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検索対象: 23社の破綻に学ぶ失敗の法則 : こうするよりほかなかったのか--
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1. 23社の破綻に学ぶ失敗の法則 : こうするよりほかなかったのか--

イ粧水や乳液といった化粧品など幅広い商品に対応し、顧客の信頼を得てきた。 化粧品そのものだけでなく、容器やラベル印刷、品質管理など一括で製造を請け負う 体制を整え、強みを発揮してきた。 2016 年 3 月現在、製造拠点は小山工場 ( 栃本県 小山市 ) 、結城工場 ( 茨城県結城市 ) 、若宮工場 ( 同 ) の 3 つだ。 化粧品の規制緩和に伴って市場が拡大した追い風などもあって、プレスコは着 実に業績を伸ばした。東京商工リサーチによると、 2002 年 3 月期に売上高は約億 円とビークに達した。 ところが、それ以降、業績が伸び悩むようになる。競争激化など外部環境の変化もあ ったが、 プレスコ固有の原因のほうが影響が大きかったといえる。 1 つは生産現場の混乱に伴う信用低下だ。。 フレスコは 2 014 年頃、工場の生産効率 や品質の向上を図る目的で複数の従業員を中途採用した。だが、この従業員らが経営陣 と対立。両者の溝が深まった結果、 2015 年には、その従業員らの主導により、生産 を一時停止するなどの混乱が生じた。この混乱は、。 フレスコが取引先に約 3 0 0 万円の 賠償金を支払うまでに深刻化した。 最終的に対立を主導した従業員は退職し、 2015 年に新しい管理職を採用して事態 253 第 3 章リスク管理の甘さはいつでも命取りになる

2. 23社の破綻に学ぶ失敗の法則 : こうするよりほかなかったのか--

は沈静化したものの、同社の信用が低下した。 追い打ちをかけたのが、営業現場の混乱だった。業績が伸び悩んだ場合、既存顧客か ら失った信頼を回復しつつ、新規客を開拓して立て直すのがオーソドックスな打開策だ。 実際、最近では化粧品などの企画販売に特化し、製造をメーカーに委託する新 興企業が増えており、顧客開拓の環境は必ずしも悪くない。 しかし、結果的にプレスコの顧客開拓はうまくいかなかった。営業の統率がとれない 状態に陥ったからだ。中には、プレスコを退職して別会社を設立することを見込んでプ レスコ関連以外の商品を売り込む従業員さえいたという。こうした状况では新規客をス ムーズに開拓できない。売り上げ低下の一因となった。 経営の要ともいえる生産、営業という現場の混乱に加えて事態を厳しくしたのが、打 開策の欠如だ。プレスコでは、資金繰り表の作成など、経営の現状をつかんで改善策を 考える体制が脆弱だった。こうしたことから、経営状態が悪化した後も、劇的に伏况を 改善するような有効策を見つけ出すことができず、低迷に歯止めをかけられなかった。 これら主に 3 つの要素が重なった結果、プレスコの業績は急落した。裁判所に提出し た資料によると、 2013 年 9 月期 ( 決算期を途中で変更 ) の売上高はビーク時よりお

3. 23社の破綻に学ぶ失敗の法則 : こうするよりほかなかったのか--

2 0 0 9 年に 1 兆 3 9 0 2 億円に落ち込んだものの、 2 014 年には 1 兆 4 8 6 8 億円 にまで戻している。 前出の取引先はこうも続ける。「正直、プレスコの技術でなければできない製品があっ にかレ」い - っ A 」 疑問が残る。そうなると、メーカーという業態である以上、価格以 外の競争力がなくなり、経営は厳しくなる」。 取扱商品を増やしたり、 一括生産の体制を敷いたりするなど、プレスコが自社の強み を発揮できた土台は現場の底力。しかし、結果的には途中で現場をうまくまとめられな くなり、強みに磨きをかけ続けることができなかった。 他社にない強みをつくる事業戦略の構築力に加えて、社員の人心掌握術や数値管理を 含めたマネジメントスキル・ : 。経営者には多くの能力が要求される。そのいずれかが 欠けても、経営が急激に傾く恐れがある厳しさを今回のケースは示している。 プレスコは、大手化粧品 O メーカーの日本コルマーに事業を譲渡し、 2 016 年 9 月末で営業を終了した。 ( 2016 年 5 月号掲載 ) 257 ー第 0 章リ - ク管理の甘さは 0 、 0 でも命取りになる

4. 23社の破綻に学ぶ失敗の法則 : こうするよりほかなかったのか--

イン、ハウンドによる「爆買い」で活况を呈している化粧品業界。ドラッグストアなどに 多数の訪日客が押し寄せ、商品を買う姿は、もはや日常風景になりつつある。 こうしたにぎわいの一方で、化粧品の 0 ( 相手先プランドによる生産 ) を手掛け るプレスコ ( 東京・ロ , 川 ) が 2016 年 3 月 9 日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を 申請した。負債総額はおよそⅡ億 12 0 0 万円だった。 「 1 年ほど前から経営状態が良くないとの噂はあったものの、直前まで支払いは滞って いなかった。だから問題はないと思っていたのたが : : : 」。ある債権者はこう話す。 3 月日に都内で開かれた債権者集会に出席した別の債権者は「別府辰則社長 ( 仮名 ) が冒頭に謝罪した以外は、弁護士による説明が中心だった」と振り返る。 顧客の中には大手も プレスコの顧客の中には大手メーカーが含まれる。ある大手生活用品メーカーは「取 引があったのは事実。現在、情報を収集中で対応は今後検討する」と話す。 プレスコの設立は 19 6 2 年。ヘアスプレーをはじめとするエアゾール製品のほか、

5. 23社の破綻に学ぶ失敗の法則 : こうするよりほかなかったのか--

化粧品のを手掛けていた容器やラベル印刷、品質管 大手メーカーから生産を受注 理など一括で製造を請け負い、 プレスコは 2016 年 3 月 9 日するなど、一定の信用力があった。しかし、生産や営業現場 に民事再生法の適用を申請した。 の混乱が起き、業績が急落した。 手前の建物が本社の入るピル 生産や営業の混乱で信用低下 大幅減収で資金繰りできず プレスコ〔化粧品の製造・販売〕 2 2 251 ー第 3 章リスク管理の甘さはいでも命取りになる

6. 23社の破綻に学ぶ失敗の法則 : こうするよりほかなかったのか--

プレスコの業績推移 売 40 業績の急落に歯止めがかからなかった 20 10 売上高 当期損益 ( 億円プ 当期損益 ー 10 ー 20 2013 年 9 月期 14 15 259 第 3 章リスク管理の甘さはいつでも命取りになる

7. 23社の破綻に学ぶ失敗の法則 : こうするよりほかなかったのか--

破綻の理由 経営陣と生産現場が対立し、工場が一時停止。供給が滞った 社内の混乱で信用を失った 経営の現状をつかむ体制が脆弱で、有効な再建策が出なかった 一部の担当者がプレスコ以外の商品を売るなど、営業の統率がとれなかった 258

8. 23社の破綻に学ぶ失敗の法則 : こうするよりほかなかったのか--

現場を統率しきれない 破綻の定石ある日突然、謎の紳士が : 破綻の定石純 ュタカ電機製作所〔電源装置の製造〕ー 】会社を潰した社長の独白② もっと早く本業を磨けはよかった・ : プレスコ〔化粧品の製造・販売〕ー おわりにー 272 2 6 0