イオン - みる会図書館


検索対象: スーパー理科事典
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1. スーパー理科事典

0 イオンの表し方 イオンは , 電子がもつ電気量の整数倍の + また は一の電気量を帯びている。そこで , イオンを記 げんそ 号で表すには , もとの原子の元素記号とイオンの 十または一の電気量を組み合わせて表す。 0 イオン式イオンを記号で表したものをイオ ン式という。 イオン式では , 電子 1 個がもつ一の電気量を一 プラス これに相当する十の電気量を十で表す。また , 電 3 倍のときは , それぞれ 2 ー , 2 十 , 気量が 2 倍 , 3 十とし , 元素記号の右上に小さくつける。 えんかぶつ 例えば , ナトリウムイオンは Na + , 塩化物イオ ンは CI-, バリウムイオンは Ba2 と表す。 なお , 原子によっては , イオンの価数が 1 種類 ふくすう ではなくて複数のものもあるので , それぞれの元 はんだん せいしつ 素の性質から判断しなければならない。 マイナス 陽 イ オ ン 陰 イ オ ン イオン名 水素イオン 銀イオン ナトリウムイオン バリウムイオン カルシウムイオン 銅 ( Ⅱ ) イオン 鉄 ( Ⅱ ) イオン ニッケル ( Ⅱ ) イオン 塩化物イオン しようさん 硝酸イオン すいさんかぶつ 水酸化物イオン たんさん 炭酸イオン 硫酸イオン イオン式 Na Ba Ca Cu Ni CI- N03 OH C03 S 04 色 青 うす緑 陽イオンと陰イオンのイオン式 の電気を帯びている。 いう。多原子イオンは , 原子団全体が十または一 りゅうさん 硫酸イオン S04 でんり ・・・硫酸 H2S04 は電離して水素 鉄 (Fe) 例 2 十 3 十 鉄い ) イオン鉄 ( Ⅲ ) イオン 銅 (Cu) Cu 十 Cu 2 十 たげんし 0 多原子イオンいくっかの原子が結びついて , げんしだんき 1 つの原子のようにふるまうものを原子団 ( 基 ) と いい , このようなもののイオンを多原子イオンと 銅 ( いイオン銅 ()l ) イオン く食塩 ( 塩化ナトリウム ) 〉 0 塩化物イオン 十 NaCl 塩化ナトリウム ナトリウムイオン Cu2 + 十 く塩化銅 ( Ⅱ ) 〉 0 0 2C に Cu CuC12 塩化銅 ( 旧 0 銅 ( Ⅱ ) イオン塩化物イオン〔 2 個〕 イオンとイオン式 H S 04 H2S04 →・ S 042 S04 硫酸イオン 十 十 2H + 2 個の水素イオン 多原子イオンの電離 イオン H + 2 個と硫酸イオン S042- 1 個に電離する。 ここで , 硫酸イオンは , 原子団が 2 個の水素原子 からそれぞれ 1 個ずっ電子をとりこんでできた 2 価の陰イオンである。 はんのうしき 0 イオン反応式左下に示した硫酸が電離する 化学反応式のように , イオンの記号を用いて表し た化学反応式をイオン反応式という。 しようさんぎんすいよう 化学変化とイオン反応式・・・食塩水に硝酸銀水溶 液を加えると , 白色の塩化銀が沈殿する。この化 学反応は , 銀イオン Ag + の検出に使われる。 食塩水中で NaCl が Na + と CI- に , 硝酸銀水溶 液中で AgN03 が Ag + と N03 ーに電離していて , Ag と C にが化合して , 水に溶けない AgCl が沈 殿する。このとき , Na + と N03 ーとは化合せず , そんざい 溶液の中にイオンのままで存在する。 この化学反応は以下のようなイオン反応式で表 すことができる。 ( ↓は沈殿を意味する。 ) Na + 十 CI- 十 Ag + 十 N03 ー ーー→ AgCl ↓十 Na + 十 N03 ここで , 反応していない物質は , 化学反応式か ら除くことになっているので , イオン反応式は , 次のように表される。 Ag + 十 CI- ー -- - ・→ AgCl 第 4 章化学変化とイオン■ 441 いん ちんでん えき

