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1. 日本大百科全書 15

ちゅうこ 中国料理 / 特殊材料と扱い方 料理適性 中国名 別名 主産地 原料と扱い方 イエンウ 一般にスープに用いることが多 アナッパメの巣の情製品。白色のハスの花弁状をくすさない形のものが良品で , 燕窩 ツノヾメの巣 中国南部 , インド マすイエン イイエン コりンイエン く , 献立に用いたときは最高の 官燕という。これに対し黒すんだものを毛燕・灰燕とよんでいる。使用の際には , ネシア , マレーシ イエンウシ べンツアイ よく乾燥しているので器に入れてたつぶりの熱湯を注ぎ , 鹽をして 2 ~ 3 時間置く 宴席で燕窩席といい , 本菜の最 ア , タイ 初の料理とする としだいに膨らんでくる。湯が冷めたら熱湯に取り替えて , 十分膨らんだら湯の中 で手のひらの上にのせ , 中に入っている黒い羽毛やごみをピンセットで取り除く。 そっと洗ってから酒を少量入れたスープに浸しておき , 味を含ませてから水をきっ て料理に用いる 献立表に有銀耳と但し書され , 白いキクラゲで , 一般には四川省の一部にのみ産するといわれ珍重されている。少 四川省産が最良品。 タンツアイ チャッアイ ホリンアル 湯菜 , 炒菜として多く用いられ 少黄色を帯びたものを黄耳という。銀耳は貴重な食品として高級科理に用いる。使 陝西 , 雲南にも産 る 用するときには , 普通のキクラゲと同しく水でもどして用いる する アワピをゆでて干したもので , 色で白い粉がふいたようなものが良品。中国では 炒菜や湯菜として宴席科理にも 中国産は少なく , よく用いられる 不老長寿の薬として珍重される。もどし方は , 乾燥加減によって多少異なるが , 日本やメキシコか く固く乾燥したものを中心まで柔らかくするには 12 ~ 13 時間煮なければならない。 らの輸入品が多い 普通のものは , しはらく水に浸してから , たわしでよくこすり洗いして , 水から入 れて 1 時間くらいゆで , 冷めるまでそのまま置く。その後水を取り替えてふたたび 1 時間ぐらい煮て , のちに酒を加えてその汁のまま中心が柔らかくなるまで蒸す ナマコやタケノコの煮物に加え エピの卵を干したもので , 赤褐色の細かい種子のようにみえる。水で洗い酒をふり エピの卵 中国沿岸 , シンガ 蝦子粉 たり , 炒菜などに用いる かけてしはらく置き , 柔らかくすると同時に風味をつけてから料理に用いる ポール , ポルネオ チャチャンツアイ 家常菜では炒菜などに用いるが 小ェヒ、を干したもので , 家常菜 ( 総菜料理 ) には殻つきのまま温湯につけて柔らかく 蝦米 中国沿岸 , シンガ 干しエピ 0 ンツアイ 餃子 , 冷菜などにも入れる もどし , つけ汁とともに料理するが , できれば殼は取り除いて使ったほうがよい ポール , ポルネオ 湯菜 , 炒菜や煮込み科理などに フカのひれ ( 魚翅 ) をよくさらしてはぐし , これを固めて乾燥させたもので , 魚翅よ 中国では広東 , 福 フカのひれの軟骨 翅餅 りも手軽に料理に用いられる。もどし方は , 熱湯につけて半日置き , 湯は数回取り 用いる 建 , 台湾。日本か を干し固めたもの 替えて臭み抜きをする。たたきつぶしたショウガやサンショウを加えて 2 ~ 3 時間 らの輸入品が多い ゆでてから科理に使う 主として炒菜などに用いる。豆 開花直前のカンゾウの花を十したもの。日本では緩下剤として医薬に用いられる。 河北 , 四川 , 広東 , 金針菜 カンゾウの干し花 ワンワッアイ 腐などとともに精進科理に多く 科理に使用するときは , よく水洗いしてから温湯につけて柔らかくし , 数回水を取 黄花菜ともいう 広西に自生。中国 り替えて , 軸の固いところは切り除き , 丈を二つ切りくらいにしてから科理に用い 用いられる 全土で栽培する る。乾と同様に , 副材科として用いることが多い そのまま食べてもよいが , 湯菜 ダイシンサイの茎の部分を香辛科を用いて特別の風味をつけた漬物で , 四川省が原 四川搾菜が有名 搾菜 夕、、イシンサイの や炒菜などの材科として用いら 産である。いわゆる漬物として食するほかに , 水につけて塩抜きをしてから広く科 漬物 れることが多い 理に用いられ , 日本人にも好まれている ザーサイ 手イツアイ 0 ェイツアイ 炒菜 , 瑜菜 , 燬菜 ( 煮込み ) とし ナマコを固く乾燥したもので , 黒くてとげがたくさんあり , きすの少ないものがよ 遼東半島沿岸 , 海 海参 きんこ 、インエンン て珍重される。宴席では海参席 い。日本産のものが良品といわれる。もどすときには , いきなり水から入れて火に 南島近辺 , 広東省 , 干しナマコ ュイチーン一 イエンウォ として , 燕窩席 , 魚翅席に次ぐ かけ 2 時間ゆでる。やっと包丁が入るくらいの固さのときに , とげのない腹部に縦 福建省の沿岸。日 高級宴席科理とされている に包丁を入れて開き , 中のわたや砂を除いてよく水洗いし , 水から入れてふたたび 本では北海道が良 2 時間くらいゆでてそのまま置く。ゆで汁が冷めたら , たびたび水を取り替え 1 日以 ロロ , 九州 , 中国地 上置くと , しだいに大きくなり中まで柔らかくなる。もどしすぎないように注意し 方の沿岸産も中国 て , 最後にたたきつぶしたショウガとネギを加えて , たつぶりの水でゆでて料理に使う に輸出している ごま油をまぶし , からししよう 食用クラゲの塩漬けで , 身が厚く薄茶色のものはど上等品である。直径 40 ~ 50cm の 浙江 , 江蘇 , 山東 , ゆ , 辣油などで和えて冷拌菜と 円形の帽子状であるが , 使用するときは四つ割り程度にして沸騰中の熱湯に瞬間的 福建 , 広東の各省 して前菜によく用いられる これをごく細くせん切 に入れるとすぐ縮むので , ただちに冷水にとり塩出しして , と台湾 りにして用いる。歯切れがよいので , 一般に好まれる 銀耳 白いキクラゲ 乾鮑 干しアワビ チンチェンツアイ 、イをョ - 海蠻 クラゲ おもな特殊材料 海参 ( 干しナマコ。方刺参 ) 燕窩 ( アナッパメの巣 ) 509 海 ( 食用クラケの塩漬け ) 金針菜 ( 干しカンゾウ )

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だんばう いホールや会議場、床面に近 例を示す。大正時代になり、設計、製作とも国 一国を いところも生活空間となる住 内でできるようになった。一九六〇年代になる の中部 地方 と、ビルにおいては冷房も併用されるようにな宅などに適する。 岳地畿山 直接暖房はまた、熱を運ぶ り、暖房設備のみを設けるビルは、寒冷地の建 山岳近の の山 方 築や、夏期には使用しない学校などに限られる熱媒により区別することもあ ノ卩 2. 卩 2. ・也 1 地中中各 る。熱媒が蒸気の場合を蒸気 ようになった。しかし一部の寒冷地を除いて、 住宅では欧米のような中央式暖房設備の普及は暖房、温水の場合を温水暖房 紀分東西 部関の という。蒸気暖房はさらに、 進まず、現在でも個別暖房が主流である。 そ 方大北 地の 〔暖房器具〕暖房器具とは、石油ストープのよ蒸気の圧力により、高圧式、 部方陸よ 図 低圧式、・ヘーバ式、真空式に うに単独で暖房効果が得られる器具のことをい お 中地北 布 方 トし」ョ う。熱の伝わり方によって分類すると、①電気分類する。また、供給管と還分 あんか 」東部部地 毛布、行火、火鉢など体に直接熱が伝わる伝導水 ( 凝縮水 ) 管が共通のもの , 岸間部 る 型、②熱の反射板がないタイプの電気ヒータを一管式、別のものを二管 体島のの 半方方方域に る ストー。フ類、ヒートボンプエアコンなど、式、還水が重力によるものをリ 区 道道地地地地 候 空気を直接加熱して室温を上昇させる対流型、重力還水式、真空ポンプを用ク 域海毎北州東た仇 デ 気也東ル関 いて還水するものを真空還水 学③熱の反射板をもち、一般に反射型とよばれる る ム間 よ 国本 ストープ類、パネルヒーター、電気力ーベット 式とよぶ。蒸気は、圧力が高け 彰日 -0 ・つ 0 いほど凝縮温度が高く、制御お など熱放射の効果を加味した輻射型、に分かれ ワ 0 ワ】 る。 上、安全上取扱いがむずかし 0 建 デ 本 3 編 一般ビルでは低圧式か真日 現在は、熱源として石油、ガス、電気が用い 一〃 44 3 例 辺 られ、石炭など煤塵、灰を多く出す燃料はほと空式が用いられることが多 度 系 建 房 んど使われなくなった。電気がもっとも衛生的 る デ区ーⅡⅢⅣ注 。また通常、配管法は二管暖 学史 す 館 築業 なエネルギーであるが高価であるため、最近で式を用いる。 有 本 を 新治 室大 は効率のよいヒートボンプ式の暖房機の利用が 温水暖房と比べて蒸気暖房は、暖房開始時、される。大規模なビルではポイラーも複数で、 備 館教科 増えている。排気ガスの出る器具はその排気を短時間に所定の室温にすることが容易である供給先も多数に分岐し、複雑な熱源システムを 7 汁主目 ( 設 校文 本 島著 房 校学法禽工紡尾助十分に行うことが重要で、不足の場合は一酸化 が、騒音が発生しやすい、制御・管理がむずか構成する。 暖称学英学局庁学糸 原藤炭素中毒により死亡することもある。こうした しいなどの欠点をもっため、最近では用いる例 熱源となるエネルギーは、かっては石炭が主 の名大寮社大本道大絹 中関 房期築部幣志京信海・ が少ない 事故を防止するため、排気、または給排気と 流であったが、最近は大気汚染を防止するた 暖初建工紙同東電北東第注 間接暖房は、空気調和器やファーネスで加熱め、石油、都市ガスが用いられることが多い も、室内空気と切り離した別経路で行えるタイ した空気をダクトで部屋に導き暖房する。