今月の ニューフェイスモレ ( ホビーネットワーク % ) コンべア XFY -1 ボコ 「「 0 凵 N 一 お目にかかれなかったキットだけに あたかも S F 映画に登場するロケ 組み立てに際しての注意すべき点を プラモデルのマニアにとっては非常 ットのような X F Y ー 1 は、 1950 年頃か 2 、 3 挙げると、まず第一にキット ら垂直離着陸機 (VTOL ) の試作機 にうれしいことと云えるでしよう。 のポイントとなるニ重反転式のプロ 素材はシルノヾ一色でモールドされ として、アメリカで開発製作された ペラは簡単でユニークな仕組みだが、 ており、このクラスのスケールとし 機体です。 充分に仮り組みの段階で調整をすれ この試作機はヘリコプターのよう ては部品数はコックビットの透明部 ば、スムーズに回転するようになる。 に大きなニ重反転式のプロペラを装 品を合わせて、 35 個と少ないが、珍機 またプロペラブレードは前縁が角ば 備しており、航空機としては全体的 のコレクションとして楽しめるキッ っているので、削って型を修正する な形体から珍機の部類に入る機体と トではないだろうか。 必要がある。 云えます。 キットのモールドは金型が古い為 胴体の左右と下面のェアインテーク 機体は試験飛行の結果、垂直離陸 か、多少バリが多いが、現在の製品 や尾部の開口部も、つつ抜けなので、 と水平飛行には成功しましたが、操 レベルでは評価しないほうがよいだ プラ版等で多少の細工をすると実機 縦がむすかしく、また色々な面から ろう。 の感じが出せるようだ V T 0 L としての機体としては開発困 付属部品として、バイロット塔乗 コックヒ。ットの内側は簡略化されて 難と云う事で量産はされませんでし 用のタラップ台とバイロットが 1 体 おり座席のみがセットされているが、 ついている。 せめてコックピットフロア キットについて デカールは試作機用が一種類つい は自作して付けたいものだ。 販売はホビーネットワーク加盟の ているが、フィルムがうすくキット 以上がポイントだが、あまり実機に 店で行われるが、 になじみやすいデカールである。 関する参考資料が少ないので塗装は ニューキットでは 品を合せて、 35 個と少ないが、珍機 説明書通りでよいだろう。 製作上のポイント 売されたキットの金型を使っての再 ( 製作と文・香取信世 ) 各部品共バリが多いが、充分な仮り 販であるが、近頃は余り模型店でも 組みをすれば組み立てに問題はない。
77S めのサイドワインダー AAM を切り詰 ならなくなってしまう。主翼下面に 明部品で成形されていたり , よく出 来ているが , 細かい部品が省略され 黄色と黒の三角形を描く場合には , めて使うとよいだろう。 機体全体の塗装は , 上面は 3 色迷 ているので手を加えてやるとよいだ エレホン作動用アクチュエーターカ ろう。機体駐機中は , 脚作動用アク 彩のものと全面グレーのものとがあ は塗装後接着した方がよいだろう。 る。迷彩機には主翼上下面 , 垂直尾 チュエータのビストン部に赤いカノヾ 実機には , 胴体と右主翼のフィレッ 翼に黄色と黒で大きく描かれている ト部 , 中央あたりから前の部分に帯 ーが付けられているので , そこの所 ものがある。これは , 味方識別らし 状の膨らみがあるようである。これ を赤く塗っておくのもよいだろう。 脚柱 , ホイール共に銀色である。翼 いのだが , はっきりしたことはわか は , キットにモールドされていない らない。またラダーを白と赤の縞模 下面の増槽は , キットでは中央部の のでプラ板等で成形して付けるとよ 様に塗られているものもある。迷彩 いだろう。しかし , これは全機に付 くひれたものが入っているが , 実際 の色は , 明るいグリーンと茶系 2 色 けられているかどうか , 私の所には にそういう増槽があるのかどうか , 資料が不足でよくわからない。胴体 である。色は , グリーンが F S 34272 よくわからない。 77 年バリ航空ショ 濃い方の茶色が F S302 円 , 薄い方の 上下面の 4 つの小さな工アインティ ーに出場した機体に付けられていた の茶色カく F S 3353L 下面が FS35622 クは , ヒケがあるので埋めて成形し 増槽は , くびれているようにも見え と書いてある本もあるが , たぶん推 てから接着すること。