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検索対象: 日本大百科全書 20
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1. 日本大百科全書 20

へいげん ③同じ向きに平行 二直線は平行である。また、平行二直線に垂直る、または平衡状態にあるという。つり合いとて、種々の状態変数の組合せに対して種々のも に交わる任意の直線上で、二直線の間にできるもいう。 のがある。 線分の長さは一定で、これを平行二直線の距離 外部から完全に孤立した物体、換言すれば外 熱力学によると、物体の熱平衡状態において という。三直線 / 、供については / と供部からの作用をまったく受けない物体が終始平は、その物体の熱力学関数が最小値をとってい 襯と〃がそれそれ平行であれば、 / と〃も平行衡状態にあることは明らかである。物体が初める。たとえば、等方性物体が温度一定、圧力一 から複数個ある場合には物体系 ( 体系ともい である。次に、 O を端とする半直線 O<< と、ö 定のもとで熱平衡に達すると、ギブス自由エネ う ) として考える。外部からの作用がある場合 ルギーという熱力学関数が最小値をとる。物体 を端とする半直線öキとがあって、直線 0<< と には、その作用を及ばす物体を物体系のなかに の熱平衡状態は、要するに最安定状態であっ 直線öキが平行とする。このとき、直線 0öに ついて、が同じ側にあれば半直線 0< 、ö取り込んで考えることもある。平衡は、力学的て、その物体の普通に実現している状態であ 、い、直線 Oöに平衡、熱 ( 的 ) 平衡、化学 ( 的 ) 平衡に分けて議る。↓自由エネルギー↓執力学 キは同じ向きに平行であるとし 論されるが、力学的平衡は「つり合い」の項〔力学的平衡〕机の上に置かれて静止している ついて e< 、キが反対の側にあれば半直線 O< 、 で、化学平衡については「化学平衡」の項で記物体は、これに働く重力をもって机を押してお o キは逆向きに平行であるという。 空間で二つの平面が平行であるという場合述しているので、ここでは主として熱平衡につり、一方、机は抗力をもってこの物体を押して いて記述する。 は、共通点のないことをいう。二つの平面象 いる。これらの重力と抗力とはいずれも鉛直線 日が別の平面と交わってできる二直線を气わ 〔熱平衡〕物体の状態を表す量、数学的にいえ上にあって、前者は下方を、後者は上方を向 とすると、。とわは平行である。平行な二平面ば変数のことを状態変数という。この際、物体き、かっ両者の大きさは等しい この事実は、 に垂直な任意の直線上で、一一平面の間にできるの状態を外部から規定する変数は外部変数とい より一般的には、作用反作用の法則とよばれて 線分の長さは一定で、これを二平面の距離とい われ、この外部変数のもとで決まる物体の状態 いる。この例で、物体が静止しているのは、物 う。三つの平面象日、了について、と日、 を表す変数は内部変数といわれる。たとえば、体の状態 ( 例では空間座標 ) が時間とともに変 日とがそれぞれ平行のとき、と了も平行で力学的変数では、カは外部変数であり、体積はわらないことであり、すなわち物体は力学的平 ある。また、直線と平面が平行であるという場内部変数である。 衡にある。↓作用反作用の法則 〈沢田正三〉 合は共通点のないことをいう。 自然界には、「物体系を孤立状態に十分長時〔化学平衡〕化学的変化の平衡を化学平衡、液 し 二直線については、重なる場合も含めて平行 間保持すると、物体系の状態変数はそれそれ時 相と固相間の変化のような相変化の平衡を相平 平 等 ということもある。平行移動やべクトルを扱う 間の経過とともに変わらない一定の値をとる」衡という。化学平衡の場合は、可逆反応におい 角 場合はそうである。また、空間で二平面が重な という経験法則が存在する。この終わりの状態ておこりうる反応の一方向の速度と、逆方向の 行 一口 る場合も平行に含めることがあるし、直線が平を熱平衡または熱平衡状態という。とくに、物反応の速度とがちょうど等しくなったときに、 平 面に含まれるときも平行のなかへ入れることも体系がただ二つの物体 < 、からなる場合、こ見かけ上静止状態になる。そのとき、正味の変 ある。 向 の二つの物体が熱平衡にあるときには、物体の化の速度はかならずしもゼロではない。相平衡 行 逆 平面上の二直線 熱的状態を規定する熱的外部変数がこの二つのでは、相の境を通しての一方の相から他の相へ 平 ④ 日ミ暑十Ⅱミヾ十 物体で共通になっているのであると考えることの移行の速度と、その逆方向への移行の速度が 前一一五 D 中国、 が広義で平行になるための条件はきⅡき、であは、後述のように、力学的平衡では作用反作用つり合ったときに達せられ、また熱力学的には 平原君へいげんくん ( ? ちょうぶれい けいぶん の法則が成り立っことから、まことに自然であ相、 戦国時代の政治家。趙の武霊王の子、恵文王のり、空間の二平面 1 2 間の、ある成分についてゞⅡドで平 ちょうしようとうぶ 〈戸田源治郎〉 弟。本名は趙勝。東武城 ( 現山東省徳州市の 2 Ⅱ暑十を十 0 2 Ⅱヾ十 b 十 C 、 る。さらに自然界には「物体 < と物体とが熱衡関係が与えられる。 南東 ) に封ぜられて平原君と号し、食客数千人が広義で平行になるための条件は。Ⅱ b=b 、平衡にあり、さらに物体 < と物体 0 とも熱平衡・キャレン著、山本常信・小田恒孝訳『熱 〈栗田稔〉 を養う勢力家であった。また賢人として名をはである。 にあるときには、物体と物体 0 とも熱平衡に 力学ーー・平衡状態と不可逆過程の熱物理学入 しよう ・一うせい 門』上下 ( 一九大・吉岡書店 ) ▽熊井俊彦著 せ、趙の恵文王、孝成王に仕え、三度相を務め平康へいこう / ピョンカン朝詳民主主義人ある」という、三物体間の熱平衡法則がある。 ゅう た。紀元前二五七年、趙が秦に攻められたと民共和国、江原道北西部の平康郡にある邑結局「熱平衡状態にある物体系を構成する各物 『熱力学と化学平衡』 ( 一九七六・培風館 ) もうすい き、その食客の一人毛遂が長剣を撫して楚王に ( 町 ) 。郡の所在地。四五〇の高原地帯で、体の熱的外部変数はすべて等しい」ということ併合へいごう annexation 国際法上認め しゅうかれい 第一がん 援車派遣を求め、それが実現した故事は有名。楸哥嶺地溝帯の南辺にある虎岩山 ( 五七一一 ) のがいえる。この共通の熱的外部変数が、温度と られる領域取得の方式の一つで、ある国が他の ちょう - 一 ふもと 〈太田幸男〉麓にある。前面に重峰山を望み、北東に長鼓 戦国四君の一人に数えられる。 いうもっとも重要な熱的変数なのである。外部国との合意によって、領域の全部を譲り受ける みろく かわさきだいし 山、弥勒山を仰いでいる。朝鮮戦争中は金化、変数と内部変数とはつねに対をなしている。温ことをいう。割譲と異なるところは、譲渡国の 平間寺へいけんじ 0 川崎大師 ぺいふつ 鉄原とともに「鉄の三角地帯」の一角として激度という熱的外部変数と対をなす熱的内部変数領域の一部でなく、全部を取得することであ 米元章ぺいげんしよう 0 米董 る。併合により、併合される国は国家としての 平行へいこう同一の平面上にあって交わしい攻防戦のあった所である。高原地帯の陸路はエントロビーである。↓温度 〈魚塘〉 物体 ( または物体系 ) の安定性を示す尺度は存在を失って消滅する。この点で征服と同じで らない二直線を平行であるという。二直線が平の交通中心地である。 いこう equilibrium 物体 ( あるその物体の熱力学関数 ( 熱力学的ポテンシャルあるから、併合と征服とをあわせて広義の併合 行のとき、これに別の直線が交わってできる同平衡へ いは物質 ) の状態が時間の経過とともに変化し 位角は等しい。逆に平面上で、二直線が別の直 ともいう ) である。これは純力学現象におけるとして理解するむきもあるが、征服が実力を用 線と交わってできる同位角が等しければ、このないで一定であるとき、この物体は平衡にあポテンシャルエネルギーにあたるものであっ いて一方的に行われるのに対し、併合は合意に ②平行 2 直線の距離 ⑥直線と平面の平行 ⑤ 2 平面の平行 しん A ー / O 3.

