202 自続放電・・・ 実験着・ 実験準備・・ 実験の計画・・ 実効エネルギー 実効線量当量限度・ 質量減衰係数・・・ 質量数・・・ 指頭型電離・ 指導区分・ 自動表示装置・・・ 写真乳剤・・ しや , い・・ しゃへい材・ 集合状態の放射性同位元素・ 集積線量・・・ 充てん気体・・・ 修復・・・ 修復ェラー 重陽子加速・ 受検項目・ 受検時期・ 手動サンプリング・・・ 使用・ の基準・ の記録・ 障害・ ・・・ 97 , 114 ・・・ 122 ・・・ 169 ・・・ 184 ・・・ 85 ・・・ 156 ・・・ 156 ・・・ 136 ・・・ 52 ・・・ 37 ・・・ 61 ・・・ 80 ・・・ 164 ・・・ 134 ・・・ 59 ・・・ 92 ・・・ 158 ・・・ 140 ・・・ 12 ・・・ 139 ・・・ 97 ・・・ 107 ・・・ 60 ・・・ 89 , 131 , 132 ・・・ 132 , 165 ・・・ 37 , 38 障害防止法・・ 焼却・ 焼却廃棄・ 使用記録・ 使用施設・ 使用者・ 照射時間・・ 照射線量 (exposure dose) ・ 症状の遅発性・ 症状の非特異性・・ 常染色体性劣性遺伝・・・ 承認証・ 消滅 (annihilation) 蒸留法・・・ ・・・ 161 ・・・ 174 ・・・ 103 ・・・ 168 ・・・ 164 ・・・ 34 ・・・ 102 , 104 ・・・ 96 ・・・ 10 ・・・ 171 ・・・ 44 ・・・ 148 ・・・ 148 ・・・ 15 , 18 使用量・・ 除去修復・・ 職業人・ 除染・ 試料チャンネル比法・・・ シンクロトロン (synchrotron ) ・ シンクロトロン軌道放射・・ 人事院規則・ 真性 Ge 検出器・ 水品体・ シンチレ シンチレ 人体影響・・ ータ発光・・・ シンチレータ (scintillator) ーションカウンタ 線質係数 (quality factor) ・ 線質・ 線減衰係数・・・ 線形加速器・・・ 全吸収ピーク・・ 線エネルギー付与・ 絶対測定・・・ 赤血球・ 生物学的半減期・・ 生物学的効果比・・ 制動放射線・・・ 制動放射 (Bremsstrablung) ・・ 正当化 (justification) 生体への影響・・ 生体等価・・ 生殖腺・・ 精子形成・・・ 制御盤・ スミア (smear) 法・・ スミアテスト スパークカウンタ・・ ストリーミング (streaming) ・ スカべンジャー スカイシャイン (sky shine) 据置式放射線監視装置・・・ ・・・ 98 ・・・ 51 ・・・ 154 ・・・ 70 ・・・ 20 ・・・ 20 ・・・ 58 ・・・ 37 ・・・ 63 ・・・ 17 , 63 ・・・ 17 , 58 ・・・ 163 , 185 ・・・ 111 , 112 ・・・ 15 , 16 ・・・ 139 ・・・ 12 ・・・ 19 ・・・ 64 ・・・ 15 , 28 ・・・ 75 ・・・ 157 ・・・ 32 ・・・ 15 , 53 ・・・ 91 , 133 ・・・ 7 , 10 ・・・ 88 , 151 ・・・ 38 ・・・ 79 ・・・ 42 ・・・ 47 ・・・ 139 ・・・ 83 ・・・ 107 , 110 ・・・ 136 ・・・ 95 ・・・ 136 ・・・ 84 ・・・ 157
4 章放射線の生体への影響 ( プラッグピーク ) も有利な点である . 体内被曝 ( 内部照射 ) の諸問題 放射性同位元素利用者にとって , 誤ってあるいは不可避的に体内に入った放射 できること 5 イ 4 ・ 6 部被曝特有の問題は 3H, 14C , 32P などでは比較的小さいと考えてよい . 大限で 1.3 ぐらいとのデータがあり , 全体として放射性同位元素特有 , あるいは内 は飛程が短いことによる RBE の増大が疑われる . しかしこれも多くの実験で最 水の存在下では間接作用が大きくなる . 