子どもとのつきあい方や子どもに対して感じ けられたこと、また、あなたと援助者との意思 ることを教えてください。 疎通がうまくいかす、弱い立場であるあなたが 傷ついたことなど、援助者との関係でどのよう ⑩子どもの父親となった人とはどのような関係 なことを体験し感じてきましたか。 ですか ? 深い人間関係を作るなかで、あなたはどのよ ⑦子どもができて、何か変化しましたか ? うな体験 ( 傷つくパターンを繰り返したり、逆 に癒された体験など ) をしましたか。また、子 3 子どもができたことから始まった人間関係 しんせき どもが生まれる前と生まれてから、そして現在、 ( たとえば、夫の両親・親戚・兄弟・姉妹、 彼との関係に変化はありましたか。 保育所・幼稚園・地域での人間関係 ) はどの ようなものですか ? れ これらの人間関係は、多くの母親にとって困ハートナーとはどのような関係ですか ? 楽 子どもの父が現在のパートナーである人、違 難なものです。アディクションや << O の問題を て っ ートナーとなっている人、またパー 、つ人かハ 持っ私たちにとっては、自分をうまく表現でき 会 出 ナーを持たない生活をしている人もいることと ずに特に悩みの多い関係ではないでしようか 困ったことや、逆によかったことはありますか 思います。アディクションや < O の問題を持っ衂 ートナー なかで、また回復を目指すなかで、 と呼べる人との関係がどう変化してきましたか。 ⑨子どもとはどのような関係ですかフ
生まれた子どもは母乳で育てました。ほかの子と比較しては、体 下にラマーズ法で一丁い、 重が多い、寝返りが早いなど、以前自分の体重を管理することで過ごしていたように、今 度は、子どもの体重や発達を管理して過ごしました。 今回は子どものためという名目があるので張り切ってやりました。でも時々疲れてしま こちらの努力にもかかわらず、子どもが離乳食を食べなかったり泣きやまなかったり ほかの子ができることができなかったりすると、どうしようもない怒りとむなしさで心の 中はいつばいでした。でも、良いお母さんは子どもをしかったりたたいてはいけないので、 苦しくなると自分をたたいたり、体に爪で傷を付けたりして何とか気持ちを収めました。 三人子どもができ、三番目の子が小学校の一年生の時、登校拒否になりました。私は自 分の生き方を変えるときが来たんだと漠然と思いました。 外に出られない子どもに付き添って、子どもが「やって」ということだけを毎日やって 過ごしました。子どもは食事を食べす、お菓子だけの時もありました。歩かなくなり、すっ とおんぶが続きました。上の子たちもそれぞれ自己主張を始め、洋服を大量に買うのにつ きあわされたり、無くしたものを何時間も探させられたり、いろいろありました。 自分が子どもたちを振り回してきたので、子どもたちにある程度振り回されないと帳じ 苦しくて死にたいと思ったこともありました。でも一 りが合わないんだと思いましたが、
たりしました。 6 援助者に対してどのように感じますか ? 援助者も結構 <O 的なところがあるような気 ⑨子どもとの関係は ? がします。ただ、それを自覚していたらいいけ 精神的虐待をしたことを反省しています。そ れど、していないために一方的に「手の焼ける して、あれは身体的虐待や性的虐待といわれる 子ども」みたいな扱いを私は受けたりして、え ものだったと、反省することばかりです。今は らく傷ついてしまいました。 ハニックにならすに、子どもの言葉にも耳を向 けることかできるよ、つになりました。 ⑦子どもができて変化したことは ? 子どものためだけに生きていきたいと思い 自分をずいぶんしばりつけ、自己を犠牲にする⑩子どもの父親との関係は ? 私が自分のことを <O と認識し始めてから、 ことを心地よく感じました。苦痛なんてありま そのよ、つなことを話していると、彼も自分が << せん。でも今考えると、結局はしがみつけるお O であることに気づきました。 <O 同士で依存 もちゃのよ、つに子どもを感じていたようです。 し合っていたっていいじゃないかと、二人で話 しています。 <0 同士だったから、巡り会えた 3 子どもができたことから始まった人間関係 と思っています。 子どもの幼稚園の母親たちに、無理に合わせ アディクションをやめておくコツは ? て本当はいやなのに我をして、疲れてしまっ 127 仲間と出会って楽になれた
てトラウマワークの環境を整えていった。夫に自分のつらさを分かってもらいたくて、そ れが満たされないことが限みになった。夫婦の緊張を解きほぐすような絶妙のタイミング で子どもは病気になり、入院を必要とした。学歴を持っていることで自分の価値が保証さ れ、持たないより得で人に認められるという幻想を手放していくことになった。現実にそ の過程で子どもに対して性的関心がでたり、面倒がみられないこと、数回たたくこと、暴 言がでることがあった。子どもが反抗して思いを言ってくるので大丈夫だ。子どもの不登 園、拒食があった。それも過ぎ去る。今、六歳の子どもに甘えたいことがあるのを仲間の 中で語る。自分の中の子どもがひーひー言っているが何とか折り合いをつけている。また 現実の子どもともなんとかやっていっている。笑う、遊ぶ時間が増える。仲間の集まる場 所に足を運んでいっている。 EASY DOES IT!
