ルムンパは生きている LUMUMBALIVES ( ルムン、、ハは生きている ) 連中が微笑みかけてくる。こういう黒人たちのことなら、よく知っている。あがめるような卑屈 な態度をとりながら、無抵抗の相手をせせら笑っているのだ。ゆっくりと立ち上がる。 「誰がルムンバなんた ? 」時間稼ぎにきいてみる。 「誰がルムイハかって ? 」 てた いタ黒魚連園な。濡ああ るウ人、中にあ必れ ンひ食は行、死たぎぎ シといまつおに下なな ュりてたてい呼着世世 ーびえ笑、 ! 吸がのの ズとかう好を透中中 をり ? 。 き聞整けかに はを ないえて ! お たてるい さ る別ら たっラ 中とイ渡絞か のば 年見に め ? 裸びし 男っしだ殺 でとた がめてし今 いりい 四てやて度るが 人、るよや鴨 と愉っ 快て 。頭せ、るの せ肉ろそふ 五の ! 人中 の 食取にた 目の 黒 は混 り相っ ん 羽た押づた そ乱 く えちぜ のを が 息収 ドな らを ! 子拾 ルっれ打 分 ち 名俺ナ のと 年す を知憤 配る り で や とな駆 ら う小れ いえ か銭る 運ズ 動ポ が く は破 り が ゃな 」 0 251
セイディ 「犬ども、ちょっくらデューイの旦那んとこ、寄ったたけたっち」おびえた顔でバスターがささや いたあと、フロイドがバスターとペントランドのあいたに虧を乗り入れた。 いいから虧車に戻ってろ」そう言って、フロイドがバスターの馬の尻を鞭でばしっと 「、、ハスター 叩くと、バスターは手足をばたっかせ、鞍革をはためかせながら、全速力で木立を抜け、畑を横切 っていった。 なんというふるまいだろう。常に低い声でゆっくり話し、犬や黒んぼには底なしに優しくて、な のにいきなり、ああやって馬を乱暴にひつばたく。 フロイドはペントランドには目もくれず、わたしのほうへ戻ってきて、すれ違いざま、少なにや け顔で言った。「あの黒んぼの駆けつぶりを見なせえ、ウエプスターさん、あの駆けつぶりを」 それから、茂った草に鞭を振るいながら、速歩で遠ざかっていき、犬たちがすぐあとに続く。 ペントランドが銃を鞍のホルスターに突っ込んた。ひと言も口をきかない。わたしが来た道を戻 り始めると、すぐに追いついてきた。何か言えとすごむような目で、わたしをにらむ。 「ほかにも何頭か、見せてもらいたいんたが」わたしは言った。 そのあとの時間は、たいしたごたごたもなく過ぎ、わたしは両方の荷馬車の犬を全部見せてもら った。フロイドとジョ ペントランドほど犬の扱いがうまいふたり組には、お目にかかったこと がない。ふたりのあいたに大きな差はなく、たた犬の走らせかたが違うたけたった。密猟をやって いたせいか、フロイドは一帯の地理を自分の体の一部みたいによく知っていて、鳥の居場所をいっ もびたりと言い当てる。びとりで森に住んた経験のある人間にしかできない芸当た。
要とあらば殺せるたろうし、自分が白人に殺されるという筋書きも納得がいく。しかし、黒人が白 人を殺すなどということは、あってはならないのた 肌の色がなんたってんた。今はそんなこと、言ってる場合じゃねえ。おめえは沼にいる。沼は特 別なところた。ここにゃあ、やっとおめえしかいねえってのに、やつはそれでも人口が多すぎると 思ってやがる。神様が人間に心を配ったときに、やつあ扉の陰に隠れてて、もらい損なったにちげ えねえ。あんな野郎を法の手の届かねえとこにうっちゃっといたら、黒でも白でも青でも、相手構 わず殺しまくるたろう。贈いとも思わず、哀れだとも思わねえ。やつにとっちゃ、おめえは厄介者 の壁蝨でしかねえのさ。 けれど、トラヴァーは自分の感覚を疑っていた。もしかすると、あの男は何も含むところがなく、 合法的に猟をしていて、脱獄囚を島から追い出すか捕まえる以上のことは考えていないのかもしれ ない。チャンスがあれば撃ち殺す気でいるなどと、どうして決めてかかれるのか。 とはいえ、トラヴァーにはわかっていた。においがするのた。自分のその本能を疑ってみたのは、 相手も恐れているはずたと思いたかったから、そして、手を上げろとも言わずに発砲してくる人間 などいないと信じたかったからたった。 なあ、あいつあ、声なんかかけてこねえぞ。おめえがここにいるのを知ってて、墓石みてえに默 ってやがる。おめえのほうがうつかり声でも出そうもんなら、返事のかわりに鉄砲玉が返ってくら れあ。 流