2. 日本大百科全書 20

盛んに行われた。一九〇八年 ( 明治四一 ) 第一 ような反応を不可逆反応という。↓可逆反応 や 六師団が置かれ、第二次世界大戦後、車事施設 〈戸田源治郎〉 ↓化学平衡 りゅう・一く の跡地は京都教育大学、龍谷大学などの敷地 不可逆亦夂化ふかぎやくへんか irreversible 度 〈織田武雄〉 に転用された。 の 、ふ change もと〈帰ることができない変化のこ さ 囮二万五千分の一地形図「京都東南部」 とであって、不可逆過程ともいう。正確には、 冨嶽三十六景ふがくさんじゅうろ。けい幕 一つの体系 ( 物体系 ) の状態が変化するとき、 正 かっしかほくさい の 末の浮世絵師、葛飾北斎によって描かれた富士 その体系だけでなく、その体系の外部もまった 山を題材とする浮世絵風景版画シリーズ。版一兀性情 く始めの状態に帰る方法が一つもないとき、こ ばくろちょうおおだな よはち 実 は江戸馬喰町の大店、西村屋与八 ( 西村永寿 の体系の状態の変化は不可逆変化である。可逆 変化が正確に定義されておれば、そうでない変 堂 ) で、出版当初は全三六枚で完結の予定であ不低〔 ったらしいが、俗に裏富士とよばれる一〇図が 化が不可逆変化である。↓可逆変化 追加出版されて全四六枚で完結した。出版時期行うかという目的がかならずある。たとえば、 いま一つの体系の状態が不可逆的に変化する めいりよう ケームやスポー については明瞭ではないが、一 八二二年 ( 文企業の場合には長期的な利潤、。 とする。このとき体系が、温度がである熱源 ツの場合には相手よりも高い点数をとるのが目 政五 ) ないし二三年ごろから三一年 ( 天保二 ) から微小な熱量 d 、 Q を吸収し、体系のエント をさほど下らない時期までにわたっていると考的となる。それゆえ、意思決定者にとって最良 ロピーが dS だけ変化するとすると、熱カ えられており、また各図の署名からも三四年以の決定とは、その目的を達成したり、目的の値 学第二法則により、 d 、 0 、、 T △ dS という不等式 を最大にするような決定である。 前に完結したとみるのが妥当であろう。また、 が成立する。この体系が外界と熱的に絶縁され さて、その目的を達成できるか否か、あるい 作品中には江戸府内から眺望した富士、または ていると、 d 、 Q Ⅱ 0 であるから、 dS>0 であ 地方や場所の推定できないものもあり、作品のはある目的の数値がどのくらいになるかは、① り、はかならず増大する。自然界におこる変 出版順もさだかではない。たとえば「上総ノ海意思決定者の行動と、②社会や自然の状態 ( あ 化は厳密にはすべて不可逆である。したがっ るいはゲームなどのときには相手のとる手 ) の 路」はすでに一七九九年 ( 寛政一一 ) に刊行さ て、外界から熱的に遮断された体系では、なん 風 一富りと下 あずまあそび 絵枚一製に為にはよ勹山 れた狂歌絵本『東遊』中に、画面を逆にすれ二種類の要因によって決定される。①は意思決 らかの変化がおこるたびに、この体系のエント 世鮖本告斎枚絵に 浮全一正広北一屁所】 , っ ばほとんど同構図の挿絵が載せられており、定者にとってコントロールできる制御可能な変 ロピーは増大を続ける。これをエントロピー増 , のす一 るで「の亠前 「深川万年橋下」は一八〇四年 ( 文化一 ) ごろ数であるが、②は制御不可能な変数である。し よズ巻付「枚板そ示の ! 緜 大の法則という。このことから、外界から熱的 景に ; 合奥一 ) 一出のをそ = 《 たがって、意思決定者は、②の制御不可能な変 に発表された洋風風景画に類似する構図の作品 に絶縁された体系が熱平衡状態に達して、もは 六画リののわ摺々ち事は半 十斎シ」彦 ) 藍追たる図 をみいだすことができて、このシリーズはこの数をできるだけ正確に予想しながら、①の決定 やどのような変化もおこらなくなると、この体 嶽飾版亭 = 画ツの異る雨ような点から北斎風景版画の集大成ともいえるを行うことになる。このとき、②に関して意思 系のエントロピーは最大値をとるということも 冨冖葛景”卯 ; ( 「翁景士てあ白 性格をもっている。なお、これらの作品はフラ決定者がもっている情報の正確さについて、 @ すぐいえる。 さんかはく ンス印象派にも影響を与え、とくに「山下白確実性、⑥リスク risk 、④不確実性、④無知、 ー生成速度が具体的に議論されている。↓エン 普通の熱力学はほとんど可逆変化だけを取り さんやく がい、か、つ・かい」い かながわおきなみうら トロヒー の四種類に分類することができる。 〈沢田正三〉雨」「凱風快晴」「神奈川沖浪裏」の三図は三役 扱うが、不可逆変化を取り扱う熱力学は不可逆 変化の熱力学とよばれる。これは非平衡状態の舞楽ぶがく雅楽のうち舞を伴う分野。おとよばれて、本シリーズのなかでもとりわけ芸④確実性は、何が起こるか確定的にわかって レ」、つ幇、 - 一まカく かんげん いる場合をいう。⑨リスクは、何が起こるか確 熱力学といってもよい。非平衡状態では、体系もに唐楽・高麗楽をさし、管絃に対する。広義術性の高い作品として評価されている かぐらあずまあそび なお北斎は、三十六景の好評にこたえた富士定的にはわからないが、起こりうる状態はわか には神楽・東遊など神道系のものも含む。唐 の状態は時間とともに刻々変化してゆくのであ うすずみずり っており、かっその確率分布がわかっている場 るが、ある時刻においては、空間的にみて一般楽は左方の舞楽、高麗楽は右方の舞楽とされ、連作の第二弾『富嶽百景』 ( 薄墨摺半紙本全三 つかいまい 〈永田生慈〉 合をいし これに対して、④不確実性は、起こ には一様でない。しかし、十分小さい部分では両者を交互に舞う「番舞の制」がある。伴奏冊 ) を引き続き刊行している。 めいりよう ぶき の管楽器は舞楽吹と称し、拍節感が明瞭に示回小林忠解説「浮世絵大系富嶽三十六景』りうる状態はわかっているが、その確率分布が 近似的に平衡状態にあると考えることができ わかっていない場合をいう。④無知とは、何が ( 一九七五・集英社 ) る。これを局所平衡という。局所平衡にある微される奏法がとられる。↓雅楽〈橋本曜子〉 ふしみ ふかくじっせい uncertainty 将起こるか、どのよ , つな状態が起こりうるか、ま 小部分については、先の不等式のかわりに 深草ふかくさ京都府伏見区の北部、荷不確実性 ったく予見できない場合をいう。なお、広義の 山西麓から鴨川左岸にかけての地区。旧深草来起こりうべき事象に関して人間がもつ情報の dS=d 、 Q 、、 T + (dS)irr が成立すると考える。 やよい (dS)irr は不可逆変化によってこの部分に生じ町。稲荷山西方の扇状地上の深草遺跡は弥生時正確さについての一区分。トランプ、将棋など不確実性とは、⑨リスクと④不確実性の両者を はた 代初期の農耕集落遺跡。稲荷山には、秦氏によのゲームや野球、サッカーなどのスポーツで次さす。概念的には、意思決定者が所有する情報 たエントロピーである。この変化が微小な時間 まっ って祀られたのが始まりといわれる伏見稲荷大の手を決めたり、日常生活である決定をしたの度合いに応じて、別図のようにまとめること 間隔市の間におこったとして、この式の両辺を り、あるいは企業で投資や新製品開発などの決ができる。 社がある。風光のよいところから平安時代には 市で割り、 dS 、、 dt= (d 、 Q/T) 、、 dt+ ()S 、、 dt)irr うたまくら このような概念的な枠組みは、一九二〇年代 貴紳の別業が営まれ、また歌枕としても知ら定をしたりすることを、専門用語では意思決定 とする。これはエントロピーバランスの式とい 、意思決定を行う人に経済学者・・ナイトが初めて発表し、四 decision making と ) しし われ、 ()S 、、 (t)irr はエントロピー生成速度とれ、『古今集』『伊勢物語』などに地名がみえ いわれる。熱伝導、電気伝導などは典型的な不る。江戸時代には稲荷大社の門前町を除いて農を意思決定者 decision make 「という。ある〇年代から五〇年代にかけて数学者の・ノイ かわら 可逆変化であるが、これらに対してエントロピ村が多かったが、瓦や伏見人形を産する窯業も意思決定を行うときには、なんのために決定をマンと経済学者の O ・モルゲンシュテルンや統 せいろく ず 確実性 不確実性 リスク 広義の不確実性 142

3. 日本大百科全書 20

ぶんしす 〔構造決定法〕一般に分子構造というときに ずその幾何学的構造、つまり結合距離と結合角質といった情報分子のレベルで解明しようとす獲得した機能を長い進化の過程で保持し続ける る学問分野。おもに分子生物学の誕生以後に発傾向があり、そのため一方の遺伝子で従来の機 は、電気的に中性の分子だけでなく、多原子イを知るのが第一であるが、物質の物理・化学・ オン、ラジカルなど、複数の原子が化学結合に生物的性質を明らかにするためには、核および達した。また、分子進化学では、遺伝子やそれ能を果たし、コピーされたもう一方の遺伝子に よって連結されているものすべてを含む。 電子の運動あるいはエネルギー状態が関与するがつくるタンバク質がどのような仕組みで進化突然変異を蓄積して新しい機能を進化させるわ けである。こうした遺伝子重複の機構によっ 分子構造の決定法は、回折法と分光法に一一大動的挙動の解明を必要とする。多くの測定法がするか、といった問題も重要な研究対象となっ ている。 て、生物は過去三十数億年の間に多種多様な機 別される。回折法には X 線、電子線、中性子線その目的のために開発され、改良されつつある。 突然変異は進化の素材であるが、 QZ<< は進能をもった遺伝子を進化させた。 などが利用される。分子内あるいは結晶内の原それらの実験科学的手段の発展がある一方、高 一九七〇年代後半から直接 QZ<< の塩基配列 子の規則的配列が回折格子となるところから、速電子計算機の進歩は、量子力学理論による分化の過程で受けた変異を蓄積しているので、進 原子間距離や結合角度が求められ、結合電子密子構造の直接計算への道を開きつつある。とく 化に関する情報ももっていることになる。このを解析することができるようになり、分子進化 度分布、核スピンの配列などに関する情報も得 にモレキュラーグラフィックスとよばれるコンような情報は異なる生物のやそれが暗号の研究は急速に進歩した。その結果、遺伝子 化しているタンパク質を比べることによって得は、従来の研究ではわからなかった QZ< の大 られることがある。分光法では線・ X 線から ピュータ画像処理は、実測されたものだけでな きな変化を伴う、多彩で動的な仕組みで進化し 、理論的に考えられる分子構造をも三次元立られる。