ねしましたね。あれはまじめに掲載しようというのでしたろら申しているのは、ばくが証人です。さよなら。 あなたの弟ドストエーフスキイ つ、、はっきりしたことを聞かせてください ( 折り入ってお 9 願いします ) 。もしそうなら、運動をして見たのでしようか ・・ヴランゲリへ どうでしよう、もししないのなら、その理由ははたしてなん セミパラチンスグ、一八五七年三月九日 でしよう ? 後生ですから、それを残らず知らせてくださ 友であり兄弟であるアレグサンドル・エゴーロヴィチ、帰 、ま、ばくが発表を禁じられていないという、 このお願し。 って来てからもう二週間たつのに、今やっとこの手紙を書き あなたの想像に対する答えなのです。同意していただきたい のですが、この作品 ( 『少年物語しは多くの点でばくには興はじめました。生活秩序が新しくなってから、どれだけ厄介 なめんどうな心配事や仕事、しかも、ぜんぜん予見しなかっ 味があるのです ) 兄さん、ばくはあの不仕合わせなプトコフが気の毒でたまためんどうが降って湧いたか、それをきみが知ってくだすっ りません ! そんな死にようをするとは ! あの人を病院でたら、帰ってからすぐ手紙を書かなかったのを、きっとゆる してくださることと思います。第一、ばくらの結婚式 ( それ 死なせるなんて、いったいあなた方は何をばんやりしていた は二月の六日にグズネーッグで挙行したのです ) と、それか のです ! なんという悲しいことでしよう ! さよなら、ばくの天使。ばくをおばえているすべての人にらセミパラチンスグまでの帰り道が、予定よりずっと日数を よろしく 。ばくはみんなおばえています。そして、もと愛しとったのです。・ハルナウールでばくが発作を起こしたので、 ていた人は、前と変わらず愛しています。ばくはヴェーロチその町で四日もよけいに滞在しました ( その発作は肉体的に カ夫婦にすまないことをしているのです。だいぶ前から手紙も精神的にも、ばくを粉砕しました。医師はほんものの癲澗 をやっていません。近いうちみんなに書きます。子供たちみだと断言し、もし猶予なく適当の方法を講じなかったら、つ ードロヴナまり完全に自由な境遇でのみ可能な正規の治療をしなかった んなに接吻してやって、とりわけエミリヤ・フョ に、ばくのことを思いださせてください。神よ、彼女にあらら、発作はもっとも悪質なものとなって、ばくはそうした発 ゆる幸福を授けたまわんことを ! 妻は書き添えさえしませ作のとき、喉の痙攣のために窒息するかもしれない、 ん。ばくはすすめたのですが、自分で別に手紙を書く、ヴァするのです。ばくはほとんどいつも発作のとき、そういう痙 ーリンカにも書くという返事でした。しかし、あなたとエミ攣に襲われるのです ) 。セミパラチンスクへ帰ってから、住 リヤ・フヨードロヴナに、いからよろしく、ご多幸を祈ってい居をととのえるためのごたごたが、ばくを待ちかまえていま ることを、申し伝えてほしいとのことです。彼女がしん底かした。それから妻が病気したり、それからまた旅団長がやっ

る男の祈願です。 あくせくなさる暇があるだけまだしもです。夏の間は芝居の さよなら、どうか友情の押売りでわたしに腹を立てないではうもあまり忙しくありませんからね。ご主人はあなたのこ ください。もっとも、わたしは実にいやな性質を持っていまとを、世帯にはまるで向かない女だから、指導者がなければ すが、しかし、いつもではなく、ただときどきです。それでやっていかれない、 といっておられます。もっとも、二人で いささかみすから慰めています。 = 日したことをもっと詳しくお知らせしましよう。そのほう わたしの代わりに、。 こ子息のミハイル・ミハイロヴィチが、あなたの質間に対していろいろお答になると思います。 友よ、あなたはご主人が退職して、モスクワへ行かれはし の¯o れ子 ) に握手してください。