かづきやすお ( 一九二 ー七四 ) 洋画生まれ月別にするかなどの具体的な学級編成との学習や生活を、適正に展開するための重要な 態勢、集団の形成など。 や香月泰男 家。山口県生まれ。一九三一年 ( 昭和六 ) 東京 は異なる。特別の事情がある場合のほかは、学機能として働くものと考えてよい。実際には学 ④学級事務の処理出席簿、学級会計、学級備 3 品の整理・活用、また学級の父母との協力関係 っ美術学校油画科に入学、藤島武二に学ぶ。三九級は同学年の児童・生徒で編制される ( 単式学級担任教師は、学級の学習効果を高めるための 年文展で特選、国画会で国画奨励賞、翌年佐分級 ) 。小規模学校では数学年の児童や生徒で一 くふうを凝らし、学習のための条件整備を行その他。 賞を受け国画会同人となる。四三年応召し、シ 学級を編制することもある ( 複式学級 ) 。 う、という重要な機能を働かせるが、その過程〔留意点〕学級経営に際しては、もとより学級 ペリア抑留ののち四七年 ( 昭和二一 l) 帰郷。国中学校の一学級の児童・生徒数は、特別の定めで学級集団の生活を指導し、調整することによ 担任の責任は重大であるが、そのゆえに、とも 画会展に毎年出品のほか、サンバウロ・ビエンある場合を除いて五〇人以上が標準であるが、 って、社会的訓練という重要な教育的意義をもすると学級ごと孤立の、いわゆる学級王国に陥 ナーレ展、カーネギー国際美術展にも出品。六 公立小・中学校に関しては四五人が積算基準と果たしていくのである。学級経営はこうして、 りやすいことを警戒する必要がある。学校教育 九年シベリヤ・シリーズに対して新潮文芸振興されている。なお、この学級定員は現在、四〇学習条件の整備と、それ自体が教育であるこ が多面的に構成される現代では、担任は学校生 会の第一回日本芸術大賞が贈られた。山口県立人にまで引き下げる努力がなされている。 と、の二側面を備えているといえる。 活全体における児童・生徒の情報を得ること、 美術館に香月泰男展示室がある。〈小倉忠夫〉 学級定員の大小は、教育の効率に重要な影響 注意すべきことは、経営という語に幻惑され情報処理後に関係教師に正当な通報をすること がっきゅう学校教育を行うにあたっ をもっことは明らかで、諸外国ではおよそ三〇て、学級経営を学校経営の単なる縮小版とみな がたいせつである。このために、開かれた学級 学級 ての教育の単位組織。もともと学級という集団人程度が一般的水準とみなされている。また、 いことである。慣用的には学級経営といわれる経営を目ざし、また学年協力体制をとって、学 を組織して教育することは、同時に多数の児 高等学校への進学率が九四 % を超える一九八〇が、実態としては学級の教育が中枢であって、年学級経営を体制化することが重要である。さ 童・生徒を教えるという経済的理由に基づくも年代初めでは、生徒の興味、関心、能力などに 学級の全教育活動のなかで、直接的な授業活動らに個々の教師が学校生活のあらゆる場面にお のであるが、現代では学級の社会生活そのもの応じた学習の成果を求めて、習熟度別学級編成を除いて、ほかのすべての教育活動が学級経営 いて学級経営に参与する姿勢を保つことがたい に、より重要な教育的意義があると認められてが実施されてきていることは、今後の問題とし に含まれるのである。学級経営にあたって、児せつである。↓学級↓学級担任制〈吉本二郎〉 学級担 いる。こうした教育事実上の意味とともに、・ 学て注目すべき点である。↓学級経営↓ 童・生徒は教育の目的として存在するのであっ回下村哲夫著『学年・学級経営』 ( 一九全・第一 級編制という場合の「学級」のように、教職員任制 〈吉本二郎〉て、手段として考えられてはならないことを明 法規出版 ) ▽高階玲治著『開かれた学年・ がっきゅう musical bow Musik- 確にする必要がある。 学級経営の展開』 ( 一九大・明治図書出版 ) の定数や施設・設備など、教育行政上の単位と楽弓 されることもある。 arc sonore, arc musical 弓〔仕事の内容〕学級担任は担任する学級に絶え bogen ト 学級担任制がっきゅうたんにんせい一般に 〔成立の歴史〕一八九〇年 ( 明治二三 ) 以前に の弦を鳴らす楽器。弓琴ともよばれる。弾力性ず配意して、学級の成長に努めなければならな 小学校でみられるように、 一人の学級担任教師 は、日本には現代的な意味の学級はなく、翌九のある棒を曲げて両端に紐を結び付けたもの いが、その主要な仕事の内容は次のようである。 が、その学級の教科指導や生徒指導の全部か大 一年の文部省令によって、「学級編制等に関すと、棒の一部を裂いて弦にしたもの ( 切り出し ①学級教育の組織化所与の学級はその成員の部分を担任している教授組織のこと。中学校以 る規則」が定められ、「一人の本科正教員の一弦式 ) とがある。狩猟の弓との先後関係につい 学力や性向からみてきわめて多様性をもっ集団上で行われている教科担任制に対立する概念。 めいりよう 教室において同時に教授すべき一団の児童を学ては意見が分かれている。現在は、パタゴニアである。しかも、中学校の場合に明瞭である この制度の長所は、一人の教師が児童と深く からカリフォルニアまでのアメリカ、中央およ 級と称する」とされた。このころになって、よ ように、学習面では多数の教師の指導を受け、接触できること、授業にあたって教科間の連携 うやく学校規模が大となり、近代的組織をとらび南アフリカ、アジア、オセアニアにみられしたがって児童・生徒が自己統一的に自分を形が容易であること、個々の子供の生活と学習を ざるをえなかったのであろう。 る。かってはヨーロッパ ( オランダ、イタリ 成する困難を伴うことが多い。学級担任は、 , 学関連づけて指導できることなどにあるが、他方 西欧における学級組織による教育の発想はそア、リトアニア、東プロシア ) でもみられた。級全体の教育状況がどのようになっているのかでは一人の教師が教育内容のすべてに精通する れよりも古く、一七世紀のコメニウスの学級教発生は新石器時代で、最古の弦楽器として、弦を正しく把握し、学習への適応を適正化する努ことの困難さがあり、また、ときに閉鎖的な学 の数を増したものがライアやハーブ系統の楽器力をしなければならない 育の提案や、一九世紀のイギリスの・ヘル An- 級王国を形成する危険性も認められる。 天三 0 とランカスター JO- に、共鳴器をつけたものがリュートやチター系 ②学級づくり学級集団には成員と担任教師の drew BelI ( 一七当ー そこで最近では、学級担任制の長所を残しな 天三 0 による助教法統の楽器につながったとされる。〈前川陽郁〉あり方などによって、おのすから個性的な雰囲がら一部教科担任制を取り入れたり、あるいは seph Lancaster ( 一七大ー がっきゅうけいえい学校教育上の気や特有の行動様式が生まれるが、意識的に集学年教師による協力教授組織に組み替えたりす ( モニトリアル・システム monitorial system) 学級経営 などは広く知られている。今日では、学級を基単位組織である学級を、教育目的に従って効率団機能を活用して、生気ある、優れた学級をつる組織法が、小学校高学年にも採用される傾向 くる学級づくりが必要である。学級の教育目標 にある。学校の教育力を高めるために重視され 盤とする教育は常識化しているが、最近では教的に運営すること。学校教育は大まかにいえば 学級↓教科担任制 〈吉本二郎〉 を設定し、集団内の各人の役割分担を明確にてよい。↓ 育機器の発達によって、学習形態を個別化、大学習指導と生徒指導とに分けられるが、そのい がっきよ、つのとき Moments ・ 集団化する試みが盛んになってきた。ティーチずれにあっても学級を単位とし、あるいは学級 し、活動的で明るい人間関係のもとでの級風を楽興の時 ング・マシン ( 個別化 ) や、テレビ利用の学習を基礎として教育が行われることが多い。子供醸成するなど、この分野で教師がなすべき仕事 caux シューベルトが作曲した六曲からな にとって学級は学校生活の基地である。学級担 は多い。学級づくりは、とくにそれ自身が民主るピアノ小曲集。一 八二八年出版 ( 作品九四、 ( 大集団化 ) などがそれである。このため学習 組織としての学級の意義が問われてはいるが、任教師は、担当する学級の責任者として、当該的な社会人育成の重要な教育事項であるので、 七八〇 ) 。直訳すると「音楽の瞬間」という 重視される必要がある。 学級の適正な経営にあたる役割を担っている。 題名が示すように、当時作曲の主流を占めてい 教育の大勢は依然として学級組織に基礎を置い 〔意義・機能〕学級経営は基本的には、学校教 て展開されている。 ③環境の整備施設、設備などの巨大な物的条た「ソナタ」の大規模かっ堅固な構成とは対照 〔学級編成・定員〕学級編制は、児童・生徒の育の目的を達成するねらいをもって行われる。 件の整備は学校経営にまつべきであるが、所与的に、親しみやすく即興的な性格をもった小品 集団と教師との関係を定める教育行政上の意味学級経営は学級経営という教育上の特別の領域の条件のもとで学級ごとに、教育条件を整えるである。その意味でこの曲集は、ロマン派の作 があるのではなく、むしろ児童・生徒が学校でことが必要になる。座席の位置、学習に応じた曲家に愛好され爆発的に流行した「性格小品」 をもち、同一学年内の学級を能力別にするか、 ひも
