レベッカ - みる会図書館


検索対象: ならずものがやってくる
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1. ならずものがやってくる

三人で作った決まりを、自分一人で変えちゃったわけ ? 」 「変えたわけじゃない。 うつかり破ったんだ。たった一度くらい、うつかりすることがあってもいし だろう ? 」 レベッカは眉を上げた。彼女が自分を見ているのを感じた。 「なぜいまになって ? 」と彼女は言っ た。「長いことすっとそうしてたのに、なぜ今日 : : : わたしには納得できない」 「納得しないといけないことなど、ないさ ! 」アレックスはそう言いたてたが、頭のなかでは思って なぜ彼女は気づいたんだろう ? そして次に、彼女は何に気づいてるんだろう ? と。 二人はそこに立ったまま、消えゆく光のなか、互いを見ていた。キャラⅡアンはおとなしく待って いた。キャンディーのことは忘れたらしい。水上散歩道にはもうほとんど人がいなくなっていた。べ ニーとの契約を、レベッカに言うべきときだった いまだ、いましかないー だがアレックスは 麻痺したようになっていた。その報告はすでに汚れてしまった気がした。レベッカに e を打ちたいと、 狂おしいまでに思った。頭のなかでその文章を組み立てさえした。ーーー数週間ノ仕事モラッタ。儲カ ル仕事。ドウカ大目ニ見テ。 「行きましよう」とレベッカが言った。 アレックスはキャラⅡアンを抱え、抱っこ紐に戻した。暗いなか、彼らは水の壁を降りていった。 薄暗い通りを歩きながら、気づくとアレックスはレベッカに出会った日のことを思い出していた。狼 マスクのハンドバッグ泥棒を追いかけ、捕まえそこねたそのあとで、アレックスは彼女を誘い、一緒 にビールを飲みブリトーを食べた。その後アベニ = ] の彼女の下宿で、三人のルームメイトを避け て屋上でセックスした。まだレベッカの名字さえ知らなかった。そこまで回想した瞬間、唐突に、何 ー 411 ー

2. ならずものがやってくる

ともかく訂正はしなかった。 「何が欲しいの ? かわいい子」レベッカがキャラⅡアンに訊く。一日仕事に出ていたあとでは、し ばしば娘にひどく気を使う ( とアレックスには思える ) 。 キャンディー」 レベッカは訝しげにアレックスを見た。「キャンディーなんて持ってるの ? 」 「持ってないさ。もちろん」 彼らは西へと急いでいた。日没前に河へ着きたいのだ。温暖化を防ぐために地球の軌道が " 調整。 された結果、冬は昼の時間が短くなり、一月の現在は日の入り時刻が四時二十三分なのだ。 「キャラⅡアンを見ましようか ? 」とレベッカ。 彼女は娘を抱っこ紐から持ち上げ、煤けた舗道へ降ろした。娘は案山子のような足取りで、ぎくし。 レベッカは やくと何歩か歩いた。「キャラⅡアンが歩いてたら間に合わないよ」アレックスが言い、 娘を抱き上げて、さっきよりも早足で歩いた。アレックスは今日、図書館の前にいて、妻を驚かせた のだった。アパートにいると聞こえる工事の騒音を避けるため、このごろそうすることが増えた。し かし今日図書館で待ち伏せしたのは、さらなる理由があったのだ。彼はべニーとの取り決めを妻に話 もはや先延ばしにすることはできない。 さなければならない。 ハドソン河に着くころには、太陽はすでに " 水の壁。の向こうに沈んでしまっていた。だが階段を 曻り、一面に水の流れるその壁の上部の、 " 水上散歩道。と書かれた板作りの足場までやってくると、 太陽はまだ空にあるのが見えた。オレンジがかった濃紅で、ホーポーケン地区の上あたりにかかって レベッカが下へ降ろした。娘は " 水の壁。の端の、鉄のフ いる。「おりる」とキャラⅡアンが一一 = ロい、 いふか