なんというかわいい坊ちゃ んでしよう。あなたに握手し、そのお手に接吻します。心か ないかと心配しておられますね。わたしにはあなたの危惧の らの尊敬をもって、あなたに信服せる 気持ちがわかりますが、どうやらきっとそうなりそうです。 ・ドストエーフスキイ あの人の頭には何か考えがあるのです。わたしにいろんなこ とを話されましたが、それでも全部はいわれなかった様子で す。 ペテルプルグ、一八六〇年六月十二日 わたしたちのあとからモスクワへ出かけ、その旅行から帰 なっかしく優しき友アレグサンドラ・イヴァーノヴナ、あって来ると、ご主人はたちまちのうちに準備をととのえて、 なたのお手紙を楽しい気持ちで拝読しました。まして、今後 ーヴロフスグへ越して行かれたので、わたしがお会いした あなたからお手紙をちょうだいしようなどと思ってもいなかのはもうこの市中ではありませんでした。兄もお会いする用 ったから、なおさらです。しかし、あなたはいつに変わらず事があったので、あるときわたしとミリーコフと兄と三人 優しい方です、わたしのことを思いだしてくだすって。わたで、夕方からパーヴロフスグへ遊びに行きました。兄は、 しはおそらく七月の中頃モスクワに行くつもりでしたから、主人のアドレスを忘れたので、その晩はさんざんさがしまし 親しくお目にかかったら、その時はどんな手紙も及ばぬほどたが、無駄でした。一週間後、兄が訪問したところ、ご主人に 尽きぬお話をしようと思っていたのです : : : ( 一、 語不明 ) とうとう会えたそうです。ご主人はぜひ日曜日に食事に来いと、わた 文学者、 あなたが落ちつかれて、新しい住居へ引「越しされたことを、しと兄を招待してくださいました ( いまポレーツキイ ( ン ほんとうにうれしく田 5 います。しかし、ああ、なんとあなた といっしょに住んでおられます ) 。それは先週の日曜の はあくせくしていらっしやるのでしよう、またその苦労があことです。その間に、わたしたちはまた三人か四人づれで、 なたにとって、どんなにつらいことでしよう ! それでも、 偶然パーヴロフスグへ行ったので、ご主人をお訪ねしたとこ

簡 魯り、 ません。いろんな発作がたえず起こって、その間隔はかなり お前はきっとばくのことを忘れたのだろう、 ました ) 、 ぼくはそれがじつにつらい、と書いてやりました。しかし、長いのですけれど、なんといってもじつに不愉快です。いま それはつい悲しさのあまり、つい心からほとばしり出たのだ軍務のほうにいそしんでいます。ばくが自分のことをあまり 、。くはとてもつらかったので書かないからといって、腹を立てないでください ! から、怒らないでくださし ~ エミリヤ・フヨードロヴナの健康はいかがです ? 幸福を す。あなたの商売がどうやらうまくいっているとのこと、ほ んとうにうれしく思います。兄さん、どうかやめないでくだ祈ります。ばくは一生あなたの厄介になって、あなたに借金 してばかりいると、エミリヤ・フヨードロヴナにいってくだ きい。それはあなたにとっても、あなたの家族にとっても、 唯一の望みなのですから。あなたが家庭のことを書いて来らさい。ほんとうになんというめぐり合わせでしよう ! 兄さ れる手紙は、いつも楽しみにして読んでいます。あなたの子んありがとう、ばくを見棄てないでくれてありがとう。もし ばくはうれしくてたまりません ! ばくはあなたという人がなかったら、ばくはどうなっていたでしょ 供たちのことが、 あの子たちに一度も別れたことがないように、、いから愛してう。 さようなら、なっかしい兄さん。ばくがあなたを愛してい います。マーシャがかわいらしくないなんて、ばくそんなこ とほんとうにしたくありません。それはあり得べからざるこるように、あなたもばくを愛してください あなたの・ドストエーフスキイ とです。この次の手紙に、モスクワのことをもっと詳しく書 いてください。