ページ - みる会図書館


検索対象: ドストエーフスキイ全集20 論文・記録(下)
30件見つかりました。

1. ドストエーフスキイ全集20 論文・記録(下)

6 ・ << ・アレグサンドロフへ 遺〈ペテルプルグ、一八七七年四月二十八日〉 善良なるミハイル・アレグサンドロヴィチ、続きを七ペー ジから十二ページまで送ります。校正の最後の語から行を始 向くかもしれません。 めてください。あそこのフレーズは終わっていませんでし た。フレーズの続きは七ページにあります。 貴兄の・ドストエーフスキイ ・ドストエーフスキイ 6 6 ・・アレグサンドロフへ 8 6 ・・アレグサンドロフへ 〈ペテルプルグ、一八七七年四月二十六日〉 善良なるミハイル・アレグサンドロヴィチ、手紙の続きを〈ペテルプルグ、一八七七年四月三十日〉 ふくめて、さらに六ページお送りします。この手紙の抜萃親愛なるミハイル・アレグサンドロヴィチ、五ページ送り は、十六ページの指定の個所にかならず八ボで組んでくださます。今日も昨日と同じように、夕方小生にこの五ページ分 の校正を送ってくださればいいのですが、そうすれば明日八 手紙のうち八ボで組むのは、小生が脇に線を入れた個所だ時にそれをお渡しできます。 ・ドストエーフスキイ けで、他のところはいっさい関係ありません。 それで第一章は終わりです。そちらでどれだけの量になる 9 6 ・・アレクサンドロフへ か知りません。校正を待っています。検閲官ラトウインスキ イには前も 0 て通知しておきました。小生の校正が〈ペテルプルグ、一八七七年五月二日〉 終わったら彼へ送ってください。 親愛なるミ ( イル・アレグサンドロヴィチ、物語 ( 「おかしな 貴兄の・ドストエーフスキイ の結末ができあがりました。今日 ( 月曜 ) 、朝の八時に印 「日記』の発行広告は今までどおり、つまりこの前と同じよ所から原稿を取りに来てくれるかどうか、とても気がかりで うに第一ページに入れます。 す。校正と検閲へ出すのをできるだけ急ぎたいのです。消さ 全部で一台分になるでしようか ? 少ないような気がしまれたりしたら困りますから。最後に貴兄に折入ってのお願い すが。 ですが、校正と一緒に、行数とページ数をできるだけ正確に 計算して知らせてください。あとどれくらい書かなければな らないか知りたいのです。明日火曜、午前八時に今号の終わ りの原稿を全部お渡しします。 373

2. ドストエーフスキイ全集20 論文・記録(下)

完全に貴兄のドストエーフスキイ 。手紙は八ボで印刷すること。手紙の冒頭の三枚と最後の 明日は多分また原稿を渡します。 一枚、それに冒頭部分で抹消している個所全部は、印刷の必 要がありません。手紙を紛失したり、破ったりしないよう 2 ・・アレクサンドロフへ に、とくにお願いします。かならず、しかもなるべく早く返 ^ ペテルプルグ、一八七七年 ( ? ) 〉 却してください 尊敬するミハイル・アレグサンドロヴィチ、校正と第二章主要なこと、善良なるミハイル・アレグサンドロヴィチ、 の原稿若干 ( 半ペラ十九ページ目まで ) を送ります。この先貴兄にお願いしたいのですが、第三章のいまお送りした部分 の続きは明日また送ります。このほかアドレスを幾つか入れもふくめて、全部で何ページになるか、あと何ページ書かな ておきます。貴兄の手もとにちゃんと届きますように。 ければならないか、できるだけ正確、確実に計算して知らせ 貴兄の・ドストエーフスキイ てください これは小生にとって非常に重要なことですか ら、今日のうちに知らせてください 3 5 ) ・・アレグサンド 0 フ〈 同封の校正刷りは、印刷所でひどいやり方をされていたの 〈ペテルプルグ、一八七七年〉三月三十日 で、小生の手もとに来て二倍の時間をとりました。 2 親愛なるミハイル・アレグサンドロヴィチ、第二章の続きを計算する時に、校正刷りの挿入部分に注意してください と終わりの部分、二十一ページから三十四ページまでを送り ・ドストエーフスキイ ます。量が多すぎるでしようか ? 様子をぜひ知りたいと思 5 6 ・・アレクサンドロフへ います。字は読めるでしようか ? いやはや、急がなければ なりません。夕方そちらに寄ってみます。 ^ 一八七七年四月二十五日〉 貴兄の・ドストエーフスキイ 尊敬する善良なミハイル・アレグサンドロヴィチ、「作家 の日記』四月号第一章の十ページ分を送ります。六ページ目 5 ) ・・アレグサンド 0 フ、 の前には、ナン・ハーのつけてない紙に書いてある長い挿入が 〈一八七七年〉三月三十一日 入りますから、気をつけてください この六ページから短い 尊敬するミハイル・アレグサンドロヴィチ、第三章の原稿第二章が始まります。 > 印をつけて下に書きこんであるのは を少し送ります。 C 「「一般人」の葬式』。なお個人の手紙をこの章の題名です。このあとの続きは、明日二十六日、朝八 同封しますが、この手紙の指定の部分を活字に組んでくださ時になります。さようなら。ことによると自分でそちらへ出

