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検索対象: 子どもの自信をつける言葉トラウマになる言葉 : 毎日の何気ないひと言が大切な理由
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1. 子どもの自信をつける言葉トラウマになる言葉 : 毎日の何気ないひと言が大切な理由

プロローグでは少し厳しいことを書いたが、実は子育てはうまくいかなくてよい。 人間だからそう理想の子育てはできない。大切なのは実際の自分の姿に気づくことである。 自分は決して今立派なことをしているのではなく、いじめているのだと知ればよい。 よい子育てをする母親は素晴らしい芸術家である。 子どもを作ることは芸術作品を作ることである。子育ては最高の芸術活動である。 自然を相手にした親の生きざまが子どもという存在に表れる。子どもはその家の文化に ふれて成長する。 その人の子ども時代からの歴史が、その人である。 母親が懸命に働いても子どもはまともに育たなかったのであれば、今現在失敗している あとがを」 244

2. 子どもの自信をつける言葉トラウマになる言葉 : 毎日の何気ないひと言が大切な理由

「どうして」とは言わない 「どうして : : : できないのーには相手を攻撃しているメッセージが隠されている。子ども の現実の存在を無視している。向こうに基準を合わせている。親族の″神話〃の人である 「叔父さん」に基準を合わせている。 私たちはカメをウサギの基準ではかってカメを評価している。 「支配の意図と自己不在ーの心理の人が頻繁に使、つ言葉が「どうして」である。つまり自 分がないから、あるいは自分がないくせに、相手を支配しようとしている。 自分の意志があれば「こ、つしなさいーと子どもにはっきりと言える。 そして「どうして」と言う親は自分の心の中を見ることを拒否している。子どもに「ど うして」と言う親は自分の本当の姿を認めない。 「どうして」と一一一一口う母親の子どもが大人になって仕事中毒になっていくが、母親は回避中 毒である。現実と直面することを回避する。 回避中毒者の典型的な言葉が「どうして、どうして」である。 考えがまとまっていないから親が言ってしまう一言葉 母親が「どうして早くできないのーとか「さっさとしなさい」と一言うときには、母親の 128

3. 子どもの自信をつける言葉トラウマになる言葉 : 毎日の何気ないひと言が大切な理由

交流分析の大家ムリエルによると、この「存在するな」のメッセ 1 ジに対する子どもの うつ 最も一般的な反応は、受け身と鬱であるという。 おまえを食べさせるために、今日もイヤな会社に行かなければならない、という顔を毎 朝父親にされたら、子どもは自分に自信を失い、鬱になるだろう。 自分なんかいないほうがいいのだ、と感じた子どもがどうして生きることに積極的にな れるだろうか 親が不満いつばいで働いてくれても、子どもは喜ばない。しかし恩着せがましい親とっ き合うためには、それでも子どもは感謝をしなければならない。 そこで自分の本当の感情を抑圧しなければならない。そしてそれがひどくなれば最後は 鬱病になる。 この「存在するな」というメッセージの心と正反対の心は、「わが子が生きていてよか った」と思える心である。 「存在するな」というメッセージが、子どもを受け身と鬱にするとすれば、「この子が生 きていてよかった」と思う親の心は子どもを積極的に明るくさせる。 子どもを伸びさせるのは、親が子どものしたことに感謝することであり、子どもの心を 破壊するのは親が子どもに恩着せがましくすることである。

4. 子どもの自信をつける言葉トラウマになる言葉 : 毎日の何気ないひと言が大切な理由

さくしゅ いない。手抜きしている。これはいじめであり、搾取である。 母親であれ、父親であれ、親が自分のできることをすべてしていれば、どうなっても子 どもとの関係で自分の位置はある。 そして手抜きしているとつい言い訳が多くなる。言い訳が多くなり、子どもがうるさが れば、自分のしていることを合理化したくなって、「みんなあなたのために言っているの よなどとさらに恩着せがましくなる。 恩着せがましさの悪循環である。 ひ 恩着せがましくする人は、相手から搾取している人である。 す 「おまえは迷惑な存在だ」と恩を着せられた子どもは、たいてい上出来の子どもである。 気こういう親は、子どもが本当にできが悪ければ子どもを「捨てる」。こうした親にとって や最も大切なことは自分を守ることであるから。 ひ る もし、このように「存在するな」というメッセージを父親から受けて自分は育ったと気 づいた人は、もし自分の父親が、喜んで毎朝会社に出ていったとしたら、自分は自分をど 気 る う感じるようになっていたであろう、と一度真剣に考えてみることである。 や