2. スーパー理科事典

でんかいしつでんり 0 イオンの種類電解質が電離してイオンにな っている。化合物は , この・ような原子がいくつか プラス るとき , 必ず十の電気を帯びた陽イオン ( 十イオ 結びついてできている。 マイナス いん ン , カチオン ) と , ーの電気を帯びた陰イオン ( ー 化合物が電解質の場合 , 原子が結びつくときに イオン , アニオン ) になる。 電子の受けわたしがあり , イオンどうしの電気的 な力の結びつきによって化合物をつくっている。 0 イオンになるしくみ電解質が電離するとき , と げんしだん そのため , 水に溶けると陽イオンと陰イオンに電 分かれる原子または原子団どうしの間で 1 個かそ p. 399 参照 離する。 れ以上の電子の受けわたしが行われる。電子は - りゅうし 食塩の構造とイオン・・・イオンについて , 食塩 の電気を帯びた粒子なので , 電子を与えた原子や ( 塩化ナトリウム ) を例にして説明すると次のよう 原子団は十の電気のほうが多くなり , 十の電気を である。 帯びた陽イオンになる。一方 , 電子を受けとった えんそ 食塩 NaCI は , ナトリウム Na 1 原子と塩素ロ 原子や原子団は , ーの電気のほうが多くなり , 1 原子との化合物である。 の電気を帯びた陰イオンになる。 ナトリウム原子は , まわりに 11 個の電子とそ このとき , 電子を放出するかとりこむかは , 各 こうぞう いつばん れと同じ量の十の電気を帯びた原子核からできて 原子の構造 ( 電子配置 ) によって決まり , 一般に きんぞく き いる。また , 塩素原子はまわりに 17 個の電子と , 水素原子 , 金属原子 , アンモニウム基 ( 原子団 ) は それと同じ量の十の電気を帯びた原子核からでき 電子を放出して陽イオンになりやすい。 原子または 電子 他方の原子や ている。 原子団 原子団 ナトリウム原子と塩素原子とが結びつくには , 0 ィ子 ナトリウム原子から電子 1 個が放出され塩素原子 ′イ子 十オ を オを に与えられる。そのため , ナトリウム原子は十の ン放 ン受 電気量が電子 1 個分だけ多くなるので , ナトリウ 陽イオンな 陰イオンなと し るて るつ 。て ムイオンという陽イオンになる。 陽イオンと陰イオン 一方 , 塩素原子は一の電気量が電子 1 個分だけ 0 原子構造とイオン原子はすべて , 十の電気 えんかぶつ 多くなるので , 塩化物イオンという陰イオンとな げんしかく を帯びた原子核とそのまわりを回っているいくつ 陽子と中性子からなる , p. 388 参照 かの一の電気を帯びた電子からできている。そし 0 イオンの価数イオンは原子や原子団の間で て , 原子核の十の電気量と電子の一の電気量とが 電子の受けわたしが起こったときにできる。した 等しいので , 原子全体としては電気的に中性にな がって , イオンが帯びる電気量はやりとりした電 < 陽イオンの例〉 子の数で決まる。 また , その電気量は電子 1 個の 電子を放出する Na 0 6 0 6 ・一→ 66 ① 60 十 0 電子を電子を 十 Na Na ナトリウム原子 ナトリウムイオン 電子 1 個 いん く陰イオンの例〉 電子を受けとる 0 十 46 0 0 0 酸素原子 電子 2 個 酸化物イオン イオンのでき方のモデル あた すいそ いん かすう 一 00 ー 9 全 、放出する受けとる 原 子 静電気力により結びつく。 食塩の構造とイオン 第 4 章化学変化とイオン■ 439 十 イオン 一 00

3. スーパー理科事典

さん きようさんじゃくさん 酸やアルカリの種類には強酸 , 弱酸 , 強アル 究の ( 0 ) カリ , 弱アルカリがあるが , 酸やアルカリの 強弱を表すもとになるものは何であろうか。また , その そくていほうほう 表し方や測定方法にはどんなものがあるのだろうか。 酸やアルカリの強弱を どう表すのだろうか のうど すいそ 水素イオン濃度 ようえき じゅんすい ちゅうせい 0 溶液中の水素イオン 純粋な水は中性である 〔 mo レ L 〕 1.0 x 10 14 ← - ・ -- ーー・ - ・ - 1.0 文 10 すいさんかぶつ 1. OX でんり と水酸化物イオン ごくわずかに電離 イオンに分かれるい 中性アルカリ性 酸性 しているため , わずかながら電気を伝える ( 25 。 C 酸・アルカリと水素イオン濃度 ていど そん で , 水分子 50 億個中に 9 個程度 H + と OH- が存 しすう 0 水素イオン指数 ( p Ⅱ ) 酸性・中性・アルカリ 在する ) 。 しめ 性を示す水溶液中のどれにもみな水素イオン H + H + 十 OH H 20 ちが 水素イオン水酸化物イオン が含まれており , そのときの H + の濃度の違いに すいそ 水溶液中の水素イオンのモル濃度 ( 水素イオン よって , 酸性・中性・アルカリ性となることがわ ら p. 468 参照 濃度という ) を [H + ] , 水酸化物イオンのモル濃度 かる。この水素イオンの濃度を表すのに , 水素イ を [OH-I と表すと , 以下のようになる。 オン指数または pH ( ピーエイチまたはドイツ語 ①水溶液 1 L 中に , 水素イオンが , 1 x 10 ー 2 モル 読みでペーハー ) を用いる。 そんざい 存在すると , [H + ] = 1 x 10 ー 2 mol/L となる。 参考 pH は power of Hydrogen ion concentra- ②水溶液 IL 中に , 水酸化物イオンが , 1X10 13 tion の略号である。 モル存在すると , [ OH ー ] = 1X10 ー 13m0 レ L となる。 水溶液 IL 中に含まれる水素 pH 性質 ( 25 。 C 標準室温 ) イオンのモル数〔 mo レ L 〕 0 水素イオン濃度と 水溶液中の水素イオン濃 せき 0 酸 H + のモル数〔 mo レ L 〕 pH 性質 1 水のイオン積 度と水酸化物イオンのモ = 10 ー 1 1 0 . 1 が 0 .00000001 ル濃度に注目すると , 温度が一定の場合には , 水 2 2 強 = 10 ー 0 . 01 = 10 ー 9 0 .000000001 = 10 0 . 001 0 .0000000001 素イオン濃度 [ H + ] と水酸化物イオンのモル濃度 = 10 ー 4 0 .0001 0.00000000001 ちゅうせい [ OH ー ] の積は , 中性の水溶液でも , 酸やアルカリ : = 10 ー 5 0 .00001 5 0.000000000001 あたい = = 10 ー 0 .000001 の水溶液でも一定の値となる。この水素イオン濃 0.0000000000001 ー 7 7 中性 0 .0000001 0.00000000000001 = 10 ー 14 度と水酸化物イオンのモル濃度の積を , 水のイオ 1 L 中の溶液に含まれている水素イオンのモル数 ン積といい , Kw と表す。水溶液が 25 ℃では 〔注意〕標準室温 25 ℃としたのは , 水溶液の温度が Kw= [H + ] COH ー ] = 1.0X10 ー 14 m012/L 高くなると電離度も大きくなるため , 同じ水溶液で となり , 中性では , [H + ], [ OH ー ] とも 1.0X10 も pH の値が変化するからである。 moI/L である。 pH<7 0 酸・アルカリと 水のイオン積は , 酸やアル CH + ] > COH-) 水のイオン積 カリの水溶液で変わらない ため , 純粋な水に酸を加えると , 水素イオン濃度 水 げんしよう ぞうか は増加し , 水酸化物イオンのモル濃度は減少する。 反対に , 純粋な水にアルカリを加えると , 水酸化 H 、 OH オ OH OH 物イオンのモル濃度が増加し , 水素イオン濃度は OH ン 減少する。このように , 酸・アルカリの強弱は , じ 0 んすい すいようえき 純粋な水 アルカリの水溶液 酸の水溶液 水素イオン濃度によって決まってくる。 水溶液中の水素イオンと水酸化物イオンの電離のようす 474 ・化学 49 十 〔 mo レ L 〕 ー 14 1.0 10 ー 7 ー - ーー→ - 1.0 X 10 1.0X100 0 のうど ざい ふく 8 9 アルカリ性が強い ~ い ) 1 上っ朝っ 0 4 11 11 11 1 亠 1 工 2 pH>7 CH + ]< COH-] pH = 7 CH + ] = COH-J 十

