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検索対象: 放射性同位元素等取扱者必携
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1. 放射性同位元素等取扱者必携

6 ・ 9 加速器の安全取扱い 135 〔 4 〕中性子のしゃへい 高速中性子のしゃへいには非弾性散乱・弾性散乱 など散乱により減速しておき , しゃへい材に吸収させるという方法をとる . 弾性 散乱で減速するには水素原子を多く含む水 , バラフィンがしゃへい材としてよく 用いられる . 熱中性子に対しては大きな吸収断面積をもっホウ素やカドミウムを 用いるとしゃへい効果は大きい . 捕獲 / 線など減衰と同時に / 線も多く出るた め , そのしゃへい対策も講じなければならない . 〔 5 〕しゃへい体設置の注意以上取扱い時におけるしゃへいについて述べ たが , しゃへい材は線源のなるべく近くに置くほうが小面積で大きな空間をしゃ へいできるため効果的である . また , 散乱やおもわぬ漏えいがあるかもしれない ので線量当量率を計算のみにたよらす , サーベイメータで実際に測定し確かめて おく必要がある . 6 ・ 9 加速器の安全取扱い 加速器は運転中放射線を発生し運転停止後は残留放射能によるもの以外の放 射線はなくなる . したがって , 加速器運転中は密封線源の取扱いに準し停止後 は非密封線源の取扱いに準する . 一般に加速器より得られる一次放射線の強度は , 放射性同位元素線源に比べて桁違いに強いので厳重なしゃへいが必要である . 仮 に少しでも漏れ出ることがあれば重大な放射線事故を誘発するおそれがある . 加 速エネルギーが高くなると一次放射線は高速中性子や X 線などの二次放射線を 発生する . これらはしゃへいするのがむすかしい . 特に高速中性子は生物効果 (RBE) が大きく , 人体に悪影響を与える可能性が大きいのでしゃへいについて特 に留意する必要がある . 加速器の安全取扱いについては問題点を次に述べる . 6 ・ 9 ・ 1 加速器周辺における放射線 電子加速器において電子工ネルギーが増加すると , 電子がターゲットに当たる 際に , 電磁カスケード現象が起こり , X 線発生量は急激に増加する . 1MeV の場 合 , ビーム電力 1kW / m3 当たり 10 ~ 102SV / h の多量の X 線が発生する . さらに エネルギーが増加すると X 線の発生は前方に集中し , 10MeV では前方で 103 Sv/h, 直角方向で 102Sv/h に達する . 電子工ネルギーが 15MeV を起えると , 発 生 X 線による光核反応が起こり高速中性子を放出する . 電子のエネルギーが 20 MeV 以上の場合は発生する高速中性子は 10 Sv/h に達する .

2. 放射性同位元素等取扱者必携

この点における線量当量率をさらに低くするには線源と測定点の間にしゃへい この厚さを求めるには減衰率 ( ェ ) / になるよう式 ( 2 ・ 14 ) の 体を置く . 表 6 ・ 1 入射 X 線の強さをその 1 / 10 にするのに必要な吸収材の厚さ〔 cm 〕 が , 上記鉛含有物質の場合 , 鉛当量がわかればしゃへい能力を知ることができる . などを用いる場合もある . しゃへい能力は成分元素の重量比により異なってくる 厚さを表 6 ・ 1 にあげておく . しゃへいに鉛の入った防護衣 , 前かけ , 手袋 , 眼鏡 厚さは比較的薄くてすむ . 入射 X 線の強度を 1 / 10 にするに必要なしゃへい材の 数百 keV の管球電圧の X 線は / 線に比べエネルギーが弱いためしゃへい材の ができる利点がある . い . 鉛を含有したアクリル板とか鉛ガラスを用いると直接目で確かめながら操作 鉛プロックを用いる場合はポリエチレンろ紙などでカバーして汚染を防ぐとよ 場合もある . 薄い板状の鉛であれば線源容器の形に沿って曲げることもできる . 5X10X10Cm ) ( 図 6 ・ 18 参照 ) などが一般的で , 小球 , 毛状のものが用いられる 易な鉛が最も適当であろう . 形状は薄板 , れんが型のプロック ( 5X10X20Cm , 実験室内で用いるしゃへい材としては , しゃへい能力が大きく加工が比較的容 まれば , 幾何学的条件の相違などを考えェより厚いものを用いればよい . を置いたときの線量当量率である . 図により必要とするしゃへい体の厚さェが求 2 ・ 9 参照 ) を用いることが多い . こに , ( ェ ) は厚さェ〔 cm 〕の厚さのしゃへい体 Bexp(—gx) を決めればよい . しかし , 簡単のため一般には減衰曲線 ( 図 2 ・ 8 と図 13 イ 15. 35 5.20 2.06 6 章放射性同位元素等の安全取扱い の点の線量当量率を推定するには , lcm 線量当量率定数 C 〔〃 sv ・ m2 / ( h ・ しゃへいしてない点等方 / 線源から颪 m 〕 〔 3 〕ァ線 ( X 線 ) のしゃへい MBq) 〕 ( 巻末付表参照 ) を用いると便利である . = c-u 〔 gsv/h 〕 ここに , Q : MBq で表した線源強度 ( 6 ・ 1 ) 吸収材 木材 (p = 0.5 として ) AI ( 金属 ) Fe ( 金属 ) Pb ( 金属 ) 0. 040 0. 793 0. 039 0. 007 波 0.050 10. 66 0.443 0.021 0 04 長〔 nm 〕 (CuK) (MoK) 0. 0017 0. 008 0. 173 0. 070 0. 100 0.062 0. 0030 0. 0027 0. 154 0.533 0.017 0.0009 0. 0008 (FeK) 0. 0005 0. 0040 0.009 0. 270 0. 194

