後半 - みる会図書館


検索対象: サッカープロフェッショナル超観戦術 : プロ基準で見るゲーム分析の極意
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1. サッカープロフェッショナル超観戦術 : プロ基準で見るゲーム分析の極意

入っていくようなら、かなりラインを高く保っていると言える ラインが高くないチームは、高い位置でのコンパクトフィ】ルドの形成がされていないと考 えられる。だからと言って、ラインが高ければいいとか、低ければいいとか、そういうものではない 試合の状况によっては、ラインを下げざるを得ない時もある。また、チームが意図的にライ ンを低くして守備をしていることもある。 では、ラインを上げたり下げたりするのは、誰のリードによるものなのか ? これはチー ム事情 ( 適性な選手がいるのかどうか ) にもよるが、真ん中から左右を見渡せることからセンタ】 に位置するの選手がリードすることが多いしたがって、に求められる能力の 1 っとして、 コ】チングができることはすごく重要なのだ。 ラインの上げ下げは、チーム練習の中で磨かれる たとえば、ラインを下げる時は「相手がロングボ】ルを蹴る瞬間」に下げることがあるのだが、 4 人のバックライン ( 4 。ハックの場合 ) がバックステップ ( 前を向きながら後退する ) を踏んで約 【 0 メ 1 ー、いレ . 、 .0 1 メートル下がるという練習をやったりする。 相手がを越えるようなロングボールを蹴ってきて、対応するが後ろに下がりながら向 かってきたポールをへディングでクリアするというプレーを試合ではしばしば見かける。前にリ ( 前に出て相手をつぶすことを得意とする ) は、この一連の動作が苦手な選手が多く、ステッ プワークが得意ではないと言える 2

2. サッカープロフェッショナル超観戦術 : プロ基準で見るゲーム分析の極意

②日本のプロックが非常に低くなっている状況の中で、オランダが左サイドからセンタリング を上げる。こばれ球に対して追わないで、日本のほとんどの選手はペナルティエリア内にいる。 3 8 分。スナイデルがミドルシュートを突き刺さす。 ④失点後に日本が攻撃に人数をかけるようになってきた。本田にポールを当ててパスを使って、 遠藤、長谷部、長友、闘莉王までも前線に上がる傾向も見られる ⑤急激な日本の変化にオランダは引き気味になる 0 オランダがポールをキ】ブした状態が続くが、日本はボールを奪った後に前に行く姿勢が見 られる ②本田にポールを当てて、駒野、長友の両サイドバックが上がる。大久保、松井が流動的な動 き出しをして展開に変化をつける 0 分。松井に交代して入った中村 ( 俊 ) がスルスルとポジションを移動して中に入っていく。 ⑨前半にも見られた状況が再び起こる。ファンプロンクホルストが中村 ( 俊 ) にマークしてつ 】ラップをしてチャン いていくためにスペースができる。そのフリースペースに駒野がオー スを作る ⑩分過ぎ。オランダは前からプレスをかけなくなった。ポゼッションからカウンターに戦術 を変史した可能性がある。 ①スピードのあるエリアを投人したところからも、カウンターの意図は明確になったかもしれ 162

3. サッカープロフェッショナル超観戦術 : プロ基準で見るゲーム分析の極意

2 れ蓄己 02 動ける材料になる。がプレスに行ったのを見てからそれに続く、というスタイルでは相手か らポ】ルを奪えない。瞬間に連動してプレッシングに行く必要がある。 では、プレッシングとはいった、、 ーとういうスタイルの守備なのだろうか ? プレッシングとは「一定の場所」で「意図的に」ポールを奪いに行くこと プレッシングとは、やが、相手の守備陣に対して、ただ前から盛んにプレスをかける というやり方ではない。つまり、前からフレスに行くことが、プレッシングサッカーをしているこ と とではないのだ。プレッシングは、ある一定の場所で、全員ないし、複数人がポール保持者に対し ン ボて意図的にプレッシャーをかけてボールを奪うことをいう。 る 見 間題なのは、ある一定の場所という「場所」が、どこなのかということだ。一定の場所は、セン を タ】サ】クルを基準にして、それよりも「前 ( 相手陣内 ) 、だけではなく「真ん中」でも「後ろ ( 自 試 陣内 ) 、でもかまわない。意図的にポ】ルを呼び込んで、スイッチが入るように全員でプレスをか 本 けに行くことがプレッシングである 基 の どういう瞬間にスイッチを入れるのかと言えば、パスを受けた相手が後ろ向きで ( 背中を見せて ) 析 分ボールを持った時や、相手のパス交換の際のポ】ルの勢いが弱い時や、浮き球でパスが出された ム 時など、さまざまな局面が挙げられる ゲたとえば、センタ 1 ライン付近に相手のポ】ル保持者がいた時に、ポールを奪うために全員 ( ま