この生化学的手法に基づく進化の研究 紫外・可視、赤外、マイクロ波に至る広い領域 〈宮田隆〉 の電磁波が利用される。それらの分光スペクト 体画像として描出することを可能にした。これは、種間の形態の比較や太古に存在していた生ていることが明らかになった。 によって、化学反応性や薬理作用などの分子機物の化石の調査といった従来の研究方法からはÉ)h ・一一ニオ著、長野敬訳『分子進化学入門』 ルの解析から、原子核および電子のエネルギー ( 一九会・紀伊國屋書店 ) 得られなかった重要な事実を明らかにした。 状態、分子の旋光性、分子内の原子の振動、分能を予測して設計された分子を合成するとい ぶんし molecular う、分子設計合成が格段に進歩したほか、分子 子回転など、分子の幾何学的構造や原子あるい その一つに分子進化の中立説がある。 0 ・ダ分子スペクトル は電子の動力学的状態に関する情報が得られ生物学、遺伝子工学などの複雑な分子構造をも ーウインの自然選択説によれば、目に見える表 spectrum 二原子分子や多原子分子が吸収ま る。磁場内での電波の吸収を利用する核磁気共 っ系での立体分子構造の解明も比較的容易にな現型のレベルの進化では生存に有利な突然変異たは放射する光のスペクトル。原子スペクトル の場合と同様に、吸収または放射される光の光 っている。↓構造化学↓物理化学〈岩本振武〉が進化の対象になるが、遺伝子のレベルでは、 鳴、電子スピン共鳴、あるいは核四極子共鳴に このような適応的な進化よりも、おもに自然選子工ネルギーは、遷移に関与する上と下の状態 よると、核スピン、電子スピン、あるいは核四回児島邦夫・前田史朗著『分子の構造』 ( 一九 択に有利でもなく不利でもない中立的な変異がのエネルギー差に等しい。原子の場合と異なり 七六・朝倉書店 ) 極子の状態が観測され、それらと化学構造との 偶然に集団中に広まることによって進化がおこ分子ではエネルギーは三つの部分すなわち回転 関連を解析して、微細な分子構造に関する情報文冶五年奥州合戦ぶんじごねんおうしゅうか おうしゅうせいばっ ると、中立説は主張する。この説は新しい観察エネルギー、振動エネルギーおよび電子工ネル っせん 0 奥州征伐 が得られる。 事実を説明するために一九六八年 ( 昭和四三 ) ギーの和として表される。エネルギーの値は列 これらの方法のほか、誘電率、磁化率、音波吸分子式ぶんししき molecular formula もとお = = ロした頂に麦者ほど大きい 収の測定、熱測定なども分子構造の解析に有力化合物または単体を構成する原子の種類と個数木村資生により提唱された。 三種の状態エネルギーに対応して三種のスペ 第二に、「分子時計」の発見がある。一九六 な情報を与えている。高分解能電子顕微鏡によを示す化学式。↓化学式 二年、ズッカーカンドルとポーリングは、タンクトルが存在する。回転状態の変化のみによる ぶんしじしやく molecular mag- る分子構造の直接観測も可能になりつつある。分子磁石 スペクトルは純回転スペクトルとよばれ、マイ ハク質が進化する過程で、時間の経過とともに net このことばは一つには歴史的なものであ 〔分子構造論の発展〕分子構造の理解には、ま る。磁石はいくら小さく分割しても、対等な両一定の割合でアミノ酸が別のアミノ酸に置き換クロ波から遠赤外の波長領域に現れる。異なる ク 2 デ配布塩橋け , 緑あ a 鎖す 極をもっ磁石であって、けっして単極を得られわっていることを発見した。この性質のことを振動状態間の遷移には同時に回転状態の変化を でと < ツンモ鎖分は架分当 ィリ積と基色色で鎖鎖 , る ないことから、分割の極限として分子もまた磁分子時計とよんでおり、現在 QZ<< レベルでも伴い、普通、赤外領域に系統的に並んだ多数の ) りなす フス体 ) 性青一の ラン実 ( 極 が , あら示 石であると考えられるようになった。 成り立つ一般的性質であると考えられている。線からなる帯スペクトル ( バンドスペクトル ) グイっ布。基 ' は己貞残色鎖でかを 磁性体の研究が進んだ現在でも、このことば六七年、フィッチとマルゴリアシュは分子時計を生する。これは振動・回転スペクトルとよば 子タ又分較性色鎖 < 3 黄 0 の組体 , とも 2 1 里 ・カ並 論分プ基比醵黄 れる。電子状態の間の遷移では、振動状態・回 は限定的に使われることがある。物質の中に局を利用して、広範な生物種から抽出したタンパ 造ンる性のは , す色 cn 鎖銷じの 2 構コよ ( 極 ) 色基表赤が o < 同鎖ち 転状態の変化が同時におこり、可視から紫外領 ク質を比較することによって、これらの生物が 所的で一定の大きさの磁気モーメントがあり、 かわ 子ソに体の赤性を , 色が 分ハス量ル置の基部は桃色る鎖とな それが回転だけができるとき、それを分子磁石たどった進化の道筋、すなわち系統樹を作成し域に規則性をもって密集して並ぶ多数の帯系か とよぶことがある。それは、多くの場合、遷移た。この系統樹は化石の証拠からっくられた系らなる帯スペクトルをつくる。これは電子項ス ペクトルとよばれる。 統樹をよく再現しており、分子に基づく生物の 元素の原子やイオンである。素磁石という語も 分子の回転状態はその分子に固有の回転定数 これと同義にも使われるが、それは電子のスピ系統分類の基礎となった。この方法は、現存の と回転量子数によって決まる。回転スペクトル ンを意味する場合もあり、その点で分子磁石と生物がもっ分子の比較だけから過去の生物進化 〈宮原将平〉が再現できること、また扱いが容易であり、客は、分子の回転定数を測ることによりその慣性 すこし異なる。 モーメント、したがって平衡核間距離などを調 分子蒸留ぶんしじようりゅう molecular 観性・定量性があるなど、種々の点で優れてい べるのに役だてられる。分子の振動状態は分子 distillation 普通の減圧蒸留では蒸留できなる。 の共鳴振動数・解離エネルギーなどと振動量子 第三に、新しい機能をもった遺伝子の進化に い高沸点のものを蒸留するために考案された蒸 は遺伝子のコピーをつくること、すなわち遺伝数で表される。多原子分子では分子軸の方向の 留法の一種。↓蒸留 伸縮振動のみでなく、結合角の変化する変角振 生物の進化の子重複が重要であることが広く認められるよう 分子進化学ぶんししんかがく になった。一般に遺伝子やタンバク質には一度動もおこる。振動スペクトルの測定は分子の対 現象をデオキシリポ核酸 (QZ<) やタンバク ガンマ 825

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ふらすち 〔表 8 〕熱的性質 ( 使用可能温度 ) ( 1 ) 長期耐熱温度 ( 90 日以上 ) 材料名 材料名 熱硬化性 フェノール樹脂 ( 無充填 ) フェノール樹脂成形ロロ フェノール樹脂 ( アスベスト充填 ) メラミン樹脂積層板 不飽和ポリエステル樹脂 ( キャスト ) ポリエステル アリル樹脂 ( キャスト ) フタル酸ジアリル ェポキシ樹脂 熱可塑性 成形ポリウレタン メタクリル樹脂 硬質塩化ビニル樹脂 硬質塩化ヒ、ニル樹脂 軟質塩化ビニル樹脂 ポリスチレン 塩化ビニルー酢酸ビニル 塩化ヒ、ニリデン樹脂 メタクリル樹脂 セルロース化合物 GP- ポリスチレン トロセルロース 8 ~ 16 高圧ポリエチレンフィルム 酢酸セルロース 10 ~ 20 成形ポリビニルカルバゾール アセチルセルロース 4 ~ 19 ポリテトラフルオロエチレンフィルム 工チルセノレロース ポリクロロトリフルオロエチレン 板ガラス 700 ~ 800 シリコーン樹脂 ( アスベスト充填 ) アセチルセルロース 注 : 伊藤公正編『プラスチックデータハンドブック』より ェポナイト ( 無充填 ) 〔表 7 〕各種プラスチックの摩擦係数 注 : 電気学会編「高分子材科の劣化こより プラスチック上に鋼 プラスチック上 材料名 ( 2 ) 耐用温度 ( ℃ ) にプラスチック 4 ん 4 ん 材料名 テトラフルオロエチレン樹脂 0 . 0 . 05 0 . 04 04 フェノール樹月旨 FEP * 0 . 18 フラン樹脂 低密度ポリエチレン 0 . 33 0 . 26 ポリエステル 咼當度ホリエチレン 0 . 08 0 . 11 ェポキシ樹脂 ~ 0 . 12 ABS 樹脂 ポリアセタール 0 . 13 0 . 14 高密度ポリエチレン フッ化ビニリデン樹脂 0 . 3 3 0 . 25 ポリ塩化ビニル I ポリカーポネート 0 . 60 0 . 53 ポリ塩化ビニルⅡ ポリエチレンテレフタレート 0 . 20 0 . 29 0 . 28 ポリ塩化ヒ、ニリデン 6 , 6 ーナイロン 0 . 37 0 . 34 0 . 35 ホリテトラフルオロエチレン クロロトリフルオロエチレン樹脂 0 . 33 0.32 0 . 45 ポリクロロトリフルオロエチレン 塩化ピニル樹脂 0 . 40 0 . 40 0 . 45 ポリフッ化ビニリデン 塩化ビニリデン樹脂 0 . 45 0 . 52 0.58 塩素化ポリエチレン ポリプロヒ、レン 注 : * テトラフルオロエチレン一へキサフルオロプロヒ。レン共重合体 は静摩擦係数 , は動摩擦係数。は摩擦面の摩擦力と垂直荷重の比を表す 注 : Gackenbach " C 厖川 . Eng. 乃マ ) 望・ " より 〔図 I 〕 〔表 9 〕市販熱可塑性樹脂の屋外使用推定寿命 〔表 10 〕各種プラスチックの酸素指数 ( 1 ) 応力一変形量曲線 材料名 酸素指数 推定寿命 ( 年 ) 樹脂 中衝撃性ポリスチレン ポリエチレンオキシド 15 . 0 AS 樹脂 ポリアセタール ( 30 %GF 入り ) 15 . 6 高剛性 ABS 樹脂 ポリメタクリル酸メチル 17 . 3 2 . 5 ~ 3 . 5 中衝撃性 ABS 樹脂 酢酸セルロース ( 4.9 % 水分 ) 18 . 1 高衝撃性 ABS 樹脂 ポリスチレン 18 . 2 ガラス繊維強化 ABS 樹脂 ホリエチレン 19 . 0 ポリプロピレン (FR) ( 6 ~ 7 ) AAS 樹脂 4 ~ 5 29 . 2 ポリフェニレンオキシド ( 6 ~ 7 ) ACS 樹脂 4 ~ 5 30 . 0 6 , 6 ーナイロン ( 水分 8 % ) ポリカーポネート 30 . 1 ポリスルホン ポリプロヒ。レン ( 一般グレード ) 30 . 4 ABS 樹脂 (FR) 無機質強化ポリプロヒ。レン 31 . 7 アルキド樹脂 ポリエチレン 41 . 0 ポリエステル ポリ塩化ピニル 41 . 5 ポリカーポネート 42 . 0 注 : 括弧内の数字は若十の安定剤を添加した場合 ポリフッ化ヒ、ニル 43 . 