を稼ぐことを何か悪いことをしているみたいな目で見る人が多く、投資に対する マインドも低い 先日、スポーッカーのディーラーの方に「どんな人が買いに来るのですか」と 尋ねたら、「何をやっているかよくわからない人です」という答えが返ってきた。 れ サラリーマンでないこと 彼らがどうやっておカネを儲けているかは不明だが、 は確かだろう。おそらく彼らはクルマを買っているのではなくて、資産に投資し ている感覚なのではないだろうか。一台 5 0 万円以上するスポーッカーは生 」持産台数が少ない希少車種で、供給があまりないから 2 年たっても値段が下がりに 軸 大 分 、。すなわち、価値を保存できるのだ。新車であれば 6 年で償却できるが、償 今 却した税金分は結果的に得をする。これが高級日本車では毎年価値が下がってし 己め ま一つカらそ、つま、、よ、。 の 今、アメリカのクラシックカーの値段も上がっている。趣味でクラシックカー を を購入する人もいるが、資産として買っている人が多くいるから、値段が下がら ないのだ。また、現在、史上最高値を記録している仮想通貨のビットコインもお 第 カネを保存する方法の一つである。既存の通貨が不安になればなるほど、そうい 1 2 5
第 1 章「サラリーマンよ、さようなら」 非効率化しすぎた日本の社会は、やがて戦後に逆戻りする てきたのだ。 では、どういう人材がこれから要求されるようになるのだろうか。その一つが ジェネラリストである。スー ジェネラリストとは、専門的な分 野を複数持つ人のことである。「これもできるし、あれもできる」。そのような複 数の分野でスペシャリストとして能力を発揮する力が求められているのだ。 与えられたことを何でもやるジェネラリストから、一本の専門的な能力を極め るスペシャリストへ、そして今度は、専門的な能力を複数の分野で発揮できる、 ージェネラリストの時代へと世の中は刻々と変化している。 一つは、今述べたようにスー これから我々が生き残る方法は 2 っしかない。 ージェネラリストとして、自分の専門分野を複数持っこと。そしてもう一つは、 ースペシャリスト」、すなわち、 一つの分野におけるプロ中のプロである「スー フロが当卞びにくるよ一つなプロになることである。 わかりやすい例を挙げるなら、ラーメン屋を出店するなら、他のラーメン屋が 修業に来るようなラーメン屋を目指せということである。一つの分野だけで生き ていくには、プロの中でも他とは一線を画すほど、その分野を極めたプロになる
どういう人材がこれから要求されるようになるのか。 これから我々が生き残る方法は 2 っしかない。 一つは「スー ジェネラリスト」として、 自分の専門分野を複数持っこと。 そしてもう一つは、一つの分野における プロ中のプロである「スー ースペシャリスト すなわちプロが学びにくるような プロになることである。
される時代を迎えている。 非正規雇用者から独立を目指せば、サラリーマン比率は減っていく 人件費が低くて経済は回らないのに、なせか労働分配率が世界トップクラスの日本 今、派遣社員がどんどん増えている。非正規雇用が % ぐらいに上がってきて、 正規雇用は 6 割である ( 囀ページ上の図参照 ) 。確かに企業側からすると非正規 雇用のほうが使い勝手がいいので効率がいい。非正規雇用者にとっても、非正規 雇用という就業形態であればいつでもフリーになれるので、独立しやすく、独立 できるだけのものを身につければチャンスはいくらでもある。プラスに作用すれ ば、これが今後、いい意味でサラリーマン比率を減らす一つの要因になることは ありえる。 ゆえに非正規雇用であることは必ずしも悪いことではないが、正規雇用と非正 規雇用では平均年収が全然違うという間題点も指摘しておきたい。非正規雇用の 年収は平均 16 8 万円で、これでは到底暮らしていけない。一方、正規雇用の年
サラリーマン比率が減る理由の一つには、 人工知能の台頭が挙げられる。 つまり、これまでのように、 ただサラリーマンを続けているだけでは、 そう遠くない将来、 人工知能に仕事を奪われてしまう未来が 待っているとい一つことだ。
証すると面白い関係が見つかる。それは購入残高の前年比伸び率が株価を 左右しているということである。同伸び率は年 9 月の % をビークに、年 8 月 % まで一貫して低下してきた。その時期に合わせるかのように外国人投機筋 は売り崩しを行ってきた。 今回の新基準で同伸び率は間 % 程度までは回復する。つまり、買いの勢いが増 すということを示しており、日経平均の押し上げ効果となる。年 9 月当時の ー o (-) 1 コラムにおいて、「いつまでも弱気を続けているとこの流れに乗り 遅れることになるが、売り崩しを続けてきた外国人も例外ではない。今後、外国 れ す人の売買にどのような変化が表れてくるかが楽しみである」とコメントしたが、 直と 見れ 月には日経平均は 19000 円大台を回復している。 的紙 本の をた 「仮想通貨」という、既存の枠組みからの離脱が起きているー 意幣 の紙 力が おや 2 016 年の大きな流れの一つに「既得権益者」対「アウトサイダー」という 章 新構図がある。例えば、石油メジャー対シェールガス。既得権益者は自分たちの利 1 8 7