かせんこ 河川工事 ダムの運用に対する要求は目的によって異な河川工事かせんこうじ洪水による災害を防 6 る。洪水調節は貯水池を空にしておくことを要止し、河川の利用度を高めるために行われるエ 3 - 」うす、 求するが、利水の面からはできるだけ水を貯留事で、高水工事と低水工事に分けられる。 はんらん することが望まれる。また、利水のうちでは、 高水工事は洪水の氾濫による災害を防ぐため 水道、工業用水は年間を通じて水の供給を要求の工事で、堤防をつくる築堤工事、流れによる するが、灌漑用水は夏の灌漑期間にだけ水の供侵食から堤防を守るための護岸工事、水制工 給を必要とする。このように目的によってダム事、洪水の疎通をよくするための河道整理工 の運用に対する要求に違いがあるので、多目的事、洪水の流れをよくするために蛇行河道を直 しようすいろ ダムの計画にあたっては種々の目的の要求を調 線的な河道にする捷水路工事、洪水を新しい 整し、総合的な効果を発揮できるようにダムの河道に流すための放水路工事 ( 捷水路工事と放 規模および運用を決定することが必要となる。 水路工事を新川開削工事という ) 、洪水を一時 〔河川環境管理計画〕河川の自然環境を保全河道外に貯留し、洪水流量を減少させるための し、河川空間の利用を図るための計画である。調節池工事、支川への逆流を防止するための水 ひかん ひもん 都市の中を流れる河川で、都市に残された水と 門工事、堤内地の排水のための樋門・樋管工 へいそく 緑のオープンスペースとしての河川空間の価値事、排水機場建設工事、河口閉塞を防止するた を評価し、生活環境の一環として河川の利用をめの河口処理工事などがある。 計画しようとするもので、河川の水質の管理、 低水工事は河川の利用度を高めるための工事 河川内の生態系の保全、河川空間のレクリエー で、河川を航路として利用するために流路を一 ションの場としての利用などが対象とされてい つにまとめたり、浅瀬や岩礁を除去する工事な る。最近では景観も重要な課題となってきてい どがある。わが国では明治時代の中ごろまでは 〈鮏川登〉舟運のための低水工事が行われていたが、それ 以降はほとんど行われていない。 ^ 鮏川登〉 河川工学かせんこうがく洪水による災害を 防止し、河川の利用度を高めるための工学。河河川交通かせんこうつう川を利用して行わ 川は人類の生活に必要な水を供給し、また山地れる船による交通。沿岸や外海を利用する海運 から土砂礫を連搬し、平野を形成し、人類に生に対比して水運といい、外航船が通るには川幅 活の場を提供してきた。現在では、河川水は水七〇以上、水深一一一以上、川舟の場合でも んれ ~ い 力発電、灌漑用水、水道用水、工業用水などに 水深二以上が理想で、平野を流れる長い川ほ 利用され、河川は航行、漁業などに、あるいは ど利用価値が大きい。河川用の小型貨物船を機 工場・家庭下水の排水路として利用されてい 帆船 ( 発動機付き ) または艀 barge とよんで る。都市を流れる河川は自然環境の保全やレク リエーションの場として使用されているが、一 鉄道や自動車が発達するまでは内陸地方の交 方において、洪水による災害を発生させ、人命通機関として重要な役割を果たしてきた。鉄道 や財産の損失をもたらしてきた。このように、 が発達してからは重要性が低下したとはいえ、 河川は人類の生活と密接に関係し、河川に対し ヨーロッパやアメリカにおいては、石炭、油、 て治水、利水、自然環境の保全、河川空間の利木材、食糧などのような、かならずしも急送を 用など多様な要求がなされるが、これらの要求要しないで運賃の安いことを必要とする大量貨 量るる の写 潟けら下は 流れす奈 流。で軽新抜け沈高荒 に対処するための工学が河川工学である。 物が河川交通を利用している。ヨーロッパのラ すいもんがく のわ流神中る を手き設盤堤 そ行放 上せ県担右突が地 河川工学には河川学、河川水文学、河川水理イン、ドナウ、エルべ、ローヌ川などは連河で ' 京 , がヘる , さ木負 , へ 陳学、河川計画、河川構造物、砂防などの分野がつながり、河川交通の代表例である。一九二五 し式海れて水栃のは海る低 6 れがる 分方にわし遊 ( る流で , 7 あり、河川の性質、降水や河川流量などの観年に開通したポルガ・ドン運河はバルト海と黒 さ、つあ 節か行と , 池な下真し を調やて節け水に , 写対長堤ほも 測、降水の流出、洪水、感潮部の流れ、河口密海を連絡したもので、近年における河川交通の 水や速し調設遊さし 一延築の合 う高設をと量に獺広水る流 て地場度流、水質汚濁、河川流による土砂礫の侵食・ 重要性を立証している。 たいせき びわ よど 本施水事流流良の分れ本水っ宅る 日本においては、昔から琵琶湖と淀川、江戸 基る流工のを渡をら川分沿住え運搬・堆積などの諸現象の調査・研究、河川の とね , すの修水中の水け濃屋にり超 は理量改降で時芻流設信関筋よを総合開発、治水および利水の計画、河道や堤時代に入ってからは江戸を中心とし利根川、荒 せき 水は に処大道 ド言岸などの河川工作物、および堰、水門、 川などが河川交通路として重要な役割を果たし 策に可川池次渇に路め行路る水屋 - : つも「れ 対全渫の見水に , 時水たへ水い防での 閘門などの構造物の設計・施工・管理などが扱た。たとえば、大坂の町のなかの上荷船・茶 水安亠浚め鶴遊ムは水放る内放て堤ど階 洪を①た県②ダ真満③す市るれ④なニわれる。 〈鮏川登〉 船、あるいは川越 ( 埼玉県 ) を夜出発し、翌朝 れき
との摂取があげられる。一日の所要量は年齢に 8 , フケイ酸塩やアルミノケイ酸塩鉱物が主体となつれの方法によったものでも、真空中で蒸留を繰〔用途〕金属カルシウムはその還元力の強い点 から、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ト よって異なるが、成人では六〇〇ミリグラム、成 8 り返すことにより純度を高められる。 して構成されているが、カルシウムがその重要な リウム、ウランなど難還元性金属の酸化物、ハ 長期の少年では九〇〇 ' 、リグラム程度が必要であ つ一成分とな 0 ているからである。ケイ酸塩鉱物〔性質〕銀白色の金属で、新しい表面は金属光 る。また、妊婦、授乳婦も所要量が増加する。 沢を呈する。その結晶は三〇〇度 O 以下では面ロゲン化物から金属を製造するのに使われる。 は、地球の長い地質時代を通じて何十億年とい また比較的融点が高く蒸発しにくいので、融角 とくに授乳婦では、乳中にカルシウムが含まれ う年月の間に、 心立方構造をとるが、このはかいくつかの結品 大気中の一一酸化炭素や水分、地 熱などの作用により破壊され、含まれていたカ変態があり、たとえば四五〇度 O 以上では六方鉄や鋼、その他の金属や合金の脱酸剤、脱硫剤るので、その補給の意味でも通常多量のカルシ じゅうてん 〈河野友美〉 ウムを必要とする。 ルシウム分は炭酸塩や硫酸塩となって流出し、最密充填構造をとる。アルカリ金属に次いでとして用いられる。さらにナトリウムで活性化 たんか たいせき 石灰石や石膏として堆積した。炭酸カルシウム軽く、軟らかさの点ではバリウムや鉛ほどではすると窒素と結合しやすくなるので、アルゴカルシウムカーバイド 0 炭化カルシウ レ : っ ム 、くぶんかの展延性をもっている。橙ン、ヘリウムなど希ガスの精製に利用される。 はきわめて水に溶けにくいが、水が二酸化炭素ないがし せき キ、つこ , つや / 、狭、い また合金の添加材としても用いられ、鉛、アル を含んでいると、次の反応によって水溶性の炭赤色の炎色反応を示す。 カルシウム拮抗薬 ミニウム、マグネシウムなどとの合金として各症治療薬の一種。筋収縮には筋小胞体 ( 筋細胞 、パリウムによく似た 同族のストロンチウム 酸水素カルシウムに変わるため、その溶解度は 化学的性質を示し、性質や構造の類似した化合種の用途がある。そのほか、有機合成における内の膜状構造 ) から放出されるカルシウムイオ 大きくなる。 ンが必要で、心筋や血管平滑筋では細胞外から 還元剤、鉛からのビスマス除去剤、水素化カル Ca(HC03)2 物をつくるが、一般に反応活性の点では Ba> CaC03 + C02 + H20 〈鳥居泰男〉 シウムの製造原料などとなる。 流入するカルシウムイオンによって細胞内のカ Sr>Ca の順にわすかながら低下している。常 したがって、海水中や鉱水中にもかなりの量の しかん 〔人体との関係〕カルシウムは人体にとって重ルシウムイオン濃度が変化し、収縮や弛緩が左 カルシウムがイオンとなって含まれ、河川の溶温において空気中の酸素、窒素および水と徐々 に反応するので、表面が酸化物、窒化物および要な無機質の一つで、人体に二 % 前後含まれて右される。したがって、この流入するカルシウ 解物中二〇 % はカルシウムである。水温が上昇 いる。骨格中に九九 % 存在し、残りは血液およムイオンを抑制すれば、筋細胞内の濃度が低下 したり、大気中の二酸化炭素の分圧が低下した水酸化物からなる黄灰色の被膜で覆われる。酸 りすると、二酸化炭素の溶存量が減少するた素中 ( または空気中 ) で加熱すると火を発してび筋肉に含まれる。骨格中のカルシウムはリンして心筋や血管平滑筋が弛緩する。この働きを め、前記の平衡は左に移行し、ふたたび難溶性燃え、酸化物 CaO となるが、カリウム以下の酸塩となって構成されているが、さらにマグネする薬剤がカルシウム拮抗薬で、心筋の収縮を シウムもこれに加わる。骨格は人体の支柱的な抑制することから、狭心症 ( とくに異型狭心 の炭酸カルシウムとなって沈積する。これが海アルカリ金属のように、過酸化物や超酸化物を 役割を果たすとともに、カルシウムの貯蔵庫症 ) 発作の持続的予防薬あるいは治療薬として 生ずることはない。