1 フレームリレーを使用したネットワーク設計 ( その 3 ) フレームリレー網による広域ネットワークの見直し ( H 12 ー 2 ) CIR が 32k ビット / 秒なら , 例えば 1 秒間にフレームまで連続して伝 送できます。支店は別として , 全営業所の全端末がされる可能性は低 いので , 接続回線速度は現状の速度になっています。実際 , 応答時間が悪化する現象 は発生していません " と答えた。再度 , S 課長は , " しかし , 情報系業務システムの 追加によって , 基幹業務システムの応答時間が悪化するのは防止しなければならない。 対策は考えられるかね " と , R 君に尋ねた。 R 君は , " 本店の接続回線速度を上げ , FR 網の PVC を分ければ良いと考えています " と答えた。 そこで , R 君は次の方針でネットワーク設計を行い , 巻末付表を用いて通信料金に ついても算定した。 〔すべて FR 網を利用する案〕 ( 1 ) FRAD 間に PVC を追加設定する。 DLCI 値は , 既存の PVC については変更しな い。追加の PVC については , 既設 DLCI 値の次の番号から連続して割り当てる。 ( 2 ) CIR 合計速度が接続回線速度を超えないように , 必要に応じて , 接続回線のスピ ードアップを行う。 ( 3 ) ( 1 ) , ( 2 ) の条件に基づいて , 通信料金を算定する。 報告を受けた s 課長は , " 通信料金の増加を抑えるため , FR 網にとらわれず支話 によっては専用線が良いのではないか " と , 再検討を指示した。 R 君は , 監視機能の 省略などサービスグレードは従来の専用線より劣るが , 安価なことから利用が伸びて きている , 工コノミ専用線サービスを検討することにした。本店との距離は , 支店 1 及び支店 2 がそれぞれ 10 km 以内 , そのほかの支店は 20 km ~ 40 km, 営業所は いずれも 30km 超であった。 〔一部の回線を専用線にする案〕 ( 1 ) 本店に近い支店 1 と支店 2 を , 工コノミ専用線利用に変更する。このとき , ル ータを追加導入する。 ( 2 ) 支店 1 と支店 2 の基幹業務システム及び情報系業務システムには , 工コノミ専 用線を使用する。残りの 3 支店と営業所の両業務システムには , FR 網を使用する。 FR 網の利用条件は〔すべて FR 網を利用する案〕の ( 1 ) , ( 2 ) に従う。 part 3 午後の重点整理・徹底演習 平成秬年度午後—巻末付表 257
2 符号化と伝送 支社 A アクセス回線速度 64k S フレームリレー網 c 旧 32kbps PVCI ア セス回線速度 320k s C 旧 32kb s C 旧 64kb s C 旧 48kb s LAN 本社 支社 B アクセス速度 C 旧 64kb s 凵一 2 PVC2 part 2 LAN 支社 C アクセス回速度 128k C 旧 48kb s PVC3 凵一 午 の 重 点 整 理 ( 2 ) 回線速度と C 旧 底 ユーザは電気通信事業者とのフレームリレー・サービス契約時に , 回線速度 習 と CIR (Committed lnformation Rate) の双方を設定することになる。 CIR は ネ ツ 回線速度の半分程度に設定する場合が多い。 ト ワ ①非輻輳時 ク データ伝送速度は回線速度どおりのスルーブットになる。 ②輻輳時 CIR として設定されたデータ伝送速度は保証される。輻輳回復フレームを受 信するまでは , 伝送量を CIR として設定された値以下にして通信を継続する必 要がある。 CIR を超えた通信はフレームが破棄されることがある。 ( 3 ) 接続形態 フレームのアドレス部には DLCI (Data Link Connection ldentifier) と呼ば れる宛先情報が含まれる。 DLCI とは , フレームリレー網で使われるデータリ ンク識別子である。各拠点からフレームリレー網に対しアクセス回線を 1 本す っ接続すれば , DLCI により網内に存在する複数の拠点間に論理チャネルを設 定するフレーム多重が可能である。接続接続形態は DLCI の扱いによって , 以 下の 2 種類がある。 ① SVC (Switched Virtual Circuit) DLCI の値を接続の都度設定する形態。データ伝送の都度 , 通信相手を指定 する。 ② PVC (Permanent Virtual Circuit) サービス契約時に DLCI の値を固定で決めてしまう形態。通信相手が固定的 図 3-2-5 フレームリレー 147