4. サッカープロフェッショナル超観戦術 : プロ基準で見るゲーム分析の極意

れ r:i 三蓄己 02 両チ】ムの中盤に関しては、バルサ 3 枚に対してマンは 4 枚。システム上は、バルサの数的不 利になると述べた。しかし、 4 枚のうちのルーニーとパク・チソンは、かなり大胆にサイドへ開い ているので、実際はバルサの枚にマンは枚で対処することになる そこで、中央にいるシャビとイニエスタは、マンのキャリックとアン一丁ルソンと向きムリっこと になる。つまり、両チ】ムのの前のスペースが妨げられるので、システム上、お互いにメリッ トは見られない。ただし、問題になるのはシャビとイニエスタの後ろにいるプスケツの存在だ。マ と ンが、誰もプスケツのケアに当たらなければ、彼がフリーでボールをもらえるかもしれない ン イ ボ 以上のような可能性が、システムを組み合わせただけで想定できる。ただし、ここで指摘した 見のは、すべてではない。もちろん、これ以外の可能性も残されている。 試 フリーになれるブスケツを誰がケアしたのか ? 本 基先にも述べたように、バルサとマンのシステムを組み合わせた場合、プスケツがフリーになれ の る可能性があると読み取れる フスケツがフリーになってゲームの 分プスケツのポジションは、バルサにとって生命線の 1 つだ。。 ム 組み立てに参加することができれば、彼から縦パスを入れられたりサイドにポールを散らしたり ゲして、ゲ】ムの主導権をバルサが確実に握れるだろう。一方、マンとしては、プスケツを基点に 【図 9 】

5. サッカープロフェッショナル超観戦術 : プロ基準で見るゲーム分析の極意

想的なやり方だろう。ォルテイゴサをマンマークしなくても、彼を「見る」という守備をすればー ( ステイした阿部にボールを預けることで、中盤にタメが作れるしパラグアイも簡単には前に出て こられなくなる。 四分川秒からの場面を見ると、オルテイゴサを基点にポールを回すメリットがよくわかる。オ ルテイゴサがセンターラインを越えて日本陣内の中央でボールをキープする。阿部はオルテイゴ サの前に立って様子をうかがう。左サイドにいるべニテスが、ポールをもらいに中に人ってくる この時に駒野が。 へニテスにつられて中に絞ることで、パラグアイの左サイドが空く。左 22 のモレ ルがタッチライン沿いを駆け上がる。大久保がモレルの動きを見て、一緒に下がって並走する ォルテイゴサのパスの精度が低いので、日本は決定的なピンチになっていないという側面はある。 しかし、このシーンで間題なのは、阿部がオルテイゴサにケアに行くことで阿部の場所が空くこと。 そこにべニテスが入ってきたこと。駒野がべニテスをケアすることで、駒野の場所が空くこと。モ レルがその空いた場所に上がることで、大久保は下がり攻撃の人数が減る。さらに、長谷部が最 終ラインに吸収されてしまっている。ォルテイゴサをフリーにしただけで、こうした不利な状況を 作られてしまうのだ。 長谷部が自分のマークする選手を気にし過ぎて、オルテイゴサをケアできないでいる。したがっ て、阿部がケアに行くと、四分川秒の場面のようにポールがサイドに散らされる。そうされると 阿部は、また自分のポジションに戻る。前半は、この繰り返しだった。 200