純窒素中で加熱すれば窒化 底でおこれば石灰石 CaC03 や白雲石 CaC03 ・ 使われている。また、血圧降下薬としても使用 MgC03 の層を形成し、石灰洞穴内でおこれば物 Ca3N2 を生ずる。水素とは四〇〇度 0 以上で、血中力ルシウムが少なくなると、骨格のな ー ) ・、つにゆ・つ せきじゅん かからカルシウムが出てきて補給し、また余分される。市販品にニフエジピン、ニカルジビ 鍾乳石や石筍 ( いずれもあられ石構造 ) となで徐々に反応して水素化カルシウムとなるが、 ン、ジルチアゼム、べラバミル、プレニラミン のカルシウムは骨格に戻る。 る。海洋生物、たとえば貝、サンゴ虫などは海水素圧が高いとさらに低温でも反応する。この いの、つ 〈幸保文治〉 血液中のカルシウムははとんどが血清中に存などがある。 ほかハロゲン、リン、硫黄、セレンと高温で反 水中に含まれる炭酸水素カルシウムを分解し、 ーーざい栄養剤の一種であ 炭酸カルシウムの骨格をつくる。その遺骸が海応し、炭素、ケイ素、ホウ素とも直接反応す在し、つねにほば一定の水準に保たれており、カルシウム剤 底で長年にわたって沈積したものが白亜である。冷水とは徐々に、温水とは激しく反応して血清カルシウムの多くはイオン化していて、各るが、治療薬としても使われる。カルシウムは ほたるいし る。カルシウムはこのほかフッ化物 ( 蛍石 ) 、水素を発生し、あとに水酸化物を残す。アルコ種の酵素作用などに関係している。また、血液人体内にもっとも多く存在する無機質で、体重 りんかいせき ・二 % を占める。その九〇 % 以上 ールとはゆっくりと、また酸とは激しく反応の凝固性に対しても重要な役割を果たす。カル リン酸塩 ( 燐灰石など ) としても産出する。 シウムはまた、心筋の収縮作用、筋肉の興奮のは骨など硬組織にリン酸塩などとして沈着して カルシウムは動物体内にも存在し、生命の活し、水素の発生と同時にアルコキシド ( アルコ いる。体液中にはわずかに存在し、血液中のカ ール類の水酸基の水素を金属で置換した化合抑制、神経の興奮に対して鎮静的に働くととも 動に重要な役割を果たしている。貝類など多く の下等動物の殻は炭酸カルシウムでできてお物。アルコラートともいう ) または塩を生成すに、白血球の食菌作用を促し、疾病に対する抵ルシウムイオンは上皮小体ホルモンとカルシト こうじようせん ニン ( 甲状腺の 0 細胞から分泌されるホルモ り、人間など高等動物の骨格の主成分はリン酸る。液体アンモ一一アに溶けて濃青色 ( 溶媒和電抗力を増加するなど、生理的に重要な働きをも ン ) によって調節されている。カルシウムはま つ。また、血中のカルシウムは体液の微アルカ 子による発色 ) の溶液を与えるが、アンモニア カルシウムである。 たトロンポプラスチン ( 血液凝固因子の一つ ) 性保持にも大きな役割を果たしている。 〔製法〕工業的には、主として融解塩電解法とを蒸発しさると、あとにヘキサアンミンカルシリ カルシウムは主として腸内から吸収され、排の作用を活化して血液の凝固に関係する。カ 熱還元法によって製造される。電解法では無水ウム錯体「 Ca(NH3)6 〕が残る。気体アンモ一一 ルシウムイオンが欠之すると血管から組織液が 泄は尿および腸内の両方から行われる。とくに 塩化カルシウムを原料とし、これにフッ化カルア中で熱すれば次の反応がおこる。 しん しんしゆっ 吸収時にはリンおよびビタミンが必要とさ滲出する。したがって、じんま疹や、凍傷の 6Ca 十 2NH3—» 3CaH2 十 Ca3N2 シウムまたは塩化カリウムを混ぜて融点を下 水銀とはアマルガムをつくり、多くの有機化れ、カルシウムとリンの比率が一対一あるいは場合にカルシウムを補給すると消炎効果がみら げ、約八〇〇度 O で電解が行われる。黒鉛で内 れる。このようにカルシウム欠乏症、各種出血 張りした鋼鉄製電解槽を用いてこれを正極と合物を還元する。純度の高いカルシウムは暫時一対二の間くらいの比率のときに吸収がよい し、水冷式鉄電極を負極とする。熱還元法でならば空気中で安定であり、さらに不活性ガス極度にこの比率が大きくなると、カルシウムの性疾患、骨軟化症、慢性炎症性疾患、皮膚疾患 は、高純度の石灰石を焼いて得た石灰を原料と雰囲気中や真空中に保存すれば長期間貯蔵がで吸収は疎外され、それが原因でカルシウム不足などの治療のために使用されるのがカルシウム きる。 剤である。注射剤としては塩化カルシウム注射 を生じることがある。吸収されたカルシウムは し、これをアルミニウムで還元する。 せん けっしよう まず血漿中に入り、副甲状腺ホルモンの作用液、グルコン酸カルシウム注射液、内服用には カルシウムの化合物はストロンチウム、 6CaO + 2AI ーー立 3Ca + Ca3A1206 リン酸水素カルシウム、沈降炭酸カルシウム、 ウムの化合物とよく似ているが、水に対する溶によりコントロールされる。 この場合にはステンレス鋼製の反応管を用い カルシウムを多く含む食品としては、牛乳お乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、 真空にして一二〇〇度 0 に加熱。発生したカル解度は二、三の例外はあるが、一般にやや大き 〈幸保文治〉 よび乳製品、海藻、葉菜類、豆類、小魚の骨ごグルコン酸カルシウムがある。 シウム蒸気を冷却すると結晶が得られる。いずくなっている。 せつ
持が使用目的にあうようにつくられているこ繰り返し負荷に対する抵抗力などにより示され国 ~ 中 と、また材料は直接からだに触れるところと触ることが多い。や安全基準のなかには、 れないところを考え、適材を適所に使い分けてそれについての標準値が決められている。 具 あること、さらに構造についていえば、荷重に 耐久性に関連して保守、管理のしやすさも考家 対して十分に耐えるようにつくられているこ えなくてはならない。掃除がしやすく、部品の と、などである。また机やテー・フルのような準交換が容易であること、修理がしやすいことな 人体系の家具を例にとれば、甲板の広さと高さ ども家具の寿命を長くするうえで必要な条件で とが適当で、甲板の下には下肢を動かすのに支ある。こうした維持保存性が家具の意匠に取り 障のない空間が確保されていること、などであ入れられるようになったのは比較的新しいこと る。さらに建物系である収納家具の例では、外であるが、現在では評価の重要な項目の一つに うちのり 形寸法と部屋の内法寸法との間に寸法の調整が なっている 成り立っていること、また収納空間と収納物と ④経済経済性はここでは生産性と考えても の間にも寸法的な矛盾のないこと、などが必要よい。家具の価格は安価であることが望ましい な条件である。寸法調整ができていると家具相が、そのためには、設計にあたって、生産が合 互の組合せがうまくいく のみならず、部屋の中理的に進むように計画しておく必要がある。量 に並べたときむだな空間が残らないので収納効産家具とよばれるもののなかには、手加工の部 率が高められ、見た目にもすっきりする利点が分がほとんどなくなり、機械加工のみによりで ある。機能性を高めるための基礎技術には人間 きあがってくるものもある。一方、工芸的な手 工学やモデュールなどの資料が必要であるが、 作りの家具への要望も根強く残っているので、 最近ではそれらの研究が進み、実際面にも応用家具の経済的評価は価格の高低のみによっては されるようになってきた。なお、事務用家具と考えられない。 学校用家具および一部の家庭用の家具について⑤審美性家具はもっとも身近なところに置く は日本工業規格 (h—T)) の規定があり、寸道具であるから、生活に潤いを与えるようなも 法、材料、構造などの基準を決めているので、 のであることが望まし い。たとえ右の四つの条 これに該当するものの性能は一定の水準以上に 件を満たしていても、形態的に洗練されたもの あると考えてよい でなければ、よい家具とよ、 。ししカオしつま 安全性家具は使いやすさと同時に安全性も り、家具にけ実用的な側面と美的な側面とが 保証されていなくてはならない。その一つはカ必要なのである。しかし、その美しさの基準 に対するもので、十分な強度をもち、破壊や変は、時代や民族により、さらには個人によって 形をしないことのほかに、地震に際しても転倒異なるので、それを一つの形としてとらえるこ とはむずかししし しない安全性が要求される。一一番目は形状的な 、わゆる伝統的な様式家具と 安全性で、日常の取扱いにおいて傷害を与えな よばれているものは、さまざまな時代のいろい ② いようにつくられていなくてはならない。三番ろな地方の人一々により、 いくつかの試みがなさ 目は火災に対する安全性で、着火しにくく、有れたのちに、大部分の人に満足されるところに 〔家具の産地〕主要な木製家具の生産地をあげ ラスチック、籐、竹などであるが、使用材料に 害ガスを出さないことなどが保証されている必まで向上した一つの様式であるということがでると次のようである。たんす類は広島、福岡、より製造方法も違うので、以下それそれについ かわごえかすかべ 要がある。ベビーへ 。ッド、二段べッド、乳児用きる。 愛知、新潟の各県。桐だんすは川越、春日部て概要を説明する。 ハイチェアなどの一部の家具に対しては安全基 二〇世紀に入って生活様式の合理化と生産方 ( 以上埼玉県 ) 、加茂 ( 新潟県 ) の各市。和だん 〔木製家具〕もっとも古くから使われてきたの 準で寸法や構造などの仕様が決められているの式の機械化とが進んだために、世界的に美しさすは大川 ( 福岡県 ) 、広島、府中 ( 以上広島県 ) は木材で、現在でも家庭用の家具の大部分は木 で、それらの点は保証されていると考えてよの評価基準は変わり、全体的に装飾的なものをの各市など。