化学 - みる会図書館


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1. スーパー理科事典

助走の長い科目」であるといえます。 おど 化学を学習するとき , 暗記物でなく , 血湧き , 肉踊る科目であるとい うことを , 化学の歴史を通してみてみましよう。 びせきぶん 力学の法則や微積分学 , 分光学の基礎を築いたニュートンの足跡をた れんきんじゅっ どると , 彼が最も長い年月をかけて研究したのは「錬金術」でした。錬 金術こそ当時の「化学」でした。しかも , ニュートンが力学・数学・光 学を研究していた期間は短期間であったのです。錬金術に関して , ニュ ートンは 50 万語にもおよぶ研究ノートを残しています。彼の愛用して もうはつ いた辞書の中にはさまれていた毛髪には , 多量の水銀が含まれていまし し た。水銀やその化合物は , 錬金術師たちが最もよく使う薬品でしたので , けいとう しようこ 彼の毛髪中の水銀は錬金術に傾倒していたまちがいのない証拠なのです。 さぎ 現代の科学では当時の錬金術というのは詐欺まがいのような行為とと みじゅく らえられていますが , 当時は , 化学が未熟であったので , まちがった理 ろんみちび 論で導かれていたのです ( それゆえ当時の化学をあえて「錬金術」とい ばんつ うのです ) 。当時の化学では , 万物はすべて水・火・空気・土というア しげんそせつ リストテレスの「四元素説」が中心でした。「金」は元素ではなく化合 てきとうわりあい 物であると考えられていたため , 四元素を適当な割合で混ぜ合わせれば , 金ができるに違いないと考えたのが , 錬金術の基本的な考えであったの です。 こんげん っしつ 知的な人にとっては , 物質の根源を求め , 物質の変化をあやつり , 新 しい物質をつくり出していくことは夢であり , ニュートンもその一人で あったのです。 みりよくみ ドイツの詩人ゲーテもまた , 化学の魅力に魅せられた一人でした。し ぼつにゆうちゅうとはんば かし , ゲーテの化学への没入は中途半端でなく , 当時の化学者であった デベライナーを家庭教師にして化学を学んだのです。当時の化学の中心 しんわりよく は「親和力説」というのがありました。親和力とは , 複分解 ( 2 種の化 こうかん 合物がその成分を交換して新たに 2 種の化合物を生ずる化学反応 AB 十 CD → AD 十 (B) のことで , 現在の中学校や高校で習う化学反応の 多くはこの形式です。代表的な水酸化ナトリウムと塩酸の中和 (NaOH しようさんぎんすいようえき 十 HCI → NaCl 十 H20 ) や , 硝酸銀水溶液に塩化ナトリウム水溶液を加え ちんでん ると , 塩化銀が沈殿する反応 (AgN03 + NaCI → AgCI 十 NaN03) があり ます。この反応の銀 Ag に対する親和力についてみてみれば , N03 ーよ り CI- のほうが大きいのです。この反応のように , さまざまな化学反応 の結果をまとめると , 化学反応論の体系ができるのです。 ふくざっ ゲーテは , この親和力を人間の複雑な男女関係にあてはめ「親和力」 なや という小説を書きました。また「若きウェルテルの悩み」は , 科学者の わかものれんあい 目で冷静に若者の恋愛を書いた有名な小説です。 第 5 章酸・アルカリ・塩とその化学反応ー 455 わ きず あしあと かれ ふく 考えにふける古代の人 り ま ちが ゆめ ふくぶんかい

2. スーパー理科事典

, , をアルカリ , , 塩その 化学反応 て 0 og ″の なお乙乙イ〃 めいしよう はんのうしき げんそきごう 化学は , 元素記号をはじめ化合物の名称 , 化学反応式な ぼうだい どを暗記しなければならない事項が膨大で , そのため , かい 「化学は暗記物」と誤解されがちです。また , 化学は , 生 こうはんい ろん 物 ( 学 ) のように広範囲な対象を , 理論と実験で多種多様な せんもんてき 方法論を学習しなければなりません。そのため , 専門的な 分野を勉強する以前に学習することがあまりにも多く , 化 学を初めて学ぶときは , とつつきにくい科目であるという 印象を強く感じます。いいかえると「化学を学習する道は , じこう アルミニウムが , て , 他の金属の酸 すい性質を利用し 酸素と結びつきや 454 ■化学 化物を還元する。 かんげん のうど さいばうえき アジサイの花びらの色の変化は , 花の細胞液の中の水素イオン濃度 ( pH ) にかかわりがある。

