起す - みる会図書館


検索対象: 家庭の医学
257件見つかりました。

1. 家庭の医学

伝染病 切である。またブドー球菌の毒素は煮沸してもこわれ ある。本症の予防には、伝染の虞れのある食品、ことに ないことに注意しなければならない。 牛乳、肉類、卵などの保管や取扱いに注意し、また調 理に際してはできるだけ加熱等によって菌を死滅せし③ポトリヌス中養 ( 毒素型 ) 本菌の産出する毒素によっ める工夫をする。 て起るものであるが、もともとこの菌は土中にひそん ②ブドー球菌中毒 ( 毒素性 ) ブドー球菌の産生する特殊の でいるもので、何かの機会に食品中に混人して恐ろし 毒素 ( エンテロトキシン ) によって起るもので、サル い中毒症状を起すものである。その症状は前二者の場 モネラと特に異る点は、後者が感染を起してから発病 合と著しく異り、甚た特異で人体に人後二時間 ~ 八 するまでに相当の時間の経過 ( 六 ~ 七二時間 ) を必要 日 ( 通常一 ~ 二日 ) で神経症状が現われ、ことに嚥下 とするのに対し、本病は毒素そのものによる中毒であ 困難、複視、失声、呼吸困難等があり、その致命率も極 るため症状の発現が早期に起ることであって、毒素の めて高く、凡そ六〇 % 以上にも達する。本症はアメリ 侵人から早い場合には三〇分、おそくも六時間位の間 力で罐詰などにより起った例があるが、わが国では昭 に発病する。寒心、嘔吐、腹痛、下刷、時に神経症状 和二十七年北海道、同二十八年秋田県でいすし中毒と 等を訴えるが、生命の危険はない。伝染源は一般に人 して発生している。伝染源は本菌を含んだ土で、伝染 又は動物の化膿巣と考えられている。従って伝染経路 経路は本菌を含む土によって伝染された野菜、魚類す として、食品業者、調理関係者などの鼻、咽喉、手指、 し等を介して起る食物性伝染によるものである。しか 皮膚面等の炎症部からの分泌物が食品、その他を汚染 し本菌の毒素は加熱によって破壊されるから、予防上 する経路を考えねばならない。以上のことから、本症 からは食品の取扱いに注意し土などで汚された材料の の予防には、先す食品業者、父は調理関係者が常に自 洗滌その他を充分にすると同時に加熱殺菌を行い毒素 分の健康に留意し、多少でも身体や皮膚等に病気のあ も破壊されるように心がける。 るときには食品や調理場から遠ざかる位の心がけが大

2. 家庭の医学

このよか静脈瘤でるし を起した時には、たた横に寝させさえすればよ、 姙婦に起る場合には、分娩後は良くなる。ひどいものは外 うな人は平静体操をさせて体力を強め、起立になれさせる 事が必要である。姙娠初期や月経時や下痢のある場合、空科的に手術をするが、それ程でないものはゲートルのよう もので足を巻いて静脈がふくれあがらないようにし、用 腹時に一時的に起らこともある。 事のない時は、なるべく足を高く上げておく、このような 5 靜脈、炎 人は職業としては立ち仕事を避くべきである。 慢性の病気で長く寝ている患者や手術後の患者では足の 7 動脈瘤 静脈などに血液が停滞し、血液が固まって静脈をつまらせ これは動脈「主として大動脈の一部がふくれて瘤をつく その部に静脈の炎症を来すことがある。又中耳炎の時など にその炎症が頭蓋内にある太い静脈に及んで静脈炎を起しる病気である。原因は殆んどすべてが梅毒である。梅毒に 感染して、しかも治療が不充分である場合に十年ーー・二十 父その部が血のかたまりでつまることがある。 この場合、局部に冷しつ。ふをし、かっ安静にし、ペニシ年後に、この病気が起ることがある。 リソなどを充分に注射しておく。 父脳や手足の動脈に先天性に、動脈硬化か原囚して小 さな動脈瘤が出来ることもある。 6 靜脈瘤 梅毒によるものは、この治療を行うが、一たん出来た , 入 下肢の静脈には内部に弁があって、足先きの血液がお腹動脈瘤を治すことは出来ない。大切なことは梅毒の早期治 の方に押し上けられて流されるのを助けている。しかし、療であり、又完全な治療である。梅毒の治療を中止する場合 には自分の判断ではなしに専門医の意見によってなされる この弁が不足したり、静脈の一部が腫瘤や姙娠した子宮に そのために べきである。 ( 日野原重明 ) よって圧迫されると、血液が静脈中に停滞し、 皮下のうねった静脈がみみすのようにふくれあがる。これ 血管の病気

