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検索対象: 日本大百科全書 12
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1. 日本大百科全書 12

しんかい 深海動物 100 (m) ホウネンエソの一種ススキハダカ い : ・ . 、 2 開 ~ 3 m 50 ~ 450m : 第 ダルマハダカ 38 ~ 1 网 m タカアシガニ ~ 2 m カイロウドウ ホカケダラの一種 ケッ 2 ~ 10 1 ~ 2 m ホシェソ 28 ~ m ウキエソ 第 ~ 4 m プタハダカ 3 圓 ~ 5 m まへ愈 0 いれを 02000 0 : 、三「一 200 ムネ工ソ ~ 108E ゴコウハダカの一種 50 ~ 6 m オニハダカの一種 28 ~ 〕 m 400 ホッスガイ 2m—m)m 600 ホティエソの一種 3 開 ~ 88m ヒラタカムリクラゲ 58 ーれ m 800 スジダラの一種 2 開 ~ 10 m サクラエビ 3 ~ 101 田 00 クロトカゲギス 3 ~ 108m クロクラゲ れ 0m 1200 オオペニアミ 350 ~ 4000 m イチメガサクラゲ 1 ~ 15 m スベスペチヒロエヒ 58 ~ 480E 1400 ホウライエソ 32 ~ 12 m オニアンコウ 3 ~ 201 ) m 1600 ミツマタヤリウォ 3 ~ 20 m 1 ュ シンカイコシオリエヒ、 2 ~ 50( 1800 フクロウナギ 5 ~ 1 m 2000 、 ソコダラ ウシナマコ m) ~ 65 m 38 ~ 6 〕 m ホラアナゴ 3 ~ 3 m 4000 6000 ウロコムシ ~ 10 m 工ポシナマコ 1C8 ~ 6 第 オキアミの一種 ト町 m ミックリキクモンナマコ ~ 1 皿加 ゅうへい 見されるまでは化石でしか知られていなかった 有柄ウミュリ類、それに浅海域ではみられない ような大形ウミグモ類などが知られている。こ のほか、日本近海では、巨大なタカアシガニ、 原始的な巻き貝のオキナェビス、それに水産資 源として重要視されているサクラエビや大形巻 き貝のカガバイ ( ェッチュウバイ ) が有名であ る。なお、漸深海帯では、魚類以外でも、イカ やエビの類に発光器をもつものが知られてい る。また、甲殻類に赤い色素をもったものが多 いのもこの海域の特徴の一つである。 〔深海帯〕漸深海帯に続く深さ三〇〇〇から およそ六〇〇〇までの海域を深海帯とよんで いる。この海域の海底は平坦な大洋底で、深海 のなかでももっとも広大な面積をなしている。 水温は四度 0 を超えることがなく、海底は有機 物含量が非常に少ない赤色の泥で覆われてい る。漸深海帯とは異なり、動物相は貧弱で、プ ランクトンで一部深紅色の種類を含むほかは、 灰白色で目が退化したものが多い。また、その 多くは、世界的に広く分布しており、系統的に は原始的な種類は少なく、その起源は漸深海帯 の動物に由来するものと考えられている。魚類 では、発光バクテリアを共生させた発光器をも っソコダラ類や、逆に発光器をもたないイタチ ウォ類などが知られている。底生動物でもっと も目だつのはナマコ類で、とくに板足類や無足 類のキクモンナマコ類などが優占している。そ のほか、クモヒトデ類やヒトデ類、それに多毛 類も多い。ちなみに、深海帯の底生動物の生物 重量は、これまでの記録によると、一平方当 り約一 ~ 五いラ、あるいは五〇 ~ 一〇〇 = 、リグラム という低い値となっている。 〔超深海帯〕超深海帯は深さ六〇〇〇から、 もっとも深い海溝の底までの海域からなる。現 在、七〇〇〇を超える深さの海溝は、日本海 溝など二二か所が知られているが、これら海溝 の水温は一・二度 0 から三・六度 0 で、深海帯 の水温よりいくらか低い。動物相は、深海帯よ りさらに貧弱になるが、陸地に比較的近い海溝 では、これより沖合いの深海帯よりも生物量や 種類数が多いことがよくある。これは、陸岸近 くでは上層のプランクトンの生物量が多いの と、陸地から流れ込んだとみられる陸上植物の 破片が多いことによるものと考えられている。 魚類では、脊椎動物のなかでもっとも深くまで 9 生息することで知られるコンニヤクウォ類がみ 4

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〔図 F 〕南アメリカと北アメリカの哺乳類の対応関係 、も ( B ) オオカミ 〔図 E 〕ゾウの進化的諸傾向 〔臼歯〕 現世 更新世 上部鮮新世 - 下部鮮新世 上部中新世 〔頭部〕 ゾウ ゾウ ( D) ェクウス (C) カメロプス ステゴドン = 、中部中新世 ステゴドン マストドン (G) スミロドン マストドン 部中新世 コンフォテリウム ( F) モロプス ( 短顎型 ) 上部漸新世 ( E) メタミノドン ゴンフォテリウム コンフォテリウム ( 長顎型 ) 部漸新世 、 ( A) トガリネズミ A ) ケノレステス 部始新世 、、 ( E ・ ) トキソドン バレオマストドン バレオマストドン 南アメリカ大睦と北アメリ カ大の哺乳類は約 200 万 年則にパナマ陸橋が成立す る以前 , それぞれ独立に進 化した。進化の過程で収斂 した対応関係はアルファベ ットの対で示してある。 史新世中期に現在のように 睦続きになって以来 , 両大 陸間に動物相の交流が生し ている 中部始新世 テオソドン (G') チラコスミルス 陸 ラ ス 類 袋 オ 世 新 部 メリテリウム 祖先不明 ム ウ ( (') トアテリウム ( F' ) ホマロ ドテリム 注 : W. B. Scott 〃ⅳ 0 ( ゾんの財のれ川〃な〃翔〃ゆ厖尾 " による 下顎は最初長大化し , その後短縮した。牙は一貫して長くなり , 臼歯の突起は 数が増加し , 一連の横断陵を形成し , ついには多数になり互いに圧縮された形 になる。単系統と考えるのは単純化しすぎであり , 現実にはいくっかの系統が 交替した。ゾウの鼻が長くなった理由は , そうした並行した進化諸傾向との関 連で考えると , どのようになるのだろうか 有胎盤類 ( A ) ( G ) ( その他の諸大陸 ) ( B ) フクロオオカミ (B) オオカミ ( B ' ) ポルヒエナ 注 : R. M. メイ「生態的システムの 進化」サイエンス』 1978 年 11 り・による 〔図 G 〕有袋類と有胎盤類の適応放散の一例と収斂 (A') フクロモモンガ (A) モモンガ ッ三星ヤ をイ (c') フクロネコ 適応放散 オーストラリア大は 他の諸大から , 比較 的古くから分離したの で , 有胎盤類 ( 哺乳類 ) が侵入することができ す , 系統的には古いグ ループの有袋類が繁栄 し現在に〒っている 収斂 有袋類と有胎盤類はま ったく系統が異なるに 人 もかかわらす、互いに よく似た形態、生活様 式をもっ種を含んでい る。この類似性を収斂 という。図中ではそれ らはアルファベットで 対応している 注 : ペイカーとアレン 1977 年 を改変 (D) アリクイ ご - ミ - (D') フクロアリクイ気 (c ) ヤマネコ 1 、 ( F ・ ) フクロネズミ (G ) マーモット ( E ・ ) フクロモグラ ( G' ) ウオンバット を (F) ネズミ ( E ) モグラ 448

