といっしょに手紙をだしておくれ ( もし金さえも日曜に間にら、ステローフスキイが助けてくれるかもしれない ) 。とは 合わなかったら ) 。いずれにしても、金のほうが手紙より先いうものの、またお前の憎んでやまぬ、いまいましい入質生 しかし、なにしろこれが最後なの に着くだろう。お前の手紙を受け取ったら、わたしはどんな活がやってくるわけだ , だ、ほんとうに最後なのだからね ! それから先は、わたしが 冫福になるかしれないー アーニヤ、この手紙を読んだ時、お前がどうなるかと思う金を手に入れる、手に入れることはちゃんとわかっている , ただ少しも早く口シャへ帰りたい ! カトコフに手紙を書い と、まるで全身がしびれるような気がする。ただそれだけが 実につらい。そのほかのことは ( 退屈も、悩みも、未知の苦て、送金を早めてくれるように哀願する。彼が考慮に入れて くれるのは、確信して疑わぬ。入れてくれるように書く。 しみも ) 、何もかも辛抱する。それくらいでは足りないのだ ! お願いだから、わたしのことは心配しないように ( なにぶ 努めて何か仕事をする。その三日間に、要用の手紙を書く、 カトコフとマイコフに ! アーニヤ、われわれの復活がん、お前は天使だから、わたしを呪いもするだろうが、 到来したことを信じておくれ。これからわたしは目的を貫徹し、哀れんでもくれるだろう ) 。でも、それがために心配す るわけだ。しかし、案じないでおくれ。わたしはこの三日間 して、お前に幸福を授ける、信じておくれー に更生する、新生活をはじめる。おお、なんとかして早くお お前たち二人を抱擁して接吻する、ゆるしておくれ、アー 前たちのそばへ行きたい、 今後すべてを挙げてお前の 一刻も早くいっしょになりたい ! フヨードル・ドストエーフスキイ ただ一つ、この手紙を受け取った時、お前がどうなるか、そ い。ただ一つ、 ・司祭のところへは行かない、どんなことがあってれが恐ろし お前に対するわたしの愛だけ いかなる場合にも。あの人ただ一人が、以前の、過去を信じておくれ。もうこれからは決して、どんなことがあっ の、すでに消え失せたものの目撃者だ ! わたしはあの人にても、お前を苦しめるようなことはしない。 出会うだけでも苦しい ・・・このことは一生わすれずに思いだして、 ・・アーニヤ、わたしにとって永久の喜び、今後わたしの天使であるお前を、事につけ折にふれて祝福する。 わたしにとって唯一の幸福、、い配したりしないで、わたしのほんとうに、これからはわたしはお前のものだ。全身を挙げ これまでは半分だけあのいまい ために体を大事にしておくれ ! あのいまいましい、取るにてお前と離れることはない。 足らぬ百八十ターレルのことも、くよくよしないでおくれ。 ましい空想に所属していたのだ。 もっとも、今度わたしたちはまた文なしになるけれども、し ノ妻アンナへ かし、長いことじゃない、長いことじゃない ( ことによった
が唯一のチャンスだ。しかし、ああ、なんという頼りないチ わたしの天使、百フラン送っておくれ。そうすると、お前 ャンスだろうー の手に残るのは二十フランか、それより少ないかもしれない ゆるしておくれ、かわいいアーニヤ、ゆるしておくれー が、何か質にでも入れておくれ。わたしはただ少しも早くお わたしは実にけがらわしい、卑劣な男だけれど、だってお前 前のところへ帰りたいー たち二人を愛しているのだからね。お前とソーニヤを ( 第二 この前の時、お前の手紙二通 ( 金の入っ 勝負はしない。 た ) は、午前に受け取った ( 後の分は九時前だった ) 。だかのお前を ) 、この世の何よりも愛しているのだからね。お前 ら、すぐ出発することができたわけだ。