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検索対象: 日本大百科全書 13
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1. 日本大百科全書 13

せいかっ 生活保護 / 生活保障水準額 ( 1985 年度 , 単位 : 円 ) 扶助区分 4 人世帯 母子 3 人世帯 30 歳女 ( 無職 ) 35 歳男 30 歳女 ( 無職 ) 9 歳男 ( 小 3 ) 9 歳男 ( 小 3 ) 4 歳女 4 歳女 1 級地 3 級地 1 級地 3 級地 生活扶助 157 396 129 065 121 607 99 722 加算 21 170 21 170 世帯当り計 157 396 129 065 142 777 120 892 1 人当り計 39 349 32 266 47 592 40 297 教育扶助 1 690 1 690 1 690 1 690 住宅扶助 9 000 5 000 9 000 5 000 9 000 5 000 9 000 世帯当り合計 1 68 086 97 902 135 755 1 53 467 1 27 582 1 1 8 981 85 095 1 人当り合計 48 951 42 022 33 939 51 156 42 527 59 491 85 095 注 : このはか , 学校給食費・通学のための交通費などの実費が支給され , 社会保険科・労働組合費・通勤費などの 実費が控除される。また , 家賃・地代などか上記の住宅扶助基準を上回る場合には , 特別基準が設定される。 居住地の「消費水準」 ( 平均的家計支出の推計 ) によって 1 級地 , 2 級地 ( 省略 ) , 3 級地に区分される。 厚生省統計情報部編「厚生統計要覧」 ( 1985 年版 ) による 生活保護 / 保護の動向 いが、皮膚を切ってみると、皮下出血では皮下〔沿革〕そもそも貧困に陥ったとき、それは個別平等に受けることができる」 ( 二条 ) とされ、 生存中に生じたものであるということができ る。局所的生活反応とは、生存中に生じた創傷組織内に固い凝血を認め、死斑では凝血を認め人責任とされ、家族内での努力とされていた。失業者等の稼働能力者であっても保護受給は可 しかし、家族の生産の基礎である土地中心の農能とされた。しかし、旧日本植民地国の朝鮮人 子 / 。し 部に現れる反応性変化であって、次のようなも しゅちょう のをい , つ。 ③炎症性の発赤、腫脹、他、肉芽組織こ耕社会から、マニュファクチュア、大工業制労や台湾人は、正式には日本国民ではないとして はくだっしはん きた。当然、保護受給の権利はないとされ、日 は表皮剥脱死斑のないところに表皮剥脱 ( 表れらの所見があれば、その創傷は明らかに生前働の産業社会の成立は、どうしても家族扶養の に生じたものである。また、生存中に生じた創物的基礎を弱め、個人、家族の努力の限界をも本政府の人道的配慮によって保護するものであ 皮がはぎ取られ、真皮の露出した傷 ) があっ かひ って、必然的に保護不服申立権はないものと解 て、そこに血液または組織液が凝固して痂皮傷は、皮膚・筋肉などの収縮によって開するたらした。地域社会での慈善から救貧税による 社会的責任の登場がなされた。そして、産業社釈された。 ( かさぶた ) を形成したり、毛細血管中の血液 ( 傷口が開く ) が、死後に生じたものは移開し ③最低生活の原理「健康で文化的な生活水準 が凝固して網状を呈しているとき、あるいは、 ても、生前の創傷に比べて軽度である。ことに 会の発展は、さらに住民税のみの負担の限界が 表皮剥脱部の皮下、または周囲の皮下組織に出死体硬直の緩解したあとに生じた創傷は開す明らかとなり、地方自治体責任から国家責任がを維持する」 ( 三条 ) 内容が問われ、のちに有 〈船尾忠孝〉 強調された。以上の国際的な動向のなかで、ま名な朝日訴訟事件を生んでいる。↓朝日訴訟 血があるときには、生存中に生じたものであるることがない ④保護の補足性「 : : : その利用し得る資産、 とい , っことができる。 ( 連合国最高司令部 ) 七五五号覚書 生活費せいかつひ 0 生謔費 皮下出血死斑のないところに皮下出血があ生活保護せいかつほご生活に困窮している ( 一九四六年二月 ) の、①無差別平等、②行政能力その他あらゆるものを、その最低限度の生 れば、その創傷は生存中に生じたものである。国民を救済する制度。日本の公的扶助制度の中の国家責任、③財源制限の撤廃、の三原則に基活の維持のために活用することを要件として行 じゅっきゅう われる」 ( 四条一項 ) 。「民法に定める扶養義務 づいて一九四六年 ( 昭和二一 ) 一〇月一日、 しかも生存中に生じたものでは組織内に出た血心として、第二次世界大戦前には「恤救規則」 液は固く凝固し、死後に生じたものでは液状を ( 天七四 ) 、「救護法」 ( 一九一一九 ) 、そして戦後には ( 旧 ) 生活保護法が成立した。旧法の内容は、者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべて この法律による保護に優先して行われるものと なすか、または軽く凝固している。なお、死斑「生活困窮者緊急生活援護要綱」 ( 一九四五年一①国家責任の原理は権利保障を反射的利益とし て理解し、②怠惰者、素行不良者は保護を受けする」 ( 四条二項 ) 。これがいわゆる「資産調 の強いときには、皮下出血は死斑と誤認しやす二月 ) の流れを受けてつくられた制度である。 られない ( いわゆる「欠格条項」査」の法律上の根拠であるが、その後「実施要 -0 0 0 - 一 0 -0 0 -0 -0 っ・」っ」 -0 1 ー 1 ・ー 規定 ) 、③兄弟姉妹まで含む扶養領」によって詳細に決定されるようになる。当 「収・ 0 1 画 11 11 0 尸 0 3 10 、 1 《 0 義務者の優先、④市町村長の保護時、労働争議参加者には扶助を受けさせない 機関と民生委員の補助機関、⑤勅が、家族は、緊迫した場合には世帯分離によっ ・や一 -0 i-n L-O 「及、 1 -0 -0 令で決められる保護基準、⑥市町て保護を受けられることとなった。 村長に指示権、保護の拒否権、⑦〔保護の原則〕生活保護法はこのような四つの 国庫八割の財源、二割が市町村負基本原理をもとにして、さらに次の四つの原則 + ′ -0 -0 -0 戸 0 「及 -8 一 1 画 -4 ・ を規定している。 担、などであった。 / 11 -4 1 申請保護の原則「保護は : : : 申請に基いて その後「健康で文化的な最低限 1 ・人 0 1 ー 4 1 よ 度の生活を営む権利」を規定した開始するものとする。但し、要保護者が急迫し + ′ -8 一 1 人 第二五条を含む日本国憲法の公布た状況にあるときは、保護の申請がなくても、 幺 4 -4 ・戸 0 一 4 -9 、 11 -0 尸 0 必要な保護を行うことができる」 ( 七条 ) と規 ( 一九四六年一一月三日 ) 、「不服 そきゅう 申立制度」の省令改正 ( 一九四九定されているが、但書規定の「遡及開始」問題 は行政実態としては困難となっている。 年五月 ) 、「生活保護制度改善強化 基準および程度の原則「保護は、厚生大臣 に関する勧告」 ( 一九四九年九月、 の定める基準により測定した要保護者の需要を 社会保障制度審議会 ) 、 C の 「社会福祉行政への六ポイント」基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満 ( 一九四九年一一月 ) などを背景たすことのできない不足分を補う程度において る 行うものとする」 ( 八条一項 ) とされ、保護基 として、 ( 新 ) 生活保護法 ( 昭和一一 しょ 準の決定が厚生大臣によって行政的に決められ 五年法律一四四号 ) が成立した。 6 版 〔基本原理〕①生活保護法の目的るという非民主的制度として定着した。その基 ・ : その最低限度の生活を保障準は、「要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、 するとともに、その自立を助長す所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事 圜ること」 ( 一条 ) とし、この「自立情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに 助長」は旧法の欠格条項を廃止し十分なもの」 ( 八条二項 ) とされており、イギ 省 リスなどからみれば複雑すぎる内容である。 たので、惰民養成論への対抗理論 年 ③必要即応の原則「保護は、要保護者の年齢 として「生活指導」論を強調した。 に無差別平等「すべて国民は 別、性別、健康状態等その個人又は世帯の実際 9 : この法律による保護を、無差の必要の相違を考慮して、有効且っ適切に行う 2 老人 1 人世帯 70 歳男 ( 無職 ) 老人 2 人世帯 72 歳男 ( 無職 ) 67 歳女 ( 無職 ) 180 員 人 保 せいナいひ 1 469 457 160 高度経済成長期 % 5 石炭産業合理化 神武景気 140 1955 1956 石 危 1973 被保護世帯

2. 日本大百科全書 13

変化する生息場所、すみ方や活動型などの行ような生活時間の確立によって、労働者が知的においてである。日本独自の訓育思想の結品で合、その動機はかならすしもはっきりしている しめっ子には他人への思い に発達し、また、社会的交際を深めたり、社会あった生活指導論は、大正末期より綴方教育のわけではないが、り 動、栄養の種類や摂食法、繁殖の仕方、外敵な 発展のなかから生起した。そして、それは、伝やりや共感といった情緒面で、欠けるところが どの特有の生活様式をもつが、その全系列をさ的、政治的な活動をする可能性が開かれる。↓ 統的な学校教育が肉薄しえなかった子供のありある。それゆえ、子供が成長する各段階におい している。生活史は個別に各個体が送るもので労働時間 あるが、一個の個体についての全生活史を追跡 なお、日本では ( 日本放送協会 ) によのままの姿に触れることを通して、子供のものて、必要な人格の発達課題を着実に達成してい の見方、考え方、感じ方、行動様式の再構成をくように、家庭でも学校でも指導し援助するこ することは一般に困難であり、通常、同じ個体る「国民生活時間調査」が一九六〇年 ( 昭和三 とが、現在の生活指導の課題であると考えられ 群に属する複数の個体について比較総合して個五 ) 以降五年ごとに行われている。〈湯浅良雄〉企てる新たな方法概念の登場を意味した。 〈西根和雄〉 る。↓家庭内暴力↓校内暴力 体群特有の生活史を描き、さらにいくつかの個回エンゲルス著、マルクスⅡエンゲルス全集刊 生活指導の理論と実践は、その発展によっ 体群の生活史を比較総合して種特有の生活史を 行委員会訳『イギリスにおける労働者階級のて、第二次大戦前を前期と後期とに分け、さら回宮坂哲文著『生活指導と道徳教育』 ( 一九五九・ 描き出す。