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検索対象: 盆栽 自然美の創作と鑑賞
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1. 盆栽 自然美の創作と鑑賞

海岸の風景を思わせるもの。 ー根連り一 五葉松 五葉松 ( ごようまっ ) 盆栽樹種の五〇パーセント以上 は松柏類で、その松柏類のなかで また五〇パーセント程度をしめる のが、五葉松です。 なぜにこのような人気があるか いますと、性質がすこぶる丈 夫で、わが国の風土に適している せいか、誰にでも培養が容易で、 しかも、葉が短小で密に生じ、あ らゆる樹形に仕立てられるからで す。そのうえ、生長が比較的おそ いので、一度完成した樹形はその 後数年にわたってくずれません。 ただ、樹肌に古びがくるのに年代 かかかるのが難点です。 産地により葉性や皮性が多少異 なりますが、四国産のものがもっ

2. 盆栽 自然美の創作と鑑賞

味はそれでいいのです。つまり、どんな場合でも、盆栽とは、あなたを美しい自然と結びつける と田心います。 媒体であることを心にきざみこんでおいていただきたい、 盆栽の種類 ひとくちに盆栽といっても、いろいろの種類があります。樹種、樹形、大きさなどによって、 その興趣はまことにさまざまで、人の好みに応じてひろく楽しめます。 これか - ら、 いくつかの観点から、盆栽の分類をしてみましよう。もっとも、樹種や樹形などの 呼称についても、学問的な立場に立って詮索すれば多くの問題が生じてくるのですが、ここでは、 いままでの慣習にしたがって記述することとします。 < 観賞上からの分類 観賞上の持色による分類です。 ①松柏類 ( しようはくるい ) クはキ、ともいっています。いわゆる常緑樹です。季節をとわず緑を保つもので、陳列などの 場合は、原則として「主飾り」にされています。 としよう えそまっ おもなものーーー黒松、五葉松、蝦夷松、杉、杜松、真柏など。 ②雑本類 ( ぞうきるい ) 盆栽界では、松柏類以外のものを、総体的に雑本と呼んでいます。主として落葉樹ですが、観 しくつかに分けられています。 賞上、さらに ) 紅葉物 ( 黄葉物ーこうようもの ) 1 07

3. 盆栽 自然美の創作と鑑賞

いしづけ、ともいいます。石の凹みに本を何本か、うえこんだり、石上に本の根を抱かせたり したもので、絶海の孤島や高い山項の風景などを連想させる姿です。孤島の景をあらわすものは 水盤に入れて眺められることが多いようです。 以上が盆栽の形としてはもっとも基本的なものですが、そのほかにも、模様本 ( もようぎー本 ぶりにとくにやわらかい曲線美をもつもの ) とか、根上り ( ねあがりー土表より根が洗いだされ たように高くでているもの ) などの用語も、つかわれています。 0 大きさからの分類 盆栽の大きさは主として樹高を標準にしていわれています。もちろん、べつに規制はありませ んが、だいたい、室内で観賞される関係上、常織的にいって、九〇センチ ( カネ三尺 ) が限度だ と思われます。標準は五四センチ ( カネ一尺八寸 ) 程度でしよう。したがって、次のように分け られます。 ①大型盆栽樹高九〇センチ以上のもの ②標準盆栽樹高五四センチ前後のもの ③小品盆栽樹高一一五センチ以内のもの 小品盆栽として愛培されているもので、もっとも多いのは樹高一五センチ前後のものですが、 盆栽界の常識では二五センチ以下のものをさしています。なお、豆盆栽といわれるものは、 盆栽よりもさらに小さく、通常、七、八センチぐらいのものをさしています。

4. 盆栽 自然美の創作と鑑賞

ょ、 盆栽にむく樹種 単色写真ページでは、カラー写真の解説をお ぎないながら、主として、主要盆栽樹種につい て解説してみたい、 と思います。 す しうまでもないことですが、樹木な の もらばなんでも盆栽にむくわけではあり あません。限られた鉢のなかで培養して、 調しかも、自然美の縮図をそれから味わ 日的おうとするものなのですから、その木 典は徒長しやすいものであっては適格と 銘古 ではいえません。また、幹に対して葉が 一木 幹名大きなものや、枝ばかり伸びるものは 一指よくないわけです。したがって盆栽に 松むく資格をあげてみますと、第一に樹 葉栽性があまりのびすぎないで自然に性 五盆 化しやすいこと、つまり、土壌などあ まりない岩上の五葉松や真柏などが喜 ばれるわけです。それから、葉がなる べく小葉で、ある程度細かくでること、いわゆ る「姫性」 ( ひめしよう ) がよいのです。そし て、なおそのうえ、丈夫で整樹にたえる力のあ るのも条件のひとつです。 っム