あなたが伯父さんや伯母さんと親しくなっ 3 ・・イサーエヴァへ ( 後にドストエーフ て、手厚いもてなしを受けているとのこと、じつにうれしく セミバラチンスグ、一八五五年六月四日 思います。どうかあの家の ( つまり伯父さんの ) 生活を、一 ・ドミートリエヴナ、途上より送 っ残らず詳しく書いてください、何をどんなふうにしている尊く忘れがたき友マリヤ 妹ア ってくだすった優しいお手紙落掌、限りなくお礼申します。 か ? それから、うちの新しい親戚、ゴレノーフスキイ ( レク サンド、 ) イヴァーノフ ラの夫¯) などのことを、も少し詳しくあなたもアレグサンドル・イヴ , ーノヴィチ ( の却 ) も、親友 ラの夫 知らせてください。兄さんの手紙にはあまり詳しい、特別のという名で呼ぶことをわたしに許してくださることと田 5 いま す。事実、わたしたちは当地で親友同士だったのですから、 ことが書いてありませんでしたね。 今後もそうであることを願い上げる次第です。はたして別離 ばくの生活のことについては、何を話したものでしよう。 一日一日と暮らしているだけ、それつきりです。健康はあまがわたしたちの気持ちを変えるでしようか ? 否、なっかし しいほうでなく、したがって、生活はたいして楽しくありき友であるあなた方が去られてから、どんなにわたしが苦し

Z ・そのお言葉は自分のこととして受け取りません。わ情を恐れずに、前よりもっとあなたに信服する可能を与えて たしがあなたに対してなんで霊の透視者なものですか ! ) 要くれました。わたしは無私の心であなたに信服していること 求なさる忠言については、同じことですが、それについて何が、これから先きも自分でわかります。 を忠告することができるでしよう ? それはあなたご自身、 さよなら、優しのきみよ、あなたのかわいい 、悪戯っ子ら わたしより千倍もよくご承知です。あなたはごそんじでしょ しい手を、敬虔の念と信頼をもって接吻し、かっ心から握手 一方からいえば幸福であり、天恵ではあるけれどします。 も、また一方からいえば、不安であり、苦しみであり、健康 完全にあなたの・ドストエーフスキイ を傷つけることであり、また感情そのものも前とは違って来・ミハイロフの文章のことはあとでお話しましょ るでしよう。自由が減じて、隷属のほうが多くなるでしょ う。ご主人はしよっちゅう。ハーヴロフスクへ遊びに来いと、 う。わたしのいうことはこれだけで、そのほかはご自分で判しきりにいってくれました。ところが、ちょうど一週間たっ 断してください。尊き友よ、お目にかかれるでしようか ? のに、わたしはまだ行っていません。いろんな雑用が山ほど 七月にはきっとモスグワへ行きます。二人で、心の底から話あるものですから。 ができるでしようか ? あなたが高潔なやさしい心をもって 7 ・・ミリ = コフへ僉家 ) わたしを信頼してくださるので、わたしはどんなに幸福でし よう、友よ、そうなんです ! わたしはざっくばらんに申し ^ ペテルプルグ、一八六〇年九月十日〉 ますが、わたしはあなたを心から熱烈に愛しています。それ親愛なるアレクサンドル・ベトローヴィチ。取りあえずお は自分のほうから、あなたに恋してはいないといったくらい知らせしますが、小生は日曜日に出発しません。おそらく火 ーしミリューコフ です。というのは、あなたの正しいご意見を尊重したからで曜日になるでしよう。そういうわけで、洗ネ ( の子の洗礼 ) を あって、あなたがわたしから信頼をお奪いになったような気することができるようになりました。貴兄のほうからも市内 がした時は、どんなに悲しんだでしよう。わたしは自分で自便で、明日の洗礼式は何時になるかご一報を願います。小生 分を責めました。それこそ苦しい思いでした , しかし、限の想像では、晩蒋式のすぐ後ではないでしようか。 りなく、優しいきみよ、あなたの手紙で、何もかも散ってし 小生は執筆に着手しました。まだどんなことになるかわか 簡まいました。どうかあらゆる幸福をお受けになるようにー りませんが、背中も伸ばさずに仕事をする覚悟です。 完全に貴兄の・ドストエーフスキイ わたしはあなたに恋していないことを確信して、どんなにう 書れしいかわかりません ! それによって、わたしは自分の心

