ますし、伝える意思の強さ、深さも 推し量れるというものです。それが 贈り物のセンスでしよう。 ・品選びのポイント では、その品選びですが、ポイン その人間関係をうまく保つ方法の トを述べてみましよう。第一は贈る 一つが贈り物です。贈り物は、贈り ・贈り物は心の代弁者 手の心を受け手に伝えるための手段目的に合わせることです。お祝いか、 いつでも、だれでも、人から物をであり、それによって、人の心と心お礼か、慰めか、あるいはごぶさた 伺いかなど、伝えたい心にふさわし にふれあいをもたらし、よりスムー そ 贈られるのはうれしいもの い品を選ぶことが大切です。 れは、自分に心をかけてくれる人がズに、より密接なものへと進めます。 第二には、先方と自分との関係に つまり、贈り物は人の心の代弁者 いる、ということの証 ( あかし ) だ であり、相手に伝えたい意思を表すふさわしいものという点です。親し からです。 い間柄かピジネスライクの関係か、 ものでなければなりません。意味の 人は他人とのふれあい、かかわり よ ) 曽り物はあり得ないのです。仮あるいは格式をもって接する相手か あいの中で生きていくもので、そのオし員 にあっても、それは人の心を動かすといったことです。つまり、先方の かかわりあいやふれあいが好ましい しい間柄かど、つか 心の奧まで入って、 ものにはならないでしよう。 関係であればあるほど、人生が潤い により、贈っていい品、悪い品があ 贈り物が心の表れであるとすれは、 豊かなものになります。言い換えれ ば、人間関係をうまく保つことのでその品物の選び方、贈るタイミング、ります。もちろん、年齢や性別など きる人ほど、実りの多い人生を送る贈る方法が重要です。伝えたい心をも考慮しなければいけません。 第三は、相手にふさわしい品、つ ことができるといえるのではないでより効果的に表す品、時期、方法の 演出で、贈り手の人柄までしのばれまり相手が喜んでくれる物でなけれ ー ) よ、つ、か 贈り物とは
喜んでもらえる品を贈りたいもので す。 六十歳、七十歳なら派手なスポー ッシャツやセーターでもよく、ステ ッキとか散歩用の靴、きもの、羽根 布団、毛布、座布団、座いすのほか、 茶器、硯箱、碁盤、壁掛けなど。健 康で趣味的な生活にふさわしい品が 喜ばれます。 水引きは紅白か金銀で蝶繻び。表 書きは「お祝」「寿」です。 新築祝い 新しい住居の購入は、その人にと 新調を手伝ってもよいでしよう。住 っては大きな喜びです。親しい人た居の状況、好みがわかっていれは、 ちもその成果を大いに祝ってあげま壁掛け、鏡、サイドテープルなどの ーレよ、つ 0 調度品を祝いますが、先方に希望を 身内などごく親しい間柄なら、前きけないとか様子が不明の場合は、 タオ もって必要な調度品、例えば照明器テープルセンター、スリ くつあっ・ ル、花瓶、鉢植えなど、 具とかカーテン、カーベッ 、庭木 しいものや消耗品が無難です。 などを請負ってあげるとか、女性同ても、 新築祝いは、親しい人と披露に招 士なら洗面所やトイレ、台所用品の かれた人が贈ればい、 しのですが、ち よっと祝意を表したいという場合に は、この後者の消耗品、実用品にし たいもの。なお、ライターなど火に 関する品はご法度です。 み 体裁は、紅白蝶結びで「お祝」と 鍋します。 プ ナ ス ロ ク
る人へ、ふつうのお友だちでいたい といいたければ、誕生日のプレゼン トに無味乾燥な実用品を選び、逆に 特別の関係になりたい相手へは、ア 贈る心と品物のイメージ クセサリーなど趣味性の高い品を贈 ります。 手みやげなども同様で、親しい友 れこそ贈り物の妙味でしよう。「愛 しています」と一一一〔う代わりに深紅の人と裸のお付き合いをしたいなら、 贈り物上手とは バラを贈るとか、「あなたのおそばオッにすました菓子折でなく、湯気 贈り物上手といわれる人は、品物に 」という意味をネクタイやべのたっ肉まんや焼きいもを持って訪 引するとか、泥のついたしやがいも のもつイメージを的確にとらえ、届ンダント、あるいは手帳にしのばせるド をお歳暮にします。逆に、改まって けたい心によって使い分けられるセなど、心憎い表現です。逆に別れたい 頼みごとをするときは、塩せんべい ンスの持ち主です。