8.3 自分がどこにいるかを確認する 8.3 自分がどこにいるかを確認する サイトが Usenet に接続するのであれば、システム管理者は、自分のシステムと誰が 繋がっているかを、ネットワーク上の他のシステムに知らせるために、 news. newsites にポストしなくてはならない。ネットワーク上のサイトについての完全なリストは毎 月、 ニュースグループ comp. mail. maps にポストされる。 Usenet 上にどのシステム が参加しているかを知るには、このニュースグループを読む。また、このニュースグ ループは、ポストの方法を学んだり、 Usenet 上のユーザーにメールを送ったりすると きに重宝する。 UUCP サイトは、必ずしも Usenet サイトではないということに注意してほしい。 ファイルとメールの転送は UUCP 経由で行われるが、 ニュースについてもそうであ るとは限らない。また、 Usenet サイトは必ずしも UUCP サイトではない。 UUCP は 最も一般的なファイル転送方法ではあるが、唯一の方法というわけではない。 システムで comp. mail. maps のニュースグループを購読しているのであれば、シス テム管理者はおそらく、データベースを使って、中間のパスを指定せずに直接他のサ イトにメールを送る機能を持つメールプログラムを持ってきていることだろう。詳細 については、システム管理者に確認してほしい。 151
ニュースグループー覧 表 D. 1 は、 1993 年 3 月現在において、日本国内の極めて多くのサイトにて一般的に 流通しているニュースグループの名前と、その簡単な説明の一覧である。 通常、このニュースグループー覧は、 /usr/lib/news/newsgroups というファイル に格納されている ( ファイルの内容は英文 ) 。原著では、 Usenet におけるニュースグ ループの一覧が掲載されていたが、内容も古いため、日本国内で流通しているニュー スグループのそれに変更したものである。なお、ニュースグループは常に、新設、改 廃が行われているため、このリストがすっと正しいとは限らないし、読者のサイトが すべてのニュースグループの送受信を行っているとも限らないことに十分注意された ニュースグループの購読や投稿にあたっては、サイトのシステム管理者にます相 談してみることが好ましい。 179
9 章 9.1 ュースをポストする ニュースで行うこと、行ってはいけないこと ネットのメンバーとは顔を会わさないし、なにを書いたか、そしてどのように書い たかを送信するのは簡単なことである。プロフェッショナルでないフォローや応答を、 どの程度見かけるだろうか。多くのメジャーサイトでは、いくつかのニュースグルー プを実際に購読していない。ニュースグループの一部でだらだら続けられるニュース の量が、ほかのサイトに対して“無料で”配布するにはコストが見合わないという理由 からである。ネットを上手に、そして生産的に使うには、ネットのユーザーがネット ェチケット (NetEtiquette) を読み、それを守るということが前提となる。 ネットエチケットは、何千というネットユーザーの経験の蓄積から進化したガイド ラインの集まりである。ネットの仕組みを考えると、このガイドラインは意味を持っ てくる。まず、ネット上の各サイトに届くために、記事はたくさんの時間をかけて、 受信され、そこから再送信される。ネットのユーザーによって生み出されたコストは、 転送を行うたびに増大していく。多くのサイトでは、コストとともに、ディスクスペー スも使われることになる。 つぎに、ネット上のトラフィック量を考えると、読みたい記事にたどり着くために 無関係の大量のメッセージに苦労させられるのであれば、ニュースを読むというのは、 かなりの雑務となる。 ネットに送り出す記事を準備するための基本的なルールがいくつかある。 ルを次節以降まとめていこう。 9.1.1 配布先を制限する このノレー 自分の記事がどこに行くのかを考えよう。そして、ます、ローカルな、あるいは地 理的なグループで試してみよう。 KaIamazoo ( ミシガン州の都市 ) での自動車の話で あれば、韓国の読み手が興味を持っことはますない。一方、 UNIX 標準化の議論に参 加したいというのであれば、かなり多くの人に意見を聞いてもらう価値があるだろう。 ニュースをポストするプログラムは、記事を配布する範囲を聞いてくる ( 詳しくはこ れから説明する ) 。配布先を制限しないのであれば、自分の記事が全世界に配布される ということを忘れないようにしよう。 154
