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検索対象: 日本大百科全書 15
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1. 日本大百科全書 15

ちきゅう 〔図 G 〕地球の歴史におけるさまざまな事象の変遷 時代始生代 原生代 目 要素 ・古生代以前のロロロ 山造山連動 動・古生代以後の 周造山運動 期 性・海洋底の拡大 率 (cm/ 年 ) 中生代新生代 古生代 20 解説 1 ( 億年前 ) 2 3 4 5 30 46 40 長周期の変動 ( 上段 ) では約 37 ~ 34 億年前および 27 ~ 24 億年前のグリ ーンストーン帯の生成 , 約 18 億年前のハドソニアン造山運動 , 約 10 億年前のグレンピル造山運動 , および約 5 億年前のバリスカン・ 一目目ロロ目日カレド = ア造山運動がある。古生代以後 ( 中段 ) を細かくみると , アルプス さらに短周期の造山運動のサイクルがみられる。海洋底の拡大率 ( 下段 ) は , 地磁気の縞模様をもとに推定したもので , 中生代以後 のプレート運動は数 cm / 年である。中生代には急激にプレート運 動が活発化した時期があった 0 地磁気の極性の変化 ( 上段 ) は , 各時代における正の期間の割合を 表す。見かけの極移動の速さ ( 下段 ) と海洋底の拡大率との相関は 0 明瞭でない 前スペリオルスペリオルチャーチルグレンビル バリスカン・カレドニア 太平洋一 大西洋一 5 古・地磁気の極性 地の変化 ( % ) の・見かけの極移 変動の速さ (cm/ 年 ) 気いは水河期 候を表す ) 変 海 ( 相対的変動 水値を表す ) 準 変 動 地・海水のスト 球ロンチウム 化同位体組成 (87Sr/86Sr) サ イ ・海水の硫黄 ル同位体組成 い 34S % 0 ) 物 種 の 絶 率 地・地軸の傾き ( 度 ) の 転・ 1 年の日数 運・ひと月の日数 動 0 温水河堆積物や蒸発岩のように , 堆積岩のなかには , 地層の堆積した 暖環境や気候を反映したものがある。これらを用いると , 各時代の 寒堆積岩の種類や岩相から , 過去の気候変動がどのようであったかを 知ることができる 1.0 水河期には , 極地域や高山地域に水河や水床が成長するため , 海 退がおこるが , 気候が温暖になると水床が溶けて海進がおこる。 5 海水準変動は気候変動の結果引き起こされるが , 地表が雪や水で 覆われると太陽光の吸収率が小さくなり , さらに地球の寒冷化を 引き起こす ・ 710 上段 : 海水のストロンチウム同位体組成の変遷。下段 : 海水の硫 黄同位体組成の変遷。海水の組成の変動は , 海水の蒸発量と降雨 量 , 地球表面における陸の割合 , 露出している岩石の種類 , 海底 火山の活動度などの影響で変動する。ストロンチウムの同位体比 の低下は海洋底の拡大率の増加によって引き起こされたとする説 が提案されている 0 地質時代区分の変わり目は生物種の全滅頻度が高くなっている。 40 中生代と新生代の境界には , 直径 10km 程度の巨大隕石が地球に 衝突し , それによって恐竜の絶滅をはしめ , 地表環境の激変があ 0 った。これ以外にも生物種の絶滅率の急激な増加や地表環境の急 変した時期がいくつもあり , これらの原因を解明しようという研 究が活発に行われている 54 上段 : 地軸の傾き。中段 : 1 年の日数。下段 : ひと月の日数。 23.5 れらは , 貝類やサンゴの成長のリズム曲線に基づいて推定されて 0 いる。地球の自転・公転運動の時間変動は気候変動をもたらす一 420 因と考えられており , 過去における両者の関係を解明することに は意義がある 32 2 上昇下降 0 30 候変動だけでなく、地質学的、古生物学的記 録にもみいだされる。またプレート・テクト ニクスによるプレートの生成・消滅によって 地球の内部の密度変化がおこり、地質学的時 間スケールの間にかなり大きな極移動があっ たことも知られている。 地球の未来 われわれの住んでいる地球が今後どのよう になるかを推定するもっとも信頼できる方法 は、地球が誕生してから現在に至る経緯を、 さまざまなデータをもとに調べ、過去の地球 の進化から未来の地球について予測すること であろう。図は、造山運動およびプレート 生成率、地磁気の変動、気候変動、海水準変 動、地球化学サイクル、生物の絶滅頻度、地 球の自転・公転運動について、過去の地球の たどった道筋を示したものである。これらの データから、振幅や周期の異なるさまざまな 事象が重なり合って地球の歴史を構成してき たことがわかる。しかし、長い時間尺度でみ れば定常的であるとみなすこともできよう。 図に一小したさまざまな変動のなかで固体地 球が関与する造山運動やプレート運動など は、地球内部の熱エネルギーによって生じて おり、変動の周期は比較的長い。一方、地球 の外や表層が関与する地磁気の変動、気候変 動などは、短い周期から長い周期までいろい ろな変動がみられる。これらのなかで人類の 活動に深くかかわっているものに気候変動が ある。古気候の研究によると、先カン。フリア 時代末から現在までに何回か氷河期が訪れた ことが知られている。地球の表面温度は、白 亜紀には現在よりも高く、温暖な気候のもと はちゅう で陸上植物が繁栄し、大型爬虫類の恐竜が地 上を支配していた。その後、大気中の二酸化 炭素の減少が地表の寒冷化をもたらし、第四 紀に入って氷河期を迎えるに至り、現在は間 氷期にあたっている。一〇〇万年の時間尺度 でみると、二酸化炭素の減少で地表の温度は 低下の傾向がみられた。このまま二酸化炭素

2. 日本大百科全書 15

↓ダイナモ季が生じている。地球の自転周期は二三時間五六分である 実を定量的に説明できるまでには至っていない。 こ二〇〇〇万年の間に約二〇万年に一回の割合でおこってい が、太陽の公転運動のため、太陽がある地点で南中してから る。しかし中生代や古生代には一〇〇〇万年もの期間にわた理論↓磁気圏↓地磁気 〔地球の形〕地球の形や大きさを測る試みは、紀元前三世紀次に南中するまでには約二四時間要する。この太陽の運動に って地磁気の逆転のない静穏期があったことも知られてい 一年間の平均の太陽日 ごろアレクサンドリアのエラトステネスが見積もって以来、基づいて決めたものを太陽日といし る。このように地磁気の逆転のおこる頻度は地質時代によっ ていろいろであるが、逆転そのものは地球磁場の基本的性質さまざまな方法が提案されている。地球の大きさを見積もるを平均太陽日とよび二四時間と定めている。 現在、天球における自転軸の方向は北極星の方向を向いて であると考えられる。しかし、逆転をおこすメカニズムにつ試みは、古くは古典的な測地学や天文学の発達とともに開発 いる。しかし地球が完全に球対称でなく、赤道方向に膨らん されたものであった。近年、科学技術の進歩と相まって人工 いてはよくわかっていない でいるために、月や太陽から偶力を受け、地球の自転軸の方 地磁気の逆転は全世界で同時におこるので、各地の地層の衛星を用いた測地技術や、超長基線干渉法 very long base- 対比や年代決定に重要な役割を果たしている。また地磁気の line interferometry (>*-2 —) などの新技術の導入がな向は、約二万六〇〇〇年の周期で、公転軸の周りを公転と同 じ向きに回転運動をしている。これを歳差連動またはみそす 逆転の発見はプレート・テクトニクスの確立にも重要な貢献され、測定精度は急速に向上している。地球の形は第一近似 かいれし を果たした。プレート・テクトニクスによると、中央海嶺ででは半径六三七〇キ。メートルの球で近似される。しかし、自り運動とよんでいる。この歳差連動にのって一六年周期など 生成した海洋地殻はしだいに海嶺から遠ざかっていく。海洋転の影響で赤道方向にわずかに膨れており、回転楕円体で近の、周期が短く、振幅の小さい運動があり、これを章動とよ 似されることが普通である。地球のジオイドをもっともよくんでいる。歳差運動や章動はこまの回転運動でも観察するこ 底の拡大で新しくできる海洋地殻はそのときの磁場の方向に 磁化される。地磁気の方向が正、逆、正、逆というように繰表すことができる回転楕円体を地球楕円体とよび、赤道半径とができる。このような運動は天球上の星の位置を基準にし り返して変化すると、海洋上で地磁気を観測すれば、海洋底六三七〇キ。メートル、偏平率二九八・二五分の一の楕円体がて観察した地球の回転運動である。一方、地球の回転連動を 地殻を基準にして測定すると、地面に対して北極・南極の位 に刻まれた磁化の影響が現れて、海嶺軸に平行な磁気異常の用いられている。実際のジオイドと地球楕円体のずれはたか 縞模様が観測される。この仕組みはテープレコーダーによるだか数十であり、地球の半径の数十万分の一であるので、置が変化し極移動が観測される。これは地球上の各点での緯 磁気記録のやり方とそっくりである。さらに、地球磁場の磁地球楕円体を決定することによって地球の形を決定したこと度変化として観測される。これは、歳差運動のように他の天 にされている。地球楕円体の形を決定する方法は大きく二つ体の及ばす外力によって生じるのではない。外力の働いてい 極の位置と地球の回転軸の位置は地質時代を通してほとんど に分けることができる。一つは、地球重力論に基づいて地表ない剛体が回転しているとき、回転軸とその剛体の慣性主軸 一致していることから、それそれの地域でいろいろな年代の 岩石の岩石磁気の測定から、過去の大陸の置かれていた緯度で重力を測定し、それからポテンシャル論を用いて地球のポが一致していれば、等速回転運動を続けるが、両者がずれて いる場合には、回転軸が慣性主軸の周りを回転運動する。こ を知ることができる。これは、大陸が不動であったと仮定すテンシャル面を決定する方法である。この方法は近年の人工 ると、地磁気の極が移動しているようにみえる。磁極の位置衛星測地学の確立によって、精度のよい決定が可能になっての運動は、発見者アメリカの天文学者 TJ ・・チャンドラー いる。