3. 家庭の医学

たりして、その部の皮膚の色は真黒になって来る。臍のヂ いう程になっている様だが、このペニシリンは【ナフテリア フテリアは鼻より悪性で、ヂフテリア後麻痺や心臓の麻痺に或る程度効くし、時に却ってそのためにヂフテリア特有 を起し易い。その他眼のヂフテリア、外耳孔、等にもヂの義膜が現れなかったりして診断がおくれることもある。 フテリアが起る。 その他の抗生物質中も有効なものがある。しかし、治療止 【経過〕早期に発見され、適当に治療されると約三週間清は一番有効で、これを病気の初期に注射をすることに努 位で全治するが、屡々菌が残って保菌者となり易い。父経めならなければならない。その他心臓を守るために安静が 過が順調に進んで熱も下り、義膜もとれてやがて退院たと大切である。うがい等による咽の清潔。栄養としては出来 云う時に元気にまかせて飛廻ったため、心臓麻痺を起してるだけビタミン o の多い食物を与えることがよい。ヂフテ 死亡する様なこともある。これはヂフテリア毒素によってリア毒素に対して、ビタミン o が有効であるからである。 心臓の筋肉が犯されていたためであり、三週間位の間は絶【予防〕ヂフテリアの予防注射は生後六カ月から行う。 体安静を要する所以である。 二 ~ 三週間おきに三回やる。三回やったあと一 ~ 二カ月で チフテリア後麻痺というものはヂフテリアに罹って か多くは罹らないだけの免疫が出来る。たしかなことは「シ ら三 ~ 五週間後に現れる運動神経の麻痺であり、最初声が ック」反応等に依って反応陰性なら大体充分の免疫がある 鼻声となるし、又低くくなり、液体を飲むとなせて鼻からと思はれる。一家に慰者が発生したとかいう場合、どうし 逆流したり、頭を前に垂れたり、更にひどくなると歩けなても予防し度い場合は、治療血消を注射することもある。 くなり 1 更に物を握ることも、坐っていることも出来なく 一カ月位は効いている。 なって、時には心臓まひを起したり、誤って気管支に異物血清病ヂフテリアの血清注射をしてすぐそのあと時と を吸い込んだりして、肺炎を起したりして死亡する様になして突然苦しみ始めて時には死亡したりする。父は一度以 ることもある。 前にヂフテリアの治療のため、治療血清を使って二度目に 【治療 ) 最近は何んでも熱が出ると、すぐべニシリンと又ヂフテリアの治療血清を使う時に起る。これは治療血清 子供の伝染病