第 2 章 LAN システム設計 方式 2 では , TCP コネクションを使用するのは同様であるが , 勘定系端末の転送制御 と要求 / 応答制御のいずれも使用しない。それに代えて要求と応答を区別する独自要求 / 応答制御ヘッダを定義する。第 6 層以上のデータはそのまま転送される。勘定系端末 上のエミ = レータが TCP コネクションのになり , 勘定系端末は , LAN に 直接接続されている。また , し接続装置がプロトコル変換を担当して , 勘定系ホス トと LAN 接続装置との間は , 従来の勘定系ホストと CCP との間と同一のインタフェー スとなる。 方式 1 では , 機器 A-I に機器 A-2 の個数分だけが必要になる。方式 では , 勘定系端末自体はⅣアドレスをもたない。このためⅣネットワー クの管理システムによて , 勘定系端末を管理することはできない。方式 では , 勘定系端末はⅣアドレスをもっているので一元的な管理が可能である。 また , コストの比較のために機器の価格を調査したところ , 表 2 のとおりであった。 表 2 機器の価格 名称 機器 A-I し接続装置 工ミュレータ ( 方式 1 ) 通信ポード 構内モデム ( 9 , 68 ビット / 秒 ) 価格 1 国 0 11 , 5 開 10 1 開 1 開 工ミュレータ ( 方式 2 ) 名 称 L ポード CCP 機器 A-2 単位千円 価格 28 13 , 网 10 20 方式 1 , 2 のいすれにおいても勘定系端末に使用するパソコンは新機種への更改を予 定しているので , 工ミュレータ , しポード , 通信ボードの価格も考慮する必要があ る。 青森 , 山形 , 東京の 3 支店だけについて , 方式 1 と方式 2 との機器費用の比較を行っ 方式 1 の機器費用は = 千円であり , 方式 2 の機器費用は千 円である。 こで , CCP は保守打切りで更改しなければならないので機器費用に含めた が , 情報系ネットワークで既設の機器は含めなかった。モデムは従来のものが使えれば 継続使用することとして , この分は機器費用に含めなかった。 300
第 1 章 WAN システム設計 前提で計算し , 将来の接続時間の伸びも考慮して ISDN 基本インタフェース回線数は 6 回線とした。本店側からの発信はないものとして ISDN 基本インタフェース回線の 月額費用は 3 万円余りになる。 アクセスサーバとターミナルアダブタはテストに使用した機器を継続使用すること にした。モバイル PC と通信カードは市場の製品と価格を調査し , それぞれ 30 万円 と 2 万円のものを選定した。これらの機器はリースにした。見積時点での月額リース 料率は 2.3 % であった。営業部員 50 人に貸与するモバイル pc と通信カードの年間リ ース費は 441 万円余りになった。アクセスサーバとターミナルアダブタについては保 守契約を行うことにした。年間保守費は機器価格の 10 % であった。こうして , モバ イルアクセス環境には年間経費 1 千万円余りが必要になることが分かった。 設問 1 本文中のに人れる適切な字句を答えよ。 設問 2 モバイルアクセス環境に必要な ISDN 基本インタフェース回線数に関する次の 問いに答えよ。 ( 1 ) 本文中の記述に従って , 最繁時呼量を求めよ。 ( 2 ) 呼損率を 0.1 とし , 巻末付表を用いて必要な最少 B チャネル数を求めよ。 設問 3 モバイルアクセス環境の経費に関する次の問いに答えよ。移動体通信サーピス の通信経費は , 基本料金 ( 月額 ) と接続時間に応じた通話料金とからなる。基本 料金は 1 加入当たり月額 1 , 000 円とする。通話料金は , 距離によって異なるが , こでは計算を簡便にするため , 常に接続時間 45 秒ごとに 10 円とする。本店側 にかかる通信経費は含めない。 ( 1 ) 営業部員一人の 1 日当たりの通話料金を求めよ。 ( 2 ) 営業部員全員の月額通信経費 ( 基本料金と通話料金の合計 ) を求めよ。 ( 3 ) アクセスサーバとターミナルアダブタの年間リース費及び年間保守費の合計 を求めよ。ターミナルアダブタは ISDN 基本インタフェース回線の数だけ用意 する。 L 君の考えた接続時間短縮策とは何かを , 15 字以内で述べよ。 設問 4 276
1 情報システムの再構築と運用管理 ( H9 ー 1 ) ステム管理部に移管したいと考えている。 最近 , 横浜支店で業務システム端末の応答時間の悪化が発生した。原因は , 前月に支 店内のレイアウト変更に伴う LAN 拡張工事をした際 , 既存のコネクタの接触不良を起 こしていたことであると分かった。レイアウト変更の際のし接続工事後の図面管理 がしつかりしていなかったので解決に時間を要した。 また , 全社員にパソコンが配布されるにつれ , 社員に対する社内統合 OA 利用の技術 指導力坏可欠になってきており , システム開発部 , システム管理部が指導を担当するこ とになっている。最近はパソコンの一時的な動作不能がよく発生し , 再起動をすること が多い。この原因はゲームソフトなどの無断インストールである。