無事卒業後、大学という大事な所属を失い、拒食による栄養不足で頭のばけ。ばけがと れたとき、家を物理的に出た。問題を否認したまま、見合い結婚した。カウンセラーの助 言で、夫となる人には、カウンセリングを受け続ける必要と身体の不調を手紙で伝えてお 親から「愛されてた」と思っていた。治療は、幸運にも続けていた。結婚によって大学 入学の時に実現しなかった上京が実現し、自助グループへの出席や対面でのカウンセリン グなど本格的な治療が始まった。子どもの虐待を防止する必要があると伝えられたとき、 今はとても感謝している。共依存症者は、 母親失格のらく印をおされたように思ったが、 しへき 低い自己尊重感と必要とされる必要をもつ。世話焼き嗜癖を満たすには、女性なら子ども を産んで自分から離れられないように育てればよい。子どもの評価が自分の評価につなが や ド ) ち ると思えば、私が受けたような虐待につなかる。母子密着になると、言語を介したコミュ っ ニケーション能力が発達しづらい。子どもの虐待とは、本来、子どもの欲求を優先して満ば 独 たしたり制限するところを、親の満足のために子どもを乱用することだ。親の欲求を間違 いなく読みとれなければ、子どもは無視されるか否定される。 あ 子どもを守るために、夫に時期をみて自分の状態を伝え協力してもらうことで信頼を深 めていった。問題を援助者 ( 保健婦、保育所、福祉事務所、子どもの病院 ) にオープンにし
て死にたくてたまらない時、「子どもさえいな 度の知識もありません。自分で勉強しようとい ければ今すぐにでも死ねるのに : ・ : 」と何度も う意欲もありません。ドクターに至ってはいま 思ったことがあるのも事実です。 だに <0 の概念を否定しています。「 <0 なん てゴミ箱だ」とドクターに言われたことがあり ⑩子どもの父親との関係は ? ます。今は片道六時間かけて別のクリニックに 子どもの父親 ( 夫 ) と私は夫婦としての関係 通っています。そこのクリニックはドクターも はかなり崩壊に近い状况にあると思いますが、 臨床心理士も <0 や摂食障害の当事者なのでと 子どもの父と母としての関係の中では子育てに てもよく分かってもらえます。 対する基本的な考え方が一致しているので、ギ リギリそこの所でつながっていると思います。 ⑨子どもとの関係は ? 子どもに自分の生きづらさを引き継かないこ と、世代連鎖を絶ち切ることを肝に命じていまハートナーとの関係は ? 私の夫は私以外の女性へのかなわぬ愛に絶望 す。子どもに対しては一人の人間として尊重し して自殺未遂をしたことがあります。結婚八年 てあげるように心がけています。私の親が私に 目でした。事件当初、夫を救えるのは私だけだ 求めたような「良い子像」を自分の子どもには と思っていました。私は夫を変えられると思っ 求めないように気をつけています。自分のこの 身体で産んだからには子どもに対して責任があ ていました。しかし事件から数年たっても夫は その女性のことを「一生忘れられない」と言い ると思っています。しかし、一方で、死にたく 1 川
6 援助者に対してどのように感じますか ? の犠牲だ。自分の喜びである日が来るのかどう かも分からないまま、とにかくやっている。 いろいろな人や境遇が私を助けてくれている のかもしれないと思、つよ、つに、い掛けたことはあっ たけど、一番身近な医師を、援助者とは考えてな ⑨子どもとの関係は ? 完成された「私の作品」を期待し、人に文句 かった。それほどに私の一部になってくれてた。 を言われたくない、言わせたくない。子に私と 同じ思いをさせたくないと思、つのに、私と同じ ⑦子どもができて変化したことは ? 自由がなくなった。子どもにモラルや常識や 思いをしていないことに腹立たしく感じるとき もある。私がしていた我がどうしてあんたに 完璧を求める自分のような人間は、子を生み育 てるべきでないのかもしれないと感じた。 はできないのか ? もっと遠慮したらどうなん だと心では叫んでるくせに、表面では、「ああた 3 子どもができたことから始まった人間関係 これが虐待の一歩だ」と自分を責め、「私だけ 楽 は虐待する親にならないはすなのに」と失望す て 地域とやっていくというのは、苦しくてしん る。そのあげく、子どもに対して、「あんたが会 どいが、でも地域やの連帯で子どもを守 生きてるせいで私がこんなに苦しいんだ。あんと たさえいなければ、こんなにしんどいことはな らなければ、やっていけない時代だと思う。母 親同士の関係に友情は成立しないと思っている。 いんだ」などと、自分が選択して子どもを産ん 子どもが村八分にならないため、子どものため でるはずなのに、重荷にしてしまっている。そ