他の一つは、古典的測地測量や天文学的な経度・緯度の名前にちなんでチャンドラー運動とよばれており、周期は を時代をさかのばって追跡していくと、各大陸ごとに違った 道筋が描かれる。このことは、大陸間で相対運動があったこ観測による方法である。これは、天文学的な方法で二地点の四四〇日で振幅は数である。チャンドラー運動は巨大地震 による内部の質量分布の急激な変化などによって励起される とを意味し、大陸漂移の証拠となっている。しかし各大陸の緯度・経度を決めておき、測地測量によって実際にその二点 間の距離を測り、あらかじめ地球を回転楕円体であると仮定と考えられているが、チャンドラー運動自体の理論的解明は 経度方向の位置関係については岩石磁気のデータからは得る したうえで、赤道半径と偏平率を求めるというもので、原理あまり進んでいない。 ことができないので、ホットスポットの軌跡や大陸の形状か このような地球の自転連動は長期間にわたってみると定常 的にはエラトステネスの方法を精密化したにすぎない。前者 ら過去の大陸の復原が試みられている。 地球内部磁場がどのようにして生じているかは、これまでの方法では地球楕円体の形を有効数字七桁まで決定できる的現象ではない。地球の自転の角運動量は、月によって生じ ちょうせき いろいろな考えが提案されてきた。そのなかでもっとも有力が、この方法では、地球の形が完全な回転楕円体でないことる潮汐によって月の公転の角運動量にわずかすっ変換され、 月は地球から遠ざかりつつあると同時に、地球の自転速度が 視されているものに、一九四〇年代から発展してきたダイナや、内部が均質でないことから誤差が大きく、信頼できる値 モ説である。これは、地球の外核は液体の鉄ーニッケル合金は有効数字五桁までである。人工衛星測地学は測地学の近代小さくなり、一日の長さが長くなりつつある。さらに長周期 の変動では、周期約二万年、四万年、一〇万年のものがあ 化に多大な貢献をしたといえる。 でできており、その中で発電作用があって地球の双極子磁場 だえん 〔地球の自転・公転〕地球は太陽を一つの焦点とする楕円上る。これはユーゴスラビアの地球物理学者ミランコビッチ が保たれているというものである。外核に対流運動があっ て、磁場の中を導体が運動すると電位差が生じ、電流が流れを一年 ( Ⅱ三六五・二四日 ) で一周している。この楕円の離 M. Milancovitch が指摘したもので、地球の自転や公転軌 道の周期的変動に伴う太陽放射量の変化に起因していると考 心率は〇・〇一六七五であり、おおよそ半径 1.5 x 108 km る。この電流によって別の磁場が発生し、また別の電流が流 えられている。このような変動は、地球の受け取る太陽の放 , フれる。このような一連の電磁誘導のすえに、めぐりめぐっての円運動をしていると考えてよい。詳しくみると地球の公転 せつどう ゅ - 双極子磁場をつくるようなフィードバックが存在すると考え連動には月や他の惑星からの影響 ( 摂動 ) を受けて複雑な運射エネルギーの変化や季節変化の度合いの変化を引き起こ し、気候変動や氷河の消長を引き起こしていると考えられて キ、られている。このような系は非線型系であって、ときどき地動をしている。地球の公転軌道面は地球の自転軸と約六六 いる。このように地球の自転・公転運動の変動の証拠は、気 ち磁気の反転もおこることも知られているが、地磁気の観測事五度の傾きをなしている。このため一年の間に春夏秋冬の四 179

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議会への報告が必要とされている。治安出動時関する法益を保護するため、体制変革運動だけ している。このため、現行憲法下では、正面か川 し改正を経て本法に至った。その内容は以下のよ らの直接的な強権による反体制運動の抑圧は、 うなものである。①政治集会の開催、政治結社の自衛隊には、警察官職務執行法が準用されるでなく、思想やその表現をも権力的に取り締ま ん ほかに、警護または鎮圧のために特別の武器使ることを目的とした法体系の総体をさす。 少なくとも表面的には回避される傾向がみら の結成の場合には届出が義務づけられ、当局は ため あ 明治憲法の下では、治安警察法、治安維持法れ、法文上は一般犯罪の取締りを目的としなが 「安寧秩序ヲ保持スル為必要ナル」場合は、自用が認められている ( 自衛隊法八九条・九〇 ち 由にこれら集会や結社を禁止・解散させること条 ) 。国民に銃口を向けるものと批判されるゆなどの法律があり、国体 ( 「万世一系の天皇君ら、実際の運用では治安目的のために利用され そうらんたま ができた ( 一 ~ 四条・八条 ) 。このため社会主えんであるが、六〇年安保闘争の際も、治安出臨し統治権を総攬し給ふこと」 ) と私有財産制る法律群 ( 機能的治安立法 ) が増大している。 ひょうまう 義を標する結社などは事実上合法的活動を動の直前までいって見送られたという経緯があ度を守るために、反体制運動ないしそれを目的通常、機能的治安立法の例としてあげられるの 〈山内敏弘〉とする団体、その思想に対して猛威を振るつ は、道路交通法、軽犯罪法、暴力行為等処罰一一 禁止された。社会民主党 ( 一九 0 一 ) 、日本社会主る。↓自衛隊 た。第二次世界大戦後、天皇制絶対主義の政治関スル法律、屋外広告物条例などである。これ 義同盟 ( 一九一一一 ) に対する結社禁止処分、またチアントール thianthol 皮膚寄生虫な おう 三・一五事件を契機とした一九二八年 ( 昭和 どの除去に用いられる薬剤で、硫黄の化合物。秩序を維持してきた治安立法の体系は廃絶されらが機能的治安立法とよばれるのは、市民的生 三 ) の労働農民党、日本労働組合評議会などの 一九一九年にドイツのバイエル社で創製されたが、占領体制の治安維持を目的としていわゆ活秩序の維持ないし一般行政目的の達成を立法 かいせん 結社禁止がその代表的例である。また秘密結社 た。古くから疥癬の治療に外用で用いられてい る「公安条例」が制定され、講和後は、公安条趣旨としながらも、国の政治的秩序そのものヘ も禁止された ( 一四条 ) 。②軍人、警察官、宗る。帯黄色の粘性の液で、不快でない弱いにお例が多数維持されるとともに、治安立法の中核の反対ないし抵抗を志向する大衆運動や労働運 教者、教師、学生などは政治結社に入ることを いを有する。疥癬虫、ケジラミなどの皮膚寄生として構想された破壊活動防止法が、国民の各動の取締りに政治的に利用される危険があり、 禁ぜられ、また末成年者と並んで女子は結社ば虫のはかに、白癬菌など皮膚糸状菌に対しても界各層の激しい反対のなかで成立している。 また現にそのようなものとして運用されている ちんよう これらの固有の治安立法は、戦前のものを典からである。 かりか、集会に参加することも禁ぜられた ( 五強力な発育阻止作用を有する。また、鎮痒・消 なんこう たとえば、大衆運動・労働運動の政治的意見 炎作用もあり、軟膏、外用液剤として塗布して型として、以下のような基本的特色をもっと指 条 ) 。この差別に対しては反対運動が繰り返さ 摘されている。第一に、その立法企図は、政府を伝達する手段としての「ビラくばり」は道路 れ、一三年 ( 大正一一 ) ようやく女子の政治集用いる。日本薬局方にはイオウ・サリチル酸・ 会参加禁止だけは削除された。③ほかにも集会チアントール軟膏、複方チアントール・サリチの政策実現のため、国民の反抗を権力的に抑圧交通法によって、「ビラはり」は軽犯罪法、屋 ル酸液が収載されている。 〈幸保文治〉し、支配体制を維持し強化することを目的とし外広告物条例によって取り締まられている。こ での発言に対する制限や、警察官の監視などが 規定されている。 ている。治安立法は、体制の社会的・政治的危れらの機能的治安立法にあっては、その立法趣 ちあんはんじ justices of the 治安判事 本法の第二の部分は、労働・農民連動規制で peace イギリスの裁判所の一つである治安判機ないし不安定を反映する特定の事件または事旨にも文言にも、政治的行為の政治的取締りを 態の発生を契機とし、これに対処するためのも予測させるものはまったく存在せす、一般的な ある ( 一七条 ) 。この部分はとりわけ、制定当事裁判所 magistrates' courts の裁判官 (mag- しろうと 一はっ ~ 時ようやく台頭し始めた労働者の運動を萌芽の istrate とよばれることもある ) 。素人 ( 非法律のであるゆえに、体制維持の政治的性格をあら市民的法益や秩序を守るという体裁を保持する うちに抑圧しようと、本法で初めて登場した。家 ) の治安判事が圧倒的に多く ( 約二万人 ) 、わにするのである。第二に、このような政治的ため、かえって、大衆運動や労働運動が市民的 つでも立ち 第一七条は労働者などの団結や争議行為そのも法律的問題については五年以上の経験を有する意図に照応して、治安立法は政治的予防主義を法益や秩序と接触するところに、い のを禁止してはいないが、そのために「他人ニ ハリスターまたはソリシターから選ばれる書記原則とする。すなわち、「国家の敵」がその行現れ、市民生活のすみすみまで国家の治安政策 が行き渡ることになるといわれている。加うる 対シテ暴行、脅迫」などをすること、とりわけ官の助言を受けている。素人治安判事は元来、為により国家の安全になんらかの侵害をもたら もしくせんどう ほそく ストライキのために「他人ヲ誘惑若ハ煽動スル無給・非常勤の名誉職であったが、現在は滞在す前に、これを捕捉するのである。末遂から予 に、安保体制を維持するための特殊な治安立法 コト」を処罰することにより事実上それらを禁費や手当が支給される。また、ロンドンや比較備・陰謀・結社・宣伝・表現へとさかのばるな としての刑事特別法、協定等に伴う秘密 かで、行為の危険ではなく、意思の主観的危険保護法などの存在が、戦後の治安立法を特徴づ 止するものであった。そのため、労働者から的大きな都市には、七年以上の経験を有するバ けているといえよう。 リスターまたはソリシターから任命される有に、つまり思想の危険にまで至る。