今度も午前中に届いたち二人がいなかったら、わたしは生きていられない。 お願いだから、わたしのことでくよくよしないでおくれ たら、わたしも考え直す暇があるから、勝負には出かけない ( 誓っていうが、わたしはお前の考えているより、ずっと元 ( 勝負は二時から始まるのだ ) 。 わたしは最悪の場合を取ったのだ。だから、きっと九十フ気に、将来の見通しをつけているから。お前はほんとうにわ たしを愛していてくれるから、きっとわたしのことでくよく ランはつかわないだろう。お前の送ってくれた百フランでい っさいの払いをすました後、例えば四十フランも残ったにしよしているに違いない ) 。 アーニヤ、その百フランを惜しがることはないよ ! マイ ろ、勝負には出かけないで、そっくりお前のところへ持って コフの分と合わせて、とにかく二百フランは入ってくるし、 帰る。 それから、もう一つ聞いておくれ。七時になったら、あのわたしは帰ったらすぐ、ある計画を実行する。お前も知って いるとおり、わたしはカトコフに手紙を書かなくちゃならな 畜生女が十フランから十五フラン貸してくれるとする。しか し、それだけの金では、いずれにしても、どうすることもで いのだが、今は彼に何を書いたらいいかわかったのだ ! 安 きないし、ここでじっと暮らしているのは、わたしにとって心しておくれ、わたしは希望を持っているのだから。もう三 恐ろしいことだから、わたしはそれを賭けて一勝負する。た日前から、わたしはそれを頭においていたのだ。 ゆるしておくれ、アーニヤ、わたしをゆるしておくれ ! とえ十フランでも儲けたら、明日の朝さっそく、お前の手紙 を待たないで、出発する。手紙のことについては、ここの郵お前の足に接吻する、この極道者をゆるしておくれ。そし 便局にジュネーヴの住所を残しておいて、百フラン入りのおて、ソーニヤ、かわいいソーニヤ、わたしの天使ー 前の書留が届いたら、さっそくその住所でジュネーヴへ転送どうかわたしのことを心配しないように ! でも、お前の してもら , つよ、フにする。 こと、お前のことをわたしはどんなに心配するだろう。もし もしかしたら、あす帰ることができるかもしれない、 これ一日でなく、四日もかかるとしたら、どうしたらいいのだー
をマーシ = ンカにデデイケートできなか「たかというわけをにと 0 てはお前が唯一の救いなのだ、お前よりほかにわたし ( それはどうしてもやむを得ない理由なのです ) 、詳しく正確を愛してくれるものは、この世にだれ一人ありはしない。そ に書いておきました。あなたをはじめ、ご家族のみなさんをれから、アーニヤ、こういうことも思いだしておくれ。すで にそれ自身の内部に罰を蔵しているような、そういう不幸が 抱擁します。 あるものだ。これを書きながらも、お前はどうなるだろう ? 完全にあなたの・ドストエーフスキイ これがお前にどんなに響くだろう ? 何か悪いことが持ちあ こちらは一同健在ですが、それでもここに住むのはわびし いです。あなたには想像もっかないでしよう。あの長編を書がりはしないか ? とこんなことを考えている。もしお前が くことさえできません。なるべく自分のことをたくさん書い今このときわたしをかわいそうと思ったら、そんな気持ちを 棄てておくれ、わたしにはこれくらいでは足りないのだか てください らー ノ妻アンナへ 電報を打つのは遠慮した。心配だと書いているお前の手紙 を、さっき受け取ったばかりなのに、そんなことをする勇気 ヴィスパ ーデン、一八七一年〈四月〉二十八日、金曜日 アーニヤ、どうかリューパのために、わたしたちの未来ぜはよ、。