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検索対象: 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン
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1. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

は、だいたい決まっているので、現実世界では貧乏な人でも時間さえあればゲームの世界 でお金持ちになることができます。ひとたびゲームの世界に入り込めば、現実世界でお金 を持っていようが、持っていまいが関係なく、フェアな仕組みになっています。もし同じ ゲ 1 ムで何百時間、何千時間と人よりたくさんの時間を費やせば、ゲーム内では自分の価 値を証明できるのです。 このようなフェアに開かれた世界でも、脱法的に外の世界でゴールドを買ってチ 1 ト ( ズル ) をする人が出てきます。そういうときはギルドのようなコミュニティの存在が大 切です。僕のいたギルドは、ゲームの外でゴールドを買うと、ギルドから追い出されるル ールがありました。これはコミュニティに所属するメンバーそれぞれが、同じ価値観を持 ち続けるために必要なル 1 ルです。 例えば、僕が仲間のプレイヤ 1 のために、ゲーム内でゴールドを稼ぐ作業を徹夜でした としましよう。そのゴールドで強い武器をつくって、次の日の戦いに勝利したら、きっと 僕が時間をかけて作業した価値がとても大きくなります。でも、もしそれを幻ドル渡して ゴールドを買ってきて仲間へ渡したとしたらどうでしようか。同じゴールドでも、価値が

2. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

そのときのやることによって、同じ興味を持った子どもが年齢に関係なく混ざり合いま す。また一人で何かに没頭していることもあり、常に状況が変わります。 「読み書きーのような学校の教育における基本的なスキルは、 5 歳で見つけ出す子ども もいますし、川代になるまで知らない子どももいます。彼らが興味のないことを学ばせる ように強制する大人はいません。子どもを評価して比較することもありません。アンスク 1 リングには、コミュニティと無限の探検ができる場所があるだけです。 メイコンバ ・センターは「どのようにしてアンスク 1 リングを社会に広げるか」を考 えるための、 1 つのモデルです。これから同じようなセンタ 1 が増えていくでしよう。 何をもって「成功」なのか アンスクーリングは、日本人の価値観からすれば、親心としてショッキングなやり方の よ、つに見えるところもあるでしよ、つ。実際に、アメリカでもアンスクーリングは賛否両論 です。保守的な価値観を持つ人のなかには、あまりにも子どもが自由な様子を見て、強い 拒否反応を示す人もいます。

3. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

現実世界のお金と交換できることが前提になっていますが、。のようにあえて現実の お金と交換できない仕組みを考えるのも面白いのではないかと思っています。紙幣や硬貨 などモノとして物理的にお金をつくるにはフィジカルコストがかかりますが、デジタル通 貨ならばおそらく、それほどむずかしくなく実現が可能です。 仮想空間にも価値が生まれる ゲ 1 ムをプレイして感じるのは、そこが現実世界なのか仮想空間なのかが、それほど重 要ではないということです。なぜなら、同じ価値を共有する仲間やコミュニティがあり、 その空間で通貨的な価値が生じるストックが存在するからです。 昔のことではありますが、僕も本気になってゲームに没頭していた時期がありました。 その頃の自分をふり返ってみれば、現実世界のモノよりも、ゲーム内のアイテムのほうが 価値が高いと感じていたことを覚えています。ゲーム内の大切なアイテムを失うほうが、 喪失感が大きかったのです。 またギルドへの所属も同じです。ゴールドは保持できるけど村八分になるのと、ゴ 1 ル

4. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

また変化していくのかを研究しています。これから、 <—が仕事のあらゆるところに導入 され、人間が機械に置き換えられる時代が始まります。 しかし、教育システムはいまだに「ロポットのような人間ーを一生懸命、育てようとし ているように見えます。現在の教育は、将来の就職やキャリアのためだけに、子どもを勉 強させるシステムになっています。 最近、保育園や幼稚園には、聞き分けの良い「お利口さん」がたくさんいるように見え ます。おとなしく座って、大人に言われたことを覚えて、きちんとやる子どもたちです。 私は日本の大学院に留学することで、外国人の視点から日本という国を垣間見ることがで 変 きました。その視点から見ても、いまの日本の教育は、多くの国と同じで、ロポット的なう ものだと感じます。 育 これまで義務教育が担ってきた役割は、産業革命後の初期であれば工場労働者を輩出す 章 るためであり、産業や軍事のために子どもを育てるという目的がありました。産業や軍事 第 のなかに入って仕事をさせるには、誰もが同じ知識を持ち、グループの規律や服従を学ぶ ことが必要だったのです。

5. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

ほかに見たことがありません。日本は経済的にも豊かな国であるはずなのに、普通の会社 員になると、なぜこんなにも「こだわり」を感じることができなくなるのでしようか ここには強いコントラストがあります。職人や飲食店にはすごく「こだわりを求める けれども、自分が生活している家や、自分が着ている洋服にはあまり「こだわりーを感じ ません。皆が同じような文房具を使って、同じような打ち合わせをしています。たいてい の場合、普通の人は自分の生活にこだわっていないように見えます。 社会のある一部のカテゴリーの人はこだわりをもって生活をしていますが、普通の人が 生活のなかで「イノベーションしよう」「変えていこう」と意欲を持たないのは残念です。 第 5 章でアンドレーが教育システムを変えるのではなく、価値観から変えるべきだと主 張していますが、こうした考えは僕とアンドレ】が話し合って出した結論でもあります。 僕たちは、生活のなかで皆が強い「こだわり」を持っことがいちばん大切だと考えていま す。 教育も会社も硬直化したシステムで運営されているため、そうかんたんには壊れませ ん。いま必要なのは生活への強い「こだわりーです。第 1 章でも最後に〈センシビリティ〉

6. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

予算」という日本的な都合もあるでしようが、同じような取り組みを日本でもちゃんとや ったほ、つか良いと思います。 僕は都市のインフラが自動運転車用に切り替えられるのであれば、なるべく早くすべて 切り替えるべきだと考えています。なぜなら、おそらくいちばん安全なのは、一気にすべ てを自動運転車に変えることだからです。 自動運転車とそうでない車を混ぜると、人間側も判断に困ります。これまでの新しいテ クノロジーが登場したときと同じような反応という意味で、自動運転車に対しても反発が 起こるでしよう。中途半端な導入では、社会のルールや人々の常識が自動運転車に不利な 方向で形成されてしまうおそれがあるのです。 いずれにせよ自動運転とそうでない車と歩行者を混ぜると、問題は自動運転の車だけが 走っている世界よりもずいぶんと複雑になるので、そのステップを踏むかどうかについて も議論が必要になります。 都市に自動運転車を導入する流れに、僕はすごく前向きです。すでに自動運転を可能と する技術やデータの蓄積はできてきました。 107 第 4 章「人間」はどう変わるか ?

7. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

もし地球上に酸素がなくなれば、酸素を使わない生き物が出てくるでしようし、メタンが なくなれば、それに代わるものが出てくるでしよう。自然界では何らかの違う形で補うバ ックアップ機能が働き、地球は「レジリエンスーを持って対応するのです。 人間も同じですし、経済を有機体として見るならば同じことです。 1 つの金融装置、 1 つの基準のままでは、どこかで経済がクラッシュし、機能しなくなるリスクがあると考え ています。 「仮想通貨」と「自然通貨」 プロックチェ 1 ンなど新たなテクノロジーの登場により、これから多様な通貨が登場す るとしたら、僕は通貨には大きく分けて 2 つの概念が存在すると考えています。 1 つは「仮想通貨 (Virtual currency) 」です。本書では、話をわかりやすくするため「暗 号通貨 (cryptocurrency) 」と「仮想通貨」をあえて分けず、日本人になじみのある「仮想 通貨」という言葉を主に使って記述していますが、英語圏ではビットコインは「暗号通貨 と呼ぶのが一般的です。ここで一言う「仮想通貨ーは、英語の *Virtual ( バーチャル′の語

8. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

価値はコミュ一一ティの人と人の間にある さて、通貨的な価値を持つものは、世界や社会のあらゆるところに存在しています。特 の る に、国家や宗教、地域など、ある特定のコミュニティがあるところには、同じ価値観を持 え 変 つ人が所属するため、通貨的な価値が流通しやすい環境が生まれます。 を デジタルの世界でも同じです。すでにたくさんのネットコミュニティがありますが、デ 義 主 ジタル通貨が利用されるシチュエーションとして、いちばんわかりやすい例がコンピュー 本 資 タ・ネットワークの「ゲームーです。僕がハマったゲ 1 ムに「ワールド・オプ・ウォ 1 ク ラフト (*o*) 」があります。登録ューザーが 1000 万人を超えるオンライン・ロール 工 プレイング・ゲームです。 チ は、ゲームの外にある現実のドル通貨とゲーム内で使われるゴールドのやり取り プ が、基本的にはできないようになっています。僕の所属するギルド ( グループ ) のなかには、 章 現実世界でお金持ちの人もいますし、貧乏な人もいます。職業もさまざまで、経営者から 第 会社員、軍人もいればトラックドライバーもいます。 人間の持っ時間は 1 日幻時間と平等です。ゲーム内のゴ 1 ルドを稼ぐために必要な時間引

9. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

ーの網にかかっていないものを見つけることの重要性についても、話しました。これはっ まり、もう少し根源的な部分を考え直す段階に来たということを表していると思います。 『ホ 1 ル・アース・カタログ』の発行人で、アメリカを代表する環境運動家でもあるス チュアート・プランドがムープメントについて以下のような比喩を使っています。 〈海の波〉が起きるとき、シンクロしていない小さな波がつながることで、シンクロ ナイズドして、そして大きな波になるのです。 それと似たような事柄や、人々の気持ちがいろいろなところで起きていて、何となくシ ンクロナイズドせずに、摩擦しながら動いているのが現在だと思っています。トランプが 大統領になったのも、良くも悪くも 1 つの大きなム 1 プメントでした。それぞれの人の考 えは決して同じではありませんが、シンクロされたものとして波になったのではないでし 182

10. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

一方で、お金では決して買えないものがあります。身近なところでいえば、大学の「学 位」です。学位はアテンションのようにお金に換えることはできませんが、学術の世界で は価値があります。そのため、学者はアカデミズムでの評判や地位を上げるため一生懸命 に〈働く〉のです。 お金のない学者もいれば、またお坊さんや牧師さんもお金のために〈働く〉とは言えな いでしよう。作家のような文化人も同じです。結果的にベストセラー作家になったとして も、最初からお金のために〈働く〉作家が多いとは思えません。 の測り方に問題がある <—が人間の仕事を奪ったとしても、人間が〈働く〉ことがなくなるというわけではあ りません。僕もよく人に「 <—に人間の仕事が奪われたら、どうすれば良いでしようか」 と聞かれますが、それは大きな誤りです。人間はお金のためだけに〈働く〉わけではない からです。 こうした勘違いが生まれやすい背景には、人間が〈働く〉ことをすべてお金の価値に還