さまざまな自然環境下での個体群ご 状態』 ( 大月書店・国民文庫 ) ▽ ZZ に戦後というふうに、全体として三期に区分で 明治図書出版 ) ▽日本近代教育史事典編集 との生活史の違いや異種間での生活史の違いを 放送文化調査研究所編「国民生活時間調査きる。前期の生活指導は、子供のものの見方、 委員会編「日本近代教育史事典」 ( 一九七一・平 比較し、とりわけ繁殖や生存に関する量的性質 昭和六〇年度』 ( 一九会・日本放送出版協会 ) 考え方、感じ方が自由に表現されることを通し 凡社 ) ▽坂本昇一編「現代のエスプリ 7 生活指導』 ( 一九 0 ・至文堂 ) ▽同著『生活指 ( 増殖力、繁殖回数、寿命など ) を比較するこ生活指導せいかっしどう日本における生活て、人間形成を図る態度形成に重点を置いてい とによって、生活史の進化を探る試みも行われ指導ということばは、きわめて多義的に使われた。それに対して、一九二九年 ( 昭和四 ) 、三 導の理論と方法』 ( 一九全・文教書院 ) ている。 ている。大きくいって次の三つの考え方があ〇年以降の後期の生活指導は、生活綴方教育運生活周期せいかっしゅうき 0 ライフ・サイ つづりかた 生活史を、次世代を生ずる生殖細胞を中心とる。①学級づくり的生活指導ー生活綴方的方動の発展と相まって展開されたものである。そクル して環状に簡略化して表現したものを生活環と法、②集団主義的生活指導ー学級集団づくり、れゆえ、態度そのものが環境に変革的に働きか せいかっすいじゅん level Of living 生活水準 いう。多くの植物では、核相が複相 ( 相 ) で③生徒指導的生活指導ーガイダンス、などであける子供の目的的、能動的な生き方のなかで初暮らし向きの高さと内容が現実にどのようであ 胞子を形成する胞子体の生活である無性世代る。しかし①の学級づくりや②の学級集団づくめて形成されるという点から考えて、前期の生るかを示す指標・概念。なお、人間らしく生き と、核相が単相 ( 〃相 ) で配偶子を形成する配 りの立場と③のガイダンス的な立場とは、かな活指導とは区別することができる ( 大阪教育大るために必要とされる物質や条件などを約束 しげみ、つ 〉 ) 。第二次大戦後のし、本来あるべき暮らし向きの高さと内容を一小 偶体の生活である有性世代とが、交互に繰り返り見解を異にしている。生活指導観からみれ学教授木下繁弥〈一九三六ー される世代交代が認められ、核相交代と一致し ば、①の学級づくりや②の学級集団づくりの立生活指導は、個人の自主性と民主主義を目標とす生活標準 standard of living とは区別され ている。多くの動物では、植物の無性世代に相場を「生活指導」ということばでよび、③のガして再出発した。四七年 ( 昭和二一 l) の「学習る。生活水準を計る尺度としては、所得水準、 指導要領』は、学校における生活指導の中軸を消費水準、一人当り国民所得水準などが用いら 当する複相世代 ( 世代 ) が生活環の主体であイダンス的な立場の生活指導を「生徒指導」と り、しかも有性的である。植物の害虫であるアよぶことが多い 「自由研究」に置いた。このような立場から生れるが、それそれに問題がある。すなわち、生 プラムシ類では季節的に異なる型の生活史を 生活指導の定義としては、わが国の生活指導活指導を考える人たちは、教科の指導はすべて活は個別的であるから、単純な所得の国民的平 もち、単性胎生世代 ( 春から夏 ) と両性世代の研究で第二次世界大戦後、指導的役割を果た学習指導で、教科外の指導は生活指導であると均だけでなく、地域別、所得階層別、世帯類型 てつふみ ー ~ 五 ) の考え方を ( 秋 ) とが交代する。このような様相は周年生した東大教授宮坂哲文 ( 一九天 、生活指導を領域概念であると規定する立別、産業別など、きめ細かくとらえる必要があ かわせ これは、「教師←子供たちと親場をと 0 た。しかし、五八年」は、学校教育法る。また国際的な比較では、為替率 ( 」ート ) 活環といし 一般の生活環とは区別している。取り上げたい。 による換算だけでなく、風土、気候などの自然 なお、生活史や生活環を単に生物の一生やその密な人間関係を結び、一人ひとりの子供の現実施行規則一部改正によって、教育課程の領域は 長さという意味で一般的に用いられることも多 にいとなんでいるものの見かた、考えかた、感各教科・道徳・特別教育活動・学校行事等の四要因や思想、文化などの社会要因の差も考慮し ^ 遊磨正秀〉 ↓生活環 じかた、ならびにそれらに支えられた行動のし 領域で編成されることになった。この場合、教なければならない。 生活水準を消費水準でとらえる場合、もっと かたを理解し、そのような理解をその子供たち科以外の領域は学習指導の場であると同時に生 せいかつじかん hours Of living 生活時間 広義には、一日の生活を時間の面からみたもの自身ならびにかれら相互のものにすることによ活指導の場でもあることになり、もはや生活指 も狭い意味では、家計調査に表れた、ある時点 で、労働時間、家事労働時間、生理的必要充足って、豊かな人間理解にもとづく集団をきずき導を領域概念と規定しがたくなった。この場合 の消費支出の高さ ( 支出額 ) と内容 ( 支出の構 には、生活指導の内容としての種々の機能をあ造 ) になる。これらに家事労働の投入によって 時間、自由時間に大別される。狭義には、一日あげ、その活動への積極的な参加のなかで一人 のうちから労働時間を差し引いた残りの時間 ひとりの生きかたを ( 生活認識と生活実践の双げながら機能概念として規定している。↓生徒代替される実質的な消費支出や、実物資産、貯 指導↓特別活動 蓄などの金融資産を含め、より広い意味でとら つまり、労働者が資本の拘束から離れて自由に方を、つまり両者をきりはなさずに統一的に ) より価値の高いものに引き上げていく教師のし〔課題〕生活指導の内容と研究の成果は複雑多えればいっそう確かなものとなる。さらに道 できる時間をいう 岐である。しかし、いすれの立場にも民主主義路、公園、住宅などの生活環境といった社会資 機械の発明は、労働時間を短縮する物質的条ごと」であるとするもので、もっとも核心に触 件をつくりだすが、利潤の拡大を目的にそれがれているからである。↓ガイダンス↓生活綴の原理に基づいた人間形成を目ざすことは共通本や、治安状況、社会保障など社会制度からの であるから、それそれの考え方を止揚し統一的便益をも含めれば、なおいっそう確かに実態を 利用された場合は、かえって労働時間を無制限方連動 とらえることができるが、それには測定上むず に延長するための強力なてこに転化し、労働者〔沿革〕生活指導の先駆的形態とみなされるのな理念と方法とを確立することが急務である。 かしい問題もある。 は、明治末期から大正期にかけて創設された私 また、最近問題になっている「家庭内暴力」 つの生活時間さえが労働時間に変えられてしま カう。このため、資本主義のもとでは、工場法に 立学校 ( たとえば東京の成城小学校 ) の教育方「校内暴力」「いじめ」に対しても単なる対症療 生活水準についての研究は一九世紀からヨー よって標準労働日が設定されて初めて、労働時針にみられる「小定員主義」のなかの師弟間の法的な生活指導ではなく、まずその実態を正確ロッパでなされ、とくに低所得労働者の生活研 にとらえることが重要である 。「いじめ」の場究を意図して行われるようになった家計調査に せ間と狭義の生活時間の区別が明確になる。この人間的個人的接触、個別指導、個性尊重の理念 277

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しい種が形成されるという、有名な自然選択説律を根拠にして、国民の生存に対する国の給付帯結節↓声帯麻痺↓かれ声図し喉頭 ん なお、動物の声帯については「発音」「発音 を提唱するに至るのである。彼自身は、生存競義務の履行を国家に対し要求することができ 〈河村正三〉 、争の考えをマルサスの『人口論』をヒントに着る。この種の法律には、生活保護法、雇用保険器官」の項目を参照されたい。 法などがある。 想したとしているが、現在では、当時の社会に 政体せいたい forms of government そこでこれらの法律が、健康で文化的な最低一般には各国の政治形態、統治形態をさす。ア 普及していた、自由競争による発展という通念 リストテレスは、政体の種類を、君主制、貴族 の反映であるとする見方が有力である。生存競限度の生活を満たすものでないと考えられたと 争の概念は、その後人間社会に再移入され、戦きに、憲法第二五条を直接の根拠にして、それ制、民主制の三つの形態に区分し、また上記三 争、人種や階級の差別を合理化する、安易な社を要求できるのかどうか。このことが問題とさ種の政体が堕落した政体をそれそれに専制、寡 会ダーウイニズムを生み出した。これに対しクれた有名な裁判事件として、朝日訴訟と堀木訴頭制、衆愚制と名づけた。この区分法は、その 後、政治形態の典型として今日まで用いられて ロポトキンは、『相互扶助論』のなかで、自然訟がある。最高裁判所は、それぞれの要求に対 きたが、二〇世紀に入って新たにファシズム諸 し、憲法第二五条は国の義務を定めるにとどま 界では生物はむしろ助け合うことが普通である り、個々の国民に対し具体的な請求権を認めた国家、社会主義諸国家の政治形態や第三世界に と主張し、社会ダーウイニズムを批判してい る。最近、生物学の一分野として遺伝子の利己ものではなく、生存権の実現は国会の裁量事項おけるさまざまな政治形態が現れるに及んで、 性と競争を中心概念とする社会生物学が盛んにであるとして、その主張を棄却した。↓朝日訴アリストテレスの古典的区分法も、現代の政体 〈池田政章〉を説明するのにはかならすしも十分なものとは 訟↓基本的人権 なってきているが、ヨーロッパやアメリカでは せいたい いえなくなった。 個体発生後、十分に成長し ふたたび社会的な問題として論議が闘わされて成体 ところで、戦前の日本では、この「政体」と 〈上田哲行〉て独立した生活を営み、生殖巣ならびに内外の いるようである。↓自然選択 、う語は、「国体」という語との関連で、政治 せいそんけん生存または生活のため生殖器官が成熟し生殖可能となった個体をい 生存権 せきつい う。脊椎動物では、初め体の成長とともに生殖上、特別な意味に用いられていた。すなわち、 に必要な諸条件の確保を要求する権利。これに 類似することばとして生活権があるが、生活権巣、生殖器官は緩やかに発達する。ある年齢期ここでは「国体」と「政体」とが厳密に区別さ は日常的な「生活」に関する権利であるのに対 ( 思春期 ) に達すると、脳の視床下部に生じたれ、日本の国体は万世一系の天皇が統治する万 体月ォル列 聖 6 ( 一行 し、生存権は人たるに値する生活に関する権利変化により脳下垂体前葉で生殖腺刺激ホルモン邦無比の政治共同体であり、天皇の地位は神 の , 村ロ体 トてハチ聖 などが分泌され、体の急速な成長とともに生殖聖・不可侵であるから国体は変更できない、 で、法的に特定された意味をもち、社会権ある スっツのむ 諸器官は急速に成熟し成体となる。