明日にも Schreiben sie mir ( わたしに手紙をおくれ ) 金送れという んたいのために、この手紙を興奮しないで終わりまで読んで ( ) という電報が届いたところを想像しただけでも 意味の暗号 : まあ、お前はどうなるだろう ! ああ、アーニヤ、なせ おくれ。終わりまで読んだ時、この不幸も実際のところ何も 絶望するはどのことではなく、それどころか、むしろ何かプわたしは出かけて来たのだろう ! 今日の首尾はこんなふうだったのだ。はじめ、午後十二時 ラスになるようなものがある、失ったものよりはるかに多く すぎにお前の手紙を受け取ったが、金はまだ届かなかった。 値するものが得れる、ということを悟ってくれるだろう ! そういうわけで、わたしの天使、心を落ちつけて、よく聞いそれから、宿へ帰って、お前に返事を書いた ( 卑怯な、そし ておくれ、しまいまで読んでおくれ。お願いだから、自分のて残酷な手紙、わたしはほとんどお前を責めているのだ ) 。 もしお前が明日の土曜日の四時以後に郵便局へ行ったら、そ 体をこわすようなことをしないで。 かけがえのないわたしのアーニヤ、わたしの永遠の友、われを受け取るだろう。その手紙を局へ持って行ったが、また たしの天使、お前はもちろんわかってくれるだろうが、わた局員は金がきていないという。もう二時半だった。四時半 に、わたしが三度め局へ行ったところ、局員は金を渡した。 しはすっかり負けたのだ。お前の送ってくれた三十ターレル いっ着いたのか ? というわたしの問いに対して、いとも落 を、そっくり負けたのだ。どうか思いだしておくれ、わたし
が収まらない。 もしお前に何事か起こったので、主婦か医者が、ユダヤ人のように冷静にやる。 がお前に頼まれて、電報を打ったのじゃないか。ロシャ名前 2 妻アンナへ はよく間違えられて、郵便局でもめちやめちゃにされたこと がある、 ああ、もしお前から来たのだったらどうしょサグソン・レ・パ ン、一八六七年十一月十八日、月曜日 なっかしいかけがえのないアーニヤ、わたしはすっかり負 う ? と考えたものだから、また下へ降りて、その電報はど こから来たのか教えてもらえないだろうか ? と頼んだとこけてしまった、すっかり、すっかり ! おお、わたしの天 ろ ( まったくいきなり封を切って - 読みたかったくらいだ ) 、使、どうか悲しまないで、心配しないでおくれ ! どうか信 いお、は . や、、 じておくれ、今度こそいよいよ、わたしがお前の夫として恥 プロシャからだという。やれやれ、助かったー どんなに胆を冷したことやら ! なっかしいアーネチカ、わずかしくない人間になるときが来たのだ。もう卑しい穢らわ たしの悦び ! 始終すっとお前のことを考えてばかりいるだ しい泥棒のように、お前の身を剥ぐようなことはしないー ろう。体を大切にしておくれ ! お願いだ。お前に接吻を送これからは長編が、あの長編だけがわれわれを救ってくれる る。わたしの小鴻、わたしはどんなに後悔しているかしれなのだ。わたしがどんなにこれに望みをかけているか、お前に どうか信じておくれ、わたしは 。さっきわたしはあまり神経質になったので、あんなに腹は想像もっかないだろう ! を立てて、お前をどなりつけなんかした。お前はわたしの天目的を貫徹して、お前の尊敬を獲得して見せる。もうこんり 使だ、わたしがどんなにお前を愛し、崇拝しているかは、おんざい賭けごとはしない。一八六五年もやはりこれと同じた 前も知っていてくれる。ただわたしを愛しておくれ。さよな った。あれ以上破滅に近い状態は考えることもできないはど ら、なっかしいアーニヤ。火曜日までに間違いなく帰る。千 だったが、仕事がわたしを救いだしてくれた。愛と希望をも 万たびもお前を接吻して、永久にお前を崇めつづける。お前 って仕事に取りかかる。二年後にはどうなるか、見ていてお を愛しお前に貞節な くれ。