3. スーパー理科事典

かいしやく の仮説を正しく解釈して使うことにより , 分子の ぬ 表現や原子量の混乱から抜け出せると説いた。 この発言によって , アボガドロの分子説に理解 たいけい を示す化学者が多くなり , 化学の新しい体系が生 まれることになった。 水 素 水蒸気 酸素 かせつしようめい い , 後年この仮説が証明され , アポガドロの法則 とよばれるようになった。 たいけい 0 無視された分子説アポガドロの 2 つの仮説 化学の新しい体系 は , 当時の化学者たちにはこじつけの説明のよう こくさい 1860 年の第 1 回国際化学会議には , 当時の著名 に思われたので利用されなかった。また , 当時の けいけん な化学者が多数参加した。ロシアのメンデレーエ 化学者たちはいろいろな経験にたよった原子量や ひょうげん フやドイツのマイヤー (). L. Meyer, 1830 ~ 1895 ) 化合物の表現をもっていたし , 電気化学の誕生期 でもあり , 主流の話題はそちらだったため , この も出席していた。メンデレーエフは , カニツツア かんげき こうえん よち ーロが行った原子量についての講演に深く感激し , 分子説の登場する余地はなかった。約 50 年後 , しゅうきりつ 原子量をもとにした周期律を考えるにいたった。 イタリアのカニツツアーロ (). Cannizzaro) によ し用語解説参照 って , アポガドロの分子説が世に出されるまで , 0 元素の周期律 1869 年 , マイヤーは原子量に んらんじようたい 原子量などが決まらず乱状態が続いた。 着目し , 原子には周期性があることを発表した。 どくじ かくりつ 0 分子説の確立原子量の混乱状態を終わらせ 同じ年に , メンデレーエフは独自に , マイヤーよ しゅうきひょう やくわり り一歩進んだ周期表を発表した。 るのに重要な役割を果たしたのは , ドイツのカー p. 392 参照 メンデレーエフは , 元素の周期表から , 物質の ルスルーエで , 1860 年 9 月に開かれた初めての せいしっすいそく こくさい 物理的・化学的性質を推測し , 3 つの未知の元素 国際化学会議であった。会議は , 原子や分子の考 めいめいほう の存在を予言した。そして , この予言されたとお え方や化合物についての合理的な命名法を確立す こうえんとうろん りの性質をもった元素 ( ガリウム , スカンジウム , ることを中心に , 講演と討論が行われた。 きようじゅ ゲルマニウム ) がのちに発見された。 イタリアのゼノア大学の教授であったカニツツ ァーロは , この会議で原子と分子をはっきりと区 この元素の周期律の発見によって , 地球上のあ 別しなければならないことを力説し , アポガドロ らゆる元素の性質がわかるようになった。 ・ 0 00 十 扉 .397 参照 ちよめい たんじよう げんそ L ・ p. 392 参照 そんざい みちげんそ しゅうきひょう 科学者 周期表ガら未知元素を予言ーー メンデレーエフ げんしか もうもく 列し , 原子価が周期的に増減する ロシアの化学者メンデレーエフ 校の校長であったが , 盲目となり ことを発見し , 周期表とした。 職を失ったので , 家計は苦しかっ (Dmitriy lvanovich Mendeleev, 1834 ~ 1907 ) は , 14 人兄弟の末っ た。 子として生まれた。父親は , 中学 メンデレーエフは , シベリアへ せいじはん 追放されていた政治犯から科学を 学んだ。一度は大学入試に失敗し イ・ . 第 ・物れ物 - ・ 4 ・のマ・ 3. たが , その後ペテルプルクの中央 教育大学に入学し , 1 番の成績で 宿ムん、淋さー 卒業した。 りゅうがく フランスやドイツに留学し , カ ニツツアーロの原子量に関する講 かんげき 演を聞いて感激し , 当時知られて げんそ äN メンデレーエフ いた元素 ( 63 種 ) を原子量の順に配 周期表を発見したときのノート 第 2 章物質と原子・分子・ 377 ぞうげん しよく 4 えん