これも、優しい感情や愛慕、いや、それ以上のものさえほの ばくがグズネーックへ ( 行くとい , っことは、ペレホフ 見えているにもかかわらず、彼女はこんなことを匂わすので 冫いいませんでしたが、ばくはたとえ四、五時間でもいいカ す、 わたしはあなたを幸福にすることはできない、わたら行って来ます。ばくがいわなかったのは、ペレホフがいざ 以下一一 したちは二人ともあまり不幸なのだから、 という時になって、妙に尻込みしはじめたからです。もっと 引き ( か シャについては、シベリヤ幼年学校へ入れるよも、暇はくれます。もし明日にもべレホフが心変わりしなけ れているノ うに運動してくれと、ばくに頼んでいるのですが、なおきみれば、ほとんど間違いなしに出発します。ぜんぶ自費です。 にも、なろうことなら今年でも幼稚部 ( パ ーシャは数え年九ばくが無分別に金を浪費するといって、責めないでくださ つなのです ) へ採用してもらえないか、ガスフォルトに運動 しかし、ばくはたとえ軍法会議に付せられても、ただ彼 してほしいと依頼しています。ばくはなんの下心もなしに奔女に会いたいのです。ばくの現状は危機にせまっています。 走してやる約東をしましたから、後生です、できるだけのこ よく話し合って、すべてを一挙に解決しなければなりませ とをしてやってください。なおたってお願いしますが、後生ん ! どうぞご心配なく、道中ばくの身に何事も起こりはし です、兄をもひとっ説き伏せて、 ーヴロフスグの幼年学校ません。慎重にやります。十日ばかりで帰りますが、彼女に へ、今年でなくても来年あたり、パ は必ず会います。ばくがグズネーッグへ行くということは、 ーシャを入学させること はできないか、詳しく丹念に調べてもらってください。 もし秘密にしています。お願いですから、きみも兄のほかだれに できるようだったら、兄からマリヤ ・ドミートリエヴナに宛もいわないでください。友よ ! ばくは恐ろしい興奮に捕わ てて、なるべく早く詳細を残らず知らせてやり、すっかり安れています。お手紙によれば、ばくを・ハルナウールの大隊へ 心させるよ、つに、また、アレクサンドル・エゴーロヴィチ、 転勤さすように運動しておられるとのことですが、後生一生 きみもやはりお願いですからばくのために、彼女を安心させのお願いです、将校に任官するまでは ( もしそういう運を もしかしたら、 てやってください。 ーシャをベテルプルグ授かったらです ) 、ばくを転任させないでください。それは へやるのこ、、 ししルっいでがあるかもしれない、 したがって、彼ばくにとって死に等しいのです。第一 elle ne sera pas lå 女は息子をベテルプルグへつれて行くために、自分で長旅を ( 彼女がそこにおりません ) 。第二に、新しい人びと、新しい上官に する必要はない、そして、 シャはペテルプルグで友だち馴れるのも、どんなに苦しいでしよう。ここではばくは衛兵 簡ができるだろう、というふうに納得させて、彼女を安心させ勤務を免じられていますが、向こうではそうはいきません。 てやってもらいたいのです ! とくに兄にはこのことをくれ大隊の上官たちはよくないのです。なんのために行くので 書ぐれも頼みます : ・ いっしょに暮らすためですか ? 彼女はひょっとした

