がわ ] 910 年、カナダのアルバータ州を流れるレッド・ディア川 はつけん で、たくさんの恐竜化石が発見され、今日では、カナダはアメ 館 リカとかたをならべる白亜紀後期恐竜のほうことなっています。 しせんしはくぶつかん さらに、 1922 年から、アメリカ自然史博物館のロイ・チャッ ブマン・アンドリュースらによって始められた中央アジアの化 石調査においては、モンゴルで多くのプロトケラトプスやオヴ イラブトルの化石を発見するというせいかがありました。さら はっくつ にこのころ、南米のバタゴニアやインドでも恐竜化石の発掘が さかんに行われるようになりました。 はつけん バーナム・ブラウンと発掘現場 162
きようりうしようほうかん 恐竜情報館 0 化石ハンターたちの活やく きようり 0 うがく きこうはん 恐竜学が始まったのはイギリスですが、 19 世紀後半になる きうり 0 うけんを 0 う きうり 0 うかせき はつけん と、恐竜研究の中心地は、とても多くの量の恐竜化石が発見さ れるアメリカへとうつっていきました。そして、アメリカの恐竜 やくめ し 0 くめい 研究を引っぱっていく役目をはたしたのが、ふたりの宿命のラ たいがく イバル、イエール大学のオスニエル・チャールズ・マーシュと フィラデルフィア科学アカデミーのエドワード・ドリンカー コープでした。 はんかくてき アメリカでの恐竜研究は、 1858 年から本格的にスタートし ました。この年、ペンシルバニア大学のジョセフ・ライディー はつけん は、ニュージャージー州で発見された、白亜紀後期のイグアノ しょ ( ぶつしよくきようり 0 う ドンににた植物食恐竜の化石を発表し、これをハドロサウルス さいしょ はつけん と名づけました。これは、ヨーロッパ以外で発見された最初の きまつり 0 う 恐竜であるとともに、カモノハシ竜の最初の発見ともなりました。 そして、 1877 年、いよいよマーシュとコープによる恐竜研 究史上最大の発掘きようそうが始まります。この年、コロラト 州の化石しゅう集家アーサー・レイクスが、モリソンの町の近 はね じようほん くで大きな骨の化石を発見し、その標本の一部をマーシュとコ かも ープの元に送ったのです。このふたりはともにお金持ちで、化 石の骨を高く買ってくれることで有名だったのです。 しかし、このふたりのなかは決してよくはありませんでした。 最初のうちは、ふたりはふつうにつきあっていたのですが、 るとき、マーシュがコープの研究のまちがいを指てきしたこと からなかが悪くなり、このころには完全に相手をライバルとみ るようになっていたのです。 このときマーシュが先に手を打ってこの化石をおさえました かせきはつけん が、同じ年、第 2 の化石発見のほうこくがコロラド州ガー はっくつ ン・シテイからとどくと、コープはすぐにその発掘を始めまし た。こうしてコープが学会にほうこくしたのがかみなり竜カマ ラサウルスです。 このころから、化石をめぐるふたりのあらそいは急にはげし たいかく はっぴょう かせき はつけん はっくつ し 0 うか はつけん 始祖鳥の化石 しんかろん という本で「進化論」を発表しました。しかし、その当時は、 ものかみ かがくしゃ あらゆる生き物は神によってつくられたと考える人が科学者の 中にもたくさんおり、進化という考え方はきびしいこうけきを うけたのです。 さいうう ところが、そのさわきの最中に発見された始祖鳥は、ちょう ち 0 うかん どは虫類と鳥との中間のすがたをしていたのです。ダーウイン を支持する人々は、これこそ進化の何よりのしようこだと考え ました。つまり、これはは虫類から鳥が進化すると中の生き物 だというわけです。 1870 年にハックスレーはメガロサウルス きようつうてん はっぴょう とダチョウに 35 の共通点があることを学会で発表しましたが、 おおがた それは大型でニ足歩行するからにているにすきないと反ろんさ れました。その後、 1900 年にオズボーンが恐竜と鳥が同じ祖 先から進化したと発表し、 191 1 年にはアベルが、獣脚類と鳥 きつつつ 類は共通の祖先から進化したと主張しました。 1960 年代になると、鳥の恐竜起げん説は新たなしようこと ち 0 うもく ともにまた注目され始め、今もなお鳥の起けんをめぐってろん そうが続いています。 