多くの無脊れに対し、政体は国の政治のあり方が、立憲的 いは生存権的基本権の中心をなす権利である。 祝バア進 キをフリを か専制的かあるいは共和制的かによって異な 資本主義の進展は、貧富の差を激化させ、無椎動物の生殖諸器官は、脱皮あるいは変態とと 体祭アス方 り、したがって政体は自由に変更できる、とい 産者の生活苦を増大させる傾向を内包しているもに発達し、最終脱皮あるいは最後の変態とと 聖のの一地 みのべたっきち が、このような状況のもとで、いかにしてすべもに成熟する。これらの過程に、脊椎動物と同うわけである。美濃部達吉は、国体という概念 じくホルモン ( 神経分泌物質 ) が関与すると考は歴史的・倫理的概念ではあっても法学的概念をとり、感謝を捧げたあと、弟子たちに与えな ての国民に人間らしい生活を保障するかという さかずき がら、パンは自分の体であり、ぶどう酒の杯 〈竹内重夫〉ではないとして、国体と政体の区別を批判し、 ことが二〇世紀の国家が当面したもっとも基本えられる。 せいたい 喉頭の中に左右一対ある粘それによって、政党政治に基づく議院内閣制のは自分の血による新しい契約であるといって、 的な問題の一つとなった。生存権に関する規定 声帯 が人権宣言に登場してくるのは、このような課膜の隆起で、呼気により振動して声を生成する確立を主張したが、官僚政治を基本とする当時「私の記念としてこのように行え」と命じた 題にこたえるためであった。生存権を定めた憲器官をいう。日本人の声帯の長さは、成人男性の日本では少数意見にとどまった。そればかり ( 「ルカ伝福音書」一三章一九 ~ 二〇、「コリン ~ 二六 ) 。初代教会ではこ か、国体と政体を区別する方法は、国体の変革ト書—」一一章一一三 法の著名な例はワイマール憲法 ( 一九一九 ) であで約一二ミリ、女性で約九、リである。小児ではこ を目ざす社会主義思想はもとより、政治一般をのキリストのことばに従ってパンとぶどう酒に 八歳児では男子も女子も約五ー . り、そこでは「経済生活の秩序は、すべての者れより短く、 よる記念祭儀を行い、以後ミサ聖祭の形に発展 に人間たるに値する生存を保障する目的をもつで、体の成長につれて長くなるが、思春期に入批判することはとりもなおさず天皇政治を批判 正義の原則に適合しなければならない」 ( 一五るころに急速に成長して声変わりし、声帯は成するものであるとして、自由主義者や民主主義して今日に至っている。 カトリック教会では、ミサのとき司祭がパン 一条 ) と規定した。この憲法はその後人権宣一一一一〕人の長さになる。声帯の内部には声帯筋があ者までをも厳しく取り締まることとなり、明治 とぶどう酒をとって、キリストが最後の晩餐で そこを呼吸憲法下においては民主政治はほとんど発展しな の典型とされ、生存権保障の思想は、とくに第る。両側の声帯の間を声と いったのと同じことばを唱えるとき、ハンとふ いという結果を招いた。↓国体〈田中浩〉 二次世界大戦後、全世界に普及するようにな気が通過する。声を出すときには、声門閉鎖筋 り、日本国憲法も二〇世紀の資本主義憲法としの働きで声門が閉鎖し、そこを呼気が通過して聖体せいたい Eucharist カトリック教会どう酒の形色のもとにキリストの真の体と血が ひせき て生存権を規定している。すなわち、「すべて声帯を振動させることにより喉頭原音を発すの七つの秘蹟 ( サクラメント ) の一つ。字義的現存するようになると信じている。キリストの 、んとう だ血と体はキリストの全存在と救いの働きを具体 の国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営る。その音が声門の上下にある咽頭、ロ腔、鼻にはイエス・キリストの聖なる体という意味 む権利を有する」 ( 二五条一項 ) というのがそ腔、気管、肺など ( 音声付属器官ともいう ) でが、もとは感謝を意味するギリシア語「エウ力的に示す。この体はイエスの人格の可感的な現 リスチア」 Eucharistia の訳語である。プロテれであるだけではない。イエスは弟子たちにそ 共鳴あるいは修飾され、通常われわれが聞いて れである。この規定は初め内閣草案にはなかっ せいさん しゅよう いる声となる。声帯が腫れたり、腫瘍などがでスタント教会ではこれを聖餐とよぶ。キリストれを食べるように渡したので、それはキリスト たが、主として社会党の主張に基づいて衆議院 まひ の修正で加えられたものである。国民の生存権きたり、声帯が麻痺したりして、声門閉鎖が十は自分の死の前夜、一二人の弟子と晩餐をとも者にとって全心身のための霊的食物である。そ にした。このときキリストは、パンとぶどう酒のうえ、イエスは人類の罪の許しのために血を の内容は法律によって定められ、国民はその法分にできなくなると、声がかれる。↓声 - つと - っ せん ィ一、こ 4 382

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る ( 図 22)0 対処して進化し、新しい生活環をつくりだしてを用いる。窓は熱が逃げないように小さく、一一端的な表現である。その後、彼の思想は多くの きたからである。この生活環の進化には、次の重の戸がつけられている。とくに積雪の多い地人々によって受け継がれ、試行されたが、とく ①単相環単相体が発達し、複相は接合子だけ に重要なのは、デューイの教育思想とその試行 ような二つの系列が認められる。一つは、複相方では、積雪の重量に耐えられるようじようぶ である。緑藻類のアオミドロは体細胞接合を行 って生じた接合子から単相のアオミドロが成長期間がしだいに長くなる単複相環系列 ( 単相環な柱が用いられるうえに、屋根は雪が滑り落ちである。彼は、資本主義社会の成熟に伴い、家 する。紅藻類のウミゾウメンも単相環である。 ↓準単複相環↓単複相環↓準複相環↓複相環 ) やすいよう急傾斜になっている。熱帯地方では庭が生産の場であることをやめ、教会の教育的 防暑のため、床を高くして通気をよくし、天井機能が退化していく状況のなかにあって、社会 準単複相環単相体 ( 配偶体 ) が発達し、複であり、もう一つは、重相期間がしだいに長く 相体 ( 胞子体 ) は簡単な体制である。褐藻類のなる単重相環系列 ( 単相環↓準単重相環↓単重を高くして屋根からの熱の伝導を防ぐくふうが生活の典型的活動である「作業」を学校へ導入 ムチモでは、異型動配偶子が接合し、接合子か 相環↓準重相環↓重相環 ) である。前者の系列 されている。このはか建築材料もその上地の気し、学校を社会化し生活化しようとした。しか ら小さい葉状の胞子体ができ、胞子体が形成し は動植物で発達したものであり、後者の系列は 候にあったものが用いられることが多い昔か し、その生活Ⅱ経験の重視は、プラグマティズ た真正胞子 ( 当から大きい樹状の配偶体が成菌類にみられるものである。 〈寺川博典〉ら風の強い地方では防風林 ( 屋敷森 ) を家の周ムの経験主義に立脚しており、主観主義、心理 長する。コケ植物における胞子体も小さい 生活気候せいかっきこう衣食住、すなわち囲に設けたり、多雪地域の市街地の冬の交通路主義、機能主義に陥っているという批判もなさ がんぎ 単複相環単相体、複相体は、ともに発達し人間生活に影響を及ばす気候をいう。広義には として雁木がつくられるなど、さまざまの生活れている。 〈河村武〉 ている。紅藻類のテングサでは、複相体と、真交通や人間の健康に関係する気候の問題などもの知恵がみられる。↓気候 日本の場合には、一方において、上からの国 ころもがえ 正胞子から生じた雌配偶体、雄配偶体は同型同含まれる。おもなものは次のとおりである。 生活季節せいかっきせつ更衣、食べ物の民支配のための教化をいっそう有効にするため しゅん の手段として、子供の興味や経験を重視すると 大である。水生菌のカワリミズカビでは、雌雄〔衣服気候〕衣服は皮膚表面と外界の間に空気旬、四季による住まいのあり方など、生活に 同体の単相体と複相体は同型同大である。 の層をつくり、その温度や湿度を一定に保つこ 関連した李節現象をいう。気象要素としては気 いう形の生活教育もあったが、他方では、大正 ①準複相環単相体は小さく、複相体は大き とによって、人間が暑さ寒さをしのぐ。人体は温、湿度、風および日照などが生活季節を表現年代末から昭和にかけて、日本資本主義の危機 つづりかた 植物類の代表的生活環である ( 図 0)0 コ部位により皮膚温度に差異があるが、平均皮膚するものとして重視される。↓李節〈根本順吉〉 が高まるようになって、生活綴方にみられる 温度が三四・五度 0 以上に上がるか、または三 ン。フでは、微小な糸状で雌雄別の単相体に卵、 生舌給せいかっきゅう労働者の生活必要度ような、生活現実を直視し、リアルな生活認識 精子を生じ、接合子 ( 受精卵 ) から大きいコン〇度 O 以下に下がると不快を感じる。このため に応じて決定される賃金。年齢、勤続年数、家と生活意欲を形成しつつ、子供たちを解放しょ はいのう うとする生活教育が成立した。それは、厳しい ・フが成長する。被子植物では胚嚢と花粉管が単に高温な熱帯や夏には通気性があり、しかも汗族構成などを考慮して最低限度の生活を保証し ようとするものである。広義には、家族手当、 相である。 を吸い取って蒸発を促す生地や仕立てが必要に 「生活台」の上にたっ、自由とリアリズムと集 6 複相環複相体が発達し、単相は配偶子 ( ま なる。冬は衣服外の気温が低いので保温力の強通勤手当、住宅手当などの生活補助手当を含め団主義を原理とする、「生活で生活を教える教 た賃金をさす。第二次世界大戦後の経済混乱期育」であった。その具体的な進め方について たは真正胞子 ) である。動物類の代表的な生活 い衣服が用いられる。衣服の保温力を表すに に、日本の労働組合は、生活できる賃金の獲得は、原理的な論争も活発に行われ、今日におい 環である ( 図 2)0 褐藻類のホンダワラでは、 は、二層の衣服の間に〇・一八度 0 の温度差が 雌雄別の複相体に動配偶子を生ずる。 あるとき、毎平方当り毎時一カロリーの熱が という点からこの生活給を強力に要求した。そても課題として残されている。 第二次世界大戦後、アメリカからプラグマテ ⑥準単重相環単相体が発達し、短期間の重相衣服を通して逃げていく場合を一クロとしてクの典型は、生活給部分を基本とし、それに技能 があり、複相は一時的である。子嚢菌類の多く ロ (clo) 単位で表す。薄い衣服は一クロ、厚給を若干積み上げた賃金体系をつくりあげた電イズムの教育が移入され、一時、「なすことに は単相体の間で接合し、そこから生じた短い重 い冬の衣服は四クロぐらいである。睡眠時の人産型賃金に求めることができる。以後、この電よって学ぶ」経験主義の生活教育が注目され、 相菌糸の先端部の子嚢母細胞が複相となり、す体は昼間の安静時よりも熱生産が下がるうえ産型賃金をモデルとして生活給体系が普及して実践された。一方で、政治的社会的環境の変動 、ったが、賃金水準の上昇と、資本による能力 に伴い、権力的支配や社会的抑圧からの解放を ぐに真正胞子ができる。↓子嚢菌類 、放熱量が増加するので、寝具は衣服よりも ⑦単重相環単相体と重相体が発達し、複相は保温力が必要である。 