てんたい 0 かに座の天体 〇 0 やまねこ座 やまねこ座 せいず LINX 必ツ みぎ . カストル . ホルックス 産を筰った 17 世紀のポー ランドの天文子者へべリウス ( 1611 しし座 會ポーテの古星図にえがかれたやまねこ座 ( 右 ) あか はるよいきたそら 舂の宵の北の空の部分には、明るい星が無くぼ ひら っかり大きく開いたように見えるところがありま ぶぶん す。その部分にやまねこ座があるのですが、ここ せいき つく せいざ あたら に新しい星座としてやまねこ座を作った 17 世紀 てんもんがくしゃ のポーランドの天文学者へべリウス自身でさえ、 やまねこ やまねこ 「ここに山猫のすがたを見つけだすには、山猫の ようなするどい目の持ち主でないとむりだろう」 と言っているくらいで、やまねこのすがたを思い うかべるのはかなりむずかしいことでしよう。 とら やまねこ へべリウスも、はじめは「山猫または虎」座と せいざめいかんが いうみような星座名を考えていたと言われますの れんそう やまねこ で、これではますます山猫のすがたは連想しにく いことでしよう。 ←やまねこ座ふたご座のカストルとポルックス、北 ぶぶん 斗七星、かに座、しし座の頭部にはさまれた部分にあ せいさ る星座ですが、明るい星が無く見つけにくい星座です。 ぶぶん やまねこ ~ 1 7 ) は 10 の新しい星産をつくり、今もそのうち 7 つか残っています。
四季の星座春の星座 おとめ座 はるせいざ はくしよく とくあか くさばな はる しよか たにま ある日のこと、ベルセポネーが草花をつんでいると、香りが谷間に 白色の 1 等星スピカのほか、特に明るい星も無いので、舂から初夏 にかけての宵の南の空に大きく秘たわるおとめ座を見つけだすのは、 はな おもき 満ちているめずらしい花を見つけました。思い切って根っこを引くと、 めいどかみ とつぜん、地面から冥土の神プルトーンが出てきて、ベルセポネーを 少しめんどうかもしれません。 かな ははおや このおとめ蓙は、さまざまな女神のすがたとみられていて、ある神 さらって行ってしまいました。悲しんだ母親デメテルがほらあなにこ ねんじうふゆ せいぎ めがみ めがみ 舌では正義の女神アストレアなどと言われていますが、女神デメテル もってしまったため、この世は 1 年中冬となってしまいました。困っ むすめ むすめ はな とその娘ベルセポネーとみて、その星座神話をお話ししましよう。 た大神ゼウスは、プルトーンに娘をかえすように言いつけました。し たいしん いもうと めいど くだもの 大神ゼウスの妹のデメテルは地の母ともよばれて、野菜や果物、 かし、冥土のざくろの実をベルセボネーが 4 つ喰べてしまったため、 はなばな めがみ げつめいかい しはい ねん うんめい 花々、そのほか大地から出るもの全てがこの女神に支配されていまし 1 年のうち 4 か月は冥界で暮らさなければならない運命になってしま ひとりむすめ けつかんはは た。そのデメテルにはベルセポネーという、とても愛らしい一人娘が ったのです。それで、ベルセポネーのいない 4 か月間、母のデメテル ふゆ ありました。 はあなにこもり、地上は冬になるのだと言われています。 とうせい じめん めがみ 一三ロ せいざしんわ たいしん やさい だいち あい ちじよう 會おとめ座 ( ポーテの古星図 ) せいす せいちい はうえんきよう 會おとめ座ガンマ星小さな望遠鏡では、 3.6 等の まったおなあか 全く同し明るさの星がよりそって見えますが、この れんせい ねんしゅうき 2 つは 172 年の周期でめぐりあう連星です。倍率は 高めにして見るのが分かりやすいでしよう。 う ばいりつ アルクトウルス おとめ座銀河団 ガンマ : おとめ座 M104A スヒカ・ ざきんがだん 會おとめ座銀河団たくさんの銀河がおとめ座に群 れ集まっていますが、これはおとめ座の方向およそ かたち ワイ′ . 