4. スーパー理科事典

もっ電気量の整数倍になっている。さらに , やり 必 = 屯 2500 要子 とりする数は最も外側にある電子 ( 価電子 ) の数で な 1 2000 工個 を 1500 決まる。このように , イオンができるときにやり ネ ルと 1000 とりした電子の数をイオンの価数という。 ギり 500 Na AI 1 価のイオン・・・電子 1 個をやりとりしてイオン の 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ができるとき , 電気量のかたよりは電子 1 個分に 原子番号 いん なる。こうしてできた陽イオンや陰イオンを 1 価 原子から電子 1 個をとりさるのに必要なエネルギー のイオンという。 外側にある電子 1 個を放出するときのエネルギーを 2 価のイオン・・・電子 2 個をやりとりしてイオン いい , 厳密には第一イオン化エネルギーという。 ばん 般に下の周期表の中で左にある元素ほどイオン化工 をつくるときは 1 価のときの 2 倍の電気量のかた ネルギーは小さく , また , 18 族の元素は希ガスと より ( 電子 2 個分 ) になる。こうしてできた陽イオ いってイオンになりにくい。 ンや陰イオンを 2 価のイオンという。 イオンは電子の受けわたし 0 イオンの大きさ けわたし 与える とりこむ 電子の数 でできるものであるから , もとの原子の大きさと 1 価の陰イオン 1 価の陽イオン H + , Na + , K 十 CI-, I-, OH- イオンの大きさは等しくない。 2 価の陰イオン 2 価の陽イオン 一般に , 陽イオンは電子を放出しているのでも S2 , S04 Mg Cu との原子より小さく , 逆に陰イオンは電子を受け 0 イオン化エネルギー 原子が陽イオンになる とっているのでもとの原子より大きい。 このときに必要なエネル とき , 電子を放出する。 受けとる 放出する ギーをイオン化エネルギーという。 0 0 0 イオン化エネルギーの小さな原子 ( 水素や金属 原子など ) は , 電子を放出して , 陽イオンになり 塩化物 ナトリウム Na ぎやく 十 イオン CI- イオン Na やすく , 逆にイオン化エネルギーの大きな原子 0 → 0 。→ 0 ( 非金属原子など ) は , 陽イオンになりにくく , む しろ電子をとりこみ陰イオンになりやすい。 〔参考イオン化エネルギーとは , ふつう原子の最も イオンの大きさ 元素の周期表 ) 匚」固体匚」液体 [ コ気体 2He * 周期表のうち , 第 5 列 , 54 番原子 まで示した。 原子 * 原子とイオンの半径は , nm ( ナノ 番号 メートル , lnm = 10 ー 9m ) * 18 族元素は「希ガス」ともいわれ , イオンにならない。 Ne し か N F H Be Mg げんみつ し、つ 1 個 2 個 2 十 2 十 きんぞく すいそ 18 1 1 H 水素 0.030 14 15 16 + 0.194 10 Ne 7 N 8 0 4 Be 酸素 フッ素 ネオン ホウ酸炭素窒素 リチウムペリリウム 0.072 0.154 0.081 0.077 0.074 0.074 0.152 0.111 3 ヂ ) 0.025 4 0.029 3 ヨ 0.132 2 う 0.126 国 0 090 0 ・ 059 ー 0.119 16 S 170 18Ar 13 周 14Si 11Na 12Mg アルミケイ素リン硫黄 塩素 ナトリウムマグネ アルゴン ニウム シウム 0.188 0.117 0.110 0.104 0.099 0.143 0.186 0.160 12 0.068 4 の 0.054 与の 0.031 2 う 0.170 3 ) 0.167 9 10 11 7 8 十 0.116 2 十 0.086 30Zn 31 Ga 32 Ge 33AS 34 Se 35 Br 36 Kr 28 Ni 29Cu 24Cr 25 Mn 26 Fe 27 CO 19K 20Ca 21Sc 22Ti 23 V 亜鉛ガリウムゲルマ カリウムカルシウムスカンチタンけジウムクロムマンガン鉄コノヾルトニッケル銅 ヒ素セレン臭素 リプトン ニウム ジウム 0.133 0.122 0.123 0.121 0.117 0.114 0.202 0.128 0.145 0.131 0.125 0.137 0.124 0.125 0.125 0.231 0.197 0.161 を ) 0.152 凄 0.114 子 ) 0.087 4 十 0.075 0 ヂ ) 0.068 3 + 0.076 2 0.097 3 十 0.069 彡の 0.089 2 + 0.084 0.087 2 0.088 ヂ ) 0.076 イ子 ) 0.067 ヂ ) 0.060 2 う 0.184 三 ) 0.182 54 Xe 39Y 40Zr 41Nb 42M0 43Tc 44Ru 45Rh 46Pd 47Ag 48Cd 491n 50Sn 51Sb 52Te 531 37 Rb 38 Sr ルビジウムストロンイットジルコ ニオプリプデンテクネルテニウムロジウムヾラジウム銀カドミウムインジウムスズンチモンテルルョウ素 キセノン チウムリウムニウム チウム 0.145 0.137 0.133 0.216 0.133 0.135 0.138 0.144 0.149 0.163 0.141 0.159 0.143 0.136 0.135 0.247 0.215 0.178 を ) 0 66 0.132 ヂ ) 0.103 イ 0.086 5 + 0.078 0 ヂ ) 0.074 イ 0.078 4 ) 0.076 ヂ ) 0.081 2 + 0.100 + 0.129 彡ヂ ) 0.109 3 + 0.094 ) 0.083 0 0.074 2 う 0.207 : ミ ) 0.2 冊 ヘリウム 0.140 1 元素記号 元素名 原子半径 イオン 半径 17 13 5 B 2 3 6 5 4 4 5 440 ■化学