このしかし近年、太陽エネルギーも有力な熱源にな ル・ヒーティング ) とよび、個別式暖房と区別プの器具が市販されている。安全面から今後は 際、空気をェアフィルターで清浄にする、加湿 する。この方式により室内空気の清浄度は飛躍このタイプの利用が増えると思われる。 ってきている。また、都市のごみ焼却炉の排熱 的に高まった。一九世紀末からは冷房技術の発〔暖房設備〕建物と一体化した暖房システムをする、新鮮な外気を取り入れるなど、快適な暖エネルギーを再利用することも行われている。 ↓地域冷暖房↓ソーラーハウス 暖房器具とは区別するが、明房を得るための調整が可能であり、直接暖房よ 達が著しく、暖房は空気調和設備の一機能とし暖房設備といい、 〔暖房と建物〕暖房は、なるべく少ないエネル て包含されることが多くなった。したがって、確に区別できないものもある。一般には、熱源り優れている。現在ではこのシステムは冷房と 併用し、いわゆる空気調和システム ( ェアコンギーで室内が快適になるように行うのがよく、 暖房設備としての発展はこの時点でいちおう完機器を一か所に置く中央式暖房 ( セントラル・ ヒーティング ) をいう場合が多い。部屋に放熱 ディショニング ) として計画されることが多建物を合理的に設計することが肝要である。 成したとみてよいであろう。 。直接暖房の場合には、熱を部屋に供給する ある建物を暖房するのに要する熱エネルギー 中国には床下に煙を通して床面を暖める焼が器を置いて直接加熱する方式を直接暖房、部屋 ある。韓国のオンドルはこの発展型である。床 に加熱した空気を供給する方法を間接暖房またのに必要なものは小断面のパイプだけであり、 を熱負荷という。熱負荷を小さくするには、高 は温風暖房という。 設備スペースもわずかであるが、間接暖房で い断熱性と気密性が必要である。また、断熱性 暖房は現代においても高級なシステムである。 ↓オンドル 直接暖房は、放熱器の放熱方法により、対流 は、断面の大きいダクトが通過するための空間 のよい建物は室内の壁の温度も高くなり、体感 上も良好になる。 わが国の伝統的な暖房は、いろり、こたっ、式、輻射式の二種類に分けられる。対流式は放が必要で、建築計画に制約を与える。 暖房設備の熱源機器としてもっとも一般的な 暖房を開始して短時間に暖まる建物を熱容量 火鉢を用いる採暖が主である。火鉢、こたつは熱の大半が対流伝熱によるもので、鋳鉄製放熱 中国から伝来したものである。こたつは中国の器、べースポードヒーター、ファンコンべクタものはポイラーである。蒸気暖房には蒸気ポイ が小さいといい、木造建築がそれに該当する。 「足あぶり」に由来するといわれ、ふとんをか ーなどが放熱器として用いられる。輻射式は放ラーを用いるが、温水暖房には温水ポイラーをこのような建物は、暖房が停止すると急速に冷 えやすい。コンクリート造や、れんが造はこの ける現在の姿になったのは江戸時代であろうと熱の大半が放射によるもので、放熱面は通常床用いる場合と、蒸気ポイラーと熱交換器を用い 推測されている。近代的暖房設備は、明治開国面に設け、輻射パネルとよばれる。輻射式によて温水をつくる場合とがある。ヒートボンプを逆である。熱容量の大小は予熱時間や非暖房時 後、外国から導入された。別表に導入時の実施る暖房は上下温度の差が少ないので、天井の高用いた熱源機器もあり、この場合は冷房と併用の室温と深い関係があるので、暖房設備の計画 起工 1873 ( 明治 6 ) 1875 ( 明治 8 ) 1880 ( 明治 13 ) 1884 ( 明治 17 ) 1886 ( 明治 19 ) 竣工 暖房設備 1877 ( 明治 10 ) 蒸気暖房 1876 ( 明治 9 ) 蒸気暖房 76 ( 明治 9 ) カロリーファイア ( 温気炉 ) 1884 ( 明治 17 ) 温水暖房 1885 ( 明治 18 ) キース式温水暖房 1884 ( 明治 17 ) 温水暖房 1888 ( 明治 21 ) 蒸気暖房 1887 ( 明治 20 ) 蒸気暖房 ( 事務室のツバ形放熱器 はケルチング社よりの輸入 ) ばいじん A 0 叩 3 00 0 な 000 2 300 つ -- 3 000 <2300,3000,4000< -- 2 300

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ちゅうこ 適当に切って , 前菜として多く 粉皮 魚肚 魚条 竹 中国名 皮蛋 フェンピー 粉条 米粉 魚翅 フェン ュイチー ュイティヤオ 猪網油 豆鼓 チューワンユー トウチー はるさめの原科 魚の十し浮き袋 ューティヤオ 揚げパン , 油条 , 油炸果ともいう キヌガサタケ , 竹 笙ともいう 別名 アヒルの発酵卵 , 松花蛋ともいう はるさめ ピーフン こ ( いふれ 米枌 フカのひれ 中国全土に産する が華北 , 東北に多 粉皮に同し。山東 , 江蘇産が有名 浙江から南で産出。 台湾の新竹 , 福建 の厦門が有名 インドネシア , 日 本から中国へ輸出 している。中国で は広東 , 福建 , 湾が主産地 舟山群島 , 福建 , 広東 , 広西 , 浙江 , 主産地 中国全上 原料と扱い方 アヒルの卵を塩 , 石灰 , もみ殻などを混ぜた特殊な泥で包み , 甕に入れて 1 か月以 上密閉保存してつくる。日本でも近年つくられるようになった。白身は寒天状 , 黄身 は濃緑褐色を呈する。この泥に混せる木灰にマッ , カシワなどの灰を混せると , その 木の葉の模様が出るので松花蛋ともいうと伝えられている。食べるときは , 泥を落 としてから水で洗い , 適宜切って用いる せんべい 緑豆粉からっくった丸形の煎餅状のもので , 温湯に 2 ~ 3 時間つけておくと半透明 で柔らかく , はるさめを広げたようになる。中国では生のものも売られているが , 日本には乾燥したものがきている 緑豆を原科にしてつくったはるさめで , いもデンプンのはるさめと異なり , 腰が強 くてゆでても瀋けない。使用の際は柔らかくゆでてから調理する 米の粉でつくった乾燥した麺で , 使用するときにはさっとゆでてから科理に用いる が , ときには軽食用の主材科として調理することもある いろいろ種類があリ , 背 , 尾 , 胸びれのなかで背びれがいちはん美味という。ひれの 形のまま乾燥したものを全翅といい , もどし方がむすかしい。さらしひれは翅餅 ( 前 述 ) として市販され , 扱いやすい。味は全翅のはうがよいが , 生のひれを用いると いっそう美味である。全翅をもどすには , ひれの先を 1 cm くらいはさみで切り , 熱 湯に入れて冷めるまで放置する。少し柔らかくなったら , たわしでよくこすって皮を 落とし , 洗って鍋に入れて水から 2 時間くらいゆでる。冷めて身がゆるんできたと ころで , 形をくすさないように骨を抜き取り , 水をかえてまた 2 時間ゆでて冷まし , 臭みが抜けるまで 3 ~ 4 回繰り返す。最後にたたきつぶしたショウガ , ネギ , 酒を 入れたスープで蒸すか煮るかして , 味を含ませてから科理する ニべという魚の浮き袋を固く干したもので , 大小あり福建科理によく用いられる。 ごま油で低温から入れて巻き縮れないように箸で押 用い方は , ふきんでよく拭き , さえて広げながら , 高温になるまでゆっくり揚げる。広がってきつね色になり香は しくなったら油をきり , 熱湯で油抜きをしてから水に入れて , 再三水を取り替え臭 みを抜いてから科理に使う 小麦粉を練って細い環状にして油で揚げたもの。ふつくらしたねじりパンの揚げた もののようになる。そのまま小口から 1 ~ 2 cm に切って用いる 主として竹林に産するキノコの一種で , 銀耳とともに貴重な材料として高級料理に用 いる。形は柄が長く , 笠が編み目のようになっている。だしが出てスープがおいし くなるので , 乾燥したものは水につけてもどして使う。キヌガサタケを干して用い るのは中国独特のもの。筍の周囲に生することがあるため , 筍の子すなわち竹の孫 の意味で名づけられた。 プタの内臟を包んでいる網のような脂肪。冷水に入れて広げながらごみを取り除き , 網を破らないように注意しながら数回水を取り替えて広げ , 網の筋の太いようなと ころに包丁を入れて適当な大きさに切る ダイズを蒸して塩 , , 小麦粉を加えて発酵させたもので , 日本の浜納豆や大徳寺 納豆によく似ている。まだ乾かないものを豆黄という。これを入れると風味がたい へんよくなるので , 広東料理によく用いられ , 台湾では家庭料理の材料として広く チュりンチー たけの・ トウホワン 料理適性 供される 日本 中国各地 貴州 , 雲南 , 四川 そのまま揚げてつまみに用いた り , 冷菜 , 炒菜などにする 湯菜 , 炒菜 , 拌菜 ( 和え物 ) , 鍋 物などに用いる 炒菜に入れたり , 湯菜に用いる が , 軽食用に焼ビーフン , 汁ヒ、 ーフンとして主食にも用いる 多くの溜菜 ( あんかけ ) , 湯菜に 用いる。魚翅を科理するには上 湯 ( 一番だしの上等なスープ ) を 用いなけれは・いけない。魚翅席 は燕窩席に次ぐ宴席で , 前菜の すぐあとに翅菜が供される 炒菜 , 湯菜 , 煖菜などに用いる。 ホンンヤュイト 0 ー 紅焼魚肚 ( 魚肚のしようゆ煮 ) , 白汁魚肚 ( 魚肚の煮込み ) などが 知られる 朝粥に入れたり , 湯菜などに用 いる 湯菜に適する。銀耳とともにシ ロップ仕立てにして高級デサー カニ , エピ , 貝柱 , 魚 , 野菜な どを包んで菜 , 炸菜などに 炒菜にしたり , 調味料として用 いることが多い。粥の副食にも 向く あみわ京ら 水油 , 網油ともい 浜納豆 皮蛋 ( アヒルの発酵卵 ) 四川 , 広東を中心 に中国各地 利用される 魚翅 ( フカのひれ ) 竹 ( 干しキメガサタケ ) チュ - ワンユー 猪網油 ( プタの内臓を包んでいる脂肪の網 ) 508

