( 9 ) 摩擦を少なくする・・・ 囮回転部分を軽くする・・ 3. クルマと性能の関係・・ ( 1 ) 軽くする・・ 第 3 章 D O H C 工ンジン・ 1. D 0 H C 工ンジンの特長・・ ・・ 118 ・・ 118 ・・ 119 ・・・ 120 ・・ 121 ・・ 122 ・・ 124 ・・ 124 ・・ 125 ・・ 125 ・・ 126 ・・・ 127 ・・ 129 ・・ 132 ・・・ 133 ・・ 134 ・・ 135 ・・ 111 ・・ 112 ・・ 114 ・・ 114 ( 2 ) ( 3 ) ( 4 ) 振動・騒音を少なくする・・・ 排出ガスの浄化・・ そのほかの改良・・ トヨタの D 0 H C 工ンジン群・・ 3. ( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) ( 4 ) ( 5 ) ( 6 ) ( 7 ) ( 8 ) 出力特性・・ ボア x ストローク・・ 気筒数と配列・・ 工ンジン寸法 / 重量・・ ライナー形式とボアピッチ・・ 冷却水路・ シリンダープロック・・ クランクケースの形・・ 2. D O H C 工ンジンの動弁機構・ ( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) ( 5 ) ( 7 ) ( 8 ) カムシャフトの数と配置・・ カムの駆動方式・・ カムからバルプまで・・ バルプ径ー 2 バルプ / 4 バルプー・・ 130 バルプ作用角とバルプタイミング・・・ 136 燃焼室の形・・・ ポート形状と長さ・・ ノヾルプはさみ角・ バルプリフト量・・ ( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) ( 4 ) ( 5 ) ( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) ( 4 ) ( 5 ) ( 6 ) ( 7 ) 4. 2 T—G E U ・・ 18 R ー G E U ・・ 1 G —G E U ・・ 5 M —G E U ・・ 3 T ー G T E U ・・ 燃料供給系・・ ボアピッチ・・ 工ンジン寸法 / 重量・・ 工ンジン性能・ 動弁機構・・ ボア x ストローク・・ 気筒数と配列・・ ニッサン F J 20 型工ンジン・・ 5. いすゞ D 0 H C 工ンジン・・ ( 1 ) G 180WE ・・・ ( 2 ) G OWN ・・ 6. かっての国産 D O H C 工ンジン・・ トヨタの D 0 H C 工ンジン・・ ・・ 115 ・・ 116 ・・ 137 ・・ 138 ・・ 140 ・・ 142 ・・ 146 ・・ 149 ・・ 152 ・・ 152 ・・ 153 ・・ 154 ・・ 155 ・・ 156 ・・ 156 ・・ 157 ・・ 161 ・・ 160 ・・ 159 ・・ 158 ・・ 157
第 2 章高性能工ンジンの諸問題 75 の場合のようなラバーマウントや , スカイラインあるいはシルビアに採用されてい る ()J 20 型ェンジン搭載車 ) 液体ダンパー入りマウント等の , 弾性結合方式は採 用されない。 剛結合であると , 工ンジン振動はダイレクトにエンジンマウントからシャシーに 伝えられることになる。このとき , 工ンジンマウントの強度・剛性が低いと , 振動 によってマウントに亀裂が生じ , ときには破壊してしまうこともある。 DOHC B 型 / DOHC A 型 LASRE 0 ー G ツインカム 24 エンジン騒音レベル トヨタの DOHC4 バルプエンジンである一 G- GEU でも , 工ンジン騒音の低減がはかられて いる。ベルト式カム駆動 , ヘッドカバーのフ ローティング等の改良によるもの。また 2.8 2 DOHC の 5M - GEU ではバルブ系の騒音低減の ために油圧式バルプラッシュアジャスターを 採用している。 6 5 3 2 4 工ンジン回転数「 pm 図 3 工ンジン騒音の低下 工ンジンをシャシーの一部としているから , マウントが破壊してしまうと , シャ シーの一部を失ってしまうことになる。そうなると , 操縦性は悪化し , 走行が危険 になる場合さえある。このような状態でレースに勝利することは , ほとんど絶望 的だ。 工ンジンの振動は , 工ンジン自身にとっても , けっしてありがたいことではない。 たとえば , クランクの強度にも影響してくる。だからというわけではないが , 振動 の低減すなわち騒音の低減という努力も怠るわけにはいかないのである。 X 田 3 2. 性能向上の手段 ここではエンジン性能のうちとくにパワーやトルクを向上させるための手段につ いて考えてみることにする。