1 9 世紀の、もう 1 つの大きなせいかは、恐竜の分類方法がで きたことでしよう。 1877 年、イギリスのハリー・シーリーは こつはん り 0 ラはんもく 5 みうはんもく 恐竜をその骨盤の特ちょうによって「竜盤目」と「鳥盤目」 ぶんるい の 2 つに分けました。この分類は今でもうけつがれ、恐竜とい うのは、 1 つの祖先から分かれていった 2 大グループとされて います。こうして、恐竜学のきそはかたまっていったのです。 160 はっぴょう かんせん はつけん . ち 0 うるい がっかい ひとひと がっかい はん はっぴょう いま ぶんるいはうほう ハドロサウルスの愕
きようりゆうがく 0 新しい時代の恐奄学 1 920 年代までに、たくさんの恐竜化石は発見されたのです いっしゅ が、恐竜はは虫類の一種で、気温のへん化によって体温もかわ ・おんどうぶつ るヘん温動物であると考えられていました。知のうが低く、行 動もにぶく、かんきようへのてきおう能力などなかったため、 よりすぐれた生き物であるほ乳類が登場すると、生存きようそう に負けてほろんでしまった、というのが多くの研究者の意見だ ったのです。ところが、 1964 年、それまでの竜のイメージ はつけん を大きくかえてしまう発見がありました。モンタナ州で新しく こがたにくしよくきまうり 0 う 見つかった小型肉食恐竜ディノニクスは、とてもすばしっこい どうぶつ ・おんどうぶつ 動物で、へん温動物であるは虫類としては考えられないような 体のつくりをしていたのです。おまけにかれらが、群れをなして ・もの え物をおそっていたと考えられる化石も見つかりました。 きうり 0 う はつけん この恐竜を発見したイエール大学のジョン・オストロムは、デ こっかく イノニクスの骨格が始祖鳥ととてもよくにていることに気づき ・おんどうぶつ ました。いうまでもなく、鳥はこう温動物です。もし、恐竜と 鳥が、昔いわれていたようにつながりがあるのだとしたら、 ・おんどうぶつ 竜もこう温動物だったのかもしれません。 オストロムは、そのかのうせいを指てきしたにとどまりまし たが、かれの学生のひとりのロバート・バッカ - は、恐竜こう おんどうぶっせつ けいとう 温動物説をさらにすすめ、 1 974 年、鳥と恐竜を 1 つの系統に まとめてしまう大たんな説を発表しました。さらに、このころ から多くのわかい研究者たちが、新しい資料にもとづく昔のも のとちがった恐竜のすがたをつぎつきに発表し始めました。 例えは、かってカミナリ竜というのは、とても体重が重かっ りくしよう せいなっ たため、陸上で体をささえることができず、 . 水中で生活してい たといわれていました。しかし、かみなり竜の足あとを調べる と、明らかにかんそうした地面を群れなして歩きまわってい て、子供を群れの中に入れて守るといった行動も見られたよう です。さらに、恐竜の間には広く子育て行動があったといわれる ようになりました。 きよっり 0 1 これら、 70 年代以後の新しい恐竜学を「恐竜ルネッサンス」 とよびます。分岐分類学という新しい手法にもとづき、恐竜の けいとう 系統の見直しや新しい標本のさいけんとう、 CT やコンピュー つか ターモデルなど、現代のきじゅっを使った研究も行われるよう になりました。 恐竜の化石の中には、表面が石にかわっても、内がわは生の 骨のしくみがそのままのこっているものがたくさんあり、そこ から恐竜の遺伝子を取り出して、ほかの恐竜の遺伝子とくらべ ることも考えられています。 それが本当にかのうなら、われわれは、化石の形からだけで なく、恐竜の進化をたどることができるようになり、鳥と恐竜 の関係をはじめ、多くの問題を解決することができるようにな るかもしれません。 ですが、「ジュラシックバーク」のようなことができるかのう さいしゅう せいはとても低いだけでなく、これまで恐竜の DNA を採集した なんかい というニュースは何回かありましたが、いすれも後でまちがい かくにん であったことが確認されています。 毎年新しい恐竜化石が発見されつづけています。これらを新 しゅはう をしゆっ けんきゅう しい手法と技術で研究するだけでなく、これまでに集められた むかしひょうはん あたら けんきゅう 昔の標本も、新しい研究にもとづいて見なおしてみると、新し はつけん い発見がたくさん出てくるものです。 恐竜のことはもうかなり知りつくされてしまったようなイメ ージを持っている人もいると思われますが、まだまだたくさん 研究しなくてはならないことがのこっています。 ディノニクス はつけん しゅほう みなお なま ェイ - エメ工ー がくせい はつけん はっぴょう ら土ロ 1 63