3. 放射性同位元素等取扱者必携

5 ・ 8 サーベイメータ類 のが多い . GM 管およびシンチレーション式のものは , 放射線による信号を電気 min-l 〕を読 バルスとして取り出し , 計数回路を通して計数率〔 countrate , s-l み取れるようにするのが普通であるが , lcm 線量当量率〔〃 Sv / h 〕対応のものも ある . 線量 ( レントゲン ) の定義から考えても理解できるように , 空間線量率の測定 には電離箱が最も適している . GM 管およびシンチレーション式のものは入射放 射線のエネルギーに対する依存性が強く , 正確に線量率を決めるにはあらかじめ 較正曲線を求めておく必要がある . 検出感度は電離箱より GM 管やシンチレーション式のほうがすっとすぐれて いるので , これらは汚染検査用としても使われるが , いすれを選ぶかは放射線の 種類とエネルギーによって決まる . 約 100keV 以上の / 線を放射する放射性同位 元素の探査には , NaI ( TI ) を使ったシンチレーションサーベイメータが最適であ る . 低エネルギー / 線および X 線の測定には GM 管式のほうがよいが , GM 管は 分解時間が数百″ s と非常に悪く , 数え落しによる見かけ上の計数率指示値の減 少に常に注意を払う必要がある . GM 管は尸線を放射する放射性同位元素のサーベイにも使えるが , 窓厚に注意 しなければならない . 市販の端窓型 GM 管の窓厚は 3 mg / cm2 程度のものが多 く , 50keV 以下の電子線を効率よく測定することはむすかしい . ライフサイエン スにしばしば使われる 3H は 19keV 以下の電子しか放射しないので , GM 管での 汚染検査は不可能である . 14C ( 最大工ネルギー 156keV ) に対しても検出効率が 著しく低いため実用的でない . これら低エネルギー日線放出核種の汚染検査には 薄窓 ( 1.4mg/cm2) や窓なしガスフロータイプの表面汚染モニターも役立つが , ふきとり法 ( スミア法 ; smear 法 ) によるサンプルを窓なしのガスフロー計数法 か液体シンチレーション計数法で行うほうが確実である . ただ , 液体シンチレー ションの場合 , 化学発光などによる偽計数に注意する必要がある . なお , 広い範 囲の汚染検査を行おうとするときには大口径の GM 管を用いると効率が高いの で便利である . このほか , 住線用サーベイメータとして ZnS ( Ag ) シンチレータ , 中性子線用 サーベイメータとして BF3 計数管が使用される . さらに , 最近は 1251 専用の NaI ( TI ) シンチレーションサーベイメータや , 碼線用の半導体サーベイメータも 利用できる .