4. スーパー理科事典

エネルギーはどグように うつ 移り変わるのたろうか 止いろいろなエネルギー わたくし 私たちは , いろいろな種類のエネルギーを利用 して , 豊かな生活を送っている。どんなエネルギ ーがあるのだろうか。 0 力学的エネルギー運動している物体は , 他 の物体にあたるとその物体を動かすことができる 運動エネルギーをもっている。また , 高い所にあ じゅうりよく る物体は , 低い所にある物体より大きい重力によ ちぢ の る位置エネルギーをもっている。伸びたり , 縮ん だりしている弾性体は , 弾性力による位置エネル ギーをもっている。このような , 力や運動に関係 するエネルギーを力学的エネルギーという。 0 熱エネルギー しばんだゴム風船をあたため ていくと大きくふくらむ。これは , 風船の中の空 ぼうちょう 気が熱を得て膨張し , 体積が大きくなるためであ る。熱が空気の分子の運動を活発にさせる仕事を したので , 熱はエネルギーをもっているといえる。 1 ジュール ( 記号 J) の仕事の量は , 約 0.24 カ し約 4 . 2 カロリー ロリー ( 記号 cal) の熱量に相当する。 43 だんせいたい いろいろなエネルギー をすることができる。 0 電気工ネルギー したがって , 電気はエネル ることができ , また , そのモーターの回転で仕事 電気はモーターを回転させ エネルギー 化学 ( 霻電球 ) 究の エネルギーにはどんなものがあるのだろうか。 また , これらのエネルギーの間にはどのよう すがた な関係があり , エネルギーはどのように姿を変えていく のだろうか。 ギーをもっているといえる。 電気の仕事の量 ( 電力量 ) の単位は熱量と同じジ ュールである。そのほか , ワット時 ( 記号 (h) や キロワット時 ( 記号 kWh) などの単位も用いられ ている。 1 ワット秒は 1 ジュールに等しい。 し lwh = 3600J 0 化学工ネルギー木炭が燃えると熱が出る。 にさんかたんそ これは , 木炭の炭素と酸素が化合して二酸化炭素 C02 に変化するとき , 熱が発生するためである。 ぶっしつ 熱はエネルギーをもっているので , 物質の化学 変化によりエネルギーが発生する。この化学変化 ら p. 400 参照 によるエネルギーを化学工ネルギーという。 ガソリンを燃焼させて自動車が動いているのも 化学工ネルギーである。 さんそ 02 たんそ ねんしよう 0 光エネルギー 電池 ( 光電 池 ) にあて ると , モー ターを回し たりプザー を鳴らすこ とができる。 光線という けいこうとう 太陽の光や蛍光灯の光を太陽 太陽電池実験器 光を直接 , 電流に変え る装置で , 光エネルギー 熱エネ ルギー ( アレピ ) 人工衛星の 太陽電池 電気 エネルギー 電気工ネルギ - 電気工ネ ルギー 運動 エネルギー 化学 エネルギー 4 ( ガス ) かんでんら ( 乾電池 ) ( モーター ) ( アイロン ) 電気工ネルギー エネ」レギー エネ 熱エネルギー 0 音エネ 0 ルギー 第 5 章 0 光をあてるとモータ - が回る。 太 光エネルギー 0 ギ ( 本を燃やす ) 仕事とエネルギー ・ 61 5

5. スーパー理科事典

かんりゆう ス , コークスに分かれてくる。この乾留は , 下図 のような石炭化学工業に応用されている。 との反応などを比較してみると , ひかく 乾留コー タール かんりゆう ガス化 やきんせいれん / ロ カーバイド 工業 合成化学 工業 塩化ビニル せつかいちっそ さん 窒素肥料 合成樹脂 じゅし 高級アルコ - ル 石灰窒素 酢酸 なる。 色 鉄十硫黄灰色 硫化鉄黒色 どう 磁石との反応 磁石につく 磁石につかない äi 石炭化学工業の系統 加熱による化合 せいしつ 2 種以上の物質が反応して , ツ加熱と化合 ぶっしつはんのう 銅板 硫黄 下の表のように 希塩酸との反応 水素が発生 ゆかすいそ 硫化水素が発生 たム ふウ はル 硫黄の蒸気 も 0 銅と硫黄の化合 試験管に硫黄を入 れて加熱すると硫黄 じようき の蒸気ができる。 の蒸気の中に熱した 銅板を人れると , 光 と熱を出しながら銅 りゅうかどう との物質とはまったく性質の異なる , 新しい物質 ができる変化を化合といい , 化合によってできた 物質を化合物という。 いつばん 一般に , 物質を化合させるとき , 熱することが 板がとけて黒色の硫化銅ができる。できた硫化銅 には , 銅や硫黄の性質はない。 銅 (Cu) + 硫黄 ( S ) 硫化銅 (CuS) 多い。 0 化合の形式 物質 A + 物質 B いおう 物質 C 0 鉄と硫黄の化合鉄粉 ( 7.0g ) と硫黄 ( 4.0g ) にゆうばち こんごう を乳鉢でよく混合する。これを下図のように試験 管に入れ , 混合物の上部を強熱する。反応が始ま ったら火から離す。そのあと , 反応は自然に進ん りゅうかてつ でいき , 鉄と硫黄は激しく反応して , 硫化鉄がで はな はげ きる。 鉄 (Fe) + 硫黄 (S) 硫化鉄 (FeS) 反応前の物質 ( 鉄と硫黄の混合物 ) と反応後の物 質 ( 硫化鉄 ) について , 色 , 磁石との反応 , 希塩酸 じしやく きえんさん 鉄粉 7.0g 乳棒 7 乳鉢 にゆらばち 硫黄 4.0g 脱脂綿の栓 せん りゅうかてつ 部硫化鉄になる 鉄と硫黄の反応 0 熱と化学変化物質を化学変化させるとき , 初めは熱することが多い。しかし , 化学変化が始 まると熱を出すものも多い。 また , 初めから熱を与えなくても化学変化する ものもある。 化合と発熱・・・鉄と硫黄を化合させるとき , 初め 熱する必要はあるが , 反応が始まると熱する必要 がなく , 反応は自然に続く。 これは , 鉄と硫黄が化合することによって , 多 量の熱が出てくるためであり , その熱によって化 合が進むからである。このように , 物質どうしの 反応によって熱を出すものを発熱反応という。 加熱しないで起こる化合・・・液体の中で化学変化 が起こる場合 , 初め熱しなくても反応が起こるこ とがある。これは液体の中で , 物質が反応しやす じようたい い状態になっているためである。 このとき , 塩化マグネシウム水溶液と炭酸ナト リウム水溶液の反応のように , 周囲から熱を奪う 吸熱反応もあるが , ほとんどは発熱反応である。 ぶんかい 0 化合と分解の関係化合と分解とは逆の化学 あた えきたい すいようえき うば きゅうねつ 乳鉢で混合する 変化である。 物質 A 化合 + 物質 B 物質 C 分解 第 3 章化学変化のしくみ■ 41 7

