転倒 - みる会図書館


検索対象: 片山敬済のすばらしいロードレース入門
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1. 片山敬済のすばらしいロードレース入門

【しカ 7 転倒は避けられない、ではどう転べま、 転倒時は、まず頭に気をつけ、体をまるめるのが比較的安全だ。マリのようにコロ コロところがっていく。もし、その先がフェンスなら、かなりの衝撃を覚悟して 各コーナーで、リヤをススーツと流しながらスムースに走る快さは、何とも言えないもので ある。次から次へとコーナーを苦もなくクリアしながら、僕はリズムをとっていた。 その瞬間である。マシンを起こすタイミングがほんのわずかにずれた。 「アッ / シマッタ″こ しかし、その時は、既に遅かった。 マシンは、そのままスライドし、ステンと転倒した。僕の体は、マシンとはなれて、サーキ ットの路面を滑っていく。厚さは 1 ・ 5 ミリある皮のつなぎが、ザザッと削りとられる。 そのまま 100 メートルから 150 メートル、時間にすれば数秒間、僕は平たくなったまま 滑り続ける。 もはや「シマッタ , どころではない。考えるべきことはただ一つ。コースのどこへ流れつけ 142

2. 片山敬済のすばらしいロードレース入門

団ゴールの一瞬 ある年のフ一フンス Oh- 、トップでコールに飛ひ、んだオリビア・、ンユバリエ選 手はあたりなまわす号泣した。そこには、理さの男の姿ガあった 同ホンダに乗るのが夢だった 「いつの日ガ、絶対ホンタでチェッカーフ一フッグを受けてやる」というのガ、僕 のノービス時代ガらの野望てあった。ボワは契約を結ひ、野望を果ヴためのス タートを切った 同 350 8 と 500 8 のレースはどこが違うかー 今度は 500 8 ワ一フスへの眺戦を。ハワーは川馬力ガら 110 馬力にアップす る。高速ては時速 240 キロガら時速 29 〇キロの世界だ。ベネスエラ OQ- 第 戦ガ始まった ⑦転倒は避けられない、ではどう転べばいいかー 転倒時は、ます頭に気をつけ、体をまるめるのガ比的安准だ。マリのように コロコロところガっていく。もし、その先ガフェンスならガなりの衝撃を覚 梧して 囘ライバルは自分自身た″【 僕はいつも皀分の限界点で走ってる。それガ僕のやり万だ。一フィダーガ自分の 人生を全うするにはハーフェワトを求めるしガないのだ。だガ、そうなると 137 139 142 145 131

3. 片山敬済のすばらしいロードレース入門

~ レレか、そればかりを考えている。 コースサイドの安全地帯までたどりついた時、安堵感とともに確実に勝利を失ったことを知 ところで、ライダーにとって、転倒は避けることのできないものだ。どんな名人、達人でも、 何回かの転倒を味わっているが、これにはさまざまなパターンがある。 ベネズエラ戦の場合は、リヤが滑った状態での転倒だが、このようなコースでは、マシンは、 風車のように回転しながら、路面を滑っていく。ライダーがマシンにしがみついたままでいる と、マシンの滑っていく早さと同じス。ヒードで路面を滑ることになるから、手をはなした方が 安全である。 / マシンがつんのめった形で転倒することがある。この時はライダーも、頭から路面に転倒す ることになるが、単なる転倒ではすまない場合が多い。ス。ヒードにもよるが、たいていは前方 女回転のように、ゴロンゴロンと縦に転がっていくものだ。 の もし、その最中に、頭を打ち意識不明となったら、最悪の事態も考えなれければならない。 意識不明になった人間は、手足を伸ばしたままの状態になってしまう。そのまま前方回転をし 3 たら、将棋倒しを繰り返すようなもので、人間の体はバタンバタンと路面に叩きつけられるこ 3 とになり、手足の骨はパラバラになってしまうことになる。