5. スーパー理科事典

どう いんきよく は変化せず , 水 H 20 が分解される。これは N a 十 陰極での変化・・・陰極には銅 ( Ⅱ ) イオン Cu2 + が より水が電離してできた H + のほうが電子を受け 引きよせられる。銅イオンは陰極から電子 2 個を ら H20 → H 十 OH せきしゆっ とりやすいためで , 水素イオンは陰極から電子 1 受けとり銅原子 Cu になり , 陰極に析出する。 液体から固体が分離して , 出 ( くる現象お 個を受けとり水素原子 H になり , 2 個の水素原 こうして , 銅原子が付着するために , 陰極の炭 ぼう 子が結びついて水素分子 H2 となって , 気体とし 素棒は赤銅色に変わっていく。 すいようえき て発生する。また , 陰極付近には水溶液中に残っ 水溶液の色・・・塩化銅 ( Ⅱ ) 水溶液のように , 銅 すいさんかぶつ ふく ぶん たナトリウムイオン Na + と水酸化物イオン OH ( Ⅱ ) イオンを含む水溶液は青色であるが , 電気分 そんざい かし、 により , 水酸化ナトリウム水溶液が存在する。 解で銅 ( Ⅱ ) イオンが銅となって電極に付着すると , のうど イオンの濃度が低くなり , 青色はうすくなる。 CI- NaCl Na 十 ナトリウムイオン塩化物イオン CuC12 2C に 陽極 2C に C12 ↑十 2e 塩素発生電子 2 個 陽極 2C に C12 ↑十 2e 陰極 2H 十 水素イオン電子 2 個 水素発生 陰極 Cu Cu じゅんすい 0 水の電気分解純粋な水は電流をほとんど流 てきとうでんかいしっと さないため , 水の電気分解には適当な電解質を溶 0 食塩水の電気分解 溶質の食塩 ( 塩化ナトリ NaCl ひつよう かす必要がある。その電解質に水酸化ナトリウム ウム ) は , 水溶液中で次のように電離している。 りゅうさん ゃうすい硫酸を用いることが多い水酸化ナトリ NaCl ーー→ Na + 十 CI- ナトリウムイオン塩化物イオン H2S04 ウムを電解質としたときの反応を調べてみよう。 でんあっ 水溶液中に炭素棒を電極として入れ , 電圧を加 水酸化ナトリウムは次のように電離する。 えると , 陰極では水素が気体として , 陽極では塩 Na + 十 OH- NaOH 素が気体として発生する。 ナトリウムイオン水酸化物イオン 水酸化ナトリウム これにニッケル板を電極として電圧を加えると , 陽極での変化・・・陽極には一の電気を帯びた塩化 水酸化物イオン OH ーは陽極へ , ナトリウムイオ 物イオン CI- が引きよせられる。塩化物イオンは , つうじよう あた ン Na + は陰極に移動する。通常 , これらのイオ 陽極に電子を 1 個与えて塩素原子 0 になり , 2 ンが電極で電子を受けわたしして電気分解が行わ 個の塩素原子が結びついて塩素分子 C しとなって , ちが れるのだが , この場合は多少違ったことが起こる。 気体として発生する。 純粋な水はほとんど電気を流さないが , 水分子 陰極での変化・・・陰極ではナトリウムイオン Na 水 食塩水 ( 陰極 ) ( 陽極 ) 陰 陽 陽 陰 2H2 ↑十 02 ↑ 2H ℃ 酸 2NaCl H2 ↑十 C し↑ 極 極 極 極 酸素 十 2H20 ナ ( 陰極 ) ( 陽極 ) 十 2NaOH 素 リ くイオンの動きのモデル > くイオンの動きのモデル〉 ウ 電子の 電子の ム 十 e れ を 〇流れ 直流電源 直流電源 ん 陰 陽 陰 た 02 極 極 極 極 水 0 e ツ 直 ー : ー畑〇ル ル 0 のれ 食塩水電流の流れ 甲 . ノノル 刀ル 4H + 十 4e ーーー + 2H ↑ 2H20 十 02 ↑十 4e- C し↑十 2e- 2H + 十 2e ーー→ H 水素イオン 水素イオン 水の電気分解 食塩水の電気分解 第 4 章化学変化とイオン・ 443 NaOH 十 塩化ナトリウム 2 十 銅 ( (l) イオン塩化物イオン 電子 2 個 Cu 十 塩化銅 ( ll) 塩素発生 電子 2 個 ようしつ でんり 0 1 三 塩化ナトリウム いどう 十 しん、よく 水 素 塩素 酸素 食塩水 十 刀ル 一一ッケル板 炭素棒 2 2 刀ル 刀ル 十 Na 40H- 水酸化物イオン 2C に 2 塩化物イオン

