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検索対象: チベット仏教・菩薩行を生きる : 精読・シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』
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1. チベット仏教・菩薩行を生きる : 精読・シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』

『人菩薩行諭』では、 しだい 地などの四大や 空のように、 、つじよ、つ つねに、無数なる有情の〔ために、〕 さまざまな方法で、〔彼らの〕生存のもととなろう。 〔このように〕説かれている。 衆生のために仏陀〔の境地〕を得なくてはならない そのために、「四大に関するロジョン」をおこなおうと思うことである。 しだい 第六座 = ・四大にするロジョン ( 第三章・幻 ) 279 第六座四大に関するロジョン

2. チベット仏教・菩薩行を生きる : 精読・シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』

修行と七支分の廻向によって、あらゆる衆生が菩薩行に人るようにと願い、さまざまなものを、広く細かな 対象に廻向しています。 て 仏教の修行では、最初の動機と、中途の行、最後の廻向が不可欠であり、たいへん重視されています。そ 6 のとおり、シャーンテイデーヴァも、最初に動機として菩提心をおこし、行として六波羅蜜を修し、最後に 廻向をしています。私たちもこれにならって、修行をすべきです。 ところで、チベットでは仏教のエッセンスを凝縮し 「八座からなるロジョン ( 心の訓練 )_ について た形でまとめて、誰もが容易に実践できるようにと どうしだい 考えて、二つの実践体系が生み出されました。それが「ラムリム ( 道次第 ) 」と「ロジョン ( 心の訓練 ) 」で す。チベットにおける仏教研究や実践のすべてはこの二つに包摂される、といっても言い過ぎではありませ ん。それはどまでに二つの実践体系はチベットに定着し、現在も脈々と息づいています。アティーシャを源 とする「ラムリム」と「ロジョン」の教えは、ともすると形骸化しやすい実践を生き生きとさせ、硬直化し やすい研究を日常の地平に降ろしたという意味で、チベット仏教に多大な貢献をしました。 この度、「八座からなるロジョン」を日本語に翻訳し、短い解説を加えて本書の巻末に添えたのは、ひと えに実践のための一助になることを願ってのことです。その中心には、実践の基本となる七支分と、『人菩 ひやくこん 薩行論』からの引用が当てられています。「八座からなるロジョン」は『ロジョン百根』と呼ばれるロジョ ン論集の中の一つです。『ロジョン百根』は、セムパチェンボ・シュンメ・ギャルチョク ( 十四世紀 ) とク

3. チベット仏教・菩薩行を生きる : 精読・シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』

以上、「八座からなるロジョン」の解説を試みてきましたが、全くの予備知識がなくこれを眼にした とき、難解な叙情詩に出会ったときのような、あるいは知らない街に迷いこんだような不思議な感じを 受けて、途方に暮れる読者がいるかもしれません。しかし、よく読むと八座の各々は似通っているもの の の、一つひとっ異なる瞑想法が示されていることに気づきます。一読する限りではその内容を把握する そしやく ン ことは困難ですが、咀嚼するように繰り返し読むことで、真の意味が理解できるようになります。 「八座からなるロジョン」に関してもっと理解を深めたいと思われた読者は、拙著『チベット密教心ロ の修行』 ( 法蔵館、二〇〇〇年 ) を参照することをお勧めします。この書と「八座からなるロジョン」な を繰り返し読むことで、はじめに受けた印象と異なる次元にたどり着くことができるはすです。そのと き読者の前に、ロジョンの真の意味が立ち現われることでしよう。

4. チベット仏教・菩薩行を生きる : 精読・シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』

もっと具体的、かっ実際的に心の訓練 ( ロジョン ) 、すなわち心の自己制御 ( セルフ・コントロール ) は どうすればよいかが直截的に説かれているのが、本書の解説の部である。とくに「八座からなるロジョン」 は、生活に則して、今直ちにおこなうことができるものである。そうした意味でも、この訳著は、まことに 時宜を得たものと言わなければならない。とくに、若い世代の人びとにこそ読んでいただきたいという思い に駆られるのは、筆者のみではないであろ、つ。 きんしょ・つ とまれ、この労作によって、荒れた今の世相の中の人びとの心の渇きが、僅少なりとも癒されることを 願ってやまない かわ