わたしの天使、今度こそ心配しないでおくれ ! わた フヨードル・ドストエーフスキイ しは希望をいだいて、お前のところへ心を馳せているが、し わたしの健康状態は上々だ。まったくこのうえもない気分かし木曜までは動けないのだ。それはこういうわけだ、聞い だ。気持ちのいい旅行がきいたのだ。お前と彼らのことを祈ておくれ。 っている。なっかしいアーニヤ、あまりたいして儲かるなど わたしは指環と冬外套を質に入れて、それをみんなすって しまったのだ。指環と外套に五十フランいるのだが、わたし と当てにしないでおくれ、そんなことを空想しないで。もし かしたら負けてしまうかもしれない。しかし、誓っていう はそれを受け戻す ( どんなふうにしてか、今に説明する ) 。
お前たち二人を、抱きしめて、接吻する、限りなく愛して 3 妻アンナへ いる。ソーニヤを大事にしておくれ、一生懸命、大事にして おくれ。家主の奥さんその他一同に、手紙を受け取ったとい ・ハン・サクソン、 ^ 一八六八年〉四月四日、午後九時半 うことと、もしかしたら、まだ二日ばかり帰らないかもしれ天使アーニヤ、明日の午後五時、わたしのかわりにこの手 といっておくれー もしお前がタ方、郵便 紙がお前のところへ着くだろう、 しったいどんなだろう ! お前なしで暮らすわたしは、、 局へ行ってみようという気を起こしたら。 ( しかし、おそら わたしにはそれでもまだ仕事がある。小説のプランを立てくそういう気は起こさないだろうね、心配事もあるし、ソー わたしはソーニヤの父といわれる るか、ロシャへ手紙を書くかだ。しかし、お前は、お前のほ ニヤの世話もあるし、 、つは ! お ( 則はしじゅ、つ、亠沚いてばかりいることだろ、つー 値打ちがない、わたしがなんの父親なものか ? ) しかし、大 おお、アーニャー いったいわたしは何を犠牲にしているの事なことは、わたしの前の手紙を午前中に受け取るだろうか 4 につつ、つー・ だって、お前の乳が出なくなるかもしれないものら、 しかし、この手紙も明日じゅうに読んでくれた らしいと田 5 , つ。 ね。その百フランは惜しがらないでおくれ、必ず返すから。 わたしはただ少しも早くお前のところへ帰りたい一、 実はこういうわけなのだ。わたしは今日の午後七時に、あ わたしは永久にお前とソーニヤのものだ。きっと償いをつけのいまいましいマダム・デュビュークから二十フラン受け取 ったのだが、わたしのふところには五十サンチームしかない る、愛で償いをつけるー お前の・ドストエーフスキイ し、いずれにしても二十フランでは、ホテルの払いもでき アーニヤ、わたしが百フラン要求するのを、狂気の沙汰だず、お前のところへ帰ることもできないから、わたしは八時 と思わないでおくれ。わたしは気ちがいじゃな、 すっかり負けてしまったのだー 悪徳漢に賭博場へ行って、 とも思わないでおくれ。卑劣な真似はしない、うそはつかなまわたしが持っているのは、例の五十サンチームだけだ。ア 勝負には行かない。わたしははっきりさせるためにいっ これがわたしにとって、最後の、決定的な教訓 ているのだ。 だ。しかも、なんというおそろしい教訓だろう ! ねえ、聞 これからは昼夜兼行で仕事をする。去年の九月ジュネーヴ いておくれ、かわいいアーニヤ、以前いつだったか、お前は 簡へ着いた時は、もっとひどい有様だったんだからね。 これが最後だといって、とても早く金を送ってくれたね、そ のおかげで、わたしは朝の汽車で出発することができたっ け。一番こまるのは、つまり一番ながくなるのは、火曜日で