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しんかい カンテントカゲギスの一種 ~ 4 m オキナ工ビスガイナガムネ工ソ 2 ~ m 1 ~ 3Tm ラブカ 18 ~ 1 m アオメ工ソ 28 ~ m チヒロホシ 工ソの一重 18 ~ m ギンザメ シダアンコウ蕊 ~ 58m 38 ~ 5 m ホティエソの一種 ~ m トゲヒオドシェビ 2 ~ 68m クラゲイカ 38 ~ 78m オオョコ工ン . 彡 28 ~ 1 网 m カプトウォ 繝 ~ 158m ャッディカ ユウレイイカ ~ 1 m ヒオドシェビ ~ 1 0m シロウリガイ 78 ~ 1 m 10 ~ 128m ライマン クモヒトデ 1 网 ~ 258m コンゴウアナゴ ~ 1 繝 m クジラウォ 初 ~ 2 网 m オオ工ンコウガニ の一種 繝 ~ 4 网 m チョウチンアンコウ 28 ~ 22 〕 m クサイロギン 工ビスガイ 3 ~ 15 m フクロウナギの一種 58 ~ 2 网 m カモ アグ セキトリイワシ 48 ~ 30 m リュウグウノッカイ ~ 180m イトヒキイワシの一種 78 ~ 5 网 m ボウ工ンギョ 3 開 ~ 37 m コウモリダコ 2 ~ 4 m ネオヒ。リナ 1 ~ 358n1 イタチウオの一種 5 ~ 5 繝 m イトヒキイワシの一種 78 ワダッミソデガイ 5 ~ 7 m シリトゲソデガイ ~ 6 〕 m E O 度 ンクトンの場合、深度約一〇〇〇以深で急激 に減少し、底生生物においても一般に深度が増 すにつれてその生物量は小さくなる。そのた え め、肉食性の動物にとって深海は餌生物の少な い所となっている。深海魚のなかには、ロが異 常に大きいものや、胃袋を自分の体の倍以上に 広げることのできるものや、さらに、とらえた えさ 餌を確実に処理できると想像される鋭い歯をも つものなどがみられるが、これらは餌生物が少 ないことと関係しているのではないかといわれ ている。 〔漸深海帯〕浅海域海底の緩やかに傾斜した大 陸棚は、およそ二〇〇の深さから急に落ち込 へいたん み、約三〇〇〇の深さで、より平坦な深海底 に移行するが、この深さ二〇〇 ~ 三〇〇〇ま での海域を漸深海帯とよんでいる。この海域で みられる動物は、その種類も比較的豊富で、系 統的には原始的な動物群を多く含んでいる。魚 類では、漸深海帯のやや上部に、ハダカイワシ 類、ヨコ工ソ類、ムネ工ソ類など、銀白色ない し暗灰色のものが数多くみられる。一方、漸深 海帯の下部になると、オオクチェソ類、フクロ ウナギ類、フウセンウナギ類、それにチョウチ ンアンコウ類など、体は主として黒色ないし暗 紫色で、珍奇な形態のものが目だつようにな る。また、漸深海帯でみられるこれらの魚類の 多くが発光器をもっていることも大きな特徴の 一つである。魚類以外では、腔中に雌雄一対 の小ェビが共生していることで有名なカイロウ ドウケツなどの六放海綿類や、一八六四年に発 深海動物 / 三つの生物帯 浅海系 上部 中部 部部部 下上下 漸深海帯深海帯超深海帯 深海系 6000 458

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しれい て材料から出るうま味を利用する。これにはタ古代民族の名にちなんで命名したのに始まる。館 ) のような不安に満ちた母子像の作もある。死霊しれい死者の霊魂。「しりよう」とも ようせつ いう。死者を単に死者としてみるだけで、死霊 イ、スズキ、ハマグリなどを用いる。すつばん当紀は、現在のオルドビス紀を加えた広義に用一八年一〇月三一日ウィーンで夭折。死後一時 いられたり、、、 コトランド紀の名でよばれたこと忘れられたが、近年彼の描く実存的な人間像がの観念を伴わない社会もあるが、霊魂の存在を 仕立てはその応用種である。濁り汁では代表的 せきつい 〈野村太郎〉 信じる所では、たいてい、人間は死んでも肉体 なものがみそ仕立てであり、赤みそと白みそそもあった。古生代型無脊椎動物の全盛期で、と再評価されている。 ふでいし が滅びるだけで霊魂は存在し続けると考えら 、単軸型筆石類は全盛を極め多くの種が分・ミッチ著、坂崎乙郎監訳『エゴン・シー れそれの用い方、両者を混ぜ合わせた袱紗仕立 レ画集』 ( 一三・リプロポート ) ▽坂崎乙郎れ、そのような死者の霊魂はさまざまな形で生 てがある。合わせみそは二、三種のみそを合わ化し、ウェールズやポヘミアなどで筆石類を用 りきゅう 著『エゴン・シーレ』 ( 一九会・岩波書店 ) ▽者と関係をもち、生者の生活に影響を与えると いて地層の詳しい分帯が行われている。腕足類 せて用いる。利久仕立ては、白ごまをすって加 信じられている。アフリカのブッシュマンのよ ・ウィットフォード著、八重樫春樹訳『エ えるみそ汁である。鯉こくはみそ仕立てで、コやサンゴ類も繁栄を極める。サンゴ類では、床 うな狩猟採集民にも死霊の観念があり、死霊を ゴン・シーレ』 ( 一九会・講談社 ) イを筒切りにして長時間煮込む。だいこんおろ板サンゴ類に属するクサリサンゴ科、ハチノス そで しを加えたのをみぞれ汁、おからを加えると卯サンゴ科などのものが大きな群体を形成し、層ジレ gilet 袖のない、ウエスト丈の装恐れたり、敬ったりする社会は多くみられる しよう 寺一けかす が、死霊の観念は社会によってさまざまであ の花汁、魚のすり身を入れたすり流し汁、酒粕孔虫類などとともに礁を形成した。このほか、飾用胴衣。または背広と対のチョッキのこと。 だいなごん り、死や死後の世界についての観念、あるいは 英語ではウエストコートまたはベストという。 を加えた粕汁、納豆を加える大納言汁、ナガイ節足動物の三葉虫類および広翼類 ( ウミサソリ きよくひ 霊魂観と切り離して考えることはできない モをすって用いるとろろ汁など、汁物は豊富に の仲間 ) 、棘皮動物のウミュリ類・ウミリンゴルイ一六世 ( 在位一耄四 ~ 九一 l) のころ、ヨーロッ 死霊が生者にとって友好的で生者に恵みや保 ある。 〈多田鉄之助〉類などが豊富に知られている。脊椎動物では原 ハ中の男子の公服であったアビ・ア・ラ・フラ 護を与えてくれる善霊的な場合と、生者に死や ンセーズ habit 5 la franqaise の下に着用さ ーーこ S 三 an スウェーデン始的な魚類のみが知られ、現生の円ロ類 ( ャッ シルャン湖 むカく 中南部、ストックホルムの北西約一五〇キ。にあメウナギを含む ) に近縁な無顎類があげられれていた丈の長い・ヘストのかわりに、イギリス病気などの災禍をもたらしたり人間に取り憑い みごろ る湖。ダール川の中流に位置し、面積約三二〇る。当紀の終わりには、原始的なあごの器官をから伝わったもの。丈はウエストまで、前身頃たりする悪霊的な場合がある。死霊の性格は社 ばんび 会によって異なり、また同じ社会でも、どのよ には美しい色柄の布地を用いたが、後ろ身頃に 平方キロ。湖面標高は一六一、最大深度一二〇有する板皮類が出現した。植物では、最古の化 は安価な別布を用いるのが普通であった。簡易うな人間の死霊かによって違ったり、さらに、 小高い丘からの眺望は格別で、モーラやレ石維管束植物とされるマッパラン類が当紀末に な衣服ながら、服装に変化と彩りを添え、個性同じ死霊が善悪両方の性格をもっていることも トビクに残る中世の教会などとともにダーラナ知られている。 