4. 片山敬済のすばらしいロードレース入門

( オランダ 0-4 、チェコ A-4 、イギリス・はリタイヤ ) 優勝 5 回、 2 位 2 回という走りつぶりで、総合得点点。 第 2 位に点という大差をつける圧勝ぶりだった。 3 気筒マシンは確かに凄い威力をしめした。しかし、 3 気筒で勝ったのは西ドイツ、ユ ーゴ、フィンランド g-4 の 3 レースである。 あとのレースは旧来のマシンでもぎとったものだ。 ジャジャ馬は、最後までジャジャ馬ぶりを変えなかった。ポール・リカール・サーキットの トリッキーなコースでは、からきし意気地がなかった ような直線コースでは他を圧倒したが、 ざのである。 をこの年のレースで、特に思い出深いのは、ユーゴである。 恥その前のフランスを勝 0 た私は、レースの合い間を縫 0 て、日曜にインターナショ 界ナルレースに出場した。 世 だが、大転倒を演じ、鎖骨を折ってしまったのである。 2 ケガ自体は、おなじみの骨折である。ただ痛いだけだが、もっと痛いのは、レースに出 7 第 られなくなることである。

5. 片山敬済のすばらしいロードレース入門

タイトコーナーに飛びこんだ時、いきなりフロントホイールがながれた。つぎの瞬間、僕の ・体は、コースに投げ出されていた。 幸い怪我はしなかったが「アレツーと首をかしげたくなるような転倒ぶりである。 レつもなら、転倒の理由は、自分なりに理解できるのだが、この時はストンと足ばらいをく った感じで、何がなんだかわからなかった。コースアウトしてからメカニックたちと額をつき 合わせて検討した結果、原因はタイヤであることが分かった。 タイヤは、釜の中に材料を入れてつくるのだが、品質管理が適切でないと不均質な製品が、 できあがってしまう。 したがって同じ製品ナンバーでも、できのばらっきが出てしまうのだ。 これは、そとから見ただけではわからない。実際に乗ってみてはじめて分かるのだから厄介 なのである。 転倒を経験してからの僕は、また 1 から出直ししなければならなかった。 タイヤのすべりを気にしながら、のろのろと走るのである。 だが、タイヤの問題を差し引いても、自分自身としては、満足な乗り方ができていないこと が、日を追って分かってきた。 心の中に「アレッ、おかしい」「ヤバイなア」という不安のかたまりが膨れあがってくるの 174

6. 片山敬済のすばらしいロードレース入門

1 回の割合で事故に合うとすれば、一生に一度は訪れる死と同じ確率である。 ところが、実際には生後間もない赤ちゃんでも飛行機事故に会う。誰が事故に合うかは分か らないし、会った人にとって安全性などまったくの数字の遊びでしかないのである。 ある人にとって、ロードレースは命賭けのスポーツかも知れない。僕にとっては、鎖骨を折 る程度のスポーツなのである。 1 人の少年が、僕にこう話したことがある。 「オートバイに乗ると、恐ろしいんです。恐ろしさになれようと思って毎日走っているんです が、やつばり恐ろいんです。どうすればいいのでしようか」 危険は客観的な判断、恐ろしさは個人的な気分ということになるが、結局のところは同じだ と僕は思う。 恐ろしければ、オート・ハイに乗らない方が身のためだ。恐ろしいと思っていれば、いつまで たっても恐ろしさを振りはらうことはできないのである。 僕はレースの危険性には、十分注意をはらっているが、恐ろしさも痛切に感じたことはな い。転倒した直後のレースでは「大丈夫かな ? 」と思うこともないではない。しかし、自分が 転倒した理由が分かっていれば、自ずから恐ろしさと無縁でいられるのではないかと思う。 例えば、コーナリングで無理をしたり、オイル漏れの上に乗っかったりして転倒したのであ ↓ 20

