プロジェクト - みる会図書館


検索対象: 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!
9件見つかりました。

1. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

ー第四章ー明るい未来 9 ・実行に移す これまでの八つの段階をマスタ 1 したなら、自分自身で、自己のために、自分にとって 意義のある ( 複数の ) プロジェクトを、理性を働かせ、他者の意見に耳を傾け、謙虚な姿 勢で実行に移すのだ。 8 ・不可能なことはないと思え 思いもよらないことを望め。ありそうもないことを考えろ。待つのではなく行動するの だ。どんなプロジェクトであっても、自分の取り組むプロジェクトが実現不可能だと認め るべきではない ( ただし、科学的に反論できない場合や、道徳的に正当化できない場合は 他者が実現不可能と考える二つのプロジェクトがあるとき、一方が他方を実現可能にす るこし J がし、はし ~ のるこし」な」化帽「しておこ一フ 自己の ( 複数の ) プロジェクトを実現するために必要な場合に限り、適宜に変身するの だ。そのための準備を整えておく必要がある。

2. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

フロジェク プロジェクトはできる限り、具体的、野心的、現実的でなければならない。。 トは、たとえ自身のきわめて利己的な目的のためであったとしても、当然ながら先ほど述 十 / ー、十ノ十 / べたすべてのことを考慮に入れる、できる限り利他的なものでなければならよ、 ら、たとえ他者を喜ばせて自我を満足させるためであったとしても、利他的でなければ自 に、次世代のために役立っプロジェクトは、次世代に対 分自身にはなれないからだ。とく してもこれらの段階を克服すべきだということを教える。つまり、誠実で利他的であるこ プロジェクトを実行する際は、もし事実によって誤っているとわかったのなら、その内 容を再検討する謙虚さが必要だ。 プロジェクトの燃料は懣であり、プロジェクトのエンジンは心と身体である。 2 ・最後に、世界のためにも行動する準備をせよ 本書の分析に触れた結果、「あきらめた評論家」のような投げやりな態度になってはい そのような人々は、自分たちのことを、現実を眺める無力な傍観者だと決めつけ、 世界の現状を批判するだけで満足し、自分自身になろうとしないし、世界を改善しようと 192

3. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

ー第四章ー明るい未来 の心の奥底に根づかなければならない。 6 ・複数の人生を同時かっ継続的に送る準備をせよ また、いつの日 われわれは死すべき存在であり、あの世の暮らしのことはわからない。 かこの世で輪廻転生するかどうかも定かでない。野心と勇気をもって堂々と大胆に、複数 の生涯プロジェクトをすぐにでも構想するのだ。それらのプロジェクトはできる限り、独 このようにして、複数の職業的なプロジェク 創的かっ誠実なものであることが望ましい トと個人的な成就のためのプロジェクトを、同時かっ継続的に準備するのだ。その目的は、 自己実現のさまざまな形式を絶えず発見するためであり、自己開花の道筋で絶えず新たな 人々と出会うためである。 われわれは自分たちが「他者が自分自身になる」のを手助けするからこそ、己の人生お よび自身の生涯プロジェクトを成就できるのだ。 一般的に、個人的な開花が誠実で隠し事もなく相互依存の状態で行なわれる際には、 さ。らに、 こうした試 「どちらかを選ぶ」よりも「あれもこれも行なう」ほうが望ましい みは老化と死を遠ざけるのにきわめて効果的だ。というのは、われわれは自分たちが取り それはこれまでの五つの段階の結論である。 189

4. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

の九八 % と化学産業の九八 % に相当する一八八カ国が批准している。だが、これらの大量 学兵器の二大保有国のアメリカ 破壊兵器の利用が完全に禁止されている状態にはない。化 とロシアは、冷戦時に製造された大量の化学兵器を破棄処分できずにいる。中国は化学兵 器に関する研究を続け、北朝羊は、マスタ 1 ドガス、ホスゲン、サリン、 > X ガスなどの 化学兵器を保有していると思われる。 世界貿易機関 (>eo) は、先進国と多国籍企業に有利になるような決定を下す。こう した傾向が小国の交渉力を弱めている。たとえば、は途上国に対して外国製品に対 する市場開放を迫る一方で、先進国の農業保護政策を容認する。二〇〇一年に行なわれた ・ラウンドが失敗に終わってから ( が主催した最 国際貿易の自由化を目指すド 1 後の多角的貿易交渉 ) 、は立ち往生している。 世界銀行と国際通貨基金 (**4) に対する批判の声が聞かれる。たとえば、効果の乏 しい政策、硬直化した組織、民主主義より市場を優先する「ワシントン・コンセンサス」 ( 自由貿易、規制緩和、民営化 ) と呼ばれる教義、さらには実践力のなさ ( 選択するプロ ジェクトに経済効果が期待できない、プロジェクト開始後の支援がない、地元の意向を無 視したプロジェクトの選択 ) 、開発支援がらみの汚職の恐れなどだ。 ところで、大きな経済発展を遂げたのは、最も支援を受けなかった国 ( インドと中国 )

5. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

組むプロジェクトに見合う年齢にしかならないからだ。 7 ・危機、脅威、落胆、批判、失敗に対する抵抗力をつけろ それらに対する抵抗力を身につければ、レジリエンス〔へこたれない精神〕と勇気が得 られる。他者に責任を押しつけることなく、自身の失敗から教訓を導き出すことができる のだ。屈辱、不満、疎外に対する憤懣を決して忘れてはならない 他者が自由に下す判断なら、たとえそれが自分と彼らを決別させることになるとしても 尊重すべきだ。たとえその判断が自身の利益に反するとしても、他者の人生の選択や意見 」しみであっても、利他主義と両立する場合もあるのだ。 は尊重されるべきだ。悲 悲嘆や悲しみを抱えながらサバイバルする術を学ぶのである。とくに、自然災害、事故、 。、 1 は、罪悪感を覚えてはいけない。仕事上の失敗や私生活の破綻につ テロ事件のサバイノ いて自責の念に駆られてはいけない。常に本質に向かって歩むのだ。すなわち、自分自身 になるのである 190

6. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

るためのシステムをつくり上げる。これは迎撃ミサイル・システムを兼ねる イスラエルは戦闘態勢を維持する。二〇三〇年には七五機の。肪を保有し、核軍備と ミサイル防衛システムを増強する。 一部の国 ( ロシア、中国、イラク、北朝鮮、シリア、イラン、インド、パキスタンな ど ) は、生物兵器の研究および製造の拠点をもち続ける。 勢力を伸ばす非合法集団、犯罪組織、セクト 二〇三〇年、国際刑事警察機構 ( インタ 1 ポ 1 ル ) によると、法の支配が強化されない ため、悪党たちはネットワ 1 クを使って犯罪および非合法な活動を組織する。それらの組 織は、あらゆるテクノロジ 1 を利用して犯罪手段を共有化し、ますます洗練された装備で 活動する。 犯罪組織は合法企業のように従業員を雇う。従業員たちはおもに卑劣な金目当ての連中 だ。最先端のテクノロジ 1 を利用する犯罪組織は、自分たちの専門分野に応じて他の犯罪 組織と協力する。「犯罪の自営業者たち」が犯罪ネットワ 1 クを通じてプロジェクトごと 160

7. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

ー第一章ー憤懣が世界を覆い尽くす 債務軽減の窮余の策【マイナス金利の適用 金彳に融資を拡大させるように仕向け、公的債務のコストを減らすために、先進国の中 央銀行は現在、マイナス金利で資金を貸し出している。つまり、中央銀行に預金する銀行 を咎め、銀行が国や企業に貸し付けるための資金を中央銀行から借りてもらうために銀行 に金利を支払うのだ。今日、一九兆ドルの債務にマイナス金利が適用されたため、銀行を はじめとする金融機関は、収益の見込めないプロジェクトに融資できるようになり、企業 の株価は押し上げられ、債務コストはなくなった。 しかし、この政策により、銀行や生命保険会社は収益の見込めない投資を実行する一方 で、保険会社は自分たちの顧客に利回りを約東しているため、保険会社の経営状態は悪化 している。そこで、保険会社は顧客から預かった資金をリスクの高いものに投資すること が考えられる。保険会社が高いリスクをとれば、当然ながら保険会社の経営基盤は危うく なる。ところがヨ 1 ロッパ当局は、ソルべンシ 1 マ 1 ジン比率〔保険会社の健全性を示す 指標〕を計算するにあたって、保険会社は超長期債券の高い利回りに基づくことができる と定めた。

8. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

ー第四章ー明るい未来 はもし・ない 世界が地獄に向かって転がり落ちるのなら、 いかなる私的プロジェクトも実現できない。 したがって、あらゆる手段を動員して世界を救うために行動するのだ。 そのためには、それを職業にしたり、そこから利益や名誉を得たり、政治運動などの活 動に取り組んだりする要はない。だが、政治を他者に任せつきりにしてはいけな、 世界の現状を深く理解し、世界を変革する必要性を痛感したのなら、あとは行動するだ 世界は、このようにして蒔かれたさまざまな種によって変化するのだ。 無数の「自分自身になる」が統合すれば、世界は変わる。なぜなら、彼らは当然ながら 利他主義者だからだ。この統合は「歴史」の流れを変える世界的な計画をもっくり出し、 それは実行に移されるはずだ。種が蒔かれたのなら、灌慨を計画するのだ。 こうしたことを理解する人たちはあっという間に増えた。希望の輝きである彼らは、世 界に関する分析を行なった。自分自身になる選択をした彼らは、自分たちの目的は利他主 義を通じて達成できるとったのである。 彼らの職業は、教師、医師、農民、企業の幹部、看護師、起業家、労働者、学生など、 実にさまざまだ。彼らは、これまで本書で語ったこと、そしてそこから生じる唯一の疑門 を絶えず自問しながら、世界をこれまでとは別の角度から眺める。すなわち、「自分は世 193

9. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

ー第三章一九九 % が激怒する の七〇 % 以上が脅かされる。 オートメ 1 ション化が難しいのは、触感に頼る、高度な管理能力を要求される、独創カ や現実認識カ ( 社会的、情緒的なインテリジェンス ) が必要な職業である。オートメーシ ョン化が難しいのは、とくに医療や教育の分野の職種だ。 新たなテクノロジ 1 娯楽、教育、医療、ロポット工学などの分野で新たな雇用が創出 されるが、それらだけでは失われた雇用を補填できない。 また、労働市場だけでは学生と 労働者を新たな雇用にタイミングよく導くことはできないだろう。 ( 学生と労働者の職業 訓練、労働市場の再構築、労働時間の削減、地球規模の大型プロジェクトを実施するため の ) 法改正がなされなければ、世界中で大量の失業が発生し、失業が漫性化する。 もしそうなれば、保護主義やポビュリズム、そしてエコロジ 1 や宗教あるいは世俗の原 理主義、スケ 1 プゴ 1 ト探しなど、政治面でさまざまな弊害が生じる。 富は集中し続ける 抜本的な法改正と意識改革がなければ、社会はマネーに支配され続ける。富の極度の集 中を妨げるものは何もない。すでに偏在する富は、ますますいびつな形で肥大する。創造 143