したがっ は、この第一七条廃止の要求が強く、とりわけ もともと市民国家における「治安」とは、市 第一次世界大戦以降の強い運動により適用の制給・常勤の治安判事がいる。治安判事の主要なて、治安立法は予防範囲を絶えず拡大し、強化 し、肥大化していかねばならない必然性があ民の自由や権利が平穏に保障されることを意味 限がなされるようになり、一九二六年ついに同活動領域は刑事事件で、その約九五 % を扱う。 〈渡辺治〉刑事事件のうち略式起訴犯罪 ( 比較的軽微な犯る。第三に、思想へと傾斜した早期の処罰が志していた。市民的利益の総和として「公共の安 条は削除された。 冶安出動ちあんしゆっどう治安維持を目的罪 ) については、第一審として審理を行う。民向されるため、行為の構成要件の記述が不可避全と秩序」が把握されるならば、「治安」は人 として自衛隊が出動すること。「命令による治事事件では、家事事件がおもなものである。ま的に不明確となる。その内容は、政治的価値基権相互の調整概念として理解される。治安が人 た、行政的権限として、酒類販売や娯楽施設の準によって決定されることになる。↓治安維持法権の犠牲のうえに築かれようとするのは、市民 安出動」と「要請による治安出動」とがある。 明治憲法にあっては、個人は天皇に対する絶 相互間の利害関係が複雑になっているなかで、 前者は、間接侵略その他の緊急事態に際して一免許の付与や更新を行っている。アメリカで 一部市民の個人的ないし集団的利益を公共の利 般の警察力をもっては治安を維持することがでも、州の最下位の裁判所として、治安判事で構対の服従を要求される「臣民」で、その言論・ きない場合に、内閣総理大臣の命令によって自成される治安判事裁判所が置かれている場合が集会・結社の自由は「法律の範囲内」で認めら益として示そうとするからである。治安が、国 〈堀部政男〉れるにすぎなかった。したがって既存の政治・ 民の人権が平穏に維持されている状態であると 衛隊が出動することをいい ( 自衛隊法七八条 ) 、ある。 後者は、都道府県知事が治安維持上重大な事態治安立法ちあんり「ばう広義には、刑法を経済・社会秩序の変革を企図して活動する者するならば、特定の社会集団の利益を公的利益 でやむをえない必要があると認める場合に、都はじめ社会の秩序と治安を維持するために制定は、それ相応の危険を覚悟しなければならなか と称して、それを維持するために人権の制限を されたものをいうが、普通用いられる狭義の概った。現行憲法は、国民主権の原理と、国民が 強いる治安立法は、市民的治安に敵対し、現行 道府県知事の要請に基づいて内閣総理大臣が自 念では、個人の自由・財産のような私的法益に個人として尊重されるとする基本的人権を核と憲法上、その存立は許されるべきではないとい 衛隊の出動を命ずることをいう ( 同法八一条 ) 。 えるであろう。↓公安条例 〈竹内康江〉 し、さらに勤労者の団結権、団体行動権を保障 前者では国会の事後承認が、後者では都道府県還元されえない、国家的秩序や社会そのものに

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、フ超新星の爆発か何かによって、著しく広い範囲に広がった かく時代区分されている。古生代以降は、先カン。フリア時代回もこのような地殻変動が同一場所で重ね合っておこったこ とが明らかになった。古い説の再考が必要となった。 ゅ , 高温ガス体星雲ができた。その凝集によって太陽の生成が始に比べて格段に数多くの化石がみいだされており、ヨーロッ ハの地層の中での示準化石の現れ方をもとにして国際的な標 原生代と古生代との境の時期には世界的に大変動がおこっ キ、まり、それを中心に自転することにより太陽星雲は円盤状と ちな 0 た。その後、円盤状ガス体内のそこかしこに、まだ高温準時代区分がなされている。一方、火成岩や変成岩、堆積層たと考えられた。しかし、世界の各地で二つの時代の地層は のとき、あるいはかなり冷却してから、ガス体の凝集によっ中の火山灰層ができた年代は、それらをつくっている鉱物の整合である。古生代の大部分の時期における世界の海陸の分 しかし、ヨーロッパのカレドニア て、あるいはガス体が凝集してできた物質が集合することに中の放射性元素の崩壊の仕方から求められている。そして、布はよくわかっていない。 よって、ほばその位置に現在の惑星が誕生した。地球型惑星示準化石をもっ堆積層の年代もわかってきている。これらの造山帯と北アメリカのアパラチア造山帯とは一続きの海であ は太陽に近く位置していたために、彗星が太陽から遠ざかる結果によると、先カンプリア時代は約四六億年から約六億年ったらしい。その両側の大陸縁で造山運動がおこり、また両 とき太陽とは反対の方向にその「尾」ができるのと同様にし前に至るきわめて長い期間である。古生代以降はこれに比べ側の大陸が移動して衝突し、古生代シルル紀には合体してよ り大きな大陸をつくった。この一連の変動は先カンブリア時 て、それら惑星の外側にあった、まだかなりの温度であったて年数こそずっと短いが化石が多く発見されることもあっ ガス体中のイオン化した軽い粒子が、太陽から吹き出す粒子て、その歴史は比較的よくわかっている。岩石に残された古代後期に始まりシルル紀末まで続いたが、総称してカレドニ 放射、すなわち太陽風によって吹き飛ばされてしまった、と い時代の記録は、後の時代の事件によってしばしばかき消さア造山運動とよばれる。西シベリア大陸の西縁のウラル地 いうのである。地球がこのようにしてできたときはすでに高れてしまう。したがって、新しい時代ほど事件の記録が岩石区、南縁の中央アジア地区、中国などにもこの時代の大きい 地殻変動があった。古生代デポン紀から石炭紀中ごろにかけ によく残され、その歴史もよりよくわかっている。 温ではなかった。しかしやがて、始源地球の大きな凝集体が 先カン。フリア時代の地層は、カナダ、バルト海周辺地区、ては南部アパラチア造山帯、フランス、ドイツを含む中ヨー 重力で自らつぶれることによって生じた熱や、放射性物質の たてじようち ロッパにかけて、またそれからウラル、中央アジアに及ぶ大 崩壊に伴って生じた熱のために、地球全体が高温の溶融体にアフリカ、オーストラリアなど楯状地とよばれているとこ なったとみられる。そして、内部には鉄 ( ) やニッケルろにきわめて広く分布する。このほかに小区域での分布が世きい海があり、そこにバリスカン ( ヘルシニアン ) 造山運動 がおこった。中国にも変動があった。これらの地殻変動はカ を主体とする重い物質が集まって核を、その外側に鉄界各地にみられる。これらは現在ある位置に昔からそのまま レドニア造山運動と同じく、この時代のプレートの動きに応 位置していたわけではない。移動がおこっている。しかし、 やマグネシウム ( ) などのケイ酸塩鉱物が集まってマント じておこったとみられるが、これらを通じてパンゲア pan- ルをつくった。さらに遅れて、地球の表面に近い薄層部が冷先カンプリア時代の大陸や海の配置は明らかになっていな カ - : っ 先カン。フリア時代層は普通二五億年前ころよりも古い始 gaea とよばれる超大陸と、バンタラッサ panthalassa とよ 却して、玄武岩や花崗岩に相当する化学組成をもっ地殻がで きた。その年代が約四〇億年前とみられる。それで、それよ生代層と、それより新しい原生代層とに分けられる。始生代ばれる超大洋とができたとされる。パンゲアはヨーロッパ、 層のはうがより強く変成作用や変形を受けている。しかし世 北アメリカ、アフリカ、南アメリカなどが一体となった超大 りも古い年代の岩石は地表に残されていないのである。 めいりよ・つ 海洋の水は、初期の地球を覆っていた水蒸気が冷却してで界中どこででも二五億年前をもって二つの時代に明瞭に区陸で、南極大陸、オーストラリア、インドもそれに付属して いたらし、。ヒ きたと、以前は考えられていた。しかし、水分子と同じ原子分できるわけではない。そして、大気中の遊離酸素の含有量 」アメリカ西部区域とともに、日本、中国など などからみて、二〇億年前ころまでの原生代の地質環境は、 の東アジア、東南アジアはずっと南に位置していたらしい 量をもっネオン ( ) が地球に極端に少ないことから、水も ヨーロッ ネオンと同じく初期の地球から外へ逃げてしまったとみられ始生代と大きく変わらない。反対に、最初期を除く原生代のこれらとパンゲアとの関係はまだ明らかでない。 る。しかし地殻ができるほどに表面が冷却した地球では、水地質環境は古生代以降に似ている。地層の性質も大きくは変 、中央アジアの南にはテチス海がつくられたらしい。テチ はもはや逃げ出すことはなくなった。地球内部の溶融体に取わらない。原生代末期には世界的に氷河時代があったことがス海の南側のアフリカ、南アメリカ、オーストラリアなどか り込まれていた水分がマグマからのガス放出によってもたら知られている。先カン。フリア時代の世界各地では、ほば同時らなる大陸区がゴンドワナ大陸である。そこにはベルム紀 しゅうきよく され、一度にどっと、あるいはしだいに、地殻上に蓄積してに、または別々に、花崗岩の貫入活動、変成作用、褶曲運 ( 二畳紀 ) に氷河が発達した。しかし東アジアがその当時位 海洋ができた。約三八億年前の岩石には、現在では変成岩と動を含む何回かの地殻変動があった。古生代以降の造山運動置した所は熱帯気候であった。古生代と中生代との境の時期 なっているものの、生成当初には堆積岩であったものがあに似た性格の地殻変動であったとされている。カナダやバルの地層は世界の多くの場所で欠如している。しかし、世界的 ト海周辺区域では、それによってできた岩石のうちもっとも な大地殻変動があったわけではなく、日本をはじめとして、 る。水底という堆積の場がすでに存在していた。また、風化 作用を引き起こす大気も存在していた。初期の地球大気には古いものが核をなして分布し、より新しいものが順次その側二つの時代の地層が整合ないしほば整合である所も多い 方に核を取り巻いて分布する傾向がある。現在と同じように 中生代三畳紀後期ごろから世界的に大陸、大洋プレートの 遊離した酸素はほとんど含まれなかったらしい。それが多く なったのはずっと遅れて、約二〇億年前ころ以後に藻類の発大陸、大洋プレートの境界に位置していた造山帯が、新しい 再編成が始まった。超大陸であったパンゲアは分裂を始め、 展をみてから後のことである。 ものほど位置を側方に移したために、このような配置ができゴンドワナ大陸が北側の大陸と遊離し始めた。そして北アメ たと考えられている。しかし、最近ソ連のコラ半島で行われ 〔地球の歴史〕地球の歴史は先カンプリア時代と、それより リカとアフリカとが離れて、北大西洋が形成され始めた。ま も後の時代とに大きく分けられる。後の時代はさらに古生た深さ一二キ。メートルの世界最深のポーリングによると、約た南大西洋の形成が始まったのは、それよりも遅れて中生代 ジュラ紀の後期である。大西洋の拡大はその後現在まで引き 代、中生代、新生代に分けられ、それらはまたさらにより細二七億年前に大きな変動があり、その後にも一四億年間に六 すいせい