7. 片山敬済のすばらしいロードレース入門

次々と乗りあげたため死者が出る騒ぎとなったのである。 その時の状況をくわしく知っているわけではないが、もし、転倒者が、コースアウトするこ とができたなら、悲」 は、避けられたかもしれない。 モトクロスと走りが違うが、ロードレースでも同じことが言える。 いや、転倒時の危険性は、モトクロスの比ではない。転倒しただけで人生にグッドバイなん てことは、ザラだし、その上に他者が乗り上げてきたりしたら、もはや救いようはない。 ミラノ・サーキットのコーナーで、僕は真直ぐに走った。 激しいプレーキングの音、タイヤがスリップする音がしたが、僕のマシンには、何の影響も なかった。次の瞬間、僕はマシンもろともコースから跳び出していた。 まずは第 1 難関は無事通りぬけることができたが、ビンチはまだ続く。コースの外側は強烈 なラフである。丈の長いブッシュと瓦れきがゴロゴロしているこのラフの中に、マシンは時速 10 0 キロ以上のスビードで突っ込んだ。 まるでロデオ乗りをしているようにマシンが弾む。ハンドルにしがみつき懸命にじやじゃ馬 をなだめる。大きく一度弾んだマシンが、胸震いしながら停止する。 ヘルメットの中に、汗がドドーツと流れ落ちる。できることならここで一息入れたいところ だが、そんな余裕はない。 196

8. 片山敬済のすばらしいロードレース入門

走りつぶりも良くなっているのだから、やる気も満々。だが気持ちどおりの結果がいつも約 東されているわけではない。 ミラノ・サーキットでのレース。スタートから中団グルー。フを走っていた僕は、勝負どころ と見て、一気に 3 台ぶつ続けに抜いた。 カカ、結果から見ると、これは無謀であった。一気に 7 位に上がった僕のマシンの前には 度、つまり直角に曲がるコーナーがあった。 ところが、僕のマシンはスビードが ここは、目一杯減速し、ローで回らなくてはならない。 乗りすぎていた。コーナーの入口に達した時には、もはや制御することが不可能となってしま 畆っていたのである。 左右には、十分に減速して、コーナーに突っ込もうとしているマシンが 4 、 5 台展開してい たる。それらのマシンと同じアクションを取ろうとすれば、タイヤは滑り出して転倒するのは明 らかである。と言って転倒をさけるためには、マシン群のど真ん中を突っ切り、コースアウト 「さあ、どうする ? 、実はそんなことを考えてはいられないのだ。 起するしかない。 再 判断するために残されている時間は、 1 万分の 1 秒もありはしないのである。 章 こんな時どうするか。ライダーはコースアウトを選択する。 3 月 6 日、埼玉県桶川で行われ 5 第 たモトクロスレースで、アクシデントが起きた。 1 人のライダーが転倒し、後続車がその上に

9. 片山敬済のすばらしいロードレース入門

6 インターナショナルレースで大転倒、鎖骨骨折 快進撃が始まった / だが、フランスのあとのレースで大転倒、鎖骨を骨折。「先 生、来週はユーゴに出たいんです」。医者の荒治療に耐え、再びレース場へ 行年の第 3 戦から、僕の大躍進が始まる。順位は次の通りだ。 第 3 戦西ドイツ 優勝 第 4 戦イタリー 3 位 第 5 戦ス。ヘイン 3 ~ 征 第 6 戦フランス A-4 優勝 第 7 戦ューゴ P-« 優勝 第 8 戦オランダ c.D 第 9 戦スウェーデン 優勝 第戦フィンランド 優勝 第Ⅱ戦チェコ 8

10. 片山敬済のすばらしいロードレース入門

家財道具を叩き売り、妻と共にヨーロッパへ 「レースをやめような」と僕。「ライーを続けなさい」と妻の返事。 1 ロ限り 囘睡眠不足、疲労、空腹の日々 睡眠不足、疲労、空腹の毎日。た、明日を信じるだけ。ついに、メカ一一ッワ ガ辞めた。この先どうヴれはいいんだ、との中で明んでみたガ 3 フィダーという名の放浪民族 フラストレーションガをまって、ホームシッワにガガった。だガ、妻の無言の 励ましを支えに、再び広いヨーロッパ大陸を走り口った。サインホードさえ買 えないレースガ始まった 同工ンジンに火がついたテンマーワ OL ー 苦しみの中で年の全レースガ終っをとき、手元に 100 万ガ残っていた / し ガも、成績は総合 2 位。そして、 3 気筒エン ) ンンにやっと火ガ吹いた 同インターナショナルレースで大転倒、鎖骨骨折ー 快進撃ガ始まった / だガ、フ一フンス oæのあとのレースて大転倒、鎖骨を骨折。 「先生、来週はユーゴ oæに出たいんです」。医者の荒治療に耐え、再ひレース 場へ 106 101