曼がたよこ きんが せんまんこうねん さざんがだん 會おとめ座全体にやや形のくすれた Y 子形を横にねかせたようなかっこうと見当づけ、ていねいに星を 6 千万光年のところに、おとめ座銀河団という銀河 めがみ だいしゅうだんちゅうしん たどっていくと分かりよいでしよう。 1 等星スピカは女神の持つ麦の穂のあたりにかがやいています。 の大集団の中心があるためです。 46 おとめ産の 1 籌星スピカは、実際は絶対等級ー 2 籌と一 0.3 籌の 2 つの星がわずか 4 日の周期でめぐりあう近接連星です。 はうこう けんとう とうせい
四季の星座秋の星座 やぎ座のやきは、ふつうのやきとは大ちがいで、尾の部分が魚にな っているきみようなすがたをしています。 WÅSSERMANN もりひつじひつじか このやきは、もともと森と羊と羊飼いの神バンのすがただったと言 もりたにがわ ようせい われています。バンは、森や谷川にすむニンフ ( 妖精 ) たちを追いか あそ けては遊び暮らしている、いたってのんきな神でした。 ときみず そのバンが、ある時、水のニンフのシュリンクスをみそめ、彼女を追 いかけまわしたことがありました。シュリンクスは、川の岸辺に追いつ かわかみいの められて困りはててしまいましたが、川の神に祈りをささげると、シュ ぼん リンクスのすがたは岸辺にそよぐ 1 本のあしにかわってしまいました。 なか ほんお バンは、それがシュリンクスのあしとは知らず、その中の 1 本を折っ ぶえつく ぶえ あそ て笛を作り、それからというものそのあし笛をふいて歌いおどり遊ん 下、」 ) ER SUD 一 C 第一 50 、、、 でいました。 XXII かみがみ がわきしべ ひら 會みすがめ座とやぎ座 やぎ座の南にある軽気球座は、今は無い星座です。 神々がナイル川の岸辺でにぎやかなバーティーを開いたときにも、 おおよろこ ふえ おおよろこ バンは大喜びで出かけて行き、とくいの笛をふき、みんなを大喜びさ せていました。ところが、その席へとつぜん大あはれして入りこんで たいしん きたものがありました。大神ゼウスでさえもてあましたという怪物テ さかなへんしん ュフォンです。おどろいたバンは、あわてて魚に変身するとザンブと がわ およ ばかりナイル川にとびこみ泳いでにげました。しかし、あわてふためい あたま ていたため、頭はやぎのままで、水につかったしっぽだけが魚という、 なんともきみようなすがたになって、にげることになってしまったので しつばい へんしん した。大神ゼウスは、その失敗の変身ぶりがおもしろいと、そのでき きねん せいざ ごとの記念に、やきの星座をここにかかげたと言われています。 つく ふきんたいよう 星座の作られた中近東のあたりでは、やき座の付近に太陽がやって さかなせいざ みず くると雨期になります。それでやき座のまわりには、魚の星座など水 せいざ にかかわる星座が多いのだと言われています。 XXI ァ .••XXIV やき座 ぶぶんさかな おお かみ い かみ かのじよ かわきしべ けいききゅうざ みなみ せいさ いま い はい せき かいぶつ さかな たいしん い せいざ ちうきんとう おお い ちか きゅうじようせいだんエム 會やぎ座の球状星団 M30 魚やき・の尾の近くにある小さな球状星団 ちい ほうえんきよう まる です。小さな望遠鏡では星つぶは分からす、ばんやり丸く見えます。 きゅうじようせいだん さかな 會やぎ座の肉眼ニ重星アルファ星魚やぎの頭の ところにあるアルファ星をよく見ると、明るさの だいしよう あまりちがわない大小 2 つの星がならんでいるこ とが分かります。アルファ星とアルファ 2 星がく にくがんにじゅうせい つついて見える肉眼ニ重星です。 ぎやくさんかくけい ←逆三角形のやぎ座明るい星はありませんが、 はしぎやくさんかくけい ちい なんとなく目を向けると小さな星が逆三角形につ あんがいかたち らなっているのが分かります。案外、形のつかみ せいざ やすい星座と言えます。 66 キリシア時代の ころ、やぎ産の逆 三角形は、人間が昇天するときの入口と考えられ「神々の門」とよばれていました。 ・・アルファ さかな せい にくがんにじゅうせい △ M30 やき座 せい
