第 5 章 標準化 国際 日本 国内 ITU-R AR 旧 ITU-T TTC JTCI J ISC OSI 実装 ワークショップ INTAP ・ AR 旧 (Association of Radio lndustries and Businesses) 電波産業会 ・ INTAP (lNteroperability TechnoIogy Association fo 「 information processing Japan) 情報処理相互運用技術協会 標準化機関として会員登録されている。 経済産業省が中心となりエ業標準化法に基づいて国が制定した国家基準である JIS の調査機関。旧 0 / 旧 C に日本の ・ JISC (Japan lndustrial Standards Committee) 日本工業標準調査会 る団体。 ITU-T などの国際標準化勧告を軸に , 電気通信 ( 有線 ) の国内標準化を行う。 日本国内の電気通信事業者 , 通信機器メーカー , ユーザが参加している , 業界主導で自主的な標準策定を推進す ・ TTC (the TeIecommunication Technology Committee) 電信電話技術委員会 無線通信および放送システムの日本標準化を行う。 総務大臣から「電波有効利用促進センター」に指定されている社会法人。げ U - 日などの国際標準化勧告を軸に ( 3 ) 業界標準 ( フォーラム標準 ) 分野の標準化を担う非営利団体として活動している。 米国内においては , ANSI (American National Standards lnstitute) 図 5-2 国際標準化組織と国内組織の関連 ネットワーク化の推進を図っている。 経済産業省の外郭団体。 OSI 実装規約の開発 , 試験検証などを行い , 国際標準と業界標準の融合によるオープン が工業 232 Bluetooth の規格作成団体である BIuetooth SIG などが挙げられる。 Engineering Task Force) や , 近距離無線通信のインタフェース仕様である RFC (Request For Comments) の発行を行う委員会である IETF (lnternet 例として , インターネット上で使われる各種プロトコルなどを標準化した になった。 標準 ( フォーラム標準 ) と呼び , 企業標準 ( デファクト標準 ) と区別するよう うになった。このことから , 業界標準化団体が策定した標準のことを特に業界 的になり , 公的な標準化団体もこれらの活動成果を広く積極的に取り入れるよ 近年 , 市場原理により業界標準化団体 ( フォーラム ) による標準策定が一般 在する。 を狙って , 民間による実質的な標準を迅速に作成する業界標準化団体が多数存 国際的な標準化作業には長時間を要することから , 標準化のスピードアップ
1 開発と取引の標準化 / 2 情報システム基盤の標準化 / 3 データの標準化 / 4 標準化組織 [ 要約 ] 開発と取引の標準化 開発プロセス、取引プロセスの標準イヒ 旧 0 9000 SLCP98 part 2 ISO 14000 ISO 15408 TCSEC 環境および セキュリティ評価の標準化 午前の重点整理・徹底演習〔ネットワーク〕 情報システム基盤の標準化 規格・標準 国際標準 国内標準 業界標準 旧 0 IEC JIS ANSI EIAJ-EDI 標準 CI-NET 物流 E 団標準 企業標準 X/Open OSF オープンシステム POSiX Cose E 団 FACT STEP 全銀手順 CII XML CORBA EJ B RFC OMG テータ交換の標準化 ソフトウェアの標準化 データの標準化 コードの標準化 JIS EBCD ℃ シフト J 旧 Unicode JAN コード ITF コード ISBN コード 文字コード バーコード 229
情報システム基盤の標準化 / 3 1 開発と取引の標準化 / 2 ァータの標準化 / 4 標準化組織 重点整理 [ 規格・標準 ] い ) 国際標準 ()e jure standard : デシュール標準 ) デジュール標準とは , 公的な標準化団体によって策定された標準を示す場に 用いられる。 加盟国各国代表の承認を経てプロトコルが制定されるため , 国際的に通用す 午 るプロトコルになる。 ITU や ISO などの国際的な標準化機関 ( 図 5-1 参照 ) は , の 加盟国各国の協調と規格の統一化という面において , これからも重要な役割を 重 担っていくと考えられるが , 急速な技術革新に迅速でかっ柔軟性を持って対応 整 理 するためには , 業界団体が策定するフォーラム標準とも密接に協調していくこ 徹 とが重要な時代を迎えている。 底 演 習 ツ ト ワ ク part 2 月リ ITU-R ITU-T ITU-D ITU ( 全権委員会議 ) ・ ISO と旧 C は U - T のメンバー国際機関。 ・ U - T は JTCI の連携機関として , 共同 作業を行っている。 