目 - みる会図書館


検索対象: 無名仮名人名簿
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1. 無名仮名人名簿

そばで、ゴルフグラブの手入れをしていたご主人が、 「男のくせにだらしのない奴だな、お前は」 と言ったので、私は余計笑ってしまった。 他人さまのラブシーンを覗き見したことがないので、映画やテレビなどの例でいうのだが、た いまのところは目をつぶる女のはうが多いらしい 最近は、結婚式のときに感激して泣くのは新郎のほうで、新婦は笑っているそうだから、その うちに男は目をつぶり、女はカッと目をあけて、男を見るということになるかも知れない。翔ぶ 女の次は、「目をあく女」ということになったら、私など完全に時代遅れということになってし ま、つ もっとも、私も、目をあくことはあるので、 「一分間黙儔」 という号令がかかると、はじめは殊勝に目をつぶるのだが、すぐうす目をあけて、こういう場 合、本当にみんな目をつぶるものかしら、と、ひそかにキョロキョロする癖がある。 私のみるところ、百人いると、九十七人は目をつぶっている。あと、私のはかに二人ほど、目 をあいてあたりを窺っているのがいて、その連中と目があったりして、泡くってつぶるのである。 私の経験では、こういうとき目をあけているのは大抵、女であった。

2. 無名仮名人名簿

男は、「黙疇 ! 」という号令がかかると、大体において目をつぶる。男は号令に忠実な「造り」 になっているのかも知れない。 トビの親方のはなしというのが心に残っている。 大分前に耳にしたのだが、 東京タワーかなにか、高いところの工事はトビが請負うわけだが、落ちてけがをしたり亡くな った人たちが出る。そのことを親方が話しているのだが、 、。、ツと目あいて 「生き残るコツは、目をつぶらないということだね。落ちた ! と思ったら 目あけて、つかまるもの 何でもいいから、つかまるもの探すンだよ。縄一本でもなんでもいい めつけた奴は、ケガで済むね」 淡々としたしゃべり方だが、かえって食い込むものがあった。 きよみず 目をつぶって清水の舞台から飛びおりる、という言い方がある。 一大決心をして何か事を行なうときは、それこそ小さいことには目をつぶって、エイツとばか りやらなくてはならないが、落ちた時、ぶつかった時は、目をつぶったはうが負けのようである。 理屈では判っていながら、これはなかなかむつかしい ついこの間も、棚の上のものを取ろうとしてしくじり、箱が落ちてきた。咄嗟に目をあけたの だろう、よけることが出来たのだが、もうひとっ次があって、落ちてきた木箱で頭に小さなコプ をつくってしまった。

3. 無名仮名人名簿

ないね」 と一一一一口、つ。 翔んでる女、という言い方は嫌いだが、仕事をしている女として、飛ぶことは無理でもせめて 車の運転ぐらい出来なくては、と、かねがねこのことでは劣等感を持っていたので、この言いか たは意外だった。 「目つきがきつくなるんだよ。運転は目配りだからね。いまに日本中の女が、みんな巾着切りみ たいな目つきになると思うと、いやンなるね」 私のように運転をしなくても巾着切りみたいな目をしたのもいるが、別に異をとなえる筋でも ないから、黙ってつづきを拝聴した。 「それと、女は、もともと運転にや向かない『造り』になってンだよ。ガシャンと来た時、女は アッといって、目、つぶるだろ」 とっさ 男は何があっても絶対に目をつぶらない。だから咄嗟の判断で事故を最小限度に食いとめるこ とが出来るというのである。 なるはど、と私は感心した。 運転手は、ちらりとうしろを振り向くと、 「もっとも、目つぶんない女は、女じゃないけどね」 はははとも、へへへともっかぬ小さな笑い声を立てた。

4. 無名仮名人名簿

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5. 無名仮名人名簿

「直れ ! 」の声が掛るまで絶対に頭を上げてはいけない。お姿を直接拝むと目がつぶれる、とい われたが、私は一瞬目を上げて車の中を見てしまった。見たことは見たのだが、目に入ったのは 陛下ではなく、陛下の前に坐っていた侍従のほうであった。 肝心のものを見落して、二番目のものやまわりを見てしまう私の癖は、その頃からのものであ ったらしい この時の侍従は、実に考え深そうな顔をしていた。 りす 子供の頃の私は物真似がうまく、「新撰組の近藤勇」と、「ひそかにおしつこをする栗鼠」とい たて う二つの当り芸を持っていた。近藤勇は新聞紙を丸めた刀で殺陣をやり最後に見得を切り、栗鼠 の方は、目を細めて、つつしみ深いような放心したような顔をしてから細かく身を震わせばいし のである。 この二つの当り芸に、「天皇陛下の前に坐る侍従」がもうひとっ加わった。この三つ目はひど く受けるので弟妹たちの前で何度も実演をした。父にみつかってひどい目にあわされたが、何度 もやっているうちに、見物からクレームがついた 「お姉ちゃん、同じ顔じゃないか」 どうやら天皇陛下の前に坐る栗鼠、ひそかにおしつこをする侍従になっていたらしい 万事おくてで、ラジオやテレビの台本を書き始めたのも三十を過ぎてからである。はじめのう ちはスターと呼ばれる人たちをナマで見たりお話をするのが楽しかったが、スターの顔も三度で