3H についても同様であるが , 3H の場合に 跳エネルギーの寄与も考えられるが , 実験では召線の効果のほうが大きく , 特に DNA の中に放射性同位元素が入った場合には 32P の場合に日線放出の際の反 室内で飲食 , 喫煙などをしない基本的注意の大切さが理解できよう . 位元素を体内に取り入れないよう , ピべットを口でくわえたり , 放射性同位元素 素による「自殺」実験が行われ , それが実証されている . したがって , 放射性同 きるであろう . バクテリオファージや細菌を用いて , とりこませた放射性同位元 3H ーチミジンは , 体内でも DNA に入り , そこで放射線を出せば DNA に損傷が起 を求めることは実質的に不可能である . たとえば , DNA の研究によく用いられる と仮定してなされることが多いが , それでは正しくない場合が多く , 正確な線量 するおそれが大きい . 放射性同位元素内部被曝の線量推定は均一に分布している 部分生体内に存在する物質であるから , 体内で長く存在したり特定の臓器に集中 放射性同位元素実験 , 特に生物学的実験に用いられるトレーサー化合物は , 大 る . 性同位元素のいわゆる最大許容濃度を計算する基礎データとして生かされてい たためとわかり , 実際にラジウムが定量的に検出された . この体験は現在の放射 件は , 夜光塗料を塗る筆の先をそろえるために , ラジウムを含む筆先をなめてい 板に塗りつけていた女子工員の多数が , 1950 年代になって骨のがんで死亡した事 どはよく知られている . 中でも 1920 年代にアメリカの時計工場で夜光塗料を文字 の集中である . ヨードが甲状腺に集中すること , およびラジウムの骨への沈着な じ機構で働くと考えてよいが体内被曝特有の問題もある . その第一は特定器官へ 性同位元素による人体影響は関心事であろう . 基本的には外部からの放射線と同
129 6 ・ 7 非密封放射性同位元素による汚染の事例 実験 廊下入口スリ か、えスペース 実験台 実験台 B 実験台 A し 約 600cpm : : : 100 ~ 200cpm / 100Cm ' 200cpm / 100Cm2 はふき取リ効率 5 % , 計数効率 10 % とすると 3H1.8X10- ン Ci / cm2 程度となる : 40 ~ 80cpm / 100Cm 図 6 ・ 16 動物実験室の汚染 ( 例 1 ) ( 2 なガスフローカウンターでスミアサンプルを測定 ) ( 5 ) 粉末の放射性同位元素を取り扱っていて , フードなどの風で飛散させる . ( 6 ) 操作中の化学反応によって放射性物質が気化し , 空気中へ拡散する ( 非密 閉容器で行うと大汚染の原因になる ). 例 1 : 定期汚染検査をふきとり法 ( スミアテスト ) で行ったところ , 動物実験室 の床に汚染が認められた . すぐに再検査が行われた . その結果 , 廊下や他の実験 室への汚染の広がりは認められす , 動物実験室への入口でスリッパのはきかえを していたことの効果は現れていた . ドアの把手やキーパーの扉など手で触れる箇 所も幸い汚染されていなかった . 汚染の範囲と程度は図 6 ・ 16 のようであり , 実験 台 A の周辺でカウントが高い . 汚染は軽いが , ほば床全面にわたっていて , スリ ッパによって汚染が広げられたことがわかる . この室で使用していたスリッパは 5 足であったが , そのうち 3 足に汚染が認められた . 実験台 A では最近 , 3H, 11.1 MBq ( 300 gCi) および , 35S , 3.7 MBq(100 gCi) , 実験台 B では 1251 , 3.7 MBq(100 〃 Ci ) が使用されていた . スミアサンプルを NaI ( (I) シンチレーション計数装置 や液体シンチレーション計数装置で調べた結果 , 汚染源は低エネルギー召線放出 核種であることがわかった . すなわち 3H である . 実験台 A で 3H を使用してい て , 汚染の原因となった実験は , 兎を用いたものであった . 実験者は 3 人のグル ープであった . 汚染の起こった場面を再現すると次のようになりそうである . この実験は , 兎