戸棚類は群馬、広島、愛知、静岡材または木質材料でつくられている。 捨て、機能的なものへと移ってきた。現在におの各県。机、テープル類の生産は各地で行われ 1 木材木材には針葉樹と広葉樹とがある。針 ③耐久性じようぶで長もちすることも家具に ける家具設計の、王流は、この流れに沿っているているが、特殊なものは次の地方が著名であ葉樹の代表的なものはヒノキ、スギ、マツなど ちゃぶ 要求される条件の一つである。熱、水、湿気、とみてよい る。座卓は高松、金沢の両市と津軽地方。卓袱であるが、材質が軟らかいので軟材とよばれ 日光、腐食、油、薬品などにも十分に耐えられ 以上の五つの条件には互いに両立しないもの台は静岡、高松の両市。椅子類は福岡、広島、 る。削ったままの肌が美しいので白木で使われ るようにつくられていることが必要であり、耐もあり、また使用目的によっては要求度の少な 徳島、岐阜の各県と東京都。鏡台類は静岡、徳ることが多い。広葉樹ではナラ、サクラ、ケャ 熱性、断熱性、耐水性などとよぶ数値によっ いものもある。いすれにしても、使う目的にあ島の各県。 キ、ブナ、カバ、シオジなどが使われ、硬く重 て、その性能が表示されることもある。なおカうように均衡をとってまとめられたものが本当〔家具の材料と生産技術〕家具に使われるおも いので硬材ともよばれる。削ったままの肌は美 によい家具といえる。 に対する性能は、荷重を受けたときの変形や、 な材料は、木材、鋼 ( スチール ) 、軽金属、プしくないが、塗るときれいになる。和風の室内 ① 中国の家具・工芸品がヨーロッパ の家具のデザインに与えた影響は 大きいものがある。古くは 1 7 世紀 , 中国趣味のモチーフが家具デサイ ンのなかに取り入れられ , シノワ ズリーと称された。さらに 18 世紀 には , イギリス , フランス , ドイツ , イタリアで漆塗りの技術を生かし た家具が数多くつくりだされた。 現代に入ってからも , 北欧のモダ ンデザインのなかには , 明時代の 簡単な椅子からヒントを得たもの もある ①清時代の飾り台 ②清時代の収納家具 ③明時代の木製椅子 ③
者数は六万一六二八人であり、このうちの約一型、②品種および性による特徴、③資質、④健体審査ではとくに精査する。一方、共進会場なで広く改良の基礎となる個体を拾い上げ、世代 を重ねるごとに選抜を厳しくして数代後に純粋 どでは短時間で迅速な判定を必要とするため、 割は法人およびその職員、残り約九割の家畜商康と持久性 ( 強健性 ) を観察することである。 は個人経営である。個人家畜商は牛商、馬商、①は、家畜の外貌には用途による特徴が明らか精細な付点をせず、重要部位のみ観察し、等級種として扱う方式で、改良途中の品種で採択さ に出ていることを必要とする。ウシ、ヤギなど分けされた数個体の比較審査によって順位を決れる。閉鎖式は、すでに登録されている個体ど 豚商などに分けられており、牛商が八割を占め ぜんく うしの交配によって生まれたものだけを登録す 〈西田恂子〉 る。現在、家畜商一人当りの主要家畜の取引頭の乳用家畜は体が比較的長く、前驅に比べて後定する。 る方式で、品種として確立した家畜で行われて 数は年間一一五〇頭前後と推測されるから、個人躯がよく発達し、くさび形で、乳器の発達がよ回内藤元男著『家畜育種学』 ( 一 0 ・養賢堂 ) いる。また、登録制度には、家畜の血統だけを 産卵鶏も同様に体の後部の発育のよいのが家畜単位かちくたんい畜産業の発達程度を 家畜商の経営は非常に零細であり、したがって 登録して、能力などによる選抜は飼育者に任せ 多くの家畜商は兼業者である。もともと家畜商優れている。これに対して、ウシ、プタ、ヒッ比較するとき用いられる規準の一つで、各種の は、農業を営む者、食肉卸売業者、食肉小売業ジなどの肉用家畜は体がずんぐりしており、前家畜の頭羽数を同一単位に換算して総合的に表る血統登録と、体型や能力についても一定の基 者、家畜運送業者、人工授精師、獣医師などが驅と後驅が均等に発達し、長方形で肉づきのよ示する一つの方法として用いられる単位であ準を設けて検査し合格したものだけを登録する い体型をしている。②は、同じ用途をもっ家畜る。地域の総合的な家畜数をほかの地域のそれ選択登録とがある。なお、体型や能力のとくに 免許を取得してなった者が多い。とくに農業を と比較するとき、種類別で比較する繁雑さを避優秀なものや、よい子畜を産んだことが証明さ 営む兼業者が多く、一九五五年ごろには個人家でも品種の特徴を示す毛色、体型、顔つきなど けて、便宜上一括して比較するのに用いられれた個体を高等登録とするなど、選抜強度を高 がはっきり出ていて、さらに性差を示す特徴も 畜商の八〇 % を占めており、現在もその状況は めいりよう 変わっていないといわれる。農業を営む兼業家明瞭でなければならない。③の資質は改良のる。家畜単位を定める基礎は各国により異なるめた制度なども設けられている。〈西田孝雄〉 畜商のなかには、家畜取引を全然行わない単な程度を示すもので、④の健康状態の判定は毛のが、日本ではウシやウマの大家畜一頭、プタ五家畜病院カちくびよういん家畜の診療を目 頭、メンヨウとヤギ一〇頭、ウサギ五〇頭、家的として、獣医師が開設した病院 ( 診療所 ) を る家畜商免許取得者の多頭家畜生産者もおり、光沢、起居挙動などの観察によって行う。 きん いう。獣医師は診療所の開設にあたり、場所、 これらの評価の基準として家畜の品種別に体禽一〇〇羽をそれそれ一単位とする。 また「小屋制度」といって、数戸または多数の 国連食糧農業機関 ( O) の「家畜及び食肉施設や設備の概要など、都道府県知事が必要と 型審査標準が定められている。これは、各品種 零細な家畜生産者を取引対象として固定してい 認める事項を届け出なくてはならないが、人間 る家畜商もいる。後者の家畜商は一般に大家畜集団の体各部の測定値を統計的に処理して求め報告書一九四六」では、飼料の消費量を基礎に られた平均値を基礎として理想体型を想定して家畜単位 animal unit を算出し、ウシを一との病院と異なり、診療科目についての規定はな 商に従属し、その下請け集荷機能を果たしてい 動物全般にわたり、また疾病全科にわたり して換算して、ウマ〇・八、プタ三・二、メンく、 る。家畜生産地の大家畜商は、家畜が生体取引文字に表現したものである。審査に際しては、 診療や手術、保健衛生指導などを行うことにな ョウ一〇・〇を一単位としている。〈西田恂子〉 体各部について重要度に応じて配点され、合計 を原則として消費地に流通していた時代には、 一〇〇点となるようにしてあり、各個体がその家玄田登録制度かちくとうろくせいど家畜をる。このため、ウシ、ウマまたはプタのような 消費地に出荷して食肉問屋と対等の取引を行っ ていたが、産地から消費地への流通が枝肉・部理想に対して何点であるかによって優劣を決め改良するには、優れた体型と生産能力をもっ雄大きい動物、とくに産業家畜とよばれる動物を と雌を選んで、その好ましい形質や能力が確率専門とする場合は、家畜病院の名称とすれば、 分肉流通に移行するとともに、消費地食肉問屋る。 あいがん よく子畜に伝わるような交配を行い、さらに生利用者に理解されやすい。同様に、愛玩動物、 〔能力審査〕家畜の生産能力を調べることを能 の手数料商人に変質しつつある。また、産地に 食肉センターなどの近代的な食肉処理加工施設カ検定という。泌乳、産卵、産毛、肥育などのまれた子畜のうち、なるべくよいものを残してとくにイヌまたはネコを対象に選びたいとき は、大猫病院あるいは。ヘットクリニックと届け 形質について生産性だけを調べる絶対能力検定ゆく方法を繰り返すことが必要である。それに の建設が進むと、家畜商もそれの家畜集荷人に 変わりつつある。このように家畜商の機能は家が普通であるが、家畜は経済動物であるから最は、まずその家畜個々の体型や能力と、先祖の出ることが多い。ペット動物の診療には繊細な 遣いが要求され、技術的にも動物の個性にあ 畜流通の変化に伴って変化しつつも、いまだ重終的には純収益が問題であり、飼料の利用性を遺伝形質をできるだけ正確に知ることがたいせ心 つである。そのために、家畜を改良しようとすわせた加療が行われるように専門化されてい 〈宮田育郎〉考慮した相対能力検定が行われるようになっ 要な役割を果たしている。 る者同士が団体をつくり、そこで前記の血統やる。また、イヌには他の動物にも伝染する狂犬 た。これは単位生産量に要する飼料の量、また かちくしんさ家畜を経済動物とし 家畜審査 能力などの正確な記録をとり、これらを公表、病があり、予防法によって登録申請、予防注射 は単位飼料当りの生産量で評価する。 て評価するために行う審査で、家畜の外貔、能 〔血統審査〕家畜の血統は子をとる種畜の場合保存して互いに利用しあってゆくのが家畜の登が義務づけられている。一方、対象とする範囲 力、血統の三方面から検討される。普通はこの に問題とされ、その価値は遺伝的によい形質を録制度である。この制度は一七九一年イギリスが、動物全般 ( イヌ、ネコ、小鳥、魚、ウシ、 うち外貌審査のみが行われるが、肉用価値を判 ウマ、プタ、ヒッジ、ヤギ ) に及ぶ場合には、 もっているかどうかが重要である。外貌上も能の競走馬のサラ。フレッド種で初めて設けられた 定する肉畜審査ではさらに能力審査を加味する 獣医科病院または動物病院として届け出れば利 が、現在では多くの国でほとんどの家畜につい 場合もあり、また繁殖用として良形質をもっ家カ上も欠点がなくても血統の不明なものからよ したがってて実施されており、わが国でも乳牛、肉牛、ウ用者に好都合である。