6. スーパー理科事典

でんり はごくわずかだが次のように電離している。 H20 ーー→ H + 十 OH- それぞれのイオンが電極で電子を受けわたし , いんきよくすいそ さんそ 陰極に水素が , 陽極に酸素が気体として発生する。 陽極での変化・・・陽極に水酸化物イオン OH ーが あた 引きよせられ , 水酸化物イオンは陽極に電子を与 え , 次のような反応が起こる。 40H 一一一→ 2H20 十 02 ↑十 4e 水酸化物イオン 陽極では酸素分子 02 が気体として発生する。 陰極での変化・・・陰極では , ナトリウムイオンで はなく水素イオン H + が陰極から電子を受けとり 水素原子 H となって , 2 個の水素原子が結びっ いて水素分子 H2 になり , 気体として発生する。 結果として・・・このように , 陽極に電子を与える 水酸化物イオン OH ーも , 陰極から電子を受けと る水素イオン H + も , ともに水 H20 が電離してで ぶんかい きたイオンで , 結果として , 水が次のように分解 されたといえる。 2H20 ー→ 2H2 十 02 したがって , 水酸化ナトリウムは電気を流しや やくわり すくするための役割を果たしただけとなる。 H 20 -- → 十 OH 水素イオン 水酸化物イオン 酸素発生 水素発生 水 水素イオン水酸化物イオン 陽極 40H 陰極 4H 2H20 電子」個 2 でんき ぶんかい 台 電気分解の工業的利用 げんざい 電気分解の原理は , 現在日常生活に利用されて おうよう いるものに , さまざまな形で応用されている。 きんぞく 0 電気メッキ電気分解によって , 金属の表面 を他の金属のうすい膜でおおうことを電気メッキ という。メッキをしたいものを陰極 , メッキをし ようとする金属を陽極にし , メッキをしようとす ふくすいようえき る金属イオンを含む水溶液に電流を流して行う。 ニッケルメッキ・・・ニッケルによってメッキをす るときには次のように行われる。 硫酸ニッケル NiS04 の水溶液は以下のように 電離している。 NiS04 ーー→ Ni2 + 十 S04 この水溶液にメッキをしたい金属板を陰極 , ッケル板を陽極として入れ , 電圧を加えると , 次 ぶんかい 水 酸素発生 いんきよく りゅうさん でんり ニッケル ( (l) イオン硫酸イオン 硫酸ニッケル 水 あえん すいさんか 発展研究 ョウ化亜鉛 ( Ⅱ ) や水酸化ナトリウムの電気分解 あらわ ョウ化亜鉛 ( Ⅱ ) の電気分解 陽極での反応・・・茶色の溶液が現 40H 02 ↑十 2H20 十 4e たんそぼう ョウ化亜鉛 ( Ⅱ ) Zn12 は無色で , れて炭素棒は茶色になり , やがて 陰極での反応・・・ナトリウムイオ と ぶっしつ 水に溶けやすい物質であり , 水溶 ョウ素 12 が落ちていく。 かんげん ン Na + が還元されて , ナトリウ 液はうすい黄色である。電気分解 せきしゆっ ム Na が析出する。 ョウ化物イオンヨウ素電子 をすると次のようになる。 いんきよく 陰極での反応・・・炭素棒は青白色 十 Na Zn12 ーー→ Zn2 + 十 21- ナトリウムイオン電子 ナトリウム になるが , しだいに黒くなって亜 げきやく [ 注意水酸化ナトリウムは劇薬であ 鉛 Zn が落ちる。 る。この実験を行うときは必ず先生 2 十 しどう の指導のもとで行うこと。 亜鉛い ) イオン電「 ようゆう 」水酸化ナトリウムの溶融電解 水酸化ナトリウムの固体は電気 を通さないので , 約 350 ℃ぐらい に加熱して液状にすると電気を流 でんり すようになり , 電離する。 NaOH ーー→ Na + 十 OH 陽極での反応・・・酸素を生じる。 はんのう 水酸化物イオ ) よう えき ョウ化亜鉛 ( い亜鉛い ) イオンヨウ化物イオン たいねつばん 耐熱板 蒸発皿 素極 炭電 500 mA 水酸化ナトリウムナトリウムイオン水酸化物イオン 対計 電度 熱温 あえん ョウ化亜鉛 ( Ⅱ ) の電気分解 444 ・化学