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してつくられた石炭・石油は、エネルギー資源として人類に いておこっている。アフリカと初めは互いにほば接続しあどさまざまな環境の違いがあり、長い地球の歴史の間にはま 計り知れない便益を与えた。 っていたインド、オーストラリア、南極大陸とが分離し始めたさまざまな環境変化があった。生物は異なる環境に適応し 生物の歴史についていうと、西オーストラリアにある三五 たのも三畳紀後期といわれる。インドがオーストラリアや南つつ異なる系統に分化し、多様に進化し、かっ種や系統の消 極大陸から離脱したのは、それよりも後のことである。東南滅があった。そして、二〇〇万種以上の数に及ぶ現存生物が億年前のワラウーナ層から発見された化石が、いままで知ら アジア、日本、中国主部ー朝鮮半島、北アメリカ西部がほか知られている。生物は地球を生存の場としているだけではなれている最古の化石である。ストロマトライトとよばれる化 く、その環境を変化させ、また調整している。また生物岩と石で、それ以後の先カン。フリア時代層にしばしばみられる。 の大陸とどのような位置関係にあったかは明らかではない。 糸かい層状構造をもち、藻類によってつくられたと考えられ しかし、赤道近くにあったらしい 。これらは分裂して、それして大量の堆積岩を生んでいる。生物が呼吸や同化作用など それが発散するように移動して、ジュラ紀後期にはほば現位の生命活動のうえで、水圏や気圏を構成する物質と密接な関ている。南アフリカの約三一一億年前のフィッグ・ツリー層か 置を占めるに至っている。そして、太平洋には現在とほば同係をもっことはいうまでもないが、 リソスフェアも生物に場らは細胞状の微小構造がみいだされている。カナダのオンタ リオ州のガンフリント層は二〇億年前の縞状鉄鉱層である 所を貸し与える以外の重要な関係をもつ。そのうちもっとも 様の大洋プレートの配置が生まれた。中生代はヨーロツ。ハ、 北アメリカ主部は比較的静穏な時期であった。これに対して重要なものは土壌である。土壌は風化によって生じた粘土をが、単一の細胞状構造のほかに、それが集まったフィラメン トがある。藍藻類とされ、縞状鉄鉱層の鉄の沈殿に寄与した 日本や北アメリカ西部などは赤道近くに位置したときも、太多少とも含むが、これは通気性、含水性をもっことから植物 平洋を巡るほば現在の位置を占めたのちも著しい地殻変動が にその生育に適した場所を与える。またイオン交換性があるものと推定されている。もっと進化したクラゲや節足動物な どに似たものからなるエディアカラ動物群は、オーストラリ あり、複数回の造山運動があった。中生代白亜紀には、そのので植物への栄養分の供給に重要な役割を果たす。 地殻変動に関連して環太平洋の広大な区域に花崗岩活動があ 生物に関連して生じた岩石は、地殻が生まれてからまもなアのアデレードの近くの約六億七〇〇〇万年前の地層に現れ った。中生代と新生代との境の時期に世界的な大海退があっ いころにすでに現れている。先カン。フリア時代の三八億 ~ 一一る。すでに先カン。フリア時代も末期に近づいてからのもので た。しかし、取り上げるほどの大きい地殻変動はなかった。 〇億年前の地層だけに世界的に広くみられる縞状鉄鉱層がそある。 古生代になって、カンプリア紀に入ると、三葉虫、頭足類 れである。数メートルの厚さのチャートと鉄鉱に富んだチ 太平洋地区では、新生代第三紀の初めころにオーストラリ アが南極大陸から離脱して北に移動を始めた。フィリピン海ャートとの互層である。チャートが引き続いて堆積する環境その他の化石が世界の各地で急に多くみいだされる。大地殻 の海底拡大もあった。そしてアリューシャン列島から東北日のなかで、急に鉄鉱物の沈殿が繰り返しおこってできたと考変動があって、急に新しい生物が出現したと考えられたこと までは、生物に体制変化がおこって化石とし 本などを経てマリアナ諸島に至る弧状列島群の配置が、現在えられている。鉄は酸化条件では沈殿しやすい。還元状態でがあったが、い の西太平洋の大洋プレート潜り込み帯によって決められた。鉄が溶解した水が広がっている場所で、急に沈殿がおこってて残りやすい骨格をもつものが多くなったと推定されてい せきつい らんそう それは第三紀中新世にやや先だっころのことであった。中新一つの縞ができたとされている。そして藍藻類の同化作用でる。確実に脊椎動物であると認められるもっとも古い化石と かっちゅう しては、オルドビス紀に甲冑魚がみいだされている。シル 世にはまた、アフリカの北東に位置していたインドが大きく発生した酸素による酸化で鉄の沈殿がおこり、酸素が消費さ 」に移動した。このころにはアラビア半島もアフリカから離れたのちはふたたび還元状態に戻ったとみられる。二〇億年ル紀には維管束植物が生まれ、それまで水中の藻類のみであ れて北に移動したし、アフリカそのものも北に動いた。この前ころになって初めて、赤色岩とよばれる、強い酸化条件下った植物が陸上に移行した。節足動物も陸上にすむサソリが 現れている。デポン紀には現生のシーラカンスに似た魚から ようにしてヨーロッパ・中央アジアとアフリカやインドとはで形成された岩石を産するに至る。藻類の発展により大気に 衝突し、これらの間にあったテチス海はほば消滅するに至っ遊離酸素がかなり多くなったためである。縞状鉄鉱層のチャ両生類への進化がおこり、脊椎動物の陸上への移行が始まっ た。石炭紀には陸上にシダ植物が繁茂したが、その後期に爬 た。そして二大陸群の衝突に伴う大地殻変動 ( アルプス・ヒ ートは化学的に沈殿して生まれた堆積岩である。これに対し ちゅう マラヤ造山運動 ) を生じて大山脈ができた。 て古生代以後に生じたチャートのほとんどは放散虫その他の虫類が出現した。ベルム紀中期には古生代型植物から中生 世界は原生代末期やベルム紀にかなり広い範囲に氷河を生珒質の骨格が集積してできている。このほか生物体が生成に代型植物への変化がおこった。動物群の変化はそれに遅れて じたものの、温暖気候期が多かった。第三紀もその初めころ直接関与した岩石として重要なものは石灰岩である。石灰岩おこり、古生代が終わって中生代型に変化した。そのとき大 は熱帯気候の区域が多かった。中新世初期にもかなり温暖でも、先カン。フリア時代のもの、とくにその前半のものはすべ地殻変動はなかったが、世界的な大海退があった。 中生代には海ではアンモナイトや二枚貝、巻き貝が栄えた あった時期がある。しかし第三紀鯡新世ころより冷涼化が始て化学的に形成されている。しかし、古生代カンプリア紀以 が、陸では爬虫類が栄え、海にも空中にも進入した。爬虫類 まり、第四紀には氷河時代に入った。しかし氷河時代といっ 後になると、生物の骨格の集積が石灰岩のおもな成因とな し者 ~ し まにゆ・つ ても氷河が広がったのはそのうちの氷期であって、間氷期にる。長い間サンゴその他の浅海にすむ生物の遺骸が石灰岩をから哺乳類が、また始祖鳥が分かれたのはジュラ紀である。 は現在よりも温暖な時期もあった。↓造山運動↓地殻変動 つくった。白亜紀に浮遊性微生物である有孔虫が発展してか現在の鳥類の直接の祖先の出現はそれよりもさらに遅れる。 , フ〔生物圏としての地球〕生物圏はリソスフェア、水圏、気圏らは、それが石灰分を運ぶ役割を担い、深海底が重要な石灰爬虫類は白亜紀には恐竜として大発展した。そのとき哺乳類 は目だたない存在であった。白亜紀中ごろに植物群は中生代 岩堆積区に変わった。現在のグロビゲリナ軟泥はそれにあた ゅ - とは異なる圏として区別される。しかし、生物のすむ空間 キ、は、気圏の最下部、水圏、リソスフェアの最上部であって、 る。このようにして生物は地球上の物質の固定や分布の変更型から新生代型に大きく変わった。これに対して海の動物群 に重要な役を果たし、それらが熱や圧力によって変質、分解は、白亜紀が終わってから新生代型になった。また陸上でも ち空間的にはこれらと重なり合っている。そこには、陸や海な 169