更に , 電子メールに おいても , 単純なあて先の指定ミス , 転送の設定ミス , メールに添付するファイルの指 定ミスなどがあり , そのため工ラー通知のメールが多発し , トラフィックも増加してい る。対策として強力なユーザ指導が不可欠である。 〔運用体制の整備〕 システム管理部の R 部長はこれらの状況を考慮し , システム管理部を中心としユーザ 部門が部分的に責任を負う管理方針とすること , 及びシステム管理部のユーザ部門への 指導サービスを , ヘルプデスク機能で対応するように決めた。そこで , R 部長はネット ワーク技術に詳しい部員の B 君にこの方針を説明し , 具体的な方策を検討するよう指示 した。 B 君は , LAN 管理にはネットワーク技術の知識が必要なこと , 日々変わるネッ トワーク構成の的確な把握が大切であることを考慮し , ネットワーク監視装置の導入 , 自部門の要員教育とネットワーク構築の手続の明文化を進言した。 R 部長は監視装置の 導入を実施し , システム管理部員の研修計画を立てるとともに , 社内からの要員の移籍 を人事部に相談した。また , B 君にはネットワーク構築の諸手続と書式の整備を命じた。 こうして , システム管理部は共通しの稼働監視と障害対応 , ユーザ部門のし及 びサーバやパソコンの障害対応 , メールアドレス及びドメイン名や IP アドレスなどの 割当て管理を実行することになった。また , 次の各種手続を作成し , 必要な書式の整備 を行った。 ・ドメイン名 , IP アドレス , メールアドレスの交付申請 ・サーバ設置 , パソコン設置 , ソフトウェア利用の申請 ・ネットワーク配線工事申請 part 4 午後Ⅱの重点整理・徹底演習 平成 9 年度午後Ⅱ巻末付表 399
第 3 章フレームリレーを使用した N / WAN 設計 例えば , 表 4 の番号 2 ( 1 ) 回線切替え作業は , 次の手順で実施する。 ①本部から , 全拠点 SI 業者の作業責任者へ電話で作業開始指示を行う。 同時に , 本部から Q 社のネットワーク管理センタへ , 各アクセスポイントでフ レームリレー交換機への接続変更作業を開始するよう電話で指示する。 ② Q 社の各アクセスポイント担当者は , 回線をフレームリレー交換機に接続変更 する。 ③拠点の Q 社の担当者は , 持ち込んだ TA に回線を接続変更する。 ④切替え作業が終了したら , 作業責任者は作業完了を電話又はファックスで本部 へ連絡する。 このように , 各拠点では必ず本部の指示に従って作業を行うようにした。各作業で 問題が発生した場合は , その都度本部で状況を判断して , 各拠点に対応指示を出すよ うにした。また , 各作業の終了が予定時間より 2 時間以上遅れた場合は , 本部で今後 の対応を判断し , スケジュールの見直しを行うことにした。 表 4 の番号 4 ②の作業で , 本社から東京倉庫を経由した営業所ルータとの間での通 信テストを , 相手機器に連続的に複数の ICMP 工コー要求バケットを送信する ping コ マンドを利用して行ったとき , ICMP 工コー要求バケット送信数に対する応答数が , ~ % になってしまう問題が発生した。本部では各拠点に指示を出し , 詳細な状況把 握を行い , 次の結果が得られた。 ①東京倉庫のしをしアナライザで測定したところ , 本社設置の汎用機から 各端末あてのポーリングフレームが , 常時約 30 k ピット / 秒流れていた。 ②休日だったので , 汎用機の端末の電源が切断されていた。 ③ルーティング情報は , ルータ間で動的に交換されるように設定されている。 446
Part2 午前の重点整理・徹底演習 [ ネットワーク ] 設問のチェックポイント tl まで復旧した後 , ロールフォワードによって復帰させる トランザクションとは , チェックポイント tl の時点でコミットしておらず , 障害発生 時点までにはコミットしているトランザクションが対象になる。よって , ウの TR2 と TR4 が正解。 TRI は , チェックポイント tl の時点より前にコミットしているため , すでにデータ べースにその情報は書き込まれているとみなすことができる。 TR3 と TR5 は , システム障害発生時点でトランザクションがコミットされていない ため , データベースの整合性を保っためには , トランザクション開始時点までそれぞ れロールバックされる必要がある。 例題 8 アベイラビリティ ~ 一 単純な計算問題である。 アベイラビリティが 99 % 以上ということは , 非稼働率が 1 % 以下ということである。 また , 設問のコンピュータシステムは , 毎週月曜から金曜まで毎日 24 時間連続運転 をしていることより , 1 週間のうちシステムが稼働するのは 5 日間である。 期間は 10 週間なので , 稼働が望まれる時間数は 10 ( 週間 ) x5 ( 日 ) X24 時間 = 1 , 200 時間 である。 