給体系の推進に伴って、賃金に占める生活給部目ざす歴史の変革主体として、国民大衆の子供 一時的である。発達した菌類の代表的生活環で 〔食物と気候〕農作物の生育は気温と関係し、分はしだいに低下してきている。↓賃金↓賃たちが自らを形成していくのを助ける教育活動 〈横山寿一〉 ある ( 図担子菌類の多くは単相体間で接また魚の場合も生息に適した水温がある。その金体系 としての生活教育の必要性が主張されるように ために市場への出荷も季節性が大きい 一方、 せいかっきよういく子供を主体的なった。そうした立場から、戦前のリアリズム 合して重相菌糸体となるが、のちに子実体を形 生活教育 成してから担子器母細胞が複相となり、すぐに調理の方法にも、冬に鍋料理が好まれるなどの生活者として位置づけ、その生活的課題や要求の生活教育の継承と発展が図られるに至った。 季節の影響が大きい。近年、野菜の温室栽培やや活動を組織し発展させつつ、実生活に必要なそこでは、子供たちが生きる生活現実と科学な 真正胞子ができる。↓担子菌類 いし文化との有効な関連づけが重視され、歴史 ⑧準重相環前の単重相環の単相の期間は条件魚の冷凍などの保存加工の技術が進歩したため知識・技能・態度を「生きて働く学力」として によってさまざまである。単相の期間が短いと に、昔に比べると、これらの食物の出盛り時期形成しようとする「生活による、生活のための 変革の主体として「生活に生きて働く学力」の しゅん ^ 大槻和夫〉 や旬が不明確になったものが多いが、それでも教育」をいう。実生活から遊離した観念的な知形成が目ざされている。 準重相環となる。 ⑨重相環単相と複相の期間が一時的であり、 出荷量や価格には李節や気候による影響が大き識を子供に注入することを主とした権威主義、回柳久雄著『生活と労働の教育思想史』 ( 一九 他の食品でもビールやアイスクリームなど 形式主義、注入主義の教育に対するものであ 六一一・御茶の水書房 ) ▽船山謙次著『生活教 重相の期間の長い生活環をいう。クロポキン類 のように需要に著しい季節変化がみられるものる。しかし、その概念内容は時代社会や主張者 育論』 ( 一九六 0 ・麦書房 ) では真正胞子が接合して重相菌糸体が成長し、 が少なくない によって異なり、けっして一義的ではない つのちに核癒合と減数分裂が行われて真正胞子が 生舌劦同組△ロせいかっきようどうくみあい 0 しようひせいかっきようどうくみあい できる。 〔住居と気候〕住居は衣服とともに、気候を調〔沿革〕歴史的にみると、生活教育の最初の主消費生活協同組合 このようにさまざまな生活環がみられるの節する手段である。寒冷地方の住居は、防寒の張者はベスタロッチであるとされている。彼の生活 ( 同体せいかっきようどうたい Lebens- とうや は、生物が過去において、変化する環境条件に ため天井、壁、床などに断熱性のよい厚い材料有名な提一言「生活が陶冶する」は、その思想の gemeinschaft 0 家共同体とか村落コミュ せ 275

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せいかっ 教育、老後の資金計画をさす場合が多い。またを示した。これは生活綴方の概念の最初の公的 さかのばる。ドイツではエンゲルの『ベルギー 明治図書出版 ) ▽日本作文の会編「生活綴 方事典』 ( 一九夭・明治図書出版 ) ▽久野収・ 2 な表現であり、「綴方生活』の終刊までの編集 労働者家族の生活費』 ( 天九五 ) がよく知られて生活設計のねらいは、現在の生活の充実 ( 消 鶴見俊輔著「現代日本の思想』 ( 一九五六・岩波 いるが、その研究のなかで家計に占める食費の費 ) と将来の生活の充実 ( 貯蓄 ) という相反す方針でもあった。 書店 ) こうした動きのなかから、一九三四年前後 割合についての「エンゲルの法則」が定立される二つの欲求の調和と両立を、生活の効率化、 、東北地方の青年教師らによって「北方教生活と芸術せいかっとげいじゅっ文芸雑誌。 た。イギリスではラウントリーの『貧困ーー・・都合理化を通して実現させることである。それだ 市生活の研究』 ( 一九 0 一 ) が有名で、そのなかでけに生活設計は、本来的に個人ないしは家族レ育運動」が開始された。これに刺激されて地方一九一三年 ( 大正一 l) 九月創刊、一六年六月終 ときあいかぜんまろ 刊。東雲堂書店発行。土岐哀果 ( 善麿 ) が石川 ベルの生活合理化の努力であるが、その努力が的な運動や中央的な運動 ( たとえば、三五年に 「ライフ・サイクル」の概念が形成された。こ ぎせつ ももたそうじ たくばく 結実するような環境づくりという視点から、積『エ程』を創刊した百田宗治らを中心とする運啄木と計画し、啄木の病気によって挫折した雑 のように生活水準の認識は、貧困の実証的研究 極的に国家や地方自治体に福祉政策の充実を求動や、「綴方生活』などの運動 ) もしだいに質誌『樹木と果実』の意図を実現しようとし、ま としてます発展してきたが、第二次世界大戦後 は「豊かな社会」の到来に伴う環境問題のなかめるという姿勢が現れてきた。住宅、教育、医的な転換をみせていくようになり、生活綴方運た「近代思想』の思想的な方向を、生活感情芸 で、生活の質の指標として、また消費時代にお療、年金、税金などをめぐる市民運動などがそ動の本格的な展開が始まった。これらの連動術的方面に表現する目的で創刊。執筆者は哀 やすなり やしろとうそん れである。ここにおいて、生活設計は個人や家は、やがて日中戦争の拡大を迎え、四〇年国民果、西村陽吉、安成二郎、矢代東村、伊庭孝、 ける需要分析の手掛りとしても展開をみせてい さかえあらはたかんそん る。↓エンゲル係数 〈今井光映〉族内の努力から、国家や地方自治体の政策的努学校制度が確立されるとともに、直接的な弾圧堺利彦、大杉栄、荒畑寒村ら、歌人や哀果の 説、脚本、翻訳など短歌 および間接的な圧迫によって中断されるに至っ友人に及んで多彩。少一 = 回伊大知良太郎編『生活水準』 ( 一九六四・春秋社 ) 力を求める運動へと拡大してくる。これを、 た ( 四〇 ~ 四二年にかけての、いわゆる「生活雑誌を超えた文芸誌である。誌上の哀果と斎藤 ▽今井光映・堀田剛吉編『家政経済学』 ( 一九「環境適応から環境醸成への展開」とよぶ人も もきち 〈青木茂〉綴方事件」による検挙者は約三〇〇人に及ん茂吉との論争、短歌史的にはいわゆる生活派の 当・朝倉書店 ) ▽伊藤秋子著『生活水準』 回青木茂著『中流の上生活法』 ( 一一・日本実だ ) 。第二次世界大戦後、生活綴方運動は復活結集としての意味も大きい。復刻版 ( 一九六七・明 ( 一九七七・光生館 ) 〈武川忠一〉 し、五〇年 ( 昭和二五 ) 「日本綴方の会」が誕治文献資料刊行会 ) がある。 業出版 ) しし life cycle 個 生舌設計せいかっせつナ、 せいかつのたんきゅう島木健作 人の生涯または家庭生活において、計画的なよ生活綴方運動せいかつつづりかたうんどう生生 ( 翌年「日本作文の会」と改称 ) し、この会生活の探求 りよい生活を追求するための設計。単に設計す活者としての子供や青年が、自分自身の生活を中心に活発な活動を展開しながら今日に及んの長編小説。正編は一九三七年 ( 昭和一 (l) 、 続編は翌年、河出書房刊。病気のため東京の学 でいる。 るだけでなく、設計に基づく行動が設計どおりや、そのなかで見たり、聞いたり、感じたり、 しゅんすけ 生活綴方運動は、その成立、展開の過程で深生生活から故郷に帰った杉野駿介は、回復後 に進まなかった場合の反省や批判を通じ、さら考えたりしたことを、事実に即して具体的に自 も直接生産に生きる新しい生活にとどまり、村 化と分化も進行した。たとえば、「綴方」とい にそれを修正して実行に移すという、フィード分自身のことばで文章に表現すること、または バック機能をもったサイクル全体をさす。このそのようにして生み出された作品を「生活綴う一教科にすぎなかったものが生活指導のため人たちとの溝を埋めながらタバコ栽培の増段運 こうした作品を生み出す前提におの綴方指導に拡大されていった反面、それに対動にも成功する ( 正編 ) 。初め駿介を敬遠して ~ 力」いい ように生活設計には、単に生活の経済的側面だ いた村人たちもしだいに周辺に集まるようにな ける指導、文章表現の過程における指導、作品する批判も生まれた。また、東北地方の綴方教 けでなく、生活時間や家事労働などの面も含ま れている。だが一般に生活設計という場合、経を集団のなかで検討していく過程での指導、こ師たちの北方系または東北型と、北方性論批判る。共働者であった父の死にあい、己の「根本 済生活設計に重点を置くことが多く、ここかられらをまとめて「生活綴方の仕事」「生活綴方派の、鳥取県の伯西教育を中心とした南方系ま的なプログラム」をたてるために上京するが、 たは西南型との分化も生じた。今日においてやはり都会の空気に失望し、ふたたび帰って村 生活設計をパーソナル・ファイナンス person ・教育」あるいは単に「生活綴方」とよんでい る。この生活綴方の仕事を発展させ、その普及も、生活指導と生活綴方との関係、生活綴方との生活に定着する ( 続編 ) 。主人公は社会主義 al finance とよぶ人もいる。 生活設計ということばはすでに第二次世界大を図ろうとする民間の教育運動が「生活綴方運教科指導との関係は、生活綴方によって子供た者であったことはなく、したがって転向問題を 戦以前からみられたが、本格的に注目されるよ動」である。ただし、それについてはさまざまちの実感や欲求を引き出しながら、それをどの正面から取り上げた作品ではないが、帰農によ ようにしてどこまで認識の世界へと踏み込ませる労働生活への求道的な志向には、前作『再 うになったのは、日本の場合、経済の高度成長な考え方があり、まだ、一致をみるに至ってい ていくことができるのかという実践と、教科指 建』発禁後の作者の再起の位相が示されるとと 期に入ってからのことである。昭和三〇年代後 あしだえのすけ 〔沿革〕生活綴方は、大正初期に芦田恵之助ら導において道徳や科学を子供たちの実感や欲求もに、日中戦争開始後の青年、知識人に広く迎 半から、所得向上、貯蓄増大に絡めて、生活設 〈高橋春雄〉 が提唱し実践した「綴方科」における自由選題の世界へと踏み込ませていく実践との、両側かえられた。 計は金融機関側から推進された。また、しだい 回『日本文学全集武田麟太郎・島本健作集』 主義 ( 子供たちに自由な題材で文を綴らせる考らの接近が必要になってくるのである。 に生活者も意識的に自分の置かれた環境条件に みえきち ( 一九七四・集英社 ) ▽『島木健作全集 5 ・ 6 』 〔特質〕生活綴方運動は、①日本の風土から生 あわせて生活設計を考え、実行するようになるえ方 ) 、一九一八年 ( 大正七 ) に鈴本三重吉が ( 一九七六・国書刊行会 ) ▽「島木健作』 (r 中村 につれ、この概念は家政学の重要な一環として創刊した児童雑誌『赤い鳥』によって推進されまれた土着の教育思想、方法であり、②公権力 光夫作家論集 3 』所収・一九穴・講談社 ) た「ありのまま綴方」の文章表現指導連動、自の教育支配に対抗する下からの教育として、③ 取り入れられるようになった。その背景には、 平均寿命の大幅な延長と社会保障の問題が潜ん然主義文学系統の綴方やプロレタリア綴方の運子供の実感や要求を出発点とし、生活者として生活反応せいかつはんのう法医学用語。生 きているときだけにおこる、さまざまな生体の 動などを伏線として、二九年 ( 昭和四 ) に小砂の現実認識を育てようとする教育としてとらえ でいる。 おかただよし 生活設計には、短期と長期の区別がある。短止忠義 ( 一〈ー一九 = 七 ) らによって創刊された雑ることができる。そして日本近代教育史上、重反応をいい、全身的なものと局所的なものとに 誌『綴方生活』によって成立していった。小砂要な意義をもっ運動であり、学校の外での成人分けられる。全身的生活反応とは、創傷によっ 期のものは、毎月繰り返される家計を合理的に 丘らは、三〇年一〇月号に「『綴方生活』第一一や青年の運動にまで発展した点でも特筆に値すて全身に現れる変化で、一般に貧血、脂肪塞 計画化するもので、従来から家庭経済学の中心 的課題とされていた。一方長期のものは、生涯次同人宣言」を発表し、「生活教育」を目的とる。↓生活記録↓民間教育運動〈大槻和夫〉栓、空気塞栓、実質細胞塞栓、血液吸入などが あり、このうちの一つでもあれば、その創傷は を通じての経済計画をさし、具体的には住宅、し、「綴方」を内容、方法と位置づける考え方回中内敏夫著「生活綴方成立史研究』 ( 一九七 0 ほ・つ社一、 さかいとしひ - 一 せん