4. 家庭の医学

= 三〇 婦人病 そのためには世の婦人が子宮癌の初期症状をわきまえて、触れて出血するのをいうが、子宮頸癌の初期にはこの接触 少しでも疑わしい節があったら直ちに専門医の診察をうけ出血のほかに痛みもなく、眼につくような変った帯下も下 りす、また気分、食慾等に何のかわるところがないもので ることが何より必要である。子宮癌に対する予防法がない 今日では子宮癌の病状、・殊に初期の病状を知らねばならぬあることをよく知って欲しい。 この初期を過ぎると出血はだんだん頻繁に、かっ多くな わけである。 、時には一度にかなり出血することもあるが、この頃に 同じく子宮癌でもその下半部に発生した子宮頸癌と上半 部に生じた子宮体癌とは病状並に悪性の度が違うから、以なっても出血のほかには格別これという病状を感じないの が常である 9 この後は出血、または血液を交えた帯下が絶 下その各々について大体を述べることする。 えす洩れるようになり、やがては肉汁様と特別な悪臭のあ 子宮頸癌 子宮癌の八 ~ 九割は子宮頸癌で統計上では三六歳から四る帯下を洩すようになるが、このような病状は癌がかなり にひろがった場合に多いけれど、それでも充分治療し得る 五歳までの人に多く、また全体として分娩、殊に難産した 人に多く、お産しない人には少い。癌といえば遺伝のことものが少くない。 さらに進行すると腰から腿へかけてのはげしい神経痛が が想い起されるだろうが、子宮癌は遺伝関係がますないと 起り、そのため食慾はなくなり睡眠もとれなくなって、急 いってよい っ・りけ 子宮頸癌の初期病状は不正の子宮出血があるだけで、ほに搜せて顔色は土気色となり、排尿排便も思うようでなく かにこれという病状はない。しかもこの不正子宮出血の多なる。かくなったものは末期、印ち死に近いもので、すべ くは、性交または排便後にごく少量の血液が局部から洩れてが手遅れと見て間違いなく、早晩尿毒症か敗血症を起し 出る程度で、時には薄く血を交えた帯下を認めるに過ぎなて死亡するが、死に到るまで意識ははっきりとしていてた いこともあるので、不注意にもみのがすこともありがちでえす疼痛に苦しみ、絶望的となりその様子は極めて悲惨で ある。か、る出血を接触出血といゝ、その名の如く局部に実に見るに忍びないものがある。なお発病、印ち不正子宮

5. 家庭の医学

血を示す。その後も鼓膜の穿孔を起さないで経過するもの を急性中耳カメールまたは単純性中耳炎と称せられる。こ 3 中耳炎 れに対し、自覚症状殊に耳痛が比較的急激に、且っ強く起 急性中耳炎 り鼓膜の充血、膨隆も顕著で、発病後数時間または数日中 連鎖状球菌、粘液球菌、肺炎菌、葡萄状球菌等によって に鼓膜の穿孔、耳漏を来たすものを急性化膿性中耳炎と呼 起る。誘因の第一は感冐で、先す鼻腔、咽頭粘膜の急性炎ぶ。乳児では耳痛を訴えられないので不機娵で泣き易く、甚 症を起しそれに誘発される。従って気候や湿度の急変に影だしい場合には高熱、不安、嘔吐、ひきつけ、消化障害を 響され易い。殊に平素から鼻疾や咽頭の疾患を持つ者、ア起して胃腸の疾思と間違われることもある。一般には耳漏 デノイドのある小児等ではその傾向が著しい。鼻のかみ方が出ればこれらの症状は急に消失して元気になる。耳漏は も影響する。また肺炎、麻疹、猩紅熱、インフル ) ・ ) ザ等初めは漿液性で血液が混ざっているが、次第に濃厚、ねば の急性伝染病の経過中にも併発され易い。印ち細菌が耳管 くなる。大人の結核性中耳炎ではしばしば無痛性穿孔を起 を経由して、中耳感染を起すのであって、特に幼児では耳し、粘液球菌性中耳炎では初めから撼カ障害や頭重の訴え 管が太く、短く、水平であるために鼻咽頭粘膜の炎症が容が強いことが多い。 易に中耳に波及し、急性中耳炎の罹患率も高い。その他鼻【治療】耳痛を自覚したら直ちに専門医にみてもらうが 出血の際、汚染されたプールで冰いだ際等にも耳管経由感良い。先す身心の安静を守り、喫煙、飲酒、人浴等はや 染を起す。戴膜の外傷後に急性中耳炎を併発することがあめる。耳部の罨法、極初期には水も良い。軽度の場合に るが、一般に膜が健全ならば外耳道に水が人っても中耳も解熱発汗剤、サルファ剤の内服、。 ( ニシリンの注射利 炎を起さない。 血行性に中耳感染を起すこともある。 用される。い中耳化膿が明らかとなり、未だ穿孔のない場合 初期及び軽度の急性中耳炎は類似した症候を呈し、耳閉には苡膜切開を施行されねばならぬ。航空性中耳炎等に 感、耳痛、軽度の難聽と苡膜の一部または全般に多少の充も苡濮穿剌または切開を行い、そのあとにペ = シリン等を 耳の病気 四〇一

