息子も同様叔父のために苦しむ。彼は彼に対して冷淡にな 自己弁護せず。彼の寛大な行為は ( それはわざとしたもの刀 がそれでも彼 りかける、が後に接近する。 である ) 世間へ知れぬように行なわれる、 そのとき叔父との話し合い、その後母親と。 はおのれに不満であり、自己を批判し、苦悶している、彼の そのとき、妻帯のことが知られる、あいまいな見方、冷矜持が純潔でなく、虚栄的なるがため。 ( 三九ページ ) 笑。母親はとび上がりものに優しくする、女主人公は病気、 彼らすべてをゆるすことが最上の方法である、と彼は考え そして手紙。彼の返事、絶望。彼は妻に、息子に相談しようる。「わがホルバインのマドンナ、ーー・彼女はいかに純潔で、 とするが、とっぜんまた将軍夫妻に、そして彼らのåme いかに美しいことか」 ( 彼は彼女をなんとよく認識している damnée ( 地獄におちた魂 ) となる。女主人公、訴訟に敗れる、 ことか ! ) しかしやがて危機がやってくると、彼は彼女を苦 策略をめぐらして外交官、枢密院議員を離間する しめ、将軍家で全力を挙げて陰謀をめぐらす、そいて女主人 そして。 公へあてた手紙の中で真心からおのれを責め後、女お :< 公 息子をも離間しようとしたが、さらに巧妙に立ちまわり、 にその復讐をする。 息子のことを女主人公に賞め立てて、彼のためになるような女主人公はもはや彼にたいして気軽でなく、毒々しい嘲笑 策をめぐらしはじめる ( 女主人公のあまのじゃくな性格を知の態度をとり、ときとしては彼の存在を無視するほど軽蔑的 っているので ) 。女主人公はいよいよという土壇場で息子をな、上から見下すような高慢さを示す、彼は陰鬱な、無言の 棄てる、彼は女主人公をも、妻をも、叔父をも、母親をも、狂憤をいだく ( 妻には復讐せず沈黙しているが、嫉妬し、沈 息子をも苦しめる。 黙で復讐する ) 。 淞意書 そのとき女主人公は息子に約東する、がふいに妻を訪問す 彼の内部では恐ろしい闘争がおこなわれる、ーー復讐すべる。 きかせざるべきか ? 彼の意欲は真実であり高潔であるが、 それが彼にある暗示を与える。彼は動揺を感じる。「それ それでいて彼は悪をなしている。社会で獲得いた荘重な役割とも嘲笑か、でなければ : : : 」彼は熱に浮かされたように彷 、を、み、つ が、彼自身を羞じらわしめる。しかし結婚の緯と、彼が事徨する。 実とび上がりものの子であって、したがって彼のはうが叔父女主人公の思いがけない涙、息子との話し合い をしりそけたのでなく、叔父が彼をしりぞけたというこつけ女主人公はあいびきを要求する。恋のうち明け。彼はしり いな事情は、ーー・彼にとっていまいましく、毒念をわき立たそける。 せる。 情欲。赤ん坊の棺。そして妻は毒を仰ぐ。
貴める。女主人公は夢中になるほど彼を愛している。彼は妻庶子であるといって彼を揶揄する。 に冷笑的な調子で「おれは醜男だぜ」 とび上がりもの、彼の父親の候補者。 彼の母は縊死をとげる。 Z ( よく考えること。 ) Z ? ( 二二ページ ) 女主人公が息子を愛していると思ったのは彼の心の迷いに すぎなかった。彼女は彼を愛していたのである。叔父がもは ウメーツキイ一家は私信によって、叔父が白痴を尊重してや求婚の申し込みをしたとき、息子は、叔父にそのことを知 いること、おそらく彼を認知して相続人にするかもしれない らせる ( てあり余白に〔 ? 〕 とい、つことを知る。 ウメーッカヤは妹にあらず。 彼らは彼と相談して、彼が叔父の寵を得るようになった彼はある娘に子供を生ませて結婚させられる。そのとき彼 ら、妻帯者であることを自白することに申し合せる。 女はサラートフから連れられてくる。