3. ドストエーフスキイ全集20 論文・記録(下)

ぎ立てるのには、何かわけがあるのだろう」この声が諸君のは ! それは単に要領の悪さを示すばかりでなく、無能を暴 耳にはいっただろうか ? まったくのところ、単なる当惑と露するものだということに、諸君ははたして気がっかなかっ 混乱のためのみに、諸君のおちいったような単調で退屈な軌たのだろうか ? 答えは二ページでもたくさんなのであっ 道にはまり込んで、しかもそれに気がっかない というようて、たとえ二ページであっても ( もし諸君が正しかったなら なこともありうるのだ。諸君はそういうやり方で、鉄道のレ ば ) 、完膚なきまでに論敵を撃破することができたはずであ ールに入り込んで、汽車に追いかけられている牝牛を表象しる。たとえば、三年前にアントーノヴィチが、ツルゲーネフ ているのではないだろうか。それは珍しい場合ではあるけれ氏を粉砕したように、である ( ただし二ページだけではなか ど、あり得ないことではない。牝牛は驚愕に前後を忘れて、 ったし、それにぜんぜん正しくもなかったのだけれど ) 。今 自分でもまだ自分の不幸を信じないまま、やたらに走るのででもツルゲーネフ氏のことを覚えている者がいるかどうか、 ある、 教えていただきたいものである。だが、一方、アントーノヴ イチは、なんとたいしたものになったではないか ! それか ただひたすらに、レールづたいに飛び上がりつつ らなお、プーシキン氏の論争的な文章を想起してみたまえ。 自分流儀ではあるが、きわめていんぎんな三ページの感想に 同じ軌道の上を走り続けて、ほんのちょっとレールから外へたいして、数十ページにわたる不自然この上ない悪罵をもの 出て、右へそれさえすれば、命も助かり、乳も出るというこするということは、要するに、第一としては、諸君が簡潔に とが、ナイーヴな性質のままに、考えつけないのであるー 書くすべを知らないということ、 ( これはきわめて悲しむべ この詳やかな一幅の画面の中で、諸君は持ち前の単純さのたきことである ! ) 第二としては、諸君に論証が不足している めと、一種の無器用さのために、右に述べたナイーヴな動物ということを、みすから自白することなのである。なぜなら、 の役割を働いているのであり、諸君の熱中と悪性の激情は、 ロシャ人が不自然な罵倒をはじめるのは、もはや論証が尽き 諸君自身と諸君の論文を満載した汽車ということになる。右た時に限っているからである。「ジュビターよ、汝は怒れり、 の次第で、諸君は自分で自分を圧倒し、破滅させているのでゆえに汝はあやまてり」という諺を想起したまえ。その上 あるが、しかも諸君は乳を供給することもできたのだ 怒っている人間が、ジュビターでもなんでもなくて、単 んという悲しいことだろう ! 現代の人間は盲目でつんばだ なる諸君にすぎないとしたら、その時は喜劇になってしまう から、世界歴史の実例も彼らのそばを素通りしてしまう ! ではないか。ジュビターならゆるされることでも、諸君だっ たった三ページの論文に、四十八ページの答弁を書くとたらゆるせないわけである。