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ちゅうご チンプーチウ とうろ - っ いこの日は庭に七夕を日本同様に飾り、果物や の軒先の灯籠には火を入れて、各自着飾って賑日は菖蒲酒を飲み、いろいろのあんを包んだ餅 た。また精進料理のみという所もある。年賀の チーシーカオ しゅ - 一う ュワンパオチャー を笹の葉でくるみ、各家自慢の粽子 ( ちまき ) 酒を供えて、天の川を見ながら七夕糯を食べる 客には、元宝茶とお菓子を出した後に酒肴をやかに正月を送るのである。 チュンピン ニエンチェチウ チュオホー これを食べて互いに健康慣習があった。牽牛、織女の物語から星に女の 二月三日 ( 立春 ) 春餅を食べる。正月も過をつくって配り合い 供する。肴は卓盒という重箱に入れ、年節酒を 正月の酒とともに供する。古くは日本と同様ぎて立春の節句には、春を迎え萌え出る春の野を祈り合うのである。餅の中のあんには、ナッ子の願い事をかなえてもらうという考えは、日 フォトイ 本と同様である。 、屠蘇酒を用いたというが、現今はこれに類菜として、ニラ、生ダイコンなどを餅に巻いてメ、ハスの実、アズキなどのほかに、火腿 ( ハ ュイランチェチョンユフンチェ ヤオチュン 6 七月一五日 ( 盂蘭節・中元節 ) 仏教からき ム ) 、鶏肉などの肉類を入れたものもある。笹 した薬酒等を使用する。一月六日は、財神祭食べ春を祝うので咬春ともいう。 トフンウーチェチャンプーチェ ュワンシャオチェ ュフンパオタン た行事で、死者や祖先の霊を祭る日である。各 ③五月五日 ( 端午節、菖蒲節 ) 端午の日は英竹は防腐力が強い。 で、元宝湯を食べる。一月一五日は元宵節で、 チーシーチェチーチャオチェ 寺院で祭礼があり、祖先の霊が家庭に帰ると考 ④七月七日 ( 七夕節、乞巧節 ) 織女節ともい 満月の夜、各家庭では元宵団子をつくり、家々雄、楚の屈原の霊を慰める日ともいわれ、この ュエビンホイエビン え、供え物をし、油餅や荷葉餅 ( ハスの葉の形 チャントウフー トウフールー にした餅 ) をつくって食べる。 腐乳ル凵発酵豆腐。醤豆腐、豆腐乳をはじで、練りがらしとして食卓に多く供される。芥 中国料理 / 嗜好調味料と香辛料 ュエビン チョンチウチェ ⑥八月一五日 ( 中秋節 ) この日各家では月餅 め腐乳の異名や種類は多い。硬度を高めて製造子の種子を粉末にしたもので、練りがらしは冷 をつくって月に供えたり、互いに贈答したりす した豆腐に塩、麹、香辛料を加えて発酵させた拌 ( 冷たい和え物、酢の物 ) によく用いられる。 中国料理には、基本調味料のほかに数多く かん チェン ミカンの皮を乾燥したもので、柑 る。各家により、また地方によっていろいろの の嗜好調味料や香辛料が用いられ、独特のもの。豆腐のもろみ漬けのような感じで、独特陳皮 味を引き立てている。ここには、その主要の味と香りがある。大別して白腐乳と紅腐乳が橘類特有の芳香と苦味がある。鶏や食用ガエル 月餅があり、卵を餅の中に入れて満月になそら などの料理に用いる。 あり、白腐乳のあまりトウガラシのきかないも なものを種類別に五十音順に掲げた。 えたものもあるなど、興味深い さかなかゆ チョンヤンチェチュイホワチェ 長ネギ。副材料としてよりも香味料 のは、そのまま酒の肴や粥の菜に用いられる。葱 ⑦九月九日 ( 重陽節、菊花節 ) この日は菊花 べに、 : っド ) カオヤンロウチョンヤンカオ 〔嗜好調味料〕 紅麹を加えトウガラシのきいた紅腐乳は、餃として用いる場合が多い。独特の風味が材料の 酒を飲み、娉羊肉や重陽を食べる。このころ ザなペ シャンチャーカオ シャーチャ 臭みを消し、また毒消しにもなって、中国料理 ェビの肉のみじん切り ( 蝦子や鍋物の薬味としても用いられる。 ーチャン 沙茶醤 から糖包胡蘆や山査樵をつくる。秋空が澄み チャン 醤 ) にヤシの実やショウガ、トウガラシの枌黒醋黒い色をした醋 ( 酢 ) で、普通の特有の味を出す。煮込み料理には七くらいの 渡り菊の美しい季節に、故郷を離れている人 チャオッアイ チーマフェン ゥーシャンフェン 末、五香粉、ニンニク、芝麻粉、塩、砂糖、醋より酸味が弱く、つくるときにサンショウや長さのぶっ切りを、炒菜には白根だけをみじ は、これらを食べて互いに家族をしのびあい らっかせい 八角を加えるので、独特の香味がある。味の引ん切りにして加える。 落花生油を混ぜてどろどろにしたもの。串刺し ティンシャン ふるさとを懐かしむという。 ティン 丁香ともいう。チョウジの花の き立てに、肉料理に用いることがあるが、日本丁字 の焼肉料理などのたれに用いる。南方料理によ 。キてっ ⑧一二月八日 ( 臘八節 ) この日はおもに北方 ーチョウ く使われ、マレーシアなどの華僑は好んでこれではあまり知られていない。燻した麹でつくるつばみを乾燥したもの。つばみの干したものを 地方では臘八粥 ( 五目粥 ) をつくり、それぞれ そのままか、粉末にして用いる。肉料理や加工 ので燻醋ともいう。 を用いてきた。 くふうを凝らしたものを互いに贈答して、五穀 シャシャシャ ・ラーはトウガラシ入り食品の香りづけなどに使用される。 蝦滷は、 チャン 辣油・辣椒由 蝦滷・蝦油・蝦醤 の祝いをする。 フォントウン ーチャオダイウイキョウ。角を八 ホイシャン 八角茴香 毛蝦というェビを塩漬けにして出る漬け汁。蝦油。上質のごま油に種子を抜いた赤トウガラシ とろび ⑨一二月二一日 ( 冬至 ) 鯤飩を食べる。 コーニエンツアン 油は、塩漬けにした毛蝦を天日にさらして発酵をたくさん入れて弱火にかけ、煙の出ないうちつ出した形でヒシの実に似ているが、特殊な強 SI 二月三一日 ( 除タ ) 除夜の晩は客年餐ま い香りがあり、肉、内臓、魚類の煮物や蒸し物 させ、そこからしみ出た液の上澄みをいう。蝦に火からおろしてさまし、ふたたび火にかけ ニエンイエファン シャオホイシャン たは年夜飯をつくり、家族だけの忘年会をし に用いる。小茴香 ( ウイキョウ ) は漬物に向 る。これを数回繰り返して赤いトウガラシがし 醤は、蝦油をとった残りの沈殿した毛蝦でつく ニエンツアンニエンファン ひしお て、夜明かしをする。年餐や年飯は、魚やニ く。芳香が強いので、使用量に注意。 った醤で、一般の総菜に用いられる。蝦滷・蝦だいに黒くなったら、トウガラシを除いて瓶に フーチャオミエンル ワトリなど、頭と尾のついた丸料理を一〇品内 こしよう。粉末は胡椒麺児 ( 粉こ チャオ 詰めておく。つけじようゆなどにすこし入れる胡椒 油ともに北京料理の上等調味料とされる。 外つくる。外では爆竹が鳴り響いて、元旦をに しよう ) 。中国では古くから料理に用いられた。 芝麻醤 冖あたりゴマ。白ごまを油が出と、ピリッと辛くて風味を増す。 〈野村万千代〉 ぎやかに迎えるのである。 粒のまま、あるいは粉末として一般料理に盛ん てねっとりするまでよくすりつぶしたもので、 あ 回袁枚著・青本正児訳註『随園食単』 ( 岩波文 に使用されている。 〔香辛料〕 和え物、鍋物などに用いる。北京料理によく使 ゥーシャ サンショウ粒。粉末にしたものは 庫 ) 高木健夫著『北京横丁』 ( 一九四三・大阪屋 ウイキョウ、サンショウ、ニ花椒 チャオ われる。 五香粉 ンフェン ティンシャン チェンビー トゥパン 豆板醤とも書く。そらまめみッケイ、丁香 ( チョウジ ) 、陳皮 ( 干したミカ花椒末 ( 粉ザンショウ ) 。鳥獣肉の臭みを消し、 号書店 ) ▽槇浩史著『中国名菜ものがたり』 豆瓣醤 チャン また漬物、点心などに香味、風味をつけるのに ンの皮 ) の五種類の粉末を混ぜたもので、香り そ。ソラマメまたはダイズを主原料にして、 ( 一九大・鎌倉書房 ) ▽野口定男編『中国史談 シャンチャオ 用いる。山椒は花椒と同じ。日本のものと多 が強いのでごく少量を肉料理などに用いる。 塩、麹、小麦粉、トウガラシ、ウイキョウなど 春夏秋冬物語』 ( 一九夭・河出書房新社 ) しせん ジャンショウガ。ネギと同様に臭み消しや少異なるが、中国料理では葉は使わず、完熟果 を加えて発酵させたもので、四川料理に多く用姜 ▽大谷彰著『中国の酒』 ( 一九七四・柴田書店 ) いられる。トウガラシの辛さが強いので、使用風味づけに欠くことができない。スープや煮込の果皮を粒のまま、または枌末にして用いる。 ▽石毛直道編「。東アジアの食の文化』 ( 一九 しっす - ごっ ホワチャ 枌ザンショウ七に食塩三の割 オイエン 量には要注意。主産地は揚子江流域で、とくにみ料理には包丁でたたきつぶして少量入れる。花椒塩 全・平凡社 ) ▽中山時子・陳舜臣監修『中 チャーツアイ リウッアイ チャオッアイ で炒り混ぜ、化学調味料少々を加える。炸菜 安慶産は有名である。ラッカセイを原料にしたみじん切りは炒菜に、絞り汁は溜菜になど、 小学館 ) 国料理大全』全五巻 ( 一九会 ~ タンツアイチャオッアイ ホイクオロウマーポートウフー のふりかけ、あるいは湯菜、炒菜などに用い ものもある。豆瓣醤は回鍋肉や麻婆豆腐、野菜使用する範囲は広い。 ちゅうごくれき中国で行われた暦法。 ダーソワン 中国暦 ニンニク、大蒜ともいう。肉類、る。 蒜頭 炒めなど中国料理に広く使われている。 中国の暦法はすべて太陰太陽暦法であるが、そ かんじよりつ ロウっ ) っ十ノ、 0 ニッケイの皮を乾燥し コイ カキソース。カキの塩辛のような魚貝類の料理にはぜひ必要で、古くから中国で肉桂 壕油 シャオマイ の上古の暦法の詳細は不明である。『漢書』律 せんぎよく れきし たもので、粉末もあり、軽い刺激性の甘さと辛 もの。味が濃厚で焼売 ( シューマイ ) や包子は使用していた。強壮剤でもあり、殺菌作用も 暦志には黄帝、顗、夏、殷、周、魯の六暦 さと独特の芳香をもつ。各種の料理、点心など にしようゆ、塩などとともに少量加えると香味ある。 コイビーチウ の名が記されているが、『黄帝暦』以来、名が チェモからし粉。黄色いからしの粉末 に愛用される。桂皮酒にも用いられる。 がよくなるので、広東料理でよく用いる。 芥末 知られている暦法は一〇〇有余に及ぶ。しか マオシャ た シュンツウ いぶ ギョウ ささ あ ・一うてい たなばた 513

