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検索対象: 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決
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1. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

家族の思いが詰まっているからこそ難しい 多様化する実家の受け継ぎ方 かって実家といえば「長男が継ぐもの」といわれている時代がありました。実家には家 業があり、それを継承する長男が自動的に家の管理も任されるのが自然の流れでした。長 男がいない家庭でも、婿養子を迎え、その人を大黒柱として家は代々守り継がれてきまし 遺産分割協議や相続登記などを行わなくてもトラブルにならなかった時代の話です。暗 黙のうちに実家は長男の名義となり、共有関係は有無を言わせず自然解消されていました。 しかし、時代が進むとともに様子は変わってきました。進学や就職を機に子どもたちは 実家を出て、それぞれ家を持ち、家族を築く、核家族の時代が到来したのです。 「家は長男が継ぐべき」という思想は過去のものとなりました。長男が家業を継ぐケー スが少なくなった現代、両親が亡くなった後の実家の処遇は多様化しています。 相続によって実家が共有名義不動産となったとき、相続人である共有者たちによる実家 への対応は、大きく次の 2 つに分けられます。 、」 0

2. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

とのないよう、公正な方法で財産を管理します。 遺一一一一口書と併せて利用することでより確実性が増し、将来の相続トラブルの要因を潰すこ とができるのです。 家族信託に欠かせない 3 つの役割 目一 ( 体的に見明しましよ、つ。 まず家族信託には、「委託者」「受託者」「受益者」という 3 つの役割が登場します。 まず委託者は、財産を持っている人物であり、相続においては被相続人に当たります。 家族信託すると決めた委託者は、家族の誰かを受託者に指名し、財産の継承、管理を任 せる信託契約を交わします。 家族信託を開始した瞬間、財産は信託財産となり、将来相続に伴って共有関係に変わる ことを回避できます。 今すぐ家族信託を開始させるかどうかは、委託者と受託者の契約次第です。開始する時 期を指定してもいいですし、もしくは遺一言書の中で「〇〇を受託者とする」と指名するこ ともできます。 さて、信託財産となったときに新たに登場するのが受益者です。これは相続における相

3. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

共有 ( 相続 ) 前の家族信託 概要は以上として、実際の例を見てみましよう。 3 つの役割が登場しましたが、関わっ てくる人物は普通の相続と同じです。 まずは相続が発生する前に家族信託を開始する場合です。父が委託者で、 3 人きようだ いの長男を受託者に指名したとします。 父と長男の間で信託契約が結ばれ、家族信託がスタートします。父の持っ財産が信託財 産となり、受益者は父のみです。父に代わって長男が信託財産を管理することになります。 父は自分の死後の受益者も指定できます。今回であれば、子どもたち 3 人を受益者とす る、というよ、つな具合です。 信託財産としておくことで、例えば委託者である父が認知症となって判断を下せなくな ったとき、受託者が財産の管理を行うことができます。何も手を付けられない塩漬け状態 を防ぐことかできるとい、つ大きなメリットがあります。 共有後の家族信託 すでに共有状態となっている不動産においても家族信託は有効です。共有名義不動産に 関するトラブル回避術の観点では、ここが家族信託のすごいところともいえます。

4. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

や「遺言書」についてこれ以上の具体的な内容を述べることは避けます。基礎知識として 押さえておいてください。 これら生前の対策は、共有関係をつくらないために必須、いわば最強の予防策なので、 専門家に相談したり専門書を読んで、いざというときのために準備を始めておくようにし 亠ましよ、つ。 お て 「家族信託」で丸ごと解決 え 覚 め いま最も注目される相続トラブル回避術 の ま注目を集め始めている 共有にしないための方法として生前対策を紹介しましたが、い 回 レ 新しい解決方法があります。 プ それは「家族信託」です。名前の通り、家族に信託することで、財産を「共有」ではな 相 く「信託」という状態にするのがこの方法の核になります。 章 自分 ( 被相続人 ) が将来認知症になってしまったり、病気や怪我によって、財産運用の 判断を下すことが困難になってしまうときに備え、指名した家族の誰かに自身の財産管理第 を任せます。任された家族は財産を継承し、財産に関わる人全てが不利益や不満を持っこ

5. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

「想い出がきれいなうちに決着をつけたい」 その言葉の強烈さと、心身疲れきったご様子に、事態が非常に切羽詰まっているのだと 切実に感じたものです。 家族の溝が深まる前に、家族が笑い合っていた楽しい想い出が汚れてしまう前に、解決 したい。 そう願っている方がほとんどなのです。少なくとも家族の中には、トラブルを終わらせ たくない人なんていないのです。 事例の方も同じ思いだったに違いありません。お金のことで家族の絆に傷が付く前に、 何とかしたいというのが正直な願いです。 弁護士の「川万円なら買う」という一言葉にはかなりショックを受けたことでしよう。金 額以上に、心ない対応を受けたことがとても悲しかったはずです。 この事例の場合は、相談者さんの持分を、希望していた万円よりも高い額で投 資家さんに購入してもら、つことで解決しました。 相談者さんは晴れてこの問題から解放されたことになり、ほっと胸をなで下ろしました その中の 1 人の方がロにした言葉が今でも忘れられません。それは次のような言葉でし

6. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

が、家族関係は修復できていません。以降のことは弊社でも関与できないプライベートな 部分になりますが、もう姉妹は関係をほほ断ち切ってしまっているかもしれません。この ような経緯を経た後では、仲の良かった頃に関係を戻すのは困難でしよう。 こんな結果を招くくらいなら、相続した時「今すぐ売却しよう」と決め、早めに動いて おくべきだったでしよう。プランの具体化を先延ばしにしたことが、家族関係がボロポロ になるトラブルの引き金になったとも考えられます。 損して決着することも : ・ この事例は、弊社が共有者たちの間に入って、第三者の投資家さんに持分を買ってもら うかたちで解決したのですが、「第三者に売ると、他の共有者に迷惑を掛けてしまうから」 と、多少安くてもきようだいに売るケースもあります。 逆に買い取るケースでも、「家族だから」と気を使って、仕方なく高値で購入する方も これまでにいらっしゃいました。 売る側と買う側、両者が納得してのことですからもちろん問題はありませんが、内心損 した気持ちも捨てきれないことでしよう。 要するに、家族間で決着する方法を選んでも、自分が損してしまうケースはいくらでも 35 第 1 章相続トラブルはひとごとではない

7. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

図表 6 「家族信託」で丸ごと解決 共有 ( 相続 ) 前の家族信託 信託契約 受託者 名義を移転 委託者 & 受益者 委託者である父は、 ロロ ロロ 信託財産として 長男が管理 自分の死後の受益者を指名しておくことができます。 共有 ( 相続 ) 後の家族信託 委託者 & 受益者 長女 次男 長男 信託契約 ー長男 受託者 ロロ ロロ 共有状態の不動産を 信託財産として長男が管理 61 信託財産とすることで共有トラブルを回避できます。 第 2 章相続トラブル回避のために覚えておきたいこと

8. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

図表 1 「共有名義不動産」ってそもそも何 ? 3 人の 不動産 共有名義 ロロ ロロ ます。 ) 、く身近な例でいうと、自宅に家族みんな で使っているパソコンがあれば、それは家族 の共有物になり、家族全員がパソコンの「共 有者」になります。きようだいでお金を出し 1 一 3 合って車を買ったら、これもきようだいの共 分有物です。 逆も述べておくと、例えば夫が妻に結婚記 1 一 3 念としてプレゼントしたダイヤの指輪は、妻 分 1 人の物なので共有物ではありません。 共有物に対して、各共有者が持っ所有権を しいます。 1 一 3 「持分」もしくは「共有持分」と、 分 この持分は、等分されるのが原則ですが、 持 例外もあります。 先ほどのきようだいで買った車の例でいえ ば、購入時に兄が全体の 4 分の 3 、弟が残り 1 5 第 1 章相続トラブルはひとごとではない

9. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

いかと考えています。 もう家族間での交渉の余地はありません。 家族の関係がこれ以上ボロボロにならないためにも : : : 専門家の力を借りて早く持分を 売却したいのです。そうすればこの問題に私が関わらなくて済みますから。どうかよろし くお願いします」 手遅れにならないために この事例ではカギを握っている人物は姉の夫です。 彼は遺産の法定相続人ではありませんが、相続人と財産を共有できる夫婦関係にあり、 母の全財産を妻に継がせたいため、義妹である相談者さんにこのような対抗措置を取った と考えられます。 最初はきようだい間だけだったので「取りあえず共有」と口約東で済ませたら、後々に なってきようだいの配偶者がしやしやり出てきて、事態がややこしくなる。このようなト ラブル本談はたくさん経験があります。 「もう家族で話し合っても解決しそうにないから、どうにかしてほしい」と駆け込んで くるのです。涙を流しながら相談される方もいらっしゃいます。 33 第 1 章相続トラブルはひとごとではない

10. 相続の落とし穴!共有名義不動産 : 想い出がきれいなうちにトラブル解決

そのときにはもう、「仲が良いから」では済まされないでしよう。なぜなら面識のほと んどない間柄での共有関係が構築されているかもしれないからです。 、トラブルに発展し、共有者同士の関係が泥沼化 それぞれの意見と感情がぶつかり合い してしま、つことも考えられます。 事例「家族の関係がボロボロに」 相続人の共有関係、もしくは取り巻く環境が変化したことによって、これまで仲の良か った家族の間に修復不可能の亀裂が入ってしまうことも少なくありません。 共有名義不動産によって家族関係がボロボロになってしまった、最悪な事例の 1 つをこ こで紹介します。誰にでも起こり得る悲しいケースなので、ぜひご一読ください。 「父が亡くなり、不動産を母と姉と私の 3 人で相続しました。持分は法定相続に従 ) 母が 2 分の 1 、姉と私が 4 分の 1 すつです。 私たち 3 人は仲が良かったこともあり、相続した当時は『いっか売ろうね』とだけ決め て、不動産の処分に関する具体的な期限や方法については話し合いませんでした。 その後、母が高齢になったこともあり、姉夫婦が母と同居し、母の面倒を見ることにな