6. スーパー理科事典

かがくせんい 化学繊維とは ぶっしつ 化学繊維とは せんい どんな物質だろうか さいせい こうせい わた てん かいこ 無機化合物でできる「無機繊維 ( 無機質繊維ともい が , グラスファイバー , カーボンファイバーなどの 参考上記は有機物い p. 343 参照 ) による繊維である ゆうきぶっ 成繊維 , 合成繊維の 3 つに大きく分けられる。 せい ある。この原料が何かによって , 再生繊維 , 半合 はんごう 料には , 天然のものと人工的に合成されたものが 繊維がつくられる。そして , 糸状分子をつくる原 非常に細長い糸状の分子で , この糸状の分子から いとじよう ひじよう 0 化学繊維の分類化学繊維を構成する分子は 維といい , 「人造繊維」とよばれることもある。 じんぞう して , 人の発想でつくられた繊維を一般に化学繊 いつばん 然 ( 自然 ) にある繊維を天然繊維という。これに対 ねんしぜん 蚕の繭からとれる絹 , 綿花からとれる綿など天 きぬめんか まゆ 究の COY わたくし せんい 私たちは , 衣服に使う繊維として天然のもの を活用して生活してきた。しかし , 近年 , 天 そんぎい 然に存在しない化学繊維も数多く開発されてきた。化学 も ていたのである。 トロセルロースからでき と名づけたが , これはニ この繊維を「綿火薬」 をもっことを発見した。 非常に燃えやすく爆発性 ばくはっせい ひじよう 繊維とはどんなものだろうか。 コロジオン 0 「綿火 薬」を安全な繊維にしよ ーンバイン う ) 」もある。 そんざい せんい うと努力をしていたボストンの医学生が , 綿火薬 に硝酸を加えることで , 爆発性のないニトロセル ロースを得ることに成功した。 このニトロセルロースは , 工ーテルやアルコー うす と えきたい ぬ ルに溶け , その液体を塗って乾燥させると , 薄く てじようぶなフィルムとなったので , 「コロジオ きずぐち ン」と名づけられて売り出され , 傷口のばんそう ざい 剤として広く使われるようになった。また , マニ キュアなどとしても用いられている。 0 再生繊維天然に存在するセルロース ( 繊維 こうぶんし、用語解説参照 しつ 素 ) やタンパク質などの高分子の物質を溶かし は原子か非常に多く結びついた分子 これを糸状にして得られた繊維を再生繊維という。 化学成分はもとの物質とほとんど変わらない。 ようかい 0 半合成繊維天然に存在する高分子を溶解し やすい分子に変化させて , 得られた繊維を半合成 繊維といい , 天然の糸状分子と化学成分が異なる。 0 合成繊維小さい分子から人工的に大きな分 子 ( 高分子化合物 ) をつくり出して得られる繊維を めいしよう 合成繊維という。この合成繊維の名称には , 「ポリ (poly-) 」という言葉が最初につくことが多 は多くの , 複数のという意眛 い。 せんい 化学繊維の発展 めんかやく 0 綿火薬 1845 年 , ドイツのシェーンバイン ぐうぜん (). F. Schönbein, 1799 ~ 1868 ) は , まったく偶然 しようさんりゆうさん もめん ではあったが , 木綿 ( セルロース ) を硝酸と硫酸の こんごうぶつ みずあら かんそう 混合物中にひたし水洗いして乾燥させたものは , 346 ■化学 そ はってん 繊 天然繊維 化学繊維 植物繊維・・・綿・亜麻・マニラ麻・ヤシ 動物繊維・・・羊毛・モヘア・カシミア・ カイコ糸 ・アスベスト ( 使用されていない ) 金属繊維・ガラス繊維・岩 石繊維・鉱さい繊維 セノレロース系・・・レーヨン・ キュプラ タンパク質系 その他・・・天然ゴム セルロース系・・・アセテート その他・・・塩化ゴム ポリアミド系・・・ナイロン ポリビニルアルコール系 ポリ塩化ビニリデン系 ポリ塩化ビニル系 ポリエステル系 ポリアクリロニトリル系 ポリエチレン系 ポリプロピレン系 ポリウレタン系など 半合成繊維 再生繊維 合成繊維 無機繊維 鉱物繊維・・ 繊維の分類