7. スーパー理科事典

せい 0 アルカリとアルカリ性 しよくつかい アルカリはアラビア語の "alkalija"( 植物灰 ) と と すいさんかぶつ いう言葉からきている。水に溶け , 水酸化物イオ ン OH ーを生じる化合物をアルカリという。アル カリには , 水酸化ナトリウム・水酸化バリウム・ NaOH 水酸化カルシウムなどがある。アンモニアの分子 Ca(OH)2 中には水酸化物イオンは含まれないが , 水に溶け ると , 水酸化物イオンを生じるのでアルカリであ すいようえき る。アルカリの水溶液には以下のような性質があ り , これをアルカリ性という。 〔注意 ] 酸と同様に , 水に溶けにくい ( 溶けない ) が , はんのう 酸の水溶液と反応して , 中和する物質もある。これ らの物質とアルカリを含め塩基という。本書では , 「水に溶け , 水酸化物イオンを生じる化合物がアル カリである」というアレーニウスの定義にしたがっ の て述べている。 0 アルカリの性質一般に , アルカリの水溶液 は , 次のような共通の性質をもっている。 しぶ ①渋みに似た特有の味をもつ。 ②赤色リトマス紙を青変し , BTB 液を青変する。 Ba(OH)2 ふく えんき いつばん アルカリの性質 ③フェノールフタレイン液を赤色に変える。 ④指先につけると , ぬるぬるする。 ( 皮膚のタン パクをおかす。 ) でんあっ ⑤アルカリの水溶液に 2 本の電極を入れ , 電圧を 加えると電流が流れる。 ⑥酸と反応して酸の性質をうち消す。 0 アルカリと水酸化物イオン水酸化ナトリウ ムや水酸化カルシウムなどを水に溶かすと , 水溶 液中では , それぞれ水酸化物イオン OH ーを生じる。 NaOH - 一一→ Na + 十 OH Na + O 水酸化ナトリウム ナトリウムイオン水酸化物イオン Na 十 O うすい アルカリ の水溶液 く指につけてこすりあわせる〉 すりあわせる→ぬるぬるする ガラス棒で数滴つけ , 指をこ すうてき うすいアルカリの水溶液 すいようえき BTB 液 0 0 中性の BTB 液 ( 緑色 ) を少量加える→青変 く BTB 液を加える〉 直流電源 十 0 直流電流計 この水酸化物イオンがアルカリとしての性質を 示すのである。アルカリとは水に溶かしたとき , 水酸化物イオンを生じる物質である。 アルカリ性を示すのは , 水酸化物イオン OH- ができた結果である。 0 アルカリの種類アルカリには , 水酸化ナト リウム , 水酸化カリウム , 水酸化カルシウム , ア KOH ふはい ンモニアがあり , 魚や肉が腐敗したときにできる 悪臭のメチルアミンも含まれる。 CH3NH? 参考 ] 酸の水溶液と反応して , 中和する物質には , すいさんかどう 水酸化銅 ( Ⅱ ) ・水酸化アルミニウム・水酸化鉄 ( Ⅱ ) ほとんど水に溶けない塩基もある。 などのように せんりよう また , 染料や薬の原料になるアニリンも , 水にわず かに溶ける塩基である。 アルカリと電離 アルカリの水溶液は , 陽イオンと陰イオン ( 水 でんり 酸化物イオン OH ー ) に電離する。 0 アルカリの電離アルカリの水溶液は , 以下 のように電離する。 あくしゅう いん つ す ル 水 0 フェノール フタレイン液 無色から →赤変 ス ン レ ス ( うすいアルカ電流が流れる リの水溶液 く電圧を加えて電流が流れるかみる〉 ( アルカリ ) KOH NH40H 水酸化カリウム 水酸化カルシウム 水酸化バリウム 十 Ba(OH)2 -- → Ba2 + 十 20H カルシウムイオン Ca(OH)2 ーー→ Ca2 + 十 20H カリウムイオン水酸化物イオン K OH 十 ( 金属イオン ) フェノールフタレ イン液を加える 458 ・化学 水酸化アンモニウム バリウムイオン NH4 + 十 OH アンモニウムイオン