さんざん折檻されたう 女主人公を自分のところへ掠奪してきたとき、彼は女主人え彼と結婚する。はたの者は彼が知らないと思っていた。し 公とウメーッカヤにいう。「彼女にいわないでください」そかし彼は、赤ん坊ができて、そっと隠されたことを知ってい して彼女が悶々の情にたえず熱に浮かされているあいだ、彼た。ウメーッカヤはよく訪ねて行った。彼も訪ねて行って赤 女のそばにつき添っている。 ん坊を可愛がったものである。彼は奴父に、息子がウメーツ 「わたしは彼女の自白を聞いた」 カヤを愛しているとい、っために、ウメーッカヤと結婚する〕 女主人公は公爵令嬢。彼女にはりつばな親戚関係がある。 女主人公は彼を愛していることがわかる、しかし彼は常に ところが彼はただのプチーツイン。 女主人公を退けている、そのくせ手を引いてしまうことがで 白痴は将軍の事務所に職を与えられる。 きない、恋しているのだ、限りない虚栄心。 ( 二三ページ ) 隠し子。母は知らぬ。ウメーッカヤは知っている。 ツインとするか ) 停車場で彼と女主人公のあいだに おかしな場面が演ぜられる。彼らはそれを想い起して、叔父彼は内証でそれを養っている。 に彼を連れてきてくれと頼む。 女主人公はもはやとっくに息子の告白に答えて、自分は白 彼、叔父に向かって「あなたはばくと母をしりぞけたので痴を愛しているといったのである。 はじめは〔求 す、だからばくもあなたをしりぞけます」 叔父が求婚しようとしたとき ) 、息子は叔父に向 婚した〕 その後彼は自分が嫡子 ( 一度毓刊 ) であるという証書を手か 0 て、女主人公は白痴を愛しているという。「勝手に結婚 に入れる、が彼はそれを叔父に見せることを望まず、自分はするがいい」叔父はウメーッカヤと結婚 ( 彼は彼女を知って
( スイスから帰った後 ) 、で俸給のはかなにもやらない。とこ将軍夫妻は ( 前のプランと同様 ) 、ひきのためにガーネチ ろで彼は叔父の家で育った ( 苦しんだ ) のである。なぜならカを女主人公と結婚させようという目算であった。しかし女 将軍は後妻の要求によって彼を拒否したからである、母親が主人公の訴訟事件はきわめておばっかない。将軍夫人は他の 家出したという理由で。彼は不正な仕向けを受けたのであも 0 と富裕な花嫁をさがし」の先に寂の埖 ) 、白痴を女主人 る。彼は自分が嫡子であるという証拠の書面を持っている。 公にめあわそうとする、縁談がまとまったら叔父が白痴に金 新しい母に屈服することは彼の潔しとしないところである。 をくれるだろうという見込みで。 ( 白痴 ? この白痴症状のよって来る径路。 ) 将軍は貧乏ど ころか、ばりばりのおえら方。 ( 小説の発端。 ) 将軍はそれま十一月六日 で地方で勤務していた。 それは第一に、・ カーネチカと女主人公の縁談についてはま だ一度も口にだしていわれたことがないから、なおさら可能 白痴が十一の年まで将軍一家はペテルプルグに住ん性が多いわけである、第二には女主人公が家庭内の人である でいた。地方へ転任するにさいして、白痴は叔父が引き取っことを将軍が極力主張した、第三には、早くもガーネチカの た ( 将軍夫人の望みで。将軍は時おり様子をたずねていた ) 。ために花嫁を見つけだした将軍夫人との家庭争議が、これに 白痴は十七 ) の年まで叔父のもとで苦労した。それかよ 0 て解決されるからである。 らウメーツキイの家へ。ウメーツキイ家から外国へ。スイス ガーネチカは反対する ( 正直な見上げた性格 ) 。 から到着する。 ( 白痴 ) 、事務所に。将軍一家もその間にペテ女主人公は、自分に白痴を押しつけようとしているのを知 ルプルグへ移転してくる。将軍は息子を呼び寄せる ( 彼らのって、彼に会うなり嘲笑を雨あられと浴びせかける。 