5. 子どもの自信をつける言葉トラウマになる言葉 : 毎日の何気ないひと言が大切な理由

「あなたさえいなければ、お父さんと別れるのに」 ところで「存在するな」というメッセージの典型的な言葉である「あなたさえいなけれ ばお父さんと別れるのに」と言う母親の心理をもう少し考えてみたい。それは恩着せがま しい人の心理を解き明かす鍵になるからである。 実はこういうことを一言う母親は、本当は夫とは別れたくないのである。こういう母親は 別れると損するから別れないだけなのである。こういう母親は、もし今の状態が損ならす ぐに今の夫と別れる 自分が損をするからという理由で別れない上に、「あなたのためにお父さんと別れない と言って子どもに恩を着せる。 つまりこうすることで母親は自己無価値感を解消できる。つまり母親は自分は他人にと って価値のある存在だと感じることができる。 簡単に一言えば、母親であれ、父親であれ、こうして子どもをいじめることで自分の心の 葛藤を解決できる。 恩着せがましくするのは、それで自分の位置を守ろうとしているからである。 つまり恩着せがましい親は母親であれ、父親であれ、自分が子どもにできることをして

6. 子どもの自信をつける言葉トラウマになる言葉 : 毎日の何気ないひと言が大切な理由

の講演会などで「子どもを元気に迎えなさいーと親に一言うと、学校から帰ってき た子どもにワーワー騒ぐ母親がいる そう、つつ まるで躁鬱病者の「躁」の状態のような母親まで現れる。そしてそれが元気なことと勘 違いをする。 電車の中でギャーギャ 1 騒いでいる女子高校生などがいる。人の気を引くためである。 彼女たちには自分の存在感がない。存在感喪失症状なのであろう。 こういう母親はこれらの女子高校生と同じである。 かんだか こういう人達はときに甲高い笑 育両者とも自分の中で「やったー」という達成感がない。 を いをする。ずるさを笑いでごまかしている。 の 笑っているがお互いにふれあっていない。話をしていても気持ちの通う会話にはなって あ 、 0 れ しオし ふ 精神病理学者のテレンバッハの指摘を待つまでもなく、躁鬱病者はときに「けじめもみ 話 会 のさかいもないー上機嫌を示す。 子 親 このようなだらしのない感情発散は決して感情の深さを示すものではないとテレンバッ し 楽ハは一一一〔、つ 241

7. 子どもの自信をつける言葉トラウマになる言葉 : 毎日の何気ないひと言が大切な理由

そしてメランコリー親和型の人は、他人から認められることで自分の存在を確認できる。肥 難しく一言えば「自己同一性の供給源としての他人ーが重要になりすぎている。だから、他 人と接するときにおずおずビクビクとしてしまうのである。 他人から拒否されれば自分が自分でなくなってしまう。 「ママのこと好き ? と聞く母親が最低の母親であるという教育学者ニールの言葉の意味 はここにある 子どもは、母親の「自己同一性の供給源としての子ども」にすぎない。子どもに「好き」 と言われて、母親は自分という存在を確認できる。 子どもに「好き」と言われなければ、母親はすっかり落ち込んでしまう。これでは子育 てはできない。しつけもできない 「家族のためにだけ生きている」と一一う親を持っ不幸 メランコリー親和型の人は「家族のためにだけ生きているーというようなことを一言う。 この言葉だけを聞けばそれは大変立派なことである。中には、私もこんな立派な親を持ち たかった、などと思、つ人もいるかもしれない。 しかし実は、このような親を持った人は幸福というよりもむしろ不幸である。

