傷つけられており、自己破壊的な傾向を示す」ということである。そして、彼らははとんど全員とい ししノ、ら いすれも自分に価値を見いだすことが困難で、人から本当に愛される自信がなく、 そして何をしても自分は不十分であるように感じているのである。 「毒になる親、の子供がこのように感しるのは、意識的であれ無意識的であれ、親から迫害を受けた 時に、「自分がいけなかったからなのだろう」と感しるためであることが多い。外部の世界から自分 を守るすべがなく、生活のすべてを親に依存している小さな子供は、親が怒っているのは自分がなに か〃悪いことんをしたからだろうと感じるのが普通である。自分を守ってくれるはすの親が実は信頼 できない人間だったなどということは、 小さな子供には考えもっかないからだ。 そのような子供は、「罪悪感 ( なんとなく後ろめたい感じ )- や「自分が不十分な感じ」を心の奧に 抱えたまま育っているので、成長して大人になった時にポジテイプで落ちついた自己像を持っことが 非常に困難になる。自分に対する基本的な自信がなく、生きていくことの価値がなかなか見いだせな いようになるのはそのためなのだ。この心のメカニズムは成長後も継続し、人生のさまざまな局面に 影響を及ばすようになる。 自分をよく見てみよう 自分の親が「毒になる親 , かどうか ( すでに亡くなっている場合には、生存中そうだったか ) を判 断するのは、常にたやすいとは限らない。親との関係がうまくいっていない人はたくさんいるが、そ
す その後に起きること 戻 取 を 生 あなたに出る反応 人 ら 話し合いの直後には、突然、勇気と力が湧いてきたような気分になり、一時的に高暢した幸福感の ようなものを感じることがある。また、対話が予定していた通りにうまくいかなかった場合でも、つ いに大きなイベントをやり終えたという安堵感に浸ってほっとする人もいるだろう。いすれも、長い 間心のなかに押さえ込んできたたくさんのことを言ったことで、気分はすっと軽くなっているかもし れない たか、心が極度にアンバランスになったような、または大きな落胆をしたような気分になる場合も ある。また、この先はどうなるのだろうかという不安を感しることもあることだろう。 直後の気分がそのどれであっても、本当の効果があらわれてくるまでには少し時間がかかる。本当 に力が湧いてきたように感じ始めるまでには、数週間から数か月かかるのが普通だ。だが、時間はか かるが、あなたは確実にそれを感じるようになる。その感じは、極端で一時的な高揚感でも落胆でも ない、安定して少しすっ増加していく自負心のようなものだ。
と自尊心を回復することができるはすである。 ます、子供のころに大人から性的な行為をされたことのある人は、つぎの項目のほとんどがあては まるはすだ。 1 ・心の奥底に、自分には価値がないという感じ、罪悪感、羞恥、などの根深い意識がある。 2 ・他人にすぐ利用されたり、食い物にされたりしやすい 3 ・他の人間はみな自分より重要に感じる。 4 ・人から愛情を得る唯一の方法は、自分のことは一一の次にして相手の要求を満たすことだと思って 5 ・自分が受け入れられることの限界をはっきり相手に示したり、怒っている時にその怒りを適切に 表現したり、人の要求を断ることなどがとても下手である。 際 6 ・残酷な人間や人をすぐ傷つける人を自分の人生に引き寄せてしまうことが多く、それでもなお、実 そういう人間が自分に良くしてくれたり好きになってくれると信じている。 セ 7 ・人を信頼することが困難で、自分は必す裏切られたり傷つけられたりすると感じている。 セックスや自分の性的な面が好きでない。
アルコール中毒の親本人による「事実の否定」 だれがみてもその人間はアルコール中毒だという圧倒的な証拠があるにもかかわらす、そして、 その人間の行動は家族にとって苦しみであり恥であるという事実にもかかわらす、本人がその事 実を否定する。 ・本人以外の家族のメンバ ( たいていは配偶者と子供 ) による「事実の否定」 これには通常、「ママが飲むのはただリラックスするためなんだよ」、「いま転んだのは何かにつ ますいたからさ、、「パパが失業したのは意地悪な上役がいたからだ」などの言い訳が用いられる。 3 ・自分たちは″ノーマルな家″なのだという取りつくろい この取りつくろいは、家族のメンバー同士の間でも、外部の人間に対しても行われる。