11 イ 6 ・ 6 ・ 1 6 章放射性同位元素等の安全取扱い 6 ・ 6 基本操作法の一例 一般的な事柄 〔 1 〕目的 非密封放射性同位元素 ( 以下 RI ) の取扱いに関する基本的な作法を身につける . 汚染を極力起こさない . または , 汚染個所をできるだけ局限し , その際の汚染除 去は確実迅速に行う . 被曝線量を最小に保っため時間 , しゃへい , 距離などに注 意する . そのため , 実験の各操作にも工夫が必要である . なお , 密封 RI 線源とされているものの取扱いの際も , 汚染の恐れが皆無とはい えないのでこの基本操作の大部分は参考になる . 〔 2 〕実験準備のポイント ます , 実験内容の克明な事前点検が必要である . そのためには , コールドラン ()I を用いないで同様の操作をやってみる ) が非常に役立つ . 自分の想定した操作 に問題がないか , 必要器具の準備不足がないか , あるいは実験操作にどのくらい の時間が必要か , などを知ることができる . 大量の RI を用いる実験の前には , コールドランに準するものとして微量の RI を用いる実験をやることもすすめたい . このことによって , 汚染状況の事前把握 , それに基く操作の改善などが適確に行える . この際 , なるべく線源を移動しない ですむ実験操作を考えておく . なお , 実験終了時に実験の後始末 , ことに廃棄物 処理を行うので , そのための時間をはしめから予定に入れておく . 以上のようなことを念頭においたうえで , 次のような諸点を検討し決定する . ( 1 ) 操作は実験台上で行なうか , フードを用いるか , グロープポックスか ? 必 要スペースはどのくらいか ? ( 2 ) 実験に必要な器具は何か ? 個数は ? 安全で便利な実験のためには器具 の配置はどのようにするか ? ( 3 ) RI 防護用品としてホーローびきバットの大きさは ? 個数は ? 各種シ ト類は ? ポリエチレンろ紙 , ビニルシート ( 机やバットだけでなく , 床 や壁の汚染防止のためにもシートが要るかどうか ? ) ( 4 ) RI 廃棄物の一時置き場は ? 容器は何がよいか ? 分類に応じていくっ 用意するか ? ( 5 ) RI 汚染器具 ( ピべット , フラスコなど , 後で洗うもの ; 注射器など , あと
100 6 章 放射性同位元素等の安全取扱い ( 左 ) 購入した放射性同位元素入荷時の荷姿 ( L 掣の例 ) ( 中 ) 荷物をあけると , ホ。リスチローール籀などの中に , 密閉された容器が入っている . バイアルなどの中に標識化合物などの溶液が入っている . 栓 ( 右 ) さらに上記容器をあけると , はネジ式キャップか , アルミキャップ ( いわゆる serum bottle ) で , 通常テフロン入りの ゴム膜か貼ってあり , 注射器で中の液を取り出せるようになっている . 図 6 ・ 2 て自分の目的に適うかどうかさらに検討する . 特に溶液になっている場合には , 物質としての溶液中濃度 , pH, あるいは共存イオンなどを確かめておき , 必要に 応じて希釈したり , pH を調整したりする . この場合 , 単に同じ溶媒で希釈するの か , 担体を加える必要があるかも検討する . 希釈による pH 変化にも注意が必要で あり , たとえば 0. IM ( m01 / dm3 ) の NaOH 溶液を , 水で 10 倍に希釈すると , pH が 1 だけ低くなることになる . NaI などの場合 , pH が酸性側に傾くと HI を生す るなどして酸化を受けやすくなり , 揮散しやすい形となる . また , 〔 32P 〕ーオルト リン酸は , 購入入荷時にたとえばピロリン酸に一部変化している場合があり , 塩 酸を加えて加熱しておく必要が生する . 