4. 放射性同位元素等取扱者必携

7 ・ 5 ICRP 勧告と内容の変遷 するということになる . 7 ・ 5 ・ 3 リスクを考えるべき臓器と臓器のリスク係数 (riskfactor) 153 従来の勧告では , その核種に関してその臓器の放射線障害が人体に対し最も大 きな障害をもたらすような臓器 , すなわち決定臓器という概念を定め , 決定臓器 に注目して管理を行えば , その他の臓器の安全性は確保されるものとしていた しかしながら , 新勧告では , 特定の臓器に注目せす , 被曝したすべての臓器のリ スクを加えて総リスクを求め , これを考慮して線量当量限度を勧告するという考 え方にしている . 各臓器のリスクの表現にはリスク係数が用いられ , リスク係数とは , 1Sv ( 100 rem) を被曝したときに , リスクの起こる割合をいう . もちろんリスク係数を算出 するに当たっては , 確率的および非確率的影響の考慮が必要であるが , 放射線防 護の観点から問題となるような低い線量域では , 確率的影響すなわち発がんと遺 伝的影響が重要である . したがって , 勧告では確率的影響に関するリスク係数と して , 表 7 ・ 3 に示す値が提示されている . なお , この数字は学術資料をもとに採 用されたものであり , 個々の数値の妥当性については , なお論議があり , したが ってこの数字そのものは , あくまで放射線防護の目安のために示されたものと考 えるべきものである . 7 ・ 5 ・ 4 線量当量限度 前述したように , 放射線防護の目的は非確率的影響を防止し , 確率的影響を容 認できると思われるレベルにまで制限することであり , このレベルが線量当量限 度と呼ばれる . 従来 , 許容線量と呼ばれていたものであり , 表 7 ・ 4 は線量限度の 用語表現の変遷を示す . 勧告年 1958 年 1962 年 1965 年 1977 年 表 7 ・ 4 線量限度の用語表現の変遷 用語表現 最大許容線量 最大許容線量 容認できる線量 { 線量当量限度 線量限度 ( 公衆の構成員 ) 最大許容線量 ( 職業人 ) 被の対象者である放射線業務従事者に対して , 放射線影響を確率的影響と非 確率的影響に分けて , 前述の目的に合うようにそれぞれに線量当量限度が定めら

5. 放射性同位元素等取扱者必携

86 ターなどを用いる . 5 章放射線の測定機器と測定法 排気モニターはダストモニターとがスモニターからなる . 排気系統での設置を 図 5 ・ 14 に示す . 測定方式は排気ダクトから吸気ポンプでサンプリングし , 検出器 で放射能濃度を測定する . ただし , ダストモニターは自然のしんあいに含まれる 放射性物質も同時に集じん , 測定するので測定値の評価には注意が必要である .

6. 放射性同位元素等取扱者必携

6 ・ 4 非密封放射性同位元素の購入から後始末まで 103 取扱主任者に連絡を取り , 放射性同位元素の持出し , 受入れ許可を得ておかなけ ればならない . また , 微量の放射性同位元素しか含まない測定試料を持ち運ぶ場 合は , ときとして安易に行われやすいが , この場合でも , 運搬中に汚染事故が起 こらないように容器を密封 , 二重にするなど十分な配慮が必要である . 6 ・ 4 ・ 5 放射性同位元素の廃棄 施設に登録された放射性同位元素は , 減衰の程度に差があるにしろ , 最終的に は放射性廃棄物として施設から出されることになる . 実験中に生する廃棄物は , 保管廃棄施設に移されるまでの間一時的に実験室内に保管されるが , この際大切 なことは , それが当初よりアイソトープ協会所定の方法に従って正しく分類され ていることである . 以下使用者の立場からみた廃棄物の種類ごとに , 問題点を述 〔 1 〕希釈廃棄放射性同位元素使用実験に伴い , 使用放射性同位元素の一 部は排気・排水中に混入し , 施設外に排出される . これは実質的には希釈廃棄の 一形態とみなされる . 施設の最終排気ロ , 排水口における放射性同位元素濃度は 核種 , 化学形およびそれらの複合量で規制されている . したがって , 特に高濃度 の放射性同位元素が排気・排水中に混入する可能性のある場合 ( 標識用 131 1 や 125 1 の原液入りバイアルの開封 , NaB3H4 を用いた 3H 標識実験 , 大量のトリチウ ムガ、スやトリチウム水を取り扱う場合など ) は , 前もって取扱主任者に相談すべ きである . 〔 2 〕保管廃棄放射性廃棄物を保管廃棄施設に持ち込み , アイソトープ協 会により集荷されるまでの間 , その保管を依頼する場合がこれに相当する ( 動物 はあらかしめ乾燥して保管廃棄しなければならない ). この場合 , 正しく分類され た廃棄物の一包みごとに , 含有放射性同位元素の核種と量 , および内容物をでき るだけ正確に記入した廃棄物記録票を添えて提出する必要がある . 〔 3 〕焼却廃棄放射性廃棄物のうち放射性有機廃液については各事業所で それを焼却廃棄できるように施行規則の改正がなされ , 実際多くの事業所では焼 却が行われている . 放射性同位元素取扱者は , 実験中に放射性有機廃液が出た場 合 , 耐有機溶媒性の密封容器に入れ , それに含まれている核種と量 , また有機溶 媒の化学組成などを記入した廃棄物記録票とともに取扱主任者に提出することに なるが , その際それを焼却処分するよう指示を受けた場合には , そのために必要 な前処理をも含めて焼却作業を完了するまでが取扱者の責任範囲と考えるべきで