7 小太刀功成ごプラスチックマテリアル』よリ ポリ塩化ヒ、ニル 45 . 0 ェポキシ樹脂 47 . 6 〔図 J 〕引張り試験用テストピース ( 単位 : mm) 工ポキシ - ガラスラミネート 49 . 0 マイカ充填フェノール 52 . 3 ポリ塩化ピニリデン 60 . 0 ポリテトラフルオロエチレン 95 . 0 注 : lssaacs " Mo / ) な s ドよリ 〔表 6 〕各種プラスチックの硬さ ビャーノヾム 引っかき硬さ 平均圧力 (kg/mm2) 引っかき溝幅 (mm) 温度 ( ℃ ) 120 ~ 130 160 90 90 0 . 013 ~ 0 . 012 0 . 010 ~ 0 .009 0 . 017 ~ 0 . 014 0 . 014 ~ 0 .009 ワ」 1 人 -4 ・ ワ」っ 0 1 よイ 1 ワ】ワ 0 -0 95 ~ 100 110 ワワ」 00 -0- 0 ′】 11 1 ー 4 11 ・ー 4 、ー人 1 人 0 . 014 ~ 0 . 013 0 . 018 ~ 0 . 017 0 . 018 ~ 0 . 017 0 . 024 ~ 0 . 018 -0- 11 11 11 11 80 ~ 90 60 ~ 70 80 100 80 120 > 250 > 200 > 250 100 120 ~ 130 ワ】 1 ワワ】 -9 、 ワ」 LO 《 0 -0- 0 . 019 ~ 0 . 014 0 . 017 ~ 0 . 012 0 . 027 ~ 0 . 013 0 . 024 ~ 0 . 019 0 . 002 ~ 0 . 001 連続使用 150 120 105 120 反復使用 180 150 135 150 80 120 70 260 230 充境剤 アスベスト アスベスト ガラス繊維 ガラス繊維 4 S 0 . 10 0 . 25 0 . 27 0 . 18 0 . 33 0 . 12 ワ」ワ」 - 血・ワ」 -4- ワ】イ 1 1 よ 70 ~ 105 ~ 60 ~ 70 ~ 230 ~ 200 ~ 15 0 ~ 0 . 27 0 . 42 0 . 43 0 . 50 0 . 90 120 120 150 150 カ ポリスチレン ( ガラス状 ) ポリエチレン 天然ゴム 降伏点 再配列 、 1 1 ・ - 11 ーロ日日 日化 ( 2 ) 応力一変形量曲線の五つのタイプ ノノ / 変 カ ↑ ー硬くて強い ーー変形量 ( ひすみ ) ー硬くてもろい 柔らかくて弱い 1 15 カ ↑ 硬くて粘り強い - ー + 変形量 ( ひずみ ) 20 60 175 柔らかくて 粘り強い 3 530

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ふえこと - ごっ 岩類およびこれに貫入した花崗岩し、文学グループ「セラピオン兄弟」に所属、ダイバーシティー受信方式が用いられている。 類よりなり、山がちである。島の ↓ダイバーシティー方式 「同伴者作家」として活動を始めた。革命前期 〈若井登〉 最高峰ヨーガン山 ( 標高一一四六九 ) のドイツとロシアを舞台に、激動する歴史のなフェス Fez 北アフリカ、モロッコ中北部 イた があるダーウイン山脈が走り、多かに生きる知識人の問題を追求した長編『都市の古都。首都ラバトの東二〇〇キ。 リフ山脈と くのフィヨルドに刻まれた出入り と歳月』 ( 一九 = 四 ) で注目された。長編『兄弟』中部アトラス山脈の間の盆地にある。人口五四 スた ウ果の多い海岸線を呈している。ま ( 一九一一 0 、「ヨーロッパの奪取』 ( 一九三三 ~ 三五 ) に続万八二〇六 ( 一九八一 l) 。大西洋岸とアルジェリア 一のを た、偏西風に直接さらされて降水 き、第二次世界大戦後は長編三部作『最初の喜を結ぶ東西の通路と、タンジールとサハラ地方 さんろく 量が多く、山麓部は森林に覆わび』 ( 一九四五 ) 、『異常な夏』 ( 一九四 0 、『かがり火・ を結ぶ南北の通路とが交わる交通の要衝に位置 ン要 第一部』 ( 一九六 D を書き続け、二〇世紀ロシアする。何度も首都としてマグレプ地方のイスラ ゼ重れ、高所には氷河が発達してい る。雪線の高さは標高一〇〇〇 〈水野忠夫〉 の現代史を雄大な規模で描いた。 ム文化の中心地になり、古い寺院など名所、旧 アし ると 前後である。 回工藤精一郎訳『都市と歳月』 ( 『世界文学全集跡が多い。市域は成立時期により三地域に大別 主れ地 島の北部のマゼラン海峡沿いの 四』所収・一九六七・集英社 ) ▽小沢政雄訳される。九世紀イドリース王朝の首都となった 軍地方では良質の石油を産出し、チ 『異常な夏』全三巻 ( 一九五一一・三一書房 ) 古いフェズ ( フェズ・アルバリ ) は、フェズ川 リにとってもっとも重要な産油地フェージング fading 電波の強さが時間 沿岸の斜面に広がり、壮麗なカラーウイン・モ とで 怖争帯になっている。島の人口はチリ とともに急速に変動する現象をいう。変動振幅 スク、イスラム神学校 ( マドラサ ) 群、市場な 土名幺 4 領内に約七〇〇〇、アルゼンチン は、数 ' シベル程度から最大二〇デ、 , ベル程度のもどがある。その南西には一三世紀マリーン王朝 領内に二万一一〇〇 ( 一九七九 ) 。おのまであり、周期は、一秒以下の速いものから により建設された新しいフェズ ( フェズ・アル 界一もな集落に、アルゼンチンのリ 数分程度の遅いものまである。フェージングは ジェディード ) があり、王宮や旧ユダヤ人街な 世オ オ・グランデと世界最南の都市とその発生原因によって次のように大別される。 どがある。止の上には二〇世紀のフランス植民 フ 島のして知られるウスワイア、チリの ①伝搬通路長の異なる一一つ以上の電波が受信点 地時代につくられた整然としたヨーロッパ風市 ゴ年 ポルべニル ( 大半はユーゴスラビで互いに干渉しあうことにより生ずる干渉フェ 街地がある。国の内外から観光客が訪れ、交通 フ ア系住民 ) などがある。〈松本栄次〉 ジング。受信波の偏波面が受信アンテナに 〈藤井宏志〉 は鉄道のほか空港もある。 ー一九一七 ) ド 三、七一、七四年には死傷者が出た。爆発型噴フエサン Fezzan 北アフリカ、リビア南対して変動するために生する偏波フェージンフェスカ Max Fesca ( 天瑩 火が特徴だが、しばしば溶岩流を出し、ときに西内陸部の地域。狭義にはセブハ・オアシスをグ。③伝搬媒質による吸収が変化するために生ィッの農学者。プロイセンに生まれる。一八七 は溶岩円頂丘や火砕流も生ずる。〈諏訪彰〉中心とするオアシス群の呼称で、広義には一九ずる吸収フェージング。④電離圏伝搬に特有の 三年ドクトルの学位を授与され、七五年ゲッテ とう lsla Grande de Tier- 五一年の独立後連邦制をとったとき、トリポリ もので、跳躍距離の近くで通信する場合に、電 フェゴ島 インゲン大学の私講師となる。農商務省の招き タニア、キレナイカとともに三州の一つであっ離層のわずかな変化で電波が届いたり届かなか により八二年 ( 明治一五 ) 来日、九四年まで地 ra del Fuego 南アメリカ大陸南端部の島。 マゼラン海峡以南にあるティエラ・デル・フェたフェザン州をさす。フェザン州の範囲は約九つたりするために生ずる跳躍フェージング。 質調査所で土性調査事業を指導し、九二年まで ゴの群島のうち最大の島である。島の南側はビ〇〇キロ四方で日本の二倍の広さがある。サハラ また、関連する現象面からの分類として、 は駒場農学校およびその後身の東京農林学校、 ーグル海峡によって、ホーン岬のある大陸最南砂漠の一部で岩石砂漠の台地と砂砂漠の低地か ①ラジオ・ダクト中のいくつかの通路を伝搬す帝国大学農科大学の農学教師を兼任した。主著 の島々と隔てられている。面積四万八二〇〇平らなり、ワジ ( 涸れ谷 ) が走る。降水量はきわる電波が互いに干渉して生するダクト形フェー に『日本農業及北海道殖民論』 ( 一 公 0 、『日本 方キ。。このうち東半分の約二万平方キ。がアルゼめて少なく、夏の日中は四〇度 O を超える高温ジング。⑦大気屈折率の高さによる変化に伴っ 地産論』 ( 一瓮一 ~ 九四 ) がある。帰国後は・ヘルリ ンチン、西半分がチリに属す。 となる。住民の大部分はアラブ人であるが遊牧て電波通路が変動して生するん形フェージングン農科大学、ウィッツェンハウゼンおよびハン 年間を通じて太平洋からの偏西風が吹きすさ民のトウアレグ族もいる。生業はオアシス農業 ( 屈折率変動を等価地球半径係数々の変化とみ。フルク植民学校において熱帯農業の研究に従 ぶが、とくに春に強く吹く。低地における年平と遊牧である。ブラック、セブハ、ムルズクをなしての命名 ) 。散乱通信、極地通信などの事、 fDer P. こ寒ぎ T 、 und Sub- 均気温は一般に五 ~ 七度 0 、気温年較差は一〇それそれ含む東西方向の三列のオアシス群が中際に現れる非常に変動の速いフラッターフェー ご、を』 ( 一九 0 四 ~ 一 I) の著書を残した。ハンプ 度 0 以下であり、南緯五二度から五五度という 心にあり、古代から地中海とスーダン地帯を結 ジング。④伝送しようとする周波数帯域のなか ルクにおいて死去。 〈友田清彦〉 じようやく Treaty of Fez 高緯度に位置するわりには厳しくない海洋性のぶ重要な中継点として栄えた。第二次世界大戦で特定の周波数が強められたり弱められたりすフェズ条約 気候をもつ。島の北東部と南西部では自然の特後、石油開発の進展につれ海岸部へ人口が流出る結果生ずる選択性フェージング、などがあ一九一二年三月モロッコのフェズで調印され 徴に多くの差異がある。北東部は中生代から新する一方、石油収入により農牧業の近代化や遊る。また強度変動の幅が小さく、周期の短いフた、モロッコをフランスの保護領とする条約。 たいせき 〈藤井宏志〉 生代にかけての堆積岩からなる低山、台地、平牧民の定着化も図られている。 ) のスルタ エージングをとくにシンチレーションフェージモロッコはアラウィー朝 ( 一六三一 ~ 野で、偏西風の山陰にあたるため降水量が少なフェージン KOHCHHTHH AJleKcaHJIPO- ングという。これは介在する大気の揺らぎに主ンのもとでヨーロッパとオスマン帝国の二大勢 、草原になっており、主としてイギリスから BHH (beAHH//Konstantin Aleksandrovich として起因するものであって、銀河から到来す力から自立していたが、一九世紀に入ってフラ の移住者たちによって開かれた大農場 ( エスタ Fedin ( 天九一一 ー一九七七 ) ソ連の小説家。ポルガる電波や、人工衛星からの電波にしばしば現れンス、イギリス、スペインなどの列強がしだい ンシア ) でヒッジの放牧が行われている。これ地方のサラトフに生まれる。父は農奴出の小商る。 に圧力を強めていった。一 八三年のマドリー に対して、アンデス山脈の南方への続きにあた人で、母は教師の娘。モスクワ高等商業卒業後 フェージングを軽減し、受信波の品質を改善ド条約、一九〇六年のアルへシラス会議を経て る島の南西部は、古生代ないしそれ以前の変成 ドイツのニュルンベルクに留学。革命後帰国するため、複数個の受信信号を合成する各種の フランスはモロッコへの介入を強化し、フェズ