8. スーパー理科事典

〔実験データ例〕 ( 実験条件 : 20 ボルト , 室温 15 。 C ) 移動距離〔 cm 〕経過時移動距離〔 cm 〕 経過時 + 極側一極側間〔分〕 + 極側 - 極側 間〔分〕 40 50 60 3 イオンの速さ でんかいしつようえきでんあっ 電解質の溶液に電圧をかけると , 溶液中の陽イ し p. 437 参照 オンは - 極に , 陰イオンは十極に移動する。有色 10 ら一イオン ふく りゅうさん のイオン ( 硫酸銅 ( Ⅱ ) や硝酸銅 ( Ⅱ ) など Cu2 + を含 20 CuS04 Cu(N03)2 銅 ( (l) イオン 30 むものは青色 , 硫酸ニッケルの Ni2 + は緑色 , 塩 は二ッケル ( (l) イオン 化コバルト ( Ⅱ ) の C02 + は赤色 ) は , その色によ OBTB 液を利用した移動下の写真のように , CoCI? らコ八ルト ( (l) イオン ってイオンの移動が観察でき , 無色のイオン ( H うすい硫酸ナトリウム水溶液を寒天で固め , しじゃく OH つは指示薬の色の変化でイオンの移動が観察 BTB 液で緑色に着色したものに電流を流し , イ できる。 オンの移動の速さを調べる。 0 イオンの移動速度イオンの移動速度は , 両 結果・・・ + 極側では , 水素イオン H + が移動す ひれい 電極間の電圧に比例するが , 電極間の距離やイオ るため U 字管内の BTB 液が黄色に変わる。一極 のうど ンの種類 , 溶液の濃度などによっても異なる。 側では , 水酸化物イオン OH ーが移動するため青 0 フェノールフタレイン液 下の図のような U 色になる。イオンの移動速度は電圧に比例する。 を利用した移動 字管を用いて , フ このときの移動速度は , イオンの種類 , 溶液の濃 とうりつ ェノールフタレイン液を数滴加えた寒天を倒立さ 度 , 電極間の距離によっても違ってくる。 せて電流を流しイオンの移動の速さを調べる。 りルうさん うすい硫酸ナトリウム けっか すいそ すいようえき 結果・・・十極では , 水素イオン H + が U 字管内 水溶液を寒天で固めたもの に進み , 管内のアルカリ性を中和するため , フェ ノールフタレイン液による赤色はしだいに消えて いく。この速さが H + の移動速度である。 - 極で 十極 は , 水酸化物イオン OH ーが移動し , 前もって加 えていたフェノールフタレイン液と反応して赤変 水酸化ナトリウム水溶液うすい硫酸 BTB 液を利用した H + , OH - の移動実験装置 する。このときの速さが OH ーの移動速度である。 このとき , 移動の速さは H + > OH- となる。 H + が一極に引かれて移 動するため , U 字管内の 緑色の寒天が - 極に向か フェノールフタレイン って黄色になる。また , すうてき 0 十が + 極に引かれて移 液を数滴加えた寒天 動するため , 寒天が + 極 に向かって青色になる。 し、どう 十イオンい 11 1 ー亠 1 ー亠 一 9 、ワ 3 、 1 ワ朝ワ〕 -0 一 -0- 11 「 / 一 1 亠 L.O -0 】 11 11 NiSO 十 Na,„,S04 きより ちが すうてき 一極 十 ロ ロ 約 30 分後 0 十 フェノールフタレイン 極 液を加えた寒天液にう すい水酸化ナトリウム 極 水溶液を加えて赤色に きりゅうさん 希硫酸 した寒天 水酸化ナトリ ウム水溶液 約 60 分後 フェノールフタレイン液を利用した H + , OH ーの移動実験装置 0 約 90 分後 BTB 液 酸性黄色 中性緑色 アルカリ性青色 ・塩とその化学反応■ 461 第 5 章酸・アルカリ OH-

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さん のように電離して , ともに 1 個の水素イオンを出 倉酸の電離 しているが , 酸としては塩酸が強く酢酸は弱い。 すいようえき 酸は水溶液中で , 陽イオン ( 水素イオン H + ) と陰 塩酸・硫酸・硝酸などは , 水にうすめていくと電 は正イオン ( 十イオン ) イオンに電離 ( イオンに分かれる ) する。主な酸の 離度は 1 に近づく。これは , 水溶液中でほとんど ら p. 438 参照 水溶液は次のように電離する。 の分子が電離して , 水素イオンと陰イオンになっ きようさん ている。このような酸は強い酸であるので強酸と 0 酸の電離 酸 HCI H + 十 CI- いう。 くら これに対して酢酸・炭酸・ホウ酸は , 強酸に比 べてかなりうすめてみても , 電離度は大きくなら うすめていくと電離度は大きくなるが , 強酸とは大きくう・」 ない。水溶液中では , ほとんど電離しないで , 多 くは分子のままで水に溶けている。このような酸 じゃくさん は弱い酸であるので弱酸という。 酸の電離度 ( 25 ℃ , 0.1 m01 /L) 電離度 物質名 化学式 HN03 硝酸 塩酸 HCI H2S04 硫酸 H3P04 リン酸 CH3COOH 酢酸 H2C03 炭酸 0.0017 H2S 0.0007 硫化水素 弱 H3B03 0.0001 ホウ酸 ※ m 。レ L ・・・溶液の濃度の単位い p. 397 参照 ) ほとんど電 強酸 離している すいそ いん ・ p. 438 参暉 ん え 水素イオン塩化物イオン 塩化水素 十 CF りゅう さん 酸 H2S04 硫酸イオン 2 H + 十 S04 水素イオン 硫酸 O O O O 酢酸 塩酸 十 O O O O 0.92 強 0.92 0.61 0.27 酸 HN03 しよう さん H + 十 N03 硝酸イオン 硝酸 の 0.013 弱 同じ濃度の塩酸と酢酸 に亜鉛板を入れると , 塩酸は激しく反応して , 多量の水素を発生する が , 酢酸はわずかしか 酸 CH3COOH 十 CH3COO- 反応しない。 酢酸 ホウ酸 3H 十 B03 H3B03 ホウ酸 炭酸 2 H 十 C03 H2C03 炭酸 でんり ① 酸の電離をイオン式で表すと , どの酸にも共通 していることは , 次のようである。 すいそ 酸は , 電離して水素イオン H + を出す物質 である。 ( アレーニウスの定義 ) ( 酢酸の電離モデル ) ( 硫酸の電離モデル ) 強酸 , 弱酸の電離モデル と を意 ] 水に溶けず ( 溶けにくく ) 水溶液中で電離しな げんみつ い酸もある。酸とは何か厳密に定義することはむず のうど 同し濃度 同し体積 かしいため , 本書では , アレーニウスの定義にした の がって述べている。 かがくはんのうしき 0 電離と解離 上の化学反応式で , 酸を水に溶 かすと反応は右に進み , 水をとり除くと反応は左 に進む。よって , 化学反応式では両方向に進む かぎやくてき このように可逆的に分解 「に」の矢印を用いる。 することを解離といい , 化合物が陽イオン , 陰イ オンに解離することを電離という。 0 酸の強弱塩化水素や酢酸は上の化学反応式 0 冖第 十 0 さん 酢酸イオン ホウ酸イオン さん たんさん あまり電 離しない 弱酸 炭酸イオン S04 H3C00 H3C00 ぶっしつ 炭酸 塩酸 かいり のぞ 蒸電 留極 極 電極 蒸留水 電極 十 十 十 十 かんかく ( 電極間隔は狭い ) ( 電極間隔は広い ) 炭酸は電離するものが少ないのでイ 塩酸はほとんどの分子が電離して多 オンが少なく , 大部分は炭酸の分子 くのイオンが生しているため , 電極 のまま水に溶けているので , 電極間 間隔は広くても点灯する。 隔を狭くしないと点灯しない。 酸の電離度を調べる 第 5 章酸・アルカリ・塩とその化学反応■ 457 でんりど I , 塩酸の溶質

