日常注意する 5 項目があります。 痛風・高尿酸血症の患者さんが日常生活において血清尿酸値 を下げるためのセルフケアとして、食事のほかに次の 5 項目を あげておきます。これらは血清尿酸値を下げ、さらに、痛風 患者さんに多い高血圧、脂質異常症などにも効果があるはす です。 肥満を解消する 血清尿酸値は体重が急に増えると上がり、体重が減ると下 がります。 肥満のない患者さんも、食べ過ぎは要注意。適正カロリー を守りましよう。 アルコールを控える一特にビール どんな種類のアルコールも血清尿酸値を上げます。中でもビー ルは多くのプリン体を含んでおり、尿酸値を上げます。アルコー ル飲料、特にビールはできるだけ制限しましよう。 17
尿酸を下げる薬の服用中に注意 酸を下げる薬をのみ始めてしばらくは、 フ逆に発作がおこることがあります。 これは、からだにたまった尿酸が少しすっ溶けるためです。治療 を始めてから 3 カ月以内によくおこり、長く治療をしなかった患者さ んほどおこりやすいようです。痛風治療ではどうしても通らなけれ ばならない関門なので、医師の◇ 指示をよく守り、治療をやめない ようにしましよう。 定期的に通院し、 血清尿酸値を測定しましよう。 いただきましよう。 合併症のチェックと管理をして 高血圧、脂質異常症などの を調節していただくとともに 調べてもらい、必要な薬の量 医師に定期的に血清尿酸値を 13
水を十分に飲む 尿酸は、腎臓から尿の中に捨てられますから、水分を十分に とって尿の量を多くすれば尿酸もたくさん尿中にでていきます。 お茶、水などを十分にとって、尿量を多くしましよう。 軽い運動をする 1 日 20 分間の早足歩き、軽いジョギングなどの楽な運動は、有 酸素運動で尿酸値を上げません。また、肥満や高血圧にも良 い影響があります。ただし、運動不足の患者さんがいきなり能力 以上の激しい運動をすると、無酸素運動となって、体内に酸素 が不足して血清尿酸値が一時的に上がりますから要注意です。 精神的ストレスを発散させる 痛風の患者さんは、積極的、行動的ですが、反面、攻撃的で 協調性に欠けるといわれます。精神的ストレスは血清尿酸値を 上げるので、ストレスを適宜発散するよう工夫しましよう。
どちらの薬が適当かは、あなたのからだの中の尿酸の動き、 腎結石や高血圧などの合併症の有無などから総合的に決めら れます。 合併症を予防する健康管理 痛風患者さんは、肥満、高血圧、脂質異常症などを合併する ことが多く、メタポリックシンドロームとして動脈硬化が進みやすい 体質になっています。しかも薬をのんで血清尿酸値をコントロール しても、これらの合併症は防げません。体重制限を初めとする セルフケアや、場合によっては、降圧剤、脂質異常症治療剤などを 第 3 段階 使って、重大な合併 症の発病を予防しま しよう。 健康管理 原因療浩 対症療浩 2
高い「高尿酸血症」です。 はありません。 古尿酸血症はいくつもの要因が重なっておこ 同ります。 腎臓から尿酸をだす力が体質的に弱い、肥満、飲み過ぎ、食 べ過ぎ、運動不足、ストレスなどの要因が重なると高尿酸血症に なります。血液の病気、悪性腫瘍、腎臓病や利尿剤などの薬剤 も高尿酸血症の原因になります。 重症の高尿酸血症には注意が必要です。 高尿酸血症でも、血清尿酸 値が 7.0mg / dL を少し超えるぐ らいでは一生痛風になら ないですむことが多いの ですが、血清尿酸値か 高いほど短期間のうちに 吉晶 痛風になる危険性が大き尿酸 いといえます。したがって、痛風発作や症状がなくとも血清尿 酸値が常に 9.0mg , / dL を超えるような大変高い場合やすでに腎 臓に障害があれば薬を使った治療が必要になります。 IO
痛風の原因は血液中の尿酸値が ーしかし、尿酸値が高いと必ず痛風になるわけで 酸は誰のからだの中でもつくられます。 尿 尿酸はからだの中のエネルギーの燃えかすであり、すべての人 の体内でつくられる物質です。また食物中のプリン体からもつ くられますが、プリン体は日常の食物にはそれほど多く含まれ ていません。できた尿酸は、主として腎臓から尿の中に捨てら れます。 酸値は血液検査で調べます。 尿酸は体内では血液に溶けているので、血液中の濃度 ( 血清尿 酸値 ) が体内の尿酸量の指標です。血清尿酸値が 7.0mg / dL を 超えると尿酸は血液に溶けにくくなり「高尿酸血症」と呼ばれます。 つまり「高尿酸血症」は尿酸が結品になって痛風になりやすい状 態なのです。 なお女性の血清尿酸値は男 性より低い傾向にあり、閉経 後には少し高くなります。 尿 9
痛風の治療は 3 段階あります。 第 1 段階痛風発作を抑える対症療法 痛風発作時には、消炎鎮痛剤 ( インドメタシン、ナプロキセン、 プラノブロフェンなど ) が短期間のみ使われます。発作のおこり始 めに、「これはくるぞ」というような前兆症状があれば、コルヒチン 1 錠が有効です。痛風がおこってから尿酸値を下げる薬をのみ 始めると、痛風発作は逆にひどくなる場合があります。尿酸値を 下げる薬は、発作が治まってから開始します。 第 2 段階血清尿酸値を下げる原因療法 痛風発作が治ったから痛風が治ったわけではありません。 痛風発作の原因である尿酸値を低く抑えておかなければ痛 風発作も繰り返し、様々な内臓障害がでてきます。 血清尿酸値を下げる薬には、からだの中で尿酸をできにくく する薬 ( アロプリノール ) と、尿の中へ尿酸を追いだしやすく する薬 ( べンズプロマロン、プロベネシド ) があります。この 種の薬は発作の有無にかかわらす相当長期間、場合によって は一生のみ続ける必要があります。
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していたたきたいこと 尿酸を下げる薬は相当長期間 症状がないからといって尿酸を下げる薬をやめたり、勝手に量を 加減したりすると血清尿酸値はすぐに高くな ります。これでは痛風の発作か おきたり、腎臓の障害が進むの でよくありません。 ーリし 0 尿のアルカリ化が大切です。 尿が酸性だと尿酸は溶けにくく、尿路結石の原因になります。 この場合、尿をアルカリ性にする薬が使われますが、日常生活 でも野菜、海藻、牛乳などのアルカリ性食品と水分を十分にと るように心掛けましよう。 0