一家には女主人公、ガーネチカ ) 。 叔父は将軍家と的に交際して ( つまり旧交を温めて ) 、 あるいは、ーー。叔父の結婚、白痴はウメーツキイのもとで白痴に嫉妬する。 妻帯ということにする。 プラン ( 想を ! ) Z 将軍一家がふたたびペテルプルグへ転任したとき、 胙将軍夫人も彼に会いたいといいだす。 叔はぜんぜん兄弟にあらず ( 一四一ページ ) 痴 白 つづき。白痴は白痴としてスイスから帰る。ともかく書類 を書いている。叔父は真相を理解して腹を立てる。いく度か の話会い。将軍家で。叔父は早手回しに嫉妬る。将軍家で は白痴は白痴でなく、反対に大した評判。愛矯があって、つ幻
らおれはまだあんまり若造だもんだから、それでこんなに怒「わたしはね、わたしたちが折り合うものとしたら、愛する だの愛さないだのっていうのがなんのことかわかりません りつばいのかもしれない』と彼は時に考えることがある : : あなたはおそらく事情をごぞんじでしよう。わたしはあ 母は再び口にしないために、無条件で叔父と和睦する。弁 解などすることは自分にとって卑屈な、思いもよらぬこととなたのためにずいぶんと辛い思いをしました ( 叔父はあと 考えている。まるで慈悲でも施すように叔父のところへ帰っで、「そんなことのためじゃないし。なるほど、あなたを棄 てくる : : : 叔父は何のためか知らないが二十五年ぶりに和睦てていったのは、わたしが悪かったかもしれません。あなた はわたしのいってることがわかるでしよう ? ひょっとした する気になった。 ら、この人はわからないのかもしれないわ」彼は黙ってい 母は女主人公のことで叔父に嫉妬する ( 嘲笑 ) 。 白痴 ( いぜんとして ) 将軍がほれこんでいるといって、将る。彼女は上流の婦人である。叔父は何よりも第一に女ので 軍夫人を将軍と対立させる。そして外交官をも、彼は女主人き損いではない。 白痴はたったひと言でいなしてしまう。 ( 三二ページ ) 公をあきらめている ( が将軍には自分が恋しているといった すべての筋立ては以前通り ) 。女主人公には、彼女が売 られたという。息子には女主人公自身がたった今、ほかの人もし庶子ならば。 叔父は妻に相談しないで白痴を将軍のところへ勤め を愛していると告白した。と、そのとき白痴は妻帯者、女主 ママ させる。 「叔父さんと結婚します = 」 人公の絶望母なしに もし彼女が白痴の母親なら、白痴が叔父のところから下宿やって来る、急に間の悪いことになる。 へ移る時、小説ぜんたいを通じて、彼がもとになって母の家母と叔父の和睦。叔父は当惑する、母はいう、「わたしは あれに会いたい、白痴」 では叔父との闘争、悲しみ。 叔父と息子との話合い 白痴と息子との話合い。彼は疑い深く、警戒して、様子が 重大か問題。白痴の人物はいかなる場合に、より興味ふか 奇妙である。しかし息子はいくらか彼の気持ちを引き立て、 く、より小説的に、よりくつきりと思想を表現するか、 興味を呼びさます。しばしば息子と交渉を持つ。母はだんだ 嫡子としての場合か、庶子としてか ? んと、これは白痴だと考えはじめる ( ー 言する〕 ) 、が彼とよく話 最も主なること。嫡子としての場合、ある晩母親がをする。 将軍家で不注意に白痴のことを口にする。母はすぐ言葉じ 叔父と息子の前で彼にいう一言葉。 幻 6