品物にはそれぞときには、あざみやきんせんかの花 れ個性や特徴がありますから、それで意思表示をしたり、 ハンカチに託や惣菜の詰め合わせではおかしな取 に自分の心を重ね合わせて贈るのでします。勘のいい人へはせつけんをり合わせでしよう。また、ビジネス す。 ライクの付き合いなのにアクセサリ 贈って″水に流して″との忌思を伝 ーや香水などをもらったら、なれな 言葉で表せない心、さりげなく伝えることもできるでしよう。 れしすぎて気持ちが悪いし、逆に実 えたい意思を品物に託して贈る、こ 恋人のつもりで親密感を示してく 家の両親や親友に調味料の詰め合わ せを届けたら心がこもりません。 一化に一一一口 ~ 果があるよ、つに、 ロ明物」 ~ も 意味があるのです。その言葉をうま く使って、届けたい心を相手に伝え、 4 0
しかし、熟年世代の父親族がいち 器う手配してあげるのも一方法。いす ばん求めているのは、子供と連れだ れにしても、要は自分にはまだこん な楽しみがあると感してもら、つこと って飲み歩くことかもしれません。 子どもたちがそろって「おやしご招待」 品物や現金を贈るには、紅白蝶結 をしたら、互いに違った面の親、子一 を発見し、新たなコミュニケートが びで「祝敬老」と書きますが、好き できるのではないでしようか。 な品を買ってもらうつもりの現金な ら「御背広」とか「お召物」などと 品名を記してもよいでしよう。旅行 敬老の日 券なども封筒に入れ、きちんと体裁 を整、んるか、目録をつけます。 お年寄りに楽しみや生きがいを与 えるのが最高の贈り物。自分もまだ 若い人たちに認められている、共に お中元・お歳暮 生活できるという気持ちを抱かせて 日ごろ世話になっている方、ごぶ あげるのがコツです。 さたがちの人、親交を深めたい人た 品物なら趣味の品や旅行券、おし。 ちに季節のあいさっとして贈るのが、 やれ用品をはしめ、腱康にちなむもの会食会や、お年寄り同士、親しい のとして散歩ぐっやステッキ、安ら友人、知人が一堂に会して旧交を温お中元とお歳暮です。 贈る範囲は、夫妻それぞれの実家 ぎを贈るなら寝具、座布団などが考めるチャンスを提供する方法もあり 仲人、家庭教 の両親やきようだい、 えられます。お孫さんが肩たたき券ます。そうした会合ができるよう一 や背中流し券の回数券を贈って喜ば 日わが家を開放し、裏方としてのお師、おけいこごとの先生、家庭医、 れたという話もあります。 遠方にいる旧友や親しい人などが一 手伝いをプレゼントするわけです。 品物以外では、子や孫が集まってあるいは、仲のよい方と旅をするよ 般的で、共働き家庭なら、留守の間 0 ′
00 内容、年配によって、のし紙 ( 蝶 はもちろんで、形式を必要とするな 結び ) 、リポンがけのどちらでも構い らかつおぶしゃ砂糖などの祝儀品、 ません。 こだわらないときは実用的なタオル、 せつけん、家庭用品、食器、寝具、 嗜好品が使われます。また、結婚や 内祝い 出産、賀寿などで、本人と親しい相 かっては祝い事があると、その喜 手には記念になるよ、つ、陶器、器、 びを知人に分けえるという意味で 調度品の方がふさわしいでしよう。 り物をする習慣があり、それを内 結婚内祝いは紅白十本結び切りで、 祝いと、 しいます。最近では、祝って 他は紅白五本の蝶結びののし紙に「内 くれた人、祝い事に力になってくれ 4 ↑」としま亠 9 。 たような人に対してだけ内祝いをす なお、贈られたら贈り返すという るのが一般化したため、内祝いがお ~ 器短絡的な贈答習慣はなるべくなくす 漆 祝いのお返し的な意味に変化してい べきで、互いの慶事などに際して心 ます。 とされます。また、。 フライベ ートなをかけ合うことが、相手への感謝の 祝い事のお返しは″倍返し〃など 祝い事、例えば誕生日や成人式など気持ちだと考えたいものです。お返 といわれましたが、これも今では半と、年中行事の中の贈り物に対してしに頭を悩ますばっかりに、お付き 額程度が常識で、上の人に薄く、下は、互いに祝い合し 、、贈り合、つのか合いか、フっと、つしいものになったら、 の人に厚くするのがエチケットです。返礼で、そのつどお返しはしません。本末転倒、原点を忘れた付き合いだ そして、結婚とか受賞祝いのように 内祝いは、祝い事の約一月以内に とい、つことん心に刻んでおきましょ 本人の幸せや名誉の度合いが大きい しますが、就職祝いなどに対しては う。このことは「弔事の返礼」「お 祝い事ではやや多め、その他は少な 初月給、初ポーナスのときがよいで見舞いのお礼」の項目にも通じるこ めで、三分の一程度の返礼でもよい しよう。品物は、先方に合わせるのとです。