8. 子どもの自信をつける言葉トラウマになる言葉 : 毎日の何気ないひと言が大切な理由

人は、大人になってから、いつもビクビクしている。 母親が自分に顔を向けないことで、子どもは自分は他人にとって価値がない存在だと思 ってしまう。だから大人になっても人と会うといつも、つまらない人と思われないかとビ クビクしてしまうのである。 そして自分は他人にとって意味のない存在だから、人と会うと気が引けて自分のことを きちんと説明できない。自分の要求も一言えない。そういう人は人といると気が引けてすべ て譲ってしまう。 母親から顔を向けられていない子どもは、自分のことを自分で守るということもできな 、 0 母親が守ってくれることを通して子どもは自分で自分を守るということを覚えていく。 寒い日に外出するときに母親は襟元を暖める注意をする。子どもが薄着で出かけようと するのを追いかけて暖かい服を着せようとする。そういうことで自分の体を自分で守る姿 勢ができてくる。 マフラ 1 をきちんとするだけで体がホカホ力するが、そういうことをしてもらっていな いと、それをする心の姿勢ができていない。 暑さ寒さばかりでなく、小 さい頃、自分の体を守ることを教えられていない。だから自 分の体を自分で守るという発想そのものがない。寒いときに、自分を守るという工夫をし 214

9. 子どもの自信をつける言葉トラウマになる言葉 : 毎日の何気ないひと言が大切な理由

子どもが喜ぶことで自分の存在を感じる母親は子どもとの関係が薄い。そこで子どもが 喜ばないと子どもに対し不満になる。 子どもを愛しているから、子どもが喜ぶ姿に幸せを感じる母親は子どもへの要求がない。 子どもが喜ばなくても子どもに対し不満にはならない 自分のない親は子どもがいつも機嫌よくしていないと不安になる。不満にもなる。 子どもを愛しているから喜んでいる顔を見たいというのと、喜んでいる顔を見ることで 自分という存在を感じようというのとでは、まったく心理が違う。 前者は情緒的に成熟している母親で、後者は情緒的に未成熟な母親である。 親子関係でなくても、自分のない人は同じである。ビジネスマンでも同じである。取引 先の相手が機嫌よくしていないまま別れると、そのことが気になってそれ以後の仕事など が手につかない。 そこで母親であれ、ビジネスマンであれ、情緒的未成熟な人は、相手と一緒にいる間も 相手に対する要求が出てくる。相手がいつも機嫌よくしていてもらいたいという期待が相 手に対する要求に変化する。「機嫌よくしていろ」という要求である。 この要求は相手にしてみれば押しつけがましく感じる。実際に機嫌がよくないときなど は「ほうっておいてほしい」という気持ちになる。

10. 子どもの自信をつける言葉トラウマになる言葉 : 毎日の何気ないひと言が大切な理由

( 註 % ) あいではなく、果たすべき務めであるとテレンバッハは一言う。 それは性の営みにおいてさえ、それは相手に対する果たすべき務めと解釈される。メラ ンコリー親和型の人は性行為ですら相手を喜ばせようとする行為で相手の人格を肯定する ものではないとテレンバッハは一一一一口、つ。 ある鬱病者の性行為について、マトウセックらの学者の解説の言葉として次のような言 特禾が『メランコリ 1 』に載っている。性行為は「それによって妻を満足させなければなら ないという愛の仕事ーである。 皮らは相手を ~ 暑ば 性行為が楽しければ性行為は相手を喜ばすための仕事にはならない。彳 すことによって自分の存在を確認しようとするのである。 : 心理的に解放され メランコリー親和型の人は自分の行為で自分の存在を確認できなし 言ていれば性行為は相手を喜ばすための仕事にはならない。自分が自分であることを許され る 縛ていれば性行為は相手を喜ばすための仕事にはならない。 い」 子 他人を喜ばせることが彼らに満足感をもたらす。「他人に奉仕でき、他人を喜ばせるこ ( 註 ) 意 とができれば、満足感が感じられる」。 無 それまでは、 ししか、メランコリ 1 親和型的な人には自分の喜びというのがない。メラン