6 ・コープ はっくつ さをましていきました。マーシュとコープはそれぞれ発掘チー せいぶ ムをアメリカ合衆国の西部に送りこみ、これらのチームは先を あらそって化石をさがすだけではなく、相手チームを見張り、ス あいて バイを送りこみ、ほりのこした骨は相手にうはわれないように つか たたきこわし、ついには銃を使ったうち合いまで起こったと伝 えられています。 しかし、このあらそいのおかげで、ふたりかほうこくした恐 竜やそのほかの化石はあわせて 1 30 種以上になり、アバトサウ ルス ( プロントサウルス ) 、デイプロドクス、アロサウルス、ス テゴサウルス、トリケラトプスなど、有名な恐竜が世に知られ ることになったのです。 かせきはっくつ 1 9 世紀後半から 20 世紀初めにかけて、多くの化石発掘のプ 口が活やくするようになりました。化石ハンターとして有名な のは、マーシュとコープの発掘の手伝いから始まり、後にプロ はっくっしゃ の発掘者となったチャールズ・スターンバーグ、カーネギー博 ぶつかん こくつつきうりう 物館の化石さい集人で、「国立恐竜モニュメント」になっている はつけん コロラド州のカーネギーさい掘場を 1909 年に発見したア かせき はっくつ 工ドワード 人々です。 ひとひと ル・ダグラス、 チャールズ ・スタンバーグ しぜんしはくぶつかん アメリカ自然史博物館のさい集人でテイラノサ ウルスを始め、多くの化石を集めたバーナム・ブラウンなどの はっくつ 1 61 宀骨格 ・ブラキオサウルスの アロサウルスの頭骨 はつけん はつけん オサウルスなど多くの恐竜が発見されました。 した。ここからは、ブラキオサウルス、エラフロサウルス、ドリ ・ヤネンシュを中心としたチームによる発掘調査が行われま はっくつ 5 ようさ 竜化石が発見され、 1 909 年から、ベルリン博物館のウェルナ はくぶつかん なせき 1907 年、タンザニアのテンダグルにおいて、大りようの るようになりました。 また、 20 世紀に入ると、世界かく地で新しい恐竜が発掘され
おもとく さんし 0 っち せいそくじき ぜんちょう しよくせい ・食性・全長・生息時期・産出地◆主な特ちょう 獣脚類 ( けもの竜 ) し物うきやくるい メガロサウルス メガロサウルス科 やく ・肉食■約 8m ? ・ジュラ紀中期 ・イギリス・フランス・ハンガリー きようり 0 う せかい けんき禮う さいしょ ◆世界で最初に研究された恐竜として有名ですが、 かせき ぶかんぜん 化石が不完全なため、多くのなぞがのこっています。 りゅう 下あこは、かなり ほっそりとしている きちうき にくしよく みじかまえあし 短い前足 ゆうめい おお さいしょ きようりゆう 最初の恐竜メガロサウルス さいしょ きようりうかせき 最初の恐竜化石がいつ発見されたのかは、 よく分かりません。 1822 年、イギリスのサ セックス州で、医者のギデオン・マンテル が発見したイグアノドンの歯がそれだとい せいしきかっかい われています。しかし、正式に学会にほう さいしょ きようりゅう こくされた最初の恐竜は、メガロサウルス は です。歯だけがイギリスのオックスフォー しゅう はつけん ド州で発見されて、大きなトカゲという意 味のメガロサウルスと名づけられました。 ねんせいしき そして、 1824 年、正式なろん文が発表され ました。 はなづら なが はつけん ねん やや長めの鼻面 しゅう はつけん まえあし 前足はとても短い は おお トルヴォサウルス メガロサウルス科 やく きこうき ・肉食■約 10m ・ジュラ紀後期 げんしてきとく ・アメリカ◆やや原始的な特ちょう おおかたにくしよくきようり 0 う をのこした、大型肉食恐竜ですが、 かせきすこ 化石が少ししか出ていないので、く わしいことは分かっていません。 