7. 放射性同位元素等取扱者必携

化合物 脂肪族炭化水素 芳香族炭化水素 アノレコーノレ 工ーーテノレ カルポン酸 炭化水素 アミノ酸 べプチド タンバク質 核酸成分 高分子 水 ( 中性 ) 3 ・ 3 ホットアトム化学および放射線化学 表 3 ・ 8 各種化合物の放射線化学収率 (G 値 ) 0. 1 ~ 1.0 0.01 ~ 5. 0 0. 1 ~ 5. 0 0.01 ~ 5.0 2. 65 0.55 2. 72 0. 45 0. 68 生成物あるいは変化 H2 , ラジカル 重合 H2 , ラジカル H2 , ラジカル H2, C02 分解 NH3, C02 NH3 不活性化 分解 架橋 ・ H ・ OH H202 aq G 値 4 ~ 12 となり酸素のあるときには還元性のおよび・ H が酸素と反応して酸化性の こうして生成したラジカルや分子などが溶質と二次的に反応 H02 ・が生成する . することになる . たとえば , 酸素飽和の鉄線量計 ( フリッケ線量計 ) では , 次式 が成立するので , 生成した Fe3 + を定量すれば吸収線量がわかるのである . Fe2 + 十・ OH—→ Fe3 + 十 OH- Fe2 + 十 H202 ーー→ Fe3 + 十・ OH 十 OH- Fe2 + 十 H02 ・十 H + ーー→ Fe3 + 十 H202 G(Fe3 + )=G( ・ (H) + 2G ( H202 ) + 3G ( H02 ・ ) 放射線が生体に及ばす効果を考える場合も同様であり , 生体構成分子の直接分 解とともに生体に含まれている多量の水分子の放射線分解が重要である . はしめにも述べたように , 標識化合物を入手あるいは調製して保存するときに は , 自己の放射線による分解に注意を払う必要がある . 放射線分解は純度の低下 を招くからであり , 一般に比放射能が高いときほど純度の低下が著しい . 表 3 ・ 8 の G 値などをもとにすれば , 分解率の推算も可能であるが , 溶媒や不純物の効果 , 温度の効果に留意しなければならない . 放射線分解を抑制するためには , ラジカ ル捕捉剤の添加 , 低温での保存などが有効である . 図 3 ・ 3 はその一例である . なお , 放射線が物質中で誘起する反応は , 電離線量計 ( 電離 ) , 熱ルミネセンス

8. 放射性同位元素等取扱者必携

106 6 章 照明 戸 ( 窓 ) 図 6 ・ 5 フードの一例 ( 側断面図 ) 排水凵 ノヾッフル十反 / ヾッフノレダ、ン / ヾ 風量調節ダンバー 排風ロ 放射性同位元素等の安全取扱い 0.5m / s を超える場合があるから , 粉末や軽い物品が飛散しないよう衝立を置く 必要も生する . 内面が SUS 製であっても塩化水素ガスなどによって錆びやすい . SUS 表面にェポキシ樹脂を薄く塗っておくと保護膜になり錆びにくくなるし , ま た放射性物質の除染も容易になる . フード内でもポリエチレンろ紙を敷いて実験 操作する . 〔 2 〕グロープポックス大量の危険な放射性同位元素 ( 特に住線放出核 種 ) を扱う際に用いるが , グロープをはめての操作に習熟が必要である . 〔 3 〕実験台特別のものではないが , 表面は特に平滑に作られている . コ ンクリートテープルの場合は表面に塗料が塗ってある . すべてポリエチレンろ紙 などで天板表面を覆って用いる . 〔 4 〕流し SUS 張り , 硬質塩化ビニル張り , また鉛板張りに塗料を施した ものなどがある . 重金属を含む液 , 有機溶媒 , 中和していない酸やアルカリ液な どを流すことは放射性・非放射性を問わす許されない . SUS を含め「流し」表面 は傷がつくと , この点での汚染は意外に強固になる場合がある . 放射性同位元素 用流しでの洗浄は二次ないし三次洗浄液以降にすべきであり , 原液や一次洗浄液 は廃液溜に保管する . どの段階までの洗浄液を保管にまわすかは , 施設の管理基 非密封放射性同位元素を用いる場合には , 汚染を絶対に起こさないと考えるよ 6 ・ 5 ・ 2 実験準備と使用物品 準や原液の濃度にもよる .

