ないから、案外女がついて来るのだ、とうそぶくを溜める力を持っ男に安心感を覚えるタイプの女 がいるが、彼女もその一人だな、だから君が百万 のだった。 溜めたら、浮気する積りかもしれないぞ、多分、 女達の眼の前で平気でそういうのである。 そんな間も、見崎は廻りの女達がぎよっとする君に相当好意を持っているんだろう、しかしそう ような鋭い心理解剖をやってのけたりした。吉見いう女にのばせても無駄だ、本質的に愛情より金 がふと、順子の気持ちを尋ねてみる気になったの銭にひかれている女だからだ、金銭というと語弊 があるがね、つまり豊かな生活だ、自由に金を使 は、見崎の女性経験の豊富さを感じたからであっ た。吉見は順子の名はあげずに出会いから、今まえる生活だ、面自いじゃないか、思い切って百万 溜めてみろよ、貯金通帳を見せて彼女を抱くんだ、 でのことを話した。 見崎は最初は良い加減に聞いていたようだが、君は日本一のセールスマンになりたいといっただ 途中から面白いな、といい出した。そして、吉見ろう、その意志があるなら、その女の挑戦を受け を女と待ち合わせているなじみのスナックに連れてみろよ、それ位のことが出来なく「て、日本一 になれないぞ」 て行った。女はまだ来ていなかった。 見崎は酔って喚めくようにいったが、それは吉 「分かったぞ、その女は多分順子だろう」 見に不思議な勇気を与えた。順子への愛情のため と見崎は酒臭い息を吐きながらいった。 の努力としないで、挑戦への闘志と受け取ると、 「名前は勘弁して下さいー 「まあ良い、しかし俺の勘ではな、その女には大可能な気がして来たのだった。 物のスポンサーがついているね、勿論、君のけち見崎の言葉には、男の闘志をあおりたてるエネ ルギーのようなものがあった。それが、見崎のも な貯金を目当てにしているのじゃない、彼女にと 「ては、金のない男と寝るのは危険なんだよ、金のの見方てあり、生侖力であ「たかもしれない。 308
那江子は席についたホステスと黙って向き会っ ルに泊まったのだった。色とりどりの宝石をまい たような神戸の灯を見ながら、こういうホテルにていた。到頭、女の方が沈黙に耐え兼ねたようにわ 好きな男と来たなら、どんなに楽しいだろうと思那江子にいった。 ったものだ。 「お幾つなの、お奇麗だわ」 有村は一寸困惑したような顔で、今夜は泊まれその女は二十四、五であった。那江子と同年輩 ないんだ、といった。 である。ただ那江子は年よりも二つ三つ若く見ら 「じゃ、良いわ、泊まれる時ミ今夜はお茶だけれる。華奢なせいだろうか。那江子はその問いに は答えず、この店は有村の店か、と尋ねた。女は 飲んでお話しましよう、あなたと連れ込みホテル 笑って首を振った。 に行ったりするの、嫌なのー 有村は少し離れるようにして那江子を見た。大「お客さんよ、でも社長さんとはお友達のようだ わ、あなた有村さんのこと、知らないのー 人になったんだな、君も、と有村はいった。 那江子は屈辱を感じて口を閉じた。 私、昔から大人よ、と那江子は胸の中で呟いた。 有村は腕時計を見ていたが、それじゃ六甲のホテ有村が戻「て来た。女が有村に、那江子がいっ っ たことを告げて笑った。 ルに行くから、一寸バーに行って欲しいと、い 「僕はこんな大きな店を持つほど金持ちじゃな た。那江子は承諾した。 有村が連れて行った店は、かっての店とは比較い」 と有村も苦笑した。同じ言葉を那江子は、去年 にならないほど大きかった。ホステスも数十人い た。前のような店ではなく、一流のクラブのようのイプの夜にも聞いた。すると女が、そんなこと であった。有村は、電話を掛けて来ると席を立つないでしよ、といった。 有村は那江子を連れて店を出ると、六甲のホテ た。なかなか戻らない。