にシルレルがキリスト教的詩人であるとはいっても ) 、抒情りませんか。さよなら、なっかしい優しい兄上。も一度さよ 詩人シェイクスピアも、ばくはかれのソネットをフランス語なら。手紙をください。 ああ、ひとっ兄さんをやつつけることがあります。あなた で読みました、パイロンも、プーシキンも、ユーゴーとは比 較になりません。ただホメロスのみはおのれの使命に対するは形式を論じながら、ほとんど気が狂ったようでしたね。あ なたの頭には、ちょっとしたこういう不安があるのじゃない 確固不動の信念と、おのれの仕える詩神に対する嬰児のごと かと、ばくはもう劇から疑っていました、しかも冗談でなし き信仰をいだいている点で、詩の源の方向においてヴィクト この間もプーシキンのことで、妙なことをいいました ル・ユーゴーに似ています。しかし、それはただ方向だけ で、ホメロスが自然から与えられて表現している思想ではなね ! ばくはそれについて何もいいませんでした、それには く、ばくもまたそんなことをいっているのではありません。 ちょっとわけがあるのです。あなたの形式論については、次 もしかしたら、ジェルジャーヴィンは抒情詩において、彼らの手紙で語りましよう。今は余白も時間もありません。しか 二人の上に立つものかもしれません。なっかしき兄上、さよし、どうかこれだけ聞かせてください。あなたは形式を論じ ながら、ラシーヌもコルネイユもわれわれに愛好されるはす なら。親友にして弟なる ・ドストエーフスキイ がない、なぜなら、形式が悪いからなどと、どこから推し 今日の手紙は過去の追憶のために、幾滴かの涙をばくに流て、あんなことをい 0 たのです (?) あなたは哀れな人ですね させました。あなたの戯曲の主題は立派です。正しい思想がえ ! それでいて、「お前は彼らに詩趣がないと思っている われます。ことに、あなたの主人公がファウストのようのか ? 」と、実に聡明な言を吐いているくせに。ラシーヌに に、無限な涯しないものを求めながら、ほかならぬ無限な涯詩趣がないでしようか ? 情熱もゆるがごときラシーヌに、 しないものを発見した時、恋人から愛された時、発狂するとおのれの理想に恋しているラシーヌに、詩趣がないか ? な シェイグスピアがあなたにどと、そんなことを人にきくなんて。あなたはアンドロマグ いうのは、じつに素晴らしい を読みましたか ? え ? 兄さん ! あなたはイフィジェニ 何かを教えたのは、ばくもうれしい あなたは、なぜすべての いに答えないかといって、腹をイを読みましたか ? いったいあなたはあれを素晴らしくな 立てていらっしやる。答えたいのはやまやまですが、紙も時いといいますか ? ラシーヌのアキルがホメロス的でないで しようか ? ラシーヌはホメロスを盗みましたが、その盗み 間もありません ! もっとも、すべてに答えたら、例えば、 「お前は髭を生やしているか ? 」というような問いに答えてようはどうでしよう ! 彼の女性はどうです ! それを理解 いたら、も少し気のきいたことを書く余白がなくなるじゃあしてください。ラシーヌは天才ではありませんでした。彼は

っとのことで本試験が近づきました。それは十五日と指定さた。シドローフスキイには長いこと会いませんでした。やっ れているのです。受験生はみんなで四十三人ですが、そんなと今日になってカサン聖堂で一時間はどいっしょに過ごした に人数が少ないので、わたしたちは大喜びです。去年は百一一ようなことです。わたしたちは久しい前から会いたかったの 十人でした ! 前には百五十人も、それ以上もあったのででした。とくに試験前に会っておきたかったのです。シドロ ーフスキイとコロナ ード・フィリッポヴィチが父上によろし す。いつもコストマーロフ ~ ー ) の卒業生が優秀でした。 くとのことでした。それでは次便まで失礼します。常にあな 今年はそんなに少ないのですが、どんなものでしよう ! っとも、定員は二十五人なのですが、かなりふるい落とされたを謹しんで愛する息子 ミハイルおよびフヨードル・ドストエーフスキイ そうです。