gnu— pubnet— bionet— 7.2 Usenet のアーカイプとニュースグループ は、作りたいニュースグループを誰でも作れることである。主なグループ には、 alt. gourmand 、 alt. aquaria 、および alt. sources が含まれる。 Free Software Foundation の GNU プロジェクトのためのグルーフ。。 一般に公開された UNIX サイトについてのグループ。 生物学の情報を交換するためのグループ。 自分のサイトが属するネットワークで現在使うことのできるニュースグループにつ いての短い紹介は、通常、 /usr/lib/news/newsgroups に置かれている。このファイ ルが見つからない場合は、システム管理者が netnews ソフトウェアを /usr/lib/news 以外のディレクトリ * 7 にインストールしているはずなので、確認しよう。 現在、 500 以上絽のアクテイプなニュースグループがある。すべてのニュースグルー プを保管するのは、電話の通話量とディスクスペースをかなり食ってしまうので、シ ステム管理者はすべてのニュースグループを購読しようとはしないだろう ( 特に、 soc と talk グループを購読していないサイトは多い ) 。しかし、 newsgroups ファイルに は、すべてのグループがリストされているはずである。これは、このファイルが、サ イトでどのメッセージを受信したか、また、どれを拒否するかを追跡するためにシス テムが使用する active ファイルを反映したものだからである。 newsgroups ファイルを確認した後、どのグループが実際に使えるのかについて、 システム管理者に確認したくなるだろう。ューザーから要求されたニュースグループ を取り込むことは比較的簡単なので、もともと自分のシステムで購読していなかった、 グループの購読を依頼することについては心配しなくてもよい。 ニュースグループの配布を特定の地理的な地域や組織に限定す 既に述べたように るための接頭語を名前に付けた、ローカルのニュースグループがいくつかある。たと ーイングランド内 えば、ニュースグループ ne. wanted の "ne" という接頭語は、ニュ のサイトにだけ配布されることを意味する。共通に使われる接頭語について以下にま とめる。州内の配布を表す接頭語は通常、 2 文字で表記される ( たとえば " ca. " はカ リフォルニア州だけで配布されることを示す ) 。 * 7 訳注 : /usr/local/lib/news に置くことが多いようである。 * 8 訳注 : 1993 年 3 月現在、アクテイプなニュースグループは 2500 以上になっている。 131
1 章 UUCP について 「ネット」アドレスにはしばしば、大きなニュース配送者であるバックポーンサイ トの名前が含まれる。バックポーンサイトとは、地理的あるいは組織的な範囲に対す る主なニュース配送者 ( メインフィード ) として稼働するサイトである ( 厳密な定義 ではない ) 。たとえば、 ucvax はカリフォルニア大学バークレイ校のメインフィードで ある。 バックポーンサイトは網の中心であると考えられる。こでローカルネットは 1 っ になったり、分かれたりする。バックポーンサイトに送られたニュースは、可能な限り すばやく他のバックポーンサイトに送られる。このため、ニュースは短い時間で広範 囲に送られることになる。本書が書かれた 1989 年 9 月の時点では、 2 時間以内には、 ポストされた netnews の 90 % 以上が北米全域に届けられる * 8 これは速い ! 「ネット」は非営利ネットワークである。全世界の何千というメンバーサイトを管理 する人も組織も存在しない。であるから、各ューザーは自らの行動を戒めなくてはな らない。ネット上のニュースの量が膨大になるので、サイトによっては受け取るニュー ス記事の数や種類を制限することもある。 ネットは正しく使いさえすれば、 UNIX から政治の話題まで、情報を知らせたりアッ プデートしたりするユニークな手段である。 Usenet を使うのであれば、単にニュース を読むだけでなく、ニュースを使って意見交換できるのだ。 * 8 訳注 : 現在では伝達速度はより速くなっている。なお、日本国内での 1993 年 3 月現在のデータで は、 WIDEInternet に直接繋がっているところでは、ポストしてから 12 時間以内に約 90 % の記 事が到着する。 34
6 章 UUCP ネットワークを拡張する テムのネットワークを指すが、システムを Usenet に接続すると、数多くのメリットを 享受することができる。ネット上の 6000 余りのサイい 1 のユーザーの誰にでもメール を送ることができる。自分のシステムとデスティネーションシステムとで、どのバー ジョンの Usenet ソフトウェアを使っているかによって、メールを " アドレスする " 方 法がいくつもある、 2 6.1.1 バックポーンサイトを見つける 最も簡単な、そしていつでも使える方法は、自分のシステムと到達したいシステム との間の完全なパスを決める方法である。 これは考えるはど難しいことではない。なぜなら、ネットワークはバックポーンサ イトと呼ばれるメジャーサイトをいくつも含んでいるからである。バックポーンサイ トは主にメール交換機能を提供するシステムである。それはメールを交換し、ローカ ルでない各ニュース項目 ( 本章で説明する ) を、少なくとも 2 つの他のバックポーン サイトと送受信する。 ネット上の誰かに届くためには、つぎの 2 つのことがらだけが分かっていればよい。 自分のシステムからいすれかのバックポーンサイトへのパスと、バックポーンサイト からデスティネーション ( 相手先 ) へのパスである。この両方を指定すれば、デスティ ネーションへの完全なパスを得ることができる。 ネットを使う UNIX ューザーは、しばしば自分の " ネットアドレス " を出版物に掲 載する。