この時代の地層は、イギリスをはじめ、北ョ的な趣向を凝らすことができるものとして重要少なくない。一般に死霊は恐れられるが、とく 地方の観光の中心地となっている。〈田口雄作〉 ロツ。、、レし ノレレ「ロ に近親者の死霊ほど恐ろしいと考える社会があ 」アメリカ東部などに分布し、日本視され、貴族から庶民に至るまで普及した。 き古生代の古いほうから第 、、丿丿幺半 一九世紀なかばに男子の背広が確立してからる。たとえばアフリカのタレンシ族では、先祖 三番目の地質時代で、オルドビス紀とデポン紀でも岩手県、岐阜県、高知県、宮崎県などに分 の間の約四億四六〇〇万年前から約四億一六〇布が知られており、クサリサンゴ類や三葉虫類も、その下に着るチョッキとして残ったが、服の霊は子孫が罪を犯すと怒って罰を与えるとさ を産する。当紀の後期はカレドニア造山運動期装のアクセント的要素は薄れて全体的統一の美れ、とくに死んだ父母の霊の威力は強く、その 〇万年前までの約三〇〇〇万年間に相当する。 にあたり、活発な地殻変動があった。↓古生代が重んじられ、共布が用いられた。一九世紀よ子供を殺すことがあるといわれる。他方、たと 名称の由来は、一八三五年にイギリスの地質学 えば中国では死霊のたたりの観念はあるもの ↓地質時代 〈小沢智生・渡辺耕造〉り女性の服装にも取り入れられ、スーツの下に 者マーチソンが、イギリスのウェールズ山地の の、祖霊が自分の子孫に災いを与えることはほ 研究で、旧赤色砂岩層の下位にある海産化石をシーレ Egon Schiele ( 天九 0 ー一九一 0 オプラウスやシャツがわりに着用される。↓チョ 〈田村芳子〉とんどなく、むしろ子孫を保護する慈悲深い存 ーストリアの画家、素描家。六月一二日トウル 多産する地層に対して、この地方に住んでいた 在である。 ンに生まれる。一九〇六 日本では一般に、人間に災いを与える死霊の ~ 〇九年ウィーン美術学 ロのド男一 イも年死 一丈ツの 校に学び、のちクリムト 多くは親族関係のない他人の死霊であり、とく ウら作で ョたビキ か制歳 にれタン に非業の死を遂げた者の霊は恐れられる。ただ の知遇を得てその影響を 半さ 去」・もに し日本の場合、そのような死霊も適切な方法で 受けた。〇九年若い同僚 後用トチ館 1 描とめ まっ 紀着ス、年術 たちと「新芸術グルー 美丁重に祀れば、その威力は人々に恵みをもたら レ世でべれ 団淡名の ・ 8 0 、、、 1 冷署 すものに変わる。日本で先祖の霊がたたりをお プ」をつくった。彼は主 彩像枠ン こすのは、たいてい子孫が先祖を十分に供養し として男女の人体の病的 , 問のイ ていない場合である。祖霊が処罰的であるか保 な肉感性を、神経過敏な 人形ペ 年る方 護的であるかは、社会構造、親族構造のあり方 硬質の描線と強烈な色彩 1 悩的奮 と関係していると考えられる。 のアクセントをつけて描 苦徴を 新しい死霊は家の近くを浮遊しているとされ いた。その大胆なエロテ ることがあるが、多くの場合、死霊は墓場やう イシズムは衝撃的で、そ の術む年 す暗い所などの特定の場所に、夜や朝夕などの のため一二年に拘禁され カこ と 特定の時間、あるいは特定の李節に出没すると たことがある。夢幻的な スわる 考えられている。また生者の世界に対する死者 風景のほか、『女と二人 一あ、 レオにて の子供』 ( 一九一七・ウィー の世界があり、死霊はそこに住んでいると考え シンそ入 ン、オーストリア美術 ることもある。他人の霊や幽霊はたいてい突然 3 ふくさ

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しんか 〔図 H 〕体の大きさの増大傾向の進化 (b) この現象は、長い系統の歴史上数多くの例をみいだ 脊椎動物における脳の大きさについても、その体重に対す対成長として記述される体のある部分と、ほかの部分の相関れない。 る相対的重量の指数でみる限り、一般に増大する傾向を認め的なゆがみの進行が何を意味するかは依然として説明できなせる。オーストラリアの有袋類とそれ以外の大陸の有胎盤類 ることができる。爬虫類、鳥類、哺乳類と配列したときその 。それは何かある部分の変化のみが適応的に意味があり、の放散との対応関係 ( 図 e) はあまりにも有名、また南北ア 傾向は認められるし、哺乳類においても草食獣と肉食獣のそそれを「動機」としてほかの部分は単にメカニカルに、力学メリカの哺乳類もそうである ( 図 =)0 そこには、系統とは れぞれで、新生代第三紀から現世にかけてその平均相対値も的安定化を支えるために変化しているのかもしれない。ま関係なく、形態や生活様式の著しく類似した種の対応関係を このた、ネオテニーの現象と同じく、個体発生上の調節プログラみいだせる。この類似性は相似といってもよいが、一般に 増加する。しかも、どの時期でも肉食獣の脳が大きい。 しゅうれん ような向上がどのようにして生じたのかはむずかしい問題でムの別の展開ルートが開けて、その帰結として体のある方向収斂現象とよばれている。ガラパゴス諸島のダーウインフ 4 ) 、ハワイ諸島のショウジョウバエ類 あるが、ウマの進化系列においてよくいわれてきた体の増大への展開が生じたのかもしれない。それが結果としては生存インチ類 ( 図—膨 も著しい多様化を示している。アフリカのタンガニーカ湖の 傾向 ( コープの規則あるいは一般に定向進化といわれる現と繁殖のより成功した方法として採用されたはず、というこ カワスズメダイ類は、少数の祖先種からせいぜい数百万年の 象 ) についてなら、ある種の説明はいくらか可能である。あとになる。 しかし、これは新しい体制や機能の付加については何も説うちに多様な種が形成されてきた際だった例である。さら る個体群に大きさの遺伝的変異があり、その平均値より大き に、魚類の化石は、古生代シルル紀の甲皮類からデポン紀の い個体に有利な選択が恒常的に働けば、体の増大化は定着す明していない。機械でいえば、部品の改良や大型化を説明で るからである。この場合もいくつかの可能性が考えられるきても、モデルチェンジ、つまり、ある種の不連続がどうし魚類、節頸類、ベルム紀 ( 二畳紀 ) から中生代三畳紀にかけ ての軟質類、中生代ジュラ紀から白亜紀の全骨類、そしてそ ( 図ただし、より大きな体が生存と繁殖につねに有利だてできたのかが問題なのである。これは、ジャコ・フ F. Ja- の後現世に至る真骨類の繁栄といった適応放散が繰り返し生 cob がいう。フリコラージュ、あるいはシンプソン G. G. 。しったいどのようなものかは自明ではな とい , っ条件とま、、 じたことを示唆しているとみられている ( 図 ) 。 い。脳の相対的増大化傾向については、つい知能との関係を Simpson のいう便宜主義がどのように生じたのかという問 想定しそうになるが、肉食獣が狩猟技術の面でより発達した題でもある。それは、新しい機能を担える素材がたまたま使生代白亜紀から新生代第三紀の爬虫類の絶滅後の哺乳類の多 神経系を必要としたという程度の説明なら可能である。