第 3 章 ロ OHC 工ンジン DOHC 工ンジンは、レシプロ機構工ンジンの最高峰である。 性能を追求していくと、最終的には動弁機構は DOHC 方式と ならざるを得ない。もちろん、 DOHC よりもすぐれた OHC や OHV 工ンジンがないわけではない。しかし、それは DOH C ガ量産状態のままであり、一方 OHC や OHV はチューニン クアップを施されている場合である。 DOHC 工ンジンガチュ ニングを受ければ、その性能はやはり OHC や OHV の比で はない。なにがどうすぐれているのか、その機構にはどのよう な特長があるのか、その性能の秘密について探ってみよう。 吸気バルプ / ヾルプ リセス 排気バルプ
次 目 第 1 章工ンジンのノヾワーとトルク・・ ノヾワーとトルク・ 8 ( 1 ) パワーとトルク・ 8 ( 2 ) 爆発力から回転力へーー平均有効 圧力の話ーー ( 3 ) トルクの測定ー馬力への換算ー ・ 17 ( 4 ) 工ンジンの効率・ ・・ 22 2. パワーとトルクの使われ方一走行中 のクルマに働くカー ・・ 25 ( 1 ) 一定速度で走るときのカ・ ・・ 26 ( 2 ) 加速しているクルマに働くカ・ ・・ 30 ( 3 ) 最高速の決定・・ ・・ 36 ( 4 ) 工ンジンのトルク特性と加速性能・・・ 38 第 2 章高性能工ンジンの諸問題 1. 工ンジンに求められる性能・ 最高出力・・ ( 1 ) ( 2 ) 最大トルク・ 工ンジンの粘り・ ( 3 ) 燃料経済性・・ ( 4 ) ( 5 ) ドライバビリティ・ 騒音・振動・無害化・・ ( 6 ) 2. 性能向上の手段 7 3. 0 ー 400 m 加速とエンジン ーターを使って一 コンビュ セリカ X X 2800 G T の加速性能・・ 45 ( 1 ) 工ンジン性能の影響を見る・ ( 2 ) ・・ 47 トルク特性の影響を見る・ ( 3 ) 工ンジンに代るもの・ ( 4 ) ・・ 55 4. 最高速性能とエンジン・・ ・ 57 ( 1 ) スカイライン GT ターボの最高速・・・ 57 ( 2 ) 工ンジンをチューンする・ ・・ 58 ( 3 ) 空気抵抗を減らす・・ ・・ 59 5. コーナーの立ち上がりとエンジン・・・ 61 1. ・・ 44 ・ 65 何を改良するのかー熱効率ー ( 1 ) ・・ 77 燃料と空気を大量に吸いこむ・・ ( 2 ) ・・ 80 無理やり空気を押しこむ・・ ( 3 ) ・・ 89 回転数を高める・・ ( 4 ) 圧縮比を高める・・ ・・ 94 ( 5 ) ノッキングの防止・・ ( 6 ) ・・ 96 燃料を上手に供給する・・ ( 7 ) ・・ 100 点火系の改良・・ ( 8 ) ・・・ 107 C-D っー 0 っ 0 -4 LD
第 1 章 工ンジンのノヾワ 39 ーとトルク = 20.8 x 1.415 x 3.9 + 0.306 = 375kg であった。 これを整理すると , 駆動力 = 工ンジントルク x 総減速比 と考えられる。ここで , 総減速比 = 3 速ギア比 x ファイナルギア比 + タイヤ半径 である。 すると , 駆動力を大きくする , つまり加速性能を向上させるためには , ①ェンジントルクを大きくする ②総減速比を大きくする という 2 つの方法があることがわかる。もちろん同時に大きくしてもよい。という ニングアップしなくとも , 加速性能は向上させられると ことは , 工ンジンをチュ 給 0 最高出力 (PS/ 「 pm) 最大トルク ()9 ・ m/ 「 pm) 図 5 / 5N0 2 に 0 / 3200 22 ロ 0 20 に 0 をー・・・軸トルク 軸 80 出 カ (ps) 70 60 50 40 30 20 図 23 工ンジンのトルク特性 ( スカイライン GT ターポ用 L20 ET 工ンジンのトルク特性の例 ) 0 56 60 40 44 48 52 20 24 28 32 36 8 に 工ンジン回転数 ( 「 pm ) トーーー← ( x )