6 ・ 4 ・ 3 実験開始から実験終了まで 放射性同位元素を発注後それを入手するまでの期間は , 実験計画の段階から歩 を進めて , 具体的な点について詳細に検討する時期である . ます実験の順序に従 って検討し , 必要となる実験材料 , 器具や装置などを確認する . 次いで本実験に 先立ちコールドラン (coldrun) を行う . これは放射性同位元素を使用しないこと を除けば本実験と全く同し操作を ( 放射性同位元素が入っているとの想定のもと に ) 行うことで , 本実験と同しスケールで行うことが最も望ましい . その結果 , 本実験での思いがけない突発事故に対して前もって対処できるうえ , 実験の所要 時間がはは、正確に把握できて都合がよい . 全体のスケジュールは実験の所要時間 に放射性廃棄物処理の時間 ( たとえば動物を乾燥する時間 ) を加味して立てるわ
次 6 ・ 2 ・ 3 6 ・ 2 ・ 4 6 ・ 2 ・ 5 目 放射性同位元素装備機器用線源 メスパウアー分光用線源 密封大線源 6 ・ 3 6 ・ 4 6 ・ 5 6 ・ 6 6 ・ 7 6 ・ 8 6 ・ 9 非密封放射性同位元素の安全取扱いの基礎 6 ・ 3 ・ 1 化学操作における放射性同位元素の特性 6 ・ 3 ・ 2 放射性同位元素の分離・精製 6 ・ 3 ・ 3 標識化合物の合成 6 ・ 3 ・ 4 標識化合物の保存 非密封放射性同位元素の購入から後始末まで・ 6 ・ 4 ・ 1 6 ・ 4 ・ 2 6 ・ 4 ・ 3 6 ・ 4 ・ 4 6 ・ 4 ・ 5 6 ・ 4 ・ 6 実験の計画 購入手続き 実験開始から実験終了まで 放射性同位元素の運搬 放射性同位元素の廃棄・ 後始末・ 非密封放射性同位元素の汚染対策 6 ・ 5 ・ 1 6 ・ 5 ・ 2 6 ・ 5 ・ 3 6 ・ 5 ・ 4 6 ・ 5 ・ 5 6 ・ 5 ・ 6 6 ・ 5 ・ 7 6 ・ 5 ・ 8 建物・付帯設備・ 実験準備と使用物品 実験中の汚染対策・ 汚染検査の方法・ 除染の方法・ 器具の洗浄・ 廃棄物の分類と保管・ 記録・ 基本操作法の一例 6 ・ 6 ・ 1 一般的な事柄・ 6 ・ 6 ・ 2 実験例ーー購入 32P サンプルの開封と小分け 非密封放射性同位元素による汚染の事例 線量低減のための方法 6 ・ 8 ・ 1 線量低減の方策・ 6 ・ 8 ・ 2 取扱い時におけるしゃへいの方法・ 加速器の安全取扱い 6 ・ 9 ・ 1 加速器周辺における放射線・ 6 ・ 9 ・ 2 加速器のしゃへい ・・・ 92 ・・・ 92 ・・・ 92 ・・・ 94 ・・・ 96 ・・・ 97 ・・・ 97 ・・・ 98 ・・・ 100 ・・・ 102 ・・・ 103 ・・・ 104 ・・・ 105 ・・・ 105 ・・・ 106 ・・・ 109 ・・・ 110 ・・・ 111 ・・・ 113 ・・ 113 ・・ 113 ・・・ 114 ・・・ 114 ・・・ 116 ・・・ 124 ・・・ 131 ・・・ 131 ・・・ 132 ・・・ 135 ・・・ 135 ・・・ 136
6 ・ 4 非密封放射性同位元素の購入から後始末まで た取扱い上危険を伴う段階を少なくすることができる . 97 なお , 合成方法には一般の化学的合成法のほかに , 同位体交換反応を利用する もの , ホットアトム反応による直接標識法 , 生合成法などがある . 6 ・ 3 ・ 4 標識化合物の保存 標識化合物を保存する場合には , それの分解に注意する必要がある . 分解の実 態がまだ不明である現在 , すべての標識化合物に共通の標準的保存方法はないが , 担体を加えることによる比放射能の低下 , 乾燥状態での保存 , 真空あるいは不活 性ガス中での密封 , べンゼンやアルコールなどの安定剤の添加 , 微生物の侵入阻 止 , 清潔な中性の容器の使用 , 少量ずつの保存 , 冷暗所での保存などの方法が有 効であるといわれている . 