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検索対象: 高性能エンジンの研究
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1. 高性能エンジンの研究

72 ンの燃費の悪さ = ガソリン積載量の多さもひとつの原因であった。 また現在 , 自然吸入式 3 工ンジンにパワーやトルクでは圧倒的な差をつけてい るターポエンジン ( ルノー フェラーリ , B MW, ハート等 ) を搭載するマシンの 泣きどころのひとつも , 燃費の悪さからくる燃料積載量が多いことである。 さらにつけ加えるならば , 1967 年以来幾多の F 1 グランプリに勝利し現在でも 十分な戦闘力を備えている D F V の設計者であるキース・ダックワースは , レーシ ングエンジンの設計ということに関して 1966 年のオートコース誌で次のように述べ ている。 「燃料消費は中でもレース・エンジンとして最も重要な問題の一つで , 燃料消費の 大小によって車の形状寸度が大幅に変ってくるし , スタートラインにおける車の重 量もまた大きく変ってくる。燃料消費が少ないということは決定的な条件である」 ( 中村良夫著グランプリ②より ) 結局のところ , 世界最高峰の F 1 レースにおいてさえ , 工ンジンの燃費は重要な のであるから , ましてや市販の乗用車工ンジンではさらに大切であるといいたいわ けである。 また , 純工学的に考えてみても , 同一バワー / トルクであれば燃費のよいエンジ ンの方がすぐれた機械であり , 同一燃費であればパワー / トルクの大きなエンジン の方が , すぐれた機械だといえるだろう。 ところで , パワーやトルクと燃費性能とは相反するものであると述べた。だが , 相反しない部分も大いにある。たとえば , クランクシャフトとべアリング , クラン クシャフトとコンロッド , コンロッドとヒ。ストン , ヒ。ストンとシリンダー等で生じ るフリクション ( 摩擦カ ) を低減させることは , 燃費を向上させつつパワー / トル クも増大することが可能だ。 また , ノッキングが起りにくい燃焼室を設計し圧縮比を上げることは , これも 燃費とパワー / トルクを両立させることになる。無駄に捨てていた排気ガスの熱ェ ネルギーを回収するターポチャージャーは , これもパワー / トルクと燃費を両立さ せるものである。 あるいは , パワーを向上させるために吸入管 ( インレットマニホールド ) をスム ーズな形状に設計すると , 吸入効率が向上し , ひいては燃費がよくなることも考え られないことではないのである。

2. 高性能エンジンの研究

第 2 章高性能工ンジンの諸問題 火炎速度を向上させることができる。ニッサン E 型工ンジンのスワール吸気ポート 99 やニッサン L 型工ンジン , トヨタ 1 G ー EU 型工ンジン , 1 S ー U 型工ンジン等の 形状としてはウェッジ形燃焼室をあげることができる。またロータリーエンジンの 夫して未燃焼混合気を冷却してやることもノッキング防止対策となる。その燃焼室 未燃焼混合気を冷やしてやれば , それだけ火はっきにくくなる。燃焼室形状を工 ウェッジ形燃焼室 ( スキッシュの強化 ) にそれらを見ることができる。 燃焼室もこのことに有利である。 ス クエンチ・ 工リア L ツンユ スキッシュはシリンダーヘッドと ピストンにはさまれた空間から混 合気が勢いよく噴出することで , シリンダー内のガス流動を強める ものである。 図 20 スキッシュ E 型 , トヨタ 2 T ー G E U 型 ) 再びよみがえってきている。 なったりした高性能工ンジンも , 電子燃料噴射を採用することで ( ニッサン L 20 一時パワーダウン ( ニッサン L 20 型等 ) したり生産中止 ( トヨタ 2 T ー G 型 ) に 電子燃料噴射方式はまた , 燃費の向上にも有効であるが , 排出ガス規制の中で , 燃料噴射が必要になってくる。 それを正確にしかも遅れることなくコントロールし , 空燃比を制御するには , 電子 ロールである。ェンジンのその時々の状態でエンジンが要求する燃料の量は異なる。 そこで登場してくるのが , ノッキング対策のところでも述べた , 空燃比のコント は , このような技術的にむずかしいことがあったわけである。 にかけてのことを , まだ覚えている方もいらっしやるかもしれないが , その当時に 排出ガス規制が強まるにつれて , 年々出力が低下していった昭和 48 年から 53 年 苦しくなるといわれるわけである。 のである。つまり , 圧縮比を高めて出力向上をはかろうとすると , 排出ガス浄化が は N O x を増加させ , スワールやスキッシュの強化も N O x を増加させるものな と相反することである。たとえば , コンパクトな球形燃焼室やセンタープラグ配置 ただし , 残念なことには , これらのノッキング対策は , ときに排出ガスの無害化