ゾウえる形で身辺に「変異」として存在したということなのであ様化についても同様の進化パターンがみられるだろうし、ほ もん 力がく - ) つきば の系統における、下顎骨や牙、さらには鼻や歯にみられる変るが、その素材が、体の経済学の観点から、さして維持費用とんどの動物の門の段階に属するものはこうした適応放散に よって出現したとみられている。 化の並行的諸傾向の例を図に示したが、この説明はむずかのかからないものであったか、即座の転用であったかでなけ では、このような適応放散は、どのようにして生じたのだ ればならないし、あれば便利であるが、現行の体制では獲得 しえない拘束についても考えねばならない。適応がどのようろうか。これは生物学の超一級の難問である。そうした多様 このような変化を記述するのに、トンプソン W. D'Arcy に「完成」されたかという問題は、変異と自然選択という性の記述には、生態的地位 ( ニッチ niche) の概念が有効で Thompson ( 一会 0 ー一九四 0 は、一九一七年に相対成長図 ( たと ′」うもく 「制約」のもとに、とりあえずの初期条件を仮定したうえである。つまり、環境のあらゆる要因とある生物の生活の仕方 えば図 ) を使って瞠目すべき変形理論を提出したが、相 の説明ならば、たとえば、進を、多次元空間における位置で示すことにより、生活様式の 進定種よるのれ変 はるす化こ改化的に安定な「戦略」として多様な分化 ( 分割 ) の状況を、たとえば、食物源や捕食者、 きはです化形。 と度②岐形大る許 ゲーム理論風の説明も可能で生息場所や運動様式などの生態的・生理的諸要因の関係で差 た速 , 分大 , う あるが、新しい条件設定がど異を明確にして記述するものである。あるものは陸上生活 生進ま種ねだあイ を、またあるものは空中あるいは水中生活をし、さらにある のように生まれてくるかとい は決のつしか 岐②は形同合丿 ま、ま日勿 ものは草食に、また肉食になる。そして草食にも、地上、地 う問題なのである。遺伝子レ 一分 でりが ベルでさして費用のかからな中、樹上、空中、水中と生活空間は分かれるし、地上生活の ①あ点よのはま 。で時 い度ざ い変異がどのように生じてお草食でも、草食一般から果実食とか若葉食とかに分かれると る のる多頻ま 」岐なが岐さ いったぐあいである。 り、それと新しい表現型との 形お - 分にと分 る 平 はとこの シンプソンは、適応放散とは、可能性をもっ時と所をたま 関連が、具体的にとまではい でこる種。る 時 ( ①るすのあわないまでも、もうすこし実たま同じくする生物のグループが既存の特徴を再結合し、突 た合 れ岐化も 質的に言及されない限り、こ然変異させて、可能な生活様式を求めていくことであり、あ し場るはさ分形が解 岐るあさ右が小の見 の題ま依然として宙づりのるグループはある基本的な適応型から出発し、その子孫は分 分なでき左種といす尸日。 カ に ) 大にのイ長な ままである。 岐する傾向をもち、広くさまざまな習性を身につけるように 統大進のさ形形のみ なる、と述べている。それは、自然選択による秩序づけの原 系最軒体長大大命と〔適応放散〕生物の多様性と ははののり寿択 成度合種命よに選 いう場合、いわゆる適応放散理、すなわちどのように選択圧がかかってきたかをある程度 形速場る寿もが合種 種化のあのりの場をという現象を抜きには考えら まで推測することができることを意味する。このような生態 4 形態 ② ヒし、 せつけい

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じよくじ 9 遺の外の』がれ妃うむ 触手の機能は動物種によって多様で、感覚器は背腹二枚の殻に、コケムシ類では虫室となっ すス ら王い囲 る教塔 タあ一 て外骨格の役目を果たすが、ホウキムシ類では ン彫てやとを 官、攻撃および防御器官 ( 刺胞などによる ) 、 せいかん ルにウンあイオ よ建王たれる 石ノに カ E ドナもは 。じそ残捕食器官、固着器官などとして働くはかに、コ体に密着せすに棲管となる。④コケムシ類は循 ャン 精い年宮興 , が ラ ケムシ類などでは呼吸器官としての機能も有す環系と排出器系を欠く。⑤ホウキムシ類の一部 くて王にとど シ方ヒン壁 らせん ク東のラは石詩づれⅱの浴ルな る。触手の示す伸縮や屈曲の運動性は、触手をで螺旋卵割が観察されている。⑥ホウキムシ類 ョ〕紀プさの事基ま〕水水一廊 ン阯世跡高部叙に刻〔たがプ回形成する筋肉によって行われるのが普通であるでは原口の延長上にロができる。 が、ナマコの場合のように、触手内部に体液を〔分類〕触手動物を構成する前述の三綱は、地 出入させて行うものもある。 〈雨宮昭南〉史的に古くから分かれており、形態・発生上の しよくしゆかんどうぶつ動物分相違点も多いため、それぞれ独立の門とする説 触手冠動物 類学上の一門である触手動物の別名。触手動物も提唱されている。しかし、触手冠は完全な共 ちゅうたいこう の触手は、内部に中体腔をもち、表面に繊毛通形質であり、相違点も生活生態上の適応形質 を密生する点で特異である。しかし、つくりは と考えられるものが少なくない。 第一うちょう 異なるが同じ触手と名のつく構造は、腔腸動〔系統〕動物界における触手動物の系統的位置 物や多毛類などいくつかの動物群でもみられ に関しては諸説があり、これまでは、原口がロ る。一方、体の前端にある触手冠 lophophore になること、螺旋卵割がみられることを重視 とよばれる構造は、触手動物特有のものであし、幼生をトロコフォラ型とみなして、前ロ動 る。そのため、この動物群には触手冠動物とい 物に含められてきた。ところが、近年ホウキム う名がより適当と考える専門家も多い。↓触手シ類の研究が進み、原口そのものはロにならな 動物 〈馬渡峻輔〉 いこと、螺旋卵割はおそらく異常例であるこ しよくしゅどうぶつ動物分類学上と、幼生はデイプリュールラ型に近いこと、ア 触手動物 の一門 Tentaculata の名、およびそれを構成クチノトロカ幼生の三体節三体腔制はそのまま かん する動物群。触手冠動物ともよばれる。かって成体へ受け継がれること、などが証拠だてられ は、軟体動物に外観的に類似するとして擬軟体た。現在ではこれらの証拠に従って、触手動物 はんさく きよくひ は半索動物や棘皮動物などの後ロ動物に近いと ( 一九七一一・筑摩書房 ) ▽馬場あき子著『式子内高い国立ガジャマダ大学をはじめ、国立イスラ動物とよばれたこともあるが、現在ではこの語 ム研究所もあってジャワ学術の一中心をなしては用いない。体の前端に触手冠をもち、付着あする説が有力である。↓コケムシ↓ホウキム 親王』 ( 講談社文庫 ) シ↓腕足類 〈馬渡峻輔〉 いる。南方のイモギリにはマタラム王国歴代のるいは潜生生活をする動物群で、ホウキムシ 一ンヨク一ンヤカルタ Jokjakarta インド びよう しよくしゅべっちんぎん職種に ネシア、ジャワ島中部の都市。ジョクジャカル廟がある。 〈別技篤彦〉類、コケムシ類、腕足類の三綱を含む。そのう職種別賃金 〔歴史〕一六世紀末以来、ジャワ中東部を領しちコケムシ類は群体を形成する動物である。 対して決定される賃金をさし、職種給ともよば タ特別地域の中心都市。人口三九万八七二七 なんろく 〔特徴〕触手冠は、中央にロの開く盤状部と、 れる。この場合の職種とは、種類が同一か類似 ( 一九含 ) 。絶えず噴煙を吐くメラピ火山南麓の平たマタラム王国は、王位継承の争いと、これに している職務の集まったもので、具体的には、 野に位置する。