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検索対象: 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決
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1. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

扱い上は通常の死亡と同じで、不在者に相続人がいればその人が新しい持分権者となり、 分割や共有関係解消の話し合いに加わることになります。 もし相続人がいなければ、持分は残りの共有者に帰属となり、残りの共有者全員の同意 で処分を決定することができます。 失踪宣告が行える条件としては、大きく次の 2 つのケースがあります。 ・普通失踪 : : : 生死が 7 年間明らかでないケース ・特別失踪 : : : 戦争、船舶の沈没、震災などの特別な危難に遭遇し、その危難が去った 後その生死が 1 年間明らかでないケース また失踪宣告の申し立てには主に以下の書類が必要になります。 ・申立書 ・不在者の戸籍謄本と戸籍附票 ・失踪の事実を証する資料 ・申立人の利害関係を証する資料 224

2. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

が、家族関係は修復できていません。以降のことは弊社でも関与できないプライベートな 部分になりますが、もう姉妹は関係をほほ断ち切ってしまっているかもしれません。この ような経緯を経た後では、仲の良かった頃に関係を戻すのは困難でしよう。 こんな結果を招くくらいなら、相続した時「今すぐ売却しよう」と決め、早めに動いて おくべきだったでしよう。プランの具体化を先延ばしにしたことが、家族関係がボロポロ になるトラブルの引き金になったとも考えられます。 損して決着することも : ・ この事例は、弊社が共有者たちの間に入って、第三者の投資家さんに持分を買ってもら うかたちで解決したのですが、「第三者に売ると、他の共有者に迷惑を掛けてしまうから」 と、多少安くてもきようだいに売るケースもあります。 逆に買い取るケースでも、「家族だから」と気を使って、仕方なく高値で購入する方も これまでにいらっしゃいました。 売る側と買う側、両者が納得してのことですからもちろん問題はありませんが、内心損 した気持ちも捨てきれないことでしよう。 要するに、家族間で決着する方法を選んでも、自分が損してしまうケースはいくらでも 35 第 1 章相続トラブルはひとごとではない

3. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

と取り決め、正式な書類を作成し、相続登記を済ましておけばよかったのです。 前述の通り登記自体に義務はありませんが、事例のようなトラブルを回避するためには 必須となってきます。 弟さんの「相続権が自分にもある。という主張は、相続登記によって不動産の名義が兄 のものになっていれば、簡単に否定することができるのですから。 このよ、つに、 . 相冗登「。 ( こよ所有権を主張する十分な効力があります。事例のトラブルは 比較的軽いケースであり、登記をしなかったことによるトラブルにはもっと甚大な、裁判 沙汰にまで発展するケースも少なくありません。 ですから、相続が発生したら、きちんと遺産分割協議を経て、登記を済ますようにしま 0 1 ) よ、つ 登記についてより詳しくは第 7 章にて触れていますが、手続きは煩雑なので、司法書士、 行政書士、弁護士などに相談することをお勧めします。

4. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

もし売ることになったとしても、想い出のいつばい詰まっている場所ですから、できる だけ価値を付けてほしいものです。安価でほいほいと売却する気持ちは毛頭ありません。 必然的に、売るとしても買い手が付くまでに相当の時間を要します。一向にこちらの希 望を満たした買い手が見つからないケースもあるでしよう。 したがって、しばらくは誰かが住むなり管理するなりしないといけないわけです。手入 れをしないと住まいは見る見る劣化していきますから、空き家にするのは得策ではありま せん。 実家に住む人は、何も共有者とは限りません。例えば地元に残っている親戚だったり、 あるいは親族外の人物に貸すこともあるでしよう。これに端を発するトラブルも考えられ るのです。 「売れないだろう」と諦めている これから紹介する数々の事例は、相続した住まいを共有名義不動産としたために起きて いるトラブルで亠 9 。 「共有名義不動産とした」というよりは「何も話し合わなかったので、勝手に共有関係 になっていた」というケースが少なくありません。

5. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

そうやってきっちり線引きできればいいのですが : 。不動産ではそれが困難なケース が多いのですが、共有関係によってトラブルが起きたら、分割で解決するしかありません。 しかし、法律やそれぞれの感情など、さまざまな要素が絡み合い、複雑に入り組んで、な かなか解決に至らないのです。 共有名義不動産の分割方法にはいくつかパターンがあります。これについては第 2 章で 衂入月し ~ ましよ、つ。 トラブルは世代を越えて拡大する 「共有者が 2 人 ! 」なんてことはザラ 共有名義不動産に絡んだトラブルの代表格が「共有者多過ぎ問題」です。 例えば次のようなケースを考えてみてください。 ある土地を 1 人の男性が持っていたとします。男性が亡くなり、 2 人の子どもへ相続。 さらに 2 人も亡くなって、それぞれの妻や子どもへと相続。そしてさらに下の代へ・ このように、代を経れば経るほど、共有者がいわばねずみ算式のように増えていくケー スが、当たり前のように起こっています。

6. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

交換時に発生した差額分は贈与と見なされ、その分の税金を払うことにもなりかねない のです。この点には注意しなければなりません。 事例の場合、両アパートは隣り合っていて立地条件がほとんど等しく、価値もほば同等 であることが判明しました。 よって単純な持分の交換だけで解決しました。 る しかし、これは非常にまれなケースです。 す 扱ってきたケースとしては、「一軒家」と「マンション」だったり、「アパート」と「駐処 、つ 車場」だったり、「都内のワンルーム」と「郊外のマンション 1 棟」だったりと、交換事 産 例のバリエーションは豊富です。 動 不 当然価値の等しい交換にはなりません。このような場合はどうすればよいでしようか 益 収 る て 交換条件はケースパイケース し 有 事例をアレンジして考えてみましよう。 共 章 もし < アパートの方が価値が高ければ、 < アパートの持分を放出するお兄さんにとって 第 は、不利な交換となってしまいます。 穏便な解決を図るのであれば、弟さんからお兄さんへ、持分の交換にプラスして差額を

7. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

このような不公平感をなくすために「寄与分」というルールが民法で定められています。 寄与分が認められた相続人は、他の相続人よりも多めに財産を受け継ぐことができます。 例えば次のような場合、寄与分は認められます。 ・被相続人の事業を手伝い利益に貢献していた ・被相続人の看病や介護に尽力していた ・被相続人の生活に必要な資金を工面していた これらは一例であり、寄与分として認められるケースは他にもありますが、要するに被 相続人の生活に欠かせない役割を担ったり、利益を出すことに協力していたことがポイン トになります。 寄与分の額は、原則として相続人全員による協議で決められます。もし話し合ってもま とまらなかった場合は裁判所にて審議を行って最終決定になります。 そして決まった寄与分の額を控除した残りを相続財産とし、相続人たちで分配すること になります。 寄与分が認められたケース 分かりやすいシンプルな事例を紹介しましよう。 104

8. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

が関の山です。しかし、税金はかかりますから、共有者の負担は続く一方です。 それではどうするのが良策でしようか。 第 2 章でも説明しますが、自分の持分だけを売却することは、自分の判断だけでできま 事例のような場合、家族の話し合いでまとまりそうになく、また将来起こるトラブルに 巻き込まれないために何としても対策を立てたいという意思があるのならば、自分の持分 を売って共有関係から離脱するのが良策になります。 収益不動産のリスク 家賃収入が得られる収益不動産の共有でも損をするケースはよくあります。 中でも多いのが老朽化した物件を相続したパターンで、入居者が見つからなかったり、 家賃収入が少なく、維持費や固定資産税などの支払いで、赤字というケースもあります。 相続してすぐに修繕費がかかって大きな出費に苦しむ場合もあります。 建て直しをするにしろ、売却するにしろ、共有名義不動産なので全員の許可が必要です。 と、意見が割れてし 「安値で建て直す方法はないのか」「売るのだけは絶対にしたくない まった時点で事態がややこしくなり、計画は難航してしまいます。その間にもお金は出て

9. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

認められないケースも多い 寄与分は遺産分割協議での大きな争点になります。 相続人間での協議で解決しようとする場合、仲が良好であれば全員の賛同の下、寄与分 、冫し ( し力なしでしよ、つ。 は認められますが、大猿の仲なら円骨こよ ) 、 「これだけ親の面倒を見たのだから、万円寄与分として認めてほしい」 「せいぜい 3 c c 万円程度でしよ」 「生活に必要な物を俺が負担したんだ。それだけでも万円は軽く越えるよ」 「それってただの生活費だから寄与分には入らないんじゃないの ? 」 といった議論が繰り返され、相続人たちだけでは堂々巡りとなってしまうケースも多い わけです。 そこで裁判所の力を借りることもありますが、結局寄与分として認められないことも こ良費して終わってしま、つことも少なくあ 多々あります。全員にとって時間やお金を余計し、冫 りません。 財産を平等に分配するために設けられている特別救済ルールではありますが、これがか えって事態をややこしくしてしまうこともあるわけです。寄与分の取り扱いにはくれぐれ も注意したいですね。 1 06

10. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

共有者自身が「不動産の持分があることを知らなかった」とい、 2 、ともよくある話です。 共有者を特定することが不可能で処分できないケースも、これからの時代ますます増えて い / \ こ A 」で 1 レよ、つ。 また、登記されている名義が死亡者であった場合、該当不動産が誰の持ち物なのかがは と つきりせず、所有者不明となってしまうケースも多発しています。 今後発生するであろうトラブルを回避するためにも、相続登記は行、つよ、つにしましよう。 お て 事例「登記変更していない不動産で面倒なことに」 「登記って、役所が管理しやすいからするものでしよ。遺産分割協議さえ済ましていれ の ば家族でモメることはないし、私たち登記する側にメリットはないのでは ? 」 回 という思いから、費用や時間を削ってまでわざわざ登記することを嫌がる人もいます。 プ 確かに登記というのは法務省が土地を管理する上で必要な手続きですが、一方で共有者防 にとっても重要な意味を担っています。 相 章 例えば次のようなトラブルに直面したとき、登記の大きな効力を感じる一、とができるで 第 1 レよ、つ 0 4