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芽、結実などにみられる植物季節、渡り、休物たる動物は他種の動植物を食うことによって っ生態学は、初め環境に対する個体または個体器とよばれた化学兵器が第一次世界大戦におい か群の反応の研究として始ま 0 た。その限りではて実戦に用いられ、きわめて悲惨な結果をもた眠、発情などにみられる動物季節、人間生活の生きており、餌となる他種の存在なしにはそれ 4 自身の存在を考ええないものである。また、独 、集団の生理学の域を出なかった。しかし、のちらした経験から、一九二五年にジュネープ議定変化として現れる生活季節が含まれる。 これらの季節的現象は、生物の生活環境、た立栄養生物とよばれ、一見他種とは無関係に生 に動物の行動学を分岐させ、また個体数の動態書が作成された際、大量殺人兵器として禁止の せ とえば気候、日長などが季節によって変動する活しているかにみえる緑色植物も、光や土壌中 の研究を開拓することによって種レ・ヘルの法則対象となった。しかし日本は一九七〇年 ( 昭和 を探る独立の分野を建設するに及んで、現代生五五 ) に至るまでこの議定書には批准・加入をことにより引き起こされることが多い。したがの水や養分をめぐっての他種動植物との競争・ って、生物季節から特定の地域の気象環境を総協調のなかで生活しているのである。動物と植 物学を生化学と対照的に特徴づける独特の学域行わず、一九三九年 ( 昭和一四 ) には関東車防 となり、必然的に進化学と密接な関連をもつに疫給水部を創設して細菌兵器を開発、実戦に使合的に把握できる。たとえば、ソメイヨシノの物間の関係としては、やや特殊ながら、虫媒花 における受枌をめぐっての昆虫と植物との協調 至っている。 〈佐藤七郎〉用した。アメリカ、イギリスをはじめ各国も一開花は平均気温が一〇度 0 に達すると始まるた E)C ・・テイラー著、矢部一郎他訳『生物学九四五年前後から多額の研究投資を行って、ポめ、開花を観測することによって各地の気温を的な関係はよく知られている。これらのこと ツリヌス毒素、ベスト菌、野兎病 ( ッラレミ推測することができる。生物季節による気象環は、群集が各種生物の単なる寄せ集めではな の歴史』 ( 一九七六、七七・みすず書房 ) ▽ たんそ 、相互にかかわり合いながら生活している生 中村禎里著『生物学の歴史』 ( 一九七三・河出書ア ) 菌、炭疽菌などを兵器として使用するため境の推測は、精密な気象観測手段のなかった時 の研究や、その散布手段の研究を行った。その代から今日に至るまで、農業や林業産物の管理物の地域集団であることを示している。 房新社 ) 群集の概念はこのような生物間の相互作用、 生物学的製剤せいぶつがくてきせいざい主結果、経ロ的に摂取されて腸管から吸収されてなどに広く利用されている。種々の植物の開花 はなごよみ もしくは諸関係を含むものであるがゆえに「生 として感染症の治療、予防、診断に用いられる毒性を発揮するポツリヌス毒素が、エーロゾルや結実の時期を暦上に並べた花暦が、古くか 病原微生物そのもの、免疫抗体などと血液そのとして散布され吸入されても、強力な毒性を一小ら農作業などの指標として用いられていること物の生活の科学」たる生態学のなかでもっとも は、その一例である。一方、日長の支配を受け重要な位置を占めている。なぜなら、現実の生 もの、および血液成分を製剤化した製剤の総すことなど新知見が得られたが、国連の主導に 称。ワクチン類、トキソイド類、抗毒素およびよる生物毒素兵器禁止条約の採択 ( 一九七二年る生物季節、たとえばキクの開花では、人工的物の生活はすべて群集の諸関係のなかで営まれ に日照時間を変えて開花時期を調節することがているからである。 抗菌血清類、血液製剤、生物学的試験用製剤、署名のため開放、七五年三月発効 ) や、アメリ これらの諸関係を群集全体として眺めると 脱感作薬などがこれに属する。ワクチン類、トカのニクソン大統領の生物兵器廃棄宣言などのできる。真冬にみられるキクの花は秋ギクや寒 き、そこには食物連鎖、生態ピラミッドなどの キソイド類は予防接種に用いられ、抗毒素血清影響で公然たる生物学兵器研究は影を潜めたとギクの開花を電灯照明で抑制したものである。 環境の直接の影響によるのではなく、生物の構造が現れてくる。また、諸関係の総決算が植 いえる。しかし最近数年の生物工学、遺伝子工 は治療に用いられる。前者は免疫を得るまでに 時間がかかるが、得られた免疫は持続する。後学技術の発展は新型ウイルスの開発などの可能体内に組み込まれた約一年周期の生物時計が生物群落の遷移にみられるような動的な系を生み 4- 冖」ゅ、つ 〈和気朗〉物季節を支配している例も、小形乳類の冬眠出すこともある。このため群集は独自の構造と 者は免疫血清そのものであり、ただちに効果が性に展望を開いている。 発展形態を有する統一体としてとらえられるこ や夏眠、鳥類の渡りや繁殖などで知られてい 現れるが持効性はない。試験用製剤としては、 生物一石せいぶつがん organic sediments 〈佐藤哲〉ともあるが、群集が時系列的に不変の構成員と 精製ツ・ヘルクリン、インフルエンザ診断用ウィ生物からなるか、またはその生活作用が関る。↓植物季節 たいせき ふうしん 明確な境界をもたないことは明らかであり、こ せいぶつぐんしゅう biological ルス液、診断用乾燥風疹日抗原、日本脳炎抗係して形成されたと考えられる堆積岩の総称。生物群集 原、サルモネラ診断血清、赤痢診断血清などが構成物質の違いから、石灰質、珪質、炭質およ community, community 自然界のある場のような群集観があくまで操作的なものにすぎ ある。また、最近ではインターフェロン製剤がび鉄質の生物岩に分けられる。石灰質のものと所をとると、そこにはかならずいろいろな種のないことは注意を要する。↓群落〈江崎保男〉 市販され、今後バイオテクノロジーによる生物しては、石灰質の生物遺骸が岩石の主体をなし生物が混じり合って生活している。生態学では生物圏せいぶつけん地球上で生物が生息し これを一つの集団とみなして群集とよぶが、ヒている空間をいう。生物圏は地球のごく表層に 学的製剤が医薬品として多く登場してくることている化石石灰岩がある。含まれる化石によ 限られ、生命活動に必要な水があり、無機物か り、たとえば貝殻石灰岩、ウミュリ石灰岩、サトの群集と区別する際に生物群集の語を用い であろう。これらの生物学的製剤、医薬品は、 それらの製法、性状、品質、貯法等の基準を定ンゴ石灰岩、有孔虫石灰岩、フズリナ石灰岩なる。その場所に生息するあらゆる動植物を含めら有機物の合成 ( 光合成など ) が行われるか、 るのが原則であり、特定の生物群に着目して貝またはそのようにしてつくられた有機物がなん どとよばれる。また北フランスからイギリスに めた「生物学的製剤基準」により規制されてい ぜんそく らかの方法で移入可能な空間である。このよう かけて分布するチョークは、石灰質の単細胞生類群集、鳥類群集などと用いるのは便宜的な使 る。そのほか、気管支喘息、アレルギー性疾患 の脱感作療法剤として「パスパート」、「プロン物の遺骸が多量に集まったものである。珪質の用である。群集を植物部分と動物部分に分けるな空間は生物の全生活が可能な場所と、胞子の ような生活史の特定の段階での生存のみが可能 ものでは、放散虫や珪質海綿の骨針が集まってとき、前者を植物群落、後者を動物群集とよ カスマ・・ヘルナ」ヒスタミン加ヒト免疫グロ プリンなどがある。↓血液製剤↓抗毒素製剤できたチャートや、珪藻の殻からなる珪藻土がぶ。場所のとり方は基本的に任意であるが、景な空間からなり、前者はさらに、そこの生物群 ↓トキソイド↓ワクチン 〈幸保文治〉ある。炭質のものは植物からっくられた石炭で観としてまとまりのある場所、たとえば湖など集の構成員が自ら光エネルギーを固定しうる栄 生物学兵器せいぶつがくへいき biological あり、鉄質のものはバクテリアの作用が関係しを選ぶことが多い。陸上では一般に植物が景観養的に独立採算のとれる空間と、他所で合成さ weapon 伝染病の病因論に病原体説が確立してつくられた鉄鉱層である。石灰質および珪質を形成しており、植物群落を単位として群集をれた有機物が流入することによって支えられる て以来、この病原微生物を分離増殖させて適当のものは不燃性生物岩、炭質のものは可燃性生規定することが多く、「ブナ林の群集」「チガャ生物群集の成立する空間に分けられる。後者の 典型的な例は暗黒の世界で、地中、洞穴、地下 な運搬手段を介して敵国に散布し、損害を与え物岩とよばれることがある。またグアノとよば草原の群集」などと表現される。 群集を構成する各種生物個体は、生きるに必水、深海あるいは浅海の海洞などがある。通常 るための兵器。この発想は、ウイルス学が発展れる燐鉱床は、海鳥の排泄物が多量に堆積し固 〈斎藤靖一一〉要な資源や繁殖などをめぐって密接な種内関係の群集では生物は食物連鎖を通して終局的には 化したものである。 する以前は細菌兵器とよばれたが、被害地域に おいて戦闘員、非戦闘員を区別することなく発生物季節せいぶつきせつ生物の種々の活動を有している一方で、種間でも深くかかわり合光合成を行う生産者に依存していると考えられ いながら生活している。たとえば、従属栄養生るが、深海で地下からの噴出物に依存すると考 病致死させることが予想されたので、毒ガス兵にみられる季節による変動をいう。開花、発 りん はいせつ えさ

