中国 - みる会図書館


検索対象: 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!
46件見つかりました。

1. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

ー第三章一九九 % が激怒する フィリビン、ブルネイ ) は、中国が南沙諸島に人工島を建設していると主張するように、 中国は世界最大勢力の座を早急に手に入れるために、尖閣諸島などがある日本の領海に人 工島をつくるなど、挑発的な行動に出る。 アメリカは日本を支援する一方、中国は北朝鮓を支援する 。ヒ月羊はアメリカに対して そうなれば北アメリカでは五〇〇〇万人の死者 本格的な核攻撃を開始するかもしれない と二五〇〇万人から五〇〇〇万人の負傷者が出る。北アメリカの人口の五〇 % は、核爆発 の際に被爆する。農地の四〇 % 以上は残留放射線の被害を受け、アメリカの発電所の三分 の一は破壊される。その場合、この核攻撃を受けた生存者の寿命と生活の質は、中世の時 代の人々と似たようなものになるたろう。 北朝鮮は核兵器を使って日本も攻撃しようとする。そうなれば戦争になり、日本の同盟 国であるアメリカも参戦する。アメリカはすでにグアムの軍事基地に北朝鮮の大陸間弾道 ミサイルに対する防衛システムを配備している。 また、北朝鮮は韓国も占領しようとするだろう。そうなれば、北朝鮮とアメリカの戦争 が始まる。アメリカは、国境沿いの非武装地帯に二万八〇〇〇人、日本とグアム駐留基地 に四万人の兵士を有する。こうして世界戦争が勃発する。中国が関与する危機の別のシナ リオとして、中国とインドが大河川の水資源の管理をめぐって衝突することが考えられる。 167

2. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

ー第一章ー憤懣が世界を覆い尽くす ( 人数にして三〇〇万人以上 ) 。 中国のオンライン教育最大手フュ 1 ジャンには、八〇〇〇万人以上が登録している ( そ のうち、三〇〇万人は有料会員 ) 。最も人気の講義の一つは、全国大学統一入試の準備講 座である。 インタ 1 ネットが提供する健康管理サ 1 ビスは統合化が進み、電子力ルテによって情報 の共有が自動化され、物理的な距離はあまり問題にならなくなった。 二〇一五年、北アメリカ地域では、四四〇〇万以上の処方箋がダウンロードされた。 世界保健機関 ( 0 ) の報告書によると、二〇一五年、ヨ 1 ロッパ諸国五三カ国のう ち三一カ国では患者のために電子力ルテ・システムが、また三八カ国では一部の患者を対 象とする、重要な生体デ 1 タを遠隔モニタリングするシステムが配備されたという。 二〇一五年にイギリスで行なわれた六二〇〇人の患者を対象にした遠隔診療の効果に関 する調査では、遠隔診療によって医療費は八 % 、入院日数は一四 % 、死亡率は四五 % 削減 されたことが明らかになった。 つ」

3. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

の九八 % と化学産業の九八 % に相当する一八八カ国が批准している。だが、これらの大量 学兵器の二大保有国のアメリカ 破壊兵器の利用が完全に禁止されている状態にはない。化 とロシアは、冷戦時に製造された大量の化学兵器を破棄処分できずにいる。中国は化学兵 器に関する研究を続け、北朝羊は、マスタ 1 ドガス、ホスゲン、サリン、 > X ガスなどの 化学兵器を保有していると思われる。 世界貿易機関 (>eo) は、先進国と多国籍企業に有利になるような決定を下す。こう した傾向が小国の交渉力を弱めている。たとえば、は途上国に対して外国製品に対 する市場開放を迫る一方で、先進国の農業保護政策を容認する。二〇〇一年に行なわれた ・ラウンドが失敗に終わってから ( が主催した最 国際貿易の自由化を目指すド 1 後の多角的貿易交渉 ) 、は立ち往生している。 世界銀行と国際通貨基金 (**4) に対する批判の声が聞かれる。たとえば、効果の乏 しい政策、硬直化した組織、民主主義より市場を優先する「ワシントン・コンセンサス」 ( 自由貿易、規制緩和、民営化 ) と呼ばれる教義、さらには実践力のなさ ( 選択するプロ ジェクトに経済効果が期待できない、プロジェクト開始後の支援がない、地元の意向を無 視したプロジェクトの選択 ) 、開発支援がらみの汚職の恐れなどだ。 ところで、大きな経済発展を遂げたのは、最も支援を受けなかった国 ( インドと中国 )

4. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

ー第一章ー憤懣が世界を覆い尽くす 中国政府は、二〇一五年の自国の経済成長率を六・九 % と発表し」。 たこれは過去二五年 間で最低の数値だ。ところが、実際の中国の経済成長率はもっと低い。 中国では、過剰投資が継続し、内需不足であり、生産設備に恐ろしいほどの無駄がある。 貧富の差は拡大している。とくに都市部と農村部では収入が三倍も異なるなど、国民の間 に著しい格差がある。企業と銀行は過剰債務であり、破綻寸前ナ 天然資源の希少性は高まっている。中国の原油輸入依存度はすでに五八 % だ。国内の耕 作可能な土地の二〇 % はすでに汚染されているため、中国は食糧のさらなる輸入を強いら れている。 中国では公害により、毎年一 , ハ〇万人が早死にしている ( 死者の一七 % に相当 ) 。一日 当たりの計算では四四〇〇人になる。中国の大都市で暮らすのは、一日当たり四〇本のタ コを吸うのに等しいくらい健康に悪い。 その 国家主席になった習近平は、前任者たちと異なり、安定的な支持基盤をもたない。 理由は、国家主席に就任して以来、多数の高官を逮捕し、相次ぐ大規模抗議デモを暴力で ねじ伏せ、そしてメディアの規制を強化したからである。

5. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

フランス陸軍は、攻撃および輸送ヘリコプタ 1 や三番目となる軍用人工衛星を保有する。 フランス陸軍特殊部隊には、二機の戦術輸送機、そしておそらく二隻目の空母が配備さ れる。また、四隻の弾道ミサイルを搭載する原子力水艦を保有し続ける。 イギリスは、一六〇機のユ 1 ロファイタータイフーンを含む三〇〇機以上の戦闘機を保 有する。イギリス空軍は西ヨーロッパ最強になる。またイギリス海軍も二隻の空母と弾道 ミサイルを搭載する潛水艦隊のおかけで、小規模ながらもイギリス史上最強になる。 二〇三〇年、中国はアメリカよりも多くの軍用機を保有する。 中国海軍の戦力は、四一五隻の軍艦、六〇隻の従来型の潜水艦、一二隻の原子力潜水艦、 四隻の空母、二」ハ隻の駆逐艦、四〇隻のフリ 1 ゲート艦、二六隻のコルべット、七三台の 水陸両用車、一一一隻のミサイル艇である。 中国空軍の戦力は、一三〇〇機の戦闘機、四五〇機の輸送機、七〇〇機のヘリコプタ 1 である。 中国は、二四〇発の核弾頭、七五発の大陸間弾道ミサイル、六〇発の替水艦発射弾道ミ サイル、五 5 六隻の弾道ミサイル潜水艦を保有する。 158

6. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

ー第三章一九九 % が激怒する エネルギー【エネルギ 1 を節約することがおもなエネルギー源になるだろう。エネルギ 1 の節約は、モノのインタ 1 ネットやスマート・メータ 1 によって管理される。 石炭、石油、天然ガス、原子力、水力は利用され続け、さらには太陽光や風力をはじめ とする再生可能エネルギー源の開発が進む。 エネルギー効率の改善、太陽光バネルおよび蓄電池の価格の大幅下落により、分散型工 ネルギ 1 生産が普及する。それまでエネルギ 1 を利用できなかった農村部の人々がエネル キ 1 を利用できるようになるのだ。 二〇三〇年、四〇カ国 ( とくに、ロシア、インド、中国、アメリカ ) において原子力発 電に一兆ドル以上の資金が投資される。老朽化した原子力発電所の廃炉が遅れることはな 1 、キフっ , っ・ - 自動車【今から二〇三〇年までに、キロワットアワー当たり一五〇ドルのバッテリ 1 が開 発されるため、ハイブリッド車が急速に普及する。リチウム・空気電池 ( この電池は二〇 五〇年ごろまでに実用化が期待される。この電池のエネルギ 1 密度は現在のリチウム電池 の六倍 ) により、電気自動車の航続距離は従来の内燃機関車と同程度 ( 一回の充電で六〇 〇キロメ 1 トル以上 ) になるだろう。 123

7. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

明るい未来が待ち受けている、世界中のあらゆる問題はすべて市場が解決してくれるなど と述べる者たちは、論拠を欠いている。 そうはいっても、さまざまな側面からみて、人類の暮らしは今後も改善され続けるであ ろうということが膨大なデータによって示されている。それらのいくつかを紹介しよう たしかに、生活水準は著しく改善された。とくに 、最貧層の暮らしは大きく改善された。 人類の平均寿命は飛躍的に延びた。過去ではごく一部の人々のためのものだった財やサ 1 ビスは、今日ではほとんどの人々の手に届くようになった。民主主義は広まり、民主主義 とともに人々の連帯感は強まり、善意の活動が盛んになった。そして暴力の定義にもよる 亟山而よ暴力は影をひそめた。 向上し続ける生活水準 ~ 夫癶小に、 量的な観点からみると、人類の平均的な生活水準は一〇〇年ほど前から上昇し 始め、三〇年ほど前から急上昇している。より詳細にみると、世界の Q は、二〇〇九 年を除けば一九七五年以来、毎年増加している。とくに、 中国とインドのは、二〇 〇八年から二〇一五年にかけて、中国が二・四倍、インドが二・三倍と急増した。中国と

8. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

ー第一章ー憤懣が世界を覆い尽くす 頭角を徐々に現すロシアやインド ロシアに超大国になる要素が揃っていることは否めない。広大な領土には天然資源が豊 富にあり、二つの大海〔太平洋と大西洋〕と二つの海〔黒海とカスビ海〕に面している。 量的な軍事力に関して、ロシアはアメリカに次ぎ世界第二位だ ( 兵士の数、航空機の数、 航空母艦の数など ) 。 今日、中国の軍事予算は世界第二位であり、二 , ハ〇個の核弾頭を保有する。 世界最古の民主国家インドは、二〇二二年ごろに人口ランキングで中国を抜き、世界一 になる。一九九八年から核保有国 ( 国際条約では認められていない ) とみなされているイ ンドは、およそ一〇〇個の核弾頭 ( ちなみに、フランスは三〇〇個 ) と、これを搭載する さまざまな射程距離の弾道ミサイルを保持している。インドの軍事予算は、一九八八年か ら二〇一一年の期間に対比で三 % にまで上昇した。インドの軍備予算は世界第七位 パキスタンは核を保有する世界第九位の軍事大国だが、核不拡散防止条約 (Zæe) に は批准していな ( ノキスタンは中国の支援を取りつけ、戦略兵器を増強すると宣言した 8

9. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

中国では、不動産部門、公営企業、規制の対象外の金融業者の借金バブルがはじける。 すると株式市場が暴落し、人民元が大幅に切り下げられ、世界の為替市場は危機に陥る。当 然の結果として、ク 1 デタ 1 が勃発する。最悪の場合では、中国は国境を封鎖し、保護主 義という大波を引き起こす。中国の製造業は崩壊し、これが一次産品の価格を急落させる。 そうなれば、世界経済は危機に陥る。 2 ・保護主義の激化によって危機が発生する。競争と不況に直面し、保護主義と国家主権 主義に閉じこもる国が増える。とくにとアメリカは、アジア地域からの輸入品や、メ キシコ、中東、サヘル地域からの移民が大量に押し寄せるという恐怖心から、国境を閉じ てしまおうという誘惑に駆られる。こうした傾向が顕著になれば、国際貿易は大きな危機 を迎え、世界経済は崩壊する。 3 ・ヨ 1 ロッパの危機は、次のように展開する。イタリアやドイツの銀行システムが崩壊 する、あるいはユーロ圏の国が自国通貨への回帰を問う国民投票を行なうため、それらの 国から預金が流出する。この危機もヨーロッパごけにとどまらず、すぐに世界全体に波及 する。 4 ・国の巨額債務バブルの崩壊は、中央銀行が大量に供給する調達コストがほばゼロの流 動性によって引き起こされる。いずれにせよ、巨額の債務は維持できなくなり、金利と物 164

10. 2030年ジャック・アタリの未来予測 : 不確実な世の中をサバイブせよ!

スクを冒す行為とみなされ、著しく停滞する。 地政学的秩序の崩壊 他の大陸と比較してアジア諸国が急速に発展するため、国家間の均衡は急速に変化する。 そうはいっても、二〇三〇年に政治、メディア、文化、イデオロギ 1 の面で世界最大の勢 力はアメリカだ。とくに、アメリカは Q 二四兆ドル ( 二〇一〇年のドル換算 ) の世界 最大の経済大国であるだろう。 しかし、世界経済に占めるアメリカの割合は、二〇一五年の二三 % から二〇三〇年には 二〇 % になる。アメリカとは反対に、中国とインドの割合は増加する。購買力平価換算の インドの Q でアメリカをすでに追い抜いた中国の Q は一八兆九〇〇〇億ドル、 Q は七兆三〇〇〇億ドルに達する見込み だ。トップ集団の後続は、日本の六兆五〇〇〇 億ドル、ドイツの四兆一二〇〇〇億ドル、さらに下がってフランスの三兆五〇〇〇億ドルだ。 世界の権力の中枢であるアメリカに代わる国はまだ現われない。が維持、強化され、 Q でアメリカを追い抜いても、二〇三〇年のは、統一感のある勢力ではないだろ 企業はそれらの国家よりもさらに 市場が民主主義を凌駕するという理論が語るように、 148