「お願いだ、鍵は持っていて欲しいー い増した。 その夜も佐賀見は午前三時頃、ア。ハートに戻っすると由紀江は頷き、べッドに坐ると、佐賀見 た。ドアの隙間から明りが見える。 の類に接吻した。 由紀江が待っていた。 「そんなに怖いのなら、儲けても失敗しても、や 「どうしたのその顔。分かった、相場で失敗して、めて頂戴、何か他の職業を探したら」 お金をなくしたのね」 「君がカナの旦那と切れて、カナを乗っ取るとい 「まだ失敗していない、下がるか上がるかの分岐うことをやめるなら、僕はやめる」 点なんだよ。怖ろしい」 酔った佐賀見の眼に由紀江の顔が一瞬輝いたよ と佐賀見は思わずいった。 うな気がした。お休み、と由紀江は、もう一度佐 小豆相場のセールスマンになって、怖ろしいと賀見の頬に接吻した。佐賀見はそのまま深い眠り いう言葉を吐いたのは、これが初めてだった。由に落ちていった。 二日酔いだったが、佐賀見の耳には由紀江の言 紀江は黙って佐賀見の洋服を脱がせた。お風呂も が、はっきり残っていた。儲けても、失敗して 沸いているから入ったら良い、というのだった。 風呂から出た佐賀見は、倒れるようにべッドに横も、俺はこの商売から足を洗う約東をしたのだ、 になった。泥酔状態て、由紀江を抱けそうにもなと佐賀見は自分にいい聞かせるように呟いた。す 、つこ 0 ると不思議な安定感に支えられたような気になっ 「じゃ、私、帰るわ。鍵はここに置いておきまた。 小豆相場が大底を打ち、上昇に転じたのは、そ 由紀江が鍵をテープルに置こうとした時、佐賀の翌日からだった。佐賀見は一万五百円で更に五 見は、由紀江の手首を撮んでいた。 十枚買い乗せた。上昇に転じると、あっという間 129
「どんなやり方だ、君は何度かやっているんだろ 見ても恥ずかしくなるような赤であった。 「新幹線と飛行機とでは一時間半違うね」 俺はカードを取り出すとテープルに置いた。こ と俺は腕時計を見ていった。 「丁度良いんじゃないですか。裕二さん、その間、ちらは飛び入りだから、客のルールを知っておか お風呂に入って、コーヒーても飲んで、のんびりねばならない。プラックジャックで、ヤクが多い。 トッビンだとか、五万、六万などがある。レミ子 していたてしよ」 は井頭と一緒にかなりやっているので、ルールを と達男はいった。 達男は、俺が勤めていたクラブに、ボーイとし知っていた。 て入って来て、カードが旨く、間もなく俺と組む俺達にすれば、ヤクが多いほど儲けが多い。手 ようになったのだが、 今でも俺には丁重な言葉をヤクが倍になると聞いて、俺と達男は顔を見合わ せて、にやりと笑った。 使う。 達男は早速ウイスキーを注文した。全く達男は、 俺達のプレイだって、絶えずいんちきするとは 飲む打っ買うの三拍子そろった男だ。まだ三十に限らない。俺が儀牲になって達男に儲けさせ、達 なっていないから、かなりの無理が出来るのかも男が牲になって俺に儲けさせる。俺と達男は早 トアがノックされた。来たのはレミ子速、レミ子も加えて、半時間ばかり練習してみ しれない。・ こっこ 0 レミ子は二十三、四歳だろう。色自で瞼がふく 「このルールなら、俺と達男が並んだ方が良いな」 ら、どちらかというと日本的な顔だった。 「そうですね、カードを変える時に場所変えしま 一見したところでは、そんなに執念深い女には しよ、つ」 「、最初の二時間はおとなしくやろう」 思えない。 こ 0