6. 家庭の医学

夜間の尿が特に増し、尿の比重は低くなる。病気が進行し、食欲はなく又むかっきをもよおす、病気か更に進むとう すると、脳出血か心臓衰弱か乂は尿毒症を起す危険が大にとうとしがちであるのに、神経は過敏になっていらいらす なる。 る。艾皮膚がじんじんしたり、かゆくなったりし、手足がび 【治療と予防〕食餌療法は、慢性腎炎と大体同じであるくびく動いたりする。意識がだんだんぼんやりしてついに が、一週に一日位は蛋白質を全く用いないでしようじん料は睡状態となる。これに対しては蛋白質を制限して含水 理をとるとよい。むくムがなければ食塩は普通とり過ぎな栄素を充分与え、又水分を口から父は注射によって充分与 えて利尿によって血中の有害物を排泄させなければならな い程度にしておくぐらいでよい。飲み物を制限すると有害 。又この場合血中の酸がたまったり食埆が不足したりす 物が血中にたまって尿毒症を起すおそれがある。 るので、これに対しては医師により大量の薬液の注射が必 尿毒症 要である。 、種々の腎臓病の経過中に起る危険な症状である。これは 【予防】急性期の尿毒症は簡単に治るが慢性にくるもの 急性腎炎や姙娠時に急に起るし、又萎縮腎の末期にも徐々は治療が困難である。それ故萎縮腎のある人は尿の検査、 に起る。 血圧の測定、眼底検査によって食餌や生活の限度の指導を 【症状と治療〕急性腎炎に起る場合には、頭痛が強く又専門医から受くべきである。 吐気や嘔吐があり、又・ひきつけを起してその間に意識がな 6 姙娠腎 くなる事がある。これは子供などによく起るが、血液の中 に有毒なものがたまるというよりもなしろ脳の中の血圧が 平素慢性腎炎のある人が姙娠すると、これが増悪するか 高くなった事による脳症であると考えられる。それで鎮静ら、このような人は姙娠しないような工夫が大切である。 剤を注射するぐらいでおさまる。慢性の腎臓病で萎縮腎をしかし平素腎臓に病気がない人でも、姙娠すると五カ月以 起したもので末期になると、絶えす頭痛がし頭がぼんやり後になってから腎臓病を併発する。これを姙娠腎という。 腎臓の主な病気

7. 家庭の医学

色味のある斑点がついて一寸ヂフテリアに似たものが出来くなって来るヂフテリアと異ってタ刻まで何ともなかった のが突然に起って来るのである。アレルギー体質、或は神 ・ているのを腺窩性扁桃腺炎という。 【治療】うがい、頸部の湿布、解熱剤、サルファ剤、或経質といわれる体質の子供に現れ易い。アドレナリン、或 は抗ヒスメミン剤等が用いられる。苦しな時に抱き起して は抗生物質を用いる。扁桃腺炎は繰り返えしてかゝるし、 又帰桃腺炎から更に中耳炎とか、腎炎或は敗血症を起すこ頭を後に反らしてやると呼吸が幾分楽になる。 ・とがあるから注意を要する。扁桃腺が慢性になると高熱は 3 淋巴腺炎 出さないで、微熱がつづき、リウマチの原因ともなること がもるから、この様になった扁桃腺は切除してしまった方子供は一般に淋巴腺が腫れ易い。乳児など頭に一寸湿疹 がよい。しかし、扁桃腺を切除するか否かは小児科と耳鼻が出来ても耳の後の所にすぐ小指の先の大きさ位のが腫れ て来る。又風邪のあと顎の下の淋巴腺が腫れる。父頸にも 科の両方でよく検討してから定めた方がよい。 、、指の先位に腫れることがあるが触っ 淋巴腺が一 ~ 二コ月 喉頭カタル て見て痛がりもせす、又段々と目に見えて大きくなると 咳が特有で丁度犬がほえる様な、といはれる一種の響をか、数がまして行くのでなければ心配不用。しかし、觸る 持った咳の出方をする。又声が急に嗄れたりする。熱もあまと痛がったり、段々大きくなったり、或は数が増したりす りなく、元気であるが、これが時として突然喉頭部の粘膜のる時は必す医師に見せること。 浮膿が起って来るために呼吸が妨げられて呼吸困難を起し 、吸う時も、吐く時も大変苦しみ、頭一 十一、夜驚症と夜尿症 しよう ・ばい汗をかき顔色は悪く苦悶する。そしてこれは一時間以 1 夜驚症 上時には三時間四時間とつづく。喉頭ヂフテリアと間違え て気管切開などうけたりすることもある。段々に症状の重神経質な幼児などに時に起る。一種のねにけ状態で、一 腸重積症のどの病気夜驚症と夜尿症 や きよう