上面はダボが る。他の機体の写真では , くびれて 定であろう。カラー写真と見比べる ないので位置に注意すること。また , いないものを付けている。増槽の塗 と , だいたいそのような感じである。 空気の入口が開けられていないので 装は全面下面色のものと , 上面が迷 しかし下面は , バリ航空ショーに出 ビン / ヾイス等で彫り , ナイフで四角 彩されているものがある。作例では に成形する。カナード翼は , 合せを バリ航空ショーに出場した機体と同 場した機体は白のようである。レベ しておき塗装後接着した方がよいだ 様 , 下面色一色とした。シャフリル ルカラーで作る時は , グリーンか , ろう。脚カバーは開いている状態 , AAM はサイドワインダー AA M より太 デイトナグリーンに艶消し剤 , ガル 閉じている状態どちらでもよいよう く , 短いものである。キットでは少 グレイ , 黄色を混ぜたような色で , である。脚カバーの内側 , 脚収納部 少細いようである。また , フィンが 濃い茶色は , レッドプラウンとカー 内部は白である。脚は , 着陸灯が透 厚いので , できれば他のキットの太 キを混せたような色で , 薄い茶色は
《 PATROUI LLE DE F 日 ANCE 》 フランス空軍唯一の曲技チーム。 正確な編成年月は不明だが、円 56 年 こ・ろと推定される。 M. D450 ウーラガ ンでスタートし、 M. D 452 ミステール チームのエンプレム を経て円 72 年までは無塗装銀を主体 ド↓ にした塗装であったが、 73 年よりダ ークプルーを基調としたものに変更 された。この際、チームのエンプレ ムも変更されている。 ーガ・マジステー丿レ マフ 物◆、、 A94 ・ 5 くコモンウェルス・ セーノヾー Mk. 32 《 BLACK DIAMONDS 》 オーストラリア空軍第 75 飛行隊所属の曲技チーム。同空軍 にはセーバー装備の曲技チームとして他にレッド・ダイアモ ンズ , マークスメンがあった。図の機体は円 63 年頃のもの。 マヒューズ OH ー 6 《 SILVER EAGLES 》 円 72 年のトランスポ 72 " でデビューした アメリカ陸軍のヘリコプタによる曲技チーム。 OH ー 6 の軽快な運動性を生かしたョーヨー まわし " は圧巻。航空ショー出場の際は , 図 のように目 , 鼻 , 耳 , 帽子を付ける。機体塗 装は陸軍機らしくオリープトラブと白。 《 BLUE IMPULSE 》 航空自衛隊こ自慢の曲技チーム。昭和 35 年 4 月 , 第一航空団第一 飛行隊内の空中機動研究班としてスタート , 53 年末に第一飛行隊 が解隊したため現在は第一航空団直属の特殊飛行班として存続 している。 F—86F の退役も目前に迫り , まもなく T - 2 へ 機種改変する。機体の塗装は当初は無塗装銀地に青 , 白の ストライプであったが , 昭和 39 年春に現在の塗装に改め られた。なお , 図の 773 号機は 47 年Ⅱ月入間川河原に 墜落して失なわれた。 シ丿レノヾーイーグルスの 工ンプレム ( 左側ドアに付く ) マ直径 5 フィートの 、ヨーヨー △ノースアメリカン F ー 86F ー 40 セ - ーノヾ 96
に置かれた実物そっくりのコクピッ トに位置する。彼の前には機体の状 態を示す計器類が並び , スティック , ペダル , スロットルも備わってい る。正面には大型のテレビ・スクリ ーンがあり , HiMAT の実験機に前 方向きに据えられたテレヒ・・カメラ が写した光景が投影される。高度 , 姿勢といったデータも送られてき て , 計器上に示される。だからパイ ロットは側方や後方の視界が無いこ と , 機体の運動に伴う G を受けない ことを除けば , 全く実際に飛行して いるのと同じ経験をし , 操作を行な える。 パイロットに G などの肉体的負担 がかからないことも , 無人機を使う 利点の一つだ。 HiMAT では人間の 耐久限界にかかわりなく , 機体自体 の技術的限界を追求することも可能 だ。 HiMAT 実験機は去る 7 月 27 日 に , DFRC ( ェドワーズ基地 ) で B- 52 から投下され初の自由飛行を行な った。