5. チベット仏教・菩薩行を生きる : 精読・シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』

第二座 = ・チ及にするロジン 衆生のために仏陀〔の境地〕を得なくてはならない そのために、「呼吸に関するロジョン」をおこなうことである。 息を吸うときには、衆生の苦しみが自分に結実していると観想せよ。息を吐くときには、自身の幸せと善 が一切衆生に結実していると観想せよ。この二つの瞑想を交互に実践することである。 諸仏・諸菩薩の善根を心で受けとって、〔それが〕一切衆生に結実したと観想せよ。そのように、自分も 罪や苦しみから離れ、菩提心をおこし、本尊のヨーガや念誦を前述のようにおこなえ。 〔そして〕二つの資糧を円満して仏陀〔の境地〕を得ること。〔苦しみの〕原因である罪障と結果である苦 しみを離れるには菩提心をおこすこと。自性の世界 7 仏の世界 ) から、二資糧を円満した世尊である不動 明王が立ち現われたと観想せよ。 八座からなるロジョン ( 心の訓練 ) 246

6. チベット仏教・菩薩行を生きる : 精読・シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』

-6 を速やかにする、聖なる重要なものであり、その有無は大乗仏教と小乗仏教とを区別する最大のちがい しゅじゅう です。菩提心の偉大なる功徳を心底納得し、菩提心を修習するには、信仰と尊敬と喜びの心をおこす論 べきです。 菩提心をおこすための方法は、主に二つあります。一つはアティーシャが伝えた「因果の七秘訣」。人 もう一つはシャーンティテーヴァが『人菩薩行論』に説いた「自他の交換」です。これらの二つの秘訣 ばだいどうとうろん を持っていた師セルリンパに学んだアティーシャは、これらを『菩提道灯諭』などに説いています。ま ばだいどうしだいろん た、ツオンカバ大師は二つの秘訣を融合して「ロジョン ( 心の訓練 ) 」をお教えになり、『菩提道次第論』 や「ロジョン」において菩提心の定義や種類について説いています。

7. チベット仏教・菩薩行を生きる : 精読・シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』

、 ( 00 ・ 不動明王 ( 「三百尊図像集」 / M ッⅵ c ス月雇厩 T 氿はり ) 263 第四座肉や血を与えるロジョン

8. チベット仏教・菩薩行を生きる : 精読・シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』

肉を欲するものは肉を、 血を欲するものは血を、 骨を欲するものは骨を、 皮を欲するものは皮を与えます。 すぐに食したいなら生で、 楽しんで食したいなら煮て食べてください。 このようにして、すべてを放棄することがここでは重要になります。受けた彼らは満足し、飢えや渇 きが完全に癒されたと観想します。そして、害をもたらす邪悪な気持ちが静まり、罪障なども清められ ほっしん りたしん て、利他心が生まれます。智慧と福徳の二資糧を円満して、心は発心の幸せを得ていったと観想します。 八座からなるロジョン ( 心の訓練 ) 270

9. チベット仏教・菩薩行を生きる : 精読・シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』

第一座 = 食べ物にするロジョン 福徳の資糧を円満するため、施しの聖なる食べ物を役立てるため、「食べ物に関するロジ「ン」を実践す ることである。 しゅしよ、つ 衆生のために仏陀〔の境地〕を得なくてはならない とくに自身の身体には八万四千種の寄生する虫がいるため、彼らを今は物質で敬愛 ( 。満足させる ) すべ。 きであるが、将来には法によって敬愛すべきである。 ざいしよ、つ 食事を飲み込むとき、衆生の〔苦しみの〕原因である罪障と、結果である苦しみをそ「くりそぎ落とす食 ように、自身のこの身体で受けとったと観想せよ 息を吐き出すときには、自分の幸せと善が衆生に結実すると瞑想し、この二つを交互に実践せよ。

10. チベット仏教・菩薩行を生きる : 精読・シャーンティデーヴァ『入菩薩行論』

ン ジ ロ ( 第三章・幻 ) さ 変 と説かれている。 珠 宝 意 を 衆生のために仏陀〔の境地〕を得なくてはならない 身 そのために、「身体を如意宝珠に変容させるロジョン」をおこなうことである。 七 第 そして、自身のこの身体は如意宝珠となる。色は青で、八つあり、大きさは太腿ぐらいであると観想せよ。 ほ、つしゅ 第七座・ = 身体を如意宝珠に変容させるロジン 『人菩薩行論』では、 如意宝珠と幸運の壷、 成就の真言と偉大なる薬、如意樹、如意牛。 によいじゅによいぎゅ、つ 〔私はそのような〕生きものの望むものとなろう。