10. スーパー理科事典

きんぞく きんぞく 金属のイオンへのなりやすさは , どの金属で 究の ( 0 ) も同じだろうか。それを調べるにはどうすれ ばよいのだろうか。また , 金属のさびとは何か , それを ふせ 防ぐにはどうすればよいのだろうか。 水溶液中の銅と銀は次のような電子のやりとり をしている。 金属がイオしになるグに 差があるのたろうか 止イオンへのなりやすさ きんぞく 金属は電子を放出して十の電気を帯びたイオン 銅 ( いイオン Cu2 + 十 2e よう ( 陽イオン ) になる。金属には電子を放出しやすい 2Ag + 十 2e- -- 今 2Ag ものと , 放出しにくいものとがあり , このことを 銀イオン すいようえき 利用して水溶液中の金属をとり出すことができる。 このことから , 銀よりも銅のほうがイオンにな しようさんぎん りやすいため , 銅線の銅と硝酸銀水溶液中の銀と ツ銅と銀のイオンになりやすさ硝酸銀水溶液 AgN03 せきしゆっ が入れかわって , 水溶液が青みを帯び , 銀が析出 に銅線を入れてしばらく放置しておくと , 銅線の 、銅 ( (l) イオンを含む水溶液になる はいいろぶっしつ むしよくとうめい まわりに灰色の物質が付着し , 無色透明であった してきたことがわかる。 りゅうさんどう 水溶液が , しだいに青みを帯びてくる。 ツ鉄と銅のイオンになりやすさ 青色の硫酸銅 はりじよう 銅線に付着した物質は , しだいに針状に成長し , ( Ⅱ ) 水溶液に鉄くぎを入れると , 鉄くぎの表面に かがや よく観察すると銀色に輝いていることから , 物質 銅が析出し , 水溶液の色も青色から緑色に変化す が銀であることがわかる。また , 水溶液が青みを るのが見られる。この水溶液の色の変化から , 水 帯びることから , 水溶液中には銅 ( Ⅱ ) イオンが含 溶液の中の鉄 ( Ⅱ ) イオンの存在がわかる。 まれていることもわかる。 硫酸銅 ( Ⅱ ) は , 水溶液中ではほば完全に電離し ている。 銀より銅のほうがイオンになりやすいので すいようえき 銅が水溶液へ溶けこんでいく。 CuS04 -- ー→ Cu2 + 十 S04 の 銅 この溶液中に鉄くぎを入れると , Ⅱ 銅が付着し , 鉄 ( Ⅱ ) イオンが水溶 液中に存在するようになったこと から , 次のように考えられる。 つまり , 銅よりも鉄のほうがイ オンになりやすいため , 鉄はイオ ンとなって水溶液中に溶け出し , 銅が析出したことがわかる。 硫酸鉄と銅との反応・・・硫酸鉄水 どうへん 溶液に銅片を入れても , 何も変化 は起こらない。つまり , 鉄イオン はイオンのままで存在し続け , 銅 片は金属のままで存在している。 このことからも鉄は銅よりイオン になりやすいといえる。 日 IIIO プラス どう そんぎい ふく でんり 2 十 2 と 0 + 銀 酸 O つ」「も - Cu2 + + 2N03 ー = Cu (N03)2 AgN03= Ag + + N03 硫酸銅 ( Ⅱ ) 水溶液に鉄く 硝酸銀水溶液中に銅線 ぎを入れると , 鉄くぎの を入れると , 銅線の表 表面に銅が付着する。 面に銀が付着する。 ぎんじゅ äN 銅樹 銀樹 448 ・化学 はんのう しようさんなまり 硝酸鉛水溶液中に鉄く ぎを入れると , 鉄くぎ の表面に鉛が付着する。 えんじゅ äi 鉛樹