3. 高性能エンジンの研究

100 圧縮比を高めれば , 確かに性能は向上するが , その背景にはこのような技術的な 困難さが横たわっているわけである。 7. 燃料を上手に供給する 燃料供給装置の奥は深く , それをすべて述べることはできないので , ここではそ やる必要が出てくる。 吸入効率が向上し , 圧縮比を高め , 高回転化されてくると , 燃料の供給も上手に ・全開状態のときに吸入抵抗が大きくないこと。 ・各シリンダーに平等に燃料を分配できること。 ・燃料をよく霧化させること。 最もよい空燃比をつくること。 ・エンジンの運転条件 ( 始動 , アイドリング , 加速 , 部分負荷 , 全負荷 ) に応じて . 燃料供給装置の役割は , 次のようにまとめることができる。 の基本的なことがらについて触れておこう。 一方 , アクセルを全開にした全負荷状態では , 空燃比を濃くする必要がある。そ ているからである。 では , 空燃比を薄くして燃費を向上させることができる。燃焼状態が比較的安定し ドリングには , 空燃比は濃くなければならない。また , 部分負荷 ( アクセル一定等 ) ェンジンは , その連転状態で要求する空燃比が異なる。たとえば , 始動時やアイ の方がパワーが出る。 空 比 薄 20 0 可燃限界 出力空燃比 理論空燃比 経済空燃比 ( 理想空燃比 ) 可燃限界 20 空気と燃料の混合割合である空燃 比は , 工ンジンのおかれている状 況によって変る。パワーを出すた めには理論空燃比よりも濃く , 燃 費を向上させるには薄くする必要 がある。グラフの横軸は負荷の割 合をバーセントで示してあるが , 負荷が大きくなるほどに空燃比は 薄くてもよいことをグラフから読 みとれる。 40 60 負荷百分率 ( % ) 図 21 要求空燃比

4. 高性能エンジンの研究

78 になろう。 一方 , 熱エネルギーそのものを大きくすることも考えられる。熱効率が同じであ れば , 供給する燃料の量を多くして ( 同時に吸入空気量も増大する ) , 熱エネルギー を大きくしてやれば , パワーやトルクは増大することになる。 これは排気量を大きくすることであり , 過給してやることにもつながる。しかし , 排気ガスの熱を回収するターポチャージャーは別としても , 排気量を大きくしてパ ワーやトルクを大きくすることは , 現代という時代にはそぐわない。それは , 7 乙 8 といった大排気量による圧倒的なノヾワーを誇ったアメリカン V 8 ェンジンの衰 退を見ればあきらかであろう。 熱効率がよいということは , 燃料供給量が同じであれば , 熱効率が悪い場合より も , より大きな出力を期待できるということである。逆に出力が同じであれば , 熱 効率がよい場合には , その出力をより少ない燃料供給量で得られるということに なる。 熱効率と燃料消費率とは , 大いに関係しているわけだ。熱効率を高めれば , ノヾワ ー / トルクを獲得できると同時に , 省燃費も達成できることになり , これは現代の 高性能ェンジンが目標にすべきことである。 ちなみに , 熱効率と燃料消費率の関係を示すと , 次の式になる。 b e = 632.5 x 103 / qe ・ Hu ( g / ps ・ h) = 60.2 / ne be : 正味燃料消費率 ( 正味出力 lps 1 時間あたりに消費する燃料 (g)) : 正味熱効率 Hu : 燃料の低発熱量 ( ガソリンでは 10500 kcal /kg) これは , 燃料消費率 1 / 熱効率 と表すことができる。 つまり , 燃料消費率は熱効率と反比例の関係にあり , 熱効率が向上すれば燃料消 費率は低下 ( 燃料を喰わなくなる ) するのである。ここでいう燃料消費率は , 工ン ジン自身のものであり , いわゆる走行燃費 ( km / ぞ ) とは異なる。 燃料消費率が低下すれば , 走行燃費は向上させやすい。しかし , 走行燃費にはシ ャシーの要素 ( 車重 , ギア比 , 走行抵抗 ) が関係してくるので , これはまた別の問 題でもある。 機械的な効率 = 機械効率は , ェンジンが回転することによって生じるロスの大小 を示すものである。ロスが少なければ機械効率はよいことになる。あるいは , 混合