叔父と将軍夫人との会話。その会話の結果、「連れてきて福 ) 。 Z ( ヴラジーミル・ウメーツキイは、彼が毒殺したの ~ 、ださい」 だと叔父に吹き込む ) 彼。行く、将軍驚いて「おや、きみだったのかね」 ウメーッカヤはしばらく手紙を保留しておこうとした。 叔父「あれは白痴です」 ( 二七ページ ) 遺書 ( ホルバインのマドンナを思わせる文体 ) 。 その前、 ユダや王について叔父の前で長広舌。 それとも、一つの案。 彼が女主人公を掠奪したとき、妻に沈黙を命ずる ( つい赤妻を相手に歓喜に満ちた会話、妻は感激に打たれてうやう ん坊の棺が出たばかり ) 。妻、重病にかかって急死する。毒やしく彼の前にかしこまっている。 あるとき思わず「おまえにだけ話すのだ、だっておれをわ 死の兆候。女主人公と叔父は御に嫌疑をかける。彼は率直 かってくれるのはおまえばかりらしいからな」とロ走る。 に、「さよう、ばくが殺したのです」と声明する。ウメーツ Z22 彼は偶然現代青年のサーグルに交って、有益なる活 カヤは黙っていたが、最後に彼女の遺言状を見せる。 「が、をれでもやにのばくが殺したのです」と白痴がいう。動に関する宣伝を聞かされる。一晩中。彼は沈黙を守「て、 彼は叔父のもとを去る。彼とともにウメーッカヤ。女主人そのことを考えもしなかった。 ウメーッカヤ、福音書を耽読する。きちがいのようになっ 公は息子のところに。叔父は黄疸。遺産はぜんぶ白痴に、一 て伝道する。叔父を煙に巻く。 ( ウメーッカヤの無邪気さ 部分だけ息子に、白痴はいっさいを拒絶する。 と、つしょになる。 量りしれぬほど、 ーーーそれが彼女の性格の主なる特質であ 白痴はウメーッカヤ ( 主人勾〕 ) し 「幸福はあったのだ、 それを認識することができなかつる。 ) 斬り落された首について、撈ぎ取られた爪について、初 めは放火したのだ。 ュロージヴ′アヤ あまりにもいじけている、はんとうの宗教狂人。 ( 二、 夜、風の中をウメーッカヤとともに墓場に。その前に街中 をさまよう。ウメーッカヤは彼のあとから、あらゆる十字路ジ ) で。「よりよくならなくちゃならない」と彼は自分でもなに 「スイスで、 ばくらはあちらでよく福音書を読みました をいっているかもわからずにロ走り、奇怪な徴笑を浮かべる。 よ、ばくは、ルナンの本を読んだあとで医者に十字架のこと 「ええ」とウメーッカヤは敬虔な調子でいう。 をききました。 ( ばくらは妙に気が合ったのです、撈ぎ取ら 「行こう ! 」と彼はウメーッカヤにいった。 こうして彼らはいずことも知らず歩きだした ( 別な幸れた爪や針のこ・とについて。 ) ばくはまさしくその質問をス 212
ィリャーに「きみ、結婚したまえ」「よろしい」 知「一 ()n 将軍夫人との話し合い、妹その他を忘れぬ ) と。 彼、女主人公に ( 女主人公、愛想よくなり、媚態を見せ 女主人公、冷笑と挑発という自分の役割。叔父、自分の役る。叔父を無視する ) 。女主人公に申し出る。「ばくはいっさ 割 ( 叔父には妻を持っていることをうち明ける。叔父は自分いをなげうちます」彼女は彼に、「わたしは叔父さんと結婚 でもそのことを将軍に話すことを望まない ) 、ガーネチカ不します」毒々しい手紙。 彼、女のところへ。結婚はしてなかった。女は縊死するた 安の体でとくに意見を吐露する。 めどこというあてもなく逃げだす。 侍従、彼につきまとう。 ( あるいは、彼はここで妻を見せる ) 納 ) 両人捜索する。発見 ( 赤ん坊に風邪をひかせた ) 。 彼女のそばに発狂したイリャー 彼は公爵。白痴。いっさいを復讐にかけている。しいたげ彼は彼女に ( 女主人公の手紙のすぐあとで ) 、答える。 られた存在。兄の妻禛 3 ) を。叔父の金を拒絶する。事マドンナはま 0 たく彼をしりそける。「わたしの目に触れ ないでちょうだい」イリャーとの場面。その間に女主人公に 務所で、ふくれる。 ュロージヴァャ 対して工作する。ィリャーとマドンナの結婚談が起る。 この語は他とは別個に美 ) 、宗教狂人。 ( 子供らとい 0 しょ 公爵 ( しし 彼は女に「逃げよう」女は縊死する。 ) にいる ) ( 一三七ページ ) 女主人公、結婚の前に涙の滝っ瀬、「あんたのものよ、逃 叔父をも、将軍をも、遺産をも拒絶して雷のごとき効果を 喚起するために、効果のために彼らを呼びだす。彼は将軍がげましよう」 自分に興味をいだいているということを聞き込む。 彼女をけがす ( あ、〔彼女を〕のあとに、〔女は死んた〕が削除 がす、縊死。 彼、女主人公に「ばくはあなたを愛してやしなかった、ま 「え 0 、おまえはみんな引「張 0 てきた廱女 ) のかい ? 」 た愛してもいない、ばくはあなたを憎みます」 「ばくは拷問の話を聞きましたよ」 ( その合の手にまんまと妺の縁談をこわす。将軍と外 交官を面食らわす、外交官には女主人公を断わる手段を入れ 女主人公を拒否する、勝利。 「結婚します」 ( 家庭的な晩の集り ) 。種々な場面、苦悶。女知恵して ) 朝〕こ ママ ( 「あんたはわたしの古武士よ」 ( ィリャーに ) 。 白主人公は嘲笑的態度に終始す。 2 引
女主人公と妻。 わたしは幻想的な小説を書いた、しかし諸性格はかってこ 彼は他人の前で表面上自慢している妻をあまりにも苦しめ 初めは〔入 ) 。 ( 彼の妻に恋したれ以上現実的なものがなか 0 たほどである ( 愛と真実の渇 たので、ついに彼女は縊死する ( 水 叔父は、彼女が縊死したのではないかと、彼といっしょにさ望、傲岸、自己に対する尊敬の欠如 ) 。 ( 受けているかのごとく思われる絶えざる侮辱 ) 。 ( 一三九ペ がしに行くーーーその場面。 ) あるいは、女主人公といっしょにさがす。そのとき彼は女ージ ) 主人公にはっきりと、妻を苦しめたことを話す。彼女は縊死彼はガーネチカと女主人公に力を貸しているが、深い羨望 をいだいている。女主人公は彼を魅惑し、たえず皮肉の鋒先 した ( 赤ん坊はもうその前に死んだ ) 。 妻とのローマンスのために。帰ってからはきびしくを向ける ( また彼自身も深くみずからを軽蔑している ) 。 ( あるときそうした瞬間に女主人公は彼に身を任 侮辱的。しかし彼女はなれてくる。彼は彼女に対してうち明 けた態度をとる、初め非難まじり、しかし彼女のそれに応ずるせる、彼の勝利、そのあとですぐ彼は彼女に、自分は妻帯者 様子を見て ( マドンナのよう ) 、ロ数が多くなっていく、告白、であるという ) 彼女なしにはやっていけない。あるときそうした瞬間に彼女女主ん公病気。彼は妻と赤ん坊があり、そして妻を苦し の足もとへ身を投じ、愛するという。ほとんど幸福を感じなめている。 ( 叔父、妻を見せる。将軍。 ) 彼は一同を追い払 う。そのとき彼のもとへ女主人公。赤ん坊が死ぬる。彼女は しっさいは崩壊する。矜持が勝ちをしめたの である。そして女主人公をひきつけた時ーー ( 凌辱する ) 。 縊死 ( ウメーッカヤ ) 。捜索。徹底的な話し合し 望のために。ばくは一度もお前を愛したことがなし ~ 将軍、叔父、ガーネチカとの場面。 女主人公とともに妻の死骸をさがす ( 女主人公、彼の妻の彼女を失った」 それとも毒死。嫌疑。薬剤師。ヴラジーミル・ウメ もとへはしる ) 。 ーツキイ、その他。「そうです。ばくが毒殺したのです」遺 妻は彼らふたりに遺言する。「お互いに愛し合ってくださ 書。 しかし捜索の間に告白、そして、 「ばくはあんたを愛彼らがさがしまわる場面「彼女は首をくくったのじゃある 作していない」 まいか ? 」これはその前叔父との話。そのとき彼は彼女の足 もとへ身を投じて、愛しているという。 痴 結語のために 彼は、彼女が赤ん坊を抱いてウメーッカヤといっしょにさ %