誰にもうつやパニック障害のつらさは分かってもらえないし。 今年の三月にだんなさんが前の仕事を辞め、だんなさんの故郷で仕事をすることになり、 私と子どもも引っ越してきて、復縁し、一緒に暮らしています。 子どもが一番の要になっているかもしれません。子どもは今年から幼稚園です。 ノスにも地下鉄にも乗れるよ 私の今の状况はパニック障害をかなり克服してきました。ヾ うになりました。まだ美容院はつらいかなってとこです。 でも食事がうまく取れないんです。身長が一六八センチで体重が四五キロくらい。過食 に走ってしまっていて、食べては吐いてしまいます。体重が五〇キロに近づくともうイラ イラが頂点に達してしまいます。子どもの相手をするのも苦痛です。子どもと一緒に過 ) 」 すのさえ嫌なときがあります。 でも、子どもには何の罪もありません。私の子どもは早生まれですが、ほかの子と比べ て少し言葉が遅れています。生まれる前からいろんな環境にもまれて育ち、今は育ててく れた私の両親とも遠く離れ、知らない町で、新しい幼稚園という環境の中で生活を始めた わけです。私しか頼るところは無いわけです。 父母会の手芸クラブに入ってみたり、 私はなるべく子どもと接する時間を作ろ、つと思い、 / 自分が元気になれるようにやってみたかったトールペインティングの無料講習会に行った
るのか分からない。だから、幸せな家庭像を勝手にどんどん膨らませてしまって、結果と ても疲れてしまう。 子どもを必要以上に怒ってはいけないとか、たたいてはいけないとか、子どもの前で夫 婦げんかしてはいけないとか、そういう「こうしてはならない的思考」にとらわれやすく なってしま、つ。 また、安心できる場所を持たなかった私が、どうやって子どもに安心できる場所を提供 してあげられるんだろうか ? 私は母親になるべきではなかったのでは ? 親から愛情を もらえなかったのにどうやって子どもにそれを与えられるんだろうか ? 等々。子どもの 要求に答えようとすればするほど、自分の中の小さな子どもが悲鳴を上げているような錯 覚にすらかられる。与えられなかったものを与えなくてはならないつらさというのが一番 だけど、ここでヘこたれるわけによ ーいかない。子どもの世話に休みはないし、家事も私 つらい時は、自分を見つめるチャンスだと思うように の代わりにしてくれる人はいない している。自分の感じたままを素直に受け止める。仲間に話を聞いてもらったり、別の見 方をしてみたり。そして、私は諸悪の根源である原家族との間に物理的な境界線をひくよ うにした。特に、共依存の母と接触を断つようにした。 57 あなたは独りほっちじゃないよ
冷静になってみると、私は子どもを自分の思い くさんのストレスがあることは事実だが、私一 人でしよっているのではなく、家族みんなでしよっ 通りにしよ、つとしただけであることに気付く。 ているので、そういった意味で、私自身を追い まるで、昔の自分のよ、つに。でも彼はそ、ついう 詰める原因とはなっていないと思、つ。 : し ( い力ない。子どもは私には比較的従頂 である。いつも私に味方してくれる。だから余 計、自分から手放したくないのだと思う。 ⑨子どもとの関係は ? 彼は、学校で先生の指一小にほとんど従わず、 正直、彼は私の依存先の一つになっていると 田 5 、つ。しかし、私の思、つとおりにしてくれない それを強要すれば暴れる。そして人一倍、先生 時、私は自分が恐くなる。気がつけば、子ども からのアテンションを欲しがるらしい。日本だ にひどい言葉を浴びせている。息子は性格的に と、「個性」、「性格」ということで片付けられ そうな内容だが、 全く落ち込まない子である。親にしかられてた アメリカだと立派な「障害児」 たかれて痛くて泣くことはあっても、悲しくて として「特殊学級」に入れられる。脳の神経回 / ハこキ、 亠世 / 、 A 」い、つ一」とはない。 路の一部の障害ということらしいが、禾し 子どもに言葉の暴力を浴びせ、子どもより私「障害もちの母親」が影響しているように思え てならないのである。 か逆上して、このままでは虐待まがいの体罰に 発展しそうになるとき、私は自虐に走る。子ど もではなく、自分の腕を切り付ける。そ、つする ⑩子どもの父親との関係は ? ことで、自分自身を落ち着かせることができる。 つまり主人との関係で、子どもに関すること 134