いあの間にもう忘れたのだろうか ? しかし、あの子は男な夜中までに帰らないにしても、お願いだから絶望なんかしな炻 らだれでもババと呼んではいるがね。軽はずみで浮気なも いでおくれ、また負けてしまったなどと考えないでおくれ、 の、女はみんなそうなのだ、ただお前だけは別だ。ありがと後生だ。そんなことはないし、またあり得ない。 もし万一、 う、アーニヤ、お前はわたしを助けてくれた、その返しはすおくれるようなことがあっても、それは何かで途中、汽車が るから。 弖つかかったのだ。そういうことはいくらでもある、そうい さて、今度はいちばん大事なことだ。 う故障は珍しくない。 っさい わたしは手紙を受け取っただけで、金はまだだ。い 最後に、わたしはたぶん空腹で家へ帰るだろう。途中で食 の事情を局長に話したところ、局長ははっきりと、今日晩の事をするには、金が足りないらしいから。そこでお願いだ 七時より早くは金は届かないといい切った ( 何もかも細かく が、ちょっと何か ( まったく何かちょっとでいい ) 、わたし きいた後で ) 。しかし、わたしはそれでも三時に郵便局へ行の帰る時刻に用意しておいてもらいたい。そしてね、かわい ってみる。 いアーニヤ、もしお前がほんとうのグリスチャンだったら、 さて、これから何をしたものだろう、アーニャー もし四わたしの帰る時刻に煙草を一箱用意しておいておくれ。きっ 時にここを出発しなかったら、今日中にフラングフルトを立と喫うものが何もなくなるに相違ないから。 つわけにいかない ! 汽車がないのだ。すると、当然フラン わたしは今もすぶ濡れだ。雨がずっと降っているのに傘が グフルトで泊まらなければならない ( ここは高いし、いろい ないのだ。出発までに乾かなかったら困ったものだ。では近 ろめんどうなのだ。それに勘定は恐ろしいほどで、やっと金い再会まで、お前を抱きしめる。 9 が足りるか足りないかというところだ ) 。もし泊まるとすれ 姪ソーニヤ・イヴァーノヴァへ 4 ばどこにするか ? ホテルか ? しかし、朝おこしてくれる かどうか ? 停車場で夜明かしするか ? しかし、停車場も ^ 一八七一年、春〉 やつばり夜中からは閉まるだろう。まあ、なんとか決めよ もしわたしがあの想像ででたらめをいったとしたら、それ う。いちばん正確なのは、明日夜中の十二時までわたしを待は要するに、あなたのことに深い関心を持っているからです。 ってもらうことだ。汽車が着くのは十一時頃だから。後生だ ああ、ソーネチカ、わたしの前途にはとても忙しい時期が から、その時刻に停車場へ出かけるなんて、ばかなことをし迫っているので、どうしてそれを処理したものやら、見当も ないでおくれ。後生だ、いいかね、頼む。 つかないほどです。『ロシャ報知』へ手紙をだしましたが、 きわめて大切な注意。もしわたしが明日 ( つまり火曜日 ) 、少しでも早く金を送ってくれたらありがたいことです。そう
めに、リューポチカのために、自分の健康など容赦しないでは博奕で両手を縛られていたが、これからは仕事のことを考 働く。見ていておくれ、見ていておくれ、一生涯働く。そしえて、これまでのように、夜っぴて博奕のことなど空想しは はか て目的を貫徹する ! お前たちの生活を保証する。 しない。要するに、仕事のほうがいい、ずっと捗がいく、そ もし日曜に送るのが間に合わなかったら、月曜には早めに して神様が祝福してくださる ! アーニヤ、わたしのために 送っておくれ。そうすれば、水曜のひるごろにはお前たちの自分のこころを守って、わたしを憎まないでおくれ、わたし ところへ着ける。もし日曜に送金することができなくても、 に愛想をつかさないで。今度こそわたしは更生したのだか 心配しないでおくれ。わたしのことをあまり考えないでおくら、い っしょに進んで行こう。わたしはお前が幸福になるよ れ。わたしにはまだそれでも足りないのだ。