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が、水平、鉛直混合により水塊の生成が行われ製造者の過失および製造物の欠陥と損害の発生段階にある航空機を誘導するので、とくに測定人間の本に関する学説。人性に関する議論は じゅんし 〈半澤正男〉 との因果関係を証明しなければならないこととを精密に行う必要がある。そのため指示器上で孟子の性善説、荀子の性悪説をはじめ古くから ている。 なる。もっとも、この証明は容易ではないのは (expanded を s 三 on indicator 位置持続的に行われてきたが、仏教・道教との交渉 性早熟症せいそうじゅくしよう二次性徴が 異常に早く出現した状態をいい 、思春期早発症で、これを克服するために、判例・学説上で拡大表示 ) 方式を用いて、高低角表示では一〇をもちながら、宋代に至って改めて儒教倫理の ともよばれる。真性と仮性の二つに分類される。種々の努力がなされている。しかし、消費者保倍程度に、方位角表一小では三倍程度に拡大して確立を企図し、体用の論理や理気説によって性 の分析と定義づけが行われた。程頤は、「性に 〔真性性早熟症〕視床下部のなんらかの異常に護の観点からは、特別法の制定による救済が望表示している。 せいせん 地上の管制官は上の航空機のエコーをは不善がなく、不善があるのは才 ( 生まれつ より、下垂体からのゴナドトロビン ( 性腺刺激まれるところである。このような特別法として ひんじゅ ・一うしん ホルモン ) の分泌が亢進するためにおこるものは、現在では、消費生活用製品安全法、医薬品連続的に測定しながら、またはのき ) で、才は気の稟受によって賢愚の相違を生 ようしゅん 〈竹内俊雄〉無線電話によってパイロットに機首方位や高度するが、性は理であり、理は堯舜も凡人も同 副作用被害救済基金法がある。 で、さらに特発性 ( 機能的異常、原因不明 ) と しゅよう 汚物を衛生的に処理の指示を与え、降下路からすれないように誘導一である」と述べた。この「性即理」のことば 器質性 ( 脳腫瘍、外傷、炎症、水頭症、奇形 ) 清掃法せいそうほう れ′トっイ、い し、生活環境を清潔にすることにより公衆衛生する。の操作には熟練した管制官が必要は、張載の「心は性と情とを統ぶ」というこ に分けられる。特発性性早熟症は女児に多く、 女児の性早熟症の八五 % といわれる。器質性性の向上を図ることを目的とした法律。昭和二九であり、精度は—--ITJ ( 計器着陸装置 ) より劣とばとともに朱熹の心性説の骨格をつくった。 すなわち、朱熹によれば、あらゆる物は気によ 早熟症は脳の病変が原因となるが、視床下部周年法律第七二号。廃棄物処理法 ( 昭和四五年法るため、現在民間航空用飛行場でははとんど— って形成されるが、天から理が賦与されてそこ 囲の腫瘍によるものがもっとも多く、そのなか律一三七号 ) が一九七一年 ( 昭和四六 ) に施行にとってかわられている。一方は— に宿っており、その理こそ人間本来の性であり *-2 と比べ特別な機上の装備を必要とせす移動 でも松果体腫瘍はよく知られている。症状は、 されたことに伴い廃止された。↓廃棄物処理法 に便利なため、軍用飛行場では現在も使用され ( つまり性即理 ) 、純粋至善なものである。具体 女児では両側性あるいは片側性の乳腺肥大、ま 精測進入レーダーせいそくしんにゆう 〈青木享起〉的には仁義礼智などがそれで、気の阻害、気質 たは性器出血が初発症状としてみられることが precision approach rader 略して << とている。↓ 多い。男児では初発症状として陰茎肥大があ いう。滑走路に向け着陸態勢に入った航空機生息場所せいそくばしょ生物がすんでいるの影響を受ける性を「気質の性」とよぶのに対 り、その後に陰毛発生と同時に睾丸も肥大すを、最終進入開始地点から着陸まで、降下路場所のこと。すみ場、すみ場所、生育地、生育して、「本然の性」「天地の性」などとよぶ。な おうしゅ りくきゅうえん お程朱の性即理に対して、陸九淵そして王守 る。また、身長や骨の発育は一時期急激に増大 glide path に沿って正しく飛行するように地場所ともいわれる。この語は普通、個体あるい じん するが、最終的に成人身長は低くなるのが普通上の管制官が誘導する装置。 ( 地上誘導は個体群に対して用いられ、これらが外界とか仁 ( 陽明 ) は心即理の説を提唱して思想的に対 〈大島晃〉 かわりをもちながら生活している具体的な場所立することになる。↓心即理 である。特発性の場合は性早熟以外に異常を認着陸装置 ) の後半を構成するレーダーである。 を意味する。しかし、生物の多様な生息場所を回島田虔次著「朱子学と陽明学。〕 ( 岩波新書 ) めないが、脳に異常のある器質性の場合は、神 せいそんきようそう生活に必要な 降下路は滑走路の延長線上に水平面に対して上 経症状や眼症状がしだいに明らかになることが ヒ較して、類型的に把握されたものに対してこ生存競争 資源 ( 食物、生活空間など ) に関して共通の要 二・五 ~ 三・〇度の角度に設定され、この降下の語が用いられることもある。 多い 生息場所は、生物にとって生活するのに必要求をもっ生物の間でみられる相互作用をいう。 〔仮性性早熟症〕卵巣腫瘍や睾丸腫瘍などの性路上の航空機の位置を正確に測定するために、 な隠れ場や食物を得る場であると同時に、はか現代の生物学では、単に競争 competition と は二つのアンテナをもっている。一つは 腺腫瘍、先天性副腎過形成や副腎腫瘍などの副 いうことが多い。同種個体間の競争を種内競 腎皮質の異常、ゴナドトロビン産生腫瘍によっ滑走路中心線の延長線に対する左右のずれと着の生物の食物や隠れ場となることによって、ほ かの生物の生活に必要な資源を供給する場でも争、異種間の場合を種間競争という。生存競争 〈山口規容子〉陸地点までの距離を測定する方位アンテナで、 ておこる性早熟徴候をいう。 聖像破壊運動せいぞうはかいうんどう 0 イ扇形ビームにより水平方向に走査する。もう一ある。生息場所は非生物的要素と生物的要素をというと「弱肉強食」というイメージを思い浮 かべる人が多いが、このような食うものと食わ コノクラスム つは降下路の傾斜角に対する上下のずれと着陸もち、前者には地理的位置、地形、気候などが れるものとの間の相互作用は含まれない。ただ 製造物責任せいそうぶっせきにん商品の欠地点までの距離を測定する高低アンテナで、扇含まれ、後者には隠れ場を提供したり、食うー し、生存競争あるいは「生存闘争」ということ 形ビームにより上下方向に走査する。これらの食われる、あるいは競争関係にある生物が含ま 陥のために、買い主、利用者、その他の者が、 ばは、ダーウインの〕。種の起原』にある strug ・ 身体・生命・財産に損害を被ったとき、製造者アンテナは航空機の進入の障害とならないようれる。 gle for existence の訳であり、本来そこで 対象とする生物の大きさや生活様式によっ に賠償責任を負わせることをいう。生産物責滑走路に沿い着陸点より後方に設置してある。 は、同種・他種の生物をはじめ、物理化学的環 て、生息場所はその大きさ、分布様式が異な これには一定の場所に固定したものと、トレー 任、製造者責任ともいう。たとえば、自動車の ラーに装備して移動が可能なものとがある。 り、また尺度のとり方によって、海洋、湖沼、境条件までも含めた、さまざまな生活条件と生 部品の欠陥によって交通事故を起こし負傷した 送信周波数は九〇〇〇 ~ 九一八〇メガヘルツ、河川、森林、草原、砂漠といった大きなものか物との相互作用の全体を意味するものとして使 者に対して、自動車の製造者が責任を負うとい ら、ある特定の樹木、さらにはその空洞や根一兀われていた。つまり、ダーウインは、生物が高 うように、商品それ自体の欠陥についての責任送信出力二五 ~ 五〇キ。ワット、有効距離一 い増殖能力をもちながら、実際には、その数は といった微小なものにまで区分される。生物が ではなく、欠陥があることによって生じた損害五キロメートルである。 レーダーのエコーは指示器の残光性をもった生息場所をどのように選択し、そのことが生物低く、ほば一定に保たれていることから、生物 についての責任である点に特徴がある。ここに いう製造物とは、工業製品のみならず、農産物 ( プラウン管 ) 面に表示される。群集の構造や安定性とどのようなかかわりをもの数の増加を抑制する作用が自然界にはあるに 等の生産物をも含む。この責任の法的な理論構の表示は、上半分が高低アンテナ走査による垂つかといったことは、人間における土地利用と違いないと考え、その作用をもたらす原因とし ん成については、不法行為責任説、債務不履行責直面の画像、下半分が方位アンテナによる水平似た重要な問題であるが、今後の研究にまっとて生存競争を想定したのである。同時にダーウ 〈安部琢哉〉 インは、生物の変異性に着目し、環境条件によ ころが多い 面の画像の組合せで、それそれ降下路とセーフ そ 任説、瑕疵担保責任説などに分かれているが、 しゅキ一 そうてい せいそくり宋の程頤が唱え、朱熹り適応した変異が生存競争の結果として保存さ ティー・リミットおよび着陸地点からの距離を性即理 > 不法行為責任説が判例・通説となっている。こ 示す目盛りが記されている。は最終進入 ( 朱子 ) が継承してその倫理説の根幹となったれ、徐々に生物は変わっていくことにより、新 3 せの立場からすると、この責任を追及する者は、

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流し、この血の杯を神と人類の間に結ばれた契する。エコロジーとよばれるものは、普通、人工ネルギーの固定率や転移率などの個体群になる、進化生態学、社会生物学が台頭し、これら 間生態学をさす。 い構造や属性をもち、これらが群集生態学の主は社会科学の分野にも大きな影響を及ばしつつ 約となした。 〈安部琢哉〉 ある。↓エコロジー 特別のミサのときは、信者はパンとぶどう酒〔個体群生態学〕生物は自己維持に必要なエネ要な研究課題となる。 ルギーや栄養物質の取り込みを、普通、個体を〔生態学の歴史〕生物の生活の記述は、アリス @O ・ ()n ・エルトン著、渋谷寿夫訳『動物の生 の両形色を拝領するが、通常のミサでは。ハンだ 態学』 ( 一九五五・科学新興社 ) ▽・・オダ トテレスに代表されるギリシア時代の哲学者に けをいただく。キリストの体にはキリストの全単位として行う。ところが、生物の多くは有性 ム著、三島次郎訳『生態学の基礎』原書第三 実在が含まれているからである。また、ミサの生殖をするので、自己増殖には異性の個体が必よって始められ、ルネサンス以後、質・量とも に豊かになり、フンポルトやビュフォンに代表 版・全二巻 ( 一九七四・培風館 ) ▽伊藤嘉昭著 あとも、聖別されたパンを聖堂内に保存し、信要であり、生物が自己の維持と増殖を図る生活 『動物生態学』上下 ( 一九七六・古今書院 ) ▽ 者はこの聖体の前で祈り、キリストの十字架との基本単位は、交配が実際に行われる同種個体される博物学 ( 自然誌 ) として結実した。「。種 ・・ホイッタカー著、宝月欣二訳『生態 復活のわざを思い起こし、感謝する。 の集まり、つまり個体群である。