正多面体の性質とオイフーの多面体定理 正多面体はプラトンの多面体ともよばれま プラトンは、美しい形の立体それだけに感 と す。プラトンの時代のギリシア数学は、調和動していたのですが、さらに関係が双対であ し が重視されたときでした。平面図形における ることを知って、ク神は幾何学する彡という名 を 調和といえば、円であり正多角形であり、ま 言を残したといわれています。 た球と正多面体が三次元的な図形でした。多 プラトンにとって、立体の美しさはク神の名 面体をつくるのは、面の数をふやすことで、 作品クに匹敵するほどに素晴らしいものと思 と いくらでもできるように思われますが、実は えたのでしよう。 そうではありません。 プラトンは 5 種類の正多面体を眺め、それす 正多面体とよべるものは、 5 種類しかない ぞれの面の中心に頂点を設け、そこに多面体何 のです。 をつくってみることを試みたのです。すると 神 正四面体、正六面体 ( 立方体 ) 、正八面体、 そこには、別の正多面体ができることを発見 、す しました。 正十ニ面体、正ニ十面体です。 はま ①どの面もすべてが合同となる正多角形で これを双対な多面体とよびました。正六面 0 ラれ ある。②それぞれの頂点に集まる面の数がど 体の双対は、正八面体で、正十 - 一面体と双対プわ こも同しである。この一一つの条件をみたす多 となるのは正一一十面体です。 面体が正多面体です。 こ
2032 十 4064 となります。ここまではギリ シア時代に、すでに発見されていましたが、 5 番目の発見までには 17 0 0 年もかかって います。完全数は現在までに、個見つかっ ています。 2 2 0 の自分自身を除いた約数は一 / 2 / 4 / 5 / 一 0 / 一一 / 2 0 / 2 2 / 45 / 5 5 / 一一 0 で和は 284 となります。 一方、 284 の自分自身を除いた約数は一 / 2 / 4 / 7 一 / 一 42 で和は 220 となります。 220 と 284 が友愛数であることは、古代ギ リシア時代に発見されています。 その次の友愛数は 17296 と 18416 で、フェルマーによって発見されました。 数字のピラミッド 美しくて、不思議です ! 6 2 ー 5 2 0 x 9 十 1 5 6 2 ー 5 5 2 1 2345 x 9 十 6 = 1 1 1 1 1 1 1 23456 x 9 十 7 = 1 1 1 1 1 1 1 1 234567 >< 9 十 8 = 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2345678 >< 9 十 9 = 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 >< 9 十 2 = 1 2 >< 9 十 3 = 1 23 x 9 十 4 = 1 234 >< 9 十 5 = 5 5 6 2 ー 5 5 5 2 = 5 5 5 6 2 ー 5 5 5 5 2
? 知って得する数学の定理 微分積分学の基本定理 積分 微分 複雑な形の 曲線の接線 面積を求める 変化率を求める 十算はむずかしい 比較的計算がやさしい 誕生の歴史を比較 古代エジプト時代 17 世紀にニュートンと ・エジプトの「ナイル川」 ライプニツツにより発明 が氾濫をおこす ・どちらが先に発明したか については、ニュートンが 土地の測量、幾何学の発達 先という説が有力 ・ライプニツツは、記号の アルキメデスの「取りつく 考案に興味をもち、積分記 し法」が積分の基礎となる 号として使われる「 / 」イ ンテグラルを考案 図形を細かく分けて考える これによってわかりやすさ 円・円周率 がますこととなった 高校の数学で学ぶ「微分・積分」。実はこ の「微分・積分」は日常生活の様々なとこ ろで活用されている重要な定理なのだ。 fabf(x)dx=F(b)—F(a) 一三ロ 知って得する定理