四季の星座冬の星座 おうし座 ぶ せいさ ふゆよい ほんつの 冬の宵のころ、頭主を見上げると、 2 本の角をふりか ざしオリオン座にいどみかかるような、おうし座のすが おうしたいしん たが目にとまります。でも、この牡牛は大神ゼウスが工 ひめ へんしん ゆき ウロバ姫をさらったときに変身した、雪のように白い牡 牛で、狩人オリオンと戦っているわけではありません。 おうむすめ ひめうみべ は ある晴れた日、フェニキア王の娘エウロバ姫が海辺で あらわ ゆき 草つみをしていると、どこからともなく現れた雪のよう おうしちか に白くておとなしそうな牡牛が近づいてきました。そし ひめ て、エウロバ姫のそばにうずくまると、自分の背に乗り なさいというようなそぶりをみせました。 ひめ エウロバ姫は、つい気をゆるして、おもしろ半分にそ の背に乗ってみました。すると、どうでしよう。牡牛は うみ サッと立ち上がるや身をひるがえし、いちもくさんに海 おきおき に入りこんで沖へ沖へと出ていってしまいました。 おうしつの ひめ おどろいたエウロバ姫は、牡牛の角にすがりつき、遠 はまべ ざかる浜辺に向かって声をかきりに助けをもとめました。 しかし、どうすることもできません。ようやく、われに おうし かえると、白い牡牛にたずねました。「わたしをどこにつ れていくつもりなの」 おうし にんげんことば わたしたい 牡牛はやさしく人間の言葉でこう答えました。「私は大 はなよめ 神ゼウスで、おまえを花嫁にするのだよ」こうして、大 へんしん ゆき おうし ひめ 神ゼウスの変身した雪のように白い牡牛とエウロバ姫は、 地中海をわたって、ギリシアのクレタ島につき、ゴルテ いずみ けっこん ユンの泉のそばで結婚しました。 ひめじよう うみ ヨーロッパのよび名は、海をわたってエウロバ姫が上 いみ 陸したところという意味でつけられたものなのです。お とうせい うし座は、 1 等星アルデバランや、プレアデス星団とヒ さんかいせいだん アデス星団という 2 つの散開星団があるので、とても見 せいざ つけやすい星座です。 たたか かりうど かはんしん おうし座下半身は 雲にかくれています。 ( ホーテ古星図 ) くさ せいず じぶん 0 ↓おうし座肩さきに群れるプレア せいだん テス星団と顔にあたるヒアテス星団 さんかいせいだんにくがん の 2 つの散開星団が肉眼でもよく分 せいさ かり、見つけやすい星座です。 せいだんかお はんぶん はい プレアデス星団 おうし座 M 1 アルデバラン とう ちちゅうかい べテルギウス りく オリオン座 せいだん せいだん こうどうせいさ 會惑星がやってくるおうし座黄道星座のおうし座には、しはしは惑星がやってきます。 會ヒアテス星団とプレアテス星団赤い 1 等星アルテノヾランを含むヒ プイじがたほし わくせいはい アテス星団は、おうし座の顔のあたりに V 字形に星がならんでいます。 これは明るい木星と土星の 2 つの惑星が入りこんできてにぎやかに見えているところです。 おうし座のヒアデス星の V 子形の星のならびは、日本では「つりがね星」「の面」などとよばれていました。 プレアテス星団 プレアデス星団 木星 アルテノヾラン 土星 ヒアデス星団 わくせい とうせい わくせい せいだんあか せいだん もくせい せいだん 80