万年筆、電卓、名刺入れ、ペンケース、キーホルダー 使いこなせるものを選びましよう。 る衣類、帽子、靴などを三月末からしなくても社会人としての生活に入 るわけですから、それなりのスター 祖父母など親類から少し高価なも四月ごろに贈ります。 のを祝うときは、親と相談して、一 . 一 進学祝いなら、その年齢にふさわ トを祝います。社会人として必要な 5 三月ごろに勉強机や本棚、ランドしい必需品や生活用品を。例えば、身の回り品を贈るはか、知識やエチ セル、通学服などを贈り、入学準備万年筆、時計、辞書、衣類、ルームケットを贈る方法もあります。 、図書券など。一人暮品物なら、男性へはワイシャツ、 の手助けをすればよく、その他の場アクセサリ ネクタイ、ベルト、財布、名刺入れ、 合は学用品、スケッチブック、スポらしを始める大学生には、家庭用品 ンドバッグ、 ーツ用品などのほか、ふだん着になや料理ブック、アクセサリーやハン女性へはプラウス、 ドバッグなども役立ちます。のし紙化粧バッグ、手袋、アクセサリーな をかけるなら紅白蝶結び、表書きは ど。親しさに応した金額の品を選べ ばよいでしよう。無形のものとして 「お祝」「祝入学」です。 7 は、レストランやバーに招待して、 そ、つした場所になれさせるとか新 卒業・就職祝い しい生活に役立ちそうな知人、友人 成長過程の子どもには、卒業とい を紹介することです。旅行券や観劇 う過去を記念するより、次の段階へ券なども感性やセンスを育てるすて のスタートとして祝う方がふさわしきなプレゼントになるでしよう。こ いでしよう。従って、卒業祝いとい うした贈り物は先輩や兄姉からの祝 うのは親しい人が集まって会食会で いに好適です。 もすればよく、祝い品は将来の生活 就職祝いを贈る時期は、内定後す を祝う方向で考え、進学もしくは就 ぐの必要はなく、一般には三月から 職祝いという形になります。 四月ごろにしますが、親類が背広な 学窓を離れるときは、たとえ就職どを祝うなら、早めにしてあげまし
世話になる近所の家や管理人さんへん。 好むそばに風鈴を添えたり、珍味入 も感謝の気持ちで届けたいものです。 時期は、お中元は六月下旬からヒれをプラスさせるわけです。上司や 職場の上司や先輩へはその職場内で月十五日まで、ただし、お盆が月遅仲人へは体裁や礼儀をわきまえる必 の習贐に従うのがいちはんですが、 れの地方ではヒ月下旬から八月十五要がありますから、予算内で最高に ふつうは、日ごろ特に世話になると 日までで、それを過ぎたら「暑中おなる品を選ぶとか、郷里の名産、珍 かよくごちそ、つしても、ら、つよ、つな 扣し」とか「残暑御見舞い」としま味などカよいでしよう。義理的要素 場合にかぎり、感謝の気持ちを表すす。お歳暮は十一月下旬から十二月の強い人へは、個羅的でない品、つ まり実用的な消耗品が適します。 程度でしよう。子供の学校の先生も末日まで。年内に届きそうにもない 同様で、特別に世話になった場合をときは、い 中元、歳暮に毎年同じ品を贈って っそのこと年が明けてか 印象づけるのも一方法ですが、時期 除き、個人的に贈る必要はありませら「お年賀」か「寒中お見舞い」に 亠 9 るとよいでしよ、つ。 にこだわらす、郷里の産物の出荷時 品物は、贈る相手との関係、その に合わせて、新茶、しいたけ、まっ 人の好み、価値観、生活環境に合わたけなどを例年届けて感謝の心を表 せます。両親など身内へは、形式よす方法も印象的です。 り内容で、親しいからこそ贈れる品 を探します。日ごろ欲しが「ているク , リ・スマス 品、そのシーズに必要とする品、好 物、あると便利な品などから選びた 信仰とは関係なく、 一年の締めく せ わいもの。 くりに際して、親しい人同十でプレ め親しい友人や先輩へも同様の配慮ゼントを交換する習慣が日本にも定 のと同時に、自分ならではの個性の表着しつつあります。お歳暮が感謝の れたものが適し、たとえば、先方が 心を主目的とするのに対し、クリス っ せ 一 0 0