↓獣医師〈本好茂一〉 い子孫を期待することはできない。 畜を選ぶための種畜審査ではこの三つとも必要 かちくほうていでんせんびよ である。種畜は「よい能力をもち、これを発揮血統審査は普通、公共機関で行われている血統マ、プタ、ヤギ、メンヨウなどで行われてい家畜法定伝染病 するに必要な体型、体格をもち、しかもそれら登録によって祖先からその個体までの繁殖記録る。わが国では、家畜登録の事業を行おうとすう家畜伝染病予防法によって定められた伝染 の形質を確実に子孫に伝える」ものでなければを調べ、体型上や能力上の特徴について遺伝形る者は、家畜改良増殖法 ( 昭和二五年法律二〇病をいう。集団的に家畜飼育を行おうとすると き、もっとも困るのが、動物の病気が人間に伝 九号 ) に基づき、登録する家畜の種類、登録の 質の有無を調べて良否を判定する。 ならないからである。 審査の種類には、一頭すつの家畜について行種類および方法、審査の基準などの登録規程を染すること、次に動物相互に伝染することであ 〔外貌審査〕家畜の生産能力はその生理作用の う個体審査が多く、これを基礎として数頭の家定めて農林水産大臣の承認を受けなければならる。このため国では家畜伝染病予防法を規定 発現であり、生理作用は体の構造と深い関係を まんえん し、伝染病の蔓延を防ぐように配慮している。 もつ。すなわち家畜の各種の能力はその外貌上畜を比べて順位をつける比較審査や、同一家系ない。 登録制度は、採用される方式によって開放式現在、別表のように二五種類が定められ、家畜 ちの特徴と関係がある。どの家畜にも共通する外のものについて長所・短所の類似性の程度につ と閉鎖式に大別される。開放式は、一定の基準の法定伝染病とよばれている。 いて付点する系統審査がある。登録のための個 カ貌審査の要点は、①用途別の機能を現す特殊体 365
かそくき 加速器 ①アメリカ・スタンフォード大学の電 子線形加速器の全景。全長は 2 マイル ( 約 3.2km ) ある ② CERN ( ヨーロッパ原子核研究機 構 , 略称セルン ) のシンクロトロンの 貯蔵リング・衝突ビーム型装置 ③ソ連・セルバコフ研究所でシンクロ トロンのリング部電磁石プロックを組 み立てているところ ④東京大学原子核研究所にある S F サ イクロトロン。ビーム取出し部から見 たもの 第い、誉二 か・んげき 気体をイオン化する型などいろいろなものがあして次の電極との間隙 ( 加速間隙 ) に現れるまで る。重イオン ( 重い原子のイオン ) の加速器なの時間が、電極に加えられる高周波電圧の位相 の一八〇度進む時間に等しくなるように電極の て。いかに効率よく大電流の重イオン・ビ ームを安定に発生させるかが加速器開発の重要長さを調整しておけば、粒子は電極に加えられ な課題となっている。また、スピン偏極したイる一定周波数の高周波電圧によって繰り返し加 オン・ビームを発生させる偏極イオン源など特速される。陽子あるいは重いイオンの場合には 殊なイオン源も開発されている。加速中に荷電加速されるにしたがって速度が速くなり、電極 粒子が残留ガス分子とのクーロン相互作用によの長さをしだいに長くしなければならないが、 ってエネルギーを失うことを避けるために加速電子線形加速器では電子の質量がきわめて小さ 、十分低いエネルギーでほとんど光速に達し 器には高い真空度が要求される。真空技術の進 歩が加速器開発を支えてきたといっても過言でてしまうので、電極構造は単純化され、円筒内 。とくに多価の電荷をもつ重イオンの場を進行波として進むマイクロ波で加速される。 円形加速器は、直流磁場を用いるものと交流 合には、このクーロン相互作用の影響は重要 で、高エネルギー重イオン加速のためのシンク磁場を用いるものとに分けられる。前者の代表 ロトロンなどでは 10 こ。 リメートル水銀柱以であるサイクロトロンでは、一様な磁場中で荷 上の高真空度が要求される。また加速中に荷電電粒子は円運動を行う。非相対論的近似ではそ 粒子の流れ ( ビーム ) が広がり発散してしまわの周期はエネルギーによらず一定であるという ないためにビームの集束性を保つことも加速器原理を利用している。粒子の円運動の中心を挟 んで平行に置かれた二個の電極の間隙に粒子が の重要な要件である。 ①直流電場加速直流高電圧を発生させ、これ現れ、半円の軌道を描いてふたたび電極間隙に によって荷電粒子を加速するもので、交流を変現れるまでの時間は、粒子のエネルギーにかか 圧器を用いて昇圧、さらに多段倍電圧整流によわらず一定である。したがって加速粒子の円連 って高電圧を得るものと、絶縁された電極に絶動周期に等しい周期の高周波電圧をこの二つの 縁ベルトを用いて電荷を運んで昇圧しこの高電電極の間にかけておくと、中心付近に置かれた 圧を用いる静電型とがある。前者は構造が簡単イオン源より引き出された荷電粒子は、エネル で容易に大電流を得られるが、多段倍電圧整流ギーの増加とともに軌道半径をしだいに大きく しながら電極の間にかけられた高周波電圧によ のため、発生した高電圧の電圧変動が大きく、 加速粒子のエネルギーの幅が大きくなる。一方り繰り返し加速され、エネルギーを高めていく のである。加速粒子のエネルギーが高くなると 静電型では、簡単な電圧安定化装置をつけるこ とによって加速粒子のエネルギー変動の幅をき相対論的効果による粒子の質量増加が無視でき なくなる。このため粒子の回転の周期はしだい わめて狭く一定に保つことができ、またエネル に長くなり、高周波電圧の位相とすれて、やが ギーを変えることも容易で、精密測定に適して いる。初めに負イオンを加速し、さらにそのイて加速されなくなってしまう。陽子に対してこ オンの外殻電子をはぎとって正イオンとし、同のエネルギー上限は約二五〇〇万電子ポルトで じ電圧でふたたび加速するタンデム型加速器もある。 シンクロサイクロトロンは、サイクロトロン ある。 ⑦交流電場加速①の型の加速器では電極に加の加速高周波の周波数を変調し、エネルギーと ともにしだいに長くなる粒子の回転周期に加速 えられる電圧によって加速エネルギーが決定さ れ、電極の絶縁耐圧によって加速エネルギーが周波数を同期させて加速することによって、サ イクロトロンのエネルギー上限を超える高いエ 押さえられる。これに対して、交流電場を用い その位相にあわせて低い電圧で繰り返し加速すネルギーにまで荷電粒子を加速する装置であ る装置である。磁場を用いないで電極を直線的る。しかし周波数変調のサイクルごとに一回の に配置しこれらの電極に交流電圧を加えて加速加速粒子ビームを得ることになるので、平均の する線形加速器と、磁場を用いて加速粒子を回ビーム強度は普通のサイクロトロンの一〇〇分 転軌道に沿って走らせて同じ加速電場で繰り返の一程度になる。一方サイクロトロンの磁場を し加速する円形加速器がある。線形加速器の原中心より外に向かって強くすれば、加速エネル 理を図に示した。荷電粒子が電極内部を通過ギーによる軌道半径の増大は押さえられ、質量 3
キラウェア火山に創設されたハワイ火山観測所である。日本 ん近年、火山地域の開発が進み、噴火の際は死傷者を出すお気・色・濁度・温度の変化、発泡、軽石・死魚の浮上。 ⑦火映夜間、火口内の赤熱溶岩や火炎に映え、上空の雲やにおける火山活動の科学的調査は一八七六 ~ 七七年 ( 明治九 六、それのある区域にも、登山観光客や定住者が激増した。それ ~ 一〇 ) の伊豆大島の噴火に始まる。一、 噴気噴煙が明るく赤く染まって見える現象 ( 火映は噴火の赤 一年に、全国の 力で、小爆発でも大災害を生じやすい。戦後、日本の諸噴火に よる死者総数八七人のうち、五火山 ( 浅間山、阿蘇山など ) 熱溶岩流などによる場合もある ) 。 郡役所で噴火などの異常現象を認めたら、東京気象台 ( 現気 しかし、噴火を的確に予知するには、諸種の精密観測を総象庁 ) へ報告することが定められ、国家事業としての火山観 九件三九人は登山観光客と観光事業に携わる人たちであり、 一九五二年 ( 昭和二七 ) の明神礁海底爆発では、海上保安庁合的、連続的に行わねばならない。その代表的なものは、火測を気象庁が担当するようになった端緒となった。島民一二 水路部の観測船第五海洋丸の全乗員三一人が殉職した。活火山性震動 ( 地震、微動 ) 、地殻変動 ( 土地の昇降、傾斜、伸五人を全滅させた一九〇二年 ( 明治三五 ) の伊豆鳥島の大爆 ばっ一 : っ 山の観光開発などは、防災策を含めた合理的なものでなけれ縮など ) や、地磁気、電気抵抗、重力、地温、噴気 ( 火山ガ発などが火山観測 ~ 噴火予知研究を勃興させる契機となり、 一一年にまず浅間山に火山観測所が設けられた。その観測研 ばならない。噴火災害を防ぐには、火山活動を絶えず監視ス ) 、湧泉などである。諸現象の有線・無線によるテレメー し、その動静を的確にとらえるための火山観測体制を確立すタリング ( 遠隔測定 ) 、さらに熱的状態などのリモート・セ究は軽井沢測候所と東京大学地震研究所支所に受け継がれて るとともに、種々の防災工事や警報組織を整備し、火山知識ンシング ( 遠隔探査 ) 、それらの観測への航空機や人工衛星 近年、火山活動監視の社会的必要性の急増、科学技術の長 を広く普及することが肝要である。なお、草津白根山や草津の利用、データ処理の能率化なども急速に進んでいる。 