にくしよく ぶんはっぴょう メガロサウルスの骨の模型 きようリゆう このなかまの恐竜としては、 体が小さい ガソサウルス メガロサウルス科 やく きち 0 うき ■肉食・約 3.5m ■ジュラ紀中期 ち 0 うこく ぶぶんてき かせきみ ■中国◆部分的にしか化石が見つか しせんしよう はつけんち っていません。発見地の四川省・自 てんねん 貢市が天然ガスの産地なのにちなん で、名づけられました。 もけい にくしよく 、ミミ歳 ノ一第ア当 ~ な " じ心うき 0 ( るい ほかの獣脚類には見られ ない形のとさか きようりゆう 南極の恐竜 雪と氷にとざされた南厖は、発掘がむずかしいため、わ ずかな化石しか見つかっていません。その中でも、クリョ いちはんかんせん ロフォサウルスは今のところー番完全な恐篭のイヒ石です。 なんきよく クリョロフォサウルス ■肉食・約 5m ? ・ジュラ紀前期 ・南極◆おうぎのような形の目立っ さいだし、とく たとさかが最大の特ちょうです。原 始的なケラトサウルス類のなかまであ る、という意見もあります。 なんきよく けん いけん 30 なんき一く クリョロフォサウルスは、南極で見つかった恐竜で、かわった形のとさかがあるので「氷ったとさかを持つトカゲ」と名づけられました。
炭坑で見つかったイグアノドン きようり 0 う イグアノドンは、世界で最初に発見された恐竜です。最初に発見されたのが歯だ どうぶつ おやゆびほねあたま ったので、全長 70m にもなるとても大きなイグアナににた動物や、親指の骨が頭 つの おも ほんあし の角だと思われて、 4 本足のサイのようなは虫類だったという想ぞうもされました。 ねん イグアノドンの正しいすがたが初めて分かったのは、 1878 年、ベルギーのベルニサ たんこう ちてん かんぜんこっかく はつけん ール炭坑の地下 332m の地点で、多くのイグアノドンの完全骨格が発見されてから そくほこうどうぶつ のことです。これにより、初めてイグアノドンが 2 足歩行の動物であることが分か りました。 せかい さいしよはつけん さいしょはつけん せんちょう おお ・ち 0 うるい おお こっかく ベルニサールの炭坑から見つかったイグアノドンの骨格 こっかく ・カンプトサウルスの骨格 うえ おお 大きなどう 少しだけ ムがった : らさき ゆびみじか 指が短い、 小さめの まえあし カンプトサウルス カンプトサウルス科 ■植物食・ 3.5 ~ 7m ・ジュラ紀後期・アメ リカ・イギリス◆長くなったあこや歯の形など あしゅび は、イグアノドンににていますが、足の指が 4 ほん おお 本であるなどのちがいも多く持っています。 やや短めの尾 しよくぶつしよく なが ひろくちさき かなり広い口先 はんゆびふとあし 3 本指の太い足 プロバクトロサウルス イグアノドン科 しくぶつしよく やく はくあきぜんき ち増うごくうち ■植物食■約 6m ・白亜紀前期■中国 ( 内モンゴル ) ・モンゴル は はかた り 0 うつう ぶぶん しんか ◆歯の生え方などにカモノハシ竜に通じる部分のある、進化したイグ かせき アノドン類です。化石もたくさん見つかっています。 プロバクトロサウルスの骨格 なまえ イグアノドンは「イグアナの歯」、カンプトサウルス「曲がったトカゲ」、アルティリヌスは「高い鼻面」という意味の名前です。 こっかく 99 たかはなづら
短めの首 おお 大きなどう体 せはね 背骨のとっきは、低い 自由に動く尾 ヌオ工ロサウルス カマラサウルス科 しよ ( ぶつしよく はくあきぜんき やく ■植物食■約 26m ■白亜紀前期・中国 ( 内モンゴル ) くび からだおもりうきやくるい ◆首はやや短めで、どう体がとても大きく、体の重い竜脚類です。 げんしてき はうちか ジョバリアなどの、やや原始的なグループの方に近いかもしれま せん。 スプーンのような歯 らからづよあし うち ち 0 うこく とても太くて、 力強い足 みじか おお にほんりゆうきやくるい 日本の竜脚類 いしかわけんしらみねむら ふくいけんかつやまし はくあきせんき 石川県白峰村や、福井県勝山市の白亜紀前期 の地層から、オオアラシリュウやスギャマリュ ウなど、カマラサウルス科、またはエウヘロプ ス科のものににたスプーン型の歯が見つかって しらみねむら います。