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だんねつ 断熱消磁 / 実験装置 リウムとの熱接触を断ち切ったのち、等温磁化熱性をよくすれば、かえって壁内に結露を生じ み方が無限にゆっくりの場合には放射の振動は断熱材たんねっざい異なる温度で隣り合う に用いた磁場を静かにゼロにする。これを断熱る危険があるので、これを防止することも断熱 つねに定常的であって、放射は空洞に圧力を与二つの材料間に設けて熱の授受を少なくし、両 設計に必要な条件である。室の損失熱量が少な えており、空洞を縮めるためには外力が必要者の温度差を保っために用いる材料。普通、比消磁過程という。その結果、クロムミョウバン くても、冬季に暖房を止めて室温がすぐに下が で、その結果として放射のエネルギーは増加較的熱伝導率の大きい基材が多孔、繊維状、粉は〇・〇二付近までの低温となる。この方法 ってしまうような室の居住性はよくない。これ を断熱消磁という。 する。この場合放射の振動数レも増加するが粒状になって小気孔を多数もち、熱伝導率の小 最近では、原子核スピンを用いて同様の方法を防ぐには壁体に熱容量の大きな材料を用い はこのゆっくりした変化に対して一定であるこ さい複合体の形態をとっているが、多層箔材料 により、一〇万分の二 ( 二〇 ) を実現しる。換気による熱損失を抑えるには換気量を少 とを古典論を用いて示すことができる。このと もある。基材が有機質のものにフォームプラス つつある。これを核断熱消磁といい、低温を得なくすればよいが、そうすれば室内空気を清浄 きいは断熱不変量であるという。断熱仮説によチック、コルク、木質繊維など、無機質のもの に保つことは困難になるし、水蒸気発生の多い れば、あるとンに対し量子論的なの値がわに石綿、岩綿、グラスウール、フォームグラるための歴史的かっきわめて巧妙な方法であ けいそう ^ 渡辺昻〉室では、壁表面および内部の結露のおそれも大 ス、セラミックファイバー、珪藻土、ケイ酸カる。 かれば古典論を用いて力学系をゆっくり変化さ / ーライト、ヾ ルシウム、炭酸マグネシウム、 せて得られるは量子論的に許される値とな 断熱図だんねつず adiabatic diagram 大きくなる。したがって、断熱設計にあたって る。 〈田中一〉 ーミキュライトなどがある。また、使用時に温気の熱力学的特性を示したり、熱力学的過程をは、空気衛生上の面から、室の用途に応じた最 小限必要換気量を算定し、その換気量において 断熱減率だんねっげんりつ断熱的に鉛直方度の影響で収縮、溶融して断熱性能を低下しな調べるために用いる図。熱力学的ダイアグラム ともいう。大気の熱力学的状態は気圧、気温、結露の危険があれば、それを防止するために必 向に運動する空気粒子の単位距離当りの温度の い安全使用温度域によって、次のように区分さ 変化率をいう。普通、上昇する場合の減少率をれる。①保冷材 ( 一〇〇度 0 以下 ) 、②保温材水蒸気量 ( 混合比 ) などの状態量によって表さ要な壁体各層の構成および構成材料を選択、吟 ( 一〇〇 ~ 五〇〇度 0 ) 、③断熱材 ( 狭義、五〇れ、その変化は断熱的に示される。したがって味し、壁体の防湿、保温が保証されるように十 さす。単位距離として一般に一〇〇を用い 〈水畑雅行〉 る。乾燥空気と湿潤空気とでは値が異なる。湿〇 ~ 一〇〇〇度 O ) 、④耐火断熱材 ( 一〇〇〇基本的には、断熱図は等圧線、等温線、等飽和分な検討がなされねばならない。 潤空気の場合でも、飽和に達しない段階では、度 0 以上 ) 。保冷材は液化天然ガス貯蔵のよう混合比線、乾燥断熱線、湿潤断熱線から構成さ断熱反応だんねつはんのう adiabatic reac- ) 一つの系で、それを取り巻く外部への 乾燥空気と同じである。乾燥空気の場合は、乾な超低温域用や食品などの冷凍庫から建築の省れている。熱力学的にいえば断熱図は圧力ー比 tion は 熱量の放出あるいは外部からの熱量の供給なし 燥断熱減率と称し、一〇〇につき約一度 O でエネルギー化を目的とした断熱工法、さらには容図の変形で、比容のかわりに温度を用いてい 一定である。飽和湿潤空気の場合は、飽和断熱交通機関、家庭用品に至るまで広く用いられてる。二組の等圧線と等温線によって囲まれる断に反応がおこる場合をいう。 素反応 ( 単位反応 ) がポテンシャルエネルギ 熱図上の面積は、圧力ー比容図上の対応する面 いる。有機質断熱材の使用はほばこの温度域に 減率または湿潤断熱減率という。この場合、潜 ーの曲面上に沿っておこると考えた場合、一つ 限られ、低温の場合は吸湿しにくいことも要求積、すなわち仕事量と同じ面積をもつので、エ 熱の放出のため、減率は一定値とはならない が、乾燥断熱減率より値は小さい。下層大気でされる。保温材、断熱材の例としては、建築物ネルギー・ダイアグラム energy diagram との電子状態に対応したポテンシャル曲面上での は乾燥断熱減率の約半分である。これらは運動の火災時に躯体の鉄骨を保護する耐火被覆や、もよばれる。また、一般に等温線と乾燥断熱線み反応が進行して、別の電子状態への移行、す する空気粒子の温度減率である。高さが増すと耐火断熱材と外皮との間に用いられる断熱れんの交角が大きいことが断熱図の望ましい基本条なわち他のポテンシャル曲面への移行がおこら がなどがある。耐火断熱材は各種工業炉の内張件となっている。断熱図には目的に応じて各種ないとき、この反応を断熱反応という。化学反 ともに気温が減少する率を ( 場の ) 温度減率と 応の大部分はこれに属する。これに対し、二つ のものが考案されているが、外見が異なってい いう。温度減率が乾燥断熱減率より大きい値のりに用いられ、耐火れんがおよびキャスタ。フル 場合、超断熱減率という。一般に温度減率は乾耐火物などがあり、膨張収縮性、化学的抵抗性るだけで、互換性がある。断熱図の代表的なもの電子状態が接近していて相互作用を及ばし合 える場合には、これらの状態間に遷移がおこり 〈坪内信朗〉のとして、エマグラム emagram 、テヒグラム 燥断熱減率と飽和断熱減率の間にあり、平均的なども要求される。 〈戸田源治郎〉 磁場中の常磁性 tephigram 、スキュー・ログダイアグラム非断熱反応となる。 には約〇・六五度 0 である。 〈股野宏志〉断熱消磁だんねっしようじ 体を、周囲との熱接触を断って磁場をゼロに skew T-log p diagram とよばれるものがあ断熱変化だんねっへんか外部との間の熱量 品どウっウ光板 る。エマグラムは横軸に気温、縦軸に気圧の対の出入りがないように保持された変化。断熱過 し、低温を得る方法。一 ( 絶対温度 ) よりも なリ入リ 8 にま のンへどへ素 < や低温で常磁性をもっ化合物 ( たとえば鉄ミョウ数を用いたもの、テヒグラムは横軸に気温、縦程ともいう。この変化を実現するのには、物体 ( 作業体 ) を完全な熱絶縁物 ( 無限大の熱抵抗 ハン、クロムミョウバンなど ) を用い、図のよ軸に温位の対数を用いたものである。エマグラ にレ ~ 攸太・ぐみ、 合ウ ィー = 防′舸 ′ 4 ーヨ日ー らを滋 ム上の閉曲線の面積はその曲線が示す断熱過程率をもつ物質 ) で囲めばよい。完全な熱絶縁物 うな装置でこれを一付近まで冷却する。そこ 性売亠 1 力と電 は実際には存在しないから、断熱変化という概 の仕事量を表している。スキュー・ログダ で常磁性化合物が一の液体へリウムと熱的に 方こ 磁ムるカ つながった状態で、五〇〇〇 ~ 一万五〇〇〇ガイアグラムは縦軸に気圧の対数を用い、等温線念は、厳密には、理想気体という概念などと同 常ロあ似。上る ( ムてムの Z ウスの磁場を外から加える。この磁場のエネルを等圧線に約四五度の角度で斜交させたもので様に、熱力学で考える理想的なものである。一 〈股野宏志〉方、熱の移動速度は遅いので、周波数が一ヘル ギーによって、たとえば C 气、イオンのもっ電ある。 ッ程度以上の交流的変化では、内部・外部間の 子スピンは磁カ線の方向に整列する。これを等断熱設計だんねっせ 0 けい heat insulating 温磁化過程という。このときの磁化のエネルギ design 建物の壁、天井、床などを貫流する熱の移動は無視することができて、この変化は 熱、およびすきまの換気による熱を遮断し、室断熱変化と考えることができる。これが断熱変 ーは磁化熱となるので、これを外側の液体へリ 化を近似的に実現する一つの方法である。 ウムに吸収させて化合物を一付近に保たせからの損失熱量ができるだけ少なくなるととも 断熱変化には断熱可逆変化と断熱不可逆変化 る。ついで高真空排気ポン。フで化合物のある空に、室温の変動が小さくなるように、建物内境 間のヘリウムガスをトル ( トルは圧力の単界面の構成およびその材料について計画し、設とがある。熱力学によると、考える体系が外部 位 ) まで排気し、これによって化合物と液体へ計すること。保温設計ともいう。壁体などの断から微少な熱量 d 、 Q を吸収して、この系のエ 8 咼真空排気系へ 真空ポンプへ くたい