自分たちを 〃ノーマルな家〃のように見せかけようとする家族の態度は、とりわけ子供の心を歪めてしまう。な ぜなら、子供は生まれつき自然なので、家のことについては当然疑問がわくが、そういう自分の感覚毒 を無理やり否定しなけれはならないからだ。自分が感じたり考えたりしていることと違うことを絶えル す自分や他人に言っていなくてはならない状態では、自分に対する信頼感を育て、自信ある人間となコ ることは不可能である。その子供の内面には無意識のうちに罪悪感が生まれ、自分が人から信用されア るかどうかの自信が持てない。その感じは成長するとともに続き、その結果、自分のことを積極的に
ている。彼女は子供の時、愛情深い父親というのは家族に対してどのように振る舞うものなのかとい うことをまったく知らないまま育ち、楽しい時間を過ごしたければひどい田 5 いにも我慢しなけれはな らないのだろうと推測するしかなかったのだ。こうして、彼女の心のなかでは、愛と苦しみが一緒に なり、愛は必す苦しみを伴うと信しるようになっていったのである。 〃相棒みの関係 彼女の父親は、男にぶたれたくなかったらどんなことをしてでも機嫌をとっていなくてはならない ということを実例をもって教えたわけである。彼女は十歳の時に父親から酒を飲まされるようになり、 しだいに父の〃飲み仲間〃となっていった。 アル中の親を持っ子供の、少なくとも四人に一人は自分もアル中になる。彼らの多くは、ごく若い うちにアル中の親によって酒の味を覚えさせられている。そのような形で一緒に酒を飲むと、その親 子の間には何やら特別で秘かな感じのする結びつきが生まれる。このような〃共犯関係みを、子供は 親 〃友〃のように感じるようになり、それは親から愛と承認を得るためのいちはんよい方法と考える毒 中 ようになってしまうのである。 また、たとえ親から積極的に飲酒に誘われなくても、アル中の親を持っ子供が将来アル中になる確コ 率はやはり高い。それはなぜなのか ? 中毒しやすい体質に遺伝的傾向があるのか、または生化学的ア : ごゞムま、人間の行動や信条 な異常なのか、などといったことはいまのところまだわかっていなしオカ不 (
たが変わることであり、あなたは相手の反応がどうであるかには無関係に、自分の力だけで過去のハ ターンから変わっていくのである。その結果相手の態度が変われはそれはそれでよいし、もし変わら なくても、カのバランスは冷静さを保っているあなたのはうへ傾いてくる。 このように、自分をはっきりさせ、反射的に反応するのではなく冷静に対応し、自分の考えや感じ ていることを相手にはっきり伝え、受け入れられることと受け入れられないことの限界をはっきり示 すことができた時、あなたと親との関係は変わらざるを得なくなっていくだろう。 223 自分は何者かー一本当の自分になる
親 ( やその他の人たち ) の要求や意向に影響されす、自分自身の考えでものを考え、自分自身の感 覚でものを感じ、自分自身の意思で行動している時、あなたは本当の自分になっている。だがその時 には、もしあなたの考えや行動を親が気に入らなければ、あなたはある程度の不快を我慢しなくては ならない また、もしあなたが親の望むように自分を変えようとしなければ、今度は彼らがあなたに る 対して抱く不央感を、あなたは我慢しなくてはならないことになる。また、あなたの考えが親と同じ だったり、行動が結果的に親の望むことと同じになったとしても、それはあなたが自分の意思で選択 をした結果たまたまそうなったのであり、親の意向に賛成するのも反対するのも、はっきりとした自の 当 本 分の意思で自分が選択した結果でなければならないということである。 「本当の自分でいる . ということは、人の気持ちを踏みにしったり、自分の行動が人に及ほす影響を 無視することではない。だが、それは同時に、他人が自分の気持ちを踏みにじって勝手なことをする者 のを許すことでもない。 つまり、他人の気持ちを思いやることと自分を大切にすることは、常にバラ ンスが取れていなくてはならないのである。 もちろんそうはいっても、常に百パーセント本当の自分でいられる人はない。人間は社会的な生き 十一章自分は何者かー本当の自分になる