放射線分解については 3 章 3 ・ 3 節のほか成書を参照さ れたい 6 ・ 4 非密封放射性同位元素の購入から後始末まで 非密封放射性同位元素を取り扱うには , 使用核種や標識化合物に対する的確な 知識 , 6 ・ 3 ・ 1 項に述べたような実験操作についての十分な理解と技術の習得が必 要である . 一方 , これらの実験はすべて一連の法令の規制下にあることを忘れて はならない . 取扱者はこれらの基礎のうえに立ってはじめて適正な実験計画をた て , それに従って正しく放射性同位元素を使用することができる . 初心者が放射 性同位元素を用いる実験を行う場合 , 単独では行わず必す経験者とともに行う必 要があるのもこのためである . 6 ・ 4 ・ 1 実験の計画 ある課題を解明するために取り得る種々の方法を比較検討した結果 , 放射性同 位元素の使用が非常に有効であるとの結論が得られた場合に , 実験準備が開始さ れる . 取扱者がますなすべきことは , 事業所の放射性同位元素等取扱者としての 登録を済ませ , 法令で義務づけられている健康診断と教育訓練 ( 8 ・ 7 節と 8 ・ 8 節参 照 ) を受けることである . 次に使用する核種とその量について検討する . このうち核種は実験内容から一 義的に決まることもあるが , 利用可能な核種が 2 種以上ある場合には , 実験期間 と半減期の関係 , 欲しい比放射能と得られる比放射能との関係 , 実験目的と放射 線の種類やエネルギーの関係 , 利用可能な測定装置の種類などが判断の基準とな る ( むろん , 使用施設での使用許可核種の範囲内であることはあらかしめ確かめ
6 ・ 6 基本操作法の一例 でしかるべく処置して捨てるもの ) の一時置き場は ? 115 ( 6 ) 実験途中の線量当量率測定用サーベイメータは何を用いるか ? 電離箱 , GM, シンチレーション ? ( 7 ) 実験途中の汚染検査はサーベイメータのみでよいか ? スミアテストか ? スミアサンプルはどんなカウンターで測定するか ? ⑧しゃへいは必要か ? 必要ならどのようなものを用いるか ? ついたて ( 鉛 ガラス ? プラスチック ? ) か , 鉛プロックか ? 防護面はいるか ? ⑨遠隔操作は必要か ? 器具は ? ⑩防塵マスクは要るか ? (11) 実験衣 , 手袋 ( 何組 ? サイズは ? ) ( 被曝モニターは何を用いるか ? ( フィルムバッジ , TLD, ポケットアラームモニター ) 〔 3 〕後始末など , 実験操作後の作業ポイント ポケットチェン RI 廃棄物の処置を忘れてはならない . 実験前および実験中から後のことを考え て分類 , 整理をしておくと , 後の作業が非常に楽になる . 実験中 , RI 廃棄物を一 般のゴミに混入させないように注意するとともに , 操作を工夫して RI 廃棄物の 量をむやみにふやさないようにする ( RI 廃棄物の処分には多大な労力と費用がか かり , まだ最終処分方法の決まってない区分もある ). 非密封 RI 実験操作の後では , 次のような諸点に注意すること . ( 1 ) RI 廃棄物の分類は正しいか ? ( 可燃 , 不燃 1 , 不燃 2 , 不燃 3 , 無機 , 有機 , 動物 , スラリー ) ( 日本アイソトープ協会「廃棄物分類チャート」参照 ) ( 2 ) RI 廃棄物の容器は適当か ? ( ポリ袋 , 紙 , ポリ瓶 , ガラス瓶など ) 詰替 えのときに特に危険の伴うもの , たとえば針先 , ガラス片 , 粉末などを入れ る容器 . ( 3 ) RI 廃棄物についての記録は完全か ? そして「包み」や「瓶」に廃棄物カ ードはきちんとついているか ? 必要事項が記入されているか ? ( 4 ) 一般ゴミの後始末はできているか ? RI は混入していないか ? ( 5 ) 使用済の器具類を所定の位置に片付けたか ? ( 何日も連続して使用する ときは使用者名 , 所属をつける習慣を ! ) ( 6 ) 使用残 RI は所定の貯蔵位置へ戻したか ? 使用者 , 核種 , 数量を記入した ラベルは付いているか ?