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をもち、隔壁中央を貫いて連室細管が軟部の入し、把握する点にあるとしたのはベスタロッチ在しないのか、あるいは、存在するのにまだみ観像には残像に近い性質をもっ型直観像と、 った最後の部屋 ( 住房 ) まで延びる。現生種とである。彼は、直観をすべての認識の絶対の基つけていないのかを知ることはできない。プラ表象に近い性質の型直観像の二つのタイプが の比較から、中空の部屋の中のガスにより浮カ礎と認めることによって、教授のもっとも高い ウアーは、排中律「スかスの否定」は、スかス存在することをみいだし、前者は内向型 ( 分裂 よ を得て遊泳生活をしていたと考えられる。古生もっとも優れた原理を確立しようとした。そしの否定のうちのどちらか一方が正しいことがわ性気質 ) 、後者は外向型 ( そううつ気質 ) の性 ち 代前半の重要な標準化石の一つである。↓アンて、彼は「数・形・語」という認識発展の基礎かったときにのみ正しいのであって、前出の無格類型に対応するものであるとした。視覚的な モナイト ^ 棚部一成〉的原理を発見したことによって、感覚的直観か 限集合の場合には、排中律を、論理の普遍的ものばかりでなく、聴覚的、触覚的な直観像も めいりよう intui- ら明瞭な概念へ至る直観の術 Kunst 響を確に正しい法則としては認めない。同様に、「与報告されている。↓残像 〈西本武彦〉 直観 ちょっかん Anschauung イ み tion いかなる媒介もなしに直接に観る働立した。↓開発教授↓コメニウス↓ベスタロ えられた性質をもっ対象が存在する」というこチョッキ jack 中世に歩兵が防護用に用 そで ッチ き、あるいは直接に観られた内容をいう。直観 〈林忠幸〉とは、そのような対象をみつけるか、あるいは いた、キルティングや詰め物をした革製の袖な はそれがどうとらえられるかによってさまざま回石井正司著『直観教授の理論と展開』 ( 一九そのような対象を構成する方法が与えられたと し胴着、あるいはそれに似た形をした服のこ な意味をもつ。①認識の素材を与える感性的直 全・明治図書出版 ) ▽コメニウス著、鈴木きにだけ証明されたものと認める。したがっ と。ヨーロッパ中世の王侯貴族が小作人階級を 観。感性的直観が個別的なものに直接にかかわ 秀勇訳『大教授学』 ( 一九六一一・明治図書出版 ) て、「存在しない」という仮定から矛盾を導い 軽蔑してジャクリー 」 acquerie ( 小作人とい , っ し り、思考がそれを思惟し、普遍的なものの認識 ▽ベスタロッチ著、長田新訳『ゲルトルートて「存在する」ことを間接的に導くような証明意味の」 acques bonhomme にちなむことば ) が生じる。カントにおいて対象の認識の条件と はいかにしてその子を教うるか』 ( 一九六 0 ・平を認めない。これは、命題の否定の否定 ( 二とよんだことから、しだいにジャク Jaques, して直観と概念が語られるのはこの意味であ 凡社 ) 重否定 ) からスを導くことを拒否することにつ Jacques が小作人のことを、き、らにはジャック ちょっかんしゅぎ数学の基礎に関ながる。こうした考え方は、その後多くの数学 」 acque が小作人の短い上着をさすようになっ る。認識の最高段階としての直観。プラトン直観主義 におけるイデアの直観、スピノザにおける直観する一つの立場である。数学を単に形式的な論者たちからも受け入れられた。 て、冒頭の意味に転じたものと思われる。 えんえき 知は、すべての感性的経験、悟性的思考を超え理的演繹体系とみなす形式主義に対し、直観主 ・フラウアーは、直観主義の立場から、解析学 日本では一八六四年 ( 元治一 ) に長州征伐の た、真実在をとらえる直観である。③認識の基義では、数学的真理や対象が、数学を考えてい や集合論を展開したが、従来の数学とは非常に ために編成された幕府軍の軍服に、小胴衣、舶 礎にかかわる直観。いかなる推論にも媒介され く意味や内容によって直接にとらえられるもの違い、また実際の数学の理論に適用するにはあ来胴衣、唐人胴衣などの名称で用いられ始めた ず、推論の基礎をなす原理をとらえる直観であであるという考えにたつ。直観主義の先駆者と まりにも複雑なものとなった。しかし、彼の考といわれる。チョッキという俗称は、一 り、たとえばデカルトにおける明証知はこの意 しては、古くは・クロネッカーと・ボアン え方は、数学の基礎の研究には重要な役割を演年 ( 明治一 ) ごろには定着したものと思われる 味での直観である。またシェラーの実質的価値カレをあげることができる。数学を根本から直じた。また、彼の用いた論理は、その後、直観が、英語のジャケット jacket からの派生語だ 倫理学は、感情によってア・プリオリ ( 先天観主義的に再構成しようと最初に試みたのは。フ主義論理として整理され、現在も重要な研究対とする説 ( 和英語林集成 ) 、あるいはオランダ なま 的 ) な実質的価値を直観する感情的直観主義でラウアー Luitzen Egbertus Jan Brouwer 象である。フランスのポレルやルべーグらも、語の」 ak の訛った語とする説などがある。現 ある。④対象との合一としての直観。いかなる ( 天ノ ー一九六六 ) である。彼は形式主義を掲げる直観主義的立場からの数学批判をする学者であ在では、英語のウエストコート、ベスト、とき 媒介もなしに、という直観の性格は、観るものヒルベルトと激しく論争を続けた。現在、直観るが、その議論の基礎にある諸概念の分析に にはフランス語のジレとはとんど同義に用いら と観られるものとの対立を止揚し、両者の合一主義という語は、この。フラウアーの伝統を引く れている。 経験主義的な考え方をも取り入れているので、 えんび へと達する。ベルクソンにおいて、対象と合一数学の一分野をさすことが多い 半直観主義とかフランス経験主義とかよばれて 正式の男物のスーツ、タキシード、燕尾服に する直観によってのみ、世界の内的本質である プラウアーは一九〇八年に、アリストテレス いる。↓形式主義↓数学基礎論〈西村敏男〉 はチョッキが用いられることが多く、平常着に 生命の躍動がとらえられるとされる。神秘主義以来の古典論理の法則に批判を投げかけた。 , ちょっかんそう eidetic image 以 は共布で、礼装用には別布でつくられる。第二 彼直観像 めいりよう における神秘的直観は絶対者との合一を可能に 「スかの否定が成り立つ」ことをすべて前に一度見たことのある事物が明瞭に再現さ次世界大戦後、礼装以外のチョッキ着用は省略 するといわれる。 〈細川亮一〉の命題について正しいとする排中律を認めなれ、あたかも実際の事物が存在するかのように されるようになったが、着用の有無は流行によ 直観教授ちょ 0 かんきようじゅ Anschau- い。たとえば、排中律「集合には、性質を眼前に見えるとき、これを直観像という。直観って決まる。また、上着とは異なった色柄のも ッ ungsunterricht 一 = ロ語や文字や概念によるもっ元が存在するか存在しないかいずれかであ像は、幻覚のように外界に実在すると信じられのをアクセントとする目的で着用することもあ みごろ 教授に対して、教材としての事物や事象を直接る」という命題を考える。いま、集合のおることはなく、また、記憶表象よりもはるかに る。概してチョッキの後ろ身頃には滑りのよい 観察させたり、あるいはその感覚的代理物であのおのの元について、それが性質をもっか否鮮明で、細部まで等しく現れ、空間的にも局在拝絹地などが用いられ、襟はあったりなかった る絵とか標本とか模型などを提一小したりするこ かを決定できるものと仮定しよう。が有限集化される。残像 after image と比べると、残りで、打合せはシングルかダブル、。、 ホケットは とによって、児童・生徒に具体的に学習させる合ならば、の各元について性質をもっかど 像が、刺激を除去した直後にのみ見られるのに 二 ~ 四つなど、その上に着用する上着の種類に 教育をいう。 うかを調べ尽くすことができ、が成り立っこ 対して、直観像は数時間、数日、あるいは数年よってデザインが異なる。スーツ用以外のもの 近代教授理論史における直観教授の最初の提とがわかる。しかし、このようなについて後にすら見られる。また残像の色は、一般に原には、ある目的をもつもの ( 乗馬用のライディ 唱者はコメニウスである。彼は、「事物こそ認 も、が無限集合のときには事情が違う。すな 刺激に対して補色であるのに対して、直観像は ング・ベスト、聖職者のためのクレリカル・べ 識の対象である」という立場から、教授は事物わち、の無限個の各元が性質をもっか否か原刺激と同色である。残像はだれにでも知覚さ スト、防弾チョッキ、スポーツ・ベストなど ) からの感覚内容を学習者に与えることから始めを調べ尽くすことはできない。確かめていつれるが、直観像は成人ではまれであり、児童・ や、素材からみて、毛糸で編んだニッテイド・ なければならない、という感覚論的直観教授論て、性質をもっ元をみつければ、命題は実少年少女期に多くみられるという ( 六 ~ 一八歳ベストや毛皮のファー ・ベスト、ホワイトグー を展開した。それをさらに発展させて、直観を証される。しかし、そのような元をまだみつけで四〇 % ないし九〇 % ) 。ドイツの心理学者の スのダウンの入ったダウン・ベストなどがあ 単なる感覚的受容ではなく、事物の本質を直観ていないときには、には性質をもっ元が存イエンシュ E. R. Jaensch ( 天 ー一九四 0 ) は、直る。↓ベスト 〈田村芳子〉 730