6. サッカープロフェッショナル超観戦術 : プロ基準で見るゲーム分析の極意

FinaL 膏己 2 エマナを投入してきた。同時に、アンカ】を置くスタイルをやめて、 *-v が三角形になるスタイル を採用する。 このシステム変更は、前半に日本のの誰かがフリーになっていたので、それをケアするため なのか、負けているので得点を取りにきての変更なのかわからないが、ここから流れがカメルーン に移ったのは間違いないだろう。なぜなら、日本が中盤でボールを持った時に、誰かがフリーに なれる可能性が少なくなったからだ。中盤で数的優位を作れなくなった日本は、カメルーンと個 の対決という図式が徐々に表に出てくる。 意 日本は、中盤でカメル 1 ンとマッチアップした状態になる。カメルーンの両サイドの選手が前に 上がってくる。それにつられて日本の両サイドの松井と大久保が下がるようになる。こうした状 の 析況が続けば、日本は一方的に押し込まれる可能性が高くなる。ますます選手同士の個の対決が強 分 まる ム 相手のシステム変更で、押し込まれる状況になったなら、それまでと違うやり方をしなければ ならない場合もある。たとえば、カウンターを狙う方法を探るなど。そのために、スピードのあ - る 一見 る選手を松井、大久保のところに入れる。相手は攻撃のために前がかりなのでとのあい 準だにスペ 1 スが空いている。日本は本田が前で張って基点になっているので、裏のスペ】スを十分 - 基こ狙える。自陣に下がるのも速く、敵陣に上がるのも速い選手を投入すれば効果的だったかもし プれない。岡崎の投人は、そうした意図があってのことかもしれないが 151

7. サッカープロフェッショナル超観戦術 : プロ基準で見るゲーム分析の極意

FinaL 蓄己 02 なる。ここで、日本にとって 3 対 2 の数的優位が作れる そうした数的優位を利用しての攻撃が、前半の⑥で挙げたところになる。 その数的優位を日本がしつこく突いていくと、よりゴールの近くにボ】ルを進められる 本田が〈クサビ〉になってポールを受けるという攻撃は、カメル】ンのマティップが近くにいる ので難しくなる。だから、 0 のようなサイドからの攻撃が有効となってくる。 出来事には、「結果」とそれをもたらした「原因、がある。カメルーンにとっては、 2 対 3 の数 的不利な状況が生まれて、それによって日本の選手の誰かをフリーにさせることになった。しかし、 意この事態そのものが悪いのではない もしも、日本がフリーになれるを使ってチャンスメイク をしてこなかったら、フリーにさせてもかまわなー卩 、。間題は、日本がチャンスメイクしてきたこと の 析 にあって、日本のチャンスメイクを許した「原因、が中盤での数的不利に対処しなかったことに 分 ある。 ム フリーの選手を作らせてしまったことによる「影響は何か」と一一一口えば、遠藤を基点にして、松 - る井にポ 1 ルが渡って彼がドリプルを仕掛けたことでカメルーンの左が中に絞って、対面する 一見 右の駒野の前にスペースができてオー ーラップを許し、さらに駒野がセンタリングを上げる で ことができたことである。こうした攻撃の可能性が出てきてしまった以上、カメルーンは何らかの 準 - 基 対策をすぐに立てるべきだったろう ロ プ 1 つの例としては、「マッチアップしろ」という指示を出して「縦ズレ」にするやり方がある 145

8. サッカープロフェッショナル超観戦術 : プロ基準で見るゲーム分析の極意

ポルトガルが、分にセットプレ】を行なう場面がある 守っていて 1 番やっかいなキックは、の前のスペースに低い球を入れられることだ。それが 最も対処しにくい。高い球はヘディングで対処できる。低い球を蹴られたなら守っている方は足 でクリアしようとするので、ちょうど膝くらいの高さにボールを入れられるとクリアするのが難 しい。そうした対処しにくいボールを防ぐために、キッカーの前に 2 人並んで壁になる。 2 人はキッ カ】に頭の上を越えたポ】ルを蹴らせるようなポジションにいる。そうするとキッカーは、の は前のスペースに膝くらいの高さのポ 1 ルを入れにくくなる。 と 次に守る方は、キッカ】の前に立っ 2 人の後ろにもう 2 人を立たせる。 1 人はもし低いポール ン ボを蹴られた時に直接クリアするためにの前にいる。もう 1 人は、相手がクリアしたセカンド 見ボールを狙っているので、そのこばれ球を拾うために準備する。ポルトガルはマンツーマンディフェ を ンスで守備する。デンマークのキッカーは、低いポールを入れてもクリアされるだろうと考えて、 試 の目の前に高いポールを蹴った。 本 の 「セカンドステ 1 ジ」で述べてきたのは、サッカーを見るために必要な基本的な見方や例である。 分次に、「サ】ドステ】ジ」では、よりサッカーの戦術的な部分を細かく取り上げて説明していこう。 ム