ISO JTC 1 IEC ・ ITU (lnternational Telecommunication Union) 国際電気通信連合 国際電気通信における規制 , 標準化 , 調和を図るための国連の専門機関。 ITU-T (lTU-TeIecommunication standardization sector) 国際電気通信連合 - 電気通信標準化部門。 ITU-R (lTU-Radio communication secto 「 ) 国際電気通信連合 - 無線通信部門。 ITU-D (lTU-telecommunication DeveIopment sector) 国際電気通信連合 - 電気通信開発部門。 ・旧 0 (lnternational Organization fo 「 Standardization) 国際標準イヒ機構 物とサービスの国際的な取引を容易にすることを促進するための標準化活動を行うために , 国連規格調整委員会 によって設立された非政府間機構。電気電子分野以外の産業分野を対象とする。 ・ IEC (lnternational Electrotechnical commission) 国際電気標準会議 電気電子の技術分野における標準化問題に関する国際協力を促すことを目的に , 政府代表者会議で設立された非 政府間機構。電気電子分野を対象とする。 ・ JTCI (ISO/IEC Joint Technical Committee 1 ) 合同技術委員会 1 ISO と旧 c の情報技術分野における合同技術専門委員会 (ISO と旧 C 取方に属するような技術分野の場合立ち上げ られる ) 。 図 5-1 国際的な標準化機関 ( 2 ) 国内標準 ( デジュール標準 ) 図 5-2 に示す組織などが活 日本国内においても国際標準化活動と連携すべく , 動を行っている。 231
1 2 3 4 [ 過去の出題例 ] 出題年度・番号 H09-43 HI 0-75 HI 0-77 H 1 1 -16 H 1 1 -33 H 1 1 -71 H 12-17 H12-33 [ 出題傾向 1 第 5 章標準化 開発と取引の標準化 情報システム基盤の標準化 データの標準化 標準化組織 傾向と対策 出題テーマ EDI 電子商取引 分散システム環境 W3C によって標準化されたマーク付け言語 フレーム間差分をとる動画像圧縮符号化方式 文書記述言語 プログラムの仕様 ホームページ上での写真画像ファイル形式 備考 ( 1 ) 大分類 " 1 開発と取引の標準化 " , " 4 標準化組織 " からの出題は , ほとんど 見られない ②試験が実施された年度もしくは前年度に脚光を浴びた技術項目の中からの , 標準化に関連する出題が多い この知識分野からの過去の出題率は約 2.2 % であり , 高いとはいえないが , 技 術者として知っておくべきことや常識に類する事項が多い。過去の出題率はほ ば定率であり , 増加・減少傾向とも見られない。 [ 対策・学習の指針 ] 一 ( 1 ) 学習時間に余裕がない場合は , 大分類 " 2 情報システム基盤の標準化 " データの標準化 " に焦点を絞る。 " 3 ( 2 ) 新しい技術項目の用語は , その都度どの標準に準拠しているのかを調べてお くくせをつけておくとよい。 228
第 3 章ネットワーク技術 e) IEEE802.3z 伝送速度 IG ビット / 秒の IOOOBASE - x に関わる標準化。物理層の仕様に ANSIX3.230 で標準化されているファイバチャネルを流用している。伝送 媒体に光ファイバケープルを使用する IOOOBASE - SX と IOOOBASE-LX, STP ( シールド・ツイスト・ペアケープル ) を使用する IOOOBASE-CX が ある。 ④ IEEE802.4 トークン・バス方式に関わる標準化。 ⑤ IEEE802.5 トークン・リング方式に関わる標準化。伝送速度 4M ビット / 秒および 16M ビット / 秒が標準化されている。 a) IEEE802.5t 伝送速度 100M ビット / 秒の HSTR (High Speed Token Ring) を標準化。 b) IEEE802.5v 伝送速度 IG ビット / 秒のトークン・リング方式を標準化。 ⑥ IEEE802.11 無線 LAN に関わる標準化。周波数 2.4GHz 帯域もしくは赤外線を使った方式に b) IEEE802.1 lb 標準化。 周波数 5G Ⅱ z 帯域を使った方式による , 伝送速度 24M ~ 54M ビット / 秒を a) IEEE802.1 la よる , 伝送速度 IM ビット / 秒および 2M ビット / 秒が標準化されている。 176 CATV によるマルチメディアサービス実現のための CATV モデムの標準化。 ⑦ IEEE802.14 秒および 11M ビット / 秒を標準化。 周波数 2.4GHz 帯域を使った方式の高速化による , 伝送速度 5.5M ビット
