タックス・イーター志賀櫻 9 7 8 4 0 0 4 5 1 5 1 7 9 カロ タックス・イーター 消えていく税金 国民の税金を食い荒らし、富を奪い取る者は誰だ。政治 こりはカ、ら と経済に隠然たる力を及ばし、法を逆手こ 文明の対価であるべき税を掠めてゆく。揺らぐ財政の屋 台骨。国を存立の危機に追い込む悪行を見過ごしてよい のか。その不正と複雑なからくりを解明し、日本の暗部 に切り込む。好評『タックス・ヘイプン』の続編。 ・岩波新書から・ タックス・ヘイプン志賀櫻 ー逃げていく税金ー 日本の税金新版三木義一 納税者の権利北野弘久黄 アベノ、くクスの終焉服部茂幸 ドキュメントアメリカの金権政治軽部謙介 1 9 2 0 2 5 6 0 0 7 8 0 4 I S B N 9 7 8 ー 4 - 0 0 ー 4 5 1 5 1 7 - 9 C 0 2 5 6 \ 7 8 0 E 定価 ( 本体 780 円十税 ) 1495 1179 岩波新書・第′ 岩波新書 1517 1517
タックス・イーター 消えていく税金 Sakura Shiga 岩波新書 1517
志賀櫻 タックス・イーター 消えていく税金 Saku 「 a Shiga 岩波新書 1517
心、貝櫻 1949 年東京都生まれ 1970 年司法試験合格 , 1971 年東京大学法学部卒 業 , 大蔵省人省 . 熊本国税局宮崎税務署長 , 在連 合王国日本国大使館参事官 , 主税局国際租税課長 兼 OECD 租税委員会日本国メンバー , 主計局主 寸官をへて , 1993 年警察庁へ出向 , 岐阜県警察 本部長 , 1998 年金融監督庁国際担当参事官兼 FSF 日本国メンバー , 特定金融情報管理官兼 FATF 日本国メンバー , 2000 年東京税関長 , 2002 年財務省退官 , 2010 ー 12 年政府税制調査会納税環 境整備小委員会特別委員 現在ー弁護士 著書ー『タックス・ヘイプン』 ( 岩波新書 ) , 「日銀発 金融危機』 ( 朝日新聞出版 ) , 『詳解国際租税法 の理論と実務』 ( 民事法研究会 ) ほか 二 1 ロ タックス・イーター 消えていく税金 2014. 年 12 月 19 日 第 1 刷発行 しがさくら 著者 志賀櫻 岡本厚 発行者 株式会社岩波書店 発行所 〒 101- 繝 2 東京都千代田区ーツ橋 2 ー 5 ー 5 案内 03-5210-4000 販売部 03 ー 5210-4111 http: 〃 www.iwanami. CO. j p/ 新書編集部 03 ー 5210 ー 4054 http://www.iwanamishinsho.com/ 印刷・精興社カバー・半七印刷製本・中永製本 ( 0 Sakura Shiga 2014 ISBN 978 ー 4 ー 00 ー 431517 ー 9 Printed in Japan 岩波新書 ( 新赤版 ) 1517
岩波新書新赤版一〇〇〇点に際して その先にいかなる時代を展望するのか、私たちはその輪郭すら描きえてい ひとつの時代が終わったと言われて久しい 二〇世紀から持ち越した課題の多くは、未だ解決の緒を見つけることのできないままであり、二一世紀が新たに招きよせ ーバル資本主義の浸透、憎悪の連鎖、暴力の応酬ーー世界は混沌として深い不安の只中にある。 た問題も少なくない。グロ 現代社会においては変化が常態となり、速さと新しさに絶対的な価値が与えられた。消費社会の深化と情報技術の革命は、 種々の境界を無くし、人々の生活やコミュニケーションの様式を根底から変容させてきた。ライフスタイルは多様化し、一面で は個人の生き方をそれぞれが選びとる時代が始まっている。同時に、新たな格差が生まれ、様々な次元での亀裂や分断が深まっ ている。社会や歴史に対する意識が揺らぎ、普遍的な理念に対する根本的な懐疑や、現実を変えることへの無力感がひそかに根 を張りつつある。そして生きることに誰もが困難を覚える時代が到来している。 しかし、日常生活のそれぞれの場で、自由と民主主義を獲得し実践することを通じて、私たち自身がそうした閉塞を乗り超え、 いま求められていることーーそれは、個と個の間で 希望の時代の幕開けを告げてゆくことは不可能ではあるまい。