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検索対象: お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人
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1. お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

* 昔は日本人にも、お金は不浄なものという考え方があった け「今、なにが一番欲しいですか」と聞かれたら、フランス人の多くはきっと、愛と答 をえるにちがいない。同じ間いに対して日本人は、お金と答える。 時フランス人たちはこう思う、なにが一番欲しいかと聞いてきた人がお金をくれるは ムずはないと。現金を人にあげる習慣がフランスにないからだ。そして心のどこかで、 ホ多くのフランス人はこう思っている、お金は人を堕落させると。 マひと昔前には私たち日本人にも、お金は不浄なものという考え方があった。お金を 金触った手は、すぐに洗わないと不潔だというのも、その表れにちがいない。そのくせ 一方で庶民は、地獄の沙汰も金しだいだとも思っていたわけだ。お金の力がわかって いても、それには屈しないぞという意気込みが、私たち日本人にも昔はあった。残念 お金は万能選手なんかじゃない

2. お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

吉村葉子① 金がなくても 平気なフランス人 9 7 8 4 0 6 2 7 5 6 5 2 7 おお 吉村葉子金僉 1 9 2 01 9 5 0 0 5 5 5 0 がか あな お金がなくても平気なフランス人 てて お金があっても不安な日本人 金があっても もも 定価 : 本体 533 円 ( 税別 ) 、平 安気 不安な日本人 なな 人 Le franqais heureux meme sans argent 旧 BN978 ー 4-06-275632-7 C0195 ¥ 533E ( 0 ) 吉村葉子 ( よしむら・ようこ ) 1952 年神奈川県藤沢市生まれ。立教大学経済 学部卒業。 20 年間のパリ滞在を通じ、フラン スおよびヨーロッパ全域を対象に取材、執筆 を続ける。日常生活に根ざした工ッセイなど 著作多数。現在は神楽坂を拠点に、講演活動 も行っている。また、男女の愛を語る小説や 翻訳物も出版。日本家政学会食文化研究部会 会員。主な著書に、「バリ 20 区物語』「恋愛上 手なパリジェンヌに学ぶ「愛されるヒント」』 「少しのお金で優雅に生きる方法』『激しく家 庭的なフランス人愛し足りない日本人』「お 金をかけずに食を楽しむフランス人お金を かけても満足できない日本人』「フランスの 田舎町一芸術家たちが愛した風景』などがあ る。 http://www.yokoyoshimu 「 a.com パリ区物語 パリ近郊の小さな旅イル・ド・フランスの魅惑 作お金がなくても平気なフランス人 社子お金があっても不安な日本人 火火葉 激しく家庭的なフランス人 講村愛し足りない日本人 お金をかけすに食を楽しむフランス人 お金をかけても満足できない日本人 ロロ 、えないモノは欲しがらない。お金を 出さすにあるモノで、心豊かな節約 生活を送るフランス人。子育て、貯金、 マイホームから、バカンス、冠婚葬祭ま で、二〇年間パリで暮らした著者が、肌 で感じたフランス人の知恵。本当に大切 なものを見極め、自分の価値観で人生を 充実させる、楽しくおトクなエッセイ集。 Yoshimura Yoko Lg japonais anxleux meme avec argent 3 カ デバ イ装 ン画 川藤 上井 成ア 夫キ ヒ ト ノヾ 講談社立庫 火火 一三ロ よ 3 Y533

3. お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

Ⅷながら今の私たちには、言葉のうえだけにしても、そういい切れなくなってしまっ た。ところが、フランス人は今でも、そう思っているのである。お金がすべてではな いし、まして万能選手なんかじゃないと。 サラ金会社の社長が所得番付の上位にランクされている新聞の紙面を見て、そうい う世の中なのだなと、変に納得してしまう私たち。サラ金業者が大儲けをする日本と いう国を嘆くには、私たちはお金に麻痺しすぎている。あげくのはてに所得番付のラ いいな、羨ましいなとまで思っている人も多いのではないだ ンキングを眺めながら、 ろうか。そこにはもはや、お金は不浄なものという感覚は微塵も存在しない しい大学を出た優秀な行員が集まる大手銀行が善良な市民への融資をしぶり、サラ 金業者に融資をする国だから、人心が攪乱されてもしかたがない。しかし最近になっ てだれもが、日本はどこか狂っているということに、うすうす勘づいている。身近な ところでサラ金やマチ金にはまり、につちもさっちもいかなくなっている友人がいた り、商売がたちいかなくて自殺までしたという知り合いがいたりするからだ * 勤勉に働けば金持ちになれるなんて、だれ一人として思っていない 私たちが暮らす日本がこんな世の中だというのに、フランスはどうだろう。無担保 かくらん

4. お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

かいに不平等をなじることはできない。金銭感覚に敏感なフランス人が、ましてや国 民の税金でまかなわれている給付制度だから、豊かな日本を考慮したとして当然だ。 発展途上国からパリに留学にきている若者たちは、貧しい本国の親たちからの仕送り は期待できない。フランス政府からの給付金だけで生活している外国人留学生の生活 を知れば、日本人学生への給費がカットされても仕方がない ュウスケ君はうつむいたまま、カトリーヌに責められつばなしだった。彼もカトリ ーヌはえらいと素直に認めている。六万円相当の奨学金で、屋根裏部屋の家賃と電気 代をまかなっている。週に三日、パリに住んでいる駐在員家庭の子供たちの家庭教師 プをして得た五万円が、食費や交通費、旅行の費用や交際費に充てられる。カトリーヌ 工がいうには、彼女は日本語を話せるから、ほかの学生よりもずっと恵まれているそう てだ。日本人の子供たちの家庭教師という、楽で効率のいいアルバイト先があるから 子だ。アルバイト先の日本人家庭で食べる、豪華な和食も嬉しいと、彼女はいってい ン * アルバイト収入がないから大学生は出費を切り詰めるしかない フランスの子供は塾にも通わないし、家庭教師もほとんどっけないから、学部のう