黄泉の河にて 「すぐに事清を調べたちゅうことは、きのう申しましたな ? つまり、ディッキーをここに呼んで、 こう言ったです。やったのがおまえたろうとジョニーたろうと、わしはたいして気にせんが、さっ さとけりがっかんようなら、ふたりともきつい目にあう、苦役についてもらうことになる、とね。 そしたら、ディッキーが話したですよ。ジョニーは、沼杉の林に住むインデアンの女に入れあげと る。そうたったな、ディッキー ? 」判事は頭を後方に傾け、肩越しにディッキーに話しかけた。 「金を作ろうと躍起になっとる。そうたったな、ディッキー ? 」喉の奥で笑って、手の力を抜いた ので、黒人は逃げるように部屋を出ていった。 「つまり、ジョニーがやったというわけですね」 「いや、はっきりそうとは言っとらんですよ、先生。見たわけじゃあありやせんしね。たが、ゆう このあとすぐ、 べの騒ぎを考えりゃあ、ジョニーが何かについて何かを知っとることは間違いない。 あやつをここへ引っ張り出して、おたくのテープの機械をどうしたか、わしとスペックとでしゃべ らせやすよ」 ーケットは一言った。 「すぐに戻ってきます」。 コーヒーを持って出てきたディッキーは、調理場へ押し戻された。バ たまげているようたった。 りの表青に、 「おい、あのテープレコーダーを持ってくるんた」 「ジョニーが盗った ! あの晩、家に持って帰ったー アリス奥さんにどなられて、ジム判事に捕まった ! 」 けど、恐ろしくなって、返しに行ったら、 ーケットの顔に疑いの色を見て取り、必死 ーケットの顔に浮かんた賁
季節はずれ 彼の笑みに、シシイは応えず、ジャッキーがこう言ったたけたった。「そうたよ、いっしょに食 べながら、みんなで亀を見張ってりやいい」 「そのとおり」と、フランク。「食前の一杯というのも、悪くないな」 おろおろしたロぶりで、ジョーンズ夫人が言いかける。 「だって、おふたりは上で : 「このピストルで何をすんの ? 」ジャッキーが手で触りながらきいた 二階で飲んでいたんたわ、とシシイは思った。もう彼をなためることはできない。亀を逃がして やる機会を逸してしまった。亀のことはすっかり忘れていたのた。気に病むほどの問題ではないと わかってはいるけれど、急に、亀の生死が重大事に思えてきた。 「おふたりがそうなさりたけりや、わしらはそれで結構ですよ」サイラスが言った。指でとんとん と膝をたたく。 「ねえ、このピストルで何をすんの、おじちゃん ? 」ジャッキーがくり返した。 「エイヴリーさんよージョーンズ夫人が横から訂正する。 「エイヴリーさん」と、ジャッキー しかし、フランクは氷を取りに食料貯蔵室へ行ってしまって ( ナ って戻ってくる。 「これでよし」ウイスキーを注ぎながら言う。 一瞬、しんとなったその間隙に、亀が壁を這いのばろうとし、どすんと床に落ちた。 「そのビストルで何をするのか、ジャッキーが知りたがってるわよ」シシイは言った。 、こ。ほどなく、四個のグラスを持 ノ 19