四季の星座秋の星座 ベルセクス座・くじら座・ちょうこくしつ座 あきせいさ せいす ニ重星団 ) ←ポーテの古星図の くじら座 むす ひめ さみきて ベルセウス座は、アンドロメダ姫の危機を救い、めでたく結ばれるこ 會ベルセウス座右手に長剣をかさし、左手に退治したメドウーサのヘひのか せいざ ゆうし あらわ せいさ とになった勇士ベルセウスをかたどった星座です。そのすがたはカシオペ みの毛をもつ首をつかんだベルセウス王子のすがたを表した星座です。 ざダブリュじがたつづひがし あまがわなか あか ヤ座の W 字形に続く東よりのあわい天の川の中にあり、いくつかの明る かさ い星がならぶ美しいカーブの重なりでえがき出されています。 ふゆあまがわ ふきん あか この付近は、冬の天の川とのさかい目にもあたり、明るい星が多く目 ふゆあまがわ せいざ あき につきやすくたどりやすい星座です。また、秋から冬の天の川のさかい にじゅうせいだんさんかいせいだん しよくへんこうせい 目でもあり、ニ重星団や散開星団があちこちにあるほか、食変光星アル わだいてんたいおおいったい ゴルやカリフォルニア星雲など話題の天体が多い一帯でもあります。 ひめ やく 一方、アンドロメダ姫をひとのみにしようとしたかたき役のくじら座 ばんしゅうみなみそらおお せいざ いち は、晩秋の南の空に大きく横たわる星座です。くじらの心臓の位置にあ いんしようおお へんこうせい あか へんか る変光星ミラの明るさの変化によって、その印象が大きく変わります。 ほうけん ( ベルセウス王子の 2 つの冒険、メドウーサとお化けくじら退治のくわし さんこうせいうん せいうんあか しようかい はなし ほん 會ベルセウス座のカリフォルニア星雲赤い散光星雲で、北アメリカのカリフ いお話は、この本の 4 ページと 72 ページに紹介してあります ) にくがん しゅう オルニア州ににるのでこの名がありますが、肉眼では見えません。 ・悪魔の星アルゴル・ ようかい ベルセウスが手につかんだ妖怪メドウ ーサのひたいにかがやくアルゴルは、 2.1 等から 3.1 等まで 2.867 日の周期で明る へんこうせい へんこう げんいん か さを変えている変光星です。変光の原因 あいて は、 2 つの星がめぐりあい相手をかくした り、かくされたりすることによるもので、 いっしゅ につしよく 一種の日食を起こしているようなもので あくま いみ す。アルゴルとは、悪魔の星という意味 ようかい にじゅうせいだん さんかいせいだん の名で、妖怪メドゥーサのひたいにかが 會ベルセウス座のニ重星団 2 つの散開星団 はうえんきよう がひったりよりそったもので、望遠鏡では視 やくのにふさわしい星というわけです。 會食変光星アルゴルの変光のようす 野いっぱいに星が見え、おどろかされます。 76 廴 ークに、活発に出現するべルセウス産流星群の輻射点は、 毋年、夏 8 月 12 日 ~ 13 日ごろをピ ニ重星団の近くにあります。 ベルセウス座 アルゴル せいす ポーデの古星図の ベルセウス座ベル セウスは大神ゼウス とアルゴス王アクリ シオスの娘ダナ工と あいだ の間に生まれた子で たいしん おう むすめ ・カペプ プレアテス星団 ひだリて ちょうけん おうじ くび け うつく ほしおお せいうん いっぽう か おうじ あくま 光度 周期 2.867 日 しうき しゅせい はんせい
コ 00 てんびん産は、 きゅうじようせいだんエム さそり座の球状星団 M4 ア ンタレスのすぐ近くにある明る きゅうじようせいだん い球状星団ですが、あまり星は みつしっ 密集しているように見えません。 てんひん座 ・アルファ ぼうえんきようみ ← ~ 望遠鏡で見たさそり蓙の かいせいだんエム うえ エム 開星団 M6 ( 上 ) と M7 ( 下 ) そうがんきよう 双眼鏡でも明るい星がまはらに はうえんきよう 見えるくらいですから、望遠鏡 では星つぶのひとつひとつがは はうえんきよう っきり分かり、望遠鏡の視野い つばい広がって見えます。 せとないかい ←てんびん座さそり座とおとめ座のほほ中間あた うらがえ りで、くの字を裏返したように 3 個の星がならんで せいさ いるのが目をひく星座です。