ウイノンゴ、チョデなどの川が乗ずるオランダ東インド会社に圧迫され、しだそこから生えた数本から数十本の触手よりな ひょく いに勢力を失ったが、一七五五年には、スラカる。他の動物群にはみられない構造である。触 旋盤、溶接、鋳物、運搬、セールスなどをさ 市を貫いて流れる。肥沃な平野の中にあって古 ちゅうたいこう くからヒンドウー文化の中心として発達し、そルタ、ジョクジャカルタの東西二独立国に分け手動物の触手は、内部に中体腔の延長であるす。職務給が職務分類や職務評価による企業内 細長い管状の腔を有し、表面に繊毛を密生する賃金序列に基づいているのに対して、職種別賃 の落ち着いた雰囲気は日本の京都に比べられられ、西半部にはスルタン・ハメンクプオノ る。ポロ・フドウール、プランバナンなどの世界 Sultan Hamengkubuwono I のジョクジャカ点で特異である。そのほかの特徴を次に示す。 金は、企業外の職種別賃金相場によって決定さ こうもん ルタ統治が始まった。両家の関係は、その後も ①字形に曲がった消化管をもち、肛門は触手れる。その際、区分の基本として置かれるのが 的に有名な文化遺跡にも近い。一八世紀以後マ シャワ戦争 ( 一全五 ~ 幼生、成体とも前 冠の外、背側に開く。② 熟練・不熟練による差である。したがって、よ タラム王国の首都となり、市の南部はいまもスしばらく緊張が続いたが、。 中・後の三体節に分かれ、それそれ前・中・後 ルタンの王宮 ( クラトン ) で占められ、それを三 0 ) 以後、オランダ政府は両家の領地を削り、 り具体的には、職種別・熟練度別賃金として現 中心に各種の建物、従者の住宅が建ち並び、昔新たに境界線を定めて不和に終止符を打った。体腔を内部にもつ。③体の保護のためキチン質れる。しかも、職種別・熟練度別の労働市場 ながらの城下町のおもかげを残す。王宮前の広ジョクジャカルタのスルタン領は、スラカルタや石灰質の構造物を分泌する。④循環系を備は、産業別市場の内部に包括されているから、 じんかん のスフーナン領とともに、その後も侯領地 vor ・ 場の北西を占めるソノ。フドョ博物館は中部ジャ え、生殖輸管を兼ねた腎管をもつ。⑤卵割は全職種別・熟練度別賃金は、産業別のそれとして ワの文化的遺産を展示する。また王宮のやや西 stenlanden として間接統治が認められ、第一一割で放射型。 ) 、 9 原口がロとなり、肛門は二次的現れる。西ヨーロッパの場合、伝統的な職種別 に開口する。 に水の王宮 ( タマンサリ ) の遺跡も残る。市は次世界大戦に及んだ。↓マタラム〈中村孝志〉 横断労働市場の存在に加えて、労働組合の積極 一らさ しよくしゅ下等動物の体表に存在し、 これらの特徴には次のような例外がある。 ジャワ更紗 ( バティク ) 、銀細工、彫刻などの 的な関与によって、職業・技術教育を踏まえた ①腕足類の一部には肛門が体の後端に開くも 伝統工芸品生産で知られ、ガムラン音楽、ワャ伸縮や屈曲を行う運動性の突起物を、一般的に 公的機関の認定と、それに基づく労働の社会的 も : つの - っ べんもう ン劇などの古典芸術も保存され、古都としての触手とよぶ。同じ運動性の突起でも、鞭毛や繊の、あるいは消化管が盲嚢に終わるものもあ格づけが確立されてきたこともあって、職種 ~ 四九 ) 、 雰囲気に富む。独立戦争当時 ( 一九四六 一毛には一定の内部構造が認められるが、触手に る。②コケムシ類の幼生は体節制を示さず、成別・熟練度別の賃金水準とその格差は、一定の 時インドネシアの首都となった。学問的レベルのはそのような決まった内部構造は存在しない。 体も多くは前体節を欠く。③分泌物は腕足類で客観的な基準に基づいている。しかし、日本に 3 1 ク 212

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ぎよふん じりよう ②煮干し品原料をいったん煮熟してから乾燥の水分含量は普通四〇 % 程度である。 煮、圧搾、乾燥し、粉末としたもので、魚粉と硯 ん水魚の種苗育成、初期餌料としてのシオミズッ ②温薫品サケ・マス類、ニシン、スルメイ もいう。第二次世界大戦前はニシン、イワシ類 7 ボワムシの利用、アサクサノリの人工採苗、真したものである。煮干しいわし、干しあわび、 、珠養殖、ワカメやコンプの養殖、魚病の解明な干しえび、いりこ ( ナマコを乾燥させたもの ) 力、タコなどを原料とし、八〇 ~ 九〇度 0 程などが原料として使用されたが、最近ではおも などがある 度の温度で短時間薫乾したものをいう。 にイワシ類、サバがフィッシュミールに加工さ 〈杉田治男〉 どは、その成果の一部である。 えんかん す Chro 一ゴ 1u1 当 〔調味品〕水産原料に各種の調味料を添加してれ、用途は大部分が家畜の飼料用である。 ③塩干品原料を塩蔵してから乾燥したもの 水酸化クロムすいさんか 〔フィッシュソリュプル〕フィッシュミールや hydroxide クロムの水酸化物であるが、二価で、いわし干し、あじ干し、さば干し、さんま加工した製品。 つくだに ①煮熟調味品佃煮類のことで、水産物をしょ缶詰などの魚類の加工工程で出る煮汁や圧搾液 干し、開きだらなどがある。 および三価クロムの化合物が知られている。 みずあめ とうかん ④凍干品寒気を利用して凍結および乾燥を繰うゆ、水飴、砂糖などの濃厚調味液の中で一〇を遠心分離して、固形分と油脂分を除いて濃縮 水酸化クロム Cr(OH)2 式量八六 めんたい り返したもので、寒天、明太 ( スケトウダラの〇 ~ 一二〇度 0 の高温で長時間煮熟して保存性したものである。半流動性のペースト状であ 空気を断ったクロム冊塩水溶液にアルカリを加 を高めている。するめ、コウナゴ、昆布など製る。用途は大部分が家畜の飼料用である。 えて得られる黄色沈殿。水素を通じながら硫酸乾燥品 ) などがある。 ぶし 〔魚油〕日本では、主として、スケトウダラ、 に節類かつお節、さば節、いわし節などがあ品の種類は多い。 上で乾燥すると褐色粉末となる。水および希酸 しんし ばいかん る。原料の魚を煮熟してから焙乾し、白乾、カ②調味乾燥品小形の魚貝類を調味液に浸漬しカレイ類、イワシ類、サバなどの、フィッシュ に不溶。強い還元剤である。 ミール製造の際に得られる副産物の圧搾油を精 ⑦水酸化クロム Cr(OH)3 式量一〇三・〇ビ付けの工程を経て製品とする。最近では、節たのち、乾燥したもので、イワシ類、サンマ、 フグなどのみりん干し、さきいかなどがある。 製して、魚油を分離している。魚油は一般に高 三となるが、実際にはこの組成のものを得るの類を蒸してから削り機で薄片状に削り、プラス は困難で、クロム塩水溶液にアルカリを加えチックフィルム製の小袋に窒素ガスなどの不活〔練り製品〕すりつぶした魚肉に食塩、砂糖、度不飽和酸の含有量が陸産の動植物油脂に比べ 調味料、デンプンなどを加えて練り、成型したて高く、酸化しやすい。安定性を増加させるた て中性にし、加水分解させると、灰緑色の酸化性ガスとともに詰めた製品も生産されている。 のち、加熱することにより、独特の弾力をもつめと、可塑性を与えるために、水素添加して不 〔塩蔵品〕乾製品とともに、古くから魚貝類の クロム刪水和物 Cr03 ・ nH20 の沈殿を生じ、 これを一般に水酸化クロムとよんでいる。水保存食品として製造されているものである。