3. ならずものがやってくる

る人々は、その数よりすっと多いからだ。いまやスコッティは神話の域に人った。誰もが自分のもの にしたがっている。それもきっと理にかなっている。神話とは万人のものではないかっ べニーはスコッティを見守る傍ら、憑かれたように端末を操作していた。アレックスはその隣に立 ち、周囲で起きつつあることを感じ取っていた。すでに起こってしまったことを、思い返すかのよう 。冫いたいと、ぼんやりと、やがて痛いほどに強く思った。 な気持ちで。レベッカとキャラⅡアンのそ、よこ アレックスの端末は、妻の端末の位置を容易に特定できたが、その区画にいる大勢の人間から彼女を 実際に見つけ出すには、ズームを使いつつ何分もスキャンを行わねばならなかった。その過程で彼の カメラは、大人の幾つもの恍惚とした顔、ときに涙に濡れた顔を拾った。幼児たちは大はしゃぎで、 まだ生え揃わない歯を見せて笑っていた。そして若者たち。たとえばルルはいま、彫像のような黒人 ノウスマンを見つめている。彼らの世 の青年と手を繋ぎ、うっとりとした喜びのうちにスコッティ・、 代が崇敬できる対象を、いまやっと見出したのだ。 そしてアレックスはとうとうレベッカを見つけた。微笑み、キャラⅡアンを腕に抱いている。彼女 は踊っていた。だが母娘はあまりにも遠く、アレックスには手が届かなかった。その距離は取り返し のつかない、深い亀裂のように感しられた。レベッカの絹のような目蓋に触れることも、娘のあばら スーム機能を使わなければ、二人を 骨越しに、せわしなく動く心臓の音を聞くことももうできない。。 ドウカボクヲ待ッテテ。 見ることすらできないのだ。やる瀬なさのうちに、レベッカにを打った 我ガ美シイ妻ョ。そして彼女の顔にズームを向けたまま、レベッカが振動に気づいて踊るのをやめ、 端末に手を伸ばすまで、見ていた。 - 426 ー

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エンスへと走っていった。この時間、そこはいつも人でいつ。よ : こった。 , 。しナ彼らも ( アレックスと同し ように ) この " 水の壁。ができてしまうまでは、タ焼けなど気にも留めていなかったはすだ。でもい まはそれを切望している。キャラⅡアンを追って人混みに紛れながら、アレックスはレベッカの手を 取った。彼の知っている限りすっと、レベッカは冴えない眼鏡をかけていて、そのセクシーな魅力を 減じている。ディック・スマートみたいに見えることもあれば、キャットウーマンみたいに見えるこ ともある。その眼鏡は彼女のセクシーさを隠しきれないのであり、アレックスはそこが好きだった。 だが最近は、そうでもなくなりつつある。この歳にして早くも増えてきた白髪や度重なる寝不足のた めに、変装小道具みたいだった眼鏡の冴えなさが、むしろ真の姿になりつつあるのではとアレックス は恐れていた。レベッカは大学教師の業務にせわしなく追い立てられていた。論文を書きながら、同 時に二つの講座を教え、複数の委員会に出席していた。この構図のなかで自分の位置を思うと、アレ ぶち ックスは落ち込んだーーー自分の食い扶持を稼ぐこともできない、年取った音楽マニア。自分の妻から その生命を ( 少なくともそのセクシーな魅力を ) 、吸い取って生きている男。 レベッカはアカデミズムにおけるスターだった。最新の著作は″一一 = ロ葉の外皮〃現象について書かれ ていた。これは彼女の造語であり、もはや引用符なしでは何も意味しない単語のことを指していた。 と 英語はそうした空っぽな言葉で溢れている ′フレンド / とカ″リアル / とカ、′ストーリー か″チェンジ″とか″アイデンティティー ′サーチ″″クラウド。などは明らかに、ネット用語 として使われることで生命を失った。もっと複雑な事情を抱えた言葉もあるーーたとえば " アメリカ 人。はいつの間に、皮肉な言葉になったのだろう ? ″デモクラシ】。はどうして、冷笑的でねし曲 がった使われ方しかされなくなったのか ? - 409 ー