4. ドストエーフスキイ全集20 論文・記録(下)

四枚送ります。三ページ分に十分足りると思います。清書し一部で、その中の削除してない部分は全部八ボで組んでくだ さい。そのあと、五ページからまた小生の原稿がはじまり、 ませんでしたが、判読できるでしようか ? 七ページで終わります。 ( ) 外科医科大学の学生〈 さらにもしできるならば、終わりの編集後記のうち雑誌 〈ペテルプルグ、一八七六年十二月二日〉 「光』にかんする記事は削除して、ふたつ目の記事だけを残 してください、お嬢さん方のアドレスについての記事です。 一八七六年十二月二日にペテルプルグ美術家協会でおこな 貴兄の・ドストエーフスキイ われる外科医科大学困窮学生援助のための音楽とダンスのタ 少なくはないでしようか ? べの開催委員会御中。 学生諸君、音楽とダンスのタベに諸君から懇切なご招待を 〇・・アレクサンドロフへ うける栄をうけましたが、小生まことに遺憾千万にも、突然 〈ペテルプルグ、一八七七年 ( ? ) 〉 風邪をひき、出席いたしかねることになりました。 尊敬するミハイル・アレグサンドロヴィチ、「作家の日記 諸君の心のこもったお招きと、小生によせられた関心を、 きわめて光栄なことと心得ておりますので、この不参は残念の続き、半ペラ十三ページから十七ページまで送ります。こ れで第一章は終わりです。その先の分は、何とかして間に合 でなりません。ロシャの学生をふかく愛し、尊敬する ・ドストエーフスキイ 、つよ、つに送ります。 貴兄の・ドストエーフスキイ 5 ・・アレクサンドロフへ 一八七七年 ^ ペテルプルグ、一八七七年〉三月二日 親愛なるミハイル・アレグサンドロヴィチ、全部で四ペー 四 4 ) ・・アレグサンド 0 フ〈 ジ分だけ送ります。文選にはいってください。しかし検閲官 〈・ヘテルプルグ、一八七七年一月末〉 には、これから送る論文の終わりの部分がすむ以前には送ら 善良なるミハイル・アレグサンドロヴィチ、お送りする原ないようにしてください。検閲官は最初の一台をどういうふ うに扱うでしようか ? もし貴兄のもとにもどってきていた 』稿はきっかり必要な分量ではないかと思います。四ページの 下に挿入個所が指定してあります。この挿入は同封の手紙のら、二時過ぎに小生に届けてください。 37 ノ

5. ドストエーフスキイ全集20 論文・記録(下)