なぜといって、みんなくだらない連中らしいし、 それにだれもかれも四学年を志願しているのですから。みん 乂ミハイルへ なコストマーロフの卒業生を、ひどく恐れている様子です。 みんなわれわれをとても尊敬してくれます。が、このさきど ^ ペテルプルグ、一八三七年〉九月二十七日 , つなりますか ? ・ なっかしき父上 ! ながらく手紙を差し上げませんでし もう長い間、父上のことについても便りを聞きません。した。わたしたちの運命を決すべき試験が終わるのを、待って いたからです。 かし、お忙しいのに父上を煩わすのははばかられます。この 手紙がお手もとに届くときには、もうわたしたちの運命が決試験のはじまる前、体格検査のときに、わたしは体が弱い せられるでしよう、というのは、本試験がはじまるころなのといわれました。しかし、それはなんの意味もないでたらめ です。この次の手紙で、万事できるだけ詳しくお知らせしまで、ただわたしが肥っていないということ以外、なんの根拠 もありません。わたしに何ひとっ欠点を認めることができな しよう。いまわたしたちの勉強は二倍も三倍もふえました。 かえって時間のほうがわたしたちに追いっかないほどです。かったのに、何をいうことができましよう。だって、顔色が いつも本と首っぴきです。早く試験が来るのを待ち焦れてい 悪いのも直りましたし、そのほかのところは、何も診なかっ たんですもの。もっとも、そういった欠点も診やしないので ます。今この手紙を全速力で書いています。この手紙の後に 仕事がいつばいひかえているのです。これを書くのに十五分す。というのは、今年なんか、もっともっと目につきそうな 簡以上はかかっていません。それから、もう一つ申し上げます欠点を持った連中が、おおぜい採用されたからです。おもな が、わたしたちは試験に出るために新しい帽子を買わなけれ原因は、第一に、わたしたち二人の兄弟がおなじ年に入学し 書ばならぬはめになりました。それが十四ループリの散財でしようとしていることですし、第二には、二人ながら官費生を卩

ってください あなたからまもなく手紙が来そうなものと待っています。 シャッとテョッキを送ってやるとのお約束、ありがとうご何もかも、つまり、『伯父様の夢』に対する文壇の意見を詳 ざいます。ばくは、あなたがグシェリョフの千ループリの中しく書いてくださるものと、固く信じる次第です。どうかで から差し引いて、送ってくださるものと思っていたのですきるだけ詳細に願います ! 後生ですから。 プレシチェーエフのことを少しも知らせてくれませんね。 が、こうなったら、まあ、トヴェーリへ着いてから計算しま モスクワへ出発したのですか ? サヴャーロフはよく家へ来 ました。善良な、毒けのない青年です。ばくは大好きです。 友よ、その千ループリも、もう六百ループリしか残ってい ません。それだけで出発しなければならず、おまけに出発ま あなたはトヴェ ] リのことについて、二年くらいはそこに での生活費にも当てなければならないのです。が、そんなこ暮らさなければならぬと書いておられますが、友よ、それは とはしよせん不可能で、足りつこありません。ばくはカトコ恐ろしいことです。ばくの期待するところでは、その反対 フに、もう二百ループリ送ってほしい、六月の十五日まで待に、すぐモスグワ居住の許可が得られると思います。トヴェ っている、といってやるつもりです。それ以は待てませ ーリへ着いてから請願をはじめるのはもちろんです。だって ばくは皇帝陛下の意志で拒否されたのでなく、ただ監督庁が ん、出発することになるでしようから。一台分百ループリと 正確明瞭にここへ手紙をよこして、貴官がモスグワに居住を いうことも書いてやりました。どんな返事が来ることやら ? 彼はばくに腹を立てていると見えて、最後の手紙には返事も許されているかどうかは、当方 ( 監督庁 ) としては、これを つまび よこしません。