7. スーパー理科事典

かがくはんのうしき かがくへんか 化学変化のパターンにはどんな種類があり , 究の 化学反応式は何を 化学変化は式としてどのように表されるのだ はんのうしき ろうか。また , 化学反応式をつくるには , どうすればよ 表しているグだろうか いのだろうか。 はんのう かがくへんか は化学反応という。 化学変化とその形式 0 化合 2 種類以上の物質が変化して , まっ つりへんか ごうせい 自然界で起こる変化は , 物理変化と化学変化の たく新しい物質をつくる変化を化合 ( 合成 ) という。 2 つに分けられる。これらの変化のしくみを , 物 例えば , 炭素 C が空気中の酸素 02 と反応して , 質をつくっている分子から考えてみよう。 二酸化炭素 C02 ができる反応がある。これを「炭 この反応 ( は熱や光をともなうい 0 物理変化水の温度を低くして 0 。 C 以下にす 素と酸素が化合して , 二酸化炭素ができる。」と ぎやく ると , 固体の氷になり , 逆に温度を高くすると , いう。また , このように熱や光を出しながら , 酸 すいじようき ねんしよう 100 ℃で沸騰が始まって気体の水蒸気に変わる。 素と化合することを燃焼という。 きそく 固体の「氷」は , 水の分子が規則正しく並んで 化合の型 A 十 B ーー→ C じようたい しんどう いる状態である。このとき , 分子はそれぞれ振動 これを熱運動というい しているが , 温度を上げていくと , 振動が激しく 例 C 十 02 ーー→ C02 炭素酸素 二酸化炭素 なり , 分子は規則正しく並んでいられなくなって , 2 えきたい 水素 酸素 水 自由に動き回るようになる。これが液体の「水」 参考〕化合によって , 新しい物質をつくり , この物 はげ の状態で , さらに温度を上げていくと , 振動が激 質を実用的に利用する目的で反応させる場合を特に えきめん しくなり , 分子が液面から飛び出し空間を飛び ゆうきぶつ あっか 合成という。また , 有機物を化合させることを扱う 回るようになると , 気体の「水蒸気」となる。 学問のことを「有機合成化学」という。 このように物質の状態変化は , 分子の運動の状 ぶんかい 0 分解 1 つの物質が 2 種以上の別の物質に 態の変化であり , 分子そのものはまったく変化し なる反応を分解といい , 化合とは逆の反応である。 ていない。このような変化を物理変化という。 例えば , 水 H20 に電気を流すと水素 H2 と酸素 でんきぶんかい すいそ かさんかすいそ しよくばい 0 化学変イヒ水 H20 を電気分解すると , 水素 02 になる。また , 過酸化水素 H 202 に触媒として な右べージ参照 H2 と酸素 02 に分解され , これらは水とはまった 二酸化マンガンを加えると , 分解して水 H 20 と ら酸化マンガン ( IV ) ともいう く違った性質の別の物質である。このように , 原 酸素 02 になる。 子を組みかえて違う分子をつくり , もとの物質と はまったく別の物質になる変化を化学変化 , また 物理変化 物理変化 ( 状態変化 ) . ・ .4 ( 状態変化 ) 凝固 蒸発 凝縮 〔液化〕 H20( 水 ) 化学変化 っ しつ ふっとう なら 2H20 2 さんそ ちが せいしつ 分解の型 A ー→ B 十 C 央花放電をする 水素 : 酸素 = 2 : 1 電源裝置 H20 ( 水蒸気 ) H20(>JO 水銀 分解 分解 8 3 水とはまったく 違った物質 % 物理変化と化学変化の関係 誘導コイル 高い電圧をつくり出す ことができる 水の合成 ( ユージオメーター ) 400 ■化