癪を吐き出してしまうために、わたしといっしょに医者まで 罵倒しようと、腹を決めたのかもしれない。まして彼はわた片をつけるために しを治療しているのだから、なおさらである。けっこうなこ 『現代人』に対する最後の弁明 とだ。しかし、そういうわけなら、別の論文で処理したほう がより自然で、そうすればあれほど唐突で、断片的なものに ならなかったろうに、と感じる人もあるかもしれない。でな ければ、少なくともその場ですぐ、せめて二こと三こと注を 『現代人』の諸君、本誌の七月号で、きみたちの書かれた つけて、もうひとりおれの気にくわない男がいるのだが、そい 『エボーハ』に関する二つの論文について、本誌の同人であ つを罵倒するのを忘れていたから、ついでにこれもやつつけ てやるのだ、というふうに説明したら、脈絡がはっきりしたる・ドストエーフスキイが、必要かくべからざる弁明を三 かっきり四十八ページ だろ、フ : : ところが、「局外の諷刺家」はそうしないで、一応ページ書いた。それに対して諸君は、 にわたる論争をもって答えた ! われわれはもう以前から、 罵倒すると、わたしの医者のことなどすっかり忘れてしまっ て、そんなことなどうっちゃらかしてしまって、そんなこと諸君の際限ない饒舌に一驚を喫していたのであるが、今はた などまるで問題にしたことがなか「たかのように、もう一こだもう当惑しきっている。というのは、自然と解決不可能な 問題が生まれるからである。もしこちらがただの三ページで ともそのことを口にしないのである : : : では、なんのために 彼は医者を罵倒したのだろう ? ただ彼がわたしを治療してなく、六ページなり八ページなり書いたとしたら、どんなこ とになるだろう ? もしこちらが諸君に、やはり四十八ペ いるという、ただそのためだけだろうか ! あきれた話だー ジ書く気をおこしたら、どんなことになるだろう ? もしそ 『現代人』の編集部は、その論文の後につけた注の中で、こ うした無作法な論争の方法に賛成しないといっているが、しんなことをしたら、どんなことになるやら、想像するのも恐 かしそういう方法が同誌の目的を達成するために、役立つでろしいほどである。 だれにしても、きみたちの文章を読んだら、はたしてこう 。 : 、はたして役立つだろうか ? 部あろうと期待しているカ 第ったいなんのために、ほんとうになんのために、ぜんぜん無いわないだろうか ? 「あの連中はなんのためにこんな騒ぎ 録関係な人間を罵倒したのだろう、伺いたいものである ! そを起こすのだろう ? あのけんけん ) 」うごう、あの興奮はな 罸ロ しったいどこ んのためだろう ? あの論争の言葉の洪水は、、 んなことをして、たいして得があるのだろうか ? 文 フョ 1 ー【「ル・【「 ストエーフスキイ へ流れて行くのだろう ? してみると、彼らが冗談でなく騒 223

6. ドストエーフスキイ全集20 論文・記録(下)

論文・記録第一部 * 曰現代人しの同人も記憶しておられる本誌の寄稿者イグデフ氏は、先月わ が編集部へ学術的・論争的一文を寄せた。それは先々月の『現代人』の罵詈 に関するもので、オストローフスキイの「いや、あなたはそんなにひどいっ もりではないでしようが、わっしゃ胆をつぶしますよ」という言葉を題銘に したものである。しかし、われわれはその時この文章を載せなかった。とい うのはほかでもない、この文章が『現代人』にたいしてあまり寛大だったか らである。イグデフ氏は自分から「現代人』につかみかかって、自分から悪 罵しているのだが、しかしそれは、相手を甘やかすことになる。しかし、そ の文章の中には岩燕に関する論考がある。その中から二、三引用しよう。 「岩燕はきわめて尊敬すべき鳥であって、周知のごとく晴天を予言する : これはいわゆる「岩壁の燕」 (Hirundo ripariaCuv しであってロシャ語 の「ストリージュ」は、迅速を意味する「ストリ」から米ているィーゴリ すえ かた 軍譚』の「ストリポーグ〔古代スラヴの風の神〕の裔なる風は、海の方より : 吹き荒む」を想起せられた上、この個所に関するプスラ 飛箭のごとく、 ーエフ氏の注を一読せられたい ) 。この名称は、彼らの飛翔の驚くべき速さ によって与えられたもので、それは通常「岩燕はひらめく」というふうにい われている。一般に種属としての性格については、キュヴィエがこういって いる。その骨は《 indiquent. méme dans le squelette. quel point ces oiseaux sont disposés pour un VOI vigoureux 》これはすなわ ち、この鳥がどれだけ逞しい飛翔能力を持っているかを、その骨格の中にさ え示している、というわけである。いったい「岩燕」という名称に、どうい う悪罵や侮辱の意味が含まれているのか、一つ伺いたいものである。わたし はまったく想察に苦しむ : : : 」うんぬん。 そこでこの尊敬すべき筆者は、もう掴み合いを始めるのである : : : しか し、も、つ一つ引用しよう 0 : さて、岩燕にどんな悪いことがあるのだろう ? 彼らが昆虫を滅ばす ということだろうか ? 諸君の与えた綽名を利用することによって、われわ れは諸君を昆虫に比較していることに、諸君が思いをいたさないのは、驚く ・ヘきことである。昆虫は自分たちにとって恐るべき鳥を見て : : : 」うんぬ ん、うんぬん。ここでまたみ合いがはじまる。 晴天を予言するのは、じつにけっこうなことである。とく に今、現代においてはなおさらである。しかも、その名前を ほかならぬ諸君なのだ ! 晴天 つけたのはだれだろう、 しもの より以上に、晴れて静かな平和な日々より以上にい、 はたして何があるだろう ! そのような日々を予言し て、それに向かって努力し、他人にもその努力をさせる、そ 」とカ 、、、、はたして何があるだろう : : : それはも れ以上にい、 う「無限の空間に唾を吐きかけて、それを破壊的な力を持っ た榴弾と思う」 ( これは諸君のことについて「祖国雑誌』が いったことだが ) のとは、まるで話がちがう。つまり、そこ にわれわれの間の差違が存するのだ。われわれは晴天を予一言 しているのに、諸君は無限の空間に唾を吐きかけている。そ ういうわけで、われわれは岩燕となることにするが、言君は はたして何ものか、諸君自身で想像がつくかしら ? : これだけでも諸君にとって しかし、もうたくさんだ ! は、四十八ページどころか、少なくとも六十ページ、いや七 十ページの材料ができたわけである。