5. お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

てごく自然のことだと日本人の私たちは思う。子供にしても、自分がこんなに一生懸 命努力しているのだから、親も喜んで援助してくれるにちがいないと。ところが、そ んな親子の協力関係は、フランスにはない。それは彼らお得意の個人主義が徹底して いるからではなく、経済的な独立こそ大人の証にほかならないからだ。選挙権が与え られるのがフランスでは一八歳だから、それを機に成人とみなされる。まだ大学生だ から親がかりでも仕方がないという、エクスキューズは通用しないのである。 フランスでは親子の情愛とはちがう次一兀で、子供も一八歳になれば金銭的に自立し なければならない。そんなフランス人にしてみれば、日本の親子関係がなんとも生ぬ プるいものに見えるにちがいない ス 工高校を卒業して大学に入ったら、親からお金はいっさいもらわないと頑張っている てカトリーヌにとって、日本人のポーイフレンドのイージーな金銭感覚が許せない 子スペインよりのピレネー地方からパリ大学に人り、奨学金とささやかなアルバイト ス収入だけでやりくりしているカトリーヌ。かたやポーイフレンドのユウスケ君には、 ラ日本から毎月一〇〇〇ューロ ( 約一五万円 ) の仕送りが届く。日本人のユウスケ君に は奨学金がないから、親からの生活費の仕送りはカトリーヌも認めないわけではない 幻が、ことあるごとに福島の実家に国際電話で送金を頼むュウスケ君のやりかたが気に

6. お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

ーニュépargne は貯金で logement が住宅、つまり住宅貯金のことである。 目の前に買いたい物件がなくても、少し余裕ができるとフランスではだれもがエバ ーニュ・ロジュモンをはじめる。そしていっか自分の家を持ちたいという夢を実現す るために、積立貯金をはじめる。月々の積立金は五〇〇〇円からでもいい。早い時期 にはじめておけば、それだけ銀行との信頼関係も深まり、実際に買いたい物件が出た 時点で、融資が受けやすいシステムになっている。同じパリ市内といっても、区によ って価格はまちまち。値段の高い市内のアパート購人をあきらめ、郊外に一軒家を購 て 入するケースも多い。または自宅は賃貸のままでいいから、パリから離れた自然環境 をの中に、メゾン・ド・カンパ ーニュと呼ばれるセカンドハウスを購人するカップルも 時いる。 ム購入資金の融資に関しては、借りる本人の職業や頭金の額よりも、銀行で地道に住 ホ宅積み立て貯金をしていたという実績が、高く評価されるのである。そこには借り手 マが自由業だからという貸し渋りもなければ、職種によるハンデイもない 金カフェのギャルソンだからといって、貸し渋る銀行があったとしたら、無名の画家 だからといって家のローンが組めないような銀行があったとしたら、そんな銀行はフ ランスならすぐさま倒産するにちがいない。まっとうに税金をはらっていれば、そし

7. お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

着も試着するパリジェンヌの慎重さには頭が下がる。それよりもなによりも、彼女た ちのしつこいまでの試着につきそう店員もえらい お客様は神様なんかではないフランスだから、店員はだれも無愛想このうえない だが、彼女たちは知っている、お客はとことん気に人ったモノしか買わないというこ とを。彼女たちも買う側になったとしたらそうだから、お客もクオリティーとプライ 活スに納得し、これぞと思うモノしか買わないということを。 で モ る あ 出 を 金 お

8. お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

目次 はじめに : 第一章お金を出さすにあるモノで、心豊かな生活 = 基本的にフランス人はお金を使わないですませようとする : フランスにはコンビニはない。でも別に困らない : モノの値段にとてもシビアな人たち : : : ち マルシェが作る、生活のリズム : 「ポイ捨て」は禁句。「もったいない」は金句 : ・ 残り野菜が次の日のご馳走になる : 自動販売機のない国 : ・ 日本には買いたいモノが多すぎる :

9. お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

葉子さん こぼれ話 ①葉子さんの デンワは 短くて ショーグキ的 : ・わ ) リサちゃん 金よう日 - っ - ちに きませんか ? ひとりでも 、らっしゃい CJ グッパイを あんなに かっこ良く 一言える人を わたしは 、知りません・・ じゃあね グッパイ " " ・。②葉子さんの ハガキ : 葉子さんはあんなに 料理が上手でキレイ なのに 絵がすごい へタです : しょ - っ、て このように② 葉子さんは すてきな人です・ :

10. お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

221 フランス流子育てのエスプリ 気がします。それに、彼女の家には、経済的な余裕がないですよ」 フランスでも親に経済的な余裕があったら、 リで学生をしている息子や娘が実家 に戻れば、実家を往復する交通費くらいはお小遣いとして与えるにちがいない。お小 うんでい 遣いにしろ、あるとないとでは雲泥の差だ。だがそれは、子供が大学生のうちだけな のはまちがいない。社会人になった娘や息子に助け舟をだしたら、それこそわが子を 冒濆することになる。 孫の私立小学校の入学金を祖父母が出すこともあるという話をカトリーヌが聞いた ら、彼女の思考回路はまちがいなくパンクする。