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ちきゅう の定存 伝導度分布を求めることができる。電気伝 8 ス安の ガ素 導度は温度や化学組成によって変わるの 希を元 で、地球内部の温度や組成について、地震 で期 E 形 学から得られるものとは独立の情報を与え ている。 素素太 地磁気の変動は、短い周期のものから、 さ徴る 地質学的時間スケールまでいろいろのもの ル外 が知られている。静穏なときには地磁気の 度定 存 , も 変動は規則正しい日周変動しており、日周 表と 変動は緯度の等しい場所では、地方時に従 とを間 ってほば同じ変動をすることが知られてい 2 て る。太陽活動の突発的な変化に伴う急激な 素 ( 変た 組 磁場の変動がたびたびおこる。さらに長い ~ 兀積壊し 学 る素 ( 〕周期の変動としては二七日周期の変動があ ワ」 -0- t•—っ 0 《 0 ワ】 0 ー -0- 00 ワ ) -8 -0 「 / ー 0 -0 0 0 0 0 0 11 0 -0- -8 -8 0 -. 8 王 1 《 0 -0- 00 -8 一《 0 っ 0 00 / っ 0 っ 0 4 ・ 4 0 っ 0 -0 -4 ・一 .0 1 人 ワ】 - ・つ 0 3 9 はけ元量 っワ 1 -0- 0 均日 2 1 8 1 11 0 11 -0- 1 人 -0 -0 -0- 11 以お親のる。これは太陽の自転に関係している。半 に体 平 は圧体位年および一年周期の変動は電離層の季節変 の 位気位同 単 1 同定 球 の℃性安動に関係がある。太陽活動の長周期変動に 低ム 地 値 0 射 ム ウムム ム 数 , 放て 対応する一一年、六〇年変動もあるといわ ムム ウ ムウウ ムウム ム ンムチウウン各で , し 月 ウン デの度体と ンムウジウ ントル ムムウ 2 れている。さらに長い周期の変動も存在す 素在位度 ウマ ゴウシンンジムガルケ ウウリ素 ン②プジロトコフフ 元存同在 谷リル素レ素リピトツルオ ルカタナロン る。実際バリやロンドンの地磁気の伏角や 素素リチリウ素素素ツオトグルイン黄素ル 表 元水へ べホ炭窒酸フネナマアケリ硫塩アカカスチバクマ鉄コニ銅亜ガゲヒセ臭クルスイジニモ注 偏角がここ数百年に大きく変化したことが 点もある。もう一つの方法はドップラー・トラッキング法とテスラ、赤道付近で 3.1X10 よテスラである。日本の柿岡知られている。このような変動は近年の研究によって非双極 よばれるもので、人工衛星から一定周波数のラジオ電波を発 ( 茨城県 ) では、磁場の成分は、伏角約六度、偏角四九度子磁場の西方移動とよばれる全地球的現象であり、その大き ( 北緯 ) 、水平分カ 3.0X10 ー。テスラで、全磁力は 4.6X10 さは年に〇・二度程度であることがわかっている。また全磁 信させ、地上のいくつかの地点でその信号を受信する。発信 源が高速度で運動しているため、ドップラー効果がおこり周テスラである。地球を取り巻く磁気圏の形態は地球内部磁場力の強さも一〇〇年あたり五 % すっ減少しつつあることも知 波数がわずかにずれることを利用して人工衛星の運動を求めと太陽風の相互作用で決まっている。地球の表層から地球半られている。このような変動をまとめて永年変化とよんでい 径の約一〇倍の距離のところまでは磁気圏の磁カ線の形は地る。数十年より短い周期の変動は外部磁場の変動によっても るというもので、よく使われている。 たらされ、それより長いものは地球内部磁場の変動によると このようにして求められた地球の重力場の形から地球内部球内部磁場に起因する磁場で表されるが、さらに上空に向か の密度分布の異常を探ることができる。最近、地震学的な内うにつれて地球外部磁場の影響を強く受けて、非対称性が現考えられている。 さらに長い周期の変動は、岩石や岩体に記録されている残 部の非均質性の研究の進歩と相まって、密度分布の非均質性れている。昼の側では太陽風によって地球磁場はつぶされた の性状やマントル内部のダイナミクス、プレート・テクト一一形になり、先端では衝撃波面が形成されている。一方、夜側留磁気の測定と、その岩石が形成された年代を地球年代学の クスとのかかわり合いに関する議論が活発になっている。人では太陽風に引きずられて、磁カ線はかなり後方まで広がっ方法で測定することによって知ることができる。これは、岩 石の中の強磁性鉱物がマグマから結晶化するときや水中で堆 工衛星測地学によって得られた情報は、地球の内部を知るもている。 地磁気は一定でなく時間的に変動をし、さまざまな現象を積するときに、外部磁場の影響を受けてある方向に選択的に っとも信頼できる重要なデータである。↓ドップラー効果 ↓ジオイド 引き起こしている。太陽風は太陽表面活動の変化に伴って敏 配列し、残留磁気を生じさせることを利用したものである。 〔地球磁場〕地球の周りには、地球内部に起因する地球内部感に変動するため、太陽黒点活動の変化やフレアーが発生すこのような岩石に残された磁気に基づいて、過去の地球磁場 磁場と、太陽活動や大気上層の電離圏に起因する地球外部磁ると、太陽から高エネルギーのプラズマ流が発生し、大気上の変動を調べる学問を古地磁気学という。古地磁気学によっ 場によって磁気圏が存在している。地球内部磁場は便宜上、層の磁気圏と相互作用し、オーロラやデリンジャー現象などて明らかにされた現象でもっとも興味深いものに地球磁場の あらし 双極子磁場と非双極子磁場に分けられている。地球外部磁場磁気嵐とよばれる一連の現象が発生する。また磁場の変動は逆転がある。現在の地球磁場では北極側が極、南極側が Z は全体の約六 % にすぎない。地球内部磁場の約九五 % の部分電磁誘導によって地球内部に電流を生じさせるので、この電極になっているが、過去にはこの向きが逆になっていた時代 が双極子磁場で表される。両極での磁場の強さは 6.2X10 ー。 流による二次的磁場を測定することによって地球内部の電気があったことが知られている。このような地磁気の逆転はこ 地球 元素 78 ノレテニウム 74 000 ロジウム ノ、ラジウム 56 銀 ( 2 ) カドミウム② 470 インジウム ( 2 ) 350 スズ アンチモン② 28 . 50 53 テノレノレ ョウ素② 250 キセノン ( 3 ) ( Xe132 ) 1 580 セシウム② 13 . 21 バリウム 1 . 77 ランタン 14 . 34 セリウム 2 150 プラセオジム 1 . 84 ネオジム 25 1 330 サマリウム ユウロピウム 170 ガドリニウム 1 . 93 12 . 1 テルヒ、ウム ジスプロシウム 1 030 ホルミウム 103 工ルピウム 4 780 590 ツリウム イッテルビウム 35 . 87 ルテチウム 940 ノ、フニウム 2 . 04 タンタル② タングステン 93 レニウム ( 2 ) オスミウム 13 . 8 イリジウム 3 . 6 白金 134 金 水銀② タリウム② 0 . 58 鉛② ( Pb204 ) 18 . 2 ビスマス 3 . 29 トリウム② 19 . 7 ウラン② 1 . 00 2 . 96 月 1 . 05 0 . 25 0 . 58 0 .075 0 .085 0.20 0 . 48 0 . 13 33 16 . 8 1 . 57 4 . 2 0.53 0 . 86 0 . 33 1 .18 0 . 22 1 . 49 0 . 33 0 . 96 0 .145 0 . 95 0 .160 0.95 96 0 . 7 5 250 0 . 072 0 . 28 0 .136 0 .055 0 . 104 210 59 1 . 48 0 . 32 1 . 00 80 0.71 64 0 . 94 17 59 0 . 48 1 . 28 0 .162 0 . 87 0 . 26 0 . 100 0 . 37 0 .067 0 . 45 0 .101 0 . 29 0 . 044 0 . 29 0 . 049 0 . 29 29 0 .250 76 1 . 10 1 .06 0 . 29 1 . 97 65 18 かきおか

7. 日本大百科全書 15

だんせい ライアンスという。 伝わっていく。これを弾性波 ( あるいは広い意退化して雌花になったとみなされる。これに対 味での音波 ) という。等方的な弾性体では一般して裸子植物の花は本来単性であり、雄花と雌 、メ 7 .7 メ に二つの独立な弾性率 ( 体積弾性率とずれ弾性花とが同じ株につけば雌雄同株、別の株につけ YJ 率 ) があることに対応して、二種類の弾性波が ば雌雄異株という。また両性花と単性花をもて たてなみ よこなみ 〈田村道夫〉 弾性スティフネスは、その物体の性質 ( 弾性あり、一方は縦波、他方は横波である。両者のば雌雄混生または雑居性という。 でんば ー会三 ) 中国、 率 ) だけでなく、物体の寸法によって変わる。 伝播速度は、体積弾性率、すれ弾性率 e を用段成式たんせいしき穴 0 三 ? あざな りんし たとえば物体を一方向に伸ばすとき、張力はカ 晩唐の小説家、詩人。字は柯古。臨 ( 山東 を物体の断面積で割った量であり、伸びの 省 ) の出身。博覧強記の人で、家蔵の珍籍に加 ぼくそう ひずみは伸び量田を元の長さ / で割った量であ え、穆宗のときに宰相を務めた父の縁故で校書 るから、 となる。は密度である。 郎 ( 書物校正係 ) に任命されたため、宮中の図 液体や気体では G=O であるから横波は存書を自由に閲覧できた。その結果できたのが随 詳メ印 <7 メⅡミ」 7 ゞ ) x ト ゅうようざっそ となる。ここでヤング率は弾性率 ( 応力とひず在せす、 27 ~ 、、 K 、、でⅡ ~ 、、 1 、、で 3 となる。日は圧筆集『酉陽雑俎』で、当時の外交や政治の秘聞 みの比 ) の一種で、物質固有の性質である。っ縮率である。この縦波を圧縮波ともいう。通常 から民間習俗、科学記事までが書き留められて るまきばねの場合、伸びの弾性スティフネスはの場合、縦波における体積変化は断熱的におこおり、唐代を研究するための傑出した資料とな りしよういんおんていいん るので、これらの式のや日は断熱体積弾性率っている。詩人としても李商隠、温庭筋と並 である。ここで / は針金の全長、 / は針金の半や断熱圧縮率である。 んで盛名をはせ、その詩集は七巻あったという 径、はつるまきばねの半径、 e は針金のずれ 耳に聞こえる音は、空気中を伝わる弾性波が、いま『全唐詩』に三一首余を伝えるのみで 弾性率である。↓フックの法則 ( 圧縮波 ) であり、地震の波も地殻中を伝わるある。↓酉陽雑俎 〈野口一雄〉 との年日の閉日 , 満ト 大員 引京はのみ超スた 〔弾性エネルギー〕ばねを外力によって伸ばす弾性波である。物体の内部を伝わる弾性波のほ弾性衝突だんせいしようとっ衝突する二つ ル拡動円月東ルこしもラっ ときは、外力がばねに仕事をする。逆にこのば 一の総 , , 一。惜と , 踊 かに、表面を伝わる表面波、細い棒や板の中をの物体あるいは粒子 ( 系 ) の重心運動のエネルギ ホ争神下にホたをルりを ねが元に戻るとき、ばねにつながれたものに仕伝わる弾性波もある。 ーが衝突によって変化しない場合をいう。完全 ス戦精の 1 後スれ鎖一なス ン中民相刀最ンさ閉ホとン 事をすることができる。すなわち、ばねを伸ば 〔弾性の限界〕外力が大きくなると、弾性の範弾性衝突ということもあるが、弾性衝突でない ダ日国世 ( をダ鎖は各員ダ すときに外からした仕事は、伸びたばねの中に囲内でも力と変形とは比例しなくなる ( 非線形衝突は一般には非弾性衝突とよばれ、衝突後一一 る。