8. スーパー理科事典

ーの回折 494 ーの吸収 493 ーの屈折 492 ーの三要素 494 ーの高さ 494 , 495 ーの伝わり方 490 , 491 ーの波 494 ーの速さ 491 , 492 ーの反射 ( の法則 ) オニュリ 143 オノ足類 84 雄花 29 , 34 お花畑 15 オービタル ( モデル ) 386 493 オランダイチゴ 143 親子説 187 重さ 518 , 535 , 600 オームの法則 548 , 551 , 554 オーム (Q) 547 おばれ谷 307 オホーック海気団 232 温帯低気圧 234 , 239 音速 495 温室効果 ( ガス ) 651 温室 60 おんさ 495 オーロラ ( 現象 ) 562 , 631 330 オルドビス紀 66 , 124 , 323 , オールトの雲 205 オリンポス山 200 オリオン座 190 , 210 , 318 温度調節器 503 温度傾性 70 温度計 499 , 503 温点 115 温暖前線 226 , 232 , 233 温暖高気圧 235 温暖型閉そく前線 温帯林 14 233 外炎 409 , 415 音波 494 温度目盛り 499 温度と光合成量 60 オゾンホール 630 , 644 おたまじゃくし 146 音 113 , 490 , 494 , 495 ーの大きさ 494 , 495 核融合 191 , 212 , 213 , 388 , あそん ~ ガほん 外合 206 外呼吸 105 外骨格 77 , 82 , 123 塊根 143 階差機関 640 外耳・外耳道 界磁石 568 海食がい 299 113 海食 ( 作用 ) 299 化学物質による突然変異 429 339 , 374 , 400 155 化学変化 化学平衡 379 核戦争防止の宣言 核エネルギー 616 , 628 核移植 158 核 ( 地球 ) 256 , 319 核 ( 太陽 ) 188 核 ( すい星 ) 204 核 ( 細胞 ) 128 可逆反応 428 河岸段丘 298 , 299 化学方程式 401 ーの向き 428 ーの速さ 426 ーと質量 422 ーと規則性 424 核分裂 388 , 628 核燃料サイクル 629 火山れき 252 過酸化水素の分解 加算器 640 花糸 28 可視画像 238 可視光線 190 果実 28 , 30 , 31 356 , 357 海食台 299 海食洞 299 海水 348 海水中の塩分 海水電池 620 ガイスラー管 回折 494 海藻 ( 類 ) 169 海退 307 害虫 10 , 164 回腸 92 加水分解 91 , 296 , 465 価数 459 , 468 ガス・シルヴェストル ガスパーナー 409 風 228 , 230 , 231 火星 200 , 390 358 348 582 海底の年代 315 回転結晶法 381 回転モーター 571 解糖 106 外胚葉 146 灰白質 117 海風 231 , 501 開放血管系 103 解剖顕微鏡 22 海面更正 229 , 230 海綿状組織 49 , 132 海綿動物 87 回遊 169 海洋温度差発電 628 海洋底拡大説 314 海洋プレート 316 界雷 234 , 247 海陸風 231 , 501 海嶺 314 , 316 回路 540 外惑星 206 カエルの運動 79 カエルの心臓の血流 103 カエルの赤血球 97 カエルの聴覚器官 114 カエルの発生 146 カエルの変態 79 , 139 化学反応式 374 , 401 , 402 化学反応 400 , 403 化学的風化作用 295 化学的消化 88 化学走性 121 化学繊維 346 化学式 398 , 403 化学屈性 68 化学工ネルギー 615 カオリン 296 629 がく 28 ーの変化 拡散 436 学説 375 角膜 112 隔膜法 445 31 カゲヒゲムシ 下弦 186 化合 400 , 417 17 火成岩 270 , 271 , 276 , 278 , 296 火成論 275 化石 281 , 304 化石燃料 632 下層雲系 238 画像の整理 25 仮足 87 , 123 , 130 家族生活 175 加速度 ( 運動 ) 507 , 595 , 598 , 可塑性物質 344 潟 ( 潟湖 ) 301 カタクリ 20 かたつむり管 114 カタバミの就眠運動 71 活火山 258 , 259 滑車 521 , 608 活性化エネルギー 427 カッ藻類 39 , 41 , 142 活断層 309 活物寄生生活型 170 599 化合物 337 , 348 , 362 , 390 , ーの組成 423 ーの分子模型 399 417 花こう岩 257 , 270 , 278 , 279 , 火山 252 , 254 , 259 笠雲 240 火砕流 253 , 306 火砕丘 259 仮根 35 , 37 , 46 かご形神経系 116 下降気流 228 296 ーの分布 258 , 259 果糖 94 仮道管 35 カニツツアーロ S. カニのはさみ 82 ガニメデ 201 加熱 339 377 ーによる分解・化合 417 ーによる変質 407 加熱器具 408 , 411 可燃性気体 354 ガの光走性 121 カビ 42 , 143 価標 399 花粉 28 , 137 花粉管 30 花弁 28 下方侵食 298 416 , 海王星 202 開花期の調節 71 外核 ( 地球 ) 256 海岸段丘 299 皆既月食 197 皆既日食 ( 皆既食 ) 塊茎 143 海溝 265 , 314 かいこう ( 探査機 ) 0 火山ガス 252 火山岩 278 火山岩塊 252 火山岩尖 259 火山砕せっ丘 火山砕せつ物 火山じん 252 火山弾 252 火山泥流 253 火山灰 252 火山灰土 290 259 252 196 531 火山噴出物 252 下方置換法 358 , 359 , 362 過飽和溶液 435 カボチャの花 29 カーポンナノチュープ 623 さくいん■ 705

