローゲン、プロホルモ、プロラゾなどの注射薬がある。これは O Ⅱと同じような作用があり、リュー る。 様関節炎、ぜんそく、白血病、湿疹などに用いる。医師に・ 0 Ⅱ ( アクサー ) はやはりプメの脳の下垂体前葉かよってのみ危険なく用いられるものであるから、家庭薬で らとった、ホルモンであるが医師によってのみ用いることのはない。 出来る複雑な薬である。リュ ーマチ様関節炎、ぜんそくな 【インシュリン〕これは動物の膵臓からとったホルモ ・とによノ \ 効 ~ 、 0 で、糖尿病の人に注射するものである。糖尿病思者は医師 【男性ホルモン】男子の性欲減退、精力減退に用いる。 の指導の下に食餌療法と併せてこれを自分で注射してもよ テストステロン、アモリシン、エナルモンなどの錠剤があ い。インシュリンには短時間しか効果のないもの ( 普通イ る。デポ型のテストステロゾは長期間 ( 一月 ) 効果が続ソシン、ミ = グリン、フィシリソ ) と長時間 ( 一「 四時間 ) 効くもの ( プロタミン亜鉛インシュリン、グロプ 【女性ホルモン】これには卵胞ホルモンと黄体ホルモンリンイソシュリン、Ⅱインシュリ ) とがある。 とがある。卵胞ホルモンは生殖器の発育障害、月経痛、無 月経、月経閉止期 ( こう年期 ) の障害時に用いる。黄体ホ 家庭薬 四六九