部屋の掃除や食事の用意などはまかないの人がやってくれ、母は家事をしていなかった。そういうわ けで、結局父をなだめるのはいつも彼女の役だった。 ここで、私が長年カウンセリングに使っている「共依存度のチェックリスト」を示してみよう。そ の時彼女に渡したのもこれと同じものだ。共依存的生格は女生にはかり多いとは限らない 問題のあ る妻や恋人と共依存の関係にある男性もたくさんいる。 ・たとえそれがどんなにつらくても、彼 ( 彼女 ) の問題を解決して苦しみを取り除いてあげること が私の人生で最も重要なことだ。 2 ・私が気分よくいられるかどうかは、彼 ( 彼女 ) が私のすることを認めてくれるかどうかによる。 3 ・たとえそれが、彼 ( 彼女 ) が自分でしたことの結果自分の身に起きたことであっても、私はその ことから彼 ( 彼女 ) を守ってあげたい。そのためには、嘘をつくことも、もみ消しをすることも 親 いとわない。人が彼 ( 彼女 ) の悪口を一言うようなことは許さない。 さ 4 ・私は彼 ( 彼女 ) が、私の望むように行動するよう一生懸命努力する。 を 5 ・私は自分がどう感じるかとか、何をしたいかということにはあまり注意を払っていない。大事な務 のは、彼 ( 彼女 ) がどう感じ、どうしたいかということだ。
4 ・あなたは親の考えに反対するのに勇気がいるか。 5 ・あなたの親は、あなたを威圧したり、罪悪感を感じさせたりして、あなたを自分の思い通り に行動させようとするか。 6 ・あなたの親は、金銭的なことを利用して、あなたを自分の思う通りに行動させようとするか。 7 ・親がどういう気分でいるかはあなたの責任だと思うか。もし親が不幸だとしたら、それはあ なたのせいだと思うか。親に幸福感を感じさせるのはあなたの仕事だと思うか。 8 ・あなたか何をしても親は満足しないと思うか。 9 ・あなたはいつの日か親が変わってくれる時がくると思っているか。 これらの質問に対するあなたの答えの少なくとも三分の一が「イエス、だったら、本書はあなたの 助けになるに違いない。本書で述べられているさまざまなタイプの「毒になる親」のなかには、あな たには直接関係ないと思われるものもあるかもしれないが、どのようなタイプの「毒になる親」であ っても、子供のむに残す傷は基本的に同じようなものであるということを忘れないでほしい。」 伊えば、 親がアル中ではなかったとしても、はかのタイプの「毒になる親」だった場合、子供は精神不安定、 心の混乱、楽しい子供時代の喪失など、アル中の家庭に育った子供が示す典型的な症状とほば似たよ うな症状を示す。 25 はじめに
をどう愛したらいいのかわからない親」というのは、言葉を変えれば「どのように愛情のこもった態 度で子供に接し、行動したらいいのかわからない親、ということである。どのような「毒になる親 , であろうとも、もし子供を愛しているかと聞かれれば「もちろんですよー と語気強く答えるに違い ない。だが悲しいことに、同じ質間を子供のはうにすれば、そのほとんどは「愛されていると感じた ことはない、と答えるだろう。「毒になる親、の言っている〃愛〃とは、あたたかい心をはぐくみ、 子供を優しく安心させてくれる態度や行動のことでははとんどないのである。 「毒になる親、に育てられた子供は、愛情とは何なのか、人を愛したり愛されたりするというのはど ういう気持ちになることなのか、ということについてよくわからす、混乱したまま成長する。その理 由は、彼らは親から、〃愛情〃の名のもとに〃愛情とは正反対のこと〃をされてきたからなのだ。そ の結果、愛情とは「非常に混乱していて、劇的で、紛らわしいもので、苦痛を伴うことがよくあり、 時としてそのために自分の夢や望みをあきらめなくてはならないもの」という認識を生む。だが、む の と の健康な人間ならすぐわかるように、真の愛情とはそんなものではない。 生 人 本当に愛情のある態度や行動というのは、けっして子供を消耗させたり、混乱させたり、自己嫌悪 を抱かせたりするようなことはない。 愛情ある親の行動は子供の心の健康をはぐくむ。愛情が相手をも ・ク 傷つけるなどということはあり得ないのである。愛されている時には、だれでも自分は受け入れられ、 ロ 気づかわれ、評価され、尊重されていると感じる。真の愛情は、あたたかい気持ち、喜び、安心感、 工 安定感、心の平和、などを生む。 もしあなたが「毒になる親」に育てられた人間だったら、あなたは本当の愛情とはどういうことな