教育 - みる会図書館


検索対象: 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン
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1. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

どこに情報があるのか、どこを探せばいいのか、どれがいちばん良い答えなのかなど、 親が「答え」を子どもに示すのはかんたんです。でも、アンスクーラーは決して「答え」 を教えません。子どもたちには、高い自主性が求められるのです。 アンスク 1 リングでは、何を大人に手伝ってほしいのか、子どもたちから自分で言わせ ることが大切だと考えています。「何が教育的か」「何が教育的ではないかーという定義そ のものをなくして、評価のない自由のなかで、子どもが自分の行動を通して成長するスタ イルです。 日本では「モンテッソーリ教育」や「シュタイナ 1 教育。が比較的に知られているよう ですが、それらとアンスクーリングとの違いは、子どもの「自由な領域ーが事前に定義さ れているかどうかにあります。アンスク 1 リングは、どこまでが自由な領域かの定義はあ りません。 また、アメリカでは「ホームスクーリング」もありますが、ホームスクーリングは親が 先生役を務め、教科書などを使って学校教育と同じような勉強を家でするものです。これ もアンスクーリングとはまったく異なります。 128

2. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

続けて登場したのが、いわゆる会社で働くホワイトカラーの養成です。日本のエリート 教育は、一部は労働者を管理する人間に育てていますが、基本的には言われたことに疑問 を持たず、なるべく皆と同じような思考を持つ「入れ替え可能なお利口さん」を育てるシ ステムです。これまでの「労働」が <—やロポットに置き換えられ、国を超えた競争が激 しくなる時代に、このようなシステムでは必要な人材が育ちません。 では、教育はどう変わるのか ? どうやったら変えることができるのか ? これが本章 のテーマです。 価値観を変える「アンスクーリング」のムーブメント いま目の前にある硬直した教育システムは、「国家」という大きな組織が決めているため、 抜本的な変化を望むことは非常にむすかしいのかもしれません。官公庁と議論して正しいこ とを認めてもらい、ルールや法律を変えるというプロセスでは、問題の根幹は解決しません。 「もっと違った教育ができるのではないかーと新たな発想で取り組もうとしたとき、私 たちには何ができるのでしようか。教育の問題を解決するには、そもそもの私たちの価値 126

3. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

観を変え、「教育ーという概念そのものを見定めないといけないと思います。 本章では、アメリカで起こりつつある「アンスクーリング (Unschooling) ーという新た なム 1 プメントを紹介します。これは、、 しままでの「教育ーに代わる「子どもの育て方」 を実践する活動です。 アンスクーリングは、日本語に訳せば「非学校教育ーという意味になるでしようか。そ の名の通り、学校教育に頼らず、学校そのものが一切存在しないかのように子どもを育て るのが「アンスクーラ 1 (Unschooler) 」と呼ばれるコミュニティです。 アンスク 1 ラ 1 になる家族にはいろいろな理由がありますが、共通するのは大人が子ど 変 、つ もの教育をしないという点です。子どもたち自身が興味を持ったことを探求するため、大 ど 人が手助けをするのがアンスク 1 リングです。子どもたちはそのアンスクーラーのコミュ 育 教 ニティで暮らすのです。 章 アンスクーリングには、「セルフディレクテット・ラーニング ( 自発的な学習 ) ーという 第 哲学があります。その哲学のもと、子どもが何を学びたいかをすべて自分で決めて、どの ように学ぶかも決めます。すべて自分で決めるというアイデアです。

4. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

ロポットを育てても意味がない 子どもを持っ皆さんは、「なぜ学校に行かないといけないの ? 」と、子どもから質問さ れたことがありますか。なぜ学校に行かないといけないのか、皆さんは自分でも考えたこ とがあるでしよ、つか。もし考えたことがないのならば、今からでも考えることを私はオス スメします。 ト大学とで、社会がどのようにというテクノロジーに順応し、 アメリカでは、既存の教育システムにとらわれることのない、新しい潮流が生まれ ている。それが学校教育の外で「いまを生きる」アンスクーリングだ。大人が子ども の教育をせず、子ども自身が興味を持ったことを大事にする方法である。子どもが探 求する手助けを、大人がするという新しい学び方のスタイルだ。自分の子どもをアン スクーリングで育てているアンドレー・ウールが「教育のいま」を語る。 124

5. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

また変化していくのかを研究しています。これから、 <—が仕事のあらゆるところに導入 され、人間が機械に置き換えられる時代が始まります。 しかし、教育システムはいまだに「ロポットのような人間ーを一生懸命、育てようとし ているように見えます。現在の教育は、将来の就職やキャリアのためだけに、子どもを勉 強させるシステムになっています。 最近、保育園や幼稚園には、聞き分けの良い「お利口さん」がたくさんいるように見え ます。おとなしく座って、大人に言われたことを覚えて、きちんとやる子どもたちです。 私は日本の大学院に留学することで、外国人の視点から日本という国を垣間見ることがで 変 きました。その視点から見ても、いまの日本の教育は、多くの国と同じで、ロポット的なう ものだと感じます。 育 これまで義務教育が担ってきた役割は、産業革命後の初期であれば工場労働者を輩出す 章 るためであり、産業や軍事のために子どもを育てるという目的がありました。産業や軍事 第 のなかに入って仕事をさせるには、誰もが同じ知識を持ち、グループの規律や服従を学ぶ ことが必要だったのです。

6. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

アメリカだけではありません。どの国でも、子どもに規律を教えて教育しないと、社会 に出たとしても役に立たないと考える人が多くいます。ところが、アメリカのアンスク 1 リングに舵を切っている親は、そんなことを心配しません。むしろ、学校に行かせること を心配します。 アンスクーラ 1 の親には、先生として学校で教えていた人がたくさんいるのが面白いと ころです。学校教育の問題を身に持って体験してきて、自分の子どもたちにその経験をさ せたくないと、先生の仕事をやめてアンスク 1 ラーになった人々です。最近はポストンの アカデミックな人たちもアンスクーラーのコミュニティに多く参加しています。 わ 変 私自身の立場も近いものがあります。子どものころから義務教育を受けていきましたが、 常にいちばん良い成績をとってきました。その成績のおかげで、世界でも権威ある大学に 育 1 ド大学で博士過程に在籍しています。いまの教育システムにおいて 、現在もハ 章 は、人にうらやましがられるような経歴を持っているのかもしれません。 第 しかし、大学に入る以前に学んできたことは、私が興味を持っていたことでは決してあ りません。そのため、今ではほとんど覚えていないことが多いのです。私にとって、学校

7. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

第 5 章「教育」はどう変わるか ?

8. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

未来に対して疑問を持つでしよう。 まず、学校で教えるような勉強を一切教えないからといって、彼らにアカデミックなス キルが身につかないというわけではありません。彼ら自身が「これに意味がある」と意識 したタイミングで、スキルは自然と身につきます。 ただ、それよりもっと重要なのは、今までの教育の考え方によると、自分のいまやりた いことよりも将来のために言われたことを「すぐにやるー「うまくやる」「いい子でいる」 ことが求められます。子どもが本当に自分のやりたいことを、いつも遅らせることになっ てしまうのです。人生は大人になってから始まると一般的な教育では考えられています。 変 しかし、そのようなアイデアはとても難しいものだと思います。そういったアイデアで教 ど 育を受けると、「いまを生きる」方法を忘れてしまいます。大人になっても、将来のため 育 の準備が一生続くような意識を持つようになってしまうのです。はたして何のための準備 章 なのでしようか ? 第 アメリカでは「マインドフルネスーという言葉が、いろいろな場面で登場するようにな りました。日本でもその言葉が逆輸入されて一部では流行語となっていますが、そもそも

9. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

ほかに見たことがありません。日本は経済的にも豊かな国であるはずなのに、普通の会社 員になると、なぜこんなにも「こだわり」を感じることができなくなるのでしようか ここには強いコントラストがあります。職人や飲食店にはすごく「こだわりを求める けれども、自分が生活している家や、自分が着ている洋服にはあまり「こだわりーを感じ ません。皆が同じような文房具を使って、同じような打ち合わせをしています。たいてい の場合、普通の人は自分の生活にこだわっていないように見えます。 社会のある一部のカテゴリーの人はこだわりをもって生活をしていますが、普通の人が 生活のなかで「イノベーションしよう」「変えていこう」と意欲を持たないのは残念です。 第 5 章でアンドレーが教育システムを変えるのではなく、価値観から変えるべきだと主 張していますが、こうした考えは僕とアンドレ】が話し合って出した結論でもあります。 僕たちは、生活のなかで皆が強い「こだわり」を持っことがいちばん大切だと考えていま す。 教育も会社も硬直化したシステムで運営されているため、そうかんたんには壊れませ ん。いま必要なのは生活への強い「こだわりーです。第 1 章でも最後に〈センシビリティ〉

10. 教養としてのテクノロジー : AI、仮想通貨、ブロックチェーン

第 4 章と第 5 章は、「社会の未来ーについて述べます。 第 4 章は、「人間」についてです。新たなテクノロジーの登場により、その境界線が揺 れています。「人間拡張ーの現在について概観し、新たに登場した「トランスヒューマニ ズムーの思想など、人間とは何かを考えるための視点を共有します。また後半では、都市 の在り方について、また自動運転が私たちに何をもたらすのかを考えます。 第 5 章は、伊藤穰一に代わり、本書の共著者であるアンドレ 1 ・ウ 1 ルがメインの執筆 者となり、「教育ーについて俯瞰します。特に、アメリカで大きな動きとなりつつある、 従来型の学校教育の外側で子どもを育てる「アンスクーリング」の現状を報告します。 第 6 章と第 7 章は、「日本の未来ーについて述べます。 第 6 章は、「日本人」についてです。僕はアメリカを拠点とする生活が長い分、外側か ら見ると日本がどんな国か、日本人がどういった特性を持っているかについて、人と違っ た見方ができるようになりました。そういった外側からの視点で見たとき、日本人はどう 変わるべきか、思うところがたくさんあります。それらについて、余すところなく述べた いと思います・。 ふかん