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カ変化を補正しても重力値はかならずしも標準で、この過渡現象を利用すれば、一般に利用さ温度に対する国際実用温度目盛の一三の定義定物理変化ぶつりへんか physical change 化学的な組成の変化がなく状態のみが変化する 値と一致しない。それゆえ、逆に密度分布の不れている定常状態では得られない地下構造の資点の値も、精度は劣るが基本単位を決める定数 といえなくもない 。↓普遍定数〈江沢洋〉現象。化学変化に対応する用語で、単に見かけ 均質に基づく重力異常から地下構造の密度分布料が得られる場合がある。 の姿が変わったときに用いられる。たとえば、 physi ・ を解析し、背斜、向斜などの地下構造を解釈評〔相対探査法〕人工的にまたは自然に変化する物理的アレルギーぶつりてきーー 価する。 物理現象の相対的変化を利用する探査法。磁気 cal allergy 明確な抗原との接触によるもの常温で水は H20 という化学組成をもつが、こ 〔電気探査法〕地下構造の電気的性質 ( 比抵探査における磁気異常と磁性鉱床、放射能探査ではなく、寒冷、温熱、光線、運動などをはじれを低温にすると氷に、高温にすると水蒸気に 抗、透磁率、誘電率 ) の分布の相違を利用して における放射能異常と放射能鉱床とのそれそれめ、気圧の変化や前線の通過なども含む機械なる。氷も水蒸気も化学組成は H20 であり、 化学変化はおきておらず単に状態が変化しただ 地下構造を探査する方法。電気探査はその種類の関係は直接的で、解釈評価は容易であるが、的・物理的刺激によっておこるアレルギーの総 が多く、表 2 は電気探査法一覧で、人工的また一般に測定に利用される物理定数と探査対象の称であり、物理アレルギーともいう。発生機序けである。水の中に砂糖を溶かしたとき砂糖水 ができるがその後に水を蒸発させると砂糖が析 は—型反応によると考えられている。↓アレル は自然に発生している電界や電磁界による電位地下構造の状態および性質とは直接的な関係が 出する。これは物理的な溶解現象である。ま や電流などの諸量を地表、地中、空中などで測 ない場合が多いので、相対的な変化を利用してギー こ、水にナトリウムを加えると、ナトリウムは 定し、測定結果から、地下構造の比抵抗異常分地下構造を探査する。たとえば、既知の比抵抗物理分析ぶつりぶんせき physical analy- sis 物質に特有な物理的あるいは物理化学的水と反応して水酸化ナトリウムと水素ガスが発 布、分極異常分布、電磁誘導異常分布を解析の液体を地下構造に注入し、比抵抗の相対的な な性質を利用して、その中に含まれている成分生する。水を蒸発させてもナトリウムは析出し し、金属鉱床、地下水地帯などの地下構造を解変化から地下構造の工学的性質を評価する。 これは水とナトリウムとが化学反応をし 釈評価する。 物理探査には以上のように種々の方法があを検出、確認したり、その成分の含有量を求めない。 た溶解であり、同じ溶解であってもこれは物理 〔磁気探査法〕地下構造の磁性体の分布の相違り、それそれの特長がある。探査対象によってる技術または方法をいう。主として機器を用い ↓化学変化 〈下沢隆〉 を利用して地下構造を探査する方法。地下構造は複数の方法を併用して精度を向上する。得らて行うので、狭義の機器分析ともいうが、補助変化ではない。 はすべて地磁気の中に置かれており、程度の差れた地下構造の分布状態は一般に試錐や試掘に手段として化学的手法を併用する場合も含めて物理冶金ぶつりやきん physical metallur- 〈吉住永三郎〉広く物理分析ということもある。 gy 鉱石から金属を製錬して、各種の金属材 はあるが磁石の状態になっている。すなわち磁よって確認される。 歴史的には、一八五九年のドイツの。フンゼン料を製造する技術を冶金という。この冶金に関 化されている。磁化の差は地下構造の磁化率物理定数ぶつりていすう物理量の表式に現 とキルヒホッフによる分光分析法の発明をはじする科学は物理冶金学、化学冶金学、加工冶金 ( 透磁率 ) の差によって異なる。それゆえ、磁れて ( 場合によっては条件つきで ) 一定とみな 学に大別され、物理冶金では結品構造の解析、 される数。ただし、円周率や自然対数の底のよめとし、多くの技術や方法が開発され、とくに 気異常から地下構造の磁性体の分布を解析し、 うに数学的に定義されるものを除く。次の三種一九五〇年ごろから電子技術の発展に伴い、こ組織の観察、物理的特性の制御などを取り扱 たとえば鉄鉱床を探査する。 う。なお、近年は、冶金学を金属工学、物理冶 〔放射能探査法〕地下構造内に含まれる天然放に分類できる。①個々の物質やそれが置かれたれを高度に利用した分析機器が次々と登場し、 ガンマ 〈西沢泰二〉 いわゆる機器分析の時代になっている。物質の金を金属物理ということが多い。 条件によらず、つねに一定の値を保つ普遍定 射性鉱物から放出される放射線 ( 主として ふってきりゅうつう 線 ) を利用する探査法。この探査法は電気探査数、②物質の特性を表現する物質定数、③両者光学的あるいは電気化学的特性を利用する方法物流ぶつりゅう 0 物的流通 ぶつりりようほう や弾性波探査とは異なり、放射性鉱物鉱床とはの背景をなすものとして、「一秒とはこ 3Cs 原が多いが、放射能、質量、熱その他あらゆる特物療内科ぶつりようないか 0 物理療法 ぶつりりようはう physical thera- 直接的である。一方、断層や地すべりに放射性子の基底状態の二つの超微細準位間の遷移に対性が利用されている。一般に、高感度で迅速性物理療法 があり、試料に化学変化を与えすに分析でき、 py 水、熱、光、電気、機械的な力など種々 鉱物が含まれる場合があり、測定結果から断層応する放射の 9192631770 周期のこととする」 の物理的作用要素を用いて行う治療法の総称。 . 定や分析操作の自動化が容易なために、 や地すべりの状態が間接的に解釈される。 というように基本単位を決める定数がある。ま連続」 た、一気圧での酸素の沸点を絶対温度 90.188 化学はもちろん生物、薬学、医学その他あらゆ機械的療法には運動療法 ( 治療体操など ) をは 〔過渡現象探査法〕ある定常状態から他の定常 〈高田健夫〉 じめ、マッサージ、牽引療法、鍼治療、カイロ る分野で広く利用されている。 状態に移行する場合に発生する現象が過渡現象 K とし、水の沸点を同 373.15K とするなど、 プラクティックなどのほか、超音波療法も要素 的にはこれに含まれる。電気療法 ( 電気治療 ) ン」 る には低周波療法や高周波療法など、光線療法に bC bC bC て は赤外線療法や紫外線療法など、水治療法には 1 0 Z Z 一 あんまう 接 ワ】っ 4 ワ】 治療浴や罨法などがそれそれ含まれ、温泉療法 1 よ -0- -0 0 -0- 0- -0 -0- O O -0- -0 ・ 1 -0 0 11 11 1 よ -0- 1 人 1 人「 1 11 -0 ・亠 1 ・人 1 人 ワ -. 0 は化学的な作用要素も加わるが物理療法に含ま X X X X 《 0 1 よ 1 ー亠 11 00 0 ) ワ」 / 戸 0 っ・】ワ 1 れる。 -0 ′ 0 11 つう 4 ・ 1 よ -0 0 -0 1 よ っ朝、ー人 ワ朝「ー / 日いワ」ワ」 1 よ C-O CO 、 1 / -4- C••a 《 0 00 また、気候療法には転地療法も含まれ、温熱 と 療法には高周波療法、光線療法、水治療法など 例 る 率 ン の と内容的に重複するものが多い。なお、放射線 抗 て メ 数 ム 室 療法は放射線科で扱われ、狭義の物理療法には ウ 定一 比 液乾 のギ モ 例 ム ス℃ 。↓放射線科↓放射線療法 含まれない : 定 ウ ム 子素の ンイ気 日皿 り・数子ル子子子 1 几 ン 一般に、物理療法に対する生体反応には種々 率ゴ力。 分ネ原分離分ナ子品極子水数 率、冫ジ 0 ① 5 率 0 ン ( 室 工素素距素化分結双分化定量素ラ素グ性張に銀張 ( ン 銀気導テ気抵鉄リラ の型がみられ、高温浴などには耐えられるが冷 理子合水水尚水塩 気水塩質子水ウ度水金ン鋼面水衣膨銅イ熱銅水空辰銅ス水空気銅鋼シ。 ぶ物原結 核 物原 却に弱い型やその逆の型など、個人差が認めら 6 .47X10 ー 30 C ・ m 3 .74X10 ー 30 C ・ m 1 .0079 2.380289X 102 8.98X 10 ー 1 kg/m3 1 .93X 104 kg/m3 けんいん 421

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ぶりつじ 口一四万二五四六 ( 一九含 ) 。電気、機械、食品、 る抵抗変化を熱線風速計の場合と同じように。フ 〔ダブル・フリッジ double bri- リッジで検出し、引張りカや圧縮力を測定す自動車部品、衣料、プラスチック、火器、ヘリ dge 〕ホイートストン。フリッジで 〈高尾利治〉 コプター、医薬品など多種工業が盛んである。 低抵抗 ( 〇・一オーム以下 ) を測る。 一六三九年にピクウオノックという名称で町が 囲定すると、接触抵抗の影響によっプリツ一ンス Robert Seymour Bridges 定範 このために ( 天四四ー一九三 0 ) イギリスの詩人。ケント州に生建設され、何度か名前を変更したのち、一八〇 て正確には測れない。 の波 考案されたのがダブルプリッジまれ、オックスフォードに学ぶ。医者となった〇年に現名となり、三六年より市制が施行され 数周 波聴 ( 図 0 ) で、上下二つの部分が、のち詩作に転じ、第一詩集『詩編』 ( 天七三 ) た。南北戦争後工業の急速な発達がみられた。 周可 以降、数多くの詩集・詩劇を発表し、また散文。フリッジボート大学、。フリッジボート工業大学 で。フリッジを形成しているのでこ の名がある。 Q/P=q/p の関係をの著作も多い。代表作に長編詩『美の遺言』の所在地で、シーサイド公園のほか、スポー ツ、レクリエーション施設も多い。〈作野和世〉 つねに成立させながら、各辺の抵 ( 一九一一九 ) がある。