文化 - みる会図書館


検索対象: 戦争にチャンスを与えよ
28件見つかりました。

1. 戦争にチャンスを与えよ

もちろん、アンダーソン・ク ー。、ーは、フライトアテンダントの胸など触ったことがな いほど上品だろう。ところが、彼には未来がない。 トランプには未来がある。 まだ健在なアメリカの戦士文化 少子化については、さまざまな見解や分析があることは承知している。しかし、そうし た分析で取り上げられている諸要素は、少子化とほば無関係だ、と私は考えている。戦争 を嫌悪する国、「生命の法則」を拒否する国で、少子化と人口減少が生じているからだ。 今日のヨーロッパ文化の「非戦闘化」の一部は、アメリカから輸人されたものだ。 アメリカ社会には、もともと『イーリアス』が語る「戦士の文化」から逸脱する余裕が あり、そこからフェミニズムやトランスジェンダーの思想が生まれた。 ヨーロッパ社会には、もともとカトリック的な反国家田 5 想、反軍事思想、ルター的な贖 罪意識があり、そうした文化的土台に、フェミニズム、トランスジェンダーといった思想 がアメリカから流人してきたのである。 ところが、アメリカでは、そうした新しい思想による文化的なダメージは、わすかなも のに留まった。アメリカ人の大部分は、いまだに『イーリアス』の精神を守り続けている 170

2. 戦争にチャンスを与えよ

戦国武将の戦略論 完璧な戦術家ーー武田信玄 最高の戦略家ーー徳川家康 「戦術」と「戦略」を併せ持っーーー織田信長 戦略に必要なのは「規律」 アメリカとの同盟 「同盟」こそ最強の戦略 「戦士の文化の喪失と人口減少 戦争から見たヨーロッパ 戦争から生まれたダイナミックなヨーロッパ 『オデュッセイア』と『イーリアス』 ヨーロッパ文化の「非戦闘化による少子化 「生命の法則」を拒否する国は消滅する トランプには未来がある まだ健在なアメリカの戦士文化 自殺するヨーロッパ ヨーロッパと戦争 ディンプリン 163

3. 戦争にチャンスを与えよ

ヨーロツ。ハの消滅は不可避 少 ヨーロツ。、 / の今後について、私は悲観的である。文化的に大革命が起こって、ヨーロッ パの本来の思想文化、要するに『イーリアス』の教えが復活しないかぎり、ヨーロッ ( オし力、らた。 失未来まよ、ゝ の「男は戦いを好み、女は戦士を好む」という文化が消滅すれは、その国の人口減少と衰退 は確定的である。 の フランスでも出生率が高いのは、主にイスラム系の女性であり、アメリカでは、銃規制 反対派のような人々であることに注目すべきである。 銃規制賛成派は、子供をあまり産んでいない。 彼らの文化やライフスタイルでは、女性 一人あたり二人以上産むことは、そもそもあり得ないようになりつつある。 ロ 今日、多くのヨーロッ ハの人々にとって、子供をたくさん産むことは、恐布でしかない。 見自分たちの貴重な余暇やバカンスの時間を奪われてしまうからだ。 、ら か『イーリアス』を復活させす、イスラム系難民の流人も止めす、ヨーロッパ人としてのア 戦イデンティテイも再構築せす、ヒューマニズムとしては素晴らしいが、生存にとっては破 壊的でしかない一連の革新的なイデオロギーも止めないなら、ヨーロッパの消滅は、不可 179

4. 戦争にチャンスを与えよ

「イタリアでは、ポルジア家の圧政や汚職や混乱や暴力カノ 。ゝ、レネッサンスを生んだ。とこ 少ろが、スイスの平和な五〇〇年は何を生んだか ? 鳩時計だけさ」 結論を言おう。ヨーロッパの将来は、財政要因や経済要因で決定されるものではない。 人 ハの人々は、もはや『イーリアス』を読 失それを決定するのは文化だ。ところが、ヨーロッ のんでいないのである。 文 のイスラエルの「戦士の文化」 イスラエルのテルアビブを訪れてみるとよい。 大卒の女性たちも、当然のように、子供を三人産んでいる。私の知人の若い女性も、四 人きようだいの一人だ。要するに、イスラエルは、「戦士の文化」を社会的に維持してい ロ ョるのである。彼らは、先進的だが破壊的な現代のイデオロギーには、毒されていないのだ。 見イスラエルの一八歳の若者は、フェイスブックへの投稿より、軍隊への人隊を欲してい 、ら かる。そこで彼らは、男らしさ、勇敢さ、チャレンジ精神を試される。そして女性の半数以 戦上が軍隊に人り、戦闘部隊に参加する者もいる。 しかも、イスラエルでは、ハイテク産業が盛んだ。高度なテクノロジーを次々に生み出 18 ー

5. 戦争にチャンスを与えよ

を輩出し している。小国ながら数多くのノーベル賞受賞者ーー「平和賞」ではないー ているのである。 このような「戦士の文化」をも「た国が、創造的なハイテク産業を擁し、しかも世界へ の探求心も強い。 たとえは、イスラエルから多数のバックパッカーたちが、世界中に旅行に出かけている。 人口は八六〇万人なのに、まるで八〇〇〇万人の人口規模の国であるかのような存在感だ。 イスラエルの若者は、それほど冒険心に満ちているのである。 ここでわれわれは、皮肉な現象を目撃していることになる。それは、ヨーロッパ文化が 最後に花を咲かせている場所が、中東のイスラエルである、ということだ。 182