9. サッカープロフェッショナル超観戦術 : プロ基準で見るゲーム分析の極意

FinaL 蓄ョ 02 いになっていることだ。まず、試合開始 5 分Ⅱ秒頃のケイタのポジショニングを見てみよう【図 四】。ビケがポールを持ってインテル陣内のセンターサークルを大きく越えて前進する。左サイド のタッチラインに張るペドロにパスを出す。ケイタは、ピケが真ん中に人ってくると、左サイドに 移動する。イプラヒモビッチは、インテルのとの間のエリアにいる。イプラヒモビッチの下、 このままだと、イプラヒモビッチをサポートする つまりインテルののすぐ後ろに誰もいない 選手がいないので、インテルの 2 人と 1 人の関係になり数的不利で孤立している。敢え て数的不利になっているイプラヒモビッチに縦パスを入れられないので、バルサのパスは、必然的 意に横に横にと渡されてサイドに集まる。したがって、バルサは、サイドからの攻撃を増やさざる を得なくなる。しかも、ケイタは、左サイドでペドロとポジションがかぶっており、ケイタ自身の の 析動き出しがまったくない 分 また、イプラヒモビッチに絡む選手が見られない。時に、メッシが真ん中に入ってきて、インテ ム ルのが引き出される場面がある。しかし、イプラヒモビッチは、数的不利に我慢しきれずに るセンターラインまで下がってボールをもらいにくる。しかし、ワンタッチでリターンするだけ。 一見 バルサの攻撃の中心は対戦相手がどのチームだろうとまったく変わらない。それは、相手の で 準とのあいだのスペースをいかに利用するかにある。つまり、インテルのとのあいだ - 基 にボールを入れたり、人が入って行ったりを繰り返す中で決定的場面を作るというもの。 ロ プインテルの守備は、 4 人のと 4 人のとスナイデル 1 人を含めて 9 人で守っている。そう 241

10. サッカープロフェッショナル超観戦術 : プロ基準で見るゲーム分析の極意

FinaL 、蓄ヨ 02 の基本的な攻撃の手順だ。 一方、インテルはどのような攻撃の手順を持っているのか ? それは、 2 分秒頃からのプレー を見えれば、インテルが何をしようとしているのかがわかる センターサークル付近でカンビアッソがポールを奪ってから、左サイドを走るミリートに素早く ハスを出す。この手順がインテルの意図する攻撃だ。インテルの速攻は、バルサのの後ろのス ペースを狙一つこと 1 ラップする。その時にの 。バルサはボ】ルをキ】ブしながらがオ】 真後ろにスペースができる 意 「キープしながら」というのがポイントで、ポールをキ 1 プしている側は、攻撃の際に前にポール 極 をどんどん進めるわけだから、必然的にラインが高くなる。インテルは、バルサの (-nn の真後ろ の のスペースを空かせるように、がオ】 ーラップしてセンタ】ライン付近まで進むと、同時に 分 ポールもセンターライン付近まで運ばれているので、その地点を基準にプレスをかける。インテル ム 一は、守りから攻めへの時に、このやり方を徹底的に繰り返した。 2 分秒頃からの場面で、ミリー トが「確実」にの真後ろの場所に抜けた。つまり、「確実」というのが大きな問題で、中盤でポ 1 - る 一見 ルを奪った瞬間にがの裏に抜けるというやり方で得点が入る可能性があるということだ。 で 準カウンターには、の裏を利用するやり方がある。それには主に 2 つのパタ】ンがあって、 1 - 基 つ目は、ポールをの裏に出してがその裏に走り込むやり方。 2 つ目は、がクサビになっ ロ プて基点となり、がの裏に抜けるというやり方がある。インテルは、最初に述べたやり方 227