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ちゅうこ 中国料理 / 献立 宴席の献立は , ①乾果 または糖果 , ②前菜 , ③本菜 , ④点心に大別 / され , この順に客に勧 . める。写真は , それぞ れの一例を示す ① ② ①糖果「ま汁紅酉」サツマイモをそろば ん玉の形 ( 3 cm 大 ) に切りそろえ , ラード で揚げ氷砂糖や生鶏油などをかけてつく る。食卓に着く前に控え室などでつまむ 1 当ンン・ヤンシー ②前菜「鳳凰展翅」鳳凰をかたどった大 皿の盛り合せ。ニンジン , キュウリ , 八角 , ウイキョウ , 焼鴨 ( アヒル ) の肉片 , 卵黄や 豆沙 ( あ 卵白を材料としたかまほ、こ すき羊かん ) などを美しく盛り付ける。ア ヒルの肉 ( 鳳凰の胴の部分 ) 以外は飾りの ; を要素が強く , 箸をつけないことが多い。 客はもつばら別の小皿に盛った冷菜をとる チャイホ卩チー ③本菜「叫化難」富貝鶏 , 乞食鶏ともい う。広東料理の名物。味つけした若鶏の 腹に , ネギ , ショウガ , サンショウ , ウ イキョウなどを詰め , ハスの葉で包み , ・、、小麦粉 ( 本来は特殊な泥 ) で練り固めて オープンで焼く。焼き上げたものをハン マーでたたき割る。乞食が , 盗んだ鶏を 泥で固めて焼いたのに始まるという ④点心「八宝蓮子飯」米を果物や木の 実とともに型蒸ししたデザートが八宝飯 ③ 0 0 いることはあるが、一般料理には特殊なもの以 まずくなるので、短時間で仕上げる。 カンペイ ⑨干貝ホタテガイ、タイラガイの貝柱を干し外はほとんど用いない。北京料理はとくに使わ ない。砂糖は甘い味だけでなく、材料の組織を たもので、あまり形の大きくない、形の整った あめ 飴色のものが良品である。中国人はこれを非常引き締める性質があるので、用い方に注意を要 に愛好し、スープその他広く料理に使用する。する。 3 醤 ( みそ ) 醤の種類は二〇種ほどあるとい 鍋に干 もどし方は、蓋のきっちりできる深い小 トウチャン 貝を入れ、酒を水で三倍に薄めてひたひたに入う。豆醤は原料がダイズで、水分の多いものを ホワンチャン ミエンチャン 、大こかけると、面醤、水分の少ないものを黄醤という。中 れ、きっちり蓋をしてごくし . 。 三〇 ~ 四〇分でばろばろと指先ではぐれるよう国のみそは日本のもろみのようなもので、おも に肉類、魚類、貝類、内臟などの臭み消しに用 になる。これを細く裂いて、煮汁とともにいろ しることが多い いろな料理に用いる。 ティエンミエンチャンティエンチャン フェンティヤオ は甜麺醤 ( 甜醤 ) 小麦粉に麹を加えてつ ⑩粉条 ( はるさめ ) ジャガイモ、コウリヤ ン、トウモロコシなどのデンプンを糸状にしてくった甘いみそで、豚みそうどんなどに用い 乾燥させたもので、豆そうめんともいう。安価る。醤に砂糖と酒を加えてまにあわせることも で栄養に富み、保存しやすい。細くてつやのあある。 ハイシェンチャン もどすとき るものが最上等品で、味もよい 5 海鮮醤ダイズでつくった醤に、トウガラ は、一〇分ぐらい湯につける。湯菜、炒菜、シ、ニンニク、香辛料を入れた甘みそで、広東 ロンツアイ 料理に多く使用される。 冷菜、溜菜、炸菜などに向く。 トウフ ⑥醤油醤を絞ってとった汁で、日本のしよう 豆腐種類によって固さが異なるので、用途 によって選択するとよい。次のような種類があゆとよく似ているが、味がすこし異なる。調理 ンユイトウフ の際は最後に加えると香味を失わず、また炒菜 る。①水豆腐日本の豆腐よりすこし固い カントウフ ②乾豆腐日本の焼き豆腐より固く、加工豆腐には鍋肌から入れると醤油の香味を増しておい の原料にしたり、切って油で炒めたりする。 ・ハンツアイリウッアイ ュートウフ ⑦醋 ( 酢 ) 拌菜、溜菜などによく用いられる。 ③油豆腐皮の薄い生揚げ豆腐、すなわち揚げ きめ トウフナオフーナオ 出し豆腐である。④豆腐脳腐脳ともいう。絹調理の仕上げぎわに入れたほうがよい ほうじゅん 酒酒の芳醇な香りを料理に生かし、味を 漉し豆腐よりも柔らかで、ひとかたまりとなって⑧ 複雑にするので、中国では酒は料理にたいせつ いるので、杓子ですくいとって用いる。 しよう オウフェンれんこん 囮藕枌 ( 蓮根からとったデンプン ) 中国では料な役割をもって多く使用される。日本酒、焼 ちゅう 理に濃度をつけるのに藕粉を用いる。かたくり酎を用いてもよい ・ 1 エン . / ・ー 〔献立のたて方〕酒席、宴会を莚席といし 粉のように粉末状でなく、水分を含んで湿った チャチャンツアイ ビエンファン 固形物である。乾燥させてほぐすと、かたくり軽な食事を便飯、日常総菜を家常菜という が、いずれの場合も一そろいの料理をつくるの 枌と同様に粉状になるが、固形のままのはうが 水に溶かす必要もなく、そのまま使えるので便に、個々の料理の特質、材料、彩り、味つけな ど調和のとれるように組み合わせて献立をつく 利である。しかし酸敗しやすいので、現今はか ツアイタン ることがたいせつである。献立表を菜単、また たくり枌を多く用いている。 ツアイタンツツアイプー 、昔はやかましい規則の 〔基本調味料と扱い方〕①塩中国では料理人は菜単子、菜譜と、 もとにたてたといわれるが、国民の生活が変わ へのだいじな教訓として、「料理は塩に始まっ て塩に終わる」ということばがある。すなわってきた現在、あまりむすかしいことはいわ ち、控え目に調味し、最後の仕上げの味つけをず、また料理の品数も昔よりは少なくなってい するとよい。たとえば、ハクサイを煮て白く仕る。中国は中華人民共和国となって、国民はみ な勤労に従事するようになった。以前はとくに 上げる場合に、塩を入れてから長時間煮ると、 ハクサイの白い部分が黄色を帯び、そのうえ渋朝飯の献立はなく、宴席か家常菜かによって献 みが出てくるので、仕上げのときに塩を用いる立のたて方に大差があったが、近年は各家庭か など、塩は単に味だけでなく料理の仕上がりをら朝の勤労者が出勤するので、地方によっても マントウチョク 左右するので、使い方にはとくに注意しなけれ多少異なるが、朝食は饅頭や粥とはかに二、 ばならない 品の菜が普通である。昼や夜は、特別の宴席で 糖 ( 砂糖 ) 中国では砂糖は点心類に多く用ないときは、家常菜として四 ~ 六品くらいと ふた イエン チャンユー はだ 511

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ルー、女児は淡いピンクなどを用いる。女児用 し類などを用い、獣肉は「四つ足」とよばれるこ に衿を被布衿にして、これにレースまたは細か とから古くは土俵での縁起を担いで用いられな ひだ ん く折り畳んだ襞を挟み込んだものなどを用いる カったカ、いまでは自由に取り入れ、ハム、ソ や こともある。なお、還暦の祝いに赤い袖なし羽 ーセージの類まで加えたものもある。いずれも ち 織を着る風習があり、これも「ちゃんちゃん 材料は大切りにし、野菜によっては手でねじ切 はんてん こ」という。これは襠の幅が広く、衿は半纒風 って用いる。野菜は、白菜、ダイコン、ニンジ の立ち衿である。近年、この風習は敬遠されて ン、キャ・ヘッ、ジャガイモなど幅広く、魚肉は いる。また農村では、袖がなく労働動作の面で 切り身あるいはつみ入れにしても用いる。大鍋 機能的であり、着脱が容易で重ね着がしやすい で水煮してポンスしようゆで食べるもの、鳥鍋 ことなどから、今日なお大人にも用いられてい 風、寄せ鍋風、ゴボウ・油揚げなどを加えたも る。 〈藤本やす〉 のなど、とくに決まった料理法はないが、全体 チャンチャンホォズキ 0 コロモガイ に大まかな作り方で多量に調理でき、用いる器 ちょうしゅん チャンチュン 0 長春 物も大ぶりで、ことさらな技巧も用いないだけ チャンチン C & ぶミ旁 Juss. セ に材料の持ち味が生かされ、栄養豊富でカロリ ンダン科の落葉高木。ライデンボクともいう。 ーも高い点が特徴といえよう。ちゃんこ当番は 高さ二〇 ~ 三〇。樹皮は灰褐色で縦に裂け、 下位力士や新弟子が交代で担当する。本来、カ 薄くはげる。葉は互生し、偶数または奇数の羽 士や弟子たちの日常食であったが、最近では、 状複葉で長さ二五 ~ 五〇。小葉は五 ~ 一一対 元力士の経営する、ちゃんこ料理専門店も多 だえん あり、卵状長楕円形で長さ約一〇垰一。七月こ 〈多田鉄之助〉 えんすい ・一うせい ん ろ、枝先に大きな円錐花序を頂生し、小さな白 チャンシー ( 省 ) 0 江西 ( 省 ) がくへん や ′ト ` う一 色花を多数開く。花弁、萼片はともに五枚、雄 0 長沙 チャンシャー ち ん しべと退化した雄しべが各五本ある。蒴果は長 チャンスー ( 省 ) 0 導既 ( 省 ) 裏返 一回 や 明 楕円形で長さ約一一・五、秋に褐色に熟し、毛一ノ チャンタ。フリー Chantaburi 中部タイ ち 折脇 はなく、五中裂して多数の種子を出す。種子は の南東端、カンポジアとの国境近くにある都 市。チャンタブリー県の県都。シャム湾北部、国の首都であったといわれる。その面積は一五上部にある翼とともに長さ一・五 ~ 一・七。 ラムシン湾沿岸近くのチャンタ。フリー川右岸に平方キ。前後と考えられてきたが、一九七〇年代中国原産で室町時代には日本に渡来していたよ いちじようかねら せきそおうらい D の『尺素往来』 うで、一条兼良 ( 一四 0 一一ー〈 ト大学の調査では、二 位置する。人口三万〇二四二 ( 一九ハ 0 ) 。付近の初めに行われたハーバー・ に記されている。和名のチャンチンは、本種の 低地では水田耕作が行われ、台地ではゴムノキ四・五平方キ。という数値が出ている。その中心 シャンチュンてんか が栽培される。コショウ、コーヒーも産する。部は、型入れアドベ ( 日干し ) れんがを材料と中国名である香椿が転訛したもの。街路樹、 首都バンコクからシャム湾沿いに幹線国道が通する高い壁を巡らした一〇個の長方形大区画よ庭木として植えられ、新芽は赤くて美しく、特 ^ 友杉孝〉りなり、その内部には、大小の部屋、広場、基有のにおいがあり、普茶料理に用いられる。材 じている。 は心材が紅褐色で美しく、家具、楽器、建築材 こうげん〔羌塘高原〕壇、墓などがある。壁面には、様式化された チャンタン高原 ^ 小林義雄〉 などにする。 中国、チベット自治区北部に広がる高原。平均魚、鳥の模様や幾何学文が浮彫りにされてい 挈ごっほ′、 若芽にはガーリックに似た強い香りがあり、 標高四五〇〇で蔵北高原ともよび、チベットる。