5. 高性能エンジンの研究

第 5 章ロータリ りさせられる。 ーエンジン 207 これはロータリーエンジンが回転部分だけで成り立っているからである。 プレターである。 燃焼室の形 , つまり口一ターリセスは , バスタブ形である。燃料供給装置はキャ トを合わせ持っている。これは後に 6 P I 式のポートへと変更された。 抗の少なさと , サイドボートの渦流の発生 , ふき返しの少なさという 2 つのメリッ ポートの両方にしたものである。排気ポートはペリフェラルポートで , その吸人抵 コンビネーションポートというのは , 吸気ポートをベリフェラルポートとサイド 縮比は 9.4 だ。ポート形式にはコンビネーションポートを採用している。 12A 型ロータリーエンジンは , 直列 2 ローターである。排気量は 573 cc x 2 , 圧 6 P ー・ 1 2 A 型ロータリーエンジン 質的な増大も図れるという 6 P I 式ロータリーエンジンの完成にこぎつけた。 工業は , 次に 12 A 型ロータリーエンジンを改良し , 燃費を向上させつつパワーの実 その燃費性能を向上させるべく , 希薄燃焼ロータリーエンジンを完成させた東洋 欠点となってしまった。 ーエンジンであったが , それに続く 1 次 , 2 次のオイルショックでは燃費の悪さが 排出ガス規制には , その構造上のメリットによっていち早く対応できたロータリ 2. 東洋工業製ロータリーエンジン また高回転化が可能であるのは , 高出力も期待できるということにつながる。 広い回転数の幅を持っていることは , ロータリーエンジンの大きな特長である。 プといった特別な工夫をすることなく , 容易に達成できるわけである。 バルブ系もない。したがって , 高回転化は D O H C や 4 バル 往復連動部分がなく , コンロッド , ヒ。ストン等の運動部分とバルブ系があるが , ロータリーエンジンには レシプロエンジンでは , その高回転化を阻害するものとしてクランクシャフト ,

6. 高性能エンジンの研究

第 2 章 高性能工ンジンの諸問題 97 そのために , ピストンやバルプはときには溶けてしまい , 工ンジンが破損してしま うこともある。 このような障害を持っノッキングの防止対策には , 次のようなものがある。 ・オクタン価の高い燃料を使う。 ・火炎伝ば時間を短縮する。 ・未燃焼混合気を冷却する。 ・空燃比を調整する。 いずれにしても , これらは未燃焼混合気 ( 燃焼は徐々に進むので , 燃焼途中には 既燃焼ガスと未燃焼混合気とが混在している ) の自発火や表面着火を防ぐもので ある。 オクタン価の高い燃料を使うことは , すでに述べたとおりである。 火炎伝ば時間を短くするというのは , 未燃焼混合気が強く圧縮され熱せされる 燃焼室を上面から見た場合の混合気の燃 燃 焼の様子である。スパークプラグの火花 焼 によって着火されると , 火炎は球状に広 ガ ス がっていく。すると未燃焼混合気は既燃 焼ガスによって圧縮され温度が高まり , 自発火しやすくなる。自発火が起ると , 未 ノッキングが発生する。自発火は , 未燃 燃 焼混合気が既燃焼ガスにさらされている 釡焼 混 時問が長いほど起りやすい。 図 17 燃焼の過程 火炎の伝ば過程 ( 燃焼室を上面から見た場合 ) 自発火が起ると , 急激に火炎 が伝ばし衝撃波がシリンダー 内を行きかう。 異常燃焼による 急激な火炎伝ば 自発火点 図 1 8 ノッキングの発生