の口調で続ける。「これ、ほんとのほんとー もしかすっと、ジョニーがどっかの藪に投げ捨て どこにあるか、おら、知んねえー 「なら、探してこい ジョニーは納屋の中た ! 」ディッキーの腕を揺すったので、コーヒーがこ ぼれた。「そもそも誰から機械を受け取ったか、彼があの男にしゃべったら、どうなると思う ? 」 きみたちふ ディッキーがたたじっと見つめる。「誰が盗ったかなんて、この際、問題じゃないー たりとも、面倒な立場に置かれてるんた ! 」 ディッキーを張り飛ばしてやりたい、 いらたちに任せてどなりつけたい ( 脳足りんの黒んぼ野 ! ) という激烈な衝動に気がついて、 ーケットは突然、言葉を失った。外に出て、ポーチの階 段にどっかりと腰を下ろす。何が起ころうと、勝利は得られないのた。ディッキーがのろのろと、 網戸のところまで歩いてきた。 「とにかく、持ってくるんた ! わたしが見つけたことにするからー たるんた網の向こうから、 ガイドがまたもや、耳障りな声で関与を否定したが、じきにその声もやんた。錆びついたドアの取 つ手が右に左に回る音が聞こえる。 「わたしを信じたほうがいい。いちばん頼りになる味方たーそれでも、黒人はその場に立ち尽くし く。指を広げた両手が、 た。やがて、するりとドアから出て、階段を下り、建物の裏側へ回ってい 胸の内の苦しい葛藤を示していた。 気持ちを落ち着けようと、 ーケットは通りを少し歩いた。東側の木々の黒い梢まて、日がのほ っていた。さっと風が立ち、椰子の葉が激しくわななく。早朝の光のもと、入り江の水は重油さな
黄泉の河にて 「わたしは、彼がテープレコーダーを持っていったと考えてる。それでじゅうぶんじゃない ? そ して、あなたもそう考えてる ーにいた人間たちのことを、そして、 ーケットは押し黙った。バ 向こう見ずな怒りのしぐさで客の残り酒を飲み干したディッキーのことを考えた。舟のそばにいこ 白いシャツの男のことを考えた。パール・グレーの帽子をかぶり、脇の下に大きな汗のしみを広げ ていた大男のことを考えた。あの黒人を判事ウイドウンのもとに突き出すわけにはいかないが、盗 みに目をつぶることもまた不可能た 「どうして、いけないの ? 」アリスが言った。廣りのあまり、踏みにじられた気持ちになり、あえ て両刃の剣をふるいかねないけんまくたった。「あの赤首の田舎者たちは、わたしたちのお金は好 きたけど、わたしたちのことはきらいなのよ。それは、こっちだって同じ」声がしたいに大きくな る。「こんなところ、出ていきたいわー 1 ケットは目がむずがゆかった。 翌朝、寝不足と、混乱して煮えきらない気持ちのせいで、 「誰かを告発することは、避けて通れないようたな」ぼやくように言った。 「告発しろなんて、誰が頼んた ? 誰のテープレコーダーだと思ってるの ? もう忘れてよ ! 」 「わたしのせいたったとも一言える。酒を飲ませたりして : : : 。彼はどこかに品物を置いて、それを 忘れてしまったのかもしれない 「いくらでもお言いなさい。あなたは彼が持ち去ったことを知ってるし、向こうはあなたが訴え出 ないことを知ってるのよ。たから、ここを出ましよう」
倒れた豚は、四肢で空を掻いたあと、動かなくなった。 あの白んばめ、できるな。けど、なんでさっきは撃たずに、今は撃った ? 嵌めようってんたな。 この島に誰かいるってことに、気づいてねえふりをしてるんた。 やつは知ってる。あの白んばは知ってやがる。 男は豚を林の中に引きずっていくと、手斧とナイフを使って、乱暴な手つきでさっさと皮を剥ぎ、 ひづめ はらわたを抜いた。それから、頭部と蹄と臓物に柴をかぶせ、胴体をロープで縛って肩にかつぐ。 来たときと同じように静かに去っていくそのあとを、トラヴァーは追った。 おれたちゃ、ピーナツツみてえにくつついてるんた。後ろから狙われちやかなわねえから、びつ たりと見張らせてもらうぜ。 不安を感じながらも、トラヴァーはいきりたち、胸をときめかせた。ちょっとした戦闘に勝利を 収めた気分で、次なる展開を早く見届けたいと気がせいている。しかし、男の行き先は見当がつい たので、安全な距離を保ってついていった。