5. ならずものがやってくる

太陽が消えてしまうまでの数秒は、沈黙が人々を包み込む。キャラⅡアンでさえ、レベッカの腕の なかでしっと押し黙っていた。アレックスはタ陽の残滓を、顔と閉した目蓋に受けながら、そのかす ーの水音を耳で聞いていた。太陽が見えなくなったとたん、 かなあたたかみを味わい、過ぎゅくフェリ まるで魔法が解けたように人々が動きはしめた。「おりる」とキャラⅡアンが言い、水上散歩道を歩 き出した。レベッカが笑いながら、そのあとを追いかける。アレックスはこの隙に、すばやく端末を チェックした。 しゆでい、考工中 さんちょ O かる、絶対ャダッテ それそれのメッセ ] ジのなかに、この午後のあいだに馴染み深いものとなった感情の取り合わせが、 透けて見えるような気がしたーー承諾の答えには、軽蔑と綯い交ぜになった勝利の喜び、断りの答え には、見上げたものだという称賛の人り混じった落胆。アレックスが返信を打っていると、ばたばこ と駆けてくる足音とともに、娘の泣いて欲しがる声が聞こえてきた。「キャアアアアンデイイー ! 」 アレックスはさっと端末を隠したが、すでに手遅れだった。キャラⅡアンが彼のジ ] ンズをんでい る。「あたちの」と娘は言った。 レベッカがそっと近づいてきた。「キャンディ ] って、それだったわけね 「らしいね」 「キャラⅡアンに触らせたの ? 」 「たった一度だけだぜ ? 」言いつつも、アレックスの心臓は高鳴っていた。 ざんし - 410 ー

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「ええ、そう聞いたわ」とレベッカ。「もう八人くらいから同じことを聞いてる。おかしな気がする ほどよ」 「おかしくなんてないわ、ナターシャが甲高く笑った。「その人たち、お金をもらってるんだから」 アレックスは俄かに顔が火照るのを感じた。ナターシャのほうを見るのがつらかった。しかし彼女が 何も知らすにそう言っているのは明らカた。。 ゞスースはすべてを秘密裏に運んでいる。 「でもそれ、みんなわたしの知り合いなのよ」とレベッカが言った。 曲がり角に来るごとに、また新たに知り合いに出くわすというような日だった。古い友人、友人の 友人、知人、あるいは知っているような気がする人。アレックスはあまりに長くこの街にいて、どこ で彼らと知り合ったか思い出せないほどだった。をしていたクラブで ? 秘書として働いた法律 事務所で ? メンバーを寄せ集めては何年も続けた、トン。フキンズ・スクエア公園でのバスケットボ ールだろうか ? 二十四歳で初めてニュ ーヨークへ来たその日から、すでにもう明日にでもこの街を 出ていくような気がすっとしていたーーー現在でも、よりよい仕事とより安く暮らせる場所が見つかれ ば、彼とレベッカはいつだってここを飛び出す用意がある。それなのにいつの間にか、マンハッタン しゅうの人間と少なくとも一度は会ったことがある気分がするほどに、長い年月が経ってしまったの だ。このなかにサーシャがいるだろうかと、アレックスは考えた。ぼんやりと見覚えのある顔たちの なかから、無意識に彼女を探そうとした。どんな見た目になっているか見当もっかないのに。この長 い年月の果てにサーシャを見分けられたなら、その報酬としてあの 尸いへの答えが与えられるかのよ 一つに。 あなたも南へ行くところ ? ・ : 噂に聞いたんた。 : : : 対象は子どもだけじゃないらしいよ。 ポインター ー 417 -