また、白峰村のハクサンリュウのよう に、デイプロドクス科のものににたえんびつ型 の歯も発見されています。 ヌオ工ロサウルスの骨格 はつけん オオアラシリュウの歯 こっかく きようり 0 う さいだい 最大の恐竜はどれか きようり 0 う 最も大きなかみなり竜を名乗る恐竜はたくさんあり おお こっかく おお ます。しかし、その多くは部分的な骨格から大きさが おしはかられているだけで、大きさがかく実なものは ぶぶん なかなかありません。その中で、見つかっている部分 おお が多いのはセイスモサウルスです。アメリカのニュー はつけん きまっ メキシコ州で、ジュラ紀末の地層から発見されたこの きようりゆう せんしん ほね 恐竜は、すでに全身の 70 % の骨が見つかっていて、 さいだい ぜんちょう 最大に見つもれば全長 52m になるといわれます ( た いまふくげん だ、手足はまったく見つかっていません ) 。今、復元 こっかく 骨格を組み立て中です。コロラド州で見つかったスー ぜんちょう バーサウルスは、全長 43m と思われますが、この恐 せいちょう 竜はまだ成長しきっていませんでした。もっと不かく おおがた ぜんちょう 実なものでは、大型のアンフィコ工リアスが全長 60 きようりゅう ねんたか m といわれます。この恐竜は、 1878 年、高さ 2.4m に せほね はつけん いま およぶ背骨が 1 個だけ発見されていますが、今その化 せきゅくえふめい 石は行方不明となっています。 なの もっとおお デイプロドクス ぶぶんてき アバトサウルス じつ おお なか ちそう し 0 う セイスモサウルス にんげん 人間 てあし しゅう ちゅう おも おおがた 大型の アンフィコ工リアス じつ アンフィコ 工リアス か 69
おもと ( さんし 0 っち しよくせいぜんちょうせいそくじき ・食性■全長・生息時期・産出地◆主な特ちょう つオウイラブトロサウルス巓 りう しうきやくるい 獣脚類 ( けもの竜 ) リンチェー まえあし しゅうきやくるい の前足なとが特ちょうです。体は鳥のような長い羽毛でおおわれ 鳥によくにた獣脚類です。前足はつばさのようで始祖鳥と同じ かたちふと さき ほね みしか ていたと考えられています。主に卵を食べていたと思われていま ような形の太い鎖骨を持ち、尾の先の骨が鳥のように短くなって しようどうぶつ ほんゆび したが、小動物などいろいろなものを食べていたようです。 いました。歯のないくちばしと、大きなかぎづめのついた 3 本指 ・オヴィラブトルの骨格 とさか インケー うもう からだ しそちょうおな とり まえあし おも かんが とり さこっ こっかく さきほうはね 鳥のように先の方の骨が くつついて短くなった化 せきはつけん 石が発見されています。 はそなが 細長い首 がっしりとしたとっ はな うえはつ 鼻のあなが、 上の方にある 大きな目 じようけ 上下にあついあご ふとユーじがた 太い U 字型の鎖骨 ちこっさきひろ 恥骨の先が広がっている 大きなかきづめ はんゆび がついた 3 本指 おりたたむことの まえあし できる、発達した前足 オヴィラブトルオヴィラブトル科 はくあきこうき ・雑食■ 2.4m ・白亜紀後期■モンゴル・中国 ( 内モンゴル ) ◆このグループを代 うわ みじかあたまおお つい 表する恐竜です。上下にあついあこと、上あこに 1 対だけ歯を持ち、短い頭や大きな まえあし あたまうえはう はな とさか、頭の上の方にある鼻のあななど、かわった特ちょうがあります。また、前足 かんが はね が長く、鳥のつばさのようなかたちで、長い羽がついていたと考える人もいます。 たまご ち 0 うこくうち ざっしよく 卵どろほうではなかった オヴィラブトルの最初の化石は 1924 年、モン こがたつのりう ゴルで、小型の角竜プロトケラトプスの巣のそ はつけん ばから発見されました。そこで、これは卵をぬ たまこ すみに来た所を見つかったものと考えられ、「卵 どろぼう」を意味する名がついたのです。ところ ねん が、 1993 年、プロトケラトプスのものといわれ あか たまこなか ていた卵の中から、完全なオヴィラブトルの赤 こっかく はつけん ちゃんの骨格が発見され、卵どろぼうどころか、 しぶん 自分の巣を守ったまま死んだことが初めて明ら かになりました。 じようげ きようり 0 う ひょう かせき さいしょ ひと なが なか かんな いみ かんせん 中に赤ちゃんが入った、オヴィラブトルの卵の化石 かせき なか あか はい