ところで , ダウンタイムは平均修理時間が 4 時間であることより , ダウン回数を x と すると 4x となる。 ゆえに , 次式が成り立つ。 10 x 5 x 24 ー 100 t 算すると , x 3 ゆえに , ダウン回数の上限値は 3 であることがわかる。 例題 9 信頼度の計算 信頼度の計算の問題である。 稼働率とは , 単位時間に規定の機能を維持できる時間の割合という。システムが複 数から構成される場合 , どのように接続されるかによってシステム全体の稼働率が変 わってくる。複数のシステムが直列に接続されれば , 経路中の 1 個所のダウンが全体 に及ぶため全体の稼働率は低くなり , 並列に接続されれば , 1 個所の経路がダウンし ても他の経路を使用できるため , 全体の稼働率は高くなる。 それぞれの稼働率は下記の計算で求めることができる。 直列のシステムの稼働率 = ( 稼働率 ) 月 並列のシステムの稼働率 = 1 ー ( 1 ー稼働率戸 [ 解答 -24 ] 1 4x
第 3 章ネットワーク技術 [ 電気通信サービス (ISP)J 重点整理 インターネットサービスプロバイダとは , ユーザがインターネットへ接続す るためのサービスを提供する業者である。 ユーザは電話回線や専用線などを使用してインターネットサービスプロバイ ダに接続し , プロバイダを通してインターネットに接続する。 ( 1 ) ダイヤルアップ旧接続 ダイヤルアップ IP 接続の場合 , ユーザはインターネットを使用したいときに ISP のアクセスポイントへ電話をかけて接続することになる。 ①端末型ダイヤルアップ IP 接続 ( 図 3-3-1 参照 ) ISP からの IP アドレスの割り当ては , ダイヤルアップ接続時に ISP 側から毎回 1 つだけ割り当てられる。 ューサ 加入電話網 / ISDN 網 モデム / TA ISP インター 図 3-3-1 端末型ダイヤルアップ旧接続 162 複数台のマシンから同時にインターネットに接続することできる。 端末型ダイヤルアップ IP 接続でも , ダイヤルアップルータを使用することで
3 ネットワーク (LAN ・ WAN) ② LAN 型ダイヤルアップ IP 接続 ( 図 3-3-2 参照 ) LAN 型ダイヤルアップ IP 接続の場合 , ISP 側からユーザに固定の IP アドレス が複数個割り当てられる。また場合によっては , ISP 側からユーザ側の LAN に 接続することも可能である。 part 2 午前の重点整理・徹底演習〔ネットワーク〕 ダイヤルアップ ISDN 網 図 3-3-2 LAN 型ダイヤルアップ旧接続 ( 2 ) 専用線接続 専用線接続の場合は , インターネットへは常時接続されている ( 図 3-3-3 参照 ) 。 電話回線や ISDN 回線を使用するダイヤルアップ接続では , 通信速度に限界 があるが , 専用線接続の場合はより高速な通信速度の品目を選択することがで きる。 IP アドレスは複数個固定で割り当てられる。 高速ディジタル回線 図 3-3-3 専用線接続 163
第 1 章コンピュータシステム 工 :scsl は , 各装置をケープルで連続接続していくディジーチェーン接続 ( 下図参照 ) である。 スキャナ ( ターミネータオン ) テーブドライブ ( ターミネータオフ ) ロロ ロロロロロロ SCSI ホストアダブタ ( ターミネータオン ) 解 答 例題 5 ~ 密結合型マルチプロセッサジステム 解 リソースを複数のプロセッサで共有する密結合型マルチプロセッサシステムは , OS 説 から見て単純な仕組みであり , 少数プロセッサでの構成時には技術面およびコスト面 において非常に有用であり , 処理能力の向上を見込むことができる。多数プロセッサ 構成になるに従い , リソース利用の競合 ( 主に主記憶装置 ) が発生し , 処理能力の伸 びが鈍化する傾向がある。 イ : すべてのプロセッサは単一の OS で制御される。 ウ : いくつかの方式があるが , いすれも各プロセッサはなんらかの役割を負う。 工 : 2 台のプロセッサが同時に同じ処理を行うことはない。 例題 6 …処理装置の高速化 設問の「命令の読出しから実行までを複数のステージに分け , 各ステージを並行し て実行することによって , 処理効率を向上させる方式」とは , 工のパイプライン方式 のことである。 通常の処理装置の中では , 命令の読出しから命令解読 , オペランドのアドレス計算 , オペランドの取出し , 命令の実行という各ステージ ( 動作段階 ) からなる命令の 1 サ イクルが実行される。 その実行の際に , 各 1 サイクルの命令が終了してから次の 1 サイクルの命令が始まる 場合を図にすると次ページの図のようになる。 CD-ROM ( ターミネータオフ ) part 5 part 2