7. ならずものがやってくる

( 必要度 0 ) 、よって自分を売るメリットはない。 アレックスは端末の液晶画面を凝視していた。こんなことをしようとする人間はいるんだろうか ? そのとき、すでにひとりいることに気づいたーー彼自身だ。アレックスはレベッカの目からどう見え るかにしたがって、自分をグラフ化していったーーー必要度 9 、波及度 6 、堕落度 0 。べニーが指摘し た通り、アレックスは純粋主義の潔癖性だった。彼は ( 音楽業界にあって ) 不誠実な上司たちに我慢 がならす、もといた会社を去った。そして現在は、ビジネス・アワーに赤ん坊をあやす男を見て寄っ ロ てくる女たちから、日々歩き去っているのである。まったくレベッカとの出会いにしてからが、ハ ウィーン前日、狼のマスクを被った男にハンドバッグを引ったくられていたのを、追いかけてやった のがきっかけだった。だがアレックスはべニー・サラザーには、闘うこともなく屈してしまった。な ぜだろう ? 自分のアパートが間もなく、光も空気も入らない場所になってしまうから ? レベッカ がフルタイムで教えたり書いたりしているあいだ、ただキャラⅡアンと一緒にいる自分が後ろめたい から ? それともこれまでオンラインにポストしてきた自分の情報 ( 好きな色、好きな野菜、好きな 体位など ) が、一バイトに至るまですべて、多国籍企業のデータベースに蓄積されているということ ( 企業は誓ってその情報を利用しないと言っているが ) 言い換えれば、自分は所有されていると いうことが、つねに頭を離れなかったから ? 人生においてもっとも破壊的になっていた時期に、軽 ・サラザ 率にも自分自身を売り渡してしまったのだということが。あるいはそれとも、最初にべニー ーの名前を聞いたのが、すべての始まりのあの時期に、一度だけデートして消えてしまった女の子か らであり、そして今度は、十五年の歳月ののちついに、娘の遊び仲間を通して、べニーと出会ったと いうその奇妙な対称性のためだろうか ? ー 399 ー

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ライプがあるんですって。 そうしたやり取りを九回か十回ほど繰り返したあと、ワシントン・スクエアに来たあたりで、アレ ックスは突如これらの人々全員が、子連れもそうでない者も、独り身も恋人同士も、ゲイだろうとス ハウスマン トレートだろうと、″まっさら″だろうが。ヒアスを開けていようが、全員、スコッティ・ のコンサートに向かっているのだと気づいた。ことごとく全員がである。信しられないという思いが、 波のように押し寄せた。続いて所有とカの感覚がーー・彼はやったのだ、ああ、彼は天才的才能を発揮 したー」ー続いて吐き気がやってきて ( 勝利ではあるけれど、彼には誇ることができない ) 、そして恐 ハウスマンが素晴らしい音楽家ではなかったら ? もしも二流 布がやってきた。もしもスコッティ・ か、それ以下だったら ? だが続いてこんな言葉が、自分で自分に湿布を貼るように、脳内のかた ちでやってきたーーー誰モ知ラナイ。ボクハ目ニ見エナイ。 「大丈夫 ? 」とレベッカが訊いた。 「うん。なぜ ? 「なんだか不安そうだからー 「そうかな ? 」 「さっきからわたしの手を、きつく握りしめてる」言ってから、ボタン穴のような眼鏡の下で微笑み、 付け加えた。「嬉しいけどね」 ・マンハッタンに人っていた ( この場所の子どもの そのころにはもうカナル通りを渡り、ロウワー いまや全米一高かった ) 。アレックスとレベッカとキャラⅡアンは、舗道から溢れ出し 人口密度は、 通りを満たす群衆のなかに紛れていた。交通規制がされ、上空にヘリコ。フターが集まってきていた。