大区画の西には住居地区が無秩序に広がっ こんろん 高原の大部分をしめる。崑崙、カラコルム、ガており、その中間に区画、基壇、通路などが散香辛料として用いられる。油で炒めたり、汁の 〈斎藤浩〉 ンデイセ、ニエンチンタンクーラ、タングラ山在する。中心部を除いて、保存状態はよくな具として使われることが多い インドシナ、インドに分布。センダン科のチャン ^ 増田義郎〉 ↓チムー文化 チャンチンモドキ 0 ミき s をミき s 脈などに囲まれ、高原上には多数の盆地や湖沼 そで チンに似ているのでこの名がある。〈小林義雄〉 ミこ s (Roxb. ) B. L. Burtt et A. W. が発達、ナム湖はそのなかで最大の湖である。ちゃんちゃんこ子供の袖なし綿入れ羽 えり わきまち 気候は寒冷で乾燥し、「白漠」とよばれる植生織。形態は後身頃並幅一幅で脇に襠を入れ、衿 Hill ウルシ科の落葉高木。葉は互生し、奇数チャンディガル Chandiga 「 h インド北 しん 西部にある中央政府直轄地区。パンジャー。フ州 セン、ト葉は対生し、 羽状複葉で長さ一五 ~ 二五チ は羽織衿と同様の折り衿、紐は表と共布で芯に のない不毛の高冷地砂漠や凍土地帯が広がる。 だえん アムド、ゲルズエなどの集落が点在し、牧畜業真綿を入れ、紐先に飾り糸をつける。丈は標準七 ~ 一三枚で毛がなく、卵状長楕円形、長さ四およびハリアナ州の州都。デリーの北約二五〇 へりきよし もめんわたおうめ ~ 、セン、先は長くとがり、縁に鋸歯がない。初 キ。に位置する。人口四五万〇〇六一 ( 一九八一 ) 。 〈駒井正一〉寸法で五〇。身頃に木綿綿 ( 青梅綿 ) を入 がみられる。 えんすい りん ちょうかこう れ、防寒用として幅広く着用できる。表布は綸夏に集散状の円錐花序を出し、株により雌花、元来パンジャー。フ地方の中心地はラホールであ チャンチャコウ 0 張家ロ たんこう 子、富士絹、モスリン、綿織物、化繊織物な雄花、または両性の小さい五弁花をつける。雄ったが、一九四七年のインド・パキスタン分離 チャンチャン 0 湛江 がら チャンチャン Chan Chan ベルー北海ど。男女児それそれに向くかわいらしい柄、色しべは一〇本、柱頭は五裂する。核果は楕円独立の際、ラホールはパキスタン領となった。 はぶたえ 岸モチェ川流域、現トルヒーヨ市西郊にある大を選ぶ。裏布は薄手羽二重、シンモスなどが使形、長さ約二で黄色に熟し、酸味がある。九このためインド側のパンジャー・フ州に新しい州 州 ( 熊本、鹿児島県 ) にまれに自生し、中国、都としてつくられた計画都市がチャンディガル 都市の遺跡。一二 ~ 一五世紀に栄えたチムー王われる。色は男女児とも白、また男児は淡いプ 被布衿 ( 女児用 ) 羽織衿 ムフ 紐下り 後身頃 ひも 前身頃 386

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ちょうお 歪振動子などが用いられる。超 ドップラー法超音波が運動する反射体でドる。反射型は、音響レンズの上面に賺り付けた 0 でんば 音波が水中を伝播する場合、静 ップラー効果を受け、反射波の周波数が変化す圧電素子で超音波パルスの送受を行う。送信時 水圧が一気圧の水中では音の強 る現象を利用して反射体の運動速度を計測すると受信時のパルスを分離する必要があるが、試 さがある程度以上になると音圧方法で、現在は超音波血流計として実用化され料に対する制限が少なく、物質の弾性的な差を の波高値は一気圧を突破して負ており、血流方向指示や血流量の定量的測定も表現しやすい利点がある。透過型は、二個の対 の圧力を生じ、水中に空洞や気行われている。また、パルス・ドップラー方式向した音響レンズ間に試料を入れ、超音波の送 泡を生ずる。圧力が負から正に の開発によって人体深部の血管の測定も可能と受を各音響レンズに貼り付けた圧電素子で行う 変わる瞬間に、空洞は消滅し、 なり、非観血的血流計測法として各科領域でも ものである。製品化されているものは前者が多 そのとき強烈な破壊作用があ広く用いられつつあり、将来は超音波検査の主 いが、いずれも超音波の試料への照射を容易に る。この現象を利用して水晶、 流となることが予想されている。 するために、試料と音響レンズ間を液体で満た 理 原 ゲルマニウム、宝石、陶磁器、 ③透過法 X 線検査のように超音波を人体を透している。音響レンズにはサファイアの結晶な へいたん 器線 超硬質合金など、もろくて硬い 過させて反対側で受信し、超音波の透過部位に どが使われる。形は上面を平坦に研磨したじよ 工 材料に穴あけ、切断、研摩など よる減衰の状況を診断に利用するもので、透過うご形で、下部に五〇 ~ 一〇〇メートルの タ工 波 を行う。たとえば穴あけは、振映像法が用いられ、超音波ホログラフィーや超みがつくられており、大きさは直径・高さとも 器の ホ とりゆ、つ 音 動を与え、その間に砥粒を水に 音波カメラなどが実用化されている。この方法一メートルに満たない。超音波はこの凹みを 発か 工 混ぜて供給してやると、押し付は X 線検査に比べ、軟部組織や軟骨などの映像通って試料と超音波パルスを送受する。一ギガへ けたりするのにも使われている。イルカの用い 〈志村宗昭〉 けた工具の形どおりの穴があく。 化能力が優れている。また、超音波の透過波をルツの超音波を送受する圧電素子の厚さは一 ちょうおんばけんさはう超音利用した ( 超音波 ) も断層像描写法と メートル程度ときわめて薄い る音の周波数は一七万ヘルツに及ぶという。周超音波検査法 波数のより高い音は、より小さい物体からの反波を利用して生体内の情報を検出する診断法をして実用化が図られている。なお、超音波顕微 走査型の超音波顕微鏡で超音波バルスを照射 いう。これにはパルス反射法 ( エコー法 ) 、ド 響が得られるので、反響定位には超音波を用い 鏡も生体組織の音響透過像を得るものである。 してそのエコーまたは透過した信号を取り込み るのが有利である。ネコなど多くの動物が、ヒ ップラー法、透過法などがあり、それぞれの原〔超音波断層法〕前述のように、パルス反射法ながら試料台をすこしずつ水平に動かし、信号 トよりも高い周波数の音を聞くことができる。 理や技術による超音波診断装置が利用され、多モード方式を用いて人体の任意の部位での任の強弱を各位置に応じた箇所に描画する。この しかしネズミは、ネコに聞こえる音よりも、さ くの機種が単独あるいは併用して臨床応用目的意の方向や角度でスライス状の断面像をプラウ方式により水平方向の分解能は一メートル、 らに高い周波数の叫び声で、仲間に危険を知ら 別に使われている。利用する超音波の強さは人ン管に表示する方法である。その走査法には、 深さ方向の分解能が一一メートル程度のものが せるといわれている。ャガ科のガの後胸部にあ体に無害であり、検査そのものは非侵襲的であ手動接触走査方式、機械自動走査方式、全自動得られている。深さ方向の分解能が〇・三メ る鼓膜器官には閾値の異なる一一個の神経細胞がることが特徴で、人体の超音波情報を映像とし 水浸式複合走査方式、リアルタイム断層法など ートルの超音波顕微鏡も干渉顕微鏡法を用いて ある。この細胞は、コウモリの叫び声に対応すて表示する超音波映像法の急速な進歩と実用化 がある。とくにリアルタイム断層法は、一秒間 実現されている。 〈岩田倫典〉 ちょうおんばせんじよう ultra- るほば二万ヘルツの音にとくに鋭敏に反応し、 が、この検査法の普及に大きく貢献した。 に約三〇枚描写が可能であり、心臓のように運超音波先争 コウモリが三〇ほど近づくとガは進路を変 ①バルス反射法超音波パルス波を用いて人体動する臓器の動きがそのまま断面像のなかで直 sonic cleaning 超音波を用いて洗浄液中で機 ん ~ ′、は・ん え、コウモリが標的の位置を知覚できる七以内部における反射を利用する方法で、超音波検接観察できるものである。 〈大友邦〉械的な攪拌現象をおこし、被洗浄物の汚れを除 ちょうおんばけんびきよう ul- 去 ( 脱脂 ) する表面洗浄方法。一六キ。ヘルツ以 内に入れば、ガは左右のはねを閉じて地上に落査法の主流となっている。この技術は魚群探知超音波顕微鏡 でんば ちる逃避反応をおこす。またヒトリガの仲間に 機や超音波探傷器などと同様のものである。 trasonic microscope 超音波を試料に当て、 上の高周波 ( 超音波という ) が液体中を伝播す は、後肢の付け根付近にある特別の器官 ( ティ プラウン管に表示する方式に < モード、モその反射を利用して像を見る顕微鏡。超音波もる際に疎密波として伝わり、このため液体が膨 ード、モードなどがある。このうち、 22 モー ンバル・オルガン ) から超音波を発生させるも ギガヘルツ級になると水中の波長が一メート 張と圧縮運動とを繰り返し受けるが、その結果 のがある。この音を聞かせると、コウモリは餌 ド brightness mode は、エコーを。フラウン管 ル程度となり、光学顕微鏡と同程度の分解能がおこるキャビテーション cavitation 現象と界 を追跡する行動を中断して逃げるので、このガ上にエコーの振幅に応じた輝点として表一小 ( 輝得られる。また、音波であることから試料の光面攪乱現象を利用している。超音波洗浄は、。フ の発生する音は一種の警戒音として働いている度変調 ) する方法で、実際には超音波ビームで学的な性質に左右されず、試料の表面像のほか ラシやジェット噴流による洗浄が困難な複雑形 ものと考えられている。↓聴覚〈村上彰〉人体を走査することによって人体の薄いスライ内部の構造も見ることができ、無染色で生体組状部品、部品の内部、極小部品 ( 時計、軸受部 回五十嵐寿一編『実験物理学講座 9 音響と振ス状の断面映像を描写することに用いられる。織も観察できる。 