その時の「パイロット」は N ASA のウィリアム・ H ・ダナであ った。彼は 1960 年代に X ー 15 ロケッ ト機のパイロットの一人として鳴ら した大べテランで , もう 50 歳に近 い年齢ではないだろうか。これから は肉体的限界から引退を強いられて いた名パイロットが , HiMAT のよ うな無人機のテストに活躍出来るか も知れない。 構造には複合材料を多用 HiMAT の構想は 1973 年に , N< SA の二人の技術者 , ロイ・ジャク スンとリー・シェラーの話し合いの 中から誕生した。その時の話題は , どうすればアメリカの軍用機技術に おける優位を保てるか しかも経 済的に一 -- ーということであった。そ の結果低コストの無人機の計画が生 まれ , 第 1 段階 ( フェイズ I ) 研究 にはアメリカの主要航空機メーカー 9 社が参加することになった。フェ イズⅡ研究はロックウェル , グラマ ン , マクダネル・ダグラスの 3 社に 絞られ , 設計案が検討された後 1975 年 10 月にロックウェルが機体 2 機の 製作を含むフェイズⅢ契約を獲得し 15.56 FT ↓ 4.33 FT 22.50 FT ・ HiMAT 機の 3 面図と主要データ。全備重量 1 , 520kg , 燃料重量 300kg , 最大 12G に耐えられる。 た。なお前述のように , HiMAT は 空軍と NASA の共同研究計画で , ライト・パタースン基地の飛行力学 研究所と DFRC がそれそれ担当し , 飛行テストは DFRC が行なう。 HiMAT 実験機は , 全幅 4. 75m , 全長 ( 機首プロープを含む ) 6. 86m , 全高 1.31m のきわめて小さな機体 で , 自重 1 , 250kg , 発進重量 1 , 529kg に過ぎない。 それなのにエンジンは正規推カ 1 , 588kg , アフターパーナ推カ 2 , 268 kg のジェネラル・エレクトリック J85 ー 21 を 1 基搭載しているのだから , 推カ / 重量比は発進時に 1 ・ 48 にも達 する。また翼面荷重は 284kg / m2 し かない。現在最高水準の機動性を持 っ F ー 16 が機内燃料半減状態 ( 8 , 612 (g) の時 , 推カ / 重量比 1.32 , 翼面 荷重 309kg / m2 なのだから , HiMAT がそれを上回る性能を発揮するのは 当然だ。 このように優れた数値を得られた のは , 何といっても複合材料をはし めとする新材料の思い切った使用に よるところが大きい。 HiMAT とは High Material TechnoIogy ( 高度 の材料技術 ) の略かと思う程だ。も ちろん推カ / 重量比 7.3 に達する J 85 ー 21 ェンジンの高性能も貢献して いるが。 HiMAT の機体表面は , 後部胴体 , 翼前縁などの一部を除き , グラファ イト ( カーポン ) 複合材料で造られ ている。その構造重量に占める割合 は 26 % にもなり , これに FRP を加 えれば複合材料の割合は 29 % , 全体 の約三分の一にもなる。これに対し 従来のアルミニウム合金は 26 % を占 めるに過ぎず , チタニウムが 18 % で これに続いている。 複合材料使用のメリットは軽量化 ばかりではない。御存知のように複 合材料はガラス , グラファイト , ボ 69
%TOTAL STRU ℃ TURAL WE!GHT 26 GRAPHITE MISC TUNGSTEN SINTERED STEE し 引 TANIUM ALUMINUM FIBE RG LASS HiMAT のテストで得られたダー タは , NASA ラングリー飛行研究 センターの異種機動ンミュレーター (DMS) のコンピューターにインプ ットされ , 実際の空中戦を想定して 解析される。 DMS はコンピュータ ーで結合された二基の精巧なシミュ レーターで , その片方に HiMAT の , もう一方に仮想敵機のデータを れて , 空中戦を行なわせるわけ WING PLANAR "ARROW" 鬱 ) 1990 年代の戦闘機に向けて HiMAT のテスト飛行はこの 7 月 に始まったばかりだが一一最初の予 定では 1978 年 2 月に開始されるはず だったが延び延びになっていた 既にロックウェルでは将来の発達型 の構想を発表している。 