そのために、 開かれた対話を積み重ねながら、人間らしく生きることの条件について一人びとりが粘り強く思考することではないか。その営 みの糧となるものが、教養に外ならないと私たちは考える。歴史とは何か、よく生きるとはいかなることか、世界そして人間は どこへ向かうべきなのか こうした根源的な問いとの格闘が、文化と知の厚みを作り出し、個人と社会を支える基盤としての 教養となった。まさにそのような教養への道案内こそ、岩波新書が創刊以来、追求してきたことである。 岩波新書は、日中戦争下の一九三八年一一月に赤版として創刊された。創刊の辞は、道義の精神に則らない日本の行動を憂慮 し、批判的精神と良心的行動の欠如を戒めつつ、現代人の現代的教養を刊行の目的とする、と謳っている。以後、青版、黄版、 新赤版と装いを改めながら、合計二五〇〇点余りを世に問うてきた。そして、いままた新赤版が一〇〇〇点を迎えたのを機に、 人間の理性と良心への信頼を再確認し、それに裏打ちされた文化を培っていく決意を込めて、新しい装丁のもとに再出発したい と思う。一冊一冊から吹き出す新風が一人でも多くの読者の許に届くこと、そして希望ある時代への想像力を豊かにかき立てる ことを切に願、つ。 ( 二〇〇六年四月 )
く を 間 山 崎 憲 著 かたな にのぜ しか日 な。本 いしで のかは 、働 社なく 会ぜこ の今と しは く仕が み事何 かがよ ら暮り 考ら大 えし切 るをだ 1516 原 と 大 を 葬 々 添 田 孝 史 著 綿や地 密そ震 なの学 取後に 材のよ に補る よ強最 つに新 てなの そぜ科 の活学 詳か的 細さ知 をれ見 克なは 明か につ原 描た発 くの設 。か計 1515 小 市 の 戦 矢 作 弘 著 デ成人 ト長ロ ロす減 イると ト産 とと業 トいの リう衰 ノ新退 のしの 試いも みかと かた らち小 探をさ る、く 。破、 綻賢 都く 市、 1514 岩波新書最新刊から 1512 グ ロ 経 済 史 門 杉 伸 也 著 現ル国 代な民 ま問経 で題済 のがの 歴形枠 史成組 をさみ 描れで きては だき捉 すたえ 。十き 画四れ 期世な 的紀い 人半グ 門ばロ 書力、一 。らバ コ レ ト ガ ス 花 正 晴 著 か企低 。業迷 実のす 証ガる う ) ノぐ業 析ナ績 でン 実ス頻 態ス発 とす 将統る 来、、ス 像キ にのヤ 迫根ン る本ダ 。間ル 題。 は日 何本 1513 里 時 間 阿芥 直 美仁 著 すし素 。や朴 つかな んに自 と暮然 来らが るす残 懐人る かび各 しと地 さのの 。日集 カ々落 ラのを ー営訪 写みね 真を、 多伝っ 数えっ 。まま 1511 閉 じ る せ 残 里 子 著 が勇人 開気生 くをは 。だ長 ュしい ニて舞 ー閉台 クじ。 なて折 生こ々 きそに 方、幕 ェ新の ッた閉 セなじ イシど ンが のあ 幕る 1510 保 育 と か 近 藤 生 著 な環待 の境機 かの児 。な童 あか問 りで題 つ き幼ビ 保児ー 育をシ 像守ッ をるタ 模た一 索め事 すに件 る何。 。が厳 必し 要い 1509 ( 2014. 12 )
ンである。ハイバー・インフレーションは、庶民から購買力を強制的に奪うので、形を変えた 税であると理解されている。しかも、誰にどのような負担が行くのかが明確でないため、税と しては甚だ始末に負えない類の税である。もしも万策尽き果て、そのような選択肢を取ったと き、政府をはじめ国家全体は巨大なタックス・イーターに豹変するであろう。 いま我々に必要なことは、事実を直視し、問題の所在を正しく知ることである。ところが、 日本においてはあまりにも多くの不正や欺瞞によって事実が隠ぺいされている。したがって、 我々はまず隠された事実を明らかにすることから始めなければならない。そして、事実を知っ たかぎりは、その事実から目をそむけてはならない。その思いで筆を執った。 今回も岩波書店の永沼浩一氏には大変なお世話になった。前著のあとがきでは「スナイバー とスポッターのコンビ」という表現を使ったが、今回ははるかにそれを超えていて、実際には 二人の共著である。共著者に御礼を一一一一口うことはありえないから、あとがきの締めくくりは、前 著と同様に御礼の言葉ではない。共著者がお互いの労をねぎらうだけのことである。 二〇一四年一二月 志賀櫻 200