明るい星はありません にくがんにじゅうせい うらがえ 會肉眼ニ重星てんびん座アルファ星裏返しの「く」 だいしよう にくがん の字の折れ目にあるアルファ星は、肉眼でも大小 2 つの星がびったりよりそった二重星だと分かりま そうがんきよう す。双眼鏡なら、よりはっきり見えてきます。 にじゅうせい ちゅうかん が、見つけやすい星座です。 瀬戸内海の星空にかかるたい釣り星 工スじがたほし さそり座の S 字形の星のつらな ち 0 うもく りは、日本でも昔から注目されて せとないかい りようし いて、瀬戸内海の漁師さんたちは 「たい釣り星」のよび名で親しん でいました。南半球のニュージー ひとびと ランドのマオリの人々もこれとに みかた た見方で、天にひっかかった釣り おな 針と見ていました。同じような見 方でおもしろいですね。 みなみはんきゅう てん 舌代ギリシアでは、さそり産のはさみの部分とみられていましたが、紀元前 1 世紀ごろ星産として独立させられました。 53
りゆ , う座 北斗七星 ツノヾー ンを △ NGC6543 こぐま座 北極宝 はつきよくせい はくとしちせい 會りゆう座北極星のあるこぐま座と北斗七星の間に尾をわりこませるりゆう座は、 1 年 きたそらたかのはなっ 中いつでも北の空に見えている星座ですが、見ごろは宵の北の空高く上る夏のころです。 ねん じゅう りゆう座 たいしん けっこんいわいおうごん 結婚祝に黄金のリンゴの木をもらった大神ゼウスは、ヘ その むすめさんしまいまも スペリデスの園のアトラスの娘の三姉妹に守ってもらうこ とにしました。三姉妹はさっそく黄金のリンゴの木を庭の ちゅうじつりゆうまも 奥にうえ、 1 びきの忠実な竜に守らせることにしました。 この竜はねむることがないというふれこみでしたから、見 張り番としては、まさにうってつけでした。 ぼうけん さて、 12 の冒険の 1 っとして、この黄金のリンゴをとっ てくるようにエウリステウス王から言いつけられたヘルク てん レスは、天をかつぐ仕事をしていたアトラスに、リンゴの 木のありかをたずねたところ、アトラスがかわりにリンゴ をとってきてくれるというので、一時、天をかつぐ仕事を 肩がわりすることにしました。 アトラスは、ヘスペリデスの園でリンゴを守っていた竜 がねずの番でつかれ、うつかりいねむりをしているすきに まんまとリンゴをとってきてヘルクレスにわたしました。 ながあいだたいしん いねむりのミスはありましたが、長い間、大神ゼウスの大 り 0 うせいざ きばん 切なリンゴの木の番をしていたこほうびに、この竜は星座 いまほっきよくせいちか てんはしら にしてもらい、今も北極星の近くで天の柱にからみついた 會りゆう座の惑星状星雲 NGC6543 りゆう座の中央あたりにあるキャツツ・アイ ( 猫目 ) うち 0 うほうえんきよう 星雲とよはれる美しい惑星状星雲をハップル宇宙望遠鏡でとらえたものです。 まま、とぐろをまいていねむりをしているということです。 りゆう産のアルフー星「ツバーン」は 5000 年前のピラミド建設のころは、 天のヨとの近くにかがやく、当時の北星でした。 57 さんしまい おく り 0 う はん てん りゅう まも その ばん わくせいじようせいうんエヌジーシー わくせいじようせいうん ち 0 うおう つつく せいうん