温泉から流れ出す強酸性の湯川は、一九六五年以降、石灰乳 火山性地震はマグマの動きによって引き起こされ、噴火予足な進歩にかんがみ、気象庁は一九六二年 ( 昭和三七 ) から 知のもっとも有力な手掛りで、一九四四 ~ 四五年 ( 昭和一九全国火山観測体制を本格的に整備し、常時観測 ( 現在一七火 液を常時注入して中和させ、毒水の害をみごとに克服した。 うすさんろく 〔噴火の予知と前兆・随伴現象〕噴火災害の防止軽減には、 ~ 二〇 ) に有珠山麓に誕生した石英安山岩質の昭和新山のよ山 ) と機動観測 ( 基礎調査と緊急調査 ) を併用して、効率的 いっ・どこで・どんな大きさの噴火がおこるかを予知・予報 うに、粘り強い溶岩を出す噴火ほど、顕著な地震がおきやすに火山活動を監視しつつあり、諸火山の活動、状況を広報す 型地震、型地震、爆発地震に三大別される。 < 型るための「火山情報」の発表も一九六五年から業務化され することが肝要である。さらに、噴火開始後に、その後の活 た。また、桜島、霧島、阿蘇、雲仙、浅間、伊豆大島、有珠 動推移を見通したり、噴火停止後に、再発の有無を予知・予は、火山の地下一 ~ 一〇キ。程度の深さで発生し、地震計によ 報することも重要であり、社会的には、最初の噴火発生の予る地震動の記録では、一般の地震と同様に相、相が明の各火山には諸大学の、箱根山には神奈川県庁の観測・研究 りよう 報よりデリケートな場合も多い。このため、火山の動きを総瞭である。型は、活動火口縁の周囲約一キ。以内のごく浅施設もある。日本やハワイでは火山情報がかなり適時適切に 合的に監視し、噴火現象はもとより、その前兆・随伴現象を所に密集して発生し、 < 型に比べて、マグニチュード (ä) 発表されるので、「寝耳に水」の噴火は激減してきた。さら に日本では、気象庁、諸大学などがより密接に協力し、噴火 的確にとらえねばならない。また、噴火やその前兆・随伴現はごく小さく、相も (f) 相も不明瞭である。この型の地震 は、安山岩質の浅間山や桜島などでよくおき、その発生頻度予知の実現を図っていくための観測・研究計画が一九七四年 象は火山ごとに個性があり、噴火地点や噴火形式などの予測 に発足し、それに参加している諸調査研究機関や関係行政官 には、各火山の岩石や地質構造、過去の噴火の様相などの究は噴火ととくに密接な関係があり、噴火予知上とりわけ重要 明が有効である。つまり、野外で過去の諸噴火の年代や、火である。爆発地震は、爆発そのものの衝撃で発生し、爆発の庁の連携を円滑化するための「火山噴火予知連絡会」 ( 事務 ロの位置、噴出物の種類や分布を調べたり、古文書の噴火記規模を知る主要な手掛りとなる。また、伊豆大島やハワイな局は気象庁 ) も創設された。なお、現在、気象庁 ( ないしは 録を考証したりして、各火山の「カルテ」を作成しておくべど、溶岩が流動性に富み、絶え間なく小爆発を反復したり、管下の気象官署 ) が発表する火山情報には、「定期火山情報」 きである。さらに、噴火が開始されたら、新火山噴出物の量溶岩噴泉を形成したりする噴火では、それに伴い、連続した ( 常時、精密火山観測実施の浅間、伊豆大島、阿蘇、桜島の めあかん 脈動型の震動がおこることが多く、ときには噴火前にも地下 < 級四活火山は毎月、普通火山観測実施の雌阿寒岳など級 や化学的・岩石学的性質などの究明も急ぐべきである。 のごく浅所に同様な震動がおきることもあり、火山性微動一三活火山では年三回 ) 、「臨時火山情報」および「火山活動 一般の人でも気づきやすい噴火の前兆現象は次のとおり。 ( 火山性脈動 ) とよばれる。さらに玄武岩質の伊豆大島など情報」 ( 被害を生じたり、生ずるおそれのある場合 ) の三種 ①有感地震の群発。 がある。 〈諏訪彰〉 では、地磁気の変化の連続観測も、地下のマグマの活動の消 幻也島り、島動。 得顕著な地形変化山崩れ、地割れ、土地の昇降、火口内の長を把握するのにとくに有効である。この種の岩石は磁鉄鉱 火山の植生 などの強磁性鉱物に富み、火山全体が強い磁石になっている 地形、とくに深さの変動。 火山の植生は、非火山の植生とはさまざまな点で異なって ④噴気・噴煙・地温の顕著な変化火孔・噴気孔・地熱地域が、マグマが上昇すると、火山内部の温度の上昇や圧力の増 たいせき いる。噴出物の堆積によって、それまで生育していた植生は の新生・拡大・移動、噴気や噴煙の量・色・臭気・温度や昇大で、磁気が変動すると考えられる。↓地震 〔火山観測と火山情報〕火山活動の実態を究明し、その動静破壊され、まったく新しい遷移 ( 植物群落の系列 ) が展開す 華物などの異常変化、地温の上昇、草木の立ち枯れ、動物の 変死。 を監視するため、世界の主要活火山では常時観測が行われてるが、噴出堆積物は一般に保水力が低いために強く乾燥し、 ゅうせん いる。世界最古の火山観測所は一八四七年創設のイタリアの貧養で、しかも不安定な立地となるため、植生の発達には厳 6 湧泉の顕著な変化温泉・冷泉の新生・枯渇、量・味・臭 ベスビオ火山観測所であるが、現在、総合的にもっともよく しい環境となる。火山砂やスコリアなどの傾斜地では、つね 気・色・濁度・温度の異常変化、動植物の異変。 はんもん ⑥付近の海洋・湖沼・河川の水の顕著な変化水の量・臭整備され、各種の研究成果をあげているのは、一九一二年に に種数の少ない斑紋状の群落 ( フジアザミーヤマホタルプク
トになれやすい生向とともに、中石器時代にすても、イヌはニワトリとともに、悪霊を追い払 しかし外界の不良な環境から家畜を守り、生産 〔繁殖〕家畜を増殖させるのに、粗放な飼養形 うものと考えられ、ギリシア神話のケル・ヘロス 3 管理、衛生管理の作業の便を図るためには、畜でに猟犬としての役割をもっていたことを推測 きゅうかく ち一態では、群れのなかに雄畜も雌畜もいっしょに させる。また嗅覚に代表される鋭い感覚能力は三つの頭をもっ冥界の番犬である。今日もョ 入れて交配を自然に任せることもあるが、効率舎を設けて舎鯡いをする必要がある。。フタやニ ーロツ。ハの民間信仰では、夜にイヌがほえるの ワトリのように土地との結び付きの弱い家畜でや、攻撃力、家畜化の過程で培われてきた忠誠 のよい増殖を図り、かっ育種の効果を高めるた 心などは、古い時代からの番犬としての用途をは死者の霊の近づいてくるのが見えるからとい は、多数の個体を集約的に舎飼いし、生産に従 めには、繁殖を人為的に管理する必要がある。 もたらした。牧畜文化の成立以後は、牧羊犬のわれる。他方で、イヌを種族の始祖とする信仰 ウシや・フタは周年繁殖が可能であるが、季節事させる方式がとられる。採卵鶏やプロイラー 繁殖動物のウマは春、メンヨウ、ヤギは秋がそでのケージやバタリー方式がこれである。このように、遊牧家畜の管理にこれらの能力が利用もみられる。中国南部から東南アジア、内陸ア されてきた。しかし家畜化の当初は、ヒトの居ジア、さらに東北アジアから北アメリカのエス ような場合には家畜の排出物や畜舎の汚水が公 の時季で、この季節には雌畜に周期的に発情が 害源となるおそれがあり、汚水処理の施設が必住地近くにきて食べ残しゃ廃棄物をあさる習性キモーやアサバスカン諸族に及ぶ地域に、大祖 訪れ、この期間だけ雄畜を許容するので、その が注目されたと考えられ、また肉畜として最初 ネ話が分布する。代表的なのは、東南アジアの 兆候をみて適期に交配する。近年は人工授精の要となる。 ばん , 一 の用途があったともいわれる。イヌの肉を食べ山地民ヤオ族の槃瓠神話である。また中国では また、家畜の健康管理のためには皮膚のプラ 技術が普及し、交配のために家畜を輸送する必 亠こくてい 、。巴育る風習は今日なお、東南アジア、東アジアと南古くからイヌが祭祀の犠牲とされ、古代インド 要がなくなった。また、精液を凍結して半永久シングや四肢の削蹄を怠ってはならなし月 的に保存することが可能となったため、少数の用の肉畜では雄は幼時に去勢する必要があり、太平洋を含む地域や、西・中央アフリカにみらや古代ベルーでも同様の風習があった。以上の 優れた雄畜を有効に利用することもできるよう産毛用のメンヨウでは生後まもなく断尾を行れ、中国では特別の食用犬種チャウチャウが生ような信仰上の重要性が家畜化の最初の動機で になった。最近では、優れた雌畜にホルモン処う。有角の家畜では群飼の際の事故防止のためみ出され、フィリピンでは尾が活力の源としてあったかは明らかでないが、それが少なくとも しり じよかく 貴重視される。他方でイヌの肉が忌避され、飢家畜化の過程を促す要因であったことは確かで 理により過排卵をおこさせて人工授精をしたの に除角をしたほうがよい。ニワトリでは尻つつ だんし ち、回収した受精卵を、あらかじめ発情周期をきを防ぎ、かっ飼料のむだを防ぐために断嘴が餓などの特別な条件の下でしか食べられない地ある。 域も広くみられる。これには宗教の影響がある〔トナカイとヤギ・ヒッジ〕イヌやネコなどの 行われるのが普通である。 同調させておいた他の雌牛に移植して人工受胎 と同時に、イヌがヒトの忠実な従者として、と ように、各家で一頭ないし数頭飼われる家畜 させ、優秀な雌畜の有効利用を図る技術も開発〔衛生〕家畜の病気には、各種の伝染病をはじ されている。さらにこの技術は、単胎のウシなめ寄生虫病、栄養障害、繁殖障害、中毒症、腫きに家屋内で飼われるように、イヌとヒトとのは、家養家畜といわれる。他方で、本来の遊牧 どに双生子を人為的に産ませることもできるの瘍病、骨折などの外科的疾患などがある。この精神的な結び付きの強さが関係している。イヌ的・群居的生態を利用して集団的に飼われる家 うち伝染病でもっとも重要なものは法定伝染病は、その用途としてはすでに述べたものや、エ畜は、遊牧家畜と称される。後者は、ウシ、ヒ で、増殖にきわめて有効である。 