わたしはそうしうにする , ところで、リュー・、 ー・ハは ? おお、わたしはな てもらう値打ちがないー しかし、わたしはどうもなりはしないー しかし、わたしはただお前のこと わたしは粗野とんて卑劣漢だったろう ! しっていいほど辛抱づよいのだから。そればかりでなく、わばかり考えている。この手紙を読んだら、お前はどうなるだ たしは精神的にすっかり更生したようなあんばいなのだ ( ころうと、ただそればかり想像している ! そればかりか、こ れはお前と神様にむかって明言する ) 。もしこの三日間お前の手紙を読む前だって、わたしが帰らないために、どれだけ のことを思う苦しみがなかったら、 お前がどうなるだろ苦しむことやら、どれだけ案じることやら ! この手紙は間 う ? という絶え間のないもの思いがなかったら、わたしは にムロうように配達されるだろうか ? もしなくなったらどう むしろ幸福なくらいだ。アーニヤ、わたしの守護の天使、わしよう ! しかし、このアドレスで電報さえ届いたのだか たしのことを気ちがいだなどと思わないでおくれ ! わたしら、なくなるはずがない。万一の場合のために、もう一通は の身には偉大なことが成就されたのだ、ほとんど十年もわたんの二、三行、局留めで書いてだす。明日のうちにだす。明 しを苦しめていたいまわしい空想は消えてしまった。十年間日お前の手紙が届くかどうかと考えている。きっと届かない ( というより、兄が死んで、とっぜん借金に押しつぶされそだろうな ! お前はあす当のわたしが帰るものと思って、手 うになってから ) 、わたしはたえず博奕で儲けることを空想紙など書かないだろうね ? していたのだ。真剣に、熱病やみのように空想していた。 もし日曜に送金ができなかったら、手紙だけでもだしてお 簡が、今度こそもう何もかもおしまいだ ! あれはまったく最くれ。ほんの二、三行でもお前の手で書いてくれたら、たと 後だった ! アーニヤ、お前。冫 リよまんとうにするかどうか知らえお前に呪われても、わたしはほんとに幸福になるだろう。 書ないが、今度こそわたしの両の手を解かれた思いだ。わたし もし日曜に書く暇がなかったら、月曜にはなるべく早めに金
プルグでは、息さえ凍ったくらいだ。肌着を二枚着たら、そおくれ。そのやり方はこうだ。みんなすっかり封を切って の後はなんとかなるだろう。わたしの永遠の天使、いずれに ( もちろん、読むんじゃない、署名さえ見ないようにして ) 、 しても心配しないでおくれ。わたしは一生懸命に出発を望ん一枚の封筒に入れて ( 大型封筒を買うんだ ) 、わたしのとこ でいるのだ ! もし明日着かないで、わたしのかわりにこのろへ送るのだ。郵便代は一ループリそこそこしかしないはす 手紙が届いたら、何かがうまくいかなかったらしい、何かちだ。しかし、 しいかね、この二週間の間に合うように、うま よっとしたことがあり、何かの事情が起こったらし、 し、と思 くやらなくちゃならない。わたしはここで手紙を待っている っておくれ。でも、わたしはいつでも出発の準備ができていわナこ、、 レ冫し力ないのだから。いずれにしても、送っておくれ、 る。わたしの大事な宝、しつかりとお前を抱きしめて、数限すぐ送っておくれ。今日は十九日だから、この手紙が届くの りなく接吻する。わたしを愛しておくれ、わたしの妻でいては、。、 ーヴロフスグではあるまい。もしお前がパーヴロフス おくれ、ゆるしておくれ、悪いことはいつまでもおばえて いクにいたとしても、きっとだれかが時どきペテルプルグへ帰 ないでね。だって、わたしたちは一生涯、いっしょに暮らするだろう。 のじゃないか。 ーシャ、うわさによると、お前のやり方は、どうもわた 永久に誠実なお前の・ しの望みどおりでないらしいね。