屋に来ないか、ウイスキーもある、と誘ったが、 「私も楽しかったわ」 順子は下で待っている、と答えた。そして吉見が と順子はいった。順子の自い手が膝の上にあっ四 ギターを持って出ると、車を拾い、彼女の知ってた。握ったら、また叩かれそうな気がしたのて、 いる店に連れて行った。 吉見は順子の身体に触れなかった。 「何処です、送るから」 裁判所の裏の静かな場所にあった。地下の店で、 ギターをひきながら歌えそうな雰囲気だった。そ「芦屋なの、遠いわよ」 の夜も順子は吉見のギターで歌った。マダムは美「構わない、あなたといると凄く楽しいんだ」 登という名で、店の名前もミトであった。美登は、 「ても、私はあなたと、そう再三お付き合いする 順子の昔の知り合いらしかった。順子は二時間ほわけにはゆかないわ」 どいて、帰ると、つこ。 オ吉見は勘定を払い、順子順子は窓外に眼をやってもの思いにふけるよう な口調ていった。そう宣言されなくても、吉見に を送って行くことにした。 その限りにおいて、順子は吉見に対して、異性は順子を追ってまえる自信はなかった。順子の としての興味は抱いていないようだった。順子が何もかもが自分より上のような気がした。だから 味わいたかったのは、吉見の奏てるギターであり、会っていると甘えられるのだった。だが離れると 自分で歌うムードであった。他の女と違って、順遠い人だった。 子には、自惚れられないものを感じる。吉見が武「嫌だな、淋しいな」 器として女に持「ている手管など通用しそうにな「無理をいうもんじゃないわ、私には私の生活が か「た。吉見はかえ「て、気が楽にな「た。タクあるし、私ね、クラブに入った時、三年間勤め シーに乗ってから、吉見は順子に、今夜は楽しかて辞めようと思っていたの、思い切り遊んで、お 金を儲けて、だから三年たった時辞めたのよ、私 った、と告げた。
かないか、と誘った。すると順子は意外にも、良と復察するような視線で見廻した。椅子に坐った いわ、といったのだった。胸がわくわくして吉見のて、吉見が、ガスコンロに火をつけると、お茶 は良いわ、といった。順子は吉見の部屋に来たこ が車から下りると、順子も続いて下りて来た。 「あなたのギターを一曲か二曲聞きたいわ、それとを意識していた。それは毅然とした姿勢にも現 われている。 から帰る、良いわね」 「ギターをひこうか」 「ああ、それで良いよ」 と吉見はいった。順子は微笑で頷いた。 吉見が運転手に金を払おうとすると、順子はそ ひきながら、歌わないか、といったが、順子は の手を制して、運転手に、二十分ほどだからここ て待っていて欲しい、といった。そして、チッ。フ首を振った。吉見は、順子と一緒に生活し、自分 がギターをひき、順子が歌う光景を想像した。す だと、五百円渡した。順子の気持ちははっきりし ていた。順子には、吉見に抱かれる意志はないのると吉見は胸が熱くなるのだった。一曲ひき終え てから、吉見はそれをいった。すると順子は、楽 であった。それを順子は吉見に示したのだった。 吉見は少し落胆したものの、嬉しさの方が強かっしいだろうとは思うけど、そういう楽しさは長続 時きしない、というのであった。順子の気持ちは地 た。吉見には、順子を、ものにしようとか、一 に根が生えており、吉見は宙を浮いていた。 の遊び相手にしようとかいう気持ちはなかった。 生活はギターじゃないわ、ギターは憩いよ、と 吉見は順子を愛していたのであった。 しオ吉見はギターを続ける気持ちを失 「エレベーターがないからね、階段を上がるん順子は、つこ。 った。すると順子は、もう帰らなくっちゃ、と腕 吉見は順子の手を取って階段を上がった。順子時計を見た。 は息をはすませていた。順子は吉見の部屋に入る「まだ十分しかたっていない、あなたは二十分良