名声は比較的遅く訪れたが、 けいかん 抗を調整して検流計の指示をゼ 一九一三年には桂冠詩人に叙せられた。・プリッジマン percy Williams Bridg ・ man ( 天 ー一九六 I) アメリカの物理学者。 ロとすると、未知抵抗の値は・ホプキンズの終生の友として、彼の死後、 へんさん 詩集を編纂刊行したことも忘れがたい功績であ高圧物理のほか科学哲学の分野の業績で知られ X=(Q/P)S で得られる。オー 〈沢崎順之助〉ている。マサチューセッツの著述家の子で、 ム程度までの低抵抗が、高い精度ろう。 ーバード大学を卒業、引き続いて同大学で学位 で測定できる。 。フリツ一ンズ calvin Blackman Br.idges ( 一会九ー一九三 0 アメリカの細胞遺伝学者。ニュを取得、物理の研究生を経て教職につき、一九 〔交流。フリッジ A. C. bridge 〕 ーヨーク州の生まれ。コロンビア大学卒業後、 一一六年に数学と理学の教授に就任した。〇八年 インピーダンスの値や周波数を正 ごろから高圧の実験に着手し、水銀の電気抵抗 確に測定する。フリッジ。測定対象カーネギー研究所などで研究を行った。ショウ ジョウバエ研究の創始者の一人で、・・モで圧力を測るゲージの開発を始め、自緊方式 により各種のものがあり、図は ルガンの門下の逸材。遺伝形質の発現における ( 発生させようとする高圧それ自体がパッキン その代表的なものである。交流。フ リッジは、位相と大きさの一一つの染色体の役割を明らかにし、近代遺伝学の概念グを締め付ける方式 ) の高圧発生方法の実用化 、ノョウジョウバエの伴性遺や、マンガニンの抵抗でひずみ ( ひいては圧 量が平衡しないと検出器がゼロをの体系化を導した。、、 はんよ・つ 伝子が x 染色体上に存在することを染色体の不カ ) を測るゲージの汎用化に成功、以後、高圧 指示しない。したがって直流プ ッジの場合に比べ、プリッジを平分離によって直接証明し、遺伝の染色体説の証研究をリードし、その功により四六年ノーベル ジ 衡させる操作が一般に複雑であ拠としての不分離や、欠失、重複、組換えと交物理学賞を受けた。 流 る。 叉、転座などを細胞学的に明らかにした。ま 一方、物理量の次元の問題から物理学上の概 交 C' フリッジ回路の応用〕平衡してた、遺伝子の組換え頻度に基づいて作成された念や論理の問題まで根本的に再考察し、ある概 ド だせん 図イ いるホイートストンブリッジで、連鎖地図と唾腺染色体の縞模様による細胞学的念はそれに対応する一連の操作と同義だとする サ 一辺の抵抗がわずかでも変化する地図との関係を明らかにした。アメリカ科学ア見解を述べ、科学哲学に一石を投じた。ただ と、平衡が破れて中央の枝路に電力デミー会員。著書に『メンデル遺伝の機構』し、この見解が操作主義の名で教条化されるこ 回 〈高田誠二〉 ( 一九一五 ) 、『ショウジョウバエの伴性遺伝』 ( 一九とを、彼自身は好まなかった。 流が流れる。したがって、逆にこ ジ ッ の電流から抵抗変化を検出した一九 ) 、『キイロショウジョウバエの遺伝学への貢フリッシュ Karl von Frisch ( 一公六ー一九 <ll) ウィーン生まれのオーストリアの動物学 回路図 平衡条件測定対象り、あるいは任意の物理量の変化献』 ( 一九一九・一九一一一 (l) 、『ショウジョウバエの遺伝 フ ^ 黒田行昭〉者。ウィーン大学で医学を、ミュンヘン大学で 学』 ( 一九一一五 ) などがある。 を抵抗変化に変換する素子を用い てあれば、平衡した点のこの値にの値を乗ずると、この電流からその物理量の変化を知るこフリッジタウン Bridgetown カリブ海は動物学を学び、魚、とくにハヤのすばやい体 とができる。 の小アンティル諸島東端にあるバルバドスの首色変化が、外界の刺激を視覚ではなく、頭部の れば、の値がただちに求められる。接触子が 都。人口七四六六 ( 一九会 ) 。バルバドス島南西半透明の皮膚を通じて感じることにより行われ 熱線風速計はその一例で、直径〇・〇一 すべり線の中央付近で平衡するときの誤差がも 〇・五ミリメートルぐらいの白金線を熱線とし、部のカーライル湾に臨む商港で、砂糖、ラムることをみいだし、学位を得た (一九 (O)O いく っとも小さい とうみつ 〔コールラウシュプリッジ Kohlrausch bri ・。フリッジの一辺に組み込み、電流を流して加熱酒、糖蜜などを輸出する。保養・観光地でもあっかの大学を経て、一九二五年ミュンヘン大学 dge 〕すべり線。フリッジの電源を可聴周波数のした状態で平衡させておく。次にこの熱線を気る。一六二八年、イギリス人によって建設さ教授、第二次世界大戦後はグラーツ大学からふ たたびミュンヘン大学に戻った。 交流 ( およそ一キ。ヘルツ ) とし、検出器も受話流や水流中に置くと相対速度によって放熱作用れ、小アンティル諸島のイギリス植民地を統轄 一九一二年、ミッパチが色彩感覚 ( 色覚 ) を ー ) やマジックアイ ( 同調指示が異なるので、熱線の温度が変わり、その結果する総督府が置かれていた。イギリス風の建物 器 ( レシー が多く、リトル・イングランドともよばれてい もっことを証明した研究以後、ミッパチに関す 管 ) としたもの。電解液の抵抗率測定や大地の抵抗も変わって平衡が破れ、検出器に電流が流 導電率、接地抵抗などのように直流電源で測定れる。あらかじめ目盛っておけば、この電流かる。南東一九キ。に国際空港がある。〈菅野峰明〉る多方面の研究を行った。ミッパチが偏光を感 ら相対速度を知ることができる。 プリッジボート Bridgeport アメリカじる能力を発見し、さらに一九年に彼をもっと すると、電極面に逆起電力を生ずる成極作用が 抵抗線ひずみ計も同様で、ひずみゲージをプ合衆国、コネティカット州南西端、ロング・アも有名にさせたミッパチダンスを発見し、驚く 現れたり、気泡やイオンの層を生じたりして、 リッジの一辺に組み込み、ゲージのひすみによ イランド海峡に面した同州最大の工業都市。人べきミッパチのコミュニケーションを明らかに 正確な測定ができない場合に威力を発揮する。 ウィーンプリッジ シェーリングプリッジ CI S C2 Q 静電容量や誘電体損の測定 SP= QR 1 十 - 財 自己インダクタンスの測定 654

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観光都市としても内陸部最大の中心で、「 本来のプリュッセル市は、一四世紀に築造さ 理学研究に転じた。四七年ポン大学物理学教授プリュックナー Eduard Brückner パリ」と称される。グラン・プラス ( 大広場 ) に就任の年に「結晶磁気の法則」を発見。ま ( 天六一一 ー一九一一七 ) ドイツの気候学者、地理学者。れた城壁を一九世紀末に除去した跡に建設され は、一五世紀ゴシック様式の高塔をもっ市庁 た、五七年ポンの機械工ガイスラー製作による東ドイツ南西部のイエナの生まれ。一 八八八年た五角形の大通り内部を占める。東部の台地に きんばく ガイスラー管を用いて気体放電研究を開始しベルン大学教授、一九〇六年からウィーン大学は王宮、行政機関や議会、最高裁判所や公園、舎、一七世紀末の金箔を置いたギルド・ハウス 高級商店街などがあり、西部の低地には市庁舎群などに囲まれ、 > ・ユゴーが「世界一美しい た。とくに、磁石の両極間に置かれた放電管中教授となる。一八九〇年に、大判三二四ペー の光条が屈曲する現象に注目し、それを物質粒ジ、全一〇章の大著『一七〇〇年以来の気候のや証券取引所など商業地区がある。工業地域は広場」とたたえた。ほかに「最古の。フリュッセ ル市民」たる小便小僧、サン・ミシェル大聖 子の「磁気曲面」への集中によると説明、さら変動』を出版した。その第二章でカスピ海の水西方のシャルルロア・プリュッセル運河沿いに に、陽極に近いガラス壁が緑色の蛍光を発する位について論じ、水位変化の原因となる気候が 北のビルポルドから南のアルまで延びている。堂、古典美術館、王立美術歴史博物館などがあ ( 陰極線に起因する ) 現象を発見した。六五年三五年程度の周期で変動することを発見した。既製服、皮革、印刷、製本、映画フィルム、自る。一八三四年創立のブリュッセル自由大学の 〈川上多美子〉 からもとの数学研究に戻り、線束の幾何学や四また第三章では出口のない湖水での水位の変化動車組立て、電気機械、せつけん、薬品、肥所在地。 次元の空 間について研究した。 〈宮下晋吉〉を調べ、ここでも三〇年から三五年の周期で高料、チョコレート、ビール、製粉などの諸工業〔歴史〕ローマ時代末期にサンヌ川の島にでき つづれおり が営まれるほか、レース、綴織の壁掛けやじ た村落から発達し、伝説によればサン・ジェリ 。フリュッカー座標ーーざひょうドイツの低を繰り返していることを明らかにした。プリ 数学者、物理学者であるプリュッカーの導入し ゅうたんなど伝統工業が有名である。人口は減という聖人が島に聖堂を建てたことに始まると ュックナーは数多くのこの種の資料を総合し いう。中世初期にフランク族が進出、定住し、 た座標。平面上の点には座標 0 ) が対応すて、。フリュックナー周期といわれている約三五 少しているが、隣接する自治体では一世紀で四 〈根本順吉〉倍に増加し、東部や南東部へ向かって宅地化が 一一世紀にルーバン ( ルーフェン ) 伯が城を構 る。斉次座標を使えば X: Y 【 Z Ⅱ鵞を 1 とな年の周期を導き出した。 えた。一二世紀末からケルンープリュッへ ( プ しゅうきドイ急速に進んでいる。一九七〇年代に地下鉄建設 る (X,Y,Z) が対応し、点の集合である図形プリュックナー周期 の研究は、それらの座標についての解析的研究 リュージュ ) 間の交通の要衝として商工業が発 ツの気候学者プリュックナーがみいだした約一一一とともに都心の再開発が行われ、低地の商業地 に帰せられる。平面上の直線は + を + c Ⅱ 0 五年の気候変動の周期。彼はカスピ海の水位が区に近代的建築物が増加し、中心が北駅寄りに達、一一三九年に自治権を獲得し、市場 ( 現在 の形で表されるから、直線は〃、わ、を定三四 ~ 三六年の周期で上下していることを発見移動した。 のグラン・プラス ) と集会場 ( 現在の市庁舎 ) め、逆に三つの数は直線を定める。この場合し、この周期が湖沼の水位だけでなく、降水量 は一意に直線を定めるが、直線はや気温・気圧の変動、氷河の前進・後退、さら b:c なる比の値だけを一意に定め、その意に農作物の収穫量や価格の変動にも認められる 味で点の斉次座標に似ている。プリュッカー座ことを明らかにした。その後、世界各地で二〇 ポ一 標は空間における直線の座標で、次のように定年から五〇年程度の気候変動の周期が報告され ・フ 義される。