ついで東京にレコード演奏によるダンスク位置エネルギーとして蓄えられている。このエ弾性 ) 。この限界を比例限界という。さらに外物体が合体する場合を完全非弾性衝突というこ ラブができ、大阪にもバンドを置いたダンスホネルギーを弾性エネルギーという。弾性体を伸力を大きくすると、破壊してしまう物質もあるともある。二原子の衝突を例にとると、原子も ールが続々誕生して、専属の女性ダンサーが客ばす場合でいうと、弾性エネルギーは、をが、金属などでは、外力を取り除いても元に戻核とその周りを運動する電子からできている多 の相手をつとめた。こうしたダンスホールは第弾性スティフネスとして、 らない変形を示す。これを塑性変形あるいは塑粒子系なので、電子の運動状態が変われば、原子 一一次世界大戦前には全国主要都市に五〇を数え 性流動という。この塑性流動の始まる点を弾性が内部にもっエネルギーも変わることになる。 U= Fdl=—S(Jl)2=—E ( と ) た。戦時中は閉鎖されたが、戦後アメリカ進駐 限界という。さらに変形を増大させれば破壊すところが、電子の運動は量子力学に従い、それ 軍専用のダンスホールが開設されたのに始ま となる。はヤング率である。 ( と ) は弾性体る。この塑性流動や破壊の仕方は、弾性率とはのとるエネルギーの値はとびとびの特定の値に り、ふたたび各地にみられるようになった。その体積であるから、 違って、同じ物質でもその材料のつくり方など 限定される。このため、原子と原子の衝突の際 の後キャパレーやナイトクラブなどがこれにか によって大きく変わる。↓可塑性 にそれらがもっ運動エネルギーが小さいと、そ わり、最近ではロックン・ロールのレコードをすなわち一般に 〔物質が弾性をもっ理由〕物質が弾性をもつのれを電子に与えて電子を励起する ( エネルギー かけて踊るダンスホールが流行し、ディスコテ は、一つには、物質を構成している分子や原子の低い運動から高い運動に変える ) ことは不可 ーク discothéque とよばれて若い男女に利用が単位体積当りの弾性エネルギーである。これの間に力が働いていて、物体が変形して分子の能となるので、衝突によるエネルギーのやりと されている。↓ディスコ 〈佐藤農人〉を弾性エネルギー密度という。 間隔が変わると、元 ( エネルギーの低い状態 ) りは重心運動の運動エネルギーだけになり、衝 に戻ろうとするからである。もう一つの理由突は弾性衝突となる。このように、内部構造を 弾性だんせいばねやゴムを伸ばして放す〔弾性波〕ばねにおもりをつるして伸ばして放 と長さは元に戻る。このように物体に力を加えすと、おもりは元の位置に戻ったとき、なお上は、分子が熱運動をしていて、できるだけ無秩もたない粒子とか、内部構造があっても励起に ると変形するが、力を除くと元の形に戻ると向きの速度をもっているから、さらにばねを縮序の状態 ( エントロピーの大きい状態 ) に戻ろ , つ高いエネルギーを要する系の場合に、 ' 弾性衝突 き、この物体は弾性をもっという。固体だけでめて上に昇り、以下上下の振動を繰り返す。こ とするからである。一般の固体や液体の弾性は がおこる。巨視的物体ではそのようなことはな なく、注射器の先をふさいで。ヒストンを押してれはおもりが質量 ( 慣性 ) をもっているため主として前者により、気体やゴムの弾性は主と いから、衝突はつねに非弾性的であるが、材質の 離すと元に戻ることからわかるように、液体や に、おもりの運動エネルギーとばねの弾性エネして後者による。↓音波↓地震〈和田八三久〉選び方によっては、かなり完全弾性衝突に近い 気体も圧縮に対して弾性を示す。弾性体に加えルギーとの間でエネルギーのやりとりが繰り返単性花たんせいか雄しべのような雄性生殖衝突を実現させることができる。〈小出昭一郎〉 たんいせいしよく たカがあまり大きくない範囲では、カと変形と されるからである。これを弾性振動という。 器官と雌しべのような雌性生殖器官のどちらか単性生殖たんせいせいしよく 0 単為生殖 は比例する ( これを線形弾性という。フックの 一般に物体は弾性とともに密度をもっている一方しかもたない花をいう。被子植物の花は本単性説たんせいせつ Monophysitism イ 法則が成り立っ ) 。この力と変形の比をその物ので、一度、物体のどこかにひすみを与える来両性で、単性花は二次的なものであり、両性エス・キリストの人性と神性の関係をめぐるキ 体の弾性スティフネス、その逆数を弾性コンプと、このひずみは物体中を弾性振動の波として花の雌しべが退化して雄花となるか、雄しべが リスト論の一つで、キリストの神性をとくに強 1

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ミナーゼ—は、チアミンのチアゾール部分を塩ロリン酸エステルとして存在し、多くの酵素反体ヲ変革シ又ハ私有財産制度ヲ否認スルコトヲ 8 の付けて命名された。クロロアセトアルデヒド ClCH2CHO と、チオホルムアミド HCSNH2 基物質 ( 。ヒリジンやアニリンなど ) と置換する応系の補酵素として作用する。重労働などによ 目的」として結社を組織したり、それに加入し あ もので、貝類、甲殻類 ( ェビやカ (l) 、魚類って全代謝が活発になると、この補酵素が強く との反応により合成される。無色の水より重い た者に一〇年以下の懲役・禁固刑を科してい ち 液体で、水にかなり溶け、エタノール ( エチル ( 海水魚より淡水魚に多い ) 、シダ植物に含まれ要求され、欠乏すると、脚気、神経炎症状、 心る。ほかに同法は、国体変革等の目的実行のた せんどう アルコール ) 、エーテルなどの有機溶媒と任意る。チアミナーゼⅡは、チアミンをピリミジン臓機能障害などをおこす。標準チアミン必要量めの協議 ( 二条 ) 、目的実行の煽動 ( 三条 ) 、目 の割合で混じり合う。芳香族性をもっ安定な化 とチアゾールに加水分解する酵素である。腸内は、カロリー摂取量に基づき、成人男子で一日的達成のための犯罪の煽動 ( 四条 ) 、目的達成 には、チアミ〇・九 ~ 一・〇ミリグラム、女子で〇・八 : リグラ 合物である。サルファ剤として知られているサ細菌の B ミミ斗ミ のための利益供与 ( 五条 ) などの処罰を規定し ルフアチアゾールはチアゾール環をもってい ナーゼ—とⅡが多く含まれている。なお、藤田ムとされている。↓ビタミン 〈有馬暉勝〉ている。同法の最初の発動は、一九二六年 ( 大 あきじ しゅうあん る。またチアゾール環をもっ染料、殺菌剤など 秋治 ( 天九五ー一九会 ) らは一九四二年 ( 昭和一 チーアン 0 集安 正一五 ) 京都大学の学生を主体とした全日本学 も知られている。 〈廣田穣〉七 ) 、ハマグリ、アサリ、シジミなどのビタミ ちあんいじほう第一次世界大戦生社会科学連合会関係者に対してなされた ( 学 治安維持法 ン珥含有量を測定中、ビタミンが消失するこ チアーノ 0 チャーノ 後に高揚した社会運動、とりわけ日本共産党を連事件 ) 。しかし、この発動は権力が同法発動 ひょうばう とからビタミンを分解する酵素のあることを中心とする革命連動の鎮圧を標榜して一九二 の主たる対象としていた日本共産党とはさしあ チアノーセ Cyanose 書 cyanosis そうしよう ロ唇や爪床など皮膚や粘膜が暗青色を呈する発見、アノイリナーゼ Aneurinase イと命名五年 ( 大正一四 ) に制定された法律。その後一一たり関係のない対象に向けられていること、ま 状態をいい 、心肺疾患の症状の一つとして、ま したが、同じころアメリカでも発見されてチア 八年 ( 昭和三 ) の改正を経て、共産党員のみな た学連に対しては同法二条の実行協議罪が発動 た重篤疾患の予後を示す指標として重要視されミナーゼと命名された。 〈有馬暉勝〉らず、その支持者さらには労働組合・農民組合 されていること ( 後年同法の発動はほとんど一 る。この現象は、酸素と結合していない還元へ チアミン thiamine ビタミンの化学名の活動、プロレタリア文化運動の参加者にまで条に限られる ) などの点で、後の本格的発動と モグロビン量が血液一〇〇、リ で、サイアミンともいう。もっとも古くから知適用されるようになった。日本共産党指導部のは様相を異にしていた。いわば小手調べの段階 以上に増加すると生じるとされ、一般に血中のられたビタミンの一つ。一九一〇 ( 明治四三 ) 壊滅した三五年以降、同法は宗教団体や学術研であった。 かつけ 酸素濃度の低下を意味している。この場合、一一 ~ 一一年に鈴木梅太郎とフンクが、脚気に有効究サークルなどにまでその牙を向け、ファシズ 〔本格的発動期〕同法の本格的発動は、一九二 こめぬか 酸化炭素濃度は上昇していることが多い。ま な成分を米糠から抽出し、それそれオリザニ ムへ向けて国民を思想統制する武器として「活 八年 ( 昭和三 ) 三月一五日、日本共産党関係者 た、ロ唇や爪床をはじめ、耳たぶ、四肢先端、 ン、ビタミンと名づけた。しかし、これらは不躍」した。同法は四一年いっそう権力にとって に対する全国一斉検挙 ( 三・一五事件 ) であっ 粘膜などの皮膚組織の薄いところでもっともよ純物で、二六年ジャンセン B. C. P. Jansen 都合のよいように改正されたが、敗戦直後の四た。その後も共産党関係者に対する一斉検挙は く認められる。 らによって純粋結晶として取り出され、アノイ五年 ( 昭和二〇 ) 一〇月一五日 ( 連合国たび重ねて行われていく。 一方、政府は三・一 リ , ン」 Aneur1n イと命名された。三五年ウィ チアノーゼは、原因となる病態から中心性と 最高司令部 ) の指令に基づいて廃止された。同五事件を宣伝して「共産党の陰謀」を印象づけ まっしよう 末梢性に大別される。中心性は動脈血の酸素 リアムズ R. R. Williams らは化学合成によ法により検挙され、また起訴された者の数がど ながら、同法改正案を第五五議会に提出した。 