1 開発と取引の標準化 / 2 情報システム基盤の標準化 / 3 データの標準化 / 4 標準化組織 ( 4 ) 企業標準 ( デファクト標準 ) 企業が独自に策定したプロトコルが , 市場原理により広く普及したものを示 す。オープンシステムが一般的になった現在では , プロトコルを広く普及させ るためには関連ペンダーの支持を得ることが必須であるため , 新規に普及させ る必要のあるプロトコルを企業標準として開発を試みるケースは少ない。 例として , 米国 NoveII 社のネットワーク OS 製品である NetWare 用に同社が開 発したネットワーク層プロトコルの IPX (lnternetwork Packet eXchange) や , モデムや TA の制御に用いられるコマンド群である米国へイズ・マイクロコン ピュータ・プロダクッ社が開発した AT コマンドなどが挙げられる。 標準化については , コンピュータ分野は企業標準・業界標準 , 通信分野は ITU - T による国際標準 , 放送分野は日米欧による地域標準とその調整機関とし て ITU - R による国際標準が主流であったが , 近年のインターネットの爆発的な 発達などを背景に , 境界が不明朗になり急速な融合が起きている。 [ データ交換の標準化 (EDI)J い ) E 団の定義 EDI (EIectronic Data lnterchange) は , 通商産業省の電子計算機相互運用 環境整備委員会報告書において , 次のように定義されている。 異なる組織間で , 取引のためのメッセージを , 通信回線を介して標準的な規 則 ( 可能な限り広く合意された各種規約 ) を用いて , コンピュータ ( 端末を含 む ) 間で交換すること。 ( 2 ) E 団の階層構造 EDI 規約は , 階層構造で構成されている。 ①第 1 レベル 情報伝達規約。 通信回線を介した接続方法 , 通信プロトコルに関する取り決めの規約である。 TCP/IP, JCA 手順 , 全銀手順などが使用されることが多い。 ②第 2 レベル 情報表現規約。 データフォーマット , シンタクスルールなどの取り決めの規約である。 ③第 3 レベル 業務運用規約。 運用 , 障害対策などの取り決めの規約である。 part 2 午前の重点整理・徹底演習〔ネットワーク〕 233
3 ネットワーク ( LAN ・ WAN ) ILAN&WAN ( 旧 EE802 ) ] ( 1 ) 過去の出題に関係した IEEE802 標準に加え , 今後の出題が予想される主な IEEE802 標準の概要を以下に記す。 ① IEEE802.1 IEEE802 標準の共通的な規定。ネットワーク層以上の上位層とのインタフェ ースの標準化も含まれる。 a) IEEE802. ID ( 1998 年に IEEE802. lp を含む形で統合 ) MAC 副層以下での複数のプリッジ機能を持っネットワーク機器同士の接 続に関する標準化。 STP ( スパニング・ツリー・プロトコル ) , タグ付き フレームの交換手法 , QoS ( ネットワーク帯域優先制御 ) に関する標準化 などが含まれる。 b) IEEE802. IQ VLAN に関わる標準化。複数のプリッジ機能を持っネットワーク機器にま たがった VLAN を構築するための手法である , Tagging などが含まれてい る。 ② IEEE802.2 ネットワーク層以上の上位層に対して , 802.3 , 802.4 , 802.5 , 802.11 , 802.14 などの MAC 副層に依存しない共通サービスを提供するための規定。 ③ IEEE802.3 CSMA/CD 方式に関わる標準化。 a) IEEE802.3ab 伝送速度 IG ビット / 秒の IOOOBASE - T に関わる標準化。 4 対の UTP カテゴ リ 5 ケープルを使用する方式。もともとは , 802.3z で標準化が進められて いたが , UTP による実装が技術的な課題を多く抱えていたため , 独立した。 b) IEEE802.3ae 伝送速度 10G ビット / 秒の IOGBASE - X に関わる標準化。 c) IEEE802.3u 伝送速度 100M ビット / 秒の IOOBASE - X および IOOBASE - T4 に関わる標準 d) IEEE802.3x 全 2 重ィーサネットにおけるフロー制御の標準化。本来 , ィーサネットは CSMA / CD 方式でのフロー制御が行われる仕様になってはいるが , LAN スイッチの普及により CSMA / CD を無視した通信が可能な全 2 重通信が多 用されるようになったことが背景にある。 part 2 午前の重点整理・徹底演習〔ネットワーク〕 175