6. 戦争にチャンスを与えよ

「生命の法則」を拒否する国は消滅する 今日のヨーロッパでは、クレフェルトの言う「生命の法則」が拒否されている。 「生命の法則」とは、端的に一一一口えは、「男は戦いを好み、女は戦士を好む」というものだ。 もちろん、この法則をあざ笑う人もいるだろう。ところが、この法則が拒否される国で少 子化が起きているのだ。戦いを嫌う国では、子供があまり生まれていないのである。 今日のヨーロッパは、成熟した高度な文化を持ち、自由主義的であり、それゆえに「生 命の法則」を拒否している。しかし、「生命の法則」を拒否する国は、将来、存続できな くなる。人口数が減って、いずれは消滅するからだ。 女性一人当たり一・一人程度の出生率では、人口は、半減を繰り返し、どんどん減って いくはすだ。これこそ、いま世界中で起こっている現象である。 「生命の原則」を拒否した後に残るのは、「死」だけだ。戦いが、「野蛮」で「原始的」で 「後退的」とみなされるようになれば、子供は生まれなくなる。「男は戦いを好み、女は戦 士を好む」という文化を失った国は、いずれ消滅する。 ここで注目すべきは、イギリスの出生率が、イタリアやスペインなど他の欧州諸国より 比較的高いことである。イギリスには、「男は戦いを好み、女は戦士を好む」の文化が、 168

7. 戦争にチャンスを与えよ

戦争から見たヨーロッパ 「戦士の文化」の喪失と人口減少

8. 戦争にチャンスを与えよ

の「憲法」に述べられていたのは、実は、たった二つの事柄だった。 少 一つは、「男は戦いを好む」ということ。もう一つは、「女は戦士を好む」ということだ。 今日のヨーロッパでは、このような思想は否定されており、大多数の人々は、平和主義 人 を肯定し、戦争そのものを否定し、社会全体に、暴力に対する嫌悪感が充満している。彼 のらは、戦争を嫌っているし、敵を殺すのを嫌っている。英軍の兵士が、イラクでイラク人 を殺した、として軍法会議にかけられているほどだ。 文 のところか、ヨーロツ。、 ノの男たちが、戦争を嫌悪するようになり、戦争そのものを回避す つまり愛すべき対 るようになることで、ヨーロッパの女たちも、愛すべき戦士を失ない、 リノ 0 、ゝ 象を失ない、子供をあまり生んでいないのだ。ヨーロ、 ノカら戦争がなくなったために、 子供もいなくなりつつあるのである。ヨーロッパ文化の「非戦闘化」によって、少子化が ロ 生じているのだ。 見これは、マーチン・ファン・クレフェルト〔イスラエルの歴史学者・軍事学者。著書に ロー・オプ・ライフ 『戦争文化論』など〕が、われわれに突きつけている「生命の法則」という問題だ 争 167

9. 戦争にチャンスを与えよ

か、らだ。 少 たとえば、ヒスパニック系では、伝統的に、マッチョな戦闘的な文化が受け継がれてい る。アイルランド系、スコットランド系では、田舎の山男文化が継承され、彼らのよう 人 失な人間たちが、いまだに銃規制を拒否しているのだ。 å銃規制の反対派は、精神的に『イーリアス』の教えに忠誠を誓っている人々だ。そして 化このような人々が、アメリカ社会の中で子供を産んでいるのである。 の 戦 自殺するヨーロッ ところが、ヨーロッパでは状況が異なる。彼らは、『イーリアス』の精神を失い、子供 ロ を産んでいない。さらに、イスラム系移民を受け人れることで、その穴埋めをしている。 ョ しかも、このイスラム系移民は、労働力しか持ち込んでいない。彼らは、「アクシデン くびき 見ト的に生まれた宗教」の軛にいまだにつながれているからだ。 かイスラム教を「アクシデント的に生まれた宗教」と称したのには理由がある。この宗教 戦 が、ビザンティン帝国 ( 東ローマ帝国 ) とササン朝ベルシャ帝国が激しく戦って双方が弱 体化していた時期に誕生したからだ。要するに、その当時には強力な敵となる帝国が周囲 171

10. 戦争にチャンスを与えよ

よ、ヨーロッパのダイナミズムが戦争によってもたらされてきたことは明白だ。 少一九一四年 5 一九四五年、つまり第一次大戦の開始から第二次大戦の終結まで、ヨーロ ロッパ諸国は、戦争の惨禍を被ったわけだが、この時期に、ジェットエンジン、航空機、弾 失道ミサイル、電子産業、通信技術など、現在も使われているテクノロジーの大部分が生み それ以外の分 の出された。核兵器も、ヨーロッパが生んだ技術だ。軍事技術だけではない。 野でも、当時のヨーロッパは、凄まじいほどの創造性を発揮し、世界のテクノロジーの進 文 の歩に貢献したのである。戦争がなければ、創造性も生まれないのだ。 戦 ヨーロッパ人は、『イーリアス』をもはや読んでいない。ところが、アメリカ人は、ま だ読んでいる。そして中国人たちも読み始めた。ここ五年間で、五つの版が出版されてい るほどだ。 ロ ョ英語圏でも、『イーリアス』の新訳がほほ毎年出ている。これは、「戦士の文化」に対す 見る関心が続いていることの証しである。つまり、「男は戦いを好み、女は戦士を好む」と いう文化が受け人れられ、そのような男女から子供が産まれている、ということだ。 争 戦 いずれにせよ、戦争とは、探求であり、発見であり、テクノロジーの進歩だ。これは、 「トロイの木馬」の時代から不変の真理なのである。 173