的後継者には、上級大将で警察長 官のクルト・ダリューゲが就任する、 と語り、フランクには、これはあくま で暫定的な任命であり、フランクが信 任をうしなったというわけではない、 となぐさめたのであった。 ヒトラーはまた、一万人のチェコ人 を、ただちに処刑せよとの命令をくり かえしたが、フ一フンクは代案を提案し た。すなわち、最初に大がかりな捜索 をおこない、ついで通報者に賞金をあ たえると告示し、それでも効果がなか ったときに、はじめて大量報復をおこ なうべきである、というものだった。 ヒトラーは、フランクの代案に同意 さいりよう し、彼の自由裁量にまかせた。フラン クは、すぐに飛行機でプラハに帰還し こ 0 治安関係者 続々と到着 一九四二年五月二十八日のうちに、 ドイツ治安関係の最高首脳部が、暗殺 襲撃をうけたあとのハイドリヒの自動車 : ハイドリヒは、 8 日後に敗血症て死亡した
プラ、 捜査をまかさた。 一九四二年五月一一十七日 ポヘミア・モラビア保護領総督代 れたフランク ただ彼は、自分のちょっとした要求 をつけくわえた。それは、フランクが チェコ地方のすべての治安組織は、 理・・フ一フンク こうりゅう 〔注 ( イドリヒにより、すでに戒厳警戒態勢にはいり、フランクは経過報拘留している一万人にのぼる人質のう 令は施行されているのだが、これはフラ告を長官ヒムラーに打電した。ヒち、一〇〇人をその日のうちに処刑す ンクが、自分の名前でもう一度いったもムラーは電報を確認し、フランクがこ べきだ、というものであった。 のであろう〕 フランクは、チェコ地方における事 れまでにとったすべての措置を承認し 態は、きわめて重大であるとかんが え、ヒトラー総統に直接報告するた め、翌日朝はやくハイドリヒのユンカ ースに乗って、ヒトラーのもと へ飛んだ。 フ一フンクは、この危機によって、自 ドた イれ分が昇進するチャンスがおとずれた、 さ ・命とかんがえていたが、失望をあじわわ 官任 長になければならなかった。 察督 警総彼はヒトラーにあい、事態をいかに ゲ副 とりあっかうかについて、いくつかの 、て勧告をおこなったが、必要な決定はす べて、すでにとられていることを知ら ト後されたのである。 ざんてい ルの またヒトラーは、ハイドリヒの暫定
あたえるよう命じ、最後に、暗殺計画 に関係した者はひとりのこらず射殺す ること、また報復として、一万人のチ エコ人を処刑するよう指示した。 午後五時すぎ、プラハ放送局は、身 の毛もよだつような厳格さで、フラン ク国務相のつぎのような布告を放送し ( 0 0 ハイドリヒの乗っていたメルセデス【こわれているのは、クビシ、の手榴弾によるもの 暗殺計画に参加したすべての者、 副総督、大将ハイドリヒにた および彼らを助け、彼らをかくま いする暗殺計画の結果として、つぎ った者、あるいは彼らの身元やか暗 のとおり命令する。 の くれ場所を知りながら、当局に通 ヒ 第一条一九四一年九月一一十七日の 報しなかった者は、家族とともに 総督命令〔注〕第一項にしたがい、 かいげんれい イ 射殺されるものとする 戒厳令が、ただちにポヘミア・モ 第三条この布告は、この放送によ ラビア保護領全土に布告される ってただちに発効する 第二条同命令第一一項にしたがい、
犯人捜査 はじまる 三人の暗殺犯人にたいする狂熱的で 大がかりな捜査が、ただちに開始され た。犯行現場地域に住むすべての人が じんもん 逮捕され、訊問された。 電車に乗っていて、爆発でケガをし ろうや たある老婦人は、六日間も牢屋にプチ ・こうもん こまれ、きびしい拷問をうけたため、 暗殺計画といくらか関係があった、と ウソの自白をしてしまった。 昼の十二時十五分、フランク国務相 はヒトラー総統に電話したが、ヒトラ 1 はハイドリヒが護衛をつれていなか ったと聞いて、はげしく怒っていた。 ヒトラーはフランクに、ハイドリヒ の権限をひきつぐよう厳然と命令し暗 の た。しかし、護衛なしにどこにもでか ヒ けないよう命じるとともに、装甲自動 車さえ提供すると約束した。 ヒトラ 1 はまた、暗殺犯逮捕にたい し、一〇〇万ドイツ・マルクの賞金を行