7. 高性能エンジンの研究

第 2 章高性能工ンジンの諸問題 5. ドライバビリティ 73 これはひと言でいうと「あらゆる条件下で運転がしやすいこと」となるだろう。 具体的には以下に述べるような項目としてとらえることができる。 パワーやトルクそして燃費性能の優秀さが求められる上に , さらにドライバビリ ティのよさも求められるわけであるから , 現代の高性能工ンジンに課せられた課題 は実に多く , その達成は困難である。 1 ) サージ 一定速度で走っているとき , あるいは加速・減速しているときに車体に働く前後 方向の比較的ゆっくりとした振動である。 1 秒間に 10 回程度 (10Hz) 以下の振 動であるが , この振動数は人間が感じやすく , 不快である。 この原因は , ェンジンの回転がスムーズでないことによって引き起される駆動系 の振動であるという。 1 サイクルごとの燃焼に変動があると , 工ンジンの回転はス ムーズでなくなる。したがって , 空燃比 ( 空気と燃料の混合割合 ) が薄いときや , 点火時期が遅れていたり , EGR ( 排気ガス再循環 ) を行なったりしたときには燃 焼が変動しやすく , サージが起りやすい。 また , これらの処置は排出ガス低減のためにとられることが多く , ドライバビリ ティの向上と無公害化とは相反する部分があることになる。 2 ) もたっき 発進あるいは加速を開始したときに , アクセルペダルを踏んだにもかかわらず , 工ンジンが力を発生しないわずかの間のもたっきをさす。アクセルの動きにエンジ ンが追従しないわけで , むずかしくいえば応答遅れ , タイムラグということになる。 アクセルを踏めば加速が始まり , 体がシートに押しつけられるという , 一種の反 射神経をわたしたちは身につけているので , ちょっとしたタイミングの遅れでも , この「もたっき」感は大いに気になるものである。 レーシングエンジンでこれが激しいと , ときにマシンのコントロールに失敗しク ラッシュすることもありうる。レーシングマシンのコントロールには , 大いにエン ジンの駆動力が使われており , パワーの発生が一瞬でも遅れるとコントロールは困 難になる。 この原因は燃料供給系 ( キャプレター インジェクション ) にあり , 直接的には 空燃比が薄すぎることによる。空燃比が薄いと一時的にトルクが落ちこんでしまう

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200 防いでいる。また副室の形状も改良している。これは火炎の貫通力を高めて燃焼を 速めるためのものである。 燃料系にはホンダ初の電子制御燃料噴射が採用された。噴射方式は各気筒別で , FJ20 型のシーケンシャル方式と同様である。特長としては , 吸入空気量の計量に 圧力センサーを用いて応答性を高めたことと , 吸入空気温度の変化にも対応できる ようにしたことである。過給することによって , 吸入空気温度は高まるが , その補 正を行なっているのは国内ターボェンジンでも E R 型のみである。 制御部 圧力センサー 燃料噴射量は , 吸入空気量を 検出し制御部でこれを判断し 決定される。その際吸入空気 量の計量はできるだけシリン ダーヘッドに近い所で行なう ←空気 とエンジンのレスポンスが向 上する。そこで E 日型では圧 カセンサーをスロットルバタ フライの下流に設置し , セン サー自身の応答性も高めてい る。 吸気マニホールド 図 30 ER 型ターポエンジンの燃料供給システム E R 型ターポエンジンの出力は , 自然吸入式の 67ps / 5500rPm から 100PS / 5500 rpm へと 49 % 向上し , トルクは 10kgm / 3500rpm から 15kgm / 3000rpm へと 50 % 向上している。出力 / トルクの向上率も国内ではもっとも高いものとなっている。 インジェクター シリンダーヘッド スロットルノヾタフライ 吸気管 スロットルボディ