兄さん、こういう間接の交渉はじつにいやな審らかにしないから、第三課を通じて皇帝に許可を申請しろ ものですー と勧めて来たのです。まだ希望はあります。九月の八日は皇 ばくがカトコフに送 0 てやろうとしている小説 ( チ。ヴ ) 太子のご丁年式です。今上陛下のご丁年式の時にも、政治犯 は、『伯父様の夢』より比較にならぬはどい、 しものだと思っ人に大変な特赦が与えられたのですから、陛下は今度のお祝 ています。その中には二つしつかりした典型、というより、 いに、われわれ不幸な連中のことを思いだされて、残りのこ とをいっさいゆるしてくださるものと期待しています。その 今までどこにもなかった、新しい典型があります。しかし、 どうしたらあの小説を完成できるでしよう ? もうたまらな時までに ( 九月八日までに ) 、モスグワ居住の許可を必ず申 いはどあきあきしてしまって、へとへとになったくらいです請しようと心組んでいます。ただそのころまでにトヴェーリ ( 文字どおりに ) 。八月か九月には「ロシャ報知』に現われるに着いていなくちゃなりません。 ものと考えています。 さよなら、優しいミーシャ。あなたと家族の人たちみんな

こんどばくは新しい生活が始まります ! ヴランゲリは、生ですから、その件を、細大もらさず知らせてください ) 。 友よ、ばくは最近一年間、烈しい興奮と、憂悶と苦悩のう まだどんな頼みがあるか、ばくが何を望むか ? ときいてい ます ( 彼は親身の弟のようにばくに信服しているのです ) 。ちに過ごしたので、仕事らしい仕事が全然できなかったので す。ばくは書きかけたものも放擲してしまいましたが、それ ばく自身も、今なにを望んだものかわからないのです。とい うのは、ロシャ内地への帰還なら、転勤されなくても目的がでも合間合間に少しずつ書きました。しかし、その点につい 達しられるからです。もしばくが少しも早く口シャへ帰りたても、多少とくにならないでもありませんでした。というの いと思っているとすれば、それはあなた方を抱擁するためは、十分に内部で発酵して、想が練れたため、いい作品が半 と、ばくの病気 ( 発作 ) について、しつかりした医師の診察分できあがったからです。そうです、ばくは栄達の道を拓い て、文壇に立派な位置を獲得します、それはわかっているの を受けるためです。何よりも早速、ばくは退官が望みなので、 そのためにヴランゲリにも、健康がすぐれないという理由です。のみならず、ばくは世間の注意を引きつけて、自分の で、退官されるものと期待することができるかどうか、少し悲しい運命に残留している最後の困難から、文学によって切 も早く多少なりともし 0 かりしたことを知らせてほしい、とり抜けようと思っています。ばくは創作の材料があり余るの 頼んでいる次第です。退官がばくに有利なのは、第一、健康に苦しんでいます。それから、長編とはまた違「た種類の作 回復のため、第二、自由、第三、文学に携わる可能性 ( 今よ品も、ばくを苦しめています。ばくは芸術についてなにかか にか、しかも素晴らしい言葉を吐くことができそうに思いま り好都合の状態で ) 、そして最後に、もっとよけいに金が入 るからです。なぜなら、ここでさえもう一一度も、おそらく完す。その論文はぜんぶばくの頭の中にあるし、紙のうえにも ノートの形で書き留められています。しかし、ばくは長編の 全にばくの生活を保証してくれそうな仕事を提供してくれた からです ( その人たちは、特赦令によって、ばくが完全に自ほうに引きつけられているのです。それは厖大な作品なので 由の身にしてもらえると期待したわけです ) 。しかし、ばくす。それは喜劇風の長編で、冗談のようなものから始まった は胸算用をして、発表の許可を待ち、それを当てにしていまのですが、自分で満足するようなものにまとまりました。そ す。