いおう 飽和度の低下によるもので、おもな原因としてって構造式を決定し、硫黄を含むアミン化合物れほどになるかは、いろいろな統計によってかそれが不成立に終わると、政府は緊急勅令とい 心臓疾患や呼吸器疾患などがあげられる。心臓という意味でチアミンと命名した。 なりの食い違いがある。さらに統計から漏れた う形で改正を強行した。この二八年改正では、 疾患としては、心臓内の右から左 ( 静脈から動 一一つの複素環、すなわちピリミジン環とチア検挙者の数も相当多数に上ると推測される。そ①国体変革を目的とした結社の組織者、指導者 脈 ) への短絡がある先天性心疾患、ファロー四ゾール環をもち、それらが 4 位窒素原子により ういう限定をつけたうえで、司法省の調査によ に対して最高刑に死刑が導入され、②結社のメ キ - うさく かんりゅう 徴症や肺動脈弁狭窄のような肺への灌流分布結合し、つねに荷電した状態にある。遊離状態るものをみると、一九四三年の四月までで同法ンバーでなくとも、結社の「目的遂行ノ為ニス 異常のあるものがあり、呼吸器疾患としては、 では不安定で、塩酸塩 ( 塩酸チアミン ) と硝酸 により検挙された者は六万七一三三名、起訴さ ル行為」をなした場合には同法で処罰する旨の きしゅ 肺結核、肺炎、肺気腫、気胸、胸膜炎など肺に塩 ( 硝酸チアミン ) が日本薬局方に収載されてれた者は六〇二四名に上っている。これが一つ規定 ( いわゆる目的遂行罪 ) が加えられた。① おけるガス交換障害のあるものがあげられる。 いる。いずれも白色結晶または結品性粉末であの目安となろう。同法の軌跡は、成立期 ( 一九は運動参加者への威嚇という効果をねらったも 末梢性は末梢の動静脈の循環不全によって生じる。塩酸チアミンは融点二四八度 0 で、熱・ア 二五 ~ 二八年 ) 、本格的発動期 ( 二八 ~ 三五のであるが、とくに②の改正が果たした役割は るもので、末梢血流のうつ滞する心不全時や局ルカリに不安定。水・アルコールには溶けるが年 ) 、拡張期 ( 三五 ~ 四一年 ) 、拡散期 ( 四一 大きかった。目的遂行罪により同法は適用の対 所静脈の圧迫時に現れる。健康な人でも寒冷に エーテルやべンゼンなどの有機溶媒には溶けな四五年 ) の四つに区分することができる。 象を一挙に拡大し、労働組合の活動、文化連 さらされたり精神的異常緊張によっても現れる 。硝酸チアミンは融点一九六度 O で、塩酸チ 〔成立期〕社会運動取締りのための新しい治安動、果ては弁護士の治安維持法被告のための活 こともある。しかし一般に重篤な病態時にみら アミンと同じく熱・アル立法の最初の試みは、一九二二年 ( 大正一一 ) 動までもが、日本共産党の「目的遂行、為ニス れることが多いので、速やかに適切な処置をと カリに不安定。吸湿性が第四五議会に提出された過激社会運動取締法案ル行為」であるという理由で処罰されるに至っ る必要がある。すなわち、原因疾患の治療のほ 少なく、錠剤や散剤としであった。同法案の流産後、政府は緊急勅令でた。こうした適用対象の飛躍的拡大に伴って、 ての安定性が高い かに、酸素吸入や強心剤などの対症療法も行わ 再度同法の制定をねらったが実現するに至ら当局は運動参加者に対し、この重罰の威嚇や拷 れる。 〈木村和文〉 緑色植物や微生物によず、一一三年関東大震災に乗じて、いわゆる治安 、長期の拘禁などによって転向を強要した。 り合成される。米糠、胚維持令を緊急勅令の形で出すにとどまった。し チア = 、ナーゼ thiaminase アノイリナー たび重なる弾圧と、転向強要によって、社会運 ゼともいし チアミン ( ビタミン ) をピリミ 芽、酵母などに多く含ま かしこれは取締り当局の満足のいくものではな動は急速に衰退し、三五年には日本共産党指導 ン ジン残基とチアゾール残基とに分解する酵素を れ、動物の神経にも多量 く、かくして治安維持法案が一一五年の第五〇議部も壊滅して、治安維持法はそれが標榜してい いう。チアミンの分解型式から、チアミナーゼ にみいだされる。動物組会に提出されることになった。若干の修正を受た目的を達することになった。 ア —とチアミナーゼⅡの二種に分けられる。チアチ 織や酵母では大部分がピ けただけで成立した同法は、その第一条で「国〔拡張・拡散期〕しかし治安維持法は、天皇制 C Ⅱ 2C 日 2 ( ) 日 CH2—N ため

9. 日本大百科全書 15

つかむ つかむ 〔図 A 〕「つかむ」と「握る」との関係〔図 C 〕手のアーチ ①手のアーチ 大脳 視覚支配 7-- ー」 運動神経路 にもつ手筋群とである。前腕筋群は大きな連動 〔「つかむ」ことと筋の働き〕物を握ったりつ きる運動 ( 対立運動 ) が加わる。この運動は、 の形成ができなくなり、つかむことが困難とな きん る。横のアーチをさらにみていくと、手首にあ母指の掌側外転と長軸回転とが同時に行われるまんだりする運動は筋の働きによるものであの際に働き、手筋群は徴妙な運動に働く。しか 複雑な運動で、つかむ運動の重要な働きをしてり、筋の収縮によって筋の長さが変化し、そのも連動によって、これらの筋のかかわり方が異 るアーチと、中手骨と指の骨の関節部位につく 結果として骨に、てこの作用が生じて行われなってくる。物をつまむ連動は、人差し指をほ られるアーチとがある。手首のアーチは、手根 きっ・一う ば伸ばしたまま中手指節関節を曲げ、母指との 簡単にいうと、物をつかんだり握ったりするる。しかも筋の働きには、①協同作用、②拮抗 骨が手の掌側で屈筋支帯によって強く結合さ れ、アーチ状をつくる ( 毛根管 ) もので、ほと運動は、母指の対立運動と四本の指の屈曲運動作用とがあって、運動がスムーズに行われるの対立運動との組合せによって行われるが、その ときに働く筋は、手筋群のなかの骨間筋や虫様 が組み合わさって行われる連動である。母指とである。 んど固定されている。中手骨のつくるアーチは ①の協同作用は、ある関節を曲げようとする筋である。手を握り締めるような場合や、各指 人差し指の指端の間で物をつまむ運動は、母指 可動性が大きく、曲率半径の大きいアーチや小 さなアーチをつくることができ、つかむ物によの内転と人差し指の屈曲の運動が組み合わされときに、その運動に関連する筋群が協同して働を同時に曲げるときに働く筋は前腕筋群であ たものである。また、つかむ運動でも、つかむき、それそれの筋がかってに作用することがなる。 り自由に適応できるようになっている。 〔物の保持のためにも役だっ皮膚〕さらに、物 〔重要な母指の働き〕「つかむ」仕組みのなか 対象物が円柱状のものであるか、球状のものでいような仕組みである。②の拮抗作用は、その 運動と反対の運動を行うことで、これは、ちょをつかんだり握ったりする場合に重要な役割を で、母指はもっとも重要な働きをもち、またもあるかによって、指の運動が異なってくる。 うど屈筋と伸筋の関係にある。物を握り締めるしているのが皮膚である。もし皮膚が皮下の組 ポールをつかむ場合には、前述の母指の対立 っとも複雑な運動をしている。すでに前に触れ ときに働く筋は、指を曲げる屈筋群であるが、織としつかり結合されていないと、物を安定さ たが、詳しくみてみると、母指を除く四本の指運動および他指の屈曲運動のほかに、四本の指 せて握ることが不可能になる。 の運動は、手を広げたり閉じたりするときの指の外転運動が参加して行われる。つまり、指をその際に、指を伸ばすときに働く伸筋群が、指 皮膚は一般に感覚器の分野で説明されている の開閉 ( 指の外転、内転という ) 運動と、物を広げる運動と指を曲げる運動に母指の対立連動を曲げる運動と反対の方向に作用して、運動を ため、つかんだり握ったりする際の連動機構の があわさって行われているのである。このよう円滑にしている。 握ったりつまんだりするときに指を曲げたり伸 手の運動に作用する筋は、その起始を前腕ま一つとして説明されることが少ない。物を強く に手の連動は、握ったりつまんだりする対象物 ばしたりする ( 屈曲、伸展 ) 連動とに分けられ たは上腕にもち、停止をそれぞれの指の骨にも握り締めたときに、皮膚の移動をコントロール によって、運動に働く関節の動きが異なってい る。母指ではこれらの連動に、さらに、他の四 しているのが筋膜である。手掌には、皮膚と筋 つ前腕筋群と、筋の起始および停止を手のなか 本の指のいすれの指とも向き合わせることのでるのである ( 図 2)0 膜との間に、ちょうどふとんの閉じ糸の役割を に差一 ) すさ至物のはつの立も関 , がは面の内こと チ している中隔とよばれる組織がある。この中隔 て 的人ア℃こ はに動そ行。き対る手が節え掌節 , る密 しす 能とるチ果の手な , 遂る働のよ中る関と手関展え秘 が掌側面や指の皮膚でよく発達しているため、 ビのろがなあ、」指に根あ手た , 手伸らの と。示 機指れ一を 手で物をしつかり握った際に、皮膚が移動して エルいる全で、母成。手で中。や中 , と手 も母らア 縦のるを , サろれ完けカ , 完る , 節根い際根曲 , る もあ位 物が滑り落ちないようになっている。また皮膚 かのつる はらいらのた「 ( まのあは関手きむ手。屈てす るが部 握か , みきトり行動で節間 にはしわや溝があって、運動によって皮膚にた チいチた , 大ま , る , し造 一て一れチ れる 間叝ロ把みるに働ヒま遂運の関節はもつはあにと創 るみがおこらないような構造、たとえば指の関 る指点囲でにでう動に アしアさ一 ら握 , の 際 曲展転転立 、こレ」 の用の定ア すびる範面際大よ運さ 節の掌側には掌側板とよばれる皮膚の折り畳み 用よな動頭るがすのま 横作横固す 用確め動①②③④⑤ 作お異可指めと示立 , い機構がつくられている。↓皮膚 ノ \ とが一小 に即と , の締こに対 - は、ん きチ格を しょ , レ」レ」り・ 指のなかには、指の屈曲・伸展および外転・ きんけん ④動関指り指りる図びれ支 大一骨位 。つ」は」日 ~ 握の 運節のあし握よはよそし内転などに働く多くの筋、腱や神経、血管など にアは立 とチ母母く旨 立指本で差くに動お , 差 きの分対 が走行するが、運動によってそれらの位置がず もアるを 手 4 と人強用運転きも 働縦部の じんたい むは色指 でないあ物 の中のことを作の外でてれないような、特殊な靱帯が組み込まれている。 巳日 かに ~ 典 , かく指物曲旨 孑 , がっ こ要指で 図 〔手の働きと脳〕古代ギリシアの最初の科学者 母節ほ動母で屈母転と つ手橙 2 こ重しチは といわれるアナクサゴラスは、人間は手を使う 何手かれ錐と関とかぞさるく ことによってのみ動物たちに勝っていると述べ るはわ円域のこはれなす ているが、人間は手を使うことによって、大脳 りすく行な動首る囲そて応て だり多でう運手す範。っ対れ の発達を促したのである。手で物をつかみ、そ んた , 面よを。や内るぶよにさ かつは前の間る節回す及に活た の物の硬さや軟らかさ、大きさなどによって、 っ触動の図空い関・りでれ生果 手で握り締める強さを加減 ( 筋収縮の抑制 ) し をに運 だのて肘外たまそ代に 物かのらる状し。に回っにが現み たり、その加減の程度を判断したりするような かを触位潔な巧 ほ腕り部清雑に 精神作業を営むのが中枢神経系、大脳、小脳お の前だなや複実 よび脊髄などである。 節 , んま全 関りかざ保かが 中枢神経系は、外界からの情報を、光、音、 肩たつまのりき 触、温度あるいは化学物質に反応する外受容器 げ , さ位か動る 際曲りの部ばのあ ( 目、耳、皮膚感覚など ) を介して受け取る。 のをよだのるめで そ節にられれたの体内の変化は内受容器、つまり固有受容器 ( 深乃 人、 イレ つかむ 感覚神経路 握る ( つまむ ) 〔図 B 〕上肢の運動範囲と右手の届く 身体部位 5