まえがき 工ンジンはクルマの心臓である。工ンジンの性能いかんでクルマの性能は大きく 左右される。クルマという総合機械を考えるときには , まずェンジンに注目する人 がほとんどである。 そのエンジンは , 排出ガス規制やオイルショックの荒波を乗り越え , 今日大きく 進歩しようとしている。従来では考えられなかったような高性能工ンジンが次々に 登場してきている。高性能工ンジンは , いかなる原理のもとに , いかなる構造を持 ち , その性能はどうかといったことを考えてみようと思う。 本著ではとくにいままで述べられることの少なかった原理についてできる限り触 れるように努めた。また , 工ンジンとクルマの性能の関係については , 第 1 章で特 別にコンピーターを用いて解析を試みている。参考になれば幸いである。 舘内端
第 2 章高性能工ンジンの諸問題 モーメントが大きくなる。 113 クルマが加速するときには , 車体そのものを引っ張ると同時に , 回転部分の回転 速度を上げる必要がある。したがって , 車重とまた別に回転部分の回転慣性モーメ ントも , 加速を邪魔するものとなる。 工ンジンだけに限っても , 同じことがいえる。回転が上昇していくときには , 工 ンジン各部の回転慣性モーメントが小さいほど , 回転の上がり方は鋭くなるわけで ある。したがって , 工ンジンのレスポンスを向上させ , 結果としてクルマの加速性 能を向上させるためには , 工ンジンの回転慣性モーメントの減少も必要になるわけ である。 工ンジンの回転慣性モーメントを構成するものには , カムシャフト , クランクシ ャフト , フライホイール , クラッチディスク等がある。 これらの中で , もっとも大きな回転慣性モーメントを持つものは , フライホイー ルである。なんと , ェンジンの全回転慣性モーメントのうち , 90 % 近くをフライホ ィールが占めているのだ。 たとえば , カムシャフトの回転慣性モーメントを 1 とすると , フライホイールの それは 450 近くにもなる。カムシャフトの 450 倍近い回転慣性モーメントだ。一方 , 重量はカムシャフトの 4 倍ほどにしかすぎないのである。そこで , フライホイール の軽量化が , ェンジンのレスポンスを向上する上で , 重要になってくる。事実 , 最 近の軽量コンパクトな F F 車専用工ンジンでは , フライホイールも大幅に軽量化 ( ニッサン E 型等 ) されている。 ただし , フライホイールを軽量化するほどにエンジンのトルク変動は大きくなり , 振動やアイドリングの安定性では不利となる。したがって , 乗用車用工ンジンとし て高い評価を得るには , 振動を低減しアイドリングを安定させた上で , フライホイ ールを軽くする必要があるわけだ。
214 1 . 軽量化とコンバクト化 1 . 高性能工ンジンであるためのひとつの条件は , 軽いことである。工ンジン重量が 軽量化がなせ求められるのか あれば , シャシーも小型にすることができ , 動力性能を向上させられ , 重量配分が 高性能工ンジンのもうひとつの条件は , コンパクトであることだ。コンパクトで 2. コンバクトさはなせ求められるのか リットとなる。 要がある。その場合 , 工ンジンが軽量であれば , 燃費を向上させる上に , 大きなメ 消費率を低下させることも重要であるが , クルマの総合性能として燃費を考える必 燃費は , ェンジンの特性とシャシー特性とで決る。もちろん工ンジン自身の燃料 使われるエンジンには , 軽量さが求められることになる。 リング系 , 操縦安定性 , タイヤの摩耗等に問題が生じやすい。