9. ならずものがやってくる

のだ。だがやがて、彼女は″素敵″と書いたわけではないと気づいた。 と言っていたのだ。 コンサートの日は " 季節外れの″陽気だった。気温は三十一度もあり、空気は乾いていた。交差占 へ出た彼らの目に金色の陽射しが斜めに刺さり、地面に伸びた影はおかしなほど長かった。一月には すでに満開だった木々は、いまや躊躇いがちに葉をつけていた。レベッカはキャラⅡアンに、去年の 夏に買ったワンピースを着せた。そしてアレックスとともに三人で、六番街に集まった大勢の若い夫 婦たちに加わり、高層ビルのあいだを歩いていった。キャラⅡアンはアレックスの背中で、チタニウ ム製のおんぶ籠に入っていた。抱っこ紐の代わりとして最近買ったものだ。公共空間の集まりではべ ビーカーは禁止されていた。いざというとき、避難の妨げになるからだ。 このコンサートにどうやってレベッカを誘うべきか、アレックスはさんざん策を練っていたが、結 局その必要はなかったのだ。ある晩キャラⅡアンが寝ついてから、端末をチェックしていた妻は、こ んなふうに言った。「スコッティ・ ハウスマンって : : : このあいだべニ】・サラザーが聴かせてくれ た人よね ? 」 アレックスは心臓のあたりにちょっとした爆発を起こした。「そうだけど。なぜ ? 」 「彼の無料コンサートがこの土曜に、 " 跡地。で開かれるんだって。その話を、なんかしよっちゅう 聞くんだけど。大人も子どもも対象らしいわ」 「へえ」 「べニーと再度接触するチャンスじゃない ? 」べニーがアレックスを雇わなかったことを、彼女はま ナイス ″ニューヨーク市らしいね。 - 415 -

10. ならずものがやってくる

ろと命令する。ここでひとロ食べてみて、どんな味がするか確かめてみろ ! 」クビになったあとべニ ーは、アナログのかすれた音を使った音楽づくりに回帰したが、そうしてできたものはどれも売れな かった。六十歳を目前にして、彼はいまや誰にも顧みられなかった。アレックスが耳にする話のなか で、べニーはつねに過去形で語られた。 キャラⅡアンが生えてきたばかりの大歯を、アヴァの肩に突き立てたとき、台所から駆け込んでき て娘を引き離したのはレベッカだった。寝椅子に座り、禅僧のように落ち着き払っているアレックス を、彼女は当惑したように見た。ルバもまた一緒に入ってきた。黒い目をしたルバは、娘の遊び仲間 の母親のうちでもとくに美しく、そのためアレックスは避けていたのだが、やがてべニーの妻である ことがわかったのだ。 アヴァの傷口に包帯が巻かれ、混乱が収束すると、ルバはべニーの頭にキスをし ( 彼のトレードマ叫 「スコッティの曲をかけてくれるのを、 ークだったもしやもしゃの髪も、いまは白髪になっていた ) 、 わたしずっと待ってるのよーと言った。 自分よりすっと年若いこの妻に、べニーは微笑んだ。「最後に残しておいたのさ」そう言って ハンドセット 端末を操作した。、 ペニーの圧倒的な音響装置ーーーこの装置で聞く音楽は、アレックスには毛穴から まっすぐに人ってくるように感しられた から、脅かすような男声ポーカルと、怒りに満ちたスラ イド・ギタ ] の演奏が解き放たれた。「二、三カ月前にリリースした曲だ」とべニーは言った。「ス コッテ . イ・ ハウスマンた。名前を聞いたことはあるだろう ? ポインタ】に人気があるんだぜ」 アレックスはレベッカを見やった。彼女は″ポインター〃という一一一一口葉を嫌っていて、誰かがキャラ Ⅱアンを指してその語を使うと、丁寧に、だが断固として訂正するのだった。妻は運よく聞いていな