と浮気することで前の男を割り切れるが、喫茶店 が昨夜店に来て、長良咲のことを色々と聞いてい ったから用心するようにという電話だ「た。長良のようなチェンジバートナ 1 の少ない環境てはそ 6 うはいかなくなる。そういう危険性を予知してい 咲は何故か赤面した。 かなり るからに過ぎない。喫茶店を買う時には、 「私のこと、どういったのママー 「非常に真面目な水商売には珍しい女性で、喫茶研究した。そして長良咲は一つの発見をした。っ 店も一人で経営しているのだし、あなたが誘惑すまり喫茶店を売りに出す女は、大抵男性関係で失 るような女性ではないから、変なことしないで、敗し、店を手離すようになったということだ「 た。喫茶店の生活には刺戟がない。だから退屈に といっておいたわ」 なりつい男に溺れてしまうわけである。だから長 「嫌ねママ : 長良咲には恵子の言葉が感じ良くなか「た。恵良咲は浮気はするまいと決心したのであ「て、本 子は好意からそうい「たのだが、何だか自分が子当は貞操堅固な女性てはない。 供扱いにされているような気がした。長良咲はク「私があの人が、次々と女を替えていると告げた ラ・フケイに勤めていた時は、けっして真面目な女のを、ママ、話したのー と長良咲は聞いた。 ではなかった。相当浮気もしたのだ。七年間だか 「そんなこと、話さないけど、そりや喋られてい ら二十人はいるだろう。 ると思っているでしよう。話さないと思う方がお そういった意味ではお嬢さんではなかったし、 人生の垢を肌に塗りたく「た女ともいえるかもしかしいんじゃないかしら、兎に角、気をつけるこ れない。今は一見真面目な生活をしているが、そとね、咲ちゃんなら大丈夫だと思うけど」 電話を切ってから長良咲は矢張り良い感じがし れは環境のせいであった。喫茶店の経営者が男に ーでは別な男なかった。・長良咲は七年間、男を観察し続けてい 溺れたら浮気では済まなくなる。バ
ルの部屋が取れた旨告げた。有村は近くのモータ秋の夜の灯は初めて来た時よりも、ずっと美しか った。有村が予約した部屋は二た部屋もあった。 1 プールに車を置いていた。プルーの素晴らしい 外車であった。入院していた時の有村はそんなに片一方の部屋には、豪華なテープルやソフアがあ って、窓からは一望のもとに神戸の夜景が眺めら 金を持っていなかった。 ところが一年近くで、こんな車を持っ身分になれた。 っている。まともなことをして儲かる筈はなかっ有村はボーイを呼びチップをはずみ、プランデ ーを持って来させた。片側の窓は山に面してい た。車の中で那江子は有村に、何をしているのか、 た。那江子が窓から飽くことなく神戸の夜景を眺 と聞いた。金融業だと有村は答えた。高利貸しな めていると、傍に来た有村が静かに那江子の肩を の、と那江子はいった。 いた。バスに湯を入れてくれないか、と有村は 「金も貸すがね、取り立ての方が多いな、金を借抱 りてね、払えるのに払わない奴がいる、そういう 有村と那江子は、バスから出るとホテルの浴衣 奴から借金を取り立てるんだよ、それにしても、 を着て、プランデーを飲んだ。ホテルは泊まる人 君は、詰問口調で尋ねるね。僕がまだ暴力団にい が他にいるのかと疑うほど静かだった。 ると思っているのかい、心配しなくても、ああい 那江子は時々、上眼使いに有村を眺めた。 う馬鹿なことは辞めたよ、ミナミの店で一寸儲か 「たから、今の仕事を始めたんだよ、何だい、そ「僕を見る君の眼は何時も光「ているね、看護婦 んなに眼をむいて、僕が金持ちになって行くのがであった当時と全然変わりない、医者のいうこと を聞かない患者を見るような眼だな」 不服のようだな」 「あれから、何人位の女性と遊んだの ? 」 有村は冗談のようにいった。 「何人かな、そりや浮気はするがね、いちいち覚 六甲のホテルについたのは午前零時であった。 255