ただし、この の起原』を一八五九年に書いたダーウインは、 学概説生物群集と生態系』第二版 ( 一九大 〔聖餐論争〕このようなカトリック教会の教え 交配集団を野外で限定するのは困難な場合が多生物の多様さとその多様さに内在する類似性を に対して異論が現れ、九世紀と一一世紀に論争 いため、限られた空間内の同種個体の集団を便 自然選択と生存闘争によって説明し、自然の経 培風館 ) ▽沼田眞編司生態学読本』 ( 一九全・ 東洋経済新報社 ) ▽・ O ・ウイルソン著、 が起こった。だが本来の意味での聖餐 ( 聖体 ) 論 宜的に個体群とよぶことが多い。個体群生態学済のなかで生物の生活を分析する生態学の基礎 伊藤嘉昭監修『社会生物学』全五冊 ( 一九ハ四・ 争は一六世紀の宗教改革のときのものである。 は、害虫の防除や発生予察の分野でおもに研究を築いた ダーウインによって大枠がつくられ、ヘッケ 思索社 ) すなわち、ルターは。ハンとぶどう酒はその実体が進展したこともあって、個体群を構成する個 せいたいがくてきしんりがく を保持したままで、キリストの体と血になると体の数の多さの時間的・空間的な変動の実態と ルによって名づけられた生態学は、適応・進化生態学的心理学 いう実在説を主張したのに対して、ツウイング個体数調節の機構の解明をその主たる課題との扱い、無機的環境に対する生物の主体性、個 ecological psychology アメリカの心理学者 リはパンとぶどう酒はキリストの血肉には変化 し、個体を等質なものとして扱う傾向が強かっ体群・群集における平衡あるいは調節作用の有 ーカー Roger GarIock Barker ( 一九 0 三ー らが、その師であるレビンの提唱した心理学的 せす、ただそれを象徴する記号にすぎないとい た。しかし、近年になって、個体間の遺伝的な無といった問題をめぐり、論争を繰り返しなが う象徴説を唱えた。以後プロテスタント教会に違いを考慮にいれ、それそれの個体は形態的、ら発展した。一九世紀後半には、個々の適応的生態学 psychological ecology をさらに発展 させた心理学の一分野。レビンによれば、心理 は種々の教説が発生した。↓ミサ〈門脇佳吉〉生理的、あるいは環境からの制約のもとで、自現象を目的論的に解釈する適応生態学が栄え ) いた、 0 臍帯 己のもっ遺伝子を次世代以降に結果として最大た。その後、適応・進化の問題を生態学から外学は生活体が心理的・行動的環境、いいかえれ 臍帯せいたい して、無機的環境の諸要因が生物に及ばす影響ば生活空間のなかでいかに行動するかを研究す 生態学せいたいがく ecology 生物の生活限に残すようふるまうであろうとの観点にた 自然界において生物が自己の維持と増殖をち、個体 ( 個 ) が個体群 ( 全体 ) に、生活に必を個体の生理と直接に結び付けて研究する傾向る学問であるが、その生活空間は、実際には物 図る過程ーーを研究する生物学の一分科。おも要な資源の配分や繁殖活動を介して、どのよう が強くなった。この環境決定論的な見方に反発理的・地理的・社会的事実によって構成された にかかわるかといった問題も、個体群生態学のしてエルトンは『動物生態学』 ( 一九一一七 ) を著し、環境との関係で成立している。それゆえ、たと な研究課題は、われわれが直観的に認める生物 動物の経済学・社会学として動物生態学をとらえその環境が生活体の行動を直接的に説明する 的自然の平衡 ( バランス ) の実態と機構を、生重要な研究課題とされるようになった。 ものではないにしても、心理的・行動的環境と 物のもっ爆発的な増殖力、および、生物が環境〔群集生態学〕地球上に現存する一〇〇万種をえ、食物関係を軸に群集を分析するとともに、 と織り成す多様な関係と関連づけて解明するこ超す生物は、多様な生物的あるいは無機的環境個体群の維持機構を追究した。エルトンの著作物理的・地理的環境との関係を考察することが ーミング J. およびこれに先だって書かれたバ 必要だとして、この研究領域を心理学的生態学 のなかで個別にすみ場 ( 生息場所 ) を選んでい とである。生態学は、ドイツのヘッケル E. ー一九一一四 ) による司植物と名づけた。 Haeckel ( 天三四ー一九一九 ) により「生物と無機的るが、その生活空間には多少とも規則的な重複 E. B. Warming ( 天四一 ーカーらはこの研究をさらに発展させ、と 環境および共に生活する他の生物との関係を研が種間にみられる。生活空間を共有するこれら生態学』 ( 天九五 ) によって現代生態学が成立し くに観察し記述すべき行動として、たとえば行 の生物は栄養物質・エネルギー・隠れ場などのたと考えられている。 究する学問」と造語・定義された ( 天六九 ) が、 一九三〇年以降、個体群生態学は農林業の害動の型あるいは種類 ( 宗教、教育、政治、経 「自然の構造と機能の研究」「生物の分布と数の生活に必要な資源の供給や取得をめぐって互い に直接・間接の相互依存、協調あるいは制約の虫や水産生物の個体数変動の機構の解明に大き済、娯楽など ) 、地域的自律性 ( その地域の行 研究」「 ( 動物の ) 社会学および経済学」という 定義が用いられることもある。生態学という日関係を成立させている。また、これらの生物のな成果をあげ、害虫の総合防除や漁業資源の合動の自律性 ) 、決定権の及ぶ範囲、経済的変動 みよしまなふ 本語は三好学により BioIogie ( 自然誌 ) の訳生活を支えるエネルギー源のほとんどは究極的理的な維持管理への道を開いた。また、群集生に伴う可変性などを指標として取り上げ、地域 には太陽エネルギーであり、栄養物質は無機的態学の分野では、自然を生物と環境間の相互関社会の生活の質を研究した。その方法が、動植 語としてつくられた ( 天九五 ) 。 生態学は、同一種の生物集団を研究対象とす環境から取り込まれたものであり、生物と無機係の集積からなるシステムととらえる生態系生物の生態学者が単位面積当りの密度や単位時間 態学が誕生し、一九七〇年代に入って人類によ当りの頻度をありのままに観察するやり方と同 る個体群生態学と、同一地域でともに生活する的環境は物質の循環とエネルギーの流れを介し じであったため、彼らはこの研究領域を生態学 複数種の生物集団を扱う群集生態学に大別されて一つの系 ( システム ) 、生態系 ( エコシステる環境破壊の激化とともに、人類と環境とのか 的心理学と名づけたのである。なお、 る。ただし、生物の生活は多様であるため、対ム ) を形成する。このような一定地域で生活をかわりを扱う環境科学あるいはエコロジーの側 象生物によって、動物・植物・微生物・人間生ともにするすべての生物の集まりは群集 ( ある面も強くもつようになった。これらは土地利用の著書に〕。洋。を c ミ、 c ぎ ~ 。 . ・ C ミミミ s いは生物群集 ) とよばれ、群集の構造と機能お計画、自然保護に科学的根拠を与えるととも 態学などに、あるいは対象場所により海洋・湖 、ミミ、 ~ ミ・ミ』 ( 一九六 0 がある。〈宇津本保〉 に、公害に反対する住民運動に一つの哲学的な よびそれらの時間的・空間的変化の実態を無機 沼・河川・森林・草原・都市生態学などに分け せいたいかんさっ生きている人の られることもある。また、研究の観点、方法の的環境と関連づけて研究するのが群集生態学で基礎を提供した。これらとは別に、一九六〇年生体観察 し違いにより、植物社会学・社会生物学 ( 行動生ある。群集は種組成、種の多様性、食物連鎖、以降、集団遺伝学・行動学の成果を生態学に導体を体表から解剖学的に観察することで、これ 3 栄養段階構造、生態遷移 ( サクセッション ) 、 入して、進化・適応の問題を再度扱おうとすを学問的に体系づけたものが身体学 ( 人体学 ) 3 態学 ) ・進化生態学・生態系生態学なども成立 せ

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せいしよ 生殖 生殖器に 生殖器崇拝せいしよくきすうはい 十 子種う 対する崇拝で、生殖器のもっ神秘的な力、とく 生時る ほうじよう 相 胞。行 分同 に生殖器によって象徴される生産力、豊穣カ はるも るとゞ 体あ殖 に対する信仰。男性器崇拝と女性器崇拝がある あが 本で生 で行時 が、両者が対になって崇められることが多い 胞の形性 の 糸殖 , またしばしば性器をかたどった像をつくったり 菌生れ の性 + 描いたりして崇拝する。歴史的には古く旧石器 に相時代にさかのばることができ、たとえばオー丿 花 不れな 相 相も重ニャック期の女性裸像は乳房、腹部、臀部が強 がこ苳 ~ 単と るは下 の , る調され、陰部には裂け目がはっきり表されてい ビはな あ体地幻 るが、他の手足、顔など生殖と関係ない部分は ま田円↓ カ子も 生 代配てズ ン胞と省略されている。日本の縄文時代の土偶にも同 交 , っ 単 質 嚢代でよ 力や精様の傾向を示すものがある。これらの時代には 丕世体に類胞 ア子に 0 男性器を表すものは非常に少ないが、古代文明 藻 以降になると男根崇拝が際だっている。たとえ 生 性 ば古代ギリシアのディオニソス祭、古代ローマ 無 のバッカス祭やリベル祭のときには男根が重要 な役割を演じている。とくに男根崇拝が発達し に - 成る 生 実 秋形こ た地域の一つはインドであり、シバ神の聖なる 性 , がお し体が男根を表すリンガム像が数多くつくられ、信仰 粉偶精 0 造 の対象となっている。日本でもしばしば石や木 受配受 に性てでつくった男根が道祖神として祀られている。 春雌き 。とで 生殖器崇拝の第一には、直接的にその性力に 花瞭管が 対するもので、妊娠、多産、安産を願ってなさ 明粉 雄 不花とれる。日本では男性器、女性器を模した石が子 るあ精授け石、子うみ石として子のない女性に拝まれ あでに る。正月に新婚の家に木や石の男根形のものを 珠代偶さ持って行く風習や、小正月に女の尻を棒 ( しば 胚交配 しば男根形をしており、鹿児島県ではハラナン 代性れ 世雄さポンという ) でたたく風習が各地にある。第二 には、自然の生産力に結び付けた崇拝がある。 宗教民族学者エリアーデが集めた事例では、多 くの社会で大地を女性と考え、生殖行為と農耕 すき 性交 を同一視する。そして鋤を男性器、すき返され 無代 た畑のうねを女性器とみなしたり、農耕始めの と世 体 ときに畑や田で性行為を模した動作を行う風習 田円り が世界各地にみられる。たとえばウクライナ地 配あ るが 方では若い夫婦が耕された畑の上を転がされた あ類 いんのう で種 という。メキシコのマヤ族の一部は、牛の陰嚢 でつくった袋にトウモロコシの種を入れ、腰の 世の 性とる 前に吊るして種を播く。種を播くのは男で、精 有体れ , 子ら 液を放出することを象徴している。日本でも小 は胞み 正月の豊作を願う祝祭や田植のときに男根形の 体るに レ「本あ瞭ものを使 0 たり、ひわいな動作をする地方があ たがた ので明 る。愛知県の田県神社の豊年祭では木製の男根 子活代が 走生世代像を神幸させる。第三には、悪霊や悪気を安う じゅりよく 呪力をもつものとして性器を崇拝する。