10. 日本大百科全書 15

性能率をもっ地球の慣性主軸として定められる境、マグマ形成条件などがある。地質作用には 2 、が、後者ではこれを欠く。↓磁気嵐 形状軸、ある瞬間の地球の回転で定義される瞬風化作用、変成作用などがある。大洋プレート じ極磁気嵐磁気嵐の発達段階 ( 磁気嵐主相 ) には、主として夜の極光帯でオーロラの爆発的 間回転軸、一定期間の回転軸の平均の向きで決のサプダクション subduction ( 潜り込み現 ち な発達がみられ、これに伴って局所的に大きな められる平均軸などがある。ただし、それらの象 ) は地質営力の一つである。 ( 一〇〇〇ナノテスラ程度 ) 磁場変動がおこる。 軸の相互の向きの違いはごくわすかである。 〔環境〕地質は岩石の生成環境、地殻変動史、 これを全地球的な磁気嵐と区別して極磁気嵐と 地球は剛体ではないので、形状軸は非剛体の現在の環境などによって異なる。かって陸上ま よぶ。極磁気嵐は、太陽風中の磁場の南北成分 場合に対し理論的に拡張した定義がされる。こ たは海底の堆積環境にあったところでは堆積岩 さいせつ が南向きに変わってから数十分後に発達する。 の軸の延長が天球と交わる点を天球暦表極とい としては普通、泥岩、砂岩、礫岩などの砕屑岩 3 極冠域磁場変動極光帯より高緯度の地域で う。その位置は一九八四年以降の天体暦で計算が層状岩体 ( 地層 ) として卓越する。熱帯海岸 は、極磁気嵐の発達に先だって、夕方で北向 されることになっている。この軸は、最近の地では砕屑物の供給が少ないところでサンゴ礁石 き、朝方で南向きの磁場変動が発達することが 球回転理論における代表的な地軸であるという灰岩が堆積した。外洋の海底にはチャートや外 ことができる。 多い。この種の磁場変動は太陽風中の磁場の南 〈長沢工〉洋性石灰岩が堆積した。堆積環境が河川、湖 北成分に著しく依存し、南向きのとき強まり、 差向 ちししゅういえん智歯 ( 第三大沼、潟、浅海、深海などのいずれであったか、 智歯周囲炎 北向きで弱まること、また、長期間北向きが続 臼歯。俗にいう親知らず ) の周囲組織にみら砕屑物・溶解物質供給源地の地質や地形、供給 と車 くときには磁場の変動の向きが逆転することが れる急性または慢性の炎症をいい、埋伏状態に源地から堆積地までの気候や、風・川・波・海 の 知られている。 ある下顎智歯に多く認められる。智歯は歯列の流・乱泥流などの砕屑物連搬作用の違いによっ まうしゆっ 年 ④太陽フレア効果大きな太陽フレアがおこる なかでは最後に出するもので、不完全萌出て、鉱物・岩石片組成、粒度組成、円摩の程 軸 と数分間磁場変動に太陽フレア効果がおこる。 や位置異常をおこしやすい。智歯と周囲の軟組度、化学組成その他堆積岩としての性質が異な 地 ごっの - っ 太陽フレア効果は、そのときの静穏日日周変化 織との間に盲嚢 ( 病的な歯肉嚢 ) ができ、食片る。砕屑岩は堆積した当初は普通、軟弱であ を増加させる向きに現れる。 気嵐の発達に先だって極冠域にみられる磁場変の停留や細菌の繁殖をきたすと、智歯周囲炎と る。しかし長い年代を経ると埋没による圧密や ⑤地磁気脈動周期一秒から一〇〇〇秒程度ま動は、磁気圏内のプラズマ対流に関連して、磁なる。智歯周囲炎では、歯冠を覆う弁状の軟組続成作用によって堅硬岩となる。堆積岩体が他 しゅちょうとうつう でのわりあいに規則的な磁場変動を地磁気脈動気圏の朝方で電位が上がり、夕方で電位が下が織や歯肉に発赤、腫脹、疼痛がみられ、炎症の岩体を覆うか否かが、いずれの岩体が新しい えんげ とよぶ。連続的におこるわりあいに規則的なることに対応して、極冠域の電離層中に二つのがさらに周囲に広がると嚥下痛や開口障害が現かを知る目安となる。堆積岩体生成の時代や環 Pc (Pulsation continuous の略。連続脈動の渦電流が生まれることによるものである。このれる。また、顎下リンバ節の腫脹、圧痛のほ境は、それそれを示す特徴をもっ化石 ( 標準化 意 ) と、不規則な波形をもっ Pi (Pulsation デ渦電流は、地上からではわからない磁カ線沿い か、発熱、睡眠障害などの全身的影響の現れる石または示相化石 ) に示される。 regular の略。不規則脈動の意 ) とに大別され に流れる電流 ( 沿磁カ線電流 ) と密接に関連し こともある。初期には局所の洗浄と抗生剤、抗 火山の周辺では、火山活動時に火山砕屑岩や のうよ・つ る。これらの地磁気脈動は磁気嵐のあと二 ~ 一一一ていることが衛星観測によって知られている。炎症剤などの投与を行うが、膿瘍が形成されれ溶岩としての火山岩が層状岩体としてできる。 日にわたっておこることが多い 地磁気脈動はその多くのものは太陽風から供給ば切開排膿の処置をとる。急性症状がなくなっその地下でのマグマのでき方や性質の違いによ 〔磁気擾乱の原因〕磁気擾乱の原因はいずれも される磁気流体波や、磁気圏表面あるいは内部たのち、抜歯を行う。 〈矢崎正之〉 って、またマグマの分化作用によって、玄武 でんば 電離層と磁気圏における電流の変化で理解されで生成される磁気流体波が電離層に伝播して電地質ちしつ geology ある区域に分布す岩、安山岩、流紋岩などの違いができる。また ている。太陽フレア効果は太陽フレアに際して離層電流の変動をおこすためであると理解される岩石、岩体の種類、その形成の仕方および時マグマの性質が違うと火山爆発の仕方が異なる 増加する太陽からの紫外線の放射により、電離ているが、ある種の不規則な脈動は、オーロラ代または年代、その物理的・化学的性質、その ので、溶岩や火山砕屑岩の地表での分布の仕方 層の電気伝導度が短時間の間上昇し、日周変化粒子の入射によって電離層の電気伝導度が変動分布の仕方、地質構造などとそれらの特徴を総も異なる。地下にマグマができたところでは、 をおこす電流が短時間増加するためにおこるもするためにおこることが知られている。↓地球括して、その区域の地質という。地質図、同断火山によって地表に噴出しないところでも、地 のである。磁気嵐急始部の磁場の増加は、太陽磁場 〈小口高〉面図などにその特徴が要約される。なお、岩体下で固結することによって、深成岩や岩脈とし ちじく地球の回転軸、また地球の北 風内の衝撃波などによるプラズマ圧の急増で地地軸 とは同一種または複数種の岩石群のまとまりあての火山岩が周辺岩石に貫入してできる。これ 球磁気圏が圧縮され磁気圏表面を流れる電流が極と南極を結ぶ直線のこと。大まかな表現をする集合体で、地質図に記入する際の単位となるら火成岩体と他の岩体との接し方によって二つ 増加するためにおこる。また磁気嵐主相の磁場れば、地軸は黄道面に対していつも約六六・五ものである。地下資源の埋蔵、建造物建設にあの岩体の新旧を知ることができる。深成岩のう な′ごっ の減少は、オーロラ活動などに伴って磁気圏尾度の傾きをもち、歳差運動によって、約二万六 たっての地盤・岩盤の安定性、地震・火山・地ち花崗岩は中国地方にみられるように、ときに で加速された荷電粒子が、後ろから地球に近づ〇〇〇年の周期でその向きを変えていく。地軸すべりなどの自然災害に対しての安全性などを底盤として広く分布する。そこでは地表に花崗 き、地球周辺の磁場にとらえられて、地球を取の動きにはそのはか、章動とよばれる周期も振示す特質もまた地質の要素とみなされる。岩石岩が分布していない場合でも、地表の岩石が熱 り巻くドーナッ形の領域に西向きの電流を形成幅も小さい運動が重なっている。 とその分布、地質構造をつくる現象は個々のた変成作用を受けていることから、地下に花崗岩 し、そのためにおこることが知られている。極 地軸とはこのように一見わかりやすい概念のとえば断層運動についての場合も、また総括的があると推定できる。玄武岩マグマからの深成 磁気嵐に対応する電流は磁気圏尾の朝方から朝ように思われるが、実は地球の回転軸は地球に な現象としての造山運動の場合も地質現象とよ岩としては普通、斑糲岩ができる。これら深成 方の極光帯に流れ込み、夜のオーロラ活動域を対して固定したものではなく、地球回転の研究ばれる。地質現象がおこった環境、それを引き 岩は普通、塊状岩体をつくる。超塩基性岩は玄 西向きに流れて、夕方の極光帯からふたたび磁が精密化するにつれて、さまざまな軸が定義さ起こす原因は、それぞれ地質環境、地質作用ま武岩マグマのマグマ溜りにできたものも多い たいせき 気圏に流れ出す電流によって理解される。極磁れてきている。それには、たとえば、最大の慣 たは地質営力とよばれる。地質環境には堆積環しかし、マントル構成岩として地下深くに広く 黄道の極 ☆北極星 現在の 地軸の向き 歳差運動の向き 自転運動の向き 球 地 極 地軸 黄道面 極 キ、 0 : っーし はんれい れき 214