9. スーパー理科事典

いつばん ねん しよう ぶっしっさんか さんか 0 燃 焼 燃焼とは , 一般に , 物質が酸化される 0 広い 意味での酸化 は p. 414 参照 ときに熱や光が発生する化学変化をいう。 はんのう っしつ 物質の酸化とは , 酸素と化合する反応だけでな 燃焼 + 筺調ー→壓化物 + 熱・光 うば すいそふく く , 水素を含んだ化合物から水素が奪われる反応 C 十 ーー→ C02 も酸化という。 二酸化炭素 えんさん にさんか S 十 S02 0 塩酸の酸化 塩酸と二酸化マンガンとの反応 二酸化硫黄 えんそ により , 塩素が発生する。 4P 十 502 P4010 十酸化四リン 4H0 十 Mn02 -- - ー今 C12 十 MnC12 十 2H20 十 202 3 Fe 二酸化マンガン 塩素塩化マンガン 四酸化三鉄 えんかすいそすいようえき このとき , 塩酸 ( 塩化水素の水溶液 ) に含まれて 2Mg 十 ーー今 2MgO げんし 酸化マグネシウム いる水素原子 H が奪われる。この結果 , 塩素は原 2Ca じようたい 十 2CaO ぶんし 子の状態になり , 2 原子で塩素分子をつくるもの 酸化カルシウム C2H50H 十 302 2C02 十 3H20 とマンガン M n に結びつくものが生じる。 二酸化炭素 そこで , 「塩化水素は二酸化マンガンによって C02 十 2H20 CH4 2 酸化された」という。 さんかぎい たんそ 酸化剤・・・上の化学反応式で , 二酸化マンガンは 〔注なエタノールやメタンなど炭素の化合物 ( 有機 かごうぶっ にさんかたんそ も 相手の物質から水素を奪って酸化させたので , 酸 化合物 ) が燃えると , 二酸化炭素と水ができる。 きんぞく 化剤である。 0 さびさびは , 金属がゆっくりと酸化して か できた酸化物である。 0 ョウ化水素の酸化 ョウ化水素の水溶液に過 さんかすいそすい ( 物質 ) ( ゆっくりと酸化 ) ( 酸化物 = さび ) 酸化水素水を加えると , ョウ化水素をつくってい 十 302 4Fe - ー→ 2Fe203 る水素原子が奪われる。 2HI 十 H202 ー→ 12 十 2H20 2Cu 十 02 2CuO ョウ化水素過酸化水素 この結果 , ョウ素は原子の状態になり , さらに 十 02 2Pb 2PbO 2 つ集まってョウ素分子をつくる。 十 302 4 川 2A し 03 このとき , 過酸化水素は相手の物質から水素を 奪って酸化させたのであるから酸化剤である。 さんか 最も広い意味での酸化 すいそ 物質の酸化は , 酸素と化合することや水素が奪 われることであったが , もっと広い意味での酸化 は , 「原子 , 分子およびイオンから電子が奪われ ること」である。 このことは , 「酸素との化合」「水素が奪われる はんのう 反応」という酸化をも説明することができるため , 酸化についての基本的な意味であるといえる。 0 水素の酸イヒ 水素と酸素から水をつくること ができる。 2H2 十 02 - ー→ 2H20 この反応では , 水素は酸素と化合して酸化され , 第 3 章化学変化のしくみ■ 41 9 さんそ カルシウム エタノール ゆうき 酸化鉄 ( Ⅲ ) 酸化銅 ()l ) 酸化鉛 ( い 酸化アルミ 鉄 ( スチールウール ) の燃焼 燃焼もさびも , 酸素との化合 である。 鉄のさび ( 赤さび ) ねんしよう うば さんそ ぶっしつ げんしぶんし きほんてき 水