つまり、メジャーサイトの 1 つから彼らのシステムへのパスと、彼ら自身の ログイン名である。たとえば、万一、それらの記事の内容についてのやりとりができ るように、作者が使用しているシステムへのパスが書かれた、 UNIX に関する記事に 出会うこともあるだろう。アドレスはたとえばつぎのように示されている。 たシステムとなる。 1 つ以上のシステム名が続き、 ネットアドレスの最初のシステム名はバックポーンサイトか、あるいはよく知られ uunet ! ism780c !phw5 !pat ターゲットシステムに到り、最後 116 * 2 訳注 : 日本国内の現状については AP nd ⅸ G を参照のこと。 * 1 訳注 : 規模は日々大きくなっており、現在のシステム数はもっと膨大である。
1.6 Usenet ネットワーク ている。 UNIX ネットワークへのリンクは世界へのリンクとなり、また世界からのリ ンクともなるのである。 1.6 Usenet ネットワーク Usenet*6 ("user's network" の意 ) は、 netnews ソフトウェアを実行している UNIX システムの集まりである。「ネット」 ( 一般的にこう呼ばれる ) は、メンバーサイトに 送られるニュース記事の形で、アイディアを交換しあう公の場である。「ネット」ユー ザーは netnews プログラムを使って、記事をポストしたり、メールを転送したり、記 事に対するフォローを行ったり、あるいは単にニュースを読んだりすることができる。 なによりも、「ネット」に味や色をつけていくのは、「ネット」ューザーなのである。 「ネット」でのやりとりは顔を会わさない、個人的なものであるが、何年かを経て、 あるルールが確立されてきた。このルールはネットエチケット (NetEtiquette)*7 と いうドキュメントで述べられており、各「ネット」サイトで読むことができるように システム管理者が設定しているはずである。 netnews は UUCP のような標準 UNIX の一部ではないが、「ネット」に属する多 くのシステムは UUCP を使っている ( 例外は ARPANET やローカルネットワーク に接続されたものである ) 。「ネット」上の各システムには、システム管理者によって 設定されたファイルがある。これらのファイルには、自分のサイトにニュースを送っ てくれるシステムや、受信するニュースの種類や、使用できるリンクのタイプについ て記述されている。ただし、ユーサーが理解しておかなくてはならないのは、プログ ラムを使ってニュースを読む手順と、読みたい記事の種類である。 メールで返信を書くにはニュースの筆者の「ネット」アドレスが分からなくてはなら ルールに従うことも必要である。ニュースを配布する範囲を決めなくてはならないし、 ニュースをポストするのはもっと複雑であり、またネットエチケットに述べられた 33 1 版 ) 」あるいは時々 fj にポストされる JUNET 利用の手引的なものが存在する。 * 7 訳注 : 日本では正確に「ネットエチケット」に相当するものはないが、「 JUNET 利用の手引 ( 第 G を参照のこと。 * 6 訳注 : 当然ながら、これは米国の組織である。日本での同様の組織などについては、 Appendix
序文 ・リモート UNIX システム上でコマンドを実行する。 ・直接リンクされていないシステム上のユーザーに対して、メールを送ったりファ イルを転送したりする。 ・ローカルシステムにログインしたままの状態で、リモートの UNIX および非 UNIX システムにログインする。 ー他の UNIX ューザーがポストしたニュース記事を読む。 己事をポストしたり、他の筆者がポストしたニュースにフォロー記事をポストする。 UUCP の開発経緯 最初の UUCP システムは、 AT & T ベル研究所の Mike Lesk によって、研究プロ ジェクトの一環として 1976 年に開発された。初版が成功を収めたため、 Mike Lesk 、 David Nowitz 、 Greg Chesson らによる改良版が、 UNIX Version 7 とともに配布 されて、 Version 2 UUCP として知られるようになった。 System V Release 3 から、 AT&T はさらに新しいバージョンの UUCP を配布す るようになった。 Peter Honeyman 、 David A. Nowits 、 Brian E. Redman らが 1983 年に開発したものである。 Version 2 の欠陥を取り除き、 UUCP 管理を容易にし、ま た、より高度な通信デバイスやネットワークをサポートするように変更されている。 この第 3 版は HoneyDanBer ( 開発者の名前からとられた ) として親しまれているが、 AT&T の 3B2 マニュアルでは "Basic Network Utilities ”というそっけない名前で 呼ばれている ( 本書ではこの版の UUCP を BNU と呼ぶ ) 。 BNU は Version 2 と下 位互換性があるため、 UUCP ネットワークでは Version2 のサイトと BNU のサイト が混在することが可能である。 Xenix を含む、多くのシステムでは Version2 を使い続けている。しかしながら、 Version 2 のサイト同士でさえ違いがある。特に、 BSD 4.3 (Berkeley UNIX の最 新版 ) ではメジャーな変更がいくつかあった。 Version 2 、 BNU 、および XENIX と BerkeIey UNIX システムの UUCP のバー ジョンによる違いは、概してユーザーには影響を与えない。改良点には価値がなくて も、新しいバージョンには改良されたドキュメントと、より完璧なエラーメッセージ 一三ロ 6