それを前からあまり早く当てにし過ぎて、ばくは無分別の中には実に、実にいいところがいろいろあります。お願い に借金してしまいました ( ばくは、あなた方が発表を考えてですから、ばくをほら吹きあっかいにしないでください。そ 簡くれた「少年物語』を当てにしたのです。どうして印刷されの点にかけては、ばくほど自分自身に対して公平で、厳格な なかったのです、試みはしてくだすったのですか、もしして人間はいないのです。以前のばくの批評家が、もしそのこと 書くだすったとすれば、どういう返事だったのでしよう ? 後を知ってくれたら ! その大きな長編の断片、すっかり完成 2 引

手紙をどれくらい待っているかしれません、ーーー十月十五日推して、ばくが知らないでいるでしようか、理解せすにいる だから、合点してくださしー 、、くが不平をい 付の手紙ののち、次便でおくると約束された手紙です。なつでしようかー かしい兄さん、どういうさしつかえがあったか知りませんうのは、あなたが金を送ると約東して送らなかったからでは あなたがばくにくれる手紙ありません ( 送らなかった以上、たしかにあなたには金がな ばくは誓っていいます、 かったのだということは、ばくにもわかっています。あなた の間隔が長いのを説明してくだすった、その理由にはどうし ても賛成できないのです。人間どんなに忙しいからといつの優しい真ごころは、疑ったことがありません ) 。しかし、 日。しつだ兄さん、わかってください、あなたはどうやら送金よりほか て、親身の弟に二、三行の手紙を書くくらいの段よ、、 には、ばくとなんの関係も持っ必要がないと思っていられる ってあります。しかし、ばくは察していますが、きっとモス らしい、それがばくはつらいのです。あるいは、お前に何も クワからばくに金を送ったことを、伯父さんたちがあなたに 知らせたのでしよう。だって、兄さんは十月十四日付の手紙書いてやることがない、といわれるかもしれません。しか し、冷静に考えてみてください。この前の手紙には、事業が で、たとえ幾らかでも次便で金を送ってやると約東なすった うまくいかないということを書いて、ごく近々にまた手紙を のですからね。あなたはこう考えたのでしよう。『ははあ、 だすと約東されました。それなのに、思いがけない沈黙が続 あれは金を受け取ったのか。してみると、別に困ってはい ないわけだから、手紙もやる必要はない』けっこうです、兄いて、一行の便りもありません。いったいばくはなんと結論 さん ! しかし、ばくはあなたの金が必要なのではなく、兄したらいいのです ? 事業がますます悪くなって、それがば くたちの手紙のやりとりに影響したのだ、ひょっとしたら、 としてばくを忘れず心をつかってくださることがかんじんな のだと、そういったじゃありませんか、そう書いたじゃあり兄さんは病気なのか、それとも抜き差しならぬような状態に とこんな結論さえでてくるわけ ませんか。あなたの手紙によると、事業がうまくいかなく落ちているのかもしれない、 て、金がないとのことです。あなたが家族持ちで、いろんなです。もしそうとしたら、ばくがそういうことに対して、平 煩いに縛られている人だから、ばくに送る金がないことも気でいると思いますか ? 否、ばくはあなたのことで、いを悩 まし、あなたのことで頭を痛めたのです。あなたの仕事がう ばくに察しられないと思いますか ! あり得るとい、つことが、 今まであなた一人がばくを助け、ばくを支えてくだすったのまくいかないということを聞くのは、ばくにとって苦しいこ 簡 となので、何かあなたから便りがほしいと、一、いに祈ってい に、金を送ってくれないといって不平をいうなど、いたし そんな権利がばくにあるでしようか ! あなたがどんなに苦たのです。ばくが平気でいるなどと想像するのは、ばくを侮 書しい心配事を持っているかということを、あなたの手紙から辱するというものです。どうかいい加減にその沈黙を破っ郷