る ( 一特質 ) 。 発する前酔っぱらったまぎれに結婚させられたのである ( そ それから、妻帯しているといって叔父を揶揄する。 の後判明したところによれば、彼は同情の念から結婚したの ( 叔父は妻とウメーッカヤに。 ) 彼は彼らのもとを去ってとで、彼は彼らを養っていたとのこと ) 。 つじよあたかも鎖を切って暴れだしたもののように、将軍、 だれひとりとして、最後まで、彼に妻があることを知らす 女主人公のはうへ飛んで行く、彼は女主人公を愛していな にいる。彼は嫡子。 しかしなんとなく : : すべての人を掌握し、すべての人彼がペテルプルグからスイスへ出かけたのは、コスチェン を征服し、すべての人に復讐すること ( なんのためかは不キーヌイチが幸便に託したのである。叔父は留守であった。 明 ) 。 ( 彼は私生児 ) 。 彼は妻のために立身を妨げられたと思っている。しかし彼 彼は女主人公が逃げだすようにし向ける。妻は女主人公おは妻をいじめるのが快いのだ。 よびウメーッカヤのもとに。彼は公然と女主人公を恋し、彼は自尊心のためにすべての人を恐れている。彼は第一流 に譲る。 ( なんとなく奇怪 ) の地位を欲する。叔父からはもらおうとしない。 それとも、ー・ーー彼の妻のことはだれにも知られて いない、女主人公も叔父も兄も知らない。 もう最後に近くな 女主人公は絶えず冷笑と媚態で彼をかきむしる。自 ってウメーッカヤが叔父にうち明ける。 分でもそれと知らず、計画的に息子を愛している。ようやく 重要なこと。すべての人を自己に屈服させること、 初最近になってとつじよ彼に向って、あなたを愛していますと め兄と叔父を ( 妻には暴君のごとく振舞う、ウメーッカヤに うち明ける。 も ) 、後に将軍夫妻を、それから女主人公を。 ( 二一ページ ) 彼は女主人公を追い払って、その嘲笑と、彼女が自分のも のとなり得なかったことに対して復讐する。彼は彼女が自分 白痴、息子に、なぜ自分が白痴と呼ばれるようになったかを愛し得るなどと信じていない。 を物語る。若いころ病気したのである。「ウメーツキイの家彼は自分の容貌風姿を恐ろしいもののように考えている、 の人たちが始終手紙で、ばくのことを白痴だといってやつで、人があなたはむしろ奸男子です、気持ちのいい顔をして 一て、治療代を絞り取っていたのです。あのころのばくのよう いるといってもほんと、つにしない。 作に叔父にうるさくつきまとったものはかってほかにないでし スイスにはただ二年間だけ。 よう」彼は様子を知るために人を送ると約束したが、自身親妻を抱擁して接吻し、おのれの悩みをうち明けるが、やが 白しく取調べもしなければ人を送りもしなか 0 た。スイスへ出て突き放して、なぜ自分は女主人公を愛するのか、と彼女を
と想像している ) 。彼女には以前技師がついていた。枢密院金を約東する、無造作に受け取る。叔父とウメーッカヤ・ 議員、叔父を立会人にして求婚する。拒絶。叔父はそれにロ ( 祈蒋、葬式、等。 ) をだそうともしない。彼女は叔父に腹を立てている。叔父が敗訴 ( 一方、叔父と白痴との間に騒動が起る ) 。叔父の結 彼女から美男子を奪おうとしたからである。美男子は彼をい婚申し込み。 女主人公、美男子に憤慨。将軍。将軍恋すとの非難。「し らいらさせるのを恐れている。 ( 問符 0 き括入りの みんな女主人公に業を煮やしている、その他一般のかたがない、叔父を選ばねばなるまい」 家庭教師なみに扱えないからである。 女主人公の酔態。女主人公、白痴 ( 継子 ) と駆落ち。 訴訟が敗訴になる。女主人公は美男子が求婚するものと当叔父の激怒「勝手に白痴と結婚するがいい」 てにしている。ところが急に気性のしつかりした母親を初め 女主人公、初め白痴を嘲笑する。 みんなのものが、彼女をいびりはじめる。なぜ枢密院議員を彼は彼女に愛されようとは思っていない。