もちろん HiMAT そのものが 応実用戦闘機の縮少型になっている のだから , これを拡大した ( 2.27 倍 した全幅 10. 8m, 全長 15. 6m, 全高 3.0m 程度 ) 機体が当然考えられる。 翼面荷重を同じに保てば重量は 5.15 倍 ( 2.27 の自乗 ) , 7 , 900kg 位にな る。 HiMAT の発進重量は戦闘開始 時の重量と考えられるから , 離陸総 重量は 9 , 500kg 級になるだろう。 大きさは F ー 16 程度で重量は数百 kg 低い機体は , 複合材料を使えば 今の時点でも造り上げられるだろ う。これに権力 25 , 01b ( 11 , 340kg ) 級の F18 , F101X 等のエンジンを 組み合せれば , 推カ / 重量比も 1.44 程度が得られる。 HiMAT を基礎にした実用機の出 現は , 1990 年代以降になるだろう が , その前に研究しておかねばなら ない課題は沢山ある。これを低コス トで追求するため , HiMAT の機体 はモデュラー構成になっていて , 簡 単に形態を変化させることができ る。 AR NOZZLE 2D H ー G H BASIC CORE 中心となるのは前部胴体と , これ にプレンドされた内翼で , べインツ ク・コア ( 基本の核 ) と呼ばれる。 これに組み合せる後部胴体 , 外翼 , カナード等を色々変えることで , 全 く特性の異なった機体に出来る訳 だ。テレビの子供向け SF 番組の 「合体メカ」と同じことと考えれば 良い。 第一に考えられる改良は 2D ( 二 次元 ) ノズルの採用だ。 2 D 空気取 入口は F ー 14 , F ー 15 , MiG ー 25 等でお なじみだが , 将来の戦闘機は出口の 方も二次元型 ( 横長の長方形 ) にな ると思われる。 2 D ノズルは面積の 調節が容易で , また排気の向きを偏 向して STOL 性を得たり , 機動性 を強化するのにも好都合だ。 また主翼の形では可変取付角翼 , アロー形翼 , 前進翼が考えられてい る。特に前進翼は最近脚光を裕びて いるもので , ロックウェルでは , 前 進翼とカナードを組み合せた将来の 戦闘機のモックアップを発表してい る。 HiMAT は世界の軍用機技術をリ ードするアメリカが , 今後もリ を続けようとする執念の現れだ。将 来の戦闘機がどうなるか知りたかっ たら , HiMAT に注目していた方が 良い。 SWEEPWING FORWARD WING INCIDENCE VARIABLE ・ HiMAT 機の基本構造部である胴体と主翼付根部分をもとに , カナード ( 前翼 ) と主翼外翼 , 尾翼を名型式につけかえることによっ てテストモデルをかえることができる。
この頁上は前回にも登場 したアントノフ An—8 キャ ンプの、軍用中の非常に めすらしい写真た。 , 機体の後に続いた An-10 、 ー 12 系の母体となった胴 体の側面形が明りように わかる。上から 2 番目は ッポレフ Tu -- 95 。 2 重反転 プロペラつきクズネッオ フ NK—12M ( 14.795ehp ) 4 発の電子偵察、哨戒機で ある。この機も初期の A 型であることは、そのシ ンプルな機首からわかる 右下 2 枚はヤコプレフ yak—270NATO コードネー ムフラッシュライト D 型 と思われる機体。 Yak25 ~ 28 系は 1960 年代から最近 まで数多くのノヾリエーシ ョンがあると知られてい るが、時の流れとともに このようにシャープな写 真が見られるようになっ たわけだ。すでにおわか りのように 7 月号の特 集と同し場所で写された 写真が多いが、 機体の保管場所等はいま だに不明だ。もし参考に なる御意見あれば、お寄 せいただきたいものだ ーら朝 ; は、、こ、をごを ~