5. 盆栽 自然美の創作と鑑賞

黒松ー蟠幹ー 黒松 ( くろまっ ) 黒松は松柏盆栽の代表的 な樹種です。性質がきわめ 《↓ 0 豆でて丈夫で、風雪、寒暑にた い木え、刈込み整樹に弱化する 勢な こともなく、まさに男性的 び豪 な魅力にあふれています。 あし 一般的には乾燥性の樹で 、をすか、排水よくうえこんで、 で黒 よく日光にあて、水は多く - フ一んカ一え サまやってください。 は、三、四年にいちど、三 月上旬ごろにやります。ま た、五、六月。ころにミドリ 摘みをします。

6. 盆栽 自然美の創作と鑑賞

小品盆栽にむく樹種 どんな盆栽でもむくわけではありません。第 一に葉形か小さくてよくこんでいること、枝が 密にでて細かいことなどが条件となりますが、 八つ房性 ( とくに多芽性で小葉のもの ) の五葉 松や蝦夷松や黒松、﨔や槭などには適種が多い ようです。第二に ~ 化つきがよく、実成りのい ものがあげられます。これには紫壇樹、長寿梅、 臣批巴、姫林檎、豆柿などが好適かと思います 小品盆栽ー △姫林檎 樹高一〇センチほどで四個の実をつけています。 豆柿 小品盆栽ー 小さな木でよく豊かな実をならしたものです。

7. 盆栽 自然美の創作と鑑賞

芽出しから初夏にかけての緑葉、秋の紅葉の美しさを賞するものです。また、落葉後の寒樹 ( 裸木 ) の姿にも別の趣きがあります。 もみじけやき はぜなら おもなものー槭、欅、楓、榎、山毛欅、黄櫨、楢、公孫樹など。 同花物 ( はなもの ) 花の美しさ、稚品を賞するものです。次の実物とあい通じる興趣をもっている樹種もあります。 さっき かいどう おもなものー梅、黄梅、本瓜、海棠、桜、桃、辛夷、椿、皐月など。 い実物 ( みもの ) ぶしゆかん うめもどき おもなものー柿、梨、栗、かりん、落霜紅、南天桐、姫林檎、仏手柑、紅柴檀など。 なお、草物類を盆栽に入れる人もいますが、正しくは盆栽にそえて興味をもたらすものという おもと べきでありましよう。また、春蘭や万年青などは、、 しささか興趣のあり方が異なりますので、盆 栽とはいえません。 樹形からの分類 盆栽にも、いろいろな樹形があり、それぞれの持色があります。 ①直幹 ( ちよくかん ) 一本立ちで、読んで字の通り、その幹が土ぎわから天辺までまっ直ぐに立っている姿のもの。 にいくにしたがって次第 その理想体は、根が四方根張りで安定感があり、幹に力があって、上方 , 糸く、しかも、枝もほぼ左右交互にふりだしている姿である、とされています。たとえば、亭 亭としてそびえ立っ野中の一本杉の老大本の趣きをあらわすものです。 ちょう 108

8. 盆栽 自然美の創作と鑑賞

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9. 盆栽 自然美の創作と鑑賞

蝦夷松ー株立ー 蝦夷松 ( えぞまっ ) はその名のよ うに千島か北海道の産で、盆栽にむ く樹種として広く愛培されています。 この木は一株から五幹の立っ姿のも のですが、何よりも、いわゆる「図 変わり」の面白さがあります。つま り、下枝がなく樹心に傘状の葉群が あり、定形を破った新しさが感じら れます。

10. 盆栽 自然美の創作と鑑賞

﨔ー直幹ー この﨔は、 いくらか端正な感じがあります。むだ なものをとりのぞいたような枝くばりです。自然作 りといわれる樹形ですが、いわば、理想的樹木の姿 を盆上に表現しようとしたものです。根もとから樹 心までのだいたい三分の一ぐらいのところから枝を 左右に分岐し、しかも、リズミカルに枝をかさね、 密にしげらせています。白交趾 ( しろこうち ) の鉢 との調和もきいています。 山槭ー直幹ー 山槭 ( やまもみじ ) は、同種中、もっとも広く分布して いるもみじです。葉の裂片が幅広く仞りこみが深い優美な 葉形で、秋の紅葉はとくに美しいものです。しかし、葉の 落ちたあとの樹容にもまた趣きがあるといえましよう。こ の木は、もみじとしてはととのった姿で、小枝も密に、繊 細な感じがでています。まだ、ちょっと若木のようですが、 永く培養すれば肌に古雅な趣きを呈してくることでしよう。 4 9 4