10. スーパー理科事典

げんそ ②原子には種々の種類がある。しかも , 各元素こ せいしつ とに固有の原子があり , 同一元素の原子の性質は まったく同じであり , また , その重さも等しい。 そして , 異なる元素の原子は , 性質が同じではな く , 特に重さが等しくない。 ③化合物はその成分元素の原子が集まってつくっ ふくすう た複数の原子からできている。そして , ある 1 つ の化合物をつくる場合 , その成分元素の原子の数 つね は常に一定であって , しかも , その数は常に簡単 な整数である。 いぎ 0 近代原子説の意義ドルトンの原子説は「近 代原子説」といわれるが , 次のような点が近代的 近代原子論ーードルトン かんたん であるといえる。 ちが ②「原子の重さの違いは , 原子どうしの間で決ま を明らかにした。 ①「元素は原子からできている」と , 元素の考え ドルトン (John Dalton, げんしろん 科学者 ちょうさ けいえい かれ あらわ 気象論』という書物を をもち , 『気象観測と かんそく 特に , 気象学に関心 えていた 教師となり , 科学を教 きようし 経営する小さな学校の 生まれ , 1778 年に兄の クエーカー教徒の家に リスの化学者であり , 1766 ~ 1844 ) は , ドルトン イギ っている」と , 原子量の考えについて初めて明ら かにした。 ③「化合物は原子が組み合わさったものである」 げんぎい と現在の化合物の考えの出発点となることを明ら かにした。 これらの事がらは , 現在の分子式の考えや化学 かがくはんのうしき 変化のしくみを表す化学反応式の考えなど , 多く のことの根本になる考えなどを示している。 しめ はってん 原子説からの化学の発展 ひ に化合物が 2 つあるとき , 1 つは AB, 他の 1 つ いては HO となり , もし 2 種類の元素 A, B の間 したがって , 今日の元素記号で書けば , 水につ 酸素の化合物は水しか知られていなかった ) 。 数の比を 1 : 1 として考えるのである ( 当時水素と 則 ) 。すなわち , 水の場合 , 水素と酸素の原子の 簡単な数と考えることにした ( 最大単純性の規 かんたん 盾が見いだされないかぎり , 原子の数の比を最も じゅん 実験的手段はまったくなかったので , 実験的に矛 しゆだん む 最大単純性の規則・・・ところが , この比を決める たんじゅんせいきそく 子の重さは 3 になるはずである。 原子の重さは 12 になり , 逆に 2 : 1 ならば酸素原 ぎやく の重さは 6 になる。もし , 1 : 2 であるなら酸素 のとき , 水素原子の重さを 1 とすると , 酸素原子 つまり , 酸素原子と水素原子の数の比が 1 : 1 るのではないかと考えた。 がわかれば , 原子の重さの相対的な比が求められ らドルトンは化合物原子とよんだ とから , 水をつくっている水素と酸素の原子の数 くられることを実験によって知っていた。このこ 現在は酸素 8g と水素 1 g から , 水 9g がて、きるとわかっ ( いる、」 g の酸素と lg の水素とが化合して , 7g の水がつ さんそ すいそ ドルトンは , 6 0 原子の重さは決められるか 著した。彼は気象の調査を続けているうちに , 大 気をはじめ気体に興味をもち始め , 気体について 追求した結果 , 原子論ができ上がったのである。 結果として , 原子論のきっかけとなった気象観測 も , 死の前日まで 57 年間毎日続けられた。 しきかくいじよう また , 彼は色覚異常のため , 実験は上手ではな かったが , 自ら色覚異常に関する研究も 1794 年 に発表した。 ポイルやニュートンの研究およびプルーストの 定比例の法則 , さらにデモクリトスの理論を化学 実験で裏づけ , 1808 年に原子説を『化学理論の新 かいせつ 体系』で詳しく解説した。 374 ・化学 きようみ うら たいけい 元素 いおう 化合物 ④水素 $ s 硫黄水 ① N 窒素◎ cu 銅 C02 二酸化炭素 ぎん 0 C 炭素⑨ Ag 銀 S02 二酸化硫黄 ドルトンは , 水素と酸素が 1 原子ずっ結合して水ができると考え ていた。このように現在の考えと違うものがある。 ドルトンの用いた元素記号と現在の記号 ちっそ ちが