品など ) 、電子機器部品、および内燃機関用部 動』 ( 一九天・共立出版 ) この方法は超音波断層法とよばれ、現在、超音 超音波を顕微鏡に利用する考えは、一九三〇品などの洗浄に用いられている。〈清水伸二〉 ち一よ , つおん。はり - よ , つほ , っ 超音波 超音波加工 ちょうおんばかこう supersonic 波映像法および超音波診断法の中心技術となっ年にソ連のソコロフにより提唱された。しか超音皮療去 working 可聴音よりも高い音、すなわち周ている。なお、 < モード amplitude mode は し、本格的な開発が始められたのは一九七〇年を利用した物理療法の一つ。一般に人の可聴周 波数が一六キ。ヘルツ以上の、可聴範囲を超えた反射法の基本技術で、体内組織の距離計測など代になってからである。とくに、アメリカ、ス波数は二〇ヘルツから二〇キ。ヘルッといわれ、 音波を超音波というが、これを利用した金属加 に利用され、モード motion mode は心臓タンフォード大学のクエートらが、集束した超これらの周波数より低い、あるいは高い周波数 工法。この場合、普通は超音波の発生源としの壁や弁膜などの運動の分析に心エコー図とし音波ビームを用いた走査型の顕微鏡を考案しての音波を超音波というが一般には高いほうをさ て、ニッケル < 合金 ( アルミニウム一三 % 、 て心臓超音波断層装置とも併用され、心疾患のから研究が盛んとなった。 して使われる。診断用の超音波は五メガヘルツあ 鉄八七 % ) などの磁気ひずみ現象を利用する磁診断に広く利用されている。 超音波顕微鏡には反射型と透過型のものがあるいは一〇メガヘルツが用いられるのに対して、 磁歪振動子 連結部 / 令却系 砥粒スラリー スラリー用 被加工物 被加工物ホルダー ポンプ

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たんそこ 搬送波を一つの信号波で振幅変調 したときのスペクトラム は、生物自体の呼吸に用いられ、その結果生じ 、丿 11 -0- 11 -0 ) ワ 3 た二酸化炭素はふたたび大気中に戻っていく。 ム 申 % ラ また、植物体は動物の食物として利用され、動 る 物の構成成分となるが、動物の排出物や動植物 ク の遺体の有機物は、微生物によって分解されて ス の 二酸化炭素となり、大気中に戻される。さら さ 質 泰田 に、生物によって分解されにくい有機物や石 電数 性 炭・石油のような炭化した炭素化合物は、燃料の張 波周 コ 1 ( 、 ワ 3 っ 0 ワ 3 として用いられ、大気中に二酸化炭素となって 側有 単占 放出される。このように炭素は、大気中から生素 系系 炭 系系 物体に取り込まれ、さらに生物間を食物連鎖を 率率判 性性も率率 単側波帯の通じて循環し、最後には大気中に還元される過市 弾弾 性性 度性 電波 低高弾リリ 程を繰り返しているため、大気中の二酸化炭素 維 ンン高高觝高 濃度はほば一定していることとなる。この現象繊 ョョ チチ 云 Z Z を炭素平衡というが、最近、石油などの消費が 帯 炭原レレピピ 波 増えるのに伴って、大気中の二酸化炭素濃度の 下側波帯 下側波帯 増大が認められ、その平衡は崩れかけてきてい 酸化処理であり、酸化によって分子間架橋がお 単 る。 〈吉田精一〉 こり耐熱性が向上し、次の焼成工程の際の溶融 防止などの役割を果たす。焼成処理で炭化に続 広く普及しているほか、一九七二年ごろから商中炭素鋼、硬鋼と最硬鋼とを高炭素鋼とよぶこ炭素繊維たんそせんい carbon fiber 炭化 船関係の遠洋船舶電話として登場し、船舶の乗とが多い。炭素含有量が高いほど鋼は硬くなる繊維 carbonized fiber の一種。有機系の繊維 いて黒鉛化がおこる。図 < がその系統図であ 組員と家庭とを結ぶ通信設備として喜ばれてい がもろくなる。極軟鋼はプレス成形用薄板に、 を不活性ガス中で炭化した繊維状物質の総称がる。図は系とピッチ系繊維の炭化と黒 る。単側波帯通信の効果をさらに向上させる技軟鋼は溶接用に、半軟鋼と半硬鋼とは車軸など炭化繊維であり、そのうちで炭化度が九〇 ~ 九鉛化の化学構造の変化の模式図である。 術として、リンコン。ヘックスシステムが利用さ の機械構造部材に、硬鋼と最硬鋼とは各種工具 八 % 以上という高いものを一般に炭素繊維とよ 黒鉛化が十分に進んだ高性能炭素繊維は比重 〈須藤一〉んでいる。 れているが、最近では、新たに登場した海事衛や刃物などに用いられる。 が小さく ( < Z 系で一・七六 ~ 一・九一、ビ 炭素繊維の歴史は、一八七九年にアメリカの ッチ系では二・〇 ~ 二 ・一 l) 、引張り強さや弾 星通信 ( インマルサット ) システムにその地位炭素一四法たんそじゅうよんほう年代測定 を譲りつつあるのが現状である。↓側波帯 法の一つ。炭素の放射性同位体が、半減エジソンによって、彼の発明した白熱電球用の性率が大きい。 これらの値を表に示す。これら 両側波帯伝送↓搬送波 〈石島巖〉期 5730 + 40 年で窒素一四 (14N) に壊変するフィラメントに用いられたのが最初であるが、 の値をその比重で割り算した比強度や比弾性率 炭素鋼たんそこう carbon steel 鉄と炭素性質を用いて、生物遺体の生成年代を測定するその後発明されたタングステン線に追われて姿の金属に比べて著しく高いことが炭素繊維の特 の合金で、炭素含有量が二 % 以下のものをい 方法である。木片、木炭、腐植、泥炭、骨、貝を消した。新しい材料としての炭素繊維は一九徴である。 う。鉄鉱石は溶鉱炉 ( 高炉 ) でコークスによっ殻などの年代を知ることができるので、地質六〇年にアメリカのユニオン・カーバイド社が 系は炭素化の収率が四〇 ~ 五〇 % と低 て鉄に還元されるが、これは約四・三 % の炭素学、地理学、人類学、考古学などの分野で広く ビスコースレーヨンからの製造方法を開発し いのに対し、ピッチ系は八五 ~ 九〇 % と高いの せんてつ を含み、銑鉄とよばれる。これを転炉に入れて用いられている。現在のところ測定可能な範囲た。しかし、これは構造材料としてではなく、 が特徴である。また繊維自体についてはピッチ 酸素を吹き込み、鉄中の炭素を一酸化炭素とし は、遺体の生成時期が数百年前から三万 ~ 四万耐熱材料として用いられた。その後、宇宙開発系が 2«<Z 系に比べて圧縮強度がすこし低いと 〈伊藤谷生〉 て酸化除去して鋼とし、余分に入った酸素を除年前の場合である。 などのために軽量、超剛性の材質が要求される いわれている。価格は収率の相違などからピッ くためにマンガンやケイ素の合金 ( 脱酸剤 ) を炭素循環たんそじゅんかん自然界におけるようになり、最近はポリアクリロニトリルチ系のほうがすこし安価である。 少量添加したのちに固める。このようにして得炭素化合物の循環をいう。炭素は生体を構成す (Z) 繊維を原料とする方法が主流となってい 〔用途〕構造材料用の複合材料の強化材とし られる炭素鋼はその炭素含有量によって次のよる中心的元素であり、有機化合物の中核をなする。この系炭素繊維を発明したのは、通て、その比強度と比弾性率の大きなことが利用 しんどうあきお うに分類される。純鉄 ( 〇・〇三 % 以下 ) 、極物質といえる。大気中の二酸化炭素濃度がほば商産業省大阪工業技術試験所の進藤昭男 ( 一九一一六 されている。おもにプラスチックとしてエボキ 軟鋼 ( 〇・〇三 ~ 〇・一二 % ) 、軟鋼 ( 〇・一〇・〇三 % と一定の値を保っているのは、次に ) で、一九五九年 ( 昭和三四 ) であった シ樹脂との複合化が行われ、図 0 に一小されるよ 三 ~ 〇・二〇 % ) 、半軟鋼 ( 〇・一一一 ~ 〇・三述べるように、自然界で絶えず炭素化合物が形 が、日本でよりもむしろ海外で高く評価されうな各種用途に用いられ、また将来の需要が期 五 % ) 、半硬鋼 ( 〇・三六 ~ 〇・五〇 % ) 、硬鋼を変えながら循環しているためである。 た。さらに、石油またはコールタールピッチを待されている。外国では軍用器材として航空機 ( 〇・五一 ~ 〇・八〇 % ) 、最硬鋼 ( 〇・八一 ~ 大気中の二酸化炭素は、光合成あるいは化学原料とするピッチ系の炭素繊維の研究も進んでなどに用いられており、日本ではゴルフクラブ 二・〇 % ) 。近年はこのように細分割してよぶ合成によって独立栄養生物の体内に同化され、 のカーポンシャフト、テニスラケット、釣り竿 ことはまれであり、半硬鋼までを機械構造用炭糖類・タンパク質・脂肪などの有機化合物に変〔製造〕まず原料繊維を製造し、これを二〇〇などに用いられているが、日本の炭素繊維は世 素鋼、硬鋼と最硬鋼とをあわせて炭素工具鋼にわるが、独立栄養生物が一年間に生産する有機ないし三〇〇度 0 の空気中でゆっくり加熱す界一の品質と生産量を誇り、高品質のものを各 ごくてい 分類したり、あるいは純鉄および極軟鋼を極低物は、炭素に換算して約八〇〇億トンと見積もらる。æ<tZ 系繊維ではこれを前処理、ピッチ系国に提供している。いまのところ価格がやや高 炭素鋼、軟鋼を低炭素鋼、半軟鋼と半硬鋼とをれている。こうしてつくられた有機物の一部では不融化処理とよぶ。ともに空気による軽い いこと、また電気を通じるという特徴が欠点と 上・一ド側波帯は信号波の角周波数 ( 叫 ) だけ , 上と下にある 上搬送波をの c とすれは l•. 側波帯叫 + の、 下側波帯叫ーの 川は変調度 / は搬送波の振幅 搬送波 側 —lc 搬送波を変調する信号波が音声や 音楽のように広い可聴周波帯の幅 を有するラジオ放送のような場合 の振幅変調のスペクトラム 変調信号に含まれる最高角周波数 上をのとすれは 占有周波数帯幅 E 。 , d は 波 帯 となる smax の十の S X 【」搬送波 占有 周波数帯幅 . 川 lll 肌 35 ~ 50 0.5 ~ 0.7 ざお