フィポナッチ数列は黄金比へと近づいていく フイボナッチ数列の隣合う 2 項の比をとっていくと、黄金比に近づくこと は前に述べましたが、では、この黄金比とはどんなものでしよう。 黄金比とは、「宇宙空間で最も美しい数値」とまでいわれるものです。、 は名刺から大は惑星の軌道にまで黄金比率は、関係しているのです。私たち の体も、この黄金比率によっているといわれています。具体的にどのような ものかとい一つと、 線分 AB を AB 〕 AC Ⅱ AC 〕 BC AC2=BC ・ AB となるように、点 0 で分けたときの比を黄金比といいます。 ゝ C 〕 BC Ⅱ こ計 > 62 こであらわされます。 紀元前 4 世紀に、。 キリシアで考案したといわれ、ク黄金比クの名をつけた のはレオナルド・ダ・ヴィンチです。 古来、黄金比は美術や建築、工芸などの世界において、調和のとれた造 形美をつくりあげる基本と、考えられてきました。ミロのヴィーナス、 リの凱旋門、ハルテノン神殿のほかに、一一ユーヨークの国連ビル、ピラミッ ドなどが有名です。 2 1 2 世紀にイタリア人、フイボ ナッチによってアラビアから伝 えられた「 0 」は、 5 世紀頃イ ンドで誕生。「 O 」は無を意味 しますが「ゼロ」という呼び名 はイタリア語からきています。 豆知讙
計算かやさしいことから、高校数学では微分を先に習いますが、実は歴史 的にみると積分のほうははるか古代エジプト時代から、すでに用いられてい たのです。 ナイル川がひんばんに氾濫することで、測量の技術が時間とともに発達 し、複雑な地形の面積を求めることが、積分の考え方のもととなっていたの です。 ①関数 , 、 ) に対し、 F ・ ( x ) Ⅱ . 、気 ) をみたす関数 F 電 ) を , 、 ( x ) の原始関 数といいます。また、 . 、 ( x ) の任意の原始関数は、 F ( x ) + c とあらわし、ト、 ( し x と書く。 朝関数Ⅱ f 〔 x ) であらわすグラフと x Ⅱを x Ⅱの 2 本の直線と x 軸で囲ま れた部分の面積を、、 ( しとあらわします。 関数 . 、 ( x ) のから b まで積分するといいます。これらのことから、微分 積分学の基本定理は、 、 ( しトⅡスこー F ( 。 ) となるのです。 ※微分積分については 110 ページでも解説があります。 微分積分学の基本定理を知る 音楽の世界の天才家族といえば バッハがあげられるでしよう。 数学の世界においても同様に天 才家族がいます。 3 代で 8 人の 数学者を生んだベルヌーイ家が そうです。 豆知讙 6
ボナッチ数列は不思議な力をもっている ハスカルの三角形〔ページ ) にでてきたフイボナッチ数列とは、別名 ピサのレオナルドとよばれたフイボナッチが出版した『算盤の書』のなかに 「ウサギの間題」として書かれているものです。 「毎月、 1 対のウサギが 1 対のウサギを生み、生まれた 1 対のウサギが、翌々 月から 1 対のウサギを生み始めたならば 、 1 対のウサギから 1 年後には、合 計何対のウサギとなっているだろう」というものです。 、つ 0 、 1 、 4 、 5 、 9 、 2 、つ 0 、 5 、 8 14 4 、 2 っ 0 っ 0 : 2 っ 0 5 8 増えていきます。この数列は、次の 2 項となる規則性をもっています。 Ⅱ 4a2 Ⅱ > a = Ⅱ a 、 12 十 an-l ( n Ⅳ 3 ) フィポナッチ数列は、ほかの生物の現象でも見ることができます。花びら の数、草や葉のつき方などです。コスモスの花びらは 8 枚、マーガレットは 幻枚、ひまわりは枚です。 また面白いことに、フイボナッチ数列の 2 項の比を無限大までとっていく と、その値は黄金比へと収東していくのです。黄金比の歴史は、古代ギリシ さかのば ア時代に遡りピタゴラス学派の正五角形に関する研究に見られます。 ・・と 数学 豆知讙 「トレミーの定理」の数学者トレ ーはもともとは天文学者であ リ、自著『アルマゲスト』に記載 した星座は 48 あり、ローマ神話 にちなんだものです。それは「ト レミー星座」とよばれています。