また、雌畜の妊否を早期に診断して、繁殖の に指定されており、これらにかかった家畜の所スキモーのそり犬のような労役用のほかに、愛ッジ、ヤギ、ウマ、トナカイなどの草食の有蹄 がん 有者は、ただちに市町村長に届け出なければな玩の対象として ( 他の用途との兼用も含め ) 現類であり、これらの家畜化は人類社会にとり大 効率を高める早期妊娠診断法も広く行われてい ぶんべん きな意味をもった。すなわち、牧畜という生業 らない。家畜は経済動物であるから、疾病の予代に至るまで人類社会に深くかかわってきた。 る。さらに分娩後、子畜を長く母親につけ哺乳 このことはまた、多種多様な形態をもっ品種のが成立するとともに、家畜の遊牧的生態にあわ させることは、母畜に過大の負担をかけ、次回防に重点を置くことは当然である。また、生命 せてヒトの居住地も移動するという遊牧民の生 にかかわる病気でなくとも生産性に大きな影響分化を生み出した。 の繁殖を遅らせることになるので、早期に離乳 イヌと同じくべットとして代表的なのはネコ活様式が生み出された。有蹄類の家畜化の機縁 し人工乳で育成する技術なども、肉畜では実施を与える疾病は多くあり、これらをいかに防除 するかが、畜産経営のうえで非常に重要であである。しかしネコは、イヌに比して家畜化のとして、約一万年前の西アジアの乾燥化のため されている。 に、ヒトと動物が水場近くに接近して生活する る。↓家畜法定伝染病〈正田陽一・西田恂子〉歴史が浅い。ネコは、その繁殖に人為的なコン 〔飼養・管理〕家畜の必要とする栄養素は人間 トロールが及びに くく、いまなお野生的性格をようになったことが指摘できる。また人口増加 と同様、タンパク質、脂肪、炭水化物、無機〔おもな家畜と人間の歴史〕〔イヌとネコ〕人 と動物増殖とのバランスが崩れたことも重要な もっとも多く保持している。家畜化の起源は、 物、ビタミン類である。これらの栄養素を過不類が初めて家畜化した動物はイヌである。およ 古代エジプトでリビアヤマネコを祖先種として要因とされる。逆に、狩猟の対象となる動物が 足なく、経済的にむだのないように給与するたそ一万年から一万二〇 0 〇年前ごろのヨーロッ ハや西アジア各地の中石器時代の遺跡に、確実行われたと思われ、王国時代にはまったく普通たくさんいると家畜化されにくいことになる。 めに、飼養標準が各家畜ごとに定められてい る。家畜の体重から維持飼料として必要な養分な家イヌの出土例がみられる。またアメリカ合の家畜として一般に飼われていた。家畜化の動アフリカのサバンナ地帯に豊富に生息する草食 量が決定され、それに生産 ( 産乳、産肉、産衆国中西部にも同じくらいに古い家イヌの骨が機は、穀物貯蔵庫のネズミ退治にあったとされ獣は家畜化されることがなかった。近年になっ 卵、妊娠、発育、労働など ) に見合う生産飼料出土している。これは旧大陸のオオカミの子孫るが、偶像崇拝の対象、トーテムの一つとしてて食糧危機からイランドなどの家畜化が試みら も、早くから宗教的意義を帯びてきた。ネコのれている。有蹄類の家畜化について、考古学的 の量を加える。そして飼料の養分含量から給与で、ユーラシア大陸に由来すると考えられてい 証拠や、遊牧民が農耕民との交換経済を維持し する飼料の量と配合割合を定めるのである。ウる。イヌの家畜化が、中央ヨーロッパや西アジ首をもっパトス女神の神聖な動物であり、飼い でんば シやヒッジのような草食動物は牧草や飼料作物アなどでおこり各地に伝播していったのか、あネコは丁重に葬られ、ときにネコのミイラがっていることなどから、農耕起源説がいわれる くられた。今日なおエジプトでは、ネコが幸運が、他方で、狩猟民と草食獣の群れとの共生関 といった粗飼料で維持飼料の分をまかない、生るいは多元的に発生したのかは、いまなお明ら 係から発展したとする狩猟起源説も唱えられ 産飼料の分を濃厚飼料で補ってやるとよい。プかでないが、いずれにしても狩猟民が家畜化ををもたらすものと信じられている。 ところで、古代エジプトではイヌも崇拝の対る。すなわち、草食獣の一部がヒトに狩猟され 行ったことは確かである。イヌの祖先種である タやニワトリのような雑食性の動物では濃厚飼 るかわりに、肉食獣からの保護をヒトによって オオカミは、狩りをする動物として、狩る対象象であった。イヌの祖先種との説もあるジャッ 料が主体となるが、なるべく多種類の材料を配 カルは、ヒトの屍肉をあさることから、その精与えられるという関係である。狩猟民が雄を選 合したほうが、栄養が偏らなくてよい。草食性の動物群の退避行動を巧みにコントロールし、 と一つ めいん ~ し の家畜では牧野への放牧を中心に飼育することそのうちの数頭を孤立させ捕食する能力をもっ霊も体内に取り入れると信じられ、冥界の王ア別狩猟することは、雄の屠殺や去勢という家畜 とうた の人為淘汰の技術につながるものであり、また ている。こうした能力は、他の動物に比し、ヒヌビス神と同一視された。古代ベルシアにおい が家畜の健康にもよく、管理の労力も省ける。 よ - っ ゅうてい
いわれる。ヨーロッパにおいて、豚肉が忌避さウシ ( バンテン ) とヤクは、それぞれインドネ 狩猟民が動物の子を生け捕りにして飼ったことれている。ャギは各地の農耕民の間でも家養家 畜として飼われ、肉や、一部で乳が利用されてれることはなかったが、中世に悪魔が好んで雌シアとヒマラヤ高地を中心とする地域で、おも も十分に考えられる可能性である。 リウシは肉が、ヤ に労役獣として分布する。 いる。しかしャギは一般にウシよりも軽視されプタに変身するとの俗信が流布されたように、 ところで、家畜化の始まりを北方ューラシア クは乳が利用される。アッサムからビルマにか しばしば嫌悪や軽侮の対象とされてきた。 に生息するトナカイに求める説が、かって唱えており、たとえば東アフリカのウシ遊牧民の間 プタに対する低い取扱いに比し、ウシの地位けての山地民の間に半野生の状態で飼われるガ られた。人尿中に含まれる塩分や保護を求めてでは、比較的簡単に屠殺され、犠牲や婚資に用 近づくトナカイが、狩猟民との共生関係を経 いられる場合も価値が劣るとされる。なお古代はきわめて高い。ヒンドウー教徒のウシの肉へャル ( ミタン ) は、儀礼の供犠用である。 て、群れごと家畜化され、これに倣ってウマやメソボタミアのアッシリア時代には、ヤギが神の忌避は、ウシの神聖視に由来する。ウシは古〔ウマとラクダ〕ウマは、ウシに比べ、飼育に くから広範に崇拝の対象とされ、イシュタル手数がかかり、多量の栄養価の高い飼料を必要 他の動物が家畜化されたとの考えである。現在聖な意義をもち、神への犠牲とされた。『旧約 とする。このため農耕民の間に役畜として広範 ( バビロニア ) 、イシス ( 古代エジプト ) 、デメ この説は考古学的証拠などから否定されてお聖書』にもャギがしばしば言及され、ヒッジ、 に浸透することはなかったが、その力や速さゆ テル ( 古代ギリシア ) 、ケレス ( 古代ローマ ) 、 り、トナカイ遊牧は、搾乳や騎乗などの技術とウシとともに神への犠牲獣として述べられてい シバ ( インド ) などの、農業と結び付いた諸えに支配階級の家畜として尊重されてきた。 同様に、中央アジアの遊牧民の影響によるものる。 とされる。しかしシ・ヘリアの諸民族やヨーロッ 〔ウシと。フタ〕人類の経済史上、より大きな役神の神聖獣とされ、中国でも人身牛首の農業「庶民のウマ」といわれるロバは、前三〇〇〇 パ北部のフィン人、ラッブ人の間でトナカイ割を果たしてきた家畜は、ウシと。フタであろ神、神農氏が伝わる。また、イスラム教圏を中年ごろにはエジプトで家畜としてみられ、家畜 化の動機は駄用にあったとされる。同じころメ 心に分布する、大地を支えるウシの観念など、 う。両者とも、ヤギにすこし遅れて七〇〇〇年 は、そり引き用、駄用、乗用などの役畜として から八〇〇〇年前に家畜化された。いずれも定神話の世界においてもウシの重要性がうかがわソボタミア地方では、ウマ属のオナーゲルが家 重要であり、また肉、骨、皮なども広く利用さ れてきた。その繁殖に人為的な干渉の及ぶこと着農耕民の手によると考えられているが、ウシれる。ウシの飼育の起源を月神への供犠用に求畜化され、おもに車を引くのに用いられてい の家畜化中心地がアナトリア地方など地中海のめる説は現在否定されているが、ウシの供犠た。オナーゲルはその後ウマに置き換えられ、 は少なく、野生種との交雑はしばしばおこっ 北東部と想定されるのに対し、プタの家畜化中は、古代オリエント世界やべーダ時代のイン家畜としては放棄されているが、ロバは今日も た。そのため形質上、家畜化の影響は少なく、 ド、あるいは中国の代などで行われており、用、駄用また乗用の役畜であり、一部で肉や この点トナカイは半家 、い地は明らかではない。今日なお・フタが放飼い 品種分化もみられない。 事 - - っド ) ト - - っ され、野生のイノシシとの交雑のみられる東南多く豐穣の観念に結び付いていた。今日なお乳も利用される。中国の北部や西アジア、地中 畜化の状態にあるともいえよう。 アジア地域に起源を求める考えもあるが、各地東南アジアの農耕民の間で、ウシあるいはスイ海地方では日常生活に重要な役割を果たしてい 有蹄類の家畜化に関する最古の証拠は、西ア じゅ ジアの新石器時代初期の遺跡から出土するヤギでそれそれに家畜化されたとの見方も強い。プギュウの供犠の風習が存在し、富や豊穣の呪的る。雄ロバと雌ウマの交配から生まれるラバ は、温順でカの強い性質をもち、役畜として有 促進がその重要な機能とされている。 ( またはヒッジ ) の骨である。家畜化を行った タ家畜化の多元説は、動作が遅く移動に適さな 以上のようなウシの重要性は、その高い有用用である。 