8. 家庭の医学

感染を起す場合と、また飲食物を介して経ロ伝染を来す場 頭痛、関節痛があるが、脳症状はない。予後も悪くない。 合とがある。職業的に農民、坑夫、飲食業者などに発病が 【治療】抗生物質を用いる。 【予防」鼠駆除を徹底的に行う。 【症状】一 ~ 二週間の潜伏の後、急に悪寒戦慄によって デング熱 発症し、体温は四〇度前後に達し、一週間以上持続してそ の後漸欠下降する。黄疽は第五病日頃に発現し、その程度 本病の病毒はテソグ熱ツイルスで、「ひとすじしまか」 「ねったいしまか」などによって媒介され、伝染力は強力が強い。第二週に人ると、皮下血、鼻血、喀血、吐血、 で、症状も相当に激しいが、本病によって直接死亡するよ血便、血尿などが起ってくる。また初めから頭痛、筋肉痛、 うなことは先すない。症状として、悪寒、戦慄を伴う発腰痛などを訴え、第二週に人ると脳症状を起してくる。 熱、頭痛、腰痛、全身倦怠、発疹などがその主なものであ眼の結膜も強く充血して、黄疽が現われる。また淋巴腺も る。特効薬はなく対症療法を行う。予防の根本は蚊の駆除腫脹する。経過は凡そ二 ~ 三週間である。治療血清が応用 にある。また恩者は蚊帳の中へ入れておいて蚊による病毒されるようになってからは致命率も減少した。また最近オ の蔓延を防ぐ。 ーレオマイシンのような抗生物質も用いられるようになり 予後も好転した。 ワイル病 【予防】先づ、鼠駆除を徹底的に行うほか、生物、生水の 本病は別名を黄疽出血性スピロ〈ータ病ともいう。病原飲用をさけ、とくに流行地帯で作業するには予防衣を着用 体はスピロ ~ ータで、思者の血液、臓器及び尿中に存在すし、皮膚には脂油を塗り、。コム手袋、ゴム長靴などを使用 る。ことに回復期患者の尿中には無数に排泄される。自然する。患者の分泌物や排泄物は充分消毒する。また本病ス 。ヒへータの予防ワクチンも有効である。 界では鼠族に寄生し、その尿中に排泄される。本病毒は、 . 河川、水田、坑などの水や汚水を介して、皮膚を通じて 主要な各種伝染病 四五