netnews を使う り、 6 、その名前の最初の部分で識別されるようになっている。 7 章 comp—コンピュ ータ科学関連のグループ (comp. ai など ) SCI— news— SOC— mlsc— rec— talk— コンピュータ科学以外の科学関連のグループ (sci. physics や sci. math. symbolic など ) netnews ソフトウェア (news. admin) 関連のグルーフ : あるいは、すべて の Usenet ューザーが共通に関心を持つような内容のグループ (news. anno unce など ) レクリエーション活動関連のグループ (rec. arts. sf—lovers や rec. games. chess など ) 社会的な影響や、社会的なトピックについて討論するためのグループ (soc. singles や soc. culture. jewish など ) 非常に白熱しがちな討論のためのグループ (talk. religion や talk. politics など ) 他の分類に適さないグループ ( 求人記事をポストするための misc. jobs. offered など ) さらに、自分の地域だけで利用できる、 1 つ、あるいはそれ以上のローカルニュー スグループがあることが多い。また、自分のサイトだけのニュースグループがあるか もしれない。これらのうち、 general というニュースグループは、ほとんどの場合確 実に存在する。 また、標準の 7 つの階層に加えて、ローカルな、または地理的なグループには、代 わりの階層がいくつかある。これは、そのグループの購読や配布に合意した人々によっ て作成されるものであり、標準的な階層とは独立している。主な階層にはつぎのよう なものがある。 ースグループを排除しやすくするのが目的であった。 であった。最近行われたニュースグループの 7 つの分野への分類は、サイトが必要としな もう 1 つは最初にポストするためにはモデレーターの許可が必要なグループからなる * 6 訳注 : これ以前は 2 つの区別しかなかった。 1 つは誰にでもポストできるグループからなる「 net 」 "alternative" の略である。代わりの階層のオリジナルとなる。主な特徴 130 しェニュ 「 1 れ Od 」 であり、
7 章 netnews を使う スグループリストに定義することもできるので、興味のないニュースについて骨を折 る必要はない。 自分のサイトで使えるニュースグループを確認する。 ー購読するニュースグループのリストを作成する。 7.1 Usenet に接続する 姉妺書である『 UUCP システム管理』では、 Usenet ネットワークへのリンクを設 128 * 3 訳注 : 現在では、記事の量が増加しているので、より多くの費用がかかる。 がある。 る。ただし、日本には UUNET のアクセスポイントはないので、米国まで UUCP 接続する必要 * 2 訳注 : 日本から UUNET の会員になることも可能で、現在、会員となっている人 ( 組織 ) もい ている。 は、自由に再配布できる UNIX のソースアーカイプの大規模なコレクションを提供し バックポーンサイトからの 1 つめのホップとなれることがあげられる。また、 UUNET る。その他に、 UUNET の会員費として月に 35 ドルが必要である。長所としては、 Usenix では、すべてのニュースを送るのに、 1 カ月に約 250 ドノい 3 を見積もってい でもよく使われている ) 。 することもできる (Trailblazer は UUCP で使うために最適化されており、 UUNET もし、高速の Telebit Trailblazer モデムを使うのであれば、直接ダイアルアップ 5 ドルである。 かなりお得である一一一 1 時間 5 ドルである。 CompuServe の場合は、いつでも 1 時間 ることができる。ピークタイム以外 ( 夜と週末 ) であれば、 Tymnet への接続費用は セス用の電話番号があるパプリックデータネットワーク経由で、 Usenet にアクセスす た。 UUNET を使えば、 Tymnet や CompuServe などの、主な都市にローカルアク り、もともとは UNIX テクニカルューザーグループである Usenix が資金を出してい る * 2 ことである。 UUNET は非営利の商用べースの UUCP と Usenet の集まりであ おそらく、 U net に参加するための最も簡単でよい方法は、 UUNET に参加す 当然のことながら、サイトでニュースを受信するためには、この設定が必要である。 定するために、 netnews ソフトウェアをインストールする方法について説明している。