ドイツ軍ュンカース J 52 / 3m この機は、ドイツ空軍の万能選手てあり、練習機、爆撃機、連絡機、パラシュー ト部隊輸送機、グライダー曳航機として使用され、重要な任務をはたした ェンジン : B MW 132 空冷星型 0 馬力 3 最高時速 : 3 キロ 航続距離 : 1 , 0 キロ ( 高度 2 , 5 開メートル ) 全幅 : 四 . 2 メートル全長 : 18.9 メートル ほうへ自転車を走らせた。 また、第三の男・ハルチィークは、妨 害されることもなく、そっとその場を たちさっていった。 いっぽうハイドリヒは、いまにも倒 れそうになりながら停留所のところま できて、電車を待っている人びとのな かにチェコの警察官をみつけて、総督 府に電話をして、自分の生命をねらう 計画があったことをつたえるようにた のんだ。 それから彼は、病院につれていって くれといった。警官は、ただちにとお りかかったライトバンを止めた。ハイ ドリヒは、クッみがき用具のいつばい つまった箱のあいだに寝かされ、電車 の停留所からあまりはなれていないプ ロフカ病院にはこばれた。 だがハイドリヒは、重傷を負ったと はかんがえておらず、いずれ暗殺犯人 とチェコ人に、じゅうぶんなおかえし をしてやろう、とつよく心にきめた。
ステン短機関銃 2 型 この銃は生産が容易て安価なため、イギリスて大量に生産され、ヨーロッパ各地の抵 抗運動グループの主力兵器として使用された。ところが、送彈不良をおこしやすいと 初速 : 毎秒 385 メートル全長 : 76 センチ重量 : 3 キロ 口径 : 9 ミリ発射速度 : 毎分 500 ~ 550 発給弾方式 : 32 発入り箱型弾倉 いう欠点をもち、ガプチィークのときも発射しなかった 〇 1 2 1 2 3 4 5 4 5 引き金 引き金ビン 復座バネ 後方照準具 鋼管製銃床 8 6 9
4 2 7 0 発 針ミ室筒身 撃 9 薬被銃 ネ し子 戻脱 金金金子 け底きき筒 か遊引引抽 6 1 ー 8 9 0
、ハイドリヒがとおった経路 パネンスケプジサ毒ーから ストジェル、 イ トロイスカ 、 . ・。チィークのいた地 ベビ " 市の中心部へ V ・ホレショビチェカーハ 停留所 ガプチィークとクビシュの 襲撃地点 ハイドリヒ襲撃現場 しながら追いかけていった。 この追跡は、かなりながい時間つづ いた。しかし、ぎやくにガプチイ 1 ク が自分の拳銃をひきぬき、クラインに 数発命中させ、彼を撃ちたおした。そ れからガプチィークは、プラハにむか う電車にとび乗って、現場から姿を消 した。 いつぼうクビシュは、あまりに近距 離から手榴弾をなげたので、自分もそ の爆発で負傷してしまった。彼の顔か らは、血がたらたらとながれだしてい こ 0 しかし彼は、道路を横ぎって、必死 で自分の自転車のところまで走ってい った。そのあとを負傷したハイドリヒ が追いかけてきたが、ハイドリヒはあ暗 の まりのショックで、彼を撃っことがで ヒ きなかった。 クビシュは、自転車にとび乗り、傷イ 口からあふれでる血で、ほとんど目が 見えなくなりながらも、いそいで町の