れ 、カヤ ~ " い物はや k この頁上と中はアプロ , アシュ 、トン Mk1 。中はアプロ・チュー ダ—Mk 1 だカ第両機の比較のた めに中央に置いてみたこのチ ューダ Mk X V 195 は後にア シュトンの基になった Mk8 に改 造される。上下 2 機の機体を比 べるとさその細部のちがいに興 味を引かれる。今日の目でみれ ばいこの 199 年代の最後に、米 国はポッド式工ンジン装備方法、 英国は主翼への半埋込み式か内 臓式を実用化しようとしていた ことがわかる。いずれにしても、 ショ←ト、アプロいビッカース の各社の機体が、 ~ 英国ジェット 輸送機の第一世代であったこと はこの頁でおわかりいただけた であろう。 。 = に品 r *Mk1/Mk8 4 の ~
戦闘機の機動性の極限を目指す HiMAT 計画 コントロールの小型無人機だ。 この種の慣性モーメントが大きく 無人機で限界に挑戦 何故小型の無人機を使うのか ? 主翼の小さな機体では , スピンに入 HiMAT—ノ、イマットと発音す その理由の一つは言うまでもなく った時の自転速度 , 降下速度共にき る。将来の戦闘機に不可欠の高度の コストの問題だ。無人機ならパイロ わめて大きい。パイロットには強い 機動性を追求する , アメリカ空軍と ットのための脱出装置 , 空調ンステ G がかかるので , スピンからの脱出 NASA ( 航空宇宙局 ) の共同計画の ム , 計器等が不要になり , それだけ 操作も機体からの脱出も困難にな ことだ。その名も Highly Maneu- 単純・小型に製作出来る。小さな機 る。 体が大きな機体より安上りなのは自 verable Aircraft Technology ( 高 ところが戦闘機が空中戦などで限 機動航空機技術 ) に由来する。 明の理だ。 界ギリギリの機動を行なうと , 主翼 もうーっの理由は安全性だ。画期 HiMAT 計画でテストされるの の失速からこの危険なスピンに入り は , しかし実際の戦闘機の原型では 的な新型機のテスト・パイロットに 易い ( スト ール・スピン ) 。 は常に危険が付きまとうが , 特に恐 ない。それは 1990 年代に出現される NASA のドライデン飛行研究セ と予想される戦闘機の設計を , 44 % ろしいのがジェット戦闘機のような ンター (DFRC) では , テスト・パ ( 相似比 2.27 ) に縮少したリモート 高性能機のスピンだ。 イロットが危険なスピンに巻き込ま れないよう , F ー 15 の失速・スピン特 性のテスト用に無人機を使う方法を 考え出した。この時使われたのは実 物の F ー 15 の 3 / 8 ( 37.5 % ) の縮少モ デルで , もちろん重量配分などは実 機と厳密に同様に造られ , B ー 52 から 投下して各種のテストを行なった後 スキッドを展開して着陸するように なっていた。実機のパイロットの位 置にテレビ・カメラが提えられ , 操 縦操作は地上でテレヒ・画面を見なが ら行なわれた。 HiMAT でもこの方式が踏襲され ている。すなわち HiMAT は同し リモートコントロールとは言って も , 操縦者が機体を肉眼で追跡しな がら操縦操作を行なうラジコン機と も , オートパイロットのパラメータ ーを操作するだけの標的機とも , 全 く異なっている。 HiMAT の「パイロット」は地上 ・発射母機、 B ー 52A から投下された直後の HiMAT 機の想像図。 68
に開いた空気取入 ロン等の繊維を布状にしたものを重 ね , ェポキン等の合成樹脂で固めて ロと共に F ー 16 の 胴体のマネのよう ある。必然的に繊維の並ぶ方向によ って強度や剛性の違いが生し一枚 だが , もちろんそ の板が前後方向には強く , 左右方向 うではない。ロッ には曲がり易い , といったことにな クウェルでは早く る。 から BWB の概念 を追求していて , この複合材料独特の性質を上手く 生かして翼を造ると , 飛行中に翼面 B-I で初めてこれ を用いたし , マク にかかる空カ荷重によって上 ( 下 ) 半角 , 捩り , キャンパー等を都合良 ダネルに破れはし く変化させることが出来る。 F ー 16 で たが F ー 15 の競争 は飛行状態に応じて主のフラップ 設計でも BWB と とフラッペロンを動かしてキャンパ 下側空気取入口の ーを変化させているが , HiMAT で 機体を提案してい はこれを空力を利用して行なう訳 た。 た。 HiMAT の着陸 は DFRC のある 形態的にも HiMAT はユニーク た。