い。フタの性質にもよっている。このためプタは のが狩猟民か農耕民かはさだかではないが、イ ウマの家畜化は、前三〇〇〇年ごろに南ウク 性による。ウシは肉、乳や皮などの利用のほか ネ科作物の育っ農地に侵入する野生ャギの捕獲遊牧民の家畜として取り入れられることなく、 から家畜化が始まったとの説がある。ャギは草定着農耕民の間にあって、なれやすく太りやすに、前五〇〇〇年から前四〇〇〇年ごろに西アライナの草原地帯の新石器文化におこったとさ すき い性向と雑食性、多産性を利用され、肉、脂肪ジアで発明された犂と結び付くことで、貴重なれる。その後ューラシア大陸の内陸部の草原に や樹木の葉や若芽を好んで食べる性質があり、 は、ウマに大きく依存した遊牧民文化が形成さ 役畜として農耕民の間に定着していった。さら の食料資源として飼われてきた。南太平洋の 定着農耕の初期に飼われて開墾の手助けに用い けんいん れてきた。 , 彼らにあってウマは、乳や肉が貴重 に車輪の発明は、ウシを牽引に用いることで、 られたともいわれる。ともかく家畜化されたヤ島々の。フタは、紀元前二〇〇〇年ごろに原マレ ー人がもたらしたものであるが、他の大形家畜遠距離、大量の物資輸送を可能とした。牧畜民な食糧源であるとともに、ウマ自身や他の家畜 ギは、西アジアから東西に広く分布していっ においてもウシは重要な家畜である。搾乳は最の群れの管理・防御のために、あるいは戦争や た。その背景には、ヤギが多様な環境に適応すのいないこともあって、大きな価値をもってい る能力をもち、容易に再野生化するように、粗る。メラネシアでは、供犠に用いられ、貨幣の初ャギで行われたがウシにも応用され、多様な略奪などに要求される機動力をもたらす乗用獣 乳製品の生産技術が生み出されていった。東アとして、重要な役割を果たしている。それゆえ 放な飼養管理に耐えうることがある。また、家機能をもち、婚資の支払いなどにあてられる。 中国でも、豚肉はもっとも価値の高い肉であフリカのウシ遊牧民では、ウシの自然死や供犠ウマは、男子の家畜とされ、社会的身分や富の 畜化の初期の用途と考えられる肉用のはかに、 り、三牲の一つとして儀礼に用いられ、東南アの場合のほかに肉を食べることはないが、乳や尺度となり、また天神の供犠に用いられた。ウ 乳や皮、毛の利用などの有用性も、その理由に ふん マの犠牲の風習は、アルタイ系諸族や古代中国 ある。中央アジアから西アジアの乾燥地に分布ジアの一部にはプタを種族の始祖とする神話が血を食用とし、糞を燃料や壁土に、尿を洗顔に するカシミャ種やアンゴラ種は、毛用ャギの代ある。中東地域においても古くは・フタが飼わ利用するなど、ウシを生活に不可欠な資源としのほかに、インド・ヨーロッパ系諸族の間に分 れ、神への犠牲獣にも用いられていた。そのている。それゆえウシは賠償や婚資に用いら布する。ローマ人などは戦神への供犠にウマを 表的なものである。 ヒッジもャギと同じく古くから家畜化され、後、。フタに対する嫌悪の観念がこの地域を中心れ、その数によって社会的地位が決定され、そ用い、古代ベルシアやスキタイでは、王の死に に広がり、今日なおイスラム教徒やユダヤ教徒れをめぐって社会関係の設定や争いがおこるなあたって多数のウマを殉葬した。このようなウ 初期は肉や脂肪が重視されたが、中央アジアで ど、重要な社会的意味をもつ。また他の牧畜民マの宗教上の意義は、王権や軍事とウマとの実 などは、プタを不浄視して食べない。ヘロドト 開発された羊毛からフェルトをつくる技術とと スは、古代エジプトにおいてもプタが不浄な動社会と同様に父系血縁集団が存在し、男性の年際上のつながりを反映している。古代オリエン もに、毛用としての価値が増大した。そしての 物とみなされ、特定の集団によってのみ飼わ齢組織が発達している。これらはおそらく家畜トの文明世界に入ったウマも、第一義的には車 ちにヨーロッパで羊毛工業と結び付き、イギリ 事や支配に結び付いて用いられた。まず前二〇 スでの近代化、産業革命に多大の貢献をした。れ、オシリス神にだけ供犠されたことを述べての管理が男性の手にあることと関係している。 アジアの南部にみられるスイギュウは、イン〇〇年ごろの戦車を引くウマの出現は、戦争の いる。プタの不浄視は、定着農耕民の生活様式 ヒッジとヤギはヨーロッパ南部の山間部で移牧 ダス文明において家畜化され、犂牽引用や乗用様相を一変させ、続く騎馬術の発達普及は、そ 3 ち飼育されており、中央アジアからアフリカにかを軽蔑し、移動に不適当なプタをそのシンポル れから後の歴史を彩る大規模な征服や政治統合 3 とみて嫌悪する遊牧民の感情に根ざしていると 以外に、一部で肉や乳も利用されている。バリ けての牧畜民の間で、他の家畜とともに遊牧さ けいべっ
かじゅえ 果実を毎年適当量生産するように管理する技術 国民一人当り一日の果実消費量をみると、日七・一 % 、一九〈一 I) 、果樹農家は八一・七万戸れる。 かんばっ 果樹栽培では、果実とそれを養う葉、枝、が必要となる。台風や干魃など不測の気象環境 本では一〇七 ( 一九全 ) である ( 表 1 ) 。アメ ( 一九含 ) であるが、平均的農家の経営規模はき リカは二〇六 ( 一九七 0 、ヨーロッパの先進国わめて小さく、五以下が七五 % を占め、二幹、根の栄養体との間にほどよいつり合いがとを防ぎ、安定した生産を支えること、収穫した ではオランダの三五九を最高に、最低のイギ タ以上はわずか二 % にも満たない。狭い土地れていると、毎年、品質がよく適当な収量が保果実の鮮度を保持し出荷することも、重要な管 リスでも一二九等で、いずれも日本より多い を利用した邸内での果樹栽培も多い。⑤発育期証される。これには樹体の炭水化物 (O) と窒理技術の一面である。 次に、主要な栽培管理作業技術を、果樹の生 〔日本の果樹園芸の特徴〕①北から南に細長く は高温多湿のため、病気や害虫の発生が多い 素 (Z) の比率 (C/N) を適当に保つことが必 広がる国土のため、寒冷地向き果樹から亜熱帯病虫害防除のため、多大の経費と労働力を要す要で、窒素が多すぎると栄養成長が盛んとなり育歴にあわせてあげておく。休眠期には基肥の せんてい 果樹まで多品目の栽培ができる。品種改良やる。⑥消費者の嗜好は一般的に味と外観に重点枝葉が繁茂しすぎ、炭水化物が多すぎると生殖施用、剪定と整枝、開花期には花数を減らす摘 新品種の開発が盛んで、柑橘類は栽培北限の産が置かれるところから、とくに外観をよくする成長が盛んとなり花がっきすぎる。これらの生蕾、摘花、摘房、確実に結果させるための人工 地で多様な変異が生まれ、カキもまた多様性に ために費やされる作業量は大きい 理的調節は植物ホルモンによるところが大き授粉、なりすぎを防ぐための摘果、病虫害や薬 い。なかでもオーキシン、ジペレリン、アプシ 害から果実を保護し果皮を美しく保っための袋 富み、いずれも二次中心地となっている。③傾〔栽培管理作業〕栽培にあたっては、果樹類の ほじよう かけ、発育盛期には枝の茂りすぎを防ぎ樹姿を ジン酸、サイトカイニンなどと、エチレンのほ 斜地果樹園が多く、機械化大栽培には不向きのもっ植物的特性と栽培圃場の環境特性、さらに 園が多く、生産コストは高い。 ) 全国の果樹栽生産立地の特性とを総合して、永続的に収入をどよい代謝とが重要である。栽培にあたって保っための緑枝の剪定・芽かきと枝の誘引、追 培面積は四〇・〇万タ ( 全作付延べ面積のあげるようにもっとも経済的な栽培管理が行わは、樹体の生理がはどよく調節され、高品質の肥の施用、収穫前は早期落果防止、果実の色づ イ化官 産る 収穫量 ( 万 ) 実量 数臣 -0 1 《 , 1 ー、 1 0 0 0 -4 ワ 0 0 【 / 《 0 -0 ワム ' 人 8 フー (. 0 広 0 4 ・つ 果費 00 00 ワワ】ワワ」ワ 3 ワ】ワ】ワ】 1 よ 11 -14 戸 0 ワ】ワ・ 4 11 《 0 ′ 0 11 / な農的 ワ】 11 0 》 / 、 .0 -4 、 4 ・つっワな、ま 2 グ産 1 よ 1 よ 7 円 / / 7 7 均ノに 平明農年 が。表 の O ま 2 8 8 8 0 - -0 8 8 8 8 ー 8 8 8 ワ】 - -0 - -0 戸 0 戸 0 尸 0 自甞 -8 -8 ワ】「 -8 8 -8 8- 8 一 -8 -8 川る給 年″ よ需 び日 0 8 「 行およ給 民実 房 5 お デラク デク 国果 四Ⅳ 0 , 、食国 ンルア一カ一ス一スタ ンアカス 一ツ一ダス ~ 臣 ま 0 9 「 スドド ンイスゼジリダ工 ンスエイマンダリ 房 0 ノ省 名。へタメ本ライウドンラナギ 名ラドイルラタナウメュランギ本キ国ンン国 国スイア日フスス西デオカイ注 国オ西スアプイカスアニワディ日パ韓イイ中注 下ト、トい 果樹園芸 〔上〕広い平坦地の利点を生かしたアメリカ・カリフォルニアのオレンジ農園。大資 本を投下して , 灌漑用水路を完備し , 大型機械導入による粗放的経営で , オレンジ の世界的大生産地となっている 〔下〕日当りのよい急傾斜地の狭い耕地を利用した瀬戸内海・倉橋島のミカン畑。大 型機械導入には不向きなため , 集約的栽培が行われている 果樹園芸 / 日本の果樹の栽培面積と収穫量の推移 栽 40 栽培面積 収穫量 かんがい 1905 1910 1915 1920 1925 1930 1935 1940 1945 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 年 注 : 農林水産省統計情報部「果樹生産出荷累年統計」 , 同「作物統計」による てき 219