このため , FF 車に ーハングして搭載されることになる。したがって , 前輪の負担荷重が多く , ステア 横置式であると , 工ンジンはフロントのホイールセンターよりも前 , つまりオーバ F F 車というのは , 車両前部にエンジンおよび駆動系が集められている。さらに , が考えられる。 ・燃費のよいエンジンであること。 ・ F F 車に使えるエンジンであること。 それだけではない。その理由としては , しかし , ここで扱う軽量・コンパクトエンジンに関していえば , 軽量化の要請は てマージンを与えることになるからである。 身の軽さ + で車両の軽量化が可能になり , それは動力性能と操縦安定性能に対し 少なければ , シャシーの強度も上げる必要はなく軽量化が可能であり , 工ンジン自
第 7 章 レーシンクエンジン 高性能工ンジンの行きつく先のひとつはレーシンクエンジンで あろう。自動車用工ンジンができてガらというもの多くのメー カーガ自社の技術力を試すためにレーシングエンジンを開発し、 多くのレースにチャレンジしてきた。そして、開発の過程で得 られた多くのノウハウガ現在の市販工ンジンに生かされている。 DOHC4 バルプ、ターポチャージャー、しかりである。した がって、現代の高性能工ンジンを見つめる場合には、レースと いう極限の場で試されている新しい技術についても触れてあく 必要ガあるだろう。ただし、レースに求められるエンジンの特 性は、市街地や高速道路を走る場合に求められるものと、大き く異なる。場合によっては、エンジンに求められている性能は、 レーシングエンジンよりも市販工ンジンのほうが、すっと厳し いものであることもある。 0
第 2 章高性能工ンジンの諸問題 115 つまりオーバーハングして取りつけられることになり , 前輪荷重の増大を招きやす い。したがって横置 FF 車においては , 工ンジンの軽量化は , 車重の軽減と同時に 前輪荷重の軽減もはかれることになり , ハンドリング上も有利となる。 このように , 工ンジンの軽量化は現在ではとくに F F 車用のエンジンで著しいも のがある。たとえば 1 S ー U 型 ( トヨタ・ビスタ / カムリ等 ) では , 中空カムシャ フトや中空クランクシャフトが採用されており , E 型 ( ニッサン・パルサー , サニ ー等 ) では . ハーフスカート式のシリンダープロックが使われている。 一方 , ェンジンの軽量化は , プロック剛性の低下 , それに伴う騒音・振動の増大 を招きやすい。 一方でよければ , 他方でマイナスであるという , これもそのよい例である。ここ でも , 全体のバランスが重要だといえる。 2. 振動・騒音を少なくする レーシングカーでは , 工ンジンをシャシーの一部として構造部材に使う場合が多 い。 F 1 ですばらしい成績を残しているコスワース社の D F V 工ンジンは , もとも とシャシーの一部として使えるように設計されているほどだ。 ところが , 工ンジンの振動が強いとエンジンマウントにクラックが入ることがあ る。もし工ンジンマウントが破損すれば , 大事な 1 レースを落してしまうことに なる。 また , 軽量なリアウイングにはエンジンの高周波振動が伝わりやすく , リべット がゆるんだり , マウント部やウイング本体にクラックが入る場合が多い。 どちらかというと , 振動などあまり考えないレーシングカーでも , このとおりで ある。 一方 , 乗用車では , 振動や騒音が大きいと疲労が増し不快である。いやしくも G T ( この場合では , グランド・ツーリスモなる言葉の方がよりピッタリする ) と名 のつくクルマであれば , 車室はできる限り静粛でありたいものである。 たとえば , トヨタの 2.8 ぞ D O H C 工ンジンの 5 M ー G E U 型には , バルプクリ アランス調整を不要にした油圧式ラッシュアジャスタが採用されている。これはま バルブ系の騒音の低減にも一役買っている。ラッシュアジャスタを採用すると , そのほかの D O H C 工ンジンのような直接駆動式 ( カムで直接バルプを開閉する )