第 3 章「奪い合い」の 20 世紀から、今、大きな歴史転換が始まる 21 世紀を生き抜くためには、自分軸を持った「プロ」になれ ! となのである。自分が大衆と同じ価値観で行動しているうちはいつまで経っても 儲けることはできないだろう。 ところで、ワインと一言えば、「オーパス・ワン」という ~ 局級カリフォルニアワ このワイン インがある。音楽用語で「作品番号一番というネーミングらしい が注目されるのは、職人でなくてもおいしいワインが造れるように、造り方をデ ータ化して製造しており、誰が造っても同じ品質のおいしいワインができるシス テムを構築した点である。 また、 2 0 0 6 年に開催された「プラインド・ティスティング」で、カリフォ のワイン ルニアワインがフランスワインを押さえ、赤白共に「ナバ・ヴァレー が優勝した。その実績もあり、オーパス・ワンは、かって 7 0 5 8 0 円 くらいで取引されていたのが、現在はかなりの高値がついている。また、獺祭と と、つじ いう日本酒の価格が高騰しているが、獺祭も杜氏と呼ばれる日本酒造りの職人を 置かず、徹底した数値管理とデータ分析によって、良質な酒を安定して造ってい る。この第 3 章のはじめでも「理系脳と「文系脳」の話に触れたが、これは緻 密なデータ分析によって成功している一つの例だと言える。 だっさ 1 2 7
がもらえる。つまり、何を売って稼いでいるかが違うのである。サラリーマンは 「時間」を売り、プロは「能力」や「才能」を売っている。 これを同じように時給で考えてみると興味深い。サラリーマンの時給とプロの 時給を考えると、はるかに違うことは一目瞭然である。例えばプロ野球選手の平 均年収を時給換算したら、どれほどの金額になるだろうか。プロになると、時給 もそれだけはね上がる可能性があるのだ。このように、「時給」を一つの基準と して見ていくと、自分が「何を、「どのくらいの価値で」提供しているかがわか るはずである。一度、自分の時給を計算してみるのも良いかもしれない。 ちなみに、日本とアメリカでは社長の年収も随分と異なる。それは、プロか、 プロでないかの違いでもある。つまり、今の日本は社長までもがサラリーマン化 しているのだ。これも現在の日本の閉塞感の原因の一つであり、サラリーマン比 率が低下する時には、サラリーマン化した社長も淘汰されていくことだろう。 戦時中、日本の株式会社の配当性向は間 % もあった。なぜ間 % なのかというと、 株式会社のほとんどがオーナー企業だったからである。オーナーだから自分で株 とい一つことになる。 を持っている。だから配当は多いほうがいい、 1 0 8
日本のサラリーマンの比率が下がっていくだろうということは、前著『未来か らの警告 ! 』 ( 集英社 ) の第 8 章でも述べた通りだが、アマゾンのレビューなど で、「このことについてもう少し詳しく書いてほしい」という要望が多くあった。 世界経済全体がどうなるかということよりも、自分たちがどうなるかというとこ 残ろをもっと詳しく知りたいということなのだろう。 世界経済にしても、身近な問題にしても、大切なのは本質である「コア気核 のところを捉えていくことである。地球と同じで、真ん中に人っていくと答えは 。、、申兼という「コア」は一つであると私は思っ 一つしかない。宗教も様々あるカネ本 分野が違うことであ のている。そこに達するまでのルートは何通りあってもいし 圭ロ っても、真ん中にきちんとたどり着くことができれば全ては分析できるのだ。 めた 今の社会のコアはマネーが中心になっている。だからマネーの分析ができない はじめにあなたは 7 割のサラリーマンとして生き残れるか ?
可能生は十分にある。 ヘリコプターマネーの導入は、 「国債暴落」と「ハイハーインフレ」のシグナルである 大恐慌には 2 つのタイプがある。一つは、 19 3 0 年代にアメリカで起きた 「デフレタイプ」。もう一つが 19 2 0 年代、ワイマールドイツで起きた「ハイハ きん ーインフレタイプ」だ。 2 つの違いは何かというと、金をベースにした「兌換紙 れ す幣」か、「不換紙幣」かということである。現在は「不換紙幣」であることから、 直と 見れ大恐慌の最後の危機は、世界的な国債暴落とハイバーインフレーションが予測さ 的紙 本のれる。 をた ハイハーインフレの可能性を否定する専門家の中には、「ハイハーインフレは 意幣 の紙 日本の終戦直後のようにモノが不足しているときに起こるもの。今、日本は逆に 力が おや モノが余っているから起こりようがない」「戦争や革命が起きないとハイバーイ 章 第 ンフレにはならないーと考える人もいるが、それはハイバーインフレの本質から 1 8 1