9. 放射性同位元素等取扱者必携

7 ・ 6 現行健康診断 155 5 によって生するリスクより小さいか , あるいは同しであるように制限している . ただし線量当量は直接測定できる量ではないので , 線量当量限度を超えないこ とを保証するために , 年摂取限度が補助的な基準として与えられている . すなわ ち , 各放射性核種について , 体内に取り込まれ各組織に分布した核種による照射 の影響が , 確率的影響の制限に関する原則に合うように , 1 年間の摂取放射能の限 度を計算して ( 年摂取限度 ) , 実際の 1 年間の摂取放射能と比較している . また , これをもとに空気中の各放射性核種の濃度限度も定められている . 7 ・ 5 ・ 6 健康診断 放射線作業者を対象とする健康診断に関して , 新勧告では線量当量限度の範囲 内の , 有害な影響と被曝との明確な関連づけは不可能であり , 放射線防護プログ ラムの有効性を確かめるうえで , 医学的監視は何の役割も果たさないとしている . この考えに基づき , 健康診断は年間の被曝が年線量当量限度の 3 / 10 を超えるおそ れのある条件で作業を行うものについてのみ行い , これを超えないことが確実で ある作業者については , 特別の健康診断を必要としないとしている . 7 ・ 6 現行健康診断 法令およびこれに準拠した放射線障害予防規定により ( 8 章参照 ) , 定められた 時期に定期的に健康診断を受けなければならない . ただし , 線量当量が年限度の 3 / 10 を超えないなどの条件を満たしているとき , ならびに , 放射線障害を疑わせ る自他覚症状の認められないときは健康診断を省略できる場合がある ( 8 ・ 8 参 照 ). 放射性同位元素の誤飲 , 吸入および皮ふの創傷面の汚染などによる体内被曝 並びに被曝線量当量限度を超える放射線の外部被曝を受けたおそれのあるときは 表 7 ・ 7 健康診断概要表 健康診断項目 受検時期 該当者 管理区域に常時立ち入る 者 ( 放射線業務従事者 ) 著しい放射線被曝または 汚染を受けた者 , または そのおそれのある者 検査・検診項目 問診・皮ふ・眼 液 問診・皮ふ ( 眼 ) 液 血 血 受検時期 業務従事前とその後 1 年を超え ない期間ごと 不測の事態発生直後 〔注〕 : 「受検時期」は人事院規則 10 ー 5 では異っている ( 8 ・ 8 〔 2 〕参照 )

10. 放射性同位元素等取扱者必携

8 ・ 7 教 育 訓 181 8 ・ 7 教育訓練 する前および取扱等業務を開始した後にあっては 1 年を超えない期間ごとに行わ ( ⅱ ) 取扱等業務に従事する者に対する教育および訓練は , 取扱等業務を開始 わなければならない . ち入る前および管理区域に立ち入った後にあっては 1 年を超えない期間ごとに行 ( i ) 管理区域に立ち入る者に対する教育および訓練は , 初めて管理区域に立 8 ・ 7 ・ 1 教育訓練の時期 告示第 11 号 ). ばならない ( 障害防止法第 22 条 , 同施行規則第 21 条の 2 , 昭和 56 年科学技術庁 他を図るほか , 放射線障害を防止するために必要な教育および訓練を施さなけれ 使用者等は , 使用施設等に立ち入る者に対し , 放射線障害予防規定の周知その なければならない . 8 ・ 7 ・ 2 教育訓練の内容 ( i ) 放射線業務従事者に対する教育および訓練は , 表 8 ・ 8 教育訓練の時間数 事 放射線の人体に与える影響 項 放射性同位元素等または放射線発生装置の安全取扱い 表 8 ・ 8 のとおり行う . 時間数 30 分以上 4 時間以上 放射性同位元素および放射線発生装置による放射線障害の防止に関する法令 1 時間以上 放射線障害予防規定 30 分以上 〔注〕時間数は , 初めて管理区域に立ち入る前または取扱等業務を開始する前に行わなけ ればならない教育および訓練の時間数である . ( i ) 以外の者に対する教育および訓練は , 当該者が立ち入る放射線 施設において放射線障害が発生することを防止するために必要な事項について行 ( ⅲ ) に掲げる事項の全部または一部に関し十分な知識およ び技能を有していると認められる者に対しては , 当該事項についての教育および 訓練を省略することができる .