「ここに、女性を案内したのは初めてだよ、君は 8 その夜、長良咲は高達也の店を訪れた。高達也信じないかも知れないけど」 はテープル席で女客と話していた。 と高達也がいった。 長良咲はカウンターに坐った。美少年のような「信じますわ」 ーテンが長良咲に注文を聞いた。 と長良咲は答えた。 高達也は素早く長良咲を見付けて傍にやって来部屋は整頓されていた。壁にはデッサンの裸婦 た。驚いたな、あなたが来るなんて、一体どうし が掛かっていた。書棚には文学書が並んでいる。 たんだ、と不思議そうこ、つこ、 冫オカ長良咲の手を一方の壁にはローランサンの画があった。その部 取ると、嬉しいよ、と呟い 屋の何処か柔らかい感じは長良咲が想像していた 強く長良咲の指を握り締めた。 ものとは全然違った。部屋の感覚は何処か女性的 「今夜、お会いしたいわ」 でさえあった。 「良いとも、君が僕を誘ってくれたのは初めてだ 「私ね、今夜、白浜てのお話の続きを聞きに来た ね、嬉しいよ、これは本心だ」 高達也は午前零時に近くのスナックバーで待っ 高達也は不思議そうに、理由を尋ねたが、長良 ていてくれるようにいった。 咲は聞きたいから聞きたいの、といい張った。高 高達也がやって来て、二人で外に出た時、長良達也は仕方なさそうに、何処まて話したかな、と といった。断いっこ。 咲はあなたの部屋に行ってみたい、 「村木さんが、一緒になるべきだ、とおっしやっ るかと思ったが高達也は承諾した。 高達也のアパートはレストランの直ぐ近くにあたところまで」 った。ミナミの繁華街の中のマンションであった。
愛子の言葉を聞いた時、長良咲は顔から血が引 がそう思うなら思っても良いわ、ママは何も弁解 いて行くのがはっきり分かった。 しない」 立っているのが辛く、愛子と向かい合って椅子「じゃいうわ、私ね今、クラブケイに勤めている に腰を下ろした。 のよ、ケイのママはね、私がここにいたのを覚え 「あなた、そんなことをいうためにここに来たてないの、多分化粧のせいでしよう、一咋日ね、 私がお客の電話に出ていたら、恵子ママがね、あ 長良咲は取り乱すまいと静かな口調ていったの男に電話掛けているの、私、聞かない振りをし が、胸は疑惑で乱れていた。二人の交際を何故愛て全部聞いちゃった。恵子ママはあの男に、咲ち 子が知っているのか、それを知ることが怖しい思ゃんて、そんなに良いの、といっていたわ、それ いであった。 で、私、分かったのよ、あの男とママが出来てい 「そうよママ、でもママは、何故私が知っているるのを、恵子ママともきっと出来てるわ、知らな か不思議でしよう」 かったでしよ、あんな男を好きになったりしたか 愛子の眼は意地悪な光を帯びていた。異常な感ら、罰を受けたのよ、さよなら」 受性で人の裏側ばかりを探ろうとする針のような愛子はコーヒーも飲まずに金を置くと店を飛び 眼付きてあった。 出して行った。 「そういうことは聞きたくないわ : ・・ : 」 長良咲は蒼い顔をしたまま暫く椅子に坐ってい 「でも、愛子は喋りたいのよ、だってママは、私 た。高達也と恵子が出来ている。 と二人で、ああいう男なんか最低だといいながら信じられないようなことだが、長良咲には本当 好きになったりして、愛子を裏切ったもの : に思えたのだった。 「私は裏切った積りはないけど、でも、愛ちゃん