9. 高性能エンジンの研究

第 2 章高性能工ンジンの諸問題 105 ージャーに適した燃料噴射方式として , 現在 F 1 のターボェンジンには採用されっ つあるが ( フェラーリ , ルノー等 ) , 一方 , 空燃比を正確にコントロールできる利点 は , 燃費の向上と排出ガスの浄化にも適しているものだ。近年 , 乗用車用ェンジン には電子制御燃料噴射を採用するものが , 続々と現れてきている。 電子制御燃料噴射方式においても , 吸入空気量の正確な計量は重要である。その ためにいくっかの異なる計量方式が採用されている。 たとえば , トヨタ , ニッサンの E F I , E G I の計量方式は , L ジェトロニクス のェアフローメーターである。これは , 一種のつい立てを流路に立てて , 吸人空 気量がふえると空気の勢いに押されて , つい立てが傾き , その角度で流量を計測す るものである。 三菱の E C I では , 抵抗物を流路に設け , それが発生するカルマン渦の数を超音 波振動としてとらえ , 流量を計測するものである。このカルマン渦というのは流れ の変化に対して規則的に変化する性質を持っている。単位時間に発生するカルマン ポテンシオメーター バイバス通路 図 28 ダンバー室 補償プレート メジャリングプレート ェアフローメーター ( 吸入空気量の計量 ) トは流れの抵抗になる。 を計量する。このメジャリングプレー シオメーター ) に検出して , 吸入空気量 する。この回転角度を電気的 ( ポテン 空気流量がふえると矢印の方向に回転 図中のメジャリングプレートは , 吸入

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22 ても , トルクはほんの少ししか発生しない。 そのときの負荷は , 工ンジンが , ピストンやコンロッド , クランクシャフト等に よって生じる摩擦抵抗に打ち勝って , 自分自身を回すだけのわずかなものである。 したがって , カ = トルクを出そうにも , 出しようがないのだ。 例 6 では , その負荷を , ネジを締めプレーキを回転円板に押しつけることによっ て , かけている。 実際のクルマでは , 加速するときの慣性抵抗 ( 後述 ) , ころがり抵抗 , 空気抵抗等 が , 工ンジンの負荷になるわけである。 4 ) の「スロットルは全開である」というのは , ェンジンの性能を測定する際の約 東のひとつである。自動車メーカーが発表する , ェンジン性能曲線は , スロットル を全開にして求めたものである。 しかし , 実際にはクルマはいつもスロットルを全開にして走っているわけではな い。そこで , スロットル開度をいろいろに変えた場合のエンジン性能曲線も求めら れることになる。 4. 工ンジンの効率 シリンダー内で燃えた燃料の持つエネルギーのすべてを , クランクシャフトから 取り出せるわけではない。 排気 , 油冷 輻射損失 42 % 正味出力 30 % 摩擦仕事 冷却損失 20 % 燃料の持つ熱量のうち , 動力として取り出せる ( 正味 出力 ) のは , わすか 30 % である。そのほかは , 摩擦仕 事に 8 % , 冷却損失に 20 % , 排気 , 油冷却 , 輻射損失 に 42 % と失われてしまう。たとえ XDOHC 4 バルプに すると , 摩擦仕事による損失が減り ( もちろんメリッ トはこれだけではない ) , ターボでは排気損失が減少し , それだけ正味出力が向上する。 図 14 工ンジンの効率 図に示したように , 燃料の持っエネルギーのうち , クランクシャフトから取り出 せるのは , わずか 30 % である。 これを正味出力と呼んでいるが , この値を少しでも大きくしようと , 研究が進め られている。新材料であるセラミックをエンジンに用いると , 正味出力を 45 % に増 大させられるという報告もある。