女陰 3 コケ植物 ( ゼニゴケ ) 無性芽 生物は種の維持のために生殖を行うが , その 方式は単一ではない。たとえは哺乳類は有性 生殖しか行わないが , アメーバはもつばら無 性生殖を行う。また生活史の各時期に応して 2 種類の生殖法を使い分ける種も多数みられ る。以下の図は , おもだった動植物の生活史 を , とくに生殖法に注目して示したものであ る。藻類 , 菌類 , コケ植物では無性生殖を行 う胞子体が有性生殖を行う配偶体と同等かそ れより縮小されているのに対し , シダ植物か ら高等植物へと進むにつれ , 配偶体が縮小し 胞子体に寄生した形になっている。また動物 では原生動物など一部を除けは有性生殖しか みられない 緑藻植物 ( ヒビミドロ ) 雄性配偶子まを 実 、 = = 精子 配偶体 ( 雌株 ) -- ・無性芽 配偶 を ( 雄株 ) 原糸体胞子 生活の本体は有性世代である配偶体で , 無性 世代である胞子体は , これに寄生した形であ る。ゼニゴケは無性芽による無性生殖も行う シダ植物 ( イヌワラビ ) 配偶体 ( 前葉体 ) 造器 ゞ・胞子体 又精卵 胞子体 000 受精卵 / み′み 難性配偶子 葉緑体 & 遊走子 0 胞子体 胞原細胞 胞子 胞子嚢胞子母細胞 生活の本体は無性世代である胞子体。シダ植 物の配偶体は前葉体とよばれる。種によって は地下茎による栄養 ( 無性 ) 生殖も行う 裸子植物 ( イチョウ ) 花粉管 胞子嚢 妾合子 遊走子嚢 遊走子 生卵器 遊走子による無性生殖とともに , 精子と卵に よる有性生殖も行う。受精後しばらくは , 核 が融合しない重相朝 + 〃 ) の時期がある 子襄菌類 ( アカバンカビ ) ーー - 造精器 遊走子 造精器 ヒピミドロは遊走子による無性生殖によって 繁殖するが , ときに異形配偶子を生し有性生 殖も行う。世代交代はみられない 緑藻植物 ( アオサ ) 雄性配偶子 雄性体 子 ハ胞子 分生子 十・生子受精 0 接合子 胞子体 雌性配偶子 0 を 融合核 ・ 0 ッ 株 雄 雌性配偶体 遊走子 子嚢胞子 : ・ 0 0 0 0 株花 ノ っ まっ

10. 日本大百科全書 13

トレビラヌスによって一八〇二年に同時につく mg/l (ppm) 単位で求める。の概念は、 つろ、有機物体を細かく砕くことによ 0 て菌類の当する量の植物体を直接分解して還元する場合 ヨーロッパやアメリカ、とくにイギリスの汚染りだされた。彼らは動物、植物に共通の「生命 4 か働きやすい条件をつく 0 ているという点のほうを比べたとき、前者のほうが能率的で早い が重要である。このように生物界は、植物類、 ②体制と生殖動物類はすべてが真核動物であされた河川で、自浄作用の機構を考えるにあた過程」の重要性を認識し、研究の方法の点でも って考案された概念である。 思索の点でも新しい科学に目覚め、この用語を 動物類、菌類の三者によって構成され、地球規り、その細胞内には膜で包まれた核とミトコン せ 日本では、一九七一年 ( 昭和四六 ) に環境庁使った。初期には生物学を、形態の研究を中心 模で物質循環を行う地球生態系がつくられてい ドリアがある。動物類にあっては、捕食して消 る。この物質循環は、地球上における有限の物化吸収する栄養法を効果的にする方向へと体制告示として、初めて水質環境基準が公示されとする「形態学」と、その機能に目を向ける 質を無限に利用する道を開いたものであり、生が進化し、腸体腔が発達して、動いて生活するた。そのなかで、「生活環境の保全に関する環「生理学」とに二大別することがしばしば行わ 物界繁栄の基盤といえる。物質循環の仕組み体制となった。この体制を基に、性因子による境基準」として、河川の水質環境基準が設定されたが、今日ではより微視的な立場からみて も、両者は一体として考えられるようになりつ は、原始海洋中で原始生物群が三方向に分化す雌雄性が発達して卵と精子が接合する生殖法がれ、 0 は河川環境の保全上重要な基準項目 つある。 ることによって始まった。三生物群はそれそれ生じた。動物類では、受精卵が分割してできたの一つとして採用されている。ただし、 の働きをより有効にする方向へと体制が進化多くの細胞が中空の球状に配列し、その一部がを測定するための試水中に、生物の生理作用を〔生物学の対象〕生物学をその研究対象から、 し、その体制を土台にして生殖法が発達して現中に陥入して体内組織のもとができる。つま妨害する物質が含まれているときには、動物学、植物学、微生物学などに大別し、さら 在のような三つの生物系統群ができあがった。 り、三次元のはめ込み式に組織ができて複相体の値が小さくなるために、有機物による水の汚により細かい脊椎動物学、昆虫学、魚類学など というように細分する場合もあるが、普通はこ 以下、それぞれの生物群の特徴をあげる。 となり、成長していく。動物類の生活環は複相染度の尺度とはなりにくいことも生じる。↓公 害↓水質汚濁 〈渡辺仁治〉 のような各論はむしろ生物学とはよばない。一 〔植物類の特徴〕①栄養法一一酸化炭素と水を環である。↓生活環 方、対象の水準から分けることもある。すなわ 周りの無機的環境 ( 非生物界 ) から取り入れ、 〔菌類の特徴〕①栄養法菌類にはクロロフィ 生物当ナせいぶつがく biology 葉緑体のクロロフィルがとらえた光のエネルギルがなく、他の生物体に由来する有機物を吸収 ち、地球上に生息する多数の生物の相互関係 〔生物学の沿革〕 や、環境と生物との関係を明らかにし、生物群 ーによってこれをブドウ糖に合成し、酸素を放して無機物に還元する。この栄養法を吸収とよ 〔生物学の対象〕 集の時間的遷移などを知り、生物を集団として 出する。ブドウ糖は葉緑体の膜を通して他の部ぶ。植物体をつくっているセルロースは、二酸 〔近年の動向〕 分に吸収されていく。。フドウ糖を基にして他の化炭素の原料であり、その量も地球上で最多の とらえる環境生物学や生態学や集団生物学や進 化学と、個々の生物個体またはそのなかの器官 有機物もっくられ、植物体は成長する。地球生ものであるが、その分解の主役は菌類である 〔現在の生物学〕 態系での植物類の位置は「生産者」である。 ( セルロース分解動物は二 ~ 三種類にすぎな 〔生物学の歴史〕生物学史の三段階 / 生物や組織の水準の研究と、さらに細胞や細胞下の 体制と生殖原核植物の細胞構造は簡単であ い ) 。地球生態系における菌類の位置は「還元 学の発端 / 生命への着想 / 近代化への水準の研究をする細胞生物学、さらには分子の 脈動 / 科学革命の影響 / 一七世紀生物水準から生物をみる分子生物学などの立場であ るが、真核植物の細胞内には膜で包まれた核と者」である。 体制と生殖菌類には原核菌類と真核菌類が 学の限界 / 生物学近代化の条件 / 現代る。これらは生物に対する見方や研究方法の点 葉緑体とミトコンドリア ( 細胞小器官 ) があ 生物学の展開 でも相違がみられる。生物学を、主として野外 る。植物類では、光利用の栄養法を効果的にすあり、後者の細胞内には膜で包まれた核とミト での観察や直観に重きを置いた自然史的分野 る方向へと体制が進化し、茎葉体が発達して、 コンドリアがある。菌類では吸収という栄養法 生物に関する科学。とくにすべての生物に共と、実験室内での分析的分野とに分けることも 葉を広げて生活する体制となった。この体制をを効果的にする方向へと体制が進化し、菌糸体 が発達して基物に潜って生活する体制となっ通した生命現象の本質の究明に主点を置いた自実質的には行われている。 土台として、性因子による雌雄性が発達して卵 と精子、または卵と精核が接合する生殖法が生た。この体制を土台にして、不和合因子による然科学であるが、生物の多様性に基づく各論も〔近年の動向〕一九五〇年ごろから、生命現象 じた。植物類は、接合子から休眠胚を経て、細交配系が発達し、動植物類にはみられない菌糸含んだ広範な分野をさすこともある。また、自の基本が分子の水準で理解されるようになり、 いわゆる分子生物学のセントラルドグマ ( 中心 組織からなる子実体を形成して胞子をつくると然科学の領域のうちで、物理学、化学、地学な 胞が三方向に三次元の分裂を行い、分裂に伴っ どに対して用いる場合もある。 教義 ) が確立して、従来の科学的生命観は大幅 いう繁殖法が生じた。菌糸は、細胞が一方向に て新しい細胞が三方向に積み重なる形で組織が へんばう 〔生物学の沿革〕人類は遠い昔から生物と深い に変貌し、生物学にも大きな変化がおこった。 形成されて複相体となり、成長していく。植物一次元の分裂を行い、細胞が一方向に積み重な 類の代表的生活環は準複相環である。↓生活環る形で形成される組織である。菌類の代表的な関係をもち、とくに食料、衣料、住居や道具の生命現象を、物理学や化学と共通の認識と用語 〔動物類の特徴〕①栄養法動物類にはクロロ生活環は単重相環である。↓性の分化↓子実材料としての生物は、人間の生活と切り離せなで説明し、理解してゆくことが可能であるとい 〈寺川博典〉 いものであった。したがって生物に関する個々 う基本的確信が物質的な裏づけを得たわけであ フィルがないため、無機物から有機物を合成す体↓生物三元論 せいかがく の知識は遠い昔から多く集積された。しかし実る。すなわち、遺伝の基礎となる遺伝子の本体 ることはできない。したがって、動物類では植生物化学せいぶつかがく 0 生化学 ふん 物類の有機物を捕食するが、その大部分は糞と生物化学的酸素要求量せいぶつかがくてき用上の目的を離れ、知的興味の対象として生物はデオキシリポ核酸であり、これは えさ に関する一般法則が整理されたのは、古代ギリ さんそようきゅうりよう水中に増殖した微小な生 その化学構造上の必然性から、自己と同じもの して排出される。肉食動物の場合も、その餌に シアのアリストテレスによるところが大きいのを複製する。一方、この分子を構成するアデニ なる動物をさかのばれば、植物を餌にしている物が、有機物を一定条件下、一定期間内に酸化 ン (< ) 、グアニン (t) 、シトシン (0 ) 、チ わけである。このような栄養法を消化吸収とよ分解することによって消費した溶存酸素量。で、彼を生物学の祖とよぶ人も多い。その後、 ぶ。地球生態系での動物類の位置は「消費者」 biochemical oxygen demand の訳語で、中世の暗黒時代を経て、生物学は徐々に歩みをミン (e) という四種の塩基の並び方の順序と 進めてはきたが、科学として新しい姿をとるよ して生物の遺伝情報が暗号のように含まれてい であるが、単なる消費者ではなく、有機物を消と略称する。 うになったのは、自然科学の他の分野に比べてる。細胞の中ではこの暗号はリポ核酸 (CZZ 費することによって、菌類の還元作用を助けて 有機物による水の汚染度を示す尺度として、 <) という分子にそっくり写しとられ、その指 いる。なお、菌類が動物の糞と遺体を分解して広く利用されており、普通、二〇度 0 の暗黒のずっと遅れ、「生物学」という用語自体は、フ ランスの・ 22 ・ラマルク、ドイツの ()D ・・ 令に基づいて特定のタンパク質が合成され、こ 還元する場合と、その動物が死ぬまでの餌に相条件下で五日間の溶存酸素消費量 (BOD5) を、 ・一う せきつい