四季の星座秋の星座 カシオペヤ座 あきあまがわなか あきよいきたそらたか あか 秋の宵の北の空高く、明るい 5 個の星が、あわい秋の天の川の中で ダブリュじがた W 字形にならんでいるのが目にとまります。おなじみのカシオペヤ座 ダブリュじがた きたそらたかのぼ の W 字形ですが、北の空高く上りつめたときには、むしろ、やや足の ひら エムじがた 開いた M 字形といった方が分かりよいかもしれません。 秋の宵は、北極星を見つける目印としておなじみの北斗七星が、北 ちへいせんひく の地平線低く下がってしまっていて、利用することができませんので、 ざダブリュじがたっか めじるしほっきよくせい まきた かわりにこのカシオペヤ座の W 字形を使って真北の目印の北極星を見 つけだすことになります。 ざダブリュじがた ところで、カシオペヤ座の W 字形は、古代工チオピア王国の王妃カ こくおう シオペヤのすがたを表した星座で、国王ケフエウスとならんで見えて ごかくけいほしちい います。しかし、ケフエウス座の五角形の星は小さいものばかりなの ざダブリュじがた で、カシオペヤ座の W 字形ばかりが目立っています。 じぶんじしんうつく おうひ ひめ じまん カシオペヤ王妃は、娘のアンドロメダ姫や自分自身の美しさを自慢 うみ にんしまい しすぎ、海にすむネレイドの 50 人姉妹たちをけなしてしまったため、 いか さいなん 毎神ポセイドンの怒りにふれ、災難にあうことになりました。 せいざしんわ しようかい その星座神話はアンドロメダ座のところで紹介してありますが、カ こうげん いま シオペヤは高言のむくいで、今もいすにしばりつけられたまま、 1 日 1 會いすに腰をおろしたカシオペヤ座 ( グロテイウス古星図 ) ほっきよくせい うんめい 回、北極星のまわりを回りながら、さかさまにされる運命になったと むかしひとびと じっさいせいざ そんなようすを、実際の星座で見ていると、昔の人々がいか 言われています。 むす しんわ うご かんさつ に星の動きをよく観察して、それをたくみに神話に結びつけた かんしん ものかと感心させられることでしよう。 ざダブリュじがたほくとしちせい ほっきよくせい なお、カシオペヤ座の W 字形と北斗七星は、北極星をはさん あきよいそらたか せいはんたい いち でほぼ正反対のところに位置していますので、秋の宵の空高く ダブリュじがた きたそらたかのほ ほくとしちせい はるよい 上った W 字形が、舂の宵には北の空高く上った北斗七星がとい ほっきょ ( せい うふうに、どちらか一方が見やすくなって、北極星を見つける めじるし やくだ よい目印として役立ってくれています。 りよう おうこくおうひ あらわ せいざ むすめ かい こせいす い のほ いっぽう 、 ,. 、′ - NGC7789 M5 、エータ カシオペヤ座 ダブリュじがた 會ニ重星のカシオペヤ座工ータ星 W 字形のうちのアルファ星 ばうえんきよう せいあいだ とガンマ星の間にある 3.5 等のエータ星には、望遠鏡で見ると とうちい 7.5 等の小さな星がくつついているのが分かります。この 2 つは しゅうき れんせい 周期 480 年でめぐりあう連星なのです。 ざダブリュじがたあきよい きたそらたかのほ ←カシオペヤ座の W 字形秋の宵の北の空高く上ったころが見 はっきよくせいちか ちへいせんか ねんじゅうきた ごろとなりますが、北極星に近いので、 1 年中北の地平線下に ダブリュじがた しすむこともなく見ることができます。 W 字形はカシオペヤ王 あらわ 妃がいすにしばりつけられたすがたを表しています。 、カシオペヤ産の w 斈形の近くに一 4 籌の自月るい超新星が出現し、人々をおどろかせました。「ティコの新星」とよばれています。 1572 年 にじゅうせい 70
うお座・おひつじ座 ↓うお座 こせいす ( ポーテ古星図 ) さかな むす おひつじ座 ( ボーテ古星図 ) そら はは おひつじ きんもう うお座は、北と西の 2 ひきの魚がリボンのようなひもで結びつけられ せいざ ちい たきみようなすがたにえがきだされた星座ですが、小さな星ばかりなの で少し見つけにくいかもしれません。 さかな この 2 ひきの魚は、愛と美の女神ビーナス ( アフロディテー ) とその がわきしべ 子工ロス ( キューピッド ) が、ユーフラテス川の岸辺を散歩していると かいぶつ おお き、とつぜん、怪物テュフォンにおそわれ、大あわてで魚のすがたに変 かわと 身し、川に飛びこんでにげたときのすがたとされています。