食製品としたものである。古くから料理の一種と飽和度を低下させ、マーガリン、ショートニン たてじお してつくられてきたもので、現在では多くの種グの原料として使用している。 に不溶。生成したばかりのものは酸に易溶であ塩水の中に漬け込む立塩漬けと、食塩を原料に ふりしお ノモオキギス、グ〔エキス〕かつお節、カツオ・マグロ缶詰、各 るが、長時間放置すると溶けにくくなる。水酸直接ふりかける散塩漬けとがある。食塩は殺菌類がある。原料魚はエリ、、、 ②とも空力はもたないが、脱水作用と水分活性を低下さチ、ヒラメなどが適しているといわれるが、最種貝類缶詰などの製造の際の煮汁を利用してつ 化アルカリには溶ける両性物質。 くられる。エキスは、煮汁を濃縮する製法も行 気中で熱すれば脱水されて酸化クロムとなせる作用があり、微生物が増殖しにくくなり貯近ではスケトウダラの冷凍すり身が多くの練り る。 われているが、最近では煮汁をまずタンパク分 〈岩本振武〉蔵性が得られるといわれている。塩分含量を多製品工場で使われている。↓練り製品 は板付きかまばこすり身を杉材その他の板の解酵素によって分解してから、遠心分離機によ くしたほうが貯蔵性は高まるが、最近は甘塩製 水産加工品すいさんかこうひん魚貝類や海 り油脂分と固形分を除去する。ついでイオン交 藻類などの有用水産生物を加工した製品。直接品が好まれるので、冷凍・冷蔵法と併用して保上に成型し、加熱してつくる。炭火や赤外線ヒ ーターを使用した炉で直接加熱する焼き抜き、換樹脂や活性炭で脱臭・脱色してのち、水分量 食用となる製品と、そのほかの製品に大別され存する場合が多い。↓塩蔵品 ①魚類塩蔵品サケ・マス類、サバ、イワシ蒸気で蒸す蒸し板、蒸し板の表面にさらに焦げ二〇 ~ 三〇 % 程度に濃縮する。 る。食用製品には乾製品、塩蔵品、薫製品、調 色をつける焼き板の三種に大別される。 〔寒天〕テングサ、オゴノリなどの海藻を熱湯 味品、練り製品、缶詰品、冷凍品などがある。類、ホッケなどの製品がある。 に魚卵塩蔵品すじこ、イクラ、数の子、たら ②ちくわすり身を竹の棒に塗り付けて焼くので抽出し、抽出液を冷却してところてんとし、 そのほかの製品には食品素材や飼料用加工品 こ、からすみ、キャビアなどがある。 が古くからの製法で、かまばこ類の原型といわこれを凍結および乾燥を繰り返してつくる。食 ( フィッシュミール、フィッシュソリュプル、 しおから みつまめ ぎよゅ マーマレ ③塩辛類魚貝類の筋肉、内臟または卵などにれる。しかし現在は、金属の棒を使用し、自動用としては、蜜豆、羊かん、ゼリ 魚油、エキスなど ) 、海藻抽出物 ( 寒天、カラ 比較的多量の食塩を加えて、自己消化および発成型焼上げ機による製品が多い。 ードなどに使われる。また微生物培地用として ギーナンなど ) 、水産工芸品 ( 真珠、サンゴな も重要である。↓寒天 〈望月篤〉 ③湯煮製品はんべん、しんじよ、つみれな ど ) 、水産皮革 ( サメ皮など ) 、薬品類 ( ビタミ酵によって製品としたもので、かつお塩辛、 ン < 、インスリンなど ) がある。 か塩辛、うに塩辛などがある。 ど、すり身を成型してから湯煮してつくるもの回清水亘著『水産利用学』 ( 一九六一一・金原出版 ) なると は海藻塩蔵品生わかめ塩蔵品、ポイル塩蔵わをいう。すじ、鳴戸巻などもこれに含まれる。 ▽野中順三九編『新版水産食品学』 ( 一九七六・ 魚貝類や海藻類は、タン。ハク質その他の栄養 ④揚げ物すり身を油で揚げた製品で、東京地 恒星社厚生閣 ) ▽谷川英一著『水産製造学』 源として高い価値をもつが、一方、ほかの生鮮かめ、塩蔵昆布などがある。 〔薫製品〕薫製品は、木材をいぶして魚貝類を方では薩摩揚げ、大阪地方では「てんぶら」と ( 一九六 0 ・紀元社出版 ) ▽太田冬雄編『水産加 食品に比較して保存性が低い特性をもってい よばれている。野菜やイカを巻いたものなど種 工技術』 ( 一九含・恒星社厚生閣 ) ▽岡田稔編 る。したがって、加工により貯蔵性を増加させ乾燥し、貯蔵性と風味を与えた加工品である。 『魚肉ねり製品』 ( 一九七四・恒星社厚生閣 ) ることが重要であり、また加工によって付加価貯蔵を主目的として低温で長時間薫乾する冷薫類も多い cobalt 法と、主として風味づけのために高温で短時間 値が高められる。 ⑤魚肉ハム・ソーセージかまばこ類と異なる水酸ヒコヾルトすいさんか hydroxide コバルトの水酸化物。正式にこの 〔乾製品〕原料中の水分を除去して、貯蔵性を処理する温薫法とがあるが、最近では後者のはのは脂肪の含量が多く、香辛料が添加されるこ とである。原料魚にはマグロ類、アジ、クジラ名称でよべるのは酸化数Ⅱの化合物だけであ 与えたものである。乾製品には次のような種類うが好まれる傾向にある。↓薫製 ①冷薫品サケ・マス類、ニシン、。フリなどをなどが使われた時代もあったが、現在ではスケる。コバルト冊塩の水溶液にアルカリ金属水酸 がある。↓乾燥食品 トウダラの冷凍すり身が主体となり、これに。フ化物を加えると、条件しだいで青色または淡紅 ①素干し品魚貝藻類をそのまま、あるいは適原料としてつくられる。塩蔵したものを塩抜き してから、。フナ、カシ、ナラ、クヌギ、サクラ タの脂身、。 セラチン、デンプンや大豆タンパク色の沈殿として生成する。青色形のほうが不安 当に調理し、水洗いしてから乾燥したもので、 まき 質などが副原料として使用される。 定で、その懸濁液を放置または加熱すると淡紅 加熱処理はしていない。製品には、するめ、干などの堅木の薪やおがくずをいぶして、二〇 ~ 一一五度 O 前後の温度で長時間薫乾する。冷薫品 しだら、干し昆布などがある。 〔フィッシュミール〕多獲性の小形魚類を蒸し色形に変わる。水に不溶であるが、両性であっ 寺」っま

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じんるい 人類 直立と人類の諸特徴との相関図 直立二足歩行は人類の基本的条件である。人 類は , 「文化をもつ動物」と定義することがで きる。しかし , 直立二足歩行と文化 , そして ロ語との間には直接的な関係はない。この図 は直立二足歩行と文化・言語との間を関係づ け , あわせて直立二足歩行と人類の身体的諸 特徴との関係を示したものである。 人類は直立二足歩行をすることによリ , 歩く 動作に上肢が不要となり , 道具を使用したリ , 身ぶり語を発達させることなどができた。火 を使い食物を焼いて柔らかくすることで歯牙 , 顎部は縮小し , また器用な手指を使って食べ ることでロも小さくなった。 頭蓋は柱の上にのることで , 大きな脳をも つことが可能になり , 大きくて頑丈な骨盤と なることで大きな頭 ( 脳 ) をもっ子供の出産も 可能となった。 図には示されていないが , 直立二足歩行によ り , 乳首が腹部から胸部に移動し , 子供を抱 いて育てることもできるようになるなどさま ざまな変化がある。 目の位置か高くなる。視覚増大 ン ョ シ ケ 度 ュ 小さな独特のロ カ 一三ロ 顎部の縮小 社会性の発達 知能発達 ( 象徴化能力 ) 人類特有の 顔と表情 2 手指運動 の巧妙化 大脳の増大 肩関節の運動域増大 人類特有の大きな骨盤・一身体の重心の変動 0 食 道具の使用 0 0 0 の 脊柱 , 胴体の直立 一す 下肢の強大化 特有の形の足 直立ニ足歩行 類の内臟は上下に重積するため、胃下垂のよう な構造的な疾患が生じる。