ク 海の裏庭クと名付けられたあたりに、開けた土地が あり、狩猟キャンプの跡に古い小屋が残っている。船を揚げるのにじゅうぶんな勾配を持っ砂浜は、 南岸ではそこたけた。密猟者なら船を持っているたろうし、だとすると、ほかに協力者がいるかも しれない。状況をそこまで読んで、トラヴァーは歩をゆるめ、濡れたままの服を身に着けた。 ひらち ぐるっと迂回して、反対側から腹這いでその平地へ忍び込む。小屋の窓に灯油ランプの火が揺れ、 ひさし 丸太の壁の上に張り出した庇には、定まった形を持たないいくつもの死骸が吊り下げられて、月明 かりを浴びていた。鹿と豚、それに大きな牛の四肢らしきものが、どうにか見分けられる。野生化
「本人に、そんなことを言ったのか ? 」 「ええ、そう」 「たいへんな過ちを犯したな」 「わかってるわ」アンは言い、涙がこばれる前に逃げ出した。 ハリーのことは、気にしなさんな」あとで、マックが言った。「あの人、受け持ちの子どもたち し」は、つ↓ま / \ ( ってるし、とても仕事熱心なんたけど、みんなに一目置かれてないと気がすまないの。 たから、あなたにつらく当たるんでしよう。病院の主か何かのつもりなのね。ここたけの話たけど、 あの人には間違いなく、ノイローゼの気がある」煙草の火を、コーヒーカップで揉み消す。「まあ、 みんなそうたろうけど。 長くここで働いてると、自分たちと患者のあいだにごく細い境界線が引か れてるのが、たんたん見えてくるの。ときどき、その線がばっと消えて、というか、その線を踏み 越えて、互いに行き来するようになる。それがわかったとき、つまり、精神を病んでるかどうかは 程度の問題に過ぎないと悟ったとき、はじめて患者と一体になって、心から仕事に打ち込めるの アンはうなずいた。「わかるような気がします。アーネスト・ハムリンと話したときの感じから」 げんち 「そう、それは結構」マックがぶつきらぼうに言う。今しがたアンから聞いた一一一一口質のことが引っか ノリーの意見は正しいってことーーーあなたは かっているのた。「もうびとっ言っておきたいのは、、 明 夜 過ちを犯したのよ。でも、ここで働く人間はみんな、感情移入しすぎて、同じ過ちを犯した経験を の 墨持ってる。誰にでも、一度だけ起こることなの。一度失敗すれば、わかる。たから、もうこのこと 薄 は忘れなさい ノ 99
セイディ 「ペントランドが、おれのこと、なんか話したろ ? 」 「ああ。まあ、ちょっとね フロイドのロぶりは、わたしに妙な印象を与えた。 「いいんたよ、ウエプスターさん、気にしねえでくれ。あいつあ、誰にでもすぐ、おれが天罰受け あ - らいた、ま ねえのは、自分のおかげだって言い触らすー相変わらず、木のうろから外をのぞく浣熊みたいな目 。聞かされ でわたしを見て、静かな声で笑う。「まあ、まるでうそっぱちってわけじゃねえが : るほうは、あいっとおれが義理の兄弟たなんて、まさか思わねえよな。あんたにも、それは言わな かったろ ? 」 「ああ。たが、わたしに聞かせてもしかたない話じゃないかな」 「そりやそうた。ま、気にしねえでくれ、ウエプスターさん。おれはたた、しゃべりてえたけさ。 姉貴がペントランドの嫁さんになって、そいで、おれはここに来た。ペントランドはジョージア一 の犬の調教師たって言われてるから、親族に密猟やってるのがいたら困るんた。だから、おれがお となしくしてるあいたは、面倒見てくれるってわけよ。何かやらかさねえかって、やつは死ぬほど 心配してやがる」 フロイドはまた笑って、「心配事のねえ北部人にや、お目にかかったことがねえ . と付け加えた。 「あんたは、 ( い仕事をしてるように見えるよ」 「食うにや困らねえけどな。給料はろくにもらえねえし、おれとペントランドが互いに洟も引っか に森に帰っちまっ けねえ仲たってことは、みんな知ってる。へつ、犬どもがいなかったら、とっく一