直線 / 上の二点、の斉次座標をるようになり、プリュックナー周期との関連が ー 7 それそれ 議論されている。日本でも、降水量や台風襲来 一 1 数の変動などにこの周期がみいだされることが とするとき ある。しかし、現実に認められる周期はかなり 、こⅡ暑ー暑しヾ , 1 橋 ~ ・△ ) 橋 4 不規則で、太陽黒点数の増減にみられる一一年 教 7 工 ( ↓気候変化 ↓気候 なる六個の数貶 “を / のプ周期ほど安定していない。 物ヾ 0 変動 リュッカー座標という。これら六数の比 〈三上岳彦〉 0 P12 、】 3 、一 4 、 23 、 24 、 34 。フリュッセル BruxeIIes ベルギーの首 引へ 3 ・教 は、 / 上に点、 C をどこにとっても同じであ都、。フラバン州の州都。同国中央部、サンヌ川 チ、 立 り、また の沖積平野に位置し、名称は「沼地の定住地」 PI も + PI も + PI もⅡ 0 を意味するプルク・セラ Bruoc-seIIa ( プル なる関係を満足する。逆に、 ) にを満たす六数が ク・セレ Broek-sele とも ) に由来する。「プ 0 「修 与えられれば、①を満たす点 リュッセル」はフランス語名で、オランダ語名 」 , を会場レ BrusseI もほば同発音、英語名はプラッセルズ 引教広へ ~ ダ を求めることができて、与えられた六個の数は Brussels0 人口一三万九六七八 ( 一 I) 、首都 イ彡 これら二点を通る直線のプリュッカー座標にな圏人口九八万〇一九六 ( 一久五 ) 。フランス・オラ る。空間にある直線—に対して五次元空間で斉ンダ両語使用地域。ベルギーの政治、経済、文 次座標が (p にも PI 、も ~ 。も、 ) なる点を対 化の中心地であるのみならす、 QO 、 Z<+O 応させれば、直線の集まりがつくる幾何学的対 などの本部が置かれ、西ヨーロッパの首都的な 0 っ象の研究は、五次元空間で座標が②を満たす四性格ももつ。人口の二割強が外国人。ヨーロッ ゅ・次元的曲面上の点集合の解析的研究に帰せられ パの鉄道交通の中心地で、一八三五年にヨーロ . り・る。この意味でプリュッカー座標は射影幾何 ッパ大陸初の鉄道が当地と北東郊外メケレンと 〈立花俊一〉の間を走った。 、か学、代数幾何学で重要である。 。第「 0 第啝を 1 1 い プリュッセル ビ丿 / 丿レ ノル際空港 / 世 会・ 園一 ノ一 667

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語形変化に伴って意味が変化する英語等の西欧詞の表す動作・作用・状態等が、その場面のなめ、ただ事柄を述べるだけでよいという意識に 文の組立てに関する法則性を研究する分野が統 語とは異なっていることになる。ただし、平安かで他と、とくに異なる点のあるとき、それを基づき、そのような表現が成り立っていたので 語論である。文の意味は、それに使われる単語 ある。しかし、現代語に近づくにしたがい、文 によって決定されるように考えられがちである時代までの日本語では、動詞型活用の語には時述べるために使われる語である。その意味で、 副詞は、これらの語に対して補助的な働きをすを成り立たせる語と語との関係を意識する傾向 間に伴って事態の変化する意味が含まれてい 、、 : けっしてそうではなく、文としての形式が た。平安時代末から動詞には時間に伴う意味がる語ということになる。なお、現在は、ここでが強まり、助詞をつける形式が確立してきてい 整って初めて文の意味は決定されるのである。 〈山口明穂〉 いう副詞はさらに細分化され、おもに用言を修る。 なくなり、時間にかかわる意味のない命令形だ このことは「太郎が犬を追いかけた」と「犬が 太郎を追いかけた」を比較すれば明らかであるけがその語形独自の意味を残すということにな飾する語 ( 副詞 ) 、体言を修飾する語 ( 連体分封ぶんばう昆虫類のミッパチにみられ ぶんはう 、、、「分蜂」とも書く。ミ る。平安時代まで時代をさかのばってみたと詞 ) 、文と文、語句と語句をつなぐ働きをするる巣分れのことをし が、このように単語が一定の統語的法則に従っ ツバチの巣内の個体が過剰になると、女王の出 語 ( 接続詞 ) 、感動・呼びかけ・応答を表す語 て文の形に整えられたものに対して、その文のき、活用のある語で、動詞、形容詞、形容動詞 意味が決定される。意味論は、このような文のではその活用の意味に異なりがある。動詞は動 ( 感動詞 ) と四類に分けられるのが一般である。す抑制物質が行き渡らなくなり、王台が形成さ れ、新しい女王が誕生する。その前後に、前か これらの語が組み合わされて文ができあがる。 意味を研究対象とするばかりでなく、個々の単作・作用・存在等を表すが、活用は、時間に対 文は、まとまった思想を表すために表現されらの女王は巣内の約半数の働きバチとともに巣 語の意味も研究範囲としている。したがって、応した形での意味の変化を表している。まだ現 を出る。これが分封である。巣を離れたハチは いくつかの語よりなるものをい たひと続きの、 意味論は、意味部門と語彙部門の両方にまたが実化していない事態 ( 末然形 ) 、すでに現実化 近くの木の枝などに女王を中心とした集団、蜂 している事態 ( 連用形 ) 、基本となる事態、そう。一語だけでなる一語文もある。この場合、 る分野であるといえる。最後に、文の意味と対 きゅう の基本ということから時間的には現在の事態文と語が同じ形になるが、その場面に応じた表球をつくるが、好適な営巣場所を探しに出た 比して、文がいかに発音されるかということ、 つまり音韻部門の研究を対象とした音韻論があ ( 終止形 ) 、目前の事態、ただし下に体言がくる現者のなんらかの意図に基づいたものが文であ斥候のハチが蜂球に戻って、みつけた場所の距 という変化 ( 連体形 ) 、現実化した事態を前提り、語と対応する事柄を表すだけであって、実離と方向を指示するダンスをし、やがて移動が る。音声に関する研究には、この音韻論のほか いぜん にして、下に続ける ( 已然形 ) 、相手への命令際に、ある場面で使用されたのではないのが語おこる。巣に残った新しい女王は雄とともに結 に音声学がある。音声学が、言語音の生理的お であるということに違いがある。西欧語では、婚飛行を行い、交尾後巣に戻る。ときに、さら ( 命令形 ) という変化である。この語形変化は、 よび物理的側面を研究するのに対し、音韻論 に新しい女王が同じ時期に生まれるが、この場 は、個々の音がどのような体系をなして語形成動詞の表す事態が時間の推移とともに進展・変文は大文字で始まるということで外形上も一つ の単位とする意識がはっきり現れているが、日合、第二の分封が末婚のこの女王と働きバチに 化することを、古く日本人が認識したことを示 に参加しているか、そして個々の単語が文をな 〈中根猛彦〉 とのように発音されるしている。形容詞は「 ( し ) く ( 連用形 ) 」「し本語ではそれがはっきりしていない。本来は一よっておこる。↓ミッパチ して連結されたときに、、、 ( 終止形 ) 」「 ( し ) き ( 連体形 ) 」の三つの活用つの文という意識は不明確であったと思える。文法学派ぶんぼうがくはインド哲学学派。 かという点を研究対象としている。 日本語の文は、述語は不可欠であり、かっ文古代インドにおいては、ペーダ聖典研究の六補 とれも動詞「あり」の熟合 以上の各分野の研究が、個々の一一一一口語に対して形 ( 他の活用形は、。 適用されるのが通常の文法研究であるが、個々したもので、形容詞本来の活用形ではない ) が末という確固とした位置を占め、そこを動くこ助学科の一つとして文法学 ( ビャーカラナ v 言・ karava) が成立し、早くから専門の学者が輩 の言語を超越したレベルでの研究も進められてあるが、これには、その語の表す事態が、そのとがない。他の語は、それを意味のうえで補っ ーニニ ( 前五 ~ 前四世紀 ) は文典 いて、人類一一 = ロ語全体を通した、統語的特徴、音置かれた場面でどのような様相を示すかというて、表現をわかりやすいものとするという構造出した。パ 『アシュターディャーイー』を著して、文法学 韻的特徴といったものの追求が近年とくに盛ん変化があり、時間にかかわる意味の変化は認めをもつ。述語のみが基本成分であり、他は補い を独立の科学として確立した。その後、カーテ の成分ということになる。「主語ーー述語 られない。形容詞の表す状態の意味を時間との になっている。このような人類一一一一口語の全体的な イヤーヤナ ( 前一一吾こしおよびパタンジャリ ( 前 ( 他の成分 ) 」という基本構造をもっ英語などの 記述を目ざした文法を普遍文法とよび、個別文かかわりで認識しなかったということになる。 二世紀 ? ) によって詳細に補修訂正され、微細 〈柴谷方良〉動作・作用・存在は時々刻々に変化するが、状西欧語とは異なっている。この述語の位置にく 法と区別している。 ることのできるのは、名詞、動詞、形容詞、形な点まで規定されて、文法学はいちおう完成さ 〔日本語の文法〕単語は次のように分類でき態は、そのような変化は認めがたいということ があり、活用に、動詞と形容詞とで意味の差が容動詞と、ある場合の副詞である。その意味れた。しかし彼の没後、文法学の伝統は著しく る。①事物の名称を表すーー名詞、②事物の作 用・存在・状態を表すーー動詞・形容詞・形容出るのも当然ということになる。存在を「あで、名詞、動詞、形容詞、形容動詞の四類の語衰微したが、五世紀になって、バルトリハリ ( 五世紀後半 ) はそれを復興したにとどまらず、 は、表現上も基本成分となりうるものである。 動詞、③前記二類の語にさまざまな意味を添えり」という動詞でとらえ、不在を「なし」とい 一つの哲学学派にまで発展させた。↓パタンジ ただ、名詞はそれだけでは文中の成分となりえ う形容詞でとらえたのも、存在は時間の推移に るーーー・副詞 ( 接続詞・感動詞・連体詞も含め ャリ - ↓ - ↓バルトリハリ〈前田専学〉 ず、助詞、助動詞などの語の補助を必要とする て ) 、④つねに他の語に伴って使い、さまざまつれて変化するが、不在は変化するはずもない 文房旦 ( ぶんばうぐ書斎 ( 文房 ) に備える器 から、とすると納得しやすい。形容動詞は語尾点で、右の三類の語とは異なっている。述語に な意味を添えるーー助動詞・助詞。 に動詞「あり」がついてできた語であり、そのかかっていく他の成分は、助詞の補助を受け物。文具ともいう。狭義には、机上やその周り 右の品詞のうち、活用のある語は動詞、形容 る。助詞という関係を表す語があるために、述に備える物をいうが、広義には文房生活に必要 詞、形容動詞、助動詞の四語である。活用は、源から動詞の性格を有している。 な用具すべてを含む。 名詞、副詞は活用しない。動詞のように、時語以外の成分は、文中のどこに置かれてもよ 動詞型、形容詞型、形容動詞型、特殊型 ( 助動 ひっせんひっ すずり 古代中国では、筆、硯、墨、紙、筆洗、筆 文中の位置によって、いかなる成分かが決 間の推移に伴って、その語の表す事態が変化す 詞の場合。無変化活用も含む ) の四種がある。 とう ぶんちん いんでい 活用は、現代語では、語の断 ( そこで文が切れるということもなく、形容詞のように、その場定される西欧語とは異なっている。ただし、日筒、筆架、水滴、墨台、文鎮、印材、印泥、刀 びようぶ すきり 本語も古い時代にさかのばると、名詞なども子、錐などの類のほか、文房に置く琴、屏風、 , フる ) ・続 ( あとに他の語が続く ) に際して生じ面によって様相の変わることもないことからい って当然といえる。名詞は、ある事物を他の事「が」「を」といった語を伴わず文の成分となっ書画、陶器、玉器、銅器などの愛玩品までも含 る、体系的な語形変化であって、動詞型の命令 ん形を除いて、活用に際してその語形変化に伴う物から区別するためにつくられた語である。副ていた。述語という基本の成分に対して、意味んで文房具といった。宋代以降は硯、筆、墨、 紙をとくに「文房四宝」とか「四友」と称し 8 詞は、名詞の表す事物、動詞・形容詞・形容動の補いをつけるという形で表現がなされるた か意味の変化はない。その点、現在、過去等と、 そう あいがん