7. ドストエーフスキイ全集20 論文・記録(下)

スッジャ町、マールイ・プリコールのスニートキン宛て特 0 6 ・・アレグサンドロフへ 別配達付き ^ マールイ・プリコール、一八七七年六月二十九日〉 キエフからのほか一通も便りなし。達者か ? 心配してい 親愛なるミハイル・アレクサンドロヴィチ。 る。今日モスクワへ立つ。すぐにモスグワ・ズナメンカ、ク 半ペラ九、十一、十二、十三を送ります。半ペラ十は欠けズネッオフ持家エレーナ・ ーヴロヴナ・イヴァーノヴァ宛 ているのにご注意ください。続きと同じように、今日中に届てに電報を打ってくれ。わたしのために。 けます。 ・ドストエーフスキイ 貴兄の・ドストエーフスキイ 乃 ) ・・アレクサンド 0 フ〈 田 ( ) 妻アンナ〈 ( 電文下書 ) 〈一八七七年八月末〉マールイ・プリコール ( グールスグ県ミロポリエ ) 〈ペテルプルグ、一八七七年七月十七日〉 尊敬するミハイル・アレグサンドロヴィチ、七ー八月号の グールスグ県ミロポリエ町、マールイ・プリコール へ配達『日記』の一部原稿をお送りします ( 半。ヘラ二十五枚は、小 生の計算では印刷一台分と四ページになると思います ) 。以 トストエーフスカヤ殿 前にもあったように、最初のページは広告なしで、いきなり 〔キエフからの手紙のほか、一通もお前から受けとらない〕、 テキストからはじめてください。広告は全部この前と同じく お前から全然便りがない。〔心配でならない〕、達者か ? 今最後に入れましよう。 日〔ペテルプルグを〕出発する。〔電報が着き次第〕ただちに 九月二日にはペテルプルグへ立ちます。ですから五日か六 電報を「わたし宛て〕モスグワのズナメンカ、クズネッオフ 日にはきっとペテルプルグに着くでしよう。小生の計算では 持家エレーナ・ ーヴロヴナ〔・イヴァーノヴァ気付〕で打九月十日と十五日の間に、それより遅くなく出るだろうと思 ってくれ。わたし宛に、方がきっきで〔すぐに〕。〔月曜日ま います ( 普段の二倍の台数、つまり三台分で ) 。しかしやは で待っ〕、フェージャ、おめでとう。 り、少しでも早くはじめの一台分を刷り上げるために、文選 ・ドストエーフスキイ は急いだはうがいいでしよう。 もし小生の到着よりも早くできあがって検閲に送るようで * 角括弧内は抹殺した個所を示す。 したら、ラトウインスキイに出してください もし彼がペテ ( 書き直し ) ルプルグに不在の場合には、レベジェフに出してください

8. ドストエーフスキイ全集20 論文・記録(下)