9. 家庭の医学

二七六 外科の病気 は二回、三回でも繰り返して発作を起すものである。又そ中に酵が起り、多量なガスができて腸が非常にふくれ こちょノ の発作も必すし毎回一様でなく、第一回は、軽くすんでもる。このガスのために腸がふくれる事を苡腸といってい 第二回目は非常に烈しく腹膜炎を起して死ぬ事もあゑ又る。この或腸は、恐ろしい現象で、腹内の強い圧迫を起 もう一つ悪い事に、その発作が何時来るかわからない。且何し、非常な苦痛を起す。これは上方横隔膜 ( 両肺の下にあ 等の前駆症 ( まえぶれの症候 ) なしに突然始まる。故に、旅行・つて胸廟と腹部との境界をなし、呼吸を行わしめる筋肉 ) 先等に於ても、発作が起り得る。幸に外科病院のある地方の方へ強い圧迫を加へ、心臓をおかし呼吸をさまたげる。 に在る時はよいが、医療設備のない所では非常に困難をな腸の閉塞があるとそれから上の部分の内容印ち消化した食 めねばならない。場合によっては、死の危険もある ( 日本物や胆汁などの混在する液を吐く。胃の内容も吐く。この アルプス登山中虫垂炎が起って、松本市迄漸く辿りついて腸の内容は、赤褐色の液体であって、特別な悪臭がある。 手術されたが、遂に死亡した例が昔あった ) 故に虫垂炎のこの閉塞部が大腸にあると、大腸の内容印ち糞便を吐く様 になる。 ( 昔は、これを吐糞症といっていた ) 閉塞部の上 一回の発作が例え軽いものでも、必す根治手術をしておく の苡腸部では毒素が出来るといわれている。この毒素のた 可きものであり、それも早期手術が最もよい方法である。 めに遂に心臓の衰弱を来して死ぬ。 この腸閉塞は非常に恐ろしいもので、発生後三日 ~ 五日 九、腸閉塞 で死ぬのが多い。そして手術以外に治療法はない。しかも 腸閉霧とは、腸の一部 ( 或は二箇所 ) において、その内腔その急速なる治療が要求される。医師は、如何なる部分が がふさがって、食物が通過し得なくなっている状態であ如何なる原因によって閉されているかを診断し、それに る。腸の一部がふさがっていて、通過が停止していると、 よって手術して閉塞部を切除したり、或は正常な位置に還 食物が停滞する。そのため閉部の上の部分に於て蠕動が元する等の処置を行う。これを行うのは、腸閉の始まり 烈しく起り、非常な痛みが起る。又食物の停滞するとそのから三日以内でなければ危険がある。

10. 家庭の医学

その色調、量、粘液の混入の様子等を観察して医師に報告表面がくずれ、又ただれて出血する。外痔核は歩行時に烈 しく摩擦される故歩行が不可能になる。 すると余程診断の助けとなる。 内痔核は、外痔核に比して数が多くて大きい。拇指の頭 かく 4 痔核 位のものが普通三 ~ 四位ある。内痔核は丁度大便の通過す 痔核は恐らく最も多い病気の一つであろう。これは俗にる所を塞いでいる状態である故、排便に非常な努力を要す 「イボジ」と称えられる病気で、肛門と共のすぐ上の直腸る。大抵は便通のための腹圧によって糞便がおされ、それ が大きな痔核を肛門の外に押し出す。或は排便の時以外で 最下部に沢山ある静脈の一部が球状にふくれているのをい う。これが肛門の外にあるのを外痔核、中にあるのを内痔も内痔核が肛門外に出ているのもある。排便時に出たもの 核という。この静脉の拡張したのを静脈瘤という。故に痔は、自身で指を以て押し込む事ができる。しかし時々、脱 出したま & で止って、内部の粘膜を強く引っぱって非常な 核は肛門の内或は外の静脈瘤である。 この静脈瘤は平素は蜿豆大或はそれ以下であまり気がっ痛みを起す事がある。又其の脱出した痔核が血液循環の障 かれない。何かの原因から炎症 ( 一般に充血してはれ上る害があるため一部壊疽 ( くさる事 ) に陥り、たゞれて来る 状態を炎症という ) を起し、大きくはれ上る時に排便時の事もある。最も甚しい場合は四つも五つも肛門から脱出し 強い疼痛が起り、外痔核なら指にイ永として触れる。内痔て恰も花の開いた様な有様になり、ただれて出血してひど 核は触れる事はない。痔核は一つか二つ位の小さいものはい疼痛で苦しみが非常にある。 痔核殊に内痔核の出血は、甚しい時は全身の貧血を起す 殆んど症状を現わさないが、大きくなり、数が多くなると 程度のものさへもある。普通、内痔核の表面の粘膜は平常 非常に困難な症状を呈する。 ひとさしゅび 外痔核が炎症によりはれ上ると示指の頭位の大きさにでも充血している傾向があり、且僅かな事で破壊され易く なり、表面赤く充血し、且皮膚に光沢を持つ。自然の疼痛強なっている。故に便通のため便器にしやがむ姿勢のためと 、、就中排便時には痛みが強い。又便の摩擦などのために腹圧を加える為めと二つの理由で痔核表面に充血が益々ひ 一一六九 肛門と直腸の病気