10. 日本大百科全書 20

である。 文化領域には、その規模において少なくとも 状況はまた、数多くの原住民社会が今日置かれた番組、営業活動に定評があり、六八年一月開 なお、この分割統治ということばは、近年、ている状況でもあり、今日なお緊急の問題を提始した「サントリー出前寄席」など、スポンサ三つの種類が区別される。第一は、多くの語族 や生態学的な大領域を含むような広い地域、た 日本では、比例代表制の導入によって、野党の供しているのであるが、文化接触一般からみれ ーの販売促進活動と連動した ( セールス・ 連携が図りにくくなる一方、与党自民党が議席ば、一方から他方への影響のみが問題となる、プロモーション ) 番組に好評なものが多い。長とえばアメリカとかアジアのような大陸におい を伸ばすといった政治状況をさして使用されるやや特殊なケースである。文化変容は、その原寿番組に「録音風物詩」「朝の小鳥」などがあて数個ないし十数個の領域を設定するものであ よ、つにもなっている。 〈青木一能〉因となる文化接触のあり方、接触する二文化のる。最近、報道で早朝のビジネス【マン向け情報る。第二は、プラジルのように、大陸よりは小 内在的な性格などによってさまざまな形をと番組、スポーツ面で西武ライオンズのナイター さく、熱帯雨林という一つの生態学的大領域の 文ヒ闘 . ぶんかとうそう Kulturkampf 一八七〇年代、ドイツのビスマルクが国内のカり、その一般化は容易ではない。たとえば、侵放送を実施するなど、新しい聴取者層、媒体機なかに入ってしまうが、数多くの語族を含むよ うな中規模地域での文化領域設定である。第三 トリック教徒に対し行った弾圧政策。七一年に略や征服による接触と、交易による場合とでは 能の開発を試みるとともに、スペシャル番組、 成立したドイツ帝国に対し、国内の少数派カト 大きな違いがあるし、前者の場合でも、接触し ドラマなど大人向け「傾聴路線」にも力を入れは、日本のような本質的に同質的な小規模の地 リック教徒とその政党、中央党が敵意を抱いてた集団の規模や技術の発達段階の相違などに応ている。関連事業にも積極的で、音楽出版、テ域内において、東日本と西日本というような文 いた。帝国の強化を目ざすビスマルクはこれへじて異なってくる。またインドのニルギリ地方 化領域を設定することである。 ープ、ビデオ、教育事業など数多く手がけてい の弾圧に乗り出し、七一年、聖職者の政治活動のトダ、コタ、バダガ、プルングの各部族間のる。資本金五億一〇〇〇万円 ( 一九会 ) 。 文化領域とは、ある時点における特徴的な文 を禁ずる「教壇条項」、七三年「ジェスイット 〈伊豫田康弘〉 ように、長い接触にもかかわらず文化変容がみポン放送 化要素の群であって、構成する個々の要素は新 法」、七三、七四年「五月法」を発布。カトリ られない例もある。 噴火予知ふんかよち火山噴火の発生の時、旧さまざまである。この点において、過去のあ ック教会の教育や市民生活に対する影響を除 北米インディアンの研究に端を発する文化変所、規模、様式の予知。その的確な予知・予報る文化層を表す要素の群として考えられるドイ き、教会を国家の統制下に置こうと試みた。し容の研究のいま一つの大きいテーマに、文化変は防災に役だつが、まだごくむすかしい。広義ツ・オーストリアの民族学における文化圏の概 かしカトリック教徒はこれに抵抗、中央党も七容の過程における個人個人の適応の問題があ には、噴火開始後にその後の活動推移を見通し念とは相違がある。文化領域が形成される要因 四年以降の選挙で躍進を続けたので、ビスマルる。西洋文明との接触以降世界各地でみられた たり、噴火停止後に再発の有無などを予知するとしては、気候区、植生、地形などの生態学的 クは弾圧政策を打ち切り、七八年から和解交渉土着主義的運動や千年王国運動も、こうした観ことも含まれ、社会的には、最初の噴火発生の条件と、中心文化からの影響、住民の移動など の歴史的条件の二つがおもなものである。いっ を進め、八〇年代に関係法令の多くを廃止し 点から分析されることがある。一九世紀末に北 予知・予報より微妙な場合も多い。噴火予知に 〈木谷勤〉米インディアンの間に急速に広まったゴースは、各火山の過去の諸噴火の実績・特徴などをたん確立した文化領域は、時代を経て内容的に ト・ダンス ( 幽霊踊り ) という一種の陶酔的な究明しておき、かっ、科学的観測で噴火現象やは変化しても持続する傾向がある。日本では東 文化の日ぶんかのひ一一月三日。「自由と 平和を愛し、文化をすすめる」ことが趣旨の国新興宗教は、白人が滅びインディアンだけが生その前兆・随伴現象を的確にとらえることが肝日本と西日本の対立は縄文時代から続いている 〈諏訪彰〉 が、特徴となる要素は時代とともに変遷してし 民の祝日。一九四八年 ( 昭和二三 ) 制定。四六 き残る世界の出現を信じるものであったが、文要である。↓火山↓噴火 〈大林太良〉 まった。↓文化圏 年のこの日公布された新憲法の精神に基づき、 化変容に伴う集団的不適応を示すものとされ文化領域ぶんかりよういき culture area 一時期のアメリカ 平和と文化が強調されているが、この日を祝日 た。こうした単純な見方には批判も多いが、個文化を空間的に分類して区画した領域をさす。文化類型ぶんかるいけい の文化人類学を特徴づけたものに、文化の総合 としたのは、四七年まで四大節の一つの明治節人的な不適応の問題は、原住民の間でのアルコ ことにアメリカの文化人類学において、アメリ まんえん ( 明治天皇の誕生日 ) だったためもある。皇居 ール中毒の蔓延といった社会問題や、二か国語力大陸をはじめ、アフリカ、アジアなどにおけ的類型把握を目ざす諸研究がある。これは一九 で文化勲章の授章式があり、芸術祭がこの日を教育の是非などの政策上の問題とも結び付い る文化領域設定が盛んに行われた。文化領域の世紀以降、ヨーロッパでリッケルトやシュペン 中心に開催される。晴天の日が多い気象上の特て、今日なお応用人類学的研究の重要な課題の研究の基礎をつくったのは、ウイスラーの著しグラーらによって提唱された歴史・文化類型論 異日としても有名。↓明治節 〈森脇逸男〉 にも影響を受けているが、その基本的性格は大 一つとなっている。文化変容の研究は、単に理た『アメリカ・インディアン』 ( 一九一七 ) である。 かせい 文化文政時代ぶんかぶんせいじだい 0 化政論的な関心からだけではなく、実際的な問題解彼によれば、文化領域とは、他地域と比べた場きく異なっている。 リッケルトは、世界史に登場したいくつかの 決への関心からも、多くの人類学者の関心をひ合、その内部において、多くの集団が多くの文 ^ 浜本満〉 く研究となっているのである。 化要素を共有していることによって特徴づけら高文明のなかに八つの文化類型を設定し、ヨー 文化亦夂宀谷ぶんか〈んよう acculturation ロッパ文化はその普遍性のゆえに他の文化を破 文化の動態を把握する概念の一つで、文化触変文化放送ぶんかほうそう関東地方一円をサれるような地域である。たとえば北アメリカの とも訳されている。文化の変化のうちでも、一一 ービス・エリアとする民間ラジオ放送局。略称平原文化領域は、食糧のためにバイソン狩猟を壊し、世界史において将来的役割を担うと論じ た。またシュペングラーは、各文化はおのおの 文化の接触に起因するもの、すなわち異なった は Z 0 22 だが、呼出符号 O C の C がラジ 行い、これに反して農耕と漁労は特徴的に欠如 えんすい 文化との、持続的で直接的な接触によってもたオ業界での一般呼称となっている。一九五二年し、住居としては皮張り円錐形テント、野営地他から独立した自己完結的なものであるとしつ でんば にはテントを円形に配置すること、円形盾、騎つも、その盛衰には平行性がみられるとして、 らされた変化をいう。伝播の研究が、従来、文 ( 昭和二七 ) 三月聖パウロ修道会などが主体と 相互の比較により一文化の今後の予見が可能で 化の個々の要素のみを問題にしていたのに対なって財団法人日本文化放送協会として開局、馬と男子軍事結社による戦争、皮製容器を用い その後経営的な行き詰まりなどがあって五六年るが土器や籠は欠如、宗教的幻覚、太陽踊りなあると論じた。こうした文化類型論に対し、文 し、文化変容の研究はより全体的な視点から、 化を共時的に把握し、より相対主義的な観点に ど、約二〇の要素によって特徴づけられてい これらの受容と統合の過程を問題にしようとす二月、株式会社文化放送に改組、再発足した。 る るものである。 六五年五月以来、ニッポン放送とともに zæz る。そして中央部の一一種族はこれら要素のすたっ文化類型の考え方が、文化人類学の分野で ( ナショナル・ラジオ・ネットワーク ) のキー べて、あるいはほとんど全部をもつのに対し提唱された。 文化変容の研究は、白人文化の支配的影響の ん こうした考え方を最初に定式化したのは、 もとで、急速に変化しつつあった北米インディ局として、民放ラジオ界のリーダー役を果たして、周辺部の種族になると、これらの要素のう 『文化の型』 ( 一九三五 ) や日本研究の書『菊と刀』 8 、かアンの文化の研究に端を発している。こうしたている。民放ラジオ独特の時代感覚を先取りしちも 0 ているものの数が減る傾向がみられる。 ぶ人か かご