たしの性格のおもな特質です。あるいはわたしの行動の特質 かもしれません。 * 抹殺を復元した部分は、翻訳にあたって省略した。 * * この部分に単語なし、ただし抹殺部分から推量して「思想」と考えられ る。 あなたのアル・ハムを拝見して、羨ましく思いました。なん と大勢の親友がこの豪華な記念帖に、自分の名を書き入れた ことでしよう ! どれだけ多くの過去の生活の生き生きとし た瞬間を、これらのページは想起させることでしよう ! わた しは生涯でもっとも愛した人々の写真を幾葉か保存していま すが、しかもどうでしよう ? わたしはけっしてこれらの面影 をながめることをしません。わたしにとって思い出は、どう いうわけか、苦痛にひとしいのです。思い起こす瞬間が幸福 なものであればあるほど、苦悩が増すのです。が、それと同時 ス多くのものを失ったにもかかわらず、わたしは生活を熱愛 します。生活のための生活を愛します。そして、まじめな話、 もう一ど自分の生活をはじめようと心がけています。わたし はもう間もなく五十ですが、自分の生涯を終わろうとしてい るのか、それともやっと始めかけているのか、いまだにどう してもわからないでいます。これがわたしの性格のおもな特 質なのです。それともわたしの行動の特質かもしれません。 一八七三年一年三十一日 アヨードル・ドストエーフスキイ O ・コズローヴァのアルバムに つ、

9. ドストエーフスキイ全集20 論文・記録(下)

十二月 第 2 章 ・つい最近刊行されたばかりのある新刊書 ( という のは、イギリス国会議員、准男爵 e ・シングレア卿著「近 東問題ー過去と現在。ロシャの擁護』、英語からの翻訳のこ とである ) の発行者から、この本の広告を「日記』の本号に 掲載してほしいという依頼があった。しかし、この本を一読 し、内容を知ってみると、わたしは普通の新聞広告のかわり に、自分でしたしく読者にこれを推薦したいと思うようにな った。この本以上にわかりやすく、興味ふかく、かっ要領を えた本を書くのは、むずかしい。現在わが国ではこの種の書 物がきわめて必要であるのに、「近東問題」の歴史に通暁し た人は、まだきわめて少ない。しかるに、この問題は今やす べての人が知っていなければならない。必要であり不可欠で ある。シングレア氏はロシャの利益の擁護者である。ヨーロ ッパでは氏はすでに、政治評論家として有名である。三百五 十ページの分厚い本がたった一ループリ ( 送料こみで一ルー プリ二十コペイカ ) で、すべての書店で販売中である。 * 一八七七年十一一月号の末尾に掲載されているもの。ー訳者 356

10. ドストエーフスキイ全集20 論文・記録(下)

論文・記録第三部 しかし、ここでわたしの物語を中断する、長い話なのだか エヴィ ら。が、誓っていうけれど、レオンチイ・ヴァシーリ チは、じつに気持ちのいい人である : 一八六〇年五月二十四日 ・ドストエーフスキイ * 角括弧内はドストエーフスキイが抹殺した部分である。以下同じ。 この見事なアル・ハムに目を通して、わたしは羨ましく思い ました。そして、三十年まえに、このようなアル・ハムをつく らなかったことを、残念に思います。あなたの親友や知人 ・ : 〉を書き が、なんと大勢、この華麗な記念帖に自分の〈 : 込んだことでしよう。あるいは、これらのページはどれだけ すばらし、 しいや、より正確にいえば、過去の生活の生きた 瞬間を、想起させてくれることでしよう。わたしの手もとに は自分の生涯でもっとも愛していた人々の写真が、幾葉か保 存されています。が、その人たちはもうこの世にいないので す。わたしはその人々の面影を持っているということが、じ つに快いのですけれど、ほとんど一度もそれをながめること をしません。思い出が懐しく、美しければ美しいほど、その ために苦痛が増してくるのです。それと同時に、わたしは多 くのものを失ったにもかかわらず、生活を熱愛します。生活 のための生活を愛し、常に自分の生涯を始めようと心がけて います。わたしはもう間もなく五十になりますが、それでも わたしは自分の生涯を終わろうとしているのか、それともや 3 っと始めかけているのか、自分でもわかりません。これがわ O ・コズローヴァのアルバムに ( 下書 )