どうしてお前は、アポロ 今日は日曜日だ。現金に替えようにも、方々の店は開いてン・ニコラエヴィチのところへ預けておかなければならない いるかどうかおばっかない。ああ、そうだ。もし午前中に届金の中から、十ループリ取ったんだね ? プラスコーヴィ かなか「たら、午後の五時になる。どうかそんなことのないヤ・ベトローヴナ ( ヴ 兄ミ ( イル 0 実質上の妻、イ ) に金を渡したか ね、いわれただけの額をすっかり ? . し . い、か、ね、 わたしの天使、どうかゆるしておくれ。 万事慎重にするんだよ。わたし自身お金が必要なのだが、こ っちもとても不自由しているんだからね。例えば、わたしは 継子バーヴェル・イサーエフへ 3 お前のつくった借金など、決して払わないよ。かわいいバ ドレスデン、一八六七年五月三十一日 ( 十九日 ) シャ、あらかじめ断わっておくが、お前は自分の立場ばかり なっかしいハ ーシャ、二通の手紙ありがとう。わたしは元でなく、わたしの立場もよく理解するようにと、心から望ん 気だ。仕事の都合で、今日から数えてもう一一週邯、ドレスデでいる。金は今のところ、だいぶ長いことわたしの手もとに ンにいなければならない。そこで、お前に頼みなのだが、こなくなる。なにしろわたし自身からして、生活になんの保証 れまで溜ま 0 たわたしあての手紙を、みんなこちらへ送 0 てもないのだからね。それどころか、もしかしたら、二か月後
わたしはただ昼も夜も、お前たちのことばかり考えるだろはじめる、それで万歳だ ! しかし、お前たち、お前たち二 しかし、何よりもわたしを苦しめているのは、お前が 人、ああ、なんということだ ! でも、愛情で仲よく暮らし 絶望してしまって、泣きの涙で病気して、乳が頭に上らなけて行こうね。わたしは今とても元気で、ヴヴ = いへ越して行 れば、ということだ。なぜ、いったいなぜ、わたしはさっき くものと、確信している ! ほんとうに、ほんとうにこれは お前に、このことを書かないで、あんなやけつばちの手紙を賭博の勝ちよりずっと いい ! ( それから、かんじんなのは、 出したのだろう ? ところで、さっきは、わたしの頭にちらお母さんが来てくれるということだ、これがいちばんかんじ ついてはいたのだけれど、今度はっきりした素晴らしい着想んだ ! 生活費はできる、そんなことはいうまでもない ! ) が、最後的な形で浮かんで来なかったのだ ! それが頭に浮 お前を抱きしめる、ソーニヤを抱きしめる。楽しく幸福に かんだのは、もう九時か、まあその頃のことで、わたしがすして、わたしの帰りを待っていておくれ ! お前たちのこと つかり負けてしまって、並木道をぶらっき始めた時なのだ が心配でびくびくしている。自分で自分を苦しめるようなこ ( それはヴィス・ハーデンの時と同じことだ。わたしはやはり とをしないで、よく眠って、よく食べるようにしなさい 賭博に負けた後で、『罪と罰』を着想して、カトコフと関係 いでだが、家の人には、わたしが一日おくれて、月曜日に帰 をつけることを考えついたのだ。運命というのか、それともると、なんとかうまくいっといておくれ。おお、かわいいア 神様のおばしめしか ) 。 ーニヤ ! お前たちを祝福する ! おお、なんとかして少し かわいいアーニヤ、神様を信じておくれ、神様のおめぐみも早く、無事に会いたいものだね ! わたしは申し分なく健 を信じておくれ。そして、わたしがこれほど元気で、希望に康でいる。 充ちていることはないのだから、それを承知してもらいた ただ一つ心配なのは、お前がタ方郵便局へ行かないで、こ ただ、お前たちのこと、お前たち二人のことで、とての手紙が今日じゅうに届かないかもしれない、ということ もくよくよしている ! お前はどうしているだろう、ソーニだ。