遊走腎、めまい、痔 しつようつう 疾、腰痛、背曲がりなどの障害も、直立姿勢に 対する不適応現象といえる。 〔霊長類との共通点〕人類は霊長類の一員であ る。霊長類は全体として特殊化の程度が弱い が、樹上生活に対して適応し、人類の身体特徴 もこれに準じる。母指 ( おやゅび ) が他の四本 指と向かい合う母指対向性は、サルでは手足に みられ、枝を握るのに適している。人類の足で はそれは消失するが、手の母指は発達し、強大 になり、またほかの指も自在に動き、道具扱い に適する。サルも人類も手足の指先に指紋をも ひら つめかぎ ち、爪は鉤状でなく、扁爪である。両眼は顔の 前面に並ぶため、立体視となり、距離の目測に 都合がよい。一般哺乳類と異なり、人類とサル きゅうかく の嗅覚は鈍いが、色覚に優れる。森林にすむ 霊長類の聴覚は格別優れてはいないが、人類の 耳介は大きくなく、また動かない。高等猿類の 表情は、知力が高いこともあって動きが活発で あるが、人類のそれは一段と発達し、微妙に動 。類人猿も人類も外見上、尾はない。人類の 身体は諸関節の可動範囲が広いため、肢体がよ く屈伸し、さまざまな姿勢、手ぶりを示すこと ができるが、それは樹上生活をするサルの特質 を受け継いだものである。 〔人類進化の特徴〕人類の特色として、大歯が ほかの歯と同じように短小化し、その先端が丸 くなることがあげられる。牙ではなくなる。そ こうめん きゅうしわいしよう の他の歯、とくに大日歯も矮小化し、咬面も 単純化し、歯列が字形から放物線状に変じ、 上下顎骨は縮小し、結果として、突顎から直顎 へ移行する。そしやく器の退縮は人類の重要な 特徴である。それに伴って外鼻は顔面中央部に 突出した。人類の最主要な特色と多くの人がみ なす大きな脳は、霊長類の進化を引き継ぐもの であり、初期人類の脳の大きさはゴリラ程度 で、現生人類の約三分の一にすぎない。大きな 脳は、直立ほど人類に普遍的なものではない。 しかし、比較的短い人類進化の過程に脳が三倍 に増えたことは大きな意味をもつ。とくに大脳 半球のうち、抽象的思考と関連ある前頭葉は著 しく増大したとみられる。このような脳の拡大 は、手指をはじめとする運動機能や視覚を中心 とする感覚機能の発達、人類独自の言語能力の 獲得、精神活動の活発化などによると考えられ るが、一方、そしやく器の退縮に伴い、そしゃ 725

9. 日本大百科全書 12

は江南が日本と同じジャポニカとよばれる米が回中尾佐助著『料理の起源』 ( 。フックス ) も 関 多く、それより北ではインディカとよばれる長 ▽石毛直道編『世界の食事文化』 ( 一九七三・ド 物 粒のものが主となる。炊飯法には湯取り法、湯 メス出版 ) ▽大塚カ著『「食」の近代史』食 よ たきば ( 一九七九・教育社 ) ▽・タナヒル著、小野村れ し立て法、炊干し法、蒸飯などがあげられる。食 わ 味からすると単純な蒸飯がいちばん粘り気が強 正敏訳『食物と歴史』 ( 一九〈 0 ・評論社 ) food al- ーしょ / 、、もっ く、炊干し法による飯が次に粘り気がある。湯食物アレルギー る物 取り法の飯はさらさらした飯となる。中国では lergy 特定の食物を摂取するとアレルギー症あ食 華北が湯取り法の地域であるのに対し、華中と状をおこす場合をいう。その特定食物には魚類 力し て ( とくに青身の魚 ) や肉類 ( とくに豚肉 ) のほか、 華南は炊干し法の地域で、台湾もこれに入る。 なれ 朝鮮半島は湯取り法である。米料理にはほかに牛乳、鶏卵、貝類、エビ、カニ、大豆、穀類、 粥がある。米の粒粥であるが、中国人の粥に対そば、チョコレートなどがある。原因となる食 実実 する嗜好は日本人よりはるかに強く、一般の家物は多種類にわたることもあり、また食べるた びに症状が現れるとは限らない。一般に、おも 庭では朝食に粥を食べることが多い しっしん な症状として腹痛、下痢、湿疹、じんま疹、く 小麦の消費形態の代表はマントウ ( 饅頭 ) と せき めん うどん ( 麺条、面条 ) で、今日ではアワ、キビ しやみ、咳、鼻汁、喘息発作などがある。 より普遍的な食物である。華北の農民たちはう 診断法としては、詳細な食事日誌 ( みそ汁の ア環 べ物 どんとマントウをともども食べ、とくに畑仕事だし、食用油の種類まで ) を一、二か月間つけ の食 の弁当にはマントウの一、二個に水を携行すて、特定の食物と症状との因果関係を調べたう 中の 島物 えで、疑わしい食物を一、二週間避け、症状が る。マントウとは全粒製粉の粉を半発酵させ、 = ロ′ ~ 田亠 ルる 蒸してつくった発酵蒸しパンである。うどんは よくなったか不変だったかを観察したり、疑わ しい食物を試験的に食べたとき症状が現れ、そ 手打ちの煮込みで、日本では「ほうとう」とよ ルお んでいる。うどんは中国を中心として日本とモ の食物を除去すると症状が消失することを確か ンゴルに伝播している。小麦料理の第二は水でめる方法がある。近年は食物抗原検索用の試験ス 一物 る 管内テストも行われ、ラジオアレルゴソルべン 練り固めて蒸したもので、代表的なのはウォト あ ウ生 トテスト radioallergosorbent test (X TJ ウ ( 窩頭 ) である。小麦使用が上品であるが、 ル原糞 ほかにキビ、アワ、トウモロコシ、コウリャン e) という。放射性同位体ョウ素一二五 ( に。一 ) 北島 の順に品質が位置づけられている。キビ以下ので標識した抗免疫グロプリン (2Q) を作用 させて特異的塚抗体を半定量する。食物抗原 雑穀の料理の半分は粥とされる。中国ではおも かん寺一 に粒粥の形態となるが、インド、アフリカは粉注射による減感作療法は行わない。治療は原因 しよう 粥である点が対照的である。また、醤の使用、食物を食べないこと。↓アレルギー〈高橋昭三〉 しよくもっせんいダイエタリーフ 油脂の使用が多いこと、強火で調理すること、食物繊維 素ク機 無 アイバー dietary fiber の訳語で、難消化性の鎖窒 保存食品の多様性とその活用などに調理技術の 特徴がある。顕著に乳を利用しない文化伝承を植物細胞壁成分がその主体である。もともと植連 もっているのも、中国をはじめ、日本、朝鮮、物性食品の粗繊維といわれる成分は、腸の働き 食 東南アジア諸国であるが、これは米飯文化圏とを助け、通便を整える以外は、栄養的に価値の ないものと考えられてきた。しかし、近年、と分析での粗繊維定量法は食物繊維の全部を定量生態学者エルトン C. S. Elton がこの分析を 重複する。 ちゅうすい けいしつ くに欧米先進諸国で、便秘、憩室病、虫垂炎することはできず、新しい定量方法が種々考え動物群集研究の基礎に置いてから、広く調べら 日本において米食が浸透し、全国的に一般化 きよけっ 〈不破英次〉れるようになった。 するのは明治期の後半になってからであり、実など腸の疾患、糖尿病、虚血性心臓病、大腸られている。 がんたんせき しよくもつれんさ生物群集内のす ある生物群集の食物連鎖を調べてみると、 に二〇世紀に入ってからのことである。日本人癌、胆石など成人病の多発は、食品とくに穀類食物連鎖 の一人年間、米の消費量が一石 ( 一五〇キ。 ) との精製が進みすぎ、食物繊維の摂取量が減少しべての生物は互いに食う・食われるの関係でつ くつもの食べる種といくつもの食べられる種と がそれそれの段階に存在し、相互に関係しあ なるのは一九〇三年 ( 明治三六 ) 以降、四〇年たためと推定され、食物繊維の重要性が再認識ながっており、この一連の関係を食物連鎖とい う。北極圏のツンドラでは、シロクマ↓キョ しばしば食物網とよばれるように、複雑に ( 昭和一五 ) までのわずか四〇年たらずの短期された。現在、難消化性成分としては、植物細 クチギッネ↓ライチョウ↓トナカイゴケとい 間にすぎない。米は主食であったが常食とは長胞壁に由来するセルロース、ヘミセルロース、 入り組んだ関係図ができあがり、連鎖を調べ尽 い間なりえなかった。しかし、日本食は米飯を リグニンのはか、細胞内に含まれる難消化性うつながりが成立し、これが一つの例である。 くすことは不可能でさえある。それにもかかわ 中心とするみそ汁と漬物の三つの組合せバター の、水溶性ペクチンや植物ガムなどの貯蔵多糖初めて食物連鎖図を描いたのは、アメリカの生らず、連鎖にはいくつかの一般的特徴がみいだ ンとして長く続いてきた。↓食品↓食事 ↓を含めている。また、エビやカニの殻に存在す態学者シェルフォード V. E. Shelford で一 される。第一には、ひと連なりの連鎖には普通 〈大塚カ〉 料理 るキチンも広い意味での食物繊維である。食品九一三年のことであるが、二七年にイギリスの四つか五つの段階があり、七つ以上の段階があ かゆ ぜんそく トウゾクカモメ シロカモメ 、ツュビカモメ ウミガラス フルマカモメ ウミスズメ 工トビリカ 」品 トビムシ類 双翅類 ダニ類 膜翅類 枯死植物 キタケワタガモ コオリガモ ムネアカケワタガモ 植物 3 虫 ライチョウ 海産動物 アサ、ラシ ホッキョクグマ キョクチギッネ 糞 双翅類 ( 成虫 ) ガン ( 鳥 ) ムラサキシギ ユキホオジロ 双翅類 ( 幼虫 ) 切甲類 ワムシ類 クマムシ類 貧毛類 線虫類 腐食物質 藻類 原生動物 藻類 原生動物 ヘラオカプト工ヒ 切甲類 ワムシ類 淡水産プランクトン コケ類 淡水産の底生ならびに涬の生物 注 : C. S. Elton ・ : 4 〃わル〃・ 0/ogy"(Sidgwick & Jackson, Ltd. 1927 ) による 254

10. 日本大百科全書 12

しんか 〔図 J 〕魚類の系統と相対的種類の変遷 新現世 生 第三紀 代 中 生 代 全骨類真骨類総鰭類肺魚類 サメ様の魚類 軟質類 3 白亜紀 ジュラ糸己 節頸類 胴甲類 三畳紀 古 , ベルム紀 ( ニ畳紀 ) 代 棘魚類 石炭紀 甲皮類 デポン紀 シ丿レ丿レ糸己 オルドビス紀 - : つよ・い 七六 ) らが唱えた系統分類は、単系統に基づいた分類を主張す の勾配のみられるグループの種形成は、 魚これで説明されることが多いと考えらる。つまり、相同形質について、その形質状態からもっとも 骨 9 新しく形成されたものーー派生形質 ( 子孫形質 ) をみいだせ 真れるようになっている。 引一〔進化をめぐる現代の諸問題〕分子レれば、それを共有する群を単系統の枝 ( クレード ) として位 お ベルでの遺伝機構の解明が進んだこと置づけられる。それを繰り返して、より高次の系統分類が可 コ 世 から、分子レベルでの進化は、 QZ< 能になるとする ( クラディスティックス ) 。また、系統群に 現注 の塩基配列の変化や置換として理解さより進化過程での分化の程度に差のあることを重視して分類 きれるとともに、進化における有性生殖する立場もあり、進化的分類学といわれる。単純化して図 し 膨 ) に示す。表形分類と系統分類は、場合によっては一致す の意義の重要性はよりいっそう深く認 識されるようになったし、中立的な突るが ( 図ー① ) 、著しい形態差が比較的短期間に生じた場合 には異なってくる可能性がある。著しい分岐が生じたり ( 図 をる然変異の事実も理解され、いわゆる適 もとお しゅうれん 退え ー② ) 、収斂が生じると ( 図ー③ ) 、系統群と表形群に い応万能論に対して、木村資生 ( 一九話ー ) らによる中立説からの限定が付さ差が出てくる。さまざまな異論があるが、表形分類は、近縁 栄と 繁代れることにもなった。この中立突然変なグループにはそれなりに有効であるが、諸形質をどう測定 と時 異を利用した分子時計が系統分岐の推するか、差異の距離をどう計算するかに問題が残るし、系統 分類は、派生的形質の見極めがかならずしも簡単ではない、 定に有効なことも認められてきてい か々 っ次 る。ただし、中立説そのものは、表現などの批判もある。といって、従来の分類方法の欠陥は明ら かであり、さまざまな折衷も試みられている。 いれ型の適応そのものを説明するものでは るつ 大進化をめぐっては、漸進的変化では説明しにくい現象が れになく、遺伝的変異を豊富化する可能性 らる 化石記録によって示され、種の急激な分岐が生じたのちに長 知経を示すものであろう。 らを い停滞期が存在するという断続平衡説 ( 区切り平衡説 ) が、 か代中立説に依拠するとして進化の偶然 み時 のは性のみが強調されることもあるが、そ古生物学者エルドリッジ N. Eld 「 edge とグールド S. ト 石ら Gould によって一九七二年に提出され大きな論争をよんで れは適応万能論への警告の意義はもっ 化れ たそものの、適応の説明とはまた別の問題 いる ( 図し ) 。ただし、地質学的時間尺度でいう急激 滅りである。それはともかく、真核生物でな変化は遺伝学的時間尺度ではかなり長期にわたることか 絶あ ら、このことが事実としても、当初主張されたほどには進化 にがは遺伝子の重複構造や動く遺伝子 ( ト で群 の漸進的説明を否定するものではないとも反論されている。 す統ランスポゾン ) の存在も確かめられ、 分子遺伝学はいま新たな展開期を迎えそれよりも長期の停滞がなぜ生じるかが漸進説には難問かも 大つつあり、進化について、豊富な知見しれない。種形成 ( 分化 ) のおこり方については、周辺小個 魚の をもたらすだろうことは間違いない 体群における新しい変異の定着が仮定されており、マイア また、系統分類学の方法をめぐって E. Mayr の主張した異所的種形成説への地質学的証拠とし 三つの学派の論争が現在も続いていて位置づけられたものであったことも留意しておいてよい ところで、種形成機構については、総合説の打ち出された る。その一つは、任意に選んだ形質に 当時、可能性が低いとされていた同所的種形成も、ランダム よる分類を主観的であるとして排し、 な交配ではなく、同系的交配が生じるならば、従来考えられ 数量分類の立場から、可能な限り多く の形質を量的に扱い、類似度を指標にていた以上におこる可能性が高いとみなされてきている。種 ひょうけい してグループ分けをする表形分類学形成の基本過程は、単に外的要因による隔離だけでは説明し えない現象であることも確かであろう。どのようにして種が ( フェネティックス ) の学派である。 この立場が推論に基づく系統的類縁分化したのか。これは進化過程を理解するうえでは不可避の 関係を認めないと主張するのに対し論点に違いないが、遺伝子の組換え、中立的なものも含めた て、ヘニッヒ W. Hennig ( 一九一三ー 突然変異、遺伝的浮動、さらには遺伝子重複などさまざまな 451