彼は最初、彼女 断わったか、というわけ。 ) 「それがあの人たちにどうしたと は将軍と関係しているのだといって、叔父と美男子をかんか いうのだろう ? 」要するこ、、 冫しつまでも居候をしているのでんに怒らせる。その後、叔父をたきつけて結婚を申し込ませ 腹が立つのだ。ちょうどそのとき叔父が縁談を持ち込む。将る。やがて自分が君主の地位に立つ、「彼女はおれを冷笑し 軍が肩をもったにもかかわらず、女主人公はその申し込みをたのだ」 受けねばならぬはめとなる。 女主人公は病気になる。結婚直前に逃亡、「わたしをたす けてくだ、い」 白痴はそもそもの初めから父親の許嫁を横取りしようとか 将軍と叔父が味方になって引き取る。 ( 二〇ページ ) かる。将軍の家庭で彼はとつじよ白痴でなくなる。 ( 彼の誕 長編の決定的プラン 生日。 ) ふとしたことでウメーッカヤと接近する。 女主人公と指。ふたのの老人。枢密院議員。叔父は 十月十八日 枢密院議員を嘲笑したので欣然としている。技師の父親。 一方、叔父とウメーッカヤ。 一叔父は晩の集りから帰ってくるなり、彼を相手に一悶着は女主人公を殺そうとする、が思いとまる。叔父、黄疸で死 作じめる。「どうして本性を隠していられたのか ? 」 ぬ。地上にかゆる幸福の理論。 叔父とのロマンチックな関係。 白白痴とペテルプルグ。ウメーッカヤ。白痴の信念。叔父、 叔父、息子ふたり、白痴は外腹、もひとりのほうは嫡子と衵
その後彼と会う。彼は去り彼女をしりぞける。 しかし後に情欲とのろい、とっぜん妻の死。とっぜん、妻庶子、おそろしく傲慢な悲劇的人物。 が、こうしたらどうだろう。嫡子ではあるが排斥さ の死。 れている。彼が自分で自分をしりそけた。荘重な役割。 ヴラジーミル・ウメーツキイ。ーー毒殺した。 しかし真に寛大な心の中に復讐と羨望。 ) 。 ( 三五ページ ) 女主人公ーー毒殺した ( 燬語 女主人公食 ) に対する羨望から・ーー ( 貧しさ ) この段 母があり、嫡子として。 しかし持ちきれないことを感じている。妻に対して ( 落の左 余白に。 すべて息子に対する羨望から。 〔闘い〕 訂正前当プ ) のため 彼は自分が結婚のためにとび上りもの ( チ こつけいなもののように思われる。 庶子のほうがよい、すべてが説明される。 いっさいの保護は彼にとっていまわしい。彼に対する息子女主人公の愛。ーー妻をいじめ殺した。 「あなた方はわたしをしりぞけた、だからわたしはあなた方 の愛情、彼も息子を愛している。母の威嚇は後で。 をだれも彼も足もとにひざまずかせたいのです」 ( 三六ページ ) 叔父をしりそける。 女主人公について息子への羨望、そして女主人公の愛に対 これはすばらしい する驚き ( それから女主人公の訪問、貧しさ ) 。 ぜんぜん別なもの。ー、ー荘重な、しかしいら立たされた人 荘重な風貌と貧しさが女主人公を驚かす。 そして妻をいじめ殺した。 間像、しかもがまんしきれなかった。 女主人公は最後に彼のところへ告白に行く。 立身のことなどでいささかも妻を責めない。 妻の死。 人々にしりそけられたがゆえにみずからも一同をしりぞけ ている。 「わたしは何も不平をいうことはありません。あな結婚を恐れている ( たが、あとでみんなに知られま ) 。結婚が公表 されたとき女主人公は ( 指を焼いたあとで ) 、彼に手紙を送る。 一た方がわたしをスイスへやってくれたんです」 「あなたはわたしを求めておいでになりましたが、あ 「あなたはわたしに十万ループリやるといって、その後で五 なたには奥さまがおありなのでした、あなたはこつけ 十万ループリ いでした、あなたはご自分の荘重な姿で押しまわって 白 ( あの息子の嫡子であることが原因だった ) 。 幻 9