109 6 ・ 5 非密封放射性同位元素の汚染対策 場合があるので注意が必要である . 他に汚染物品をつまむためのピンセットなど 適宜用意しておくとよい . しゃへいしたり線源と距離をとるための用具は別の項で述べられる . 〔 5 〕その他の物品放射性廃棄物用のポリびんやポリ袋の準備が必要で , これらには内容表示もいる . 他に放射性同位元素実験で用いられる器具の多くは , 化学・生化学の一般実験器具と特に変わったものはほとんどないが , それらの配 置に工夫がいる . 一例を図 6 ・ 8 に示す . これは微量の高比放射能物質を小さいイ オン交換樹脂カラムで分離する操作のためのものである . 読者は各自の実験に必 要な器具を揃えたなら , その配置を便利で安全な操作ができるよう工夫してみる とよい . 放射性同位元素 原液用パイアル 放射性廃液 マノメータ ■ 0 ■ 0 ・■・ G M サーベイメータ 10cc ビーカー 50cc ビーカー ヒ。ペット立て 0 交換樹脂 鉛レンが 小物入れ ( 非放射性 物質取扱い 用器類 ) 0 H20 6NHCl 5 c c ビーカー N2 ポンべ 不燃物ぐーー廃棄物用ポリ袋 可燃物 ( 放射性 ) ( 放射性 ) この中にピべットを立てておく . 放射 図 6 ・ 8 実験台上物品配置の一例 ( a ~ g には試験管を立て , 性物質取扱い用 , 非放射性物質取扱い用に分けておく ) 6 ・ 5 ・ 3 実験中の汚染対策 実験操作は多種多様であるから , 以下には代表的な具体例を箇条書きにしてお く . なお , 実験室を含め非密封放射性同位元素の作業室内では飲食・喫煙・化粧 をしてはならない . 非放射性 コ・
108 6 章放射性同位元素等の安全取扱い 実験操作に入ってから必要となるものに手袋がある . 薄手の手術用ゴム手袋が 使いやすい . これに類する使い捨ての安価なものもある . ゴム手袋はタルクなど の粉で滑りをよくして着脱する . 手元は十分に実験着の袖にかぶせる . 実験中 , ゴム手袋をはめた手はしばしばモニターし , 表面汚染のないよう保つ . 操作終了 後も同様で , 水洗後べーバータオルなどで拭き汚染がなければ表面にもタルクを つけ裏返しに脱いでおくと数回の実験に繰り返し使用できる . ただし , ピンホー ルに注意して , 空気を入れてふくらませてみるなどして点検する . 粉末状の放射性同位元素を扱う場合などはマスクや帽子を用意する . 〔 3 〕場所の汚染防止用品実験台やフードにはポリエチレンろ紙やビニル シートなどを敷きつめるのが常識である . 大量の放射性同位元素を用いる場合 , フードや実験台の前の床面にもシートを敷く . ポリエチレンろ紙は表面がろ紙で 水分をよく吸い , 裏面はポリエチレンで水分を通さない . 放射性廃棄物の分類で は可燃物になる . 塩化ビニルや酢酸ビニルのシートも用いられ , 床に敷いておく と汚染が起こっても除去しやすい . 実験台やフードの天板にシートを敷いてもさらにバットを置いて , なるべくそ の中で操作を行う . 汚染を局所に限定するためである . ホウロウ引きバットには 種々のサイズがある . これにもポリエチレンろ紙を張って用いる . 〔 4 〕放射性同位元素取扱用具ゴム製の安全ピべッター ( 図 6 ・ 7 ) は安価 で液体のピべット操作に便利である . その他 , 自動安全ピべッターもある . 非密 封放射性同位元素取扱施設内ではピペットはロで吸ってはならない . 安全ピべッ ターは片手で操作でき液量も正確に取れる . 水などで練習しておくとよい . 使い 捨てチップを用いるマイクロピべットも便利であるが , 液量の再現性がやや悪い 図 6 ・ 7 安全ピペッター