0 品物とイメージ一覧 イメージ 品名 和 ~ 果子 、親しみ 手みやげ、ご京さた伺いに ケーキ 集い、だんらん 和菓子よりモダンなイメージで チョコレート スイートな魅力、好意 男性から女性へは愛の告白、女性から男性へは友愛 ピール・清」保飲料 ~ 保しさ、憩い お中元、暑中見舞いに くつろぎ、だんらん 祝音 ~ をはしめ、信頼、感謝のしるしに 食用油 健康 家庭向けの贈答に ゆとり、くつろぎ、不老お茶を濁すといって嫌う人もいるが、年配者や茶人には喜ばれる。弔事の返礼 タオル 清絜 一般的贈屮物、返礼品 せつけん 清潔、洗い清める 慶弔の返礼、手軽なあいさつなどに向く 清らかな安らぎ お中元、返礼用に。柄によっては親密さを表現 寝具 安らぎ、健康 お年寄り、病気がちの方へ。毛布は幅広く利用 寝間着・下着 清潔、保護 高齢者以外には、身内など親しい間柄での贈り物。異性へは特に避けること ゆかた 」保しさ お中元などに。母、父の日にもふさわしい 自己顕一小 成人、就職、受賞など門出や栄誉を祝う ネクタイ 首ったけ 恋人や身内以外の異性へは贈らない ベルト ( 紳士用 ) 親密、腹を締めてかかれ後輩、友人の門出に、親しみをこめて プローチ 親密 親しい間柄や身内間での贈答品 ネックレス・指輪首ったけ・愛のあかし 恋人や身内以外の異性へは贈らない 勤勉であれ 時計 「働け」という意味から、目上や同僚から贈るもの。 目上の人へは禁物。定年退職者へは不向き 勤勉であれ 書類カバン 責任を持て 親、仲人、上司などが贈る品 照明器具 明るく豊かな夢を 新築、開業、結婚祝いに スポーツ用品 健康であれ 誕生日、敬老などに親しい人からの贈り物 ゆとり 趣味の品 くつろぎ 若い人が現役の先輩や上司に贈るのは控えたい。 親族ならよい
には、贈り物の体裁にも格式をもた 包みを見ただけで、中身が何かわか 印刷した紙で包みます。 るようにしたそうですが、現在ではせ、逆に手みやげ、自家製品のおす この「水引き」の色と結び方が、贈 そこまではしなくなりました。ただ、 そ分けなら、手近かにある紙に包むる目的によって異なります。この形 吉昏祝いや受賞祝い、あるいは賀寿だけ、というようにします。一般に もかってはいろいろありましたが、 守いなど、かなり重みのある祝い事は、「のし紙」という「水引き」を現在では本結びである結び切りと、 毛な夘な 御劜 , 椅町オム 田 , 林本 目上の人を中央にして順次左へ 私づ , 褥 目上の人を宛名の下にして順次右へ 4
す。 引っ越す側は、移転数日前には近 所にお礼と報告のあいさつに回り、 お世話になった家には ~ 果子折かタオ その他の贈り物 ル程度を配ります。 転居先でも同様に、荷を運び込ん でしよ、つ。 だらすぐに向う三軒両隣など、地面 移転の二週間前くらいに、送り出を接しているお宅とその地区の自治 引っ越し す側の人が主催して転居する人を招会の役員宅にあいさっしましよう。 同じ地域で親しく交際している方 く形をとれば、それがせんべつになり集合住宅なら、管理人と共通の階段 が転居されるのはさびしいもの。せます。手料理持ち寄りの昼食会でよを使う家や両隣りです。名刺代わり めてこれまでの親交に感謝しお互い 記念の品を一同でプレゼントしの品として、せつけん、タオレ、まゞ ノ ( カ 2 の将来が豊かに広がることを期して、 てもよいでしよう。その土地の名産きなどに姓名を記して配りますが、 送別会を開くのも一方法です。人生とか家庭用品など、思い出になるも なるべく夫妻そろって顔合わせをし、 のある時期、共にかかわった日々がのにします。 心に刻まれ、より深い田 5 い出になる ちょっとごあいさつだけ、という 「【ー ) ~ 、き - 一ミ程度の付き合いなら、荷物にならな いテープルセンターとかエプロン、 プ 引っ越し早々役立つようふきんなど お茶の差し入れも気が利いた心遣い一 です。いずれにしても重荷にならす、一 ( - 心の温かさに触れる接し方がコツで 一ま藤第壥降 - = 一崋 ふきんセット