そして、 2 さかな ひきの魚をつなぐひもは、母子がはなればなれにならないためのものだ あらわ とか、母子のきずなを表すものだと言われます。 めがみ さんぽ さかな ははこ おひつじ座 ベガススの 大四辺形 M74> おひつじ座は、空を飛ぶことのできる金毛の牡羊のすがたで、まま母 からにくまれていたテッサリアの王子プリクソスと王女ヘレーを背に乗 せコルキスの国へのがれさせたと言われています。 おひつじ 牡羊はニ人を背に乗せると、たちまち空に飛び上がりました。けれど 妹のヘレーは目がくらみ海に落ちて死んでしまいました。プリクソス王 ひつじせ こくおう しんせつ 子だけは、なおも羊の背に乗ってコルキスまで運ばれ、国王から親切に おうじよ けっこん むかえられ王女と結婚しました。 おひつじきんいろかわ たいせつ ほそん その後、牡羊の金色の皮ころもは、大切に保存されていましたが、 せん 勇士ャーソンがアルゴ船に乗ってとりもどしにくることになります。 おうじ おうじよ ふたり そら いもうと うお座 渦巻のようすまでは分かりません。 うすまき 遠鏡ではばんやり丸く見えるだけで えきよう ところです。あわいので、小さな望 ん丸な渦巻銀河を真上から見ている まるうすまききんが ←うお座の渦巻銀河 M74 ほばま うすまききんがエム あらわ さかな をつなぐすがたを表したうお座です。 されるのが、北の魚と西の魚の 2 ひきの魚 さかな くの字を強くおしつぶしたようにえがきだ つよ かどにくいこむように小さな星をつらね、 會うお座ベガススの大四辺形の南東側の だいしへんけいなんとうがわ にじゅうせい ←おひつじ座のニ重星ガンマお あたま ひっし座の頭にあり、 4.8 等の同 にじゅうせい じ明るさのペアのニ重星です。 とうおな プレアテス星団 おひつじ座 うらカーえ 座の広がりは東どなりのプレアテス星団の近くまであります。 せいたんちか が裏返しの「へ」の字のようにならんだ部分だけです。しかし、星 ぶぶん 會おひつじ座目につくのは、おひつじの頭の部分にある 3 個の星 おひつじ産の、 金の牡羊のすがたは、昔、川から砂金を曇めるとき羊の毛皮を利用していたことと深い関係があるかもしれないと言われています。 75
ゆうかん 會アンドロメダ姫の救出空から舞いおりてきた勇敢なベルセウス王子が、お化けくしら にたちむかい、アンドロメダ姫を勗けたそうとしています。 ( ピエロ・ティ ・コジモ画 ) ・くじら産あ晃ミラ・ しんそう くじら座の心臓のところにかがやく真っ赤なミラは、 いみ 「不思議なもの」という意味の名で、 332 日の周期で 2 へんこうせい とうせい とうせい あか 等星から 1 0 等星まで大きく明るさを変える変光星です。 へんこう くら にくがん 6 等星より暗くなると肉眼では見えなくなります。変光 ふあんてい としお の原因は、年老いて不安定になったミラ自身が大きくふ くらんだり小さくちちんだりしているためです。 おうじ ひめきうしゆっそら にちしゅうき とうせい じしんおお げんいん くじら座 會明るくなったミラと暗くなった 極大光度は周期ごとに変わる ( 等 ) し・うき きよくだいこうど にくがん 肉眼で見える ちょうこくしつ座 肉眼では見えない 100 日 200 日 300 日 400 日 500 日 600 日 あきよいみなみそらおお あきせいさしんわ なかあくやく 會くじら座秋の宵の南の空に大きく広がるのが、秋の星座神話の中の悪役くしら座です。 會くしら座ミラの変光のようす その心臓にかがやく変光星ミラは明るさを変え、見えるときと見えないときがあります。 緇くじら産の鬲にあるちょうこくしつ産は、 18 世紀のフランスの天文 , 者ラカイ、が作 0 た星産で「彫刻家のアトリエ」とも言われていました。 へんこうせい