おもとく さんし 0 っち しくせいぜんちょうせいそくじき ・性・全長・生息時期■産出地◆主な特ちょう のカマラサウルス類 りう 竜脚形類 ( かみなり竜 ) り物うをやくけいるい ヌオ工ロサウルス カマラサウルス がた リゆうきやくるい すいへい せなか 竜脚類としては大きめの頭を持っています。口にはスプーン型 かたとこしの高さがほば同じなので背中が水平です。北アメリカ いちはん はつけん で一番たくさん発見される竜脚類ですが、このグループにふくま の大きな歯がならび、鼻のあなは大きめで、ひたいのあたりにあ せばね しゆるい ります。頭は短くてがっしりしています。首や背骨のとっきはあ れる種類はごくわすかです。 まり高くありませんが、大きくふたまたになっています。また、 ・カマラサウルスの骨格 おな くち おお おお おお はな リゆうきやくるい くび おお こっかく 第 - 朝 1 ( ・竄 ひろはな 広い鼻のあな 短めで高さのある、 大きな頭 すいへい ほば水平で、少し せなか 下がりぎみの背中 スプーン型の 大きな歯 まっすぐな尾 くびろっこつなが 首の肋骨が長い カマラサウルスの子供の骨格 カマラサウルス カマラサウルス科 しょ ( ぶつし一く やく ・植物食・約 1 8 m ■ジュラ紀 後期・アメリカ・ポルトガル ? ◆短い頭、短めの首、かたとこしの すいへし、せなか おな 高さがほほ同じなため水平な背中、 やや短めでまっすぐな尾などが特ち ようです。歯は大きくて、スプーン こどもぜんしんこっかく 型をしています。子供の全身骨格を かせき 初め、ほぞんのよい化石がいくつも はつけん 発見されています。 まえあし 発達した前足 こっか くび・・ あたま - : 68
かわった形の ノ、ン・マー - かふめい テンチサウルス科不明 ・植物食■ 3m ■ジュラ紀中期・中国 ( 新彊ウ イグル ) ◆最古のよろい竜で、おびのようにつら さきちい ほれ なったよろいや、尾の先に小さな骨のハンマーを 持っことなどから、アンキロサウルスのなかまと されています。 しょ ( ぶつしよく きち 0 うき ち 0 うこくしんきよう さいこ けんき、うすす 研究が進んでいないので、 くわしいすがたは 分かっていない ーゴイロサウルス 科不明 しよくぶつしよく ■植物食・ 3m ・ジュラ紀覆期 ■アメリカ◆頭の後ろやほおに長い くちさき とげがあります。口先に歯がのこっ げんしてき ているなど原始的です。頭以外につ いては、よく分かっていません。 かふめい なが あたまいがい とけの生えた、っごっした頭 ぶあついよろい 体については、よく分かっていない シャモサウルス アンキロサウルス科 しよくぶつしよく はくあき ■植物食ー約 5m 白亜紀 ぜんき くびまも 前期・モンゴル◆首を守る とうこっ おびのようなよろいや頭骨 くちさき が、とてもあっく、口先が 広がっていないなど原始的 くび で、まっすぐな首などはノ ドサウルス類ににています。 シャモサウルスの頭骨 やく おもあたま 重い頭 b00 、・ 0000 異 るい とうこっ ジュラ紀のよろい竜 ねんだい あときようり 0 う 1970 年代まで、よろい竜はみな白亜紀中ころより後の恐竜とされていました。 ねんだい はつけん しかし、 80 年代に入ると、つきつきにジュラ紀の地層からよろい竜が発見され、 ねんち 0 うこく 実さいにはかなり早くからいたことが分かりました。とりわけ、 1994 年に中国 せいぶ ちい 西部のジュラ紀中期の地層から発見されたテンチサウルスは、小さいながら尾の さき ねんだい いっき 先にはちゃんとハンマーがあり、アンキロサウルス科の始まりの年代は一気にさ かのほりました。 はくあきなか はい じっ はや はつけん きち 0 うき ちそう かせき ジュラ紀の地層から見つかった、よろい竜の化石 89