1 開発と取引の標準化 / 2 情報システム基盤の標準化 / 3 データの標準化 / 4 標準化組織 プジェクトの位置に関わらす相互運用を提供するものである。 CORBA の標準 に従うことにより , あるオプジェクトから他のオプジェクトに対して処理を実 行させるとき , それぞれがどこに位置するのか , どの開発言語で作られたもの かを意識する必要はなくなる。そのためには , IDL (lnterface Definition Language) でインタフェースを記述する必要がある。 そのイメージ図を図 5-3 に示す。 オブジェクト オブジェクト オブジェクト ( コンポーネント ) ( コンポーネント ) Smalltalk part 2 午前の重点整理・徹底演習〔ネットワーク〕 ( コンポーネント ) COBOL IDL IDL IDL クライアント 0 日 B (Object Request Broker) IDL IDL IDL Smalltalk オブジェクト COBOL オブジェクト オブジェクト ( コンポーネント ) ( コンポ - ネント ) ( コンポーネント ) 図 5-3 IDL 前述のオプジェクト指向の標準化団体である OMG (Object Management Group) は , Object Management Architecture Guide を規定している。 C O RB A インフラストラクチャとなる主要な構成要素が O M A 参照モデル (Object Management Architecture Reference M0del) として作成されている。 235
第 5 章標準化 ④第 4 レベル 取引基本規約。 取引の当事者間契約 , 通信事業者との契約などの取り決めの規約である。 取引の当事者間 , また VAN 業者との契約について取り決められる。 [ データ交換の標準化 ( 国内標準組織がまとめた代表的なプロトコル ) ] い ) 日本情報処理開発協会 (JIPDEC : Japan lnformation Processing Development Center) ・ F 手順 : OSI の FTAM をベースとし , EDI を実現するために策定された。 ・ C Ⅱ手順 : 協会内の産業情報化推進センター (CII) が , 複数業界を横断す る EDI を実現するために開発した日本の規格の 1 つ。 C Ⅱ手順以前に存在し ていた EDI の手順は , 業界や企業ごとに異なっていたため , 相互運用が難 しかったという経緯がある。現在 , 産業情報化推進センターは電子商取引 推進協議会 (ECOM : Electronic COMmerce promotion council of japan) は TCP/IP 手順も追加された。 ( 2 ) 全国銀行協会連合会 に活動の場を移している。 プロトコルで , メインフレーム用手順とパソコン用手順がある。 1997 年に ・全銀協標準通信プロトコル : BSC 手順に準拠し , セキュリティを強化した 234 CORBA は , 数多くのハードウェア , ソフトウェア , 開発言語 , またそのオ ェクト・コンピューティング・インフラストラクチャである。 Management Group) によって標準化が推進されているオープンな分散オプジ C O RB A とは , オプジェクト指向の標準化団体である O M G ( O bj e c t CORBA (Common Object Request Broker Architecture) [ ソフトウェアの標準化 ] が H 手順として策定したもの。 などの高速ネットワークに対応するために開発した JCA - H 手順を , 通産省 ・ H 手順 : JCA が , J 手順のデータフォーマットを維持しつつ , ISDN や ATM を , 通産省が流通業界全体の標準手順として策定したもの。 ・ J 手順 : 取引先データ交換標準通信制御手順として JCA がまとめた JCA 手順 ( 3 ) 日本チェーンストア協会 (JCA : Japan Chainstore Association)
1 開発と取引の標準化 / 2 情報システム基盤の標準化 / 3 データの標準化 / 4 標準化組織 (4)SGML (Standard Generalized Markup Language) ISO で規格 (ISO 8879-1986 ) 化された , 文章の論理構造や意味構造をマーク で記述する言語である。 SGML の使用により , 文章をデータベースとして利用 することができるようになる。 (5)XML (eXtensibIe Markup Language) W3C (World Wide Web Consortium) が SGML (Standard Generalized 午 Markup Language) を基に標準化した , 言語仕様自体を定義するための言語で の ある。文章作成者が文章構造を考慮した自由なタグ付けができることにより , 重 点 データフォーマットの標準化が容易に行えることから , 異なるプラットフォー 整 理 ム間でのデータの受け渡しも容易である。 徹 底 演 (6)HTML (Hyper Text Markup Language) 習 SGML (Standard Generalized Markup Language) をベースに開発された ツ web ページを作成するために使用される記述言語。分散ネットワークで機能す ト る情報提供・情報検索システム (world Wide Web) の一翼を担っている。標 準化作業は , 当初 IETF の HTML ワーキング・グループによって行われていた が , 現在では W3C (world Wide Web Consortium) が引き継いでいる。 part 2 月リ 237