クラインは、このまちぶせからのが肥 くるぞ、という合図をおくった。 部長官を兼務していたか ところで暗殺者たちは、メルセデスれるために、自動車のスピ 1 ドをあげ らである。 その日メルセデスを運転していたのがくるまえに、もうひとつの連絡をうて走りぬけようとはせず、自分の拳銃 は、彼の専用運転手ではなく、護衛のけとっていた。それは「ハイドリヒはをひきぬいて暗殺者に発砲した。 このため、メルセデスのスピードが ひとりでくる。武装した護衛隊はつい 〔親衛隊〕曹長クラインであった。 家族の見おくりで、ハイドリヒの出ていない」という最新の情報で、べつおちて、クビシュの目の前にきた。ク ビシュは、ガプチィークの銃が発砲し 発がおくれたが、彼は護衛隊の同行をの車でとおりすぎた抵抗運動の連中が ないのにびつくりしたが、まったく冷 ことわった。というのは、護衛隊が同ったえてくれたのである。 ガプチィークとクビシュは用意をと静で、手榴弾の。ヒンをぬいて、メルセ 行すると、なおさら時間がおくれてし デス目がけてなげつけた。 まうからである。クラインは、プラハ とのえた。彼らは、ハイドリヒのメル 手榴弾で、ハ にむけて、できるだけいそいで車を走セデスがちかづいてくるのを見た。そ イドリヒ負傷 して車が数メ 1 トルのところまでちか らせた。 自動車は、大破してその場にストッ いつぼう暗殺者たちは、副総督の到づいたとき、ガプチィークは道路から プした。そして負傷しなかったクライ 着を、じりじりしながら待っていた。電車の線路に飛びうつり、レインコー ンは、拳銃をもって車からとびおり、 トの下からステン短機関銃をひつばり ・ハルチィークは、イライラしながら、 ″不運な〃ガプチィークを撃とうと、 つぎからつぎにタ・ハコをすっては地面だして、メルセデス目がけて引き金を 追いかけた。 にすてていたが、突然、スピードをあひこうとした。 ガプチィークは爆発を見て、自分の いっぽう同時に、自動車を運転して げて走ってくるメルセデスが視界には いたクラインも、ガプチィークが銃で銃が役にたたなかったことを、やっと いってきた。 さとった。彼は銃をなげすて、道路を とっさに彼は、ポケットからくしとねらっているのに気がついた。しか 小さな鏡をとりだした。そして丘の下し、銃からは弾丸が飛びださなかっ町のほうにむかって走りだし、そのあ とをクラインが、ムチャクチャに発砲 こ。銃が故障していたのだ。 のほうにいる同志に、車がちかづいてオ
・毎 paWic “ T トにぐぐ my 物猷・ー ~ は 0 れト ou ー YO リ . your umt, ! 0 す d ぐ・龜 & ⅱ on. 日 0 Keep him 血庇 0 datk. Gossip 0 住 military 、靆し iec し is higbly d ・れ区 erou 、 to い ( 0 “れレ y , w トぐーぐ a 、 ( ーぐ ( y leads ー 0 CN YOUR (XARt) and 代パ 1273 特殊工作員ャン・クビシュの英陸軍軍 隊手帳【彼は、負傷したスポポダにか わってハイドリヒ暗殺の任務についた 暗殺者たちは、できるだけ目だたな いそぶりをしながら、約三〇分ほど各 自のもち場に立っていた。 オ。ハ 1 ルカ少尉もまた、連中の位置 をたしかめるためにやってきた。三人 の暗殺者は、みんな興奮しており、オ ノ 1 ルカは、彼らをおちつかせようと した。 いまやすべてがととのった。あとは ハイドリヒの登場を待つだけだった。 ハイドリヒの 車が来たぞ ! ラインハルト・ ハイドリヒにとっ て、五月二十七日は特別の日であっ こ 0 彼はいつものように、自動車でドイ 殺 ッ総督府にゆく予定だった。しかし、 また、そこからさらに一八〇メートその日の業務を指示したあと、彼は特の 別機ュンカースでベルリンに飛 ルはなれた丘の頂上には、・ハルチイ 1 クが待機しており、ハイドリヒの自動び、ドイツの治安問題にかんする会議イ 車がちかづいたとき、そこから鏡で一一に出席することになっていた。なぜな ら彼は、依然としてドイツ国家保安本 人に合図をおくる用意をしていた。