もしかしたら、家のほうへあてるかもしれない。さよな ヤはどうなったか ? もしかしたら、お前もやはりくよくよら、わたしの天使、楽しい再会の日まで ! お前たち二人を して、身を細らしているかもしれないね ! ああ、ソーニ抱きしめる。 なんとかして少しも早くお前たちのそば 全身お前たちの・ドストエーフスキイ 簡へ行きたいものだ ! ヴヴェーへはぜひ行く。信じておくれ、信じておくれ、希 かわいいアーニヤ、五月の一日までは信用借や、質や、望を持っておくれ ! 書マイコフの金などで過ごしていこう。今度こそ、すぐ仕事を よ 59
ろう ! アーニヤ、わたしはお前の夫たる資格がない。が、送っておくれー ・でも、後生だから、くよくよしたり、嘆いたりし 今度だけ堪忍しておくれ。わたしは強い希望を持ってお前の ところへ帰って行く。そして誓っていうが、お前のために未ないでおくれ。もしお前が病気したらと思うと、この二、三 日、心臓に血がにじむようだ ! よくもわたしはお前を置い 来の幸福を約東する。ただわたしを愛しておくれ、わたしも お前を限りなく、未来永劫、愛している。今度のわたしのして来られたものだ ! どうして木曜日まで暮らせるか、見当 もっかない。わたしがその五十フランで勝負をするだろうな たことを、お前に対する愛が軽いからだ、重みが足りないか らだ、などと思わないでおくれ。わたし自身がどんなに罰しどとは、どうか考えないでおくれ。ああ、お願いだ、考えな いで ! 早速お前のそばへ飛んで行く。わたしは晩の六時に られたか、どんなに苦しんだかは、神様がご照覧だ。し 加くよ , つにする。とい、つのは、このいまいましいホテルで し、何よりも一番、お前のために苦しんでいる。今お前が一 は、朝の四時に起こしてくれと頼んでも、こんりんざいだめ 人きりで ( 木曜日まで ) 、くよくよしたり、泣いたり、苦し んだりして、体に気をつけないだろうと思うと、心配でたまなのだから。 らない。わたしにとって神聖な天使であるアーニヤ、どうか 2 義母スニートキナへ わかっておくれ。わたしはまじめにいっているのだから。こ ジュネーヴ、一八六七年十二月十八日 ( 六日 ) れからは別な生活がはじまるのだ。お前もいよいよはんとう っさい 尊敬してやまぬなっかしいアンナ・ニコラエヴナ、心から に、仕事をしているわたしを見ることになるのだ。い を回復し、救済する。この前は死んだようになって帰って行命名日のお祝いを申します。わたしもアーニヤも、手紙がち ったが、今度はわたしの胸に希望がある。ただ一つ苦しいのようどその日に届くようにと思いましたが、きっと間に合わ さよなら、わなかったでしよう。どうかわたしたちをお咎めないように。 は、木曜日までどうして暮らしていくかたー たしの天使、お前を抱擁し接吻する ! ああ、なんだってわそれから、わたしがほんのたまにしか手紙を差し上げないこ たしはお前のそばを離れて来たのだろう ! お前の手と足をとも、お咎めないように願いします。最近数か月、仕事がと ても忙しくて、先へ行けば行くほど、忙しくなるのです。期 接吻する。永久にお前を愛する フヨードル・ドストエーフスキイ 限を切った急ぎの仕事なのです。遅くも二週間後には、「ロ ・金は次のようにして送ってもらいたい。五十フシャ報知』に原稿を送らなければならないのですが、わたし ラン札を ( 両替屋で手に入れて ) 、手紙で包み、封筒に入れはまだ少しも清書していないのです。アーニヤは前とおなじ て、 Saxon les Bains. poste restante, recommandéでように手伝ってくれます。それでもこの二、三か月、わたし