6. 無名仮名人名簿

で人間を信用していないなあ、このキャベツは」 大杉さんもそう言っていた。 あるプロデューサーが、ある美人女優を評して、 「夜店のヒョコ」 と言ったことがある。 しつも何かにおび 子役からのし上り、美貌とカンのよさでゆるぎない地位を築いているのに、、 えている。キョロキョロして落着かない。社交的でざっくばらんで気取りがないから現場のスタ ッフにも評判がよく憧れる男たちも多いが、本当のところは不安で胸をドキドキさせながらまわ りを見廻しているところがある。本当に笑ってはいないというのである。 私は二度ほどこの女優とテレビ局の喫茶室でお茶を飲んだことがある。彼女は私に椅子をすす めて席についた。それは喫茶室の入口を一目で見渡せる位置であった。 こ、こっちが当惑するほど過分に感心し相槌を打ち、美しい手つきでコーヒー茶碗をも 私の話。 てあそびながら、目は決して私だけを見てはいない、私にひたと目を向けていながら、時折入口 タレントが入ってく の方に向って目が泳いでいる。顔見知りのプロデューサーやディレグター ると、さっと片手を上げ、指先と目の表情だけでちょっと挨拶する。 「お久しぶり」

7. 無名仮名人名簿

驚かされて、ビグッとして起きるというのが、気に入らない。人と生れながら、こんな小さな機 くちお 械に叩き起されるというのが、口惜しい気がする。 というのは口実で、本当はその瞬間がこわいのである。 目覚時計のベルを聞くのが嫌なように、落ちるのが嫌だから、今まで懸賞やコングールに応募 スポーツは別だが、人でも物でもギリギリのところで争った覚えがない したことがない ン場に身をさらす度胸がないので、欲しいくせに自分でストップをかけてしまうのである。 だからいい年をして、こんなところでモタモタしているのだと自分を叱りながら、やはりいっ も十分か十五分前に目を覚し、ベルが鳴らないようにセットしてしまう。 ベルが鳴る前に起きようと、気持の奥の方が緊張するのであろう、目覚をかけて寝た夜は、ど いつもそ うもゆっくりと眠った気がしない。まだ十五分あるのだから、ほんの五分ほど眠ろう。 う思ってまた横になる。そして、大抵大寝坊をしてしまうのである。 こういう癖は私だけかと思ったら、そうでもないらしい。目覚をかけながら絶対にベルを鳴ら さす、目覚をかけた朝ほど寝坊をする。ご恩になっていながら、目覚時計を目の仇にして恨み、 邪慳に扱っている人間がかなりいる。私と同じように懸賞やタイトル・マッチを逃げ、目の覚め 覚るような進歩発展はなくともよいから、ドキッとしないで世渡りしてゆきたいと願う気の小さい 目 人間が。 ドタ

8. 無名仮名人名簿

キスをする時、目をつぶる男がいる。当年とって五歳の雄猫で、「マア」という名の、知人の 飼猫である。黒白プチのすこぶる獰猛な奴で、体中傷だらけ、耳は裂けて、売れ残りのキャベッ のようになっている。 大きさもなみの猫の倍近くある。 はじめは猫らしい名前がついていたのだが、来る客みんなが、 「まあ、これでも猫ですか」 とい、つので、自然に「マア」とい、つことになってしまった。 このマアは、飼主には大変な甘ったれで、キスの名手だという。面白いから見ていなさいよ、 というので、拝観することにしこ。 飼主の夫人が、縁側に坐って、 「マア、おいで」 と声をかける。 庭の松の木の根方で爪をといでいたマアがこちらを見る。夫人は、唇を突き出すようにする。 るマアは仔犬のようにすっとんでくるのだが、 っ 「はら、目つぶって向ってくるでしよ」 を 目 その通りで、ドスンと縁側にとび上ったマアは、両目をしつかりとつぶり、夫人の膝に手をか どうも、つ

9. 無名仮名人名簿

「どんなことがあっても、絶対に立ち上らないで頂戴よ」 飼主は何度も念を押す。 テープルの下に、問題のコービッツ君がねそべり、うす目をあけてこっちを見た。たしかに尻 尾と鼻の先がコリーで、残りはスビッツである。笑っては失礼にあたるので、ぐっとこらえて我 慢をした。部屋に入るときから、私は腰をおとし、膝ですさってゆくのである。 「苦しゅうない。近う近う」 「はは ~ め」 しつ - 一、つ 膝行である。いざり勝五郎の心境である。 低くうなっていたコービッツが、うなりをやめ、目を閉じたので、安心して、ご不浄を拝借と、 ついうつかり立ち上りかけたら、いきなり目があき、うなり声が威嚇していた。同じことをして、 いきなり飛びかかられた客もいるという。 犬はライオンと違って、人を食うことはない。おそらく恐いのでうなり飛びかかるのであろう。 このコービッツも私と同 山高きが故に尊からすというが、やはり山は低いより高い方がいし ン オじ、臆病なライオンなのであろう。 病 ちこ

10. 無名仮名人名簿

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