一般的な分類に従えばカナード ロジャーズ乾湖の ( 前 ) 形式に入るが , カナードは 湖底にだけ行なわ 主翼ときわめて接近した位置にある れるので , 降着装 置は簡単なスチー ( クローズ・カプルド・カナード ) 。 ・ HiMAT 機名部の構成材質とその使用比率 ルのスキッドになっている。しかし これはカナードの後流を主翼上面に HiMAT は B ー 52 改造機の右翼 将来は車輪と交換出来るような設計 吹き付けて , 常に気流を安定した状 下に吊り下げられ , 高度 45 , 000ft になっている。 ・態に置くエ夫だ。 ( 13 , 700m ) で空中投下される。 H ただし基本形式は同じだが , HiM iMAT のエンジンは地上で始動さ マッハ 0.9 で 8 G の維持旋回 AT の初期の想像図と完成した機体 れ , 発進までアイドル状態に置かれ HiMAT の操縦は DFRC 内に設 の間にはかなりの違いがある。初期 る。燃料は母機から補給される。 H の案では主翼付け根の前縁が延長さ けられた地上のコクピットから行な IMAT の燃料搭載量は 304kg と少な われる。操縦系統はもちろんフライ れ ( ストレイク ) , カナードは後退角 く , 最適巡航速度 ( マッハ 0.6 プラ ・が少なくアスペクト比も低かった。 ・パイ・ワイアで , 工ンジンのコン ス ) で飛行しても航続時間は 1 時間 主翼は内翼と外に分かれ , 境目 トロールもティジタルの電子式にな 程度だ。 から後方にアウトリガーが延び垂直 っている。 HiMAT の性能は具体的にはあま 安定板を支えている。また後退角を HiMAT が地上からの操縦可能範 り公表されていない。ただ一般に空 ・持った外翼の端にはウイングレット 囲から逸脱したり , 通信系統が故障 中戦の行なわれる遷音速領域での機 がある。垂直安定板とウイングレッ した場合には , 同機を追跡する役目 動性に重点を置いた設計のため , 最 の TF-104G の後席から簡単な指令 トの面積を合わせても , 通常の機体 大速度はマッハ 1.5 を超える程度だ。 を送ることが出来る。安全上の理由 としては方向安定性が不足しそうだ しかし問題の機動性の点では , H から TF-104G はかなり距離を置い が , HiMAT は CCV (Control Con- iMAT は抜群の性能を持っている。 'figured Vehicle) だから心配ない て追跡するので , これとの接触が出 すなわち高度 25 , 000ft ( 7 , 620m ) , マ 胴体は内翼と滑らかにつながっ 来るまで HiMAT はオートパイロ ッハ 0.9 で 8 G の維持旋回が可能で たプレンデット・ウイング・ボディ ットで定常旋回を行なうようプログ あり , また高度 30 , 000ft ( 9 , 144m ) , 。 ( BWB ) の形式を持っている。胴体下 ラムが組まれている。 マッハ 1.2 で 6 G の維持旋回が行な える。同じ条件で例えば F ー 15 なら 5. 8G , 4. 8G 位しか荷重をかけられ ないだろう。 また HiMAT は CCV として機 体姿勢を変えずに直接上下 , 左右に 誠 移動することが可能で , 高度 30 , 000 ft, マッハ 0.9 で定常旋回中に , IG のリフトあるいは 0. 4G の横力を発 OHiMAT は無人遠隔操縦機だから , 地上のコックピットからテレビを見て操縦する。 生させられる。 70
3 日 09 F-4J/VF-114 うに飛来することのないものがある してみた。我が国でも F ー 4 は多くみられるが、大西洋艦隊のよ Ⅱが主になる。この頁では、米海軍、海兵隊の F ー 4J を特に収録 トだが、数の上では、まだマクダネルダグラス F¯ 4 ファントム 米海車の主力戦闘機は、最新の機体はグラマン F ー 14 トムキャッ - 4J / V ド , 74 NAVY 4 頁の写真は、 F— 4 のテールコード、テールマーキング等に貴 重なものが多いので、所属部隊としての外部塗装に御注目いた だきたい。なお、機体の詳細は、世界の傑作機 F ー 4 」 /K ()o 114 ) を参照いただきたい。 この頁上から空母インテペンデンス、ア メリカ搭載時の塗装。下は 1973 年の撮影 2 ロ日 第第 , 第物