ピタゴラスの定理 ピタゴラスの定理は、別名「三平方の定理」ともよばれるもので、初 最もよく知られた定理です。 等 ( ユークリッド ) 幾何学のなかで、 つならば、 / C は直角となります。 す。 C2 十 CB2 = B2 逆に、三角形 BC において、左の式が成り立 Z C を直角とする直角三角形 BC において次のことが成り立ちま 測量をしていたのです。 土地に棒杭を立て、その棒杭にひもを結んだりすることで、面積の めの方法として用いられていました。 三平方の定理は、古代エジプトの時代から土地の面積を測量するた ビタゴラスの定理の証明 この正方形は、底辺が b で高さが c の直角三角形が 4 っと、 一辺が b 十 c となっている正方形の面積は ( b 十 c ) 2 となる。 正方形の面積は 4x ーり 9 ー十 a2 である 4 つの三角形と小さな正方形をたした大きな 一辺の長さが a の正方形で構成されている。 bc つまり ( b + c) 2 = 4 x 2 2 b2 十 2 b c 十 c = b 2 十 c 2 となる a 2 2 = 2 bc 十 a 2 2 2 2 a = b 2 十 c b 2 十 c 2 ー a 2 十 2 bc = 2 bc 2 (b + c)2 bc ( 別解 ) >< 4
00000 0000 「計算記号」はいったいいっ誕生したのでしようか 、だん、 0 」げ 0 く使 0 、〔 0 計算記号すが、一」 0 記号が発明され 0 以前 0 ) ) は、すべて言葉であらわすように書いていたのですから大変です。 ではいっ頃、いったい誰によって考えられたのでしようか。 すべての学問のなかで、最も古い年の歴史をもっ数学ですが、実は 計算記号の歴史は世紀 5 レ世紀から使われ始めたので、わすか uooo 年前後 でしかないのです。 しかもこの時期に集中して計算記号が発明されたのには、その理由があるので す。ヨーロッパでは、世紀頃から大航海寺代を迎えました。 1492 年には、コロンプスにより、アメリカ大陸が発見されます。 1498 年には東インド航路を、バスコ・ダ・ガマが発見し、新大陸の発見 やアジアとの交易も盛んになります。貿易が盛んになることで、長い航海中の安 全が望まれ、そこから天文学が発達しました。 天文学は星や月の位置を正確に把握することが重要ですから、複雑な計算が要 なにげなく使って / いる計算の記号が ないと想像すると 、ゾッとします !
, 、知って得する数学の定理 アーベルの定理 f(x)=anxn 十 an-lxn- 十・・・・・・ al 十 ao を、 n 次多項式として、 f は ) = 0 の代数方程式を考える n = 1 、 2 、 3 、 4 の場合は解の公式がある 方程式の係数 a 、 a 。により、加減乗除や累乗根を用いてあ らわされた式、係数の値にかかわらず、その値を式に代入す ることで計算をすると、方程式の解が得られるものをいう ところが、 「 n と 5 のとき、解の公式は存在しない」 ということを証明したのが、アーベルだった 一次方程式、ニ次方程式の解法は、古くからあった 三次方程式、四次方程式は、それぞれカルダノと フェラリにより解法が得られている ・五次方程式の解法も時間の問題と思われていたが、 解法がないことが証明された→ガロア理論 数学史上ショッキングな事件といわれている 知って得する定理 ガロア理論ひとくちメモ 加減乗除ができるような数の範疇での代数方程式を考察対象 とする。代数方程式が " 代数的に解ける " かどうかが問題と なる。ガロアは四次までの代数方程式についてはこれが可能 と唱え、五次以上の方程式の解法は不可能であることをアー ベルよりも詳しく論じた。これを「ガロア理論」という。
三角形の五心の定理の基本を理解する 三角形には内心、外心、重心、垂心、傍心の、 5 つの中心があります。 ①内心定理 : : : 三角形の 3 つの角の 2 等分線は 1 点で交わる。 ②外心定理 : : : 三角形の 3 辺の垂直 2 等分線は 1 点で交わる。 ③重心定理 : : : 三角形の 3 つの中線 ( 頂点と三辺の中点を結ふ線分 ) は 1 点で交わる。 ④垂心定理 : : : 三角形の各頂点から対辺に下ろした垂線は 1 点で交わる。 ⑤傍心定理 : : : 三角形の 1 つの頂角の 2 等分線と、他の 2 つの角の外角の 2 等分線は、 1 点で交わり傍心は 3 つある。 また、外心、重心、垂心は 1 直線上 ( オイラー線 ) に存在します。 これらの三つの定理は、前述した「チエバの定理」 ( 的ページ ) を利用し て証明することができます。 チャレンジしてみてください。 三角形の 5 つの心は古くから知られており、ユークリッドの『原論』 ( ページ参照